• 検索結果がありません。

介護支援専門員のメンタルヘルスおよび職場ストレスとケアプラン評価の関連性に関する研究 [ PDF

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "介護支援専門員のメンタルヘルスおよび職場ストレスとケアプラン評価の関連性に関する研究 [ PDF"

Copied!
4
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)介護支援専門員のメンタルヘルスおよび職場ストレスと ケアプラン評価の関連性に関する研究 キーワード:介護支援専門員,メンタルヘルス,ジョブストレス,ケアプラン,自己評価 健康科学コース専攻 西地 1.研究背景. 令子. することを目的とした。さらに、QOLとの関連性も横断的. 2,000 年に介護保険が導入されたが、年々の要介護者. に調査した。また、ケアプラン自己評価と第3者評価結果. の増加と要介護度の重度化により介護保険の財政を圧迫. を比較検討し、ケアプラン自己評価の評価における有用. しはじめている。このため、厚生労働省は介護保険法改. 性を検証することにある。. 正により介護保険事業の改善を図っている。2003 年の法 改正で重視されている1つは、 「ケアプランの質の向上」. 3.研究方法. である。しかし、介護支援専門員の技術体系や業務体制. 1)研究対象と内容. が十分に確立されていない中での法改正は、介護支援専. 2004 年 5 月 1 日∼10 月 31 日の間に、福岡県広域連合管. 門員の仕事量は増加と、それに伴う精神的および身体的. 轄の指定居宅支援事業者に勤務する介護支援専門員 861. 疲労を引き起こしやすい。 「ケアする人のケア」が提唱さ. 人を対象とし、①「ケアプラン自己評価質問紙」 、②「精. れているにもかかわらず、介護支援専門員に対するメン. 神健康パターン診断検査」 (橋本ら,2000) 、③「職場ス. タルヘルスおよびジョブストレスに関する研究は未だ実. トレッサー尺度、ストレス反応尺度」 (小杉ら,2000)を. 施されていない。. 使用し調査した。すべての質問紙を無記名としコード化. 一方、職場環境やメンタルヘルスおよびジョブストレ. した。3つの質問紙の有効回答数は①が 333(38.7%) 、. スに関する先行研究は多く、米国国立職業安全保健研究. ②が 471 部(67.5%) 、③が 255 部(44.8%)であった。. 所(NIOSH)は、これまでの研究やモデルを統合し、包括. その中で、3つのコードが一致したものは 177 部. 的な「職業性ストレスモデル(Hurrell & McLaney, 1988) 」 、. (31.1%)であった。. 「健康職場モデル(Sauter, 1996)」を提示し、労働者の. さらに、ケアプランの第 3 者評価指標として、福岡県. 健康に悪影響を及ぼす要因のみでなく、ジョブパフォー. 介護保険広域連合の実施した平成 15 年度の 「介護費用適. マンスや労働者の健康や満足感を上昇させるための要因. 正化特別対策事業」における「平成 15 年度ケアプラン評. の検討の重要性を強調している。しかし、ジョブストレ. 価分析結果報告書(2004) 」の 2 次データを使用した。. スとパフォーマンス等の関連性を検討した研究は比較的. 2)統計手法. 少なく、その包括的な見解は低い関連性である。本研究. 3つの質問紙と3つ質問紙のコードが一致したものそれ. では、パフォーマンス指標を介護支援専門員の中心的業. ぞれの有効回答のみを分析した。各質問紙の年齢、経験. 務であるケアプラン作成に限定し、介護支援専門員のメ. 月数、担当件数の差や平均値の差の分析は、分散分析と. ンタルヘルスおよびジョブストレスとケアプラン評価と. t検定を使用した。職場ストレッサーとストレス反応の. の関連性をみることを試みた。. 相関は、年齢と担当件数を制御した偏相関を使用し、相 関分析を行った。ストレス反応に対する職場ストレッサ. 2.研究目的. ーの回帰分析は、強制投入法による重回帰分析(線型). 介護支援専門員のメンタルヘルス(心理的ストレス、社. を使用した。職場ストレッサーとストレス反応の因子分. 会的ストレス、身体的ストレスとQOL)と4つのジョブス. 析は、主成分因子分析を使用した。自己評価と第 3 者評. トレッサー(過度の圧迫、役割不明瞭、能力欠如および. 価の項目別平均値と地域別平均値の相関は、ピアソンの. 過度の負担) 、 6つのストレス反応 (怒り、 循環器の不調、. 相関分析を使用し、相関分析を行った。ケアプラン自己. 対人緊張、疲労、過敏および抑うつ)を調査し、介護支. 評価の「自己評価点数上位群」と「自己評価点数下位群」. 援専門員のメンタルヘルスおよびジョブストレスの実態. は、 「1∼8 の評価のできている評価点数合計」の「平均. を把握し、それらとケアプランの評価との関連性を検討. +0.5SD」を上位群、 「平均−0.5SD」を下位群とし、2 つ.

(2) の各項目の平均値の差は t 検定を使用した。 QOL 得点は、 精神健康パターン診断マニュアルに従い、24 以上を「QOL 高値群」 、23 以下を「QOL 低値群」とし、SCL 得点は、57. 職場ストレッサーの平均値の比較. 30. 以下を「SCL 低値群」 、58 以上を「SCL 高値群」とし、職. ***. 場ストレッサー、ストレス反応、自己評価の各平均差の 分析は t 検定を使用した。すべての解析は、SPSS バージ. ***. 20. ョン 12.0 を使用して行った。 有意な確率は、 全て P<0.05 以下とした。 10 過度の圧迫. 4.結果. 役割不明瞭 介護支援専門員. 1)メンタルヘルス 「8つの尺度」 と 「心理的ストレス」 「 、社会的ストレス」 、 「身体的ストレス」および「QOL 得点」の女性における. 能力欠如. 過度の負担. 平均( 小杉らデータ). ストレス反応比較 30. ***. 平均値を既存データ(女性 1,750 人) (精神健康パターン マニュアル掲載データ、橋本ら、2000)の平均値と比較. 20. したものを図1に示した。 「心理的ストレス」 、 「社会的ス. ***. トレス」 、 「身体的ストレス」が有意に高く、逆に「QOL 得点」は低くなっている。介護支援専門員の MHP パター ンの 4 つ型分類の割合を表3に示した。 女性においては、 「へとへと型(QOL 得点≦23、SCL 得点≧58) 」が、44.7% であった。. 10. 怒 り. 循 環 器 系 の 不 調. 対 人 緊 張. 疲 労. 過 敏. 抑 う つ. 図2 ストレッサー・ストレス反応の比較 介護支援専門員. 各ストレスとQOLの比較(女性). 図1 各ストレスと QOL の比較(女性). 平均(小杉らデータ). 島津 2000)と比較したものでは、介護支援専門員の職 場ストレッサーは、 「過度の圧迫」と「過度の負担」有意 に高く、 「役割不明瞭」が平均値に比べて有意に低くなっ. 心理計 25. **. ている。ストレス反応は「疲労」と「抑うつ」が平均値. 20.67. 20. **. に比べて高くなっている。. 15. 21.52. QOL得点. * * *社会計. 10. 18.01. さらに、ストレッサーとストレス反応の関連検証のた め、ストレス反応尺度と各ストレッサーとの重回帰分析 の結果では、 「疲労」と「抑うつ」は、すべてのストレッ サーと有意であった。. **. 21.79. 職場ストレッサーとストレス反応を主成分因子分析し. 身体計. た結果は、2因子が抽出された。Ⅰ因子の各係数は高い 介護支援専門員. データ①. ※精神健康パターンマニュアル掲載データ、橋本ら、2000. 2)職場ストレス 職場ストレッサーは、 「過度の圧迫」と「過度の負担」 は、50 人を超えるものの平均値は、50 人以下に比べてと 有意に高かった。 「能力欠如」は、40 歳未満の平均値が 50 歳以上のものに比べて有意に高かった。職場ストレス 反応の「抑うつ」は 40 歳未満の平均値が 50 歳以上のも のに比べて有意に高かった。 職場ストレッサーとストレス反応の平均値(n=6970. が、Ⅱ因子では、 「役割不明瞭」 、 「能力欠如」 、 「対人緊張」 および「抑うつ」の係数がマイナスとなっている。 3)ケアプラン自己評価と第 3 者評価 ケアプラン自己評価と第 3 者評価の「評価点数」と平 均を比較すると、第 1∼12 項目の全てで、自己評価が第 3 者評価を上回っている。第 1∼12 項目には両者の項目 間の相関は認められなかった。しかし、1∼8項目に限定 すると、両者の相関は有意となり(r=0.805、P<0.05) 、 自己評価の「できている項目数」と第 3 者評価の「総得 点数」の相関も有意であった(r=0.853、P<0.05) 。.

(3) 過 度 の 圧 迫. 役 割 不 明 瞭. 過 度 の 負 担. 能 力 欠 如. ns. ns. 3 0 .0 0. 3 0.00. 3 0 .0 0. 4 0 .0 0. * ** ** *. 3 0 .0 0 2 0 .0 0. 2 0 .0 0. 2 0.00. 2 0 .0 0. 1 0.00. 2 3 .6 7. 2 2 .2 0. 1 0 .0 0. 1 6.4 7 1 3.2 3. 0 .0 0. 0.00. 1 0 .0 0. 26 .78. 0 .0 0. 0 .0 0. 1. 2 3.6 7. 2 2.2 0. 21 .45. 1 0 .0 0. 1. 1. 1. 怒 り. 対 人 緊 張. 循 環 器 の 不 調. 疲 労. * *. 3 0 .0 0. 30 .0 0. 2 0 .0 0. 30 .00. *. *. * * 2 0 .0 0. 20 .0 0. 20 .00. 1 0 .0 0. 1 0 .0 0. 1 3 .0 8. 1 8.4 4. 1 5.93. 10 .0 0. 0 .0 0. 0 .0 0. 1. 1 9.69. 1 6.85. 9 .8 8. 10 .00. 0 .0 0. 1. 0 .00. 1. 過 敏 20 .00. 1 7 .7 5. 1 5 .1 5. 1. 図3 自己評価上位群と自己評価下位群のジョブス. 抑 うつ. ns 50 .00. トレッサーストレス反応の比較. * * * 40 .00. 30 .00. 自 己 評 価 点 数 上 位 群. 10 .00. 自 己 評 価 点 数 下 位 群. 20 .00. 1 3.28. 1 2.73. 3 2 .0 6 2 6 .2 0. ※評価点数上位群は「1∼8 の評価点数合計」が平均+0.5SD 以上の 者(n=40)自己評価下位群は平均+0.5SD 以下の者(n=36). 10 .00. 0 .00. 0 .00 1. 1. 4)ケアプラン自己評価とジョブストレス、メンタルヘ ルス SCL得点. 「評価点数上位群」と「評価点数下位群」の職場スト. 90.00. QOL得点. 生活満足. *. 30.00. 20.00. *. *. レッサー、ストレス反応の平均値の比較を示した。 「評価 点数下位群」は「評価点数上位群」に比較して、職場ス. 70.00 れす. トレッサーの「能力欠如」(P<0.05)、「役割不明瞭」. 20.00 50.00. (P<0.05)で有意に高かった。 「過度の圧迫」 、 「過度の負. 66.67. 10.00. 22.58. 58.13. 担」では有意な差は認められなかった。ストレス反応で. 11.33. 19.61. 30.00 1. 9.64. 0.00. 10.00. 1. 1. は、 「怒り」 、 「循環器の不調」 、 「対人緊張」 、 「疲労」 、 「抑 うつ」が有意に高かった(P<0.05) 。 さらに、 「評価点数上位群」は「評価点数下位群」に比 較して、 「SCL 得点」 (P<0.05)が有意に低く、 「生活満足」 (P<0.05) 「QOL 得点」 (P<0.05)が高かった。一方、 「で. 評価点数上位群. できている項目数上位群. 評価点数下位群. できている項目数下位群. SCL得点 90.00. QOL得点 40.00. ns. 生活意欲 ** 20. **. きている項目数上位群」 では、 「できている項目数下位群」 と比較して「生活意欲」 (P<0.05) 、 「QOL 得点」 (P<0.05). 70.00. 30.00 れす. が有意に高かった。. 10 50.00. 5)QOL、SCL とジョブストレス 「QOL 高値群」は、 「過度の負担」以外の全ての職場ス. 20.00. 59.42. 53.77. 12.09. 23.61. 9.90. 20.03 30.00 1. 10.00 1. 0 1. トレッサー、ストレス反応の全ての項目でその得点が有 意に低かった。ストレス反応はすべて有意な差がみられ. 図4 自己評価上位群と下位群の QOL 等の比較. た(P <0.05) 。 「QOL 高値群」は、第 1∼8項目の「でき ている項目数合計」に有意な差がみられた。. ※できている項目数上位群は 40 歳以上の「できている項目数 合計」が平均+0.5SD 以上の者(n=44)自己評価下位群は平 均+0.5SD 以下の者(n=31).

(4) 他方、SCL 高低においては、 「SCL 低値群」は、 「SCL 高値 群」と比較し、職場ストレッサー、ストレス反応の全て の項目で有意に低く(P <0.05) 、自己評価の第 1∼8 項. 6.今後の課題と展望 厚生労働省は、2005 年の改正法案(2006 年施行予定). 目の「自己評価点数合計」と「できている項目数合計」. によって、介護支援専門員の担当する標準件数を現在の. 共に有意に高かった。. 50 人から 30 人程度に減らし、医師や社会福祉士らと連 携した場合介護報酬を評価する仕組みが設けられる。さ. 5.考察・まとめ. らに、指導などにあたる主任介護支援専門員の資格を新. 1)介護支援専門員の職場ストレッサーは、全体的に量. 設するようである。この法改正は、介護支援専門員の量. 的負荷が強く自覚され、抑うつや疲労などのストレス反. 的負担の軽減とケアマネジメントスキルとソーシャルサ. 応を呈しやすい。量的負荷の要因としては、①多い担当. ポートの体制確立につながる可能性がある。. 件数と低い介護報酬、②減算項目の明確化等の介護保険. しかし、ケアプランの質的向上のためには、法改正や. 制度上に由来していると考えられる。. ケアプラン評価に関する研究のみでなく、介護支援専門. 2)その中でも質的負荷を強く感じているものは、スト. 員のやジョブストレスとケアプラン評価との関連性やメ. レッサーの効果が顕著に出やすくケアプラン自己評価が. カニズムを明確にし、具体的な改善策を検討することが. 低い。質的負荷の要因としては①介護支援専門員が新し. 必要になる。今後は、介護支援専門員等のジョブストレ. い職種でケアマネジメントスキルが不十分、②基礎職種. スとパフォーマンス等の関連性について前向き研究およ. の能力差、③業務内容が不明確、④サポート体制が不十. び介入研究等の更なる研究が望まれる。. 分、等が考えられる。 3)QOL の等のメンタルヘルスがケアプランの自己評価. [主な文献]. に関連しており、QOL が高く、SCL が低い者は、職場スト. 1)福岡県介護保険広域連合(2003) :平成 15 年度ケアプ. レッサー、ストレス反応が低く、ケアプラン自己評価が. ラン評価分析結果報告書, 福岡県介護保険広域連合,. 高い傾向が強くなる。さらに、自己評価が高い者は生活. Pp.1-193. 意欲等の QOL が高い傾向が示唆されたことから、メンタ. 2)福岡県介護保険広域連合(2003) :高齢者自立支援調査. ルヘルスの向上がケアプランの質的向上に寄与する可能. 研究事業報告書, 福岡県介護保険広域連合,Pp.1-119. 性を持っている。. 3)堀 洋道監修・吉田富二雄偏:心理測定尺度集Ⅱ−人. 4)量的負荷や質的負荷を感じていても職場満足感など. 間と社会のつながりをとらえる(対人関係・価値観) ,. の緩衝要因を有するものは、職場ストレッサーを緩和し. 7産業・職業ストレスサイエンス社,pp.311−318. ストレス反応は軽減する可能性があると考えられる。. 4)川上憲人(1996) :職場メンタルヘルス−第 1 次、2 次. 5)ケアプラン自己評価と第 3 者評価一致するものでは. および第 3 次予防の方法,産業医学ジャーナル,19,. ないが、 両者の間に一部関連性がみられていることから、. 20−25. 関連がある可能性も否定はできない。. 5)小杉正太郎編著 大塚泰正,島津明人,田中健吾,田. よって、ケアプラン自己評価の向上のためには、介護. 中美由紀,種市康太郎,林 弥生,福川康之,山崎健二. 支援専門員の組織および職場環境と個人の量的負荷と質. 著(2002) :ストレス心理学−個人差のプロセスとコーピ. 的負荷の両面からのストレス対策が必要である。 つまり、. ング−,川島書店,Pp.176−182. ①介護支援専門員の担当件数の軽減と介護報酬の見直し、. 6)島津美由紀著(2004) :職務満足感と心理的ストレス−. ②介護支援専門員の技術体系、業務体制の確立、③ケア. 組織と個人のストレスマネジメント−,風間書房,Pp.2. マネジメントスキルの確立、④介護支援専門員のスーパ. −30.Pp.36−55,Pp.56−81.. ーバイザイー等のサポート体制の確立、などの法的、組. 7)田中美由紀,小杉正太郎(1998):職場での質的負荷. 織および職場環境の改善が有効であると考える。 さらに、. および量的負荷と職場満足感に関する検討,産業ストレ. ⑤介護支援専門員個人に対してコーピング方略の指導等. ス研究,6, 130−134,日本産業ストレス学会. や職場満足感、ソーシャルサポートなどのストレッサー を緩和させストレス反応を軽減させる緩衝要因を介入さ せることで、より効果が得られると考えられた。.

(5)

参照

関連したドキュメント

このため、都は2021年度に「都政とICTをつなぎ、課題解決を 図る人材」として新たに ICT職

ⅱろ過池流入水濁度:10 度以下(緩速ろ過の粒子除去率 99~99.9%を考 慮すると、ろ過水濁度の目標値を満たすためには流入水濁度は 10

「TEDx」は、「広める価値のあるアイディアを共有する場」として、情報価値に対するリテラシーの高 い市民から高い評価を得ている、米国

法制史研究の立場から古代法と近代法とを比較する場合には,幾多の特徴

全ての人にとっての人権であるという考え方から、国連の諸機関においては、より広義な「SO GI(Sexual Orientation and

就職後の職場定着が最大の使命と考えている。平成 20 年度から現在まで職場 定着率は

を負担すべきものとされている。 しかしこの態度は,ストラスプール協定が 採用しなかったところである。