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― 呼吸器病学のニューパラダイム ―

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Academic year: 2021

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日呼吸誌 2(1),2013

第 53 回日本呼吸器学会学術講演会を担当させてい ただきます,京都大学大学院医学研究科呼吸器内科の 三嶋理晃でございます.一言ご挨拶申し上げます.

まず,東日本大震災で被災された方々に心よりお見 舞い申し上げます.震災から 1 年以上経過した現在で も,まだその傷は癒えておりません.皆様のご苦労に は計り知れないものがあると存じますが,今後の速や かな復興を祈念いたします.また,震災地で懸命に医 療に携わっておられる多くの日本呼吸器学会員の方々 に,深い敬意を表します.今回の講演会では,ATS・

ERS・APSR からの推薦演者を交えた International  Symposium のひとつとして,「世界の様々な災害と呼 吸器疾患」を用意しています.この未曾有の大震災の 経験を決して風化させてはならないという日本呼吸器 学会の決意を示すものです.

今回のメインテーマは「呼吸器病学のニューパラダ イム」といたしました.呼吸器病学は 1980 年までは,

生理学に代表される臓器生物学が牽引者の役割を果た してきました.その後,分子生物学が時代を席巻する ようになりました.しかし,21 世紀になって,分子 細胞レベルの新しい知見が臓器・個体にどのように影 響を与えているのかを極めることが重要であると考え られるようになりました.分析的生物学から,集積的 生物学(Integral Biology)へのパラダイムシフトで あります.この講演会においては,その新しいパラダ イムから生み出されたさまざまな成果を集約して,呼 吸器病学の未来への飛躍を期したいという熱い思いが あります.

基調講演はプロスタノイドの第一人者であられる成 宮 周先生にお願いし,医学の最重要課題のひとつで ある「炎症制御」の最先端をご講演いただきます.特 別講演は海外 3 人,国内 3 人の先生方にお願いするこ とにしました.Qutayba Hamid 先生には「閉塞性肺 疾患」,Talmadge E. King, Jr 先生には「間質性肺炎の 病態と治療の UPDATE」をお願いしています.Bela  Suki 先生には「呼吸器疾患における肺の構造・機能 連関の重要性」をお話ししていただきます.中田 光 先生には「肺胞タンパク症・LAM」,興梠博次先生に は「気管支喘息」,村田喜代史先生には「肺の HRCT」

の最新の話題をご講演いだきます.その他,シンポジ ウム,ガイドラインセッション,教育講演などさまざ まなすばらしいプログラムを予定しています.「比較 生物学に学ぶ “ いのち ” の尊さ」と題した公開講演会 では,桑平一郎先生に「低酸素環境をいかに生き抜く か」,石松 惇先生に「海と陸地の狭間に住む魚たち」,

松沢哲郎先生に「想像するちから―チンパンジーが教 えてくれた人間のこころ―」をご講演いただき,市民 と学会参加者の両方が参加できるようにいたします.

呼吸器科医師の需要は増大の一途をたどっており,

会員の増加が日本呼吸器学会の至上命題です.日本呼 吸器学会では,他の学会に先駆けて学会運営システム の完全電子化を年内に実現させます.これにより,コ ンビニでの会費納入,代議員の電子投票,会員同士の 情報交換などが可能になり,魅力のある学会の構築を 促進すると期待されています.今回の学術集会は,こ のような学会の指向性を象徴する卓越した内容を持つ ものと自負いたします.皆様におかれましては,多数 の演題ご応募と学会ご参加をお願いしてご挨拶とさせ ていただきます.

第 53 回日本呼吸器学会学術講演会の開催にあたって

― 呼吸器病学のニューパラダイム ―

会長挨拶  三嶋 理晃

第 53 回日本呼吸器学会学術講演会 会長

京都大学大学院医学研究科内科学講座呼吸器内科学

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