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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Combinational anti-tumor effects of chemicals from Paeonia lutea leaf extract in oral squamous cell carcinoma cells

(Paeonia luteaの葉から抽出された化学物質の口腔扁平上皮癌に対する複合的抗腫瘍性効

果)

Oncology Letters(投稿中)

口腔外科学

中村 真輔

私たちは,これまで抗腫瘍性効果を示す生薬を検索し,牡丹の一種であ

る Paeonia lutea の葉のメタノールとブタノール抽出分画には、ヒト口腔

扁平上皮癌細胞株である SAS 細胞の増殖を足場非依存的に抑制し,ミトコ ンドリア経路を介したアポトーシスを誘導する、抗腫瘍性効果があること を報告した.

我々は、さらに P. lutea の葉の抽出物を高速液体クロマトグラフィー を用いて化学物質の単離および同定を行い、その化学物質の有効な濃度,

および同時投与による相加・相乗効果について検討した。そしてさらに、

細胞周期への影響と MAPK シグナルカスケードに対する影響を解析した.

高速液体クロマトグラフィーは、筑波大学生命環境系繁森研究室と共同 研究を行い、酢酸エチル可溶分画より Gallic acid methyl estel(以下 GAME)、 Pentagalloyl glucose (以下 PGG )、ブタノール可溶分画より Paeoniflorin(以下 PF)を単離、同定した。

同定された化学物質を培養液に添加し、細胞増殖、生存について MTT assayを用いて検討を行った。それぞれの物質の単独および同時投与にお いて細胞生存および増殖の抑制が認められ、特にGAMEとPGGの同時投与に おいて相乗効果を認めた。

細胞生存または増殖抑制効果が、アポトーシスによる影響、または細胞

周期による影響かを検討するために、それぞれCaspase assayとCell cycle

analysisを行った。その結果、3つの化学物質の単独投与および同時投与

においてアポトーシスの実行因子であるCaspase3/7の活性の上昇は認め

ず、アポトーシスを誘導はしなかった。また、Cell cycle assayでは、3

つの化学物質各々の単独投与および同時投与ではG

2

期停止を認め、特に

(2)

GAMEとPGGの同時投与においては相乗効果を認めた。よってMTT assayで認 めた抑制効果は、細胞生存ではなく細胞増殖に影響を与えていると示唆さ れた。

さらに、細胞増殖に関与するシグナル伝達経路に対する影響の検索を

Western Blotting で行った。細胞播種、培地交換時に3つの物質の単独

投与および同時投与し 24 時間培養後、上皮成長因子を 10ng/ml を添加し

JNK、ERK、p38、Akt のリン酸化の変化を確認した。結果として細胞増殖

に影響を与える Akt において GAME と PGG 単独投与でリン酸化の抑制を認 めた。さらにその 2 つ同時投与においては相乗的なリン酸化の抑制を認め た。しかし、3つ同時投与では G

2

期停止の誘導にはほとんど変化を与え なかった。

結論として、 P. lutea の葉の抽出液より GAME、PGG、PF の3つの化学 物質が同定された。また P. lutea の葉の抽出液の腫瘍抑制性効果は、主 に GAME および PGG の相乗効果によるものと示唆された。さらにその腫瘍 抑制経路は Akt のシグナル経路を抑制し、細胞周期を G

2

期で停止させ、

細胞増殖を抑制すると示された。したがって P. lutea の葉の抽出液は新

しい化学療法の補助薬になる可能性があると考えられる.

参照

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