◆ 開催日時:平成 23 年2月7日(月) 午後7時 00 分から9時 00 分まで ◆ 場 所:上越市市民プラザ(上越市土橋 1914-3) ◆ 出 席 者:[参加者] 地区住民 19 人 [事務局] 新潟県並行在来線開業準備協議会 新潟県交通政策課 藤田企画主幹 上越市総合政策部 竹田部長、新幹線・交通政策課 柴山課長 新潟県上越地域振興局地域振興課 江川地域振興専門員 新潟県並行在来線株式会社 嶋津社長、松澤総務部長、富田運輸課長 [ファシリテーター] くびき野NPOサポートセンター 秋山理事長 ◆ 当日次第:開会あいさつ 並行在来線の現状と課題の説明 嶋津社長との意見交換 ワークショップ 閉会あいさつ
【開会あいさつ】
(県 藤田企画主幹) 皆さんこんばんは。本日はお仕事後のお疲れのところ、考える会にお集まりいた だきましてありがとうございます。 既に皆さんご承知のとおり、昨年、県と沿線3市は4年後に迫った北陸新幹線の 延伸に伴ってJRから並行在来線として分離されることに備え、肥薩おれんじ鉄道 株式会社の前社長であられた嶋津様をお迎えして、新潟県並行在来線株式会社を設 立しました。 本日は地域の皆さんと一緒に並行在来線の利用促進を考えていただきます。ただ、 鉄道ということで皆さんからお乗りいただかないと、空気を運んでいるだけですと 赤字になり会社の存続に関わってくることになります。どうしても地元の皆さんを はじめ地域の皆さんからご利用いただきたいと考えています。そのためにはどのよ うにしたらよいのかというアイディアを出していただきながら、私共としてできる ことには取り組んでいきたいと考えています。【高田会場】
みんなで並行在来線を考える会 発言録
本日は短い時間ではありますが、活発なご意見をいただきたいと思いますので、 どうぞ宜しくお願いいたします。 (会社 嶋津社長) 皆さんこんばんは。私は前に同じ並行在来線である肥薩おれんじ鉄道を約6年間 担当させていただきました。私は熊本県出身です。なぜ故に新潟県に来たのかと不 審に思われる方もおられるかもしれませんが、並行在来線は経営に共通の課題があ り、私のこれまでの経験が生かせればと思います。 新幹線が光ならば並行在来線は影というように、大変暗い問題だとお考えの方も おられるかと思います。実は並行在来線の誕生の仕組みは現在もそんなに大きく変 わっていませんが、世の中の流れはかなり変わってきていると思います。7年前と 比較すると相当変わってきています。そういうことも感じながら、今日は皆さんに この問題に対するご理解を深めていただくと同時に、なんとかこの地域の鉄道を存 続させるために、ただ単純に存続させるのではなく、この新潟県の並行在来線とい うものを皆さんに少しでも誇りに思っていただける鉄道にするために、皆さんと一 緒に考えて、皆さんと一緒に作り上げていきたいと思っています。 今日は、前半は難しい話になりますが、後半はこの鉄道が皆さんのお役に立つ鉄 道、少しでも夢の持てる鉄道、あるいは新潟県が誇れる鉄道にするためにはどのよ うにしたらよいのかを考えていただきたいと思います。皆さんのご意見やご要望を 賜りながら、そして私共の考えに対してご理解を賜りながら時間を過ごしたいと思 います。どうぞ宜しくお願いいたします。
【並行在来線の現状と課題の説明】
(会社 松澤総務部長) 並行在来線経営計画概要及び鉄道とまちの共生ビジョン(利用促進計画)概要に 基づき説明【嶋津社長との意見交換】
(参加者) せっかく嶋津社長がお見えになられているので、社長として、また、会社として どのように考えられているのかをお聞きします。 まず、上越地区の上越、妙高、糸魚川に住民組織があることはご存じかと思いま す。その住民組織が今まで国、県、市に要請や協議をしてきましたが、今度は新し い会社ができたので、私たちは会社も話し相手にしなければいけないと考えていま す。会社として住民組織の代表と話し合う機会を設けるつもりがあるのかどうかお 聞かせください。 次に、会社の特徴として先程の説明で3点ほど上げられていますが、私はこの特 徴はもっとたくさんあると思います。嶋津社長はおれんじ鉄道で経営に携わってこ られたから十分承知されているかと思いますが、この会社の資本力の脆弱さも特徴だと思います。それから開業資金や初期投資の資金がほとんど何もない。設備更新 に過大な負担が掛かってくるが、それに対する対策。大規模災害や大事故に対する 補償に対する支援の仕組み。生活交通との関わりが薄く、ほとんどないという状況。 直江津と高田でずいぶんと温度差があり、高田や新井はそういう部分では非常に関 わりが薄いと、私たちも活動の中で感じています。計画概要に載っているように乗 客の減少だとか人口の減少だとかも一番の特徴だと思っています。概要に載ってい ること以外の私が申し上げた特徴について、会社としてどのように考えているのか お聞かせください。 次に、資本力がない中で、30 年間で 300 億から 600 億円の赤字になるということ だと、やはり国の支援やJRの支援がないと莫大な赤字を解消できないと思います。 今、貸付料の問題でその中に赤字解消分が含まれているとの話がありましたが、県 の試算で赤字は 300 億から 600 億円、貸付料が返ってくるのが 760 億円といわれて います。760 億円JRが出すのなら、760 億円でJRが経営してもよいはずです。そ うすると会社の赤字の問題など全部一度に解消します。そういう理論も成り立ちま す。会社としてそのような部分も含めて国やJRに要望をするべきだと思いますが、 どのように考えているのかお聞かせください。 次に、並行在来線への財政支援を求めた 11 道県知事の申し入れがありますが、そ れについて会社としてどのような見解を持っているのかお聞かせください。 次に、一括在姿譲渡はいつの時点のことをいうのかお聞かせください。 最後に、各駅に不要な施設や土地があります。ここに写真がありますので見てく ださい。各駅に随分不要な土地が見受けられますが、会社がこれは必要、これは不 要ということはできるのでしょうか。例えば高田駅の表側の駐車場は、我々が整備 して活用するので是非譲ってくださいといえるのかお聞かせください。 県の交通政策課や市の新幹線・交通政策課にもお願いしますが、このような集会 は高田の中心地だけではなく脇野田とか春日山とか、他の地域でも人を集めて説明 会を開きマイレール意識を持ってもらうことが大変必要だと思っています。県と市 と力をあわせてやってもらいたいと思います。 (会社 嶋津社長) いくつかご質問をいただきましたが、まず、住民代表と話し合いをして、会社の 今後の方向性を決めていくことになるのかということ、もっと脇野田とか他の地区 でもこのような集会を開いてはどうかということ、沿線の住民の関心が低いのでは ないかということについて、主に住民の方と会社との話し合いについての基本的な 考え方を申し上げますと、皆さんと会社が話し合いをして会社の方向性を必ずしも 全て決めていくものではないということです。資金や財源などいろいろな問題があ ります。全ての問題が絡んでいます。従って会社の基本的な方向性を決めるには、 行政が決めていくこと、会社が主体的に決めていくこと、皆さんと一緒に作り上げ ていくことの3つに分けられると思います。今日は住民の皆さんと会社との話し合 いの場なので、会社としては皆さんからのご要望やご意見、アイディアなどをでき る限り頂戴したいと考えています。 皆さんがどうしても分からないことに関しては、会社としても十分に説明をしな
がら皆さんのご理解をいただき、もっと多くの方に関心を持っていただくことが、 本当に我々が目指す地域に愛される鉄道作りにつながると考えています。今日はま だ第1回目です。今後は皆さんのご理解を得られるまで何回でもお伺いしたいと考 えています。なかなか複雑な問題もあるので、必ずしも皆さんの納得を 100%得ら れるかどうかの自信はありませんが、納得していただかなくても理解をいただきな がらできる限りオープンにしていきます。このような形でこういう風な会社を目指 すことになりましたということを皆さんに正しく理解していただくことによって、 最終的には皆さんから多大なる関心を持っていただき、本当に皆さんに愛される鉄 道作りができるのではないかと思っています。いろいろなご意見をお持ちの方もお られますので、全ての方に 100%納得していただくことは難しいですが、皆さんと のコミュニケーションが一番大切だと思っています。 それから今日は高田地区ですが、明日は脇野田地区に参ります。今のところ第1 回目は1市3ヶ所で実施しています。妙高市、糸魚川市、上越市の各市でそれぞれ 3ヶ所です。必要があれば他の場所にもお伺いし、その地域ならではのご意見など もできる限りいただきたいと考えています。皆さんとの話し合い、あるいは皆さん の関心をいただくために、会社として最大限の努力をしていきたいということです。 それから資金や財源、設備投資、自然災害対策についてですが、これは本当に一 番大切なことです。大丈夫ですというほどお金はありませんが、冒頭申し上げたと おり、かなり世の中の流れが変わってきています。今までは、少なくとも私が肥薩 おれんじ鉄道にいた時は、在来線がJRから分離され、その結果、利用者の方に不 利益性が生じていました。具体的には非常に使い勝手が悪い鉄道になるということ です。速い列車がなくなりますので一般的に遅くなり、また、会社が分かれるので 一気通貫性がなくなります。他にも乗換が生じるとか、接続が悪いとかの不利益性 も生じます。さらには最終的に赤字なのでどうしても運賃を上げざるを得なくなり ます。利用者からすれば非常に納得のできない部分です。利用者の不利益性はこれ まであたかも当然のように進められてきましたが、そこのところは時代が変わりつ つあると私は実感しています。新潟では不利益性を皆さまにお掛けすることは極力 排除していきたいと思っています。なぜなら鉄道というのはお客様あっての鉄道、 利用者あっての鉄道なのです。不利益性が生じればお客様は減ります。私は今使わ れているお客様を是非維持したい、逃したくないので、できる限り不利益性を排除 していきたいと考えています。そこが一番のポイントです。 先程お話があったように、不利益性を排除すれば非常にお金が掛かり、赤字が増 えることになります。しかし、財源の問題で国の動き方がかなり変わってきていま す。貨物調整金の話もそうです。これは是非そのような流れに沿って、私共も最大 限のお金やメリットを享受できる方向で、会社の経営、運行、車両などを考えてい きたいと思います。また、それ以外の相当な赤字の部分についても時間は掛かると 思いますが、必ずこの問題は解決していくと、あるいはできる限りそのようなもの を前倒しで考えながら、単純に今より不利益にならないように、消極的なものばか りではなく、できれば会社が裏付けを確認しながらもう少し便利になるように、皆 さんに喜んでいただけるように、プラス方向への投資があってもよいと考えていま す。
JRが引き続きやってはどうかということについては、新幹線建設の根幹に関わ る部分であり、これを崩してしまうと全ての話が崩れてしまうことから、JRは絶 対にやらないと思います。ここは譲らないと思います。新幹線の工事がストップし てしまうくらいの部分です。ですから皆さんには在来線がJRから分離されるとい うことは崩せないこととして、JRから分離されるのであれば今までJRがやって きたときよりもっとよい鉄道にしていこうという考えで、皆さんとご一緒にやって いければと思います。 11 道県の話については、共通する問題については他県とも連携していきますが、 新潟県はかなり隣県や 11 道県と状況や環境が違い、足並みが揃わないところがある ので、そこは新潟県のためだけを思って独善的に考え、ひたすら新潟県のためだけ によい方向にもっていきたいと考えています。 不要資産の件は全くおっしゃるとおりだと思います。一括在姿譲渡の件にしても、 譲渡される時まではこの鉄道ができる限り変な形で譲渡されないようにJRにも要 求していきますし、JRもそのつもりだと思っています。ただ一括在姿譲渡とは新 たな投資、今までと違う物に代える投資をしないということなので、必要なものは 必要な時期に手を入れて引き渡していただくことが大前提となります。もちろんい らない物はよく吟味をしていらないとはっきりいいながら、譲渡の在り方をこれか ら検討していきたいと思います。 (参加者) 事前にいただいた資料を拝見させていただき大変勉強になりました。ありがとう ございました。私は鉄道ファンの一人として、前向きな質問をさせていただきます。 私は毎年5月の連休は地方鉄道、やっと走っているような地方鉄道、大糸線や富山 地方鉄道、長野電鉄などが代表例ですが、必ず乗りに行くようにしています。九州 までは行ったことはないですが、一度行ってみたいと思っています。 一点目は、とにかく新幹線ができるということなので、待望の新幹線にスムーズ に接続できるような運行を心掛けていただきたいと思います。これは最低条件です。 今までは信越線で長野まで行くには、あるいはほくほく線を利用して湯沢まで行く には、高田駅から乗る場合は優等列車がなくて苦労していましたが、今度は仮称上 越駅が近いので、高田の立場で申し上げればとにかくスムーズに乗り降りできるよ うにお願いしたいと思います。これはどこもそうです。 二点目は、資料にもありますが優等列車の取扱について、当然相互乗り入れが発 生します。土曜日に1時から新潟で会議がある場合、通常高田駅を9時 53 分発の くびき野に乗って、帰りは新潟駅を 7 時 58 分発のくびき野に乗ります。土日に使 うとえちごツーデーパス 2500 円というのがあり、なおかつ大人の休日倶楽部のカ ードを持っていると 1500 円で行けます。これ以上の物はないという恩恵を被って おり、これの維持は絶対にやっていただきたいと思います。高田駅前や直江津駅前 からは新潟まで高速バスがあります。高田は1日 15 往復しています。その中で午 前中の2本のくびき野は高速バス対抗策としてJRが設置したもので、これは新井 から出ていますが、高田から乗る人はものすごく多いです。出張の方はみんなこれ を使います。帰りにまた同じ電車に乗る人も結構います。帰りはみんな酔っぱらい
です。ちなみに新潟~糸魚川間の高速バスは午前中2本、夕方2本しかなく、この 程度の需要しかないというのが現状です。それに対して高田駅から乗れるのが 15 本、圧倒的な輸送量を高速バスは持っているので、是非、将来的にも高田駅から同 じようにくびき野に乗って新潟に行き、さんざんお酒を飲んで帰ってこられるよう にしていただきたいと思います。 先程、貨物の調整金の話もありましたが、機関車は重くトン数がかなり違うこと から傷みもすごいです。今は国策として自動車輸送から鉄道輸送への変換というこ ともあるかもしれませんが、使った分しかJR貨物は払っていないので、これは安 定収入になることから、是非、頑張っていただきたいと思います。 それから先程不要資産の話がありましたが、鉄道ファンにとっては全然不要でな いものもあります。現状のまま草茫々でもよいです。例えば廃駅ファンは誰も使っ ていない山奥の誰も降りない駅にわざわざ行きます。今度、長野電鉄が成田エクス プレスの旧車両を導入して3月から運行しますが、今まで小田急電鉄のロマンスカ ーを使っており、その前に使っている長野電鉄のオリジナル車両の 2000 系が廃止 になります。現在、多くの鉄道ファンが長野に行っていますが、2000 系に乗ったと きに隣に座った人が昨日只見線に乗り、今日はここに乗り、これから上田交通に乗 って大井川に行くといわれ、その人は北海道から来たといっていました。その人に 私は高田駅から来たといったらスイッチバックで来ましたねといわれました。あれ は資産です。営利だけでなく夢のある部分を残しながらもよい鉄道にしていただけ ればと思っています。よろしくお願いします。 (会社 嶋津社長) 今のご意見は、お客様を増やす上で大変重要なことです。できる限り私共も頑張 っていきたいと思います。 (参加者) スイッチバックに関連して、JR東日本の管内で運行しているスイッチバックの 駅は姨捨駅と二本木駅だけです。本州でも残り少なくなっています。スイッチバッ クは今のJRからすれば時間も掛かるしお荷物ですが、並行在来線になった場合に は時間を気にしない人が乗ると思います。そうすると昔を懐かしむスイッチバック を逆手に取った商売に全国からファンが集まってくると思います。隣の関山駅もス イッチバックの線路があります。この2駅を続けてスイッチバックを体験できるよ うな列車を運行すれば余計ファンが集まってくると思います。私もスイッチバック に関心を持っており、一昨年地元のくびき野みんなのテレビ局というJCVの番組 の中でスイッチバックの撮影をして放送しました。最終的には乗ってもらわなくて はいけないので、私は番組の中で小学生の体験学習にスイッチバックを利用して先 人達が苦労して造った遺産を有効に利用しようと提案しました。ただ時間だけを短 縮するのではなく、昔のそのような物を大切にしながらスイッチバックを活かした 商売も一つの案だと思いますので提案いたします。
(会社 嶋津社長) ありがとうございます。小学生に体験乗車させるのは非常によいアイディアです。 検討させていただきます。 (参加者) 今年も大変雪が多くてJRでは除雪に苦労しています。列車を止めたりバス代行 をしたりしながら運行を確保している状況です。昔のマニア的な方からいわせると JR東の新潟支社の中でラッセル車と大型ロータリー除雪車が走っているのは信 越山線だけです。これは非常に老朽車両でこれをもらったとしても、確かにマニア の方にはよいかもしれませんが、非常に経費も掛かるしあと何年持つか分からない 状況なので、除雪そのものと除雪車両についてどのように考えておられるのかお聞 きします。 (会社 嶋津社長) 雪害対策は非常に重要なことだと考えておりますが、正直に申し上げて、車両を 含めどうするかはまだ考えておりません。これは社内で十分検討してからお答えさ せていただきます。
【ワークショップ】
ファシリテーターの司会の下、嶋津社長も参加して、並行在来線の利用促進に必 要なことを検討していただきました。また、参加者の並行在来線に対する思い出を 発表していただきました。限られた時間の中でしたが、参加者からは多くの発言を いただきました。 [利用頻度を質問] ○ 月に1~2回、年に数回と回答した方がそれぞれ半数。毎日又は週に数回利 用という回答者はゼロ [利用促進の方策] <駅の立地条件> ○ 近所に駅があればよい ○ 店の近くに駅があればよい(待ち時間を楽しく過ごせる) <接続> ○ 乗換時間の短縮。20 分なら待てるが、30 分は待てない <ダイヤ、運行本数> ○ 運行本数を増やす ○ 定刻発車にすべき ○ 利用しやすい時刻表○ 雪や風に強く、運休しない電車 <情報発信> ○ 駅員が直に電車の遅れなどを利用者に伝えるサービスを提供 ○ 地域の魅力発信 <イベント列車> ○ 自転車が乗れる電車 ○ 目的を作り出す、乗りたくなる仕掛けが必要。例えば 1000 円で飲み放題列車 など <その他> ○ 楽しい雰囲気づくり