β衣包装学会誌’わ〃7ノV、.‘○008ノ
-)鍵論文~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
透湿度を制御した段ボール箱による
‘中谷早生,カキ果実の軟化制御
志水基修*、播磨真志**、小役丸孝俊*
ApplicationofCorrugatedFiberboardBoxeswithControlledVapor PermeabilityfOrSofteninglnhibitionofJapanesePersimmon
‘Nakataniwase’Fruits
MotonobuSHlMIZU*,ShinjiHARIMA**andTakatoshiKOYAKUMARU*
透湿度(g/㎡・Z4h)が5,70,135,210および2000以上の段ボールシートで作製した5穏類の段ボール箱で
‘中谷早生,カキを包装した。その結果、段ボールシートの透湿度が低いほど箱内の相対湿度は増加し、包装 した果実の質量減少は抑制された。特に、透湿度70以下の段ボールシートで作製した2種類の段ボール箱で包 装した場合、収穫初期と盛期の果実では、9日間の貯蔵期間中にエチレン発生が抑制され、硬度も十分に保持さ れた。その中でも、フイルムを使用しない特殊コーティングライナにより作製されたものは、リサイクル性も 良いことから、‘中谷早生,カキ用段ボール箱の材料として有用と考えられた。
Japancscpcr5immon`Nakataniwasc,fruitswcrcpackagedinfivekindsofcormgatednbcrboardboxcs,
whercthcnberboardshectswiththcvaporpcmleability(g/m2.24h)of5,70,135,Z10andmorethan
2000、Thclcssthcvaporpcrmcabi]ityofcoTTugatcdfibcrboardshcct,themorcwasthchumidityinthebox,andthc1csswasthcwcightlossofthcpcrsimmonfiPuitsinthcbox・Thepe「simmonfiFuitsharvcstCdatthc earlyandoptimumstagcwcrcpackagcdintwokindsofboxcsmadeofcorrugatcdfibcrboaldsheetswiththc
vaporpcmTeabiIityIcssthan70g/m2.24h.whichthe6uitsdidnotproducccthylcneandmaintaincdhardncss
fbr9days-Amongo「them,theboxwithspecialcoaにdlincrandnofilmismor℃uscMinrccyclinginto
fiberboardagainキーワード:青果物、鮮度保持、段ボール、透湿度、カキ、蒸散、軟化、エチレン
Keyword:colTugatcfibcrboardbox、watcrvaporpcrmcabilitybtranspimtion,lmitsoftcning,cthyIcnc
記 レンゴー株式会社中央研究所〒553-0007大阪市福島区大開4-1-186TEL:O6-6466-7451 和歌山県農林水産総合研究センター果樹試験場かき・もも研究所
〒649-6531和歌山県紀の川市粉河3336TEL:0763-73-2274
*
**
-275-
透HiiZ輿Fをiii総'した』蟹ノフマールjiiirによる‘9bか早生,カキノウg美のイ戯ノビプ鋤l鰯i’
2.実験方法 2.1供試果実
和歌山県紀の川市内で露地栽培された‘中 谷早生,をTablelに示した収穫日に収穫し、
和歌山県農林水産総合技術センターかき・も
も研究所にて炭酸ガス脱渋処理(炭酸ガス濃度95%以上、温度25℃の雰囲気下で16時間
保管、CTSD;ConstantWemperatuleShoTt Duration法による)を行った。脱渋処理後のカ キは車でレンゴー㈱中央研究所に輸送し(和歌山県紀の川市から大阪市福島区への輸送で 約1時間30分を要した)、午後4時~11時頃
に後述する条件で包装した。
1.緒言
透湿性をコントロールした機能性段ボール の青果物への応用は、普通段ボールのl/10程 度に透湿性を制御したものがナスやキュウリ
等の萎凋抑制に利用されている’)。また、カキ‘刀根早生,では蒸散抑制によって成熟ホ ルモンとして作用するエチレンの発生が抑制
され、果実の軟化が抑制される2)と報告されており、実際に普通段ボールのl/1s程度に制 御された透湿性の段ボールが軟化防止対策に
利用されている3.4)。渋ガキの中でも、‘中谷早生,(2003年品種 登録)は、9月上旬が収穫期の盛期であり、早
生品種の中でも最も早く出荷できるため収益 性が高く、今後の流通量の増加が予想される
5)。しかしながら、流通条件としては高温期であることや市場間の転売などで]週間程度 流通される場合があり、普通段ボールで包装
した場合には5~7日で軟化が発生する3)ことから、新しい流通方法の確立が必要となって
いる。本報告では、‘中谷早生,の包装仕様の確立 を目的に、透湿度を数段階に変更した段ボー ルシートで作製した機能性段ボールで包装し、
、包装内湿度、蒸散抑制の程度、軟化抑制に及 ぼす影響を検討したので報告する。
TablelHa「vesttimeandha「vestday
Harvesttime
HaTvestday
23/08/2005 05/09/2005 19/09/Z006 l8/09/2007
Early Optimum
Last-l Last-2
22試験包装仕様
普通段ボールシート(透湿度20009㎡・24h 以上)で作製した段ボール箱(以下、段ボール 箱①)、および透湿度210(±12)g/㎡・24hの機
能性段ボールシートで作製した段ボール箱
(以下、段ボール箱②)、同130(±34)g/㎡.24hlable2Characte「isticsoftheboxes
WaterVaporPermeability g/㎡・Z4h
>2000 210±12
130±34 70±11
5±1 Sbeetused
Name
①》②『③一④》⑤X》X》X-X》X助》助》助一助一助 Conventionalsheet
FunctionalsheetA FunctionalsheetB FunctionalsheetC Functiona1sheetD
タマ
-276-
〃教包装今営会)誌しiメノアノV、‘“08ノ
の機能性段ボールシートで作製した段ボール
箱(以下、段ボール箱③)、同70(±11)g/㎡.24hの機能性段ボールシートで作製した段ボール
箱(以下、段ボール箱④)、同5(±l)g/㎡。24hの機能性段ボールシートで作製した段ボール
箱(以下、段ボール箱⑤)の5種の段ボール箱を用い、それぞれ20~24個のカキを包装した。
箱の寸法は現行‘刀根早生’カキ4kg用の内 寸420×300×77mm(内容積,.L表面穂0.43
㎡)で、B/F、JIS形式0300形類似(身蓋のかぶ
せ箱)の構造とした。また、本試験は静置試験 で行ったため現行の包装仕様で使用されてい
る緩衝用の段ボール製パッドは用いなかった。尚、各包装条件について2~3箱を供試した。
2.4.2果実の質量減少率
Table4に示した調査日に段ボール箱を開封
して、果実の質量をl箱単位で測定した。包 装時と調査時の果実の質量差から質量減少率を算出した。
Table4ExaminationinteⅣal
IrHI:KrnInWI
24.3軟化果実率
Table4に示した調査日に段ボール箱を開封 して、カキの果頂部と赤道部を指で触れ、果
肉が軟らかくなった果実(木屋製作所製、果実 硬度計ユニーバーサルB型、半球型針頭使用 による測定で7N程度)を軟化果実とし、各包 装条件の全果実数(60~72個)に対する軟化果 実数の割合(%)を算出した。24.4エチレン発生量
Table4に示した調査日に段ボール箱を開封
し、直ちにl箱内のカキをすべて9.2L容の樹 脂製密封・容器(タッパーウエアー)に入れた。1時間放置した後、容器内のヘッドスペースガ
ス中のエチレン濃度をガスクロマトグラフィ ーで分析し、エチレン濃度×容器内空隙容積÷果実質駄にてエチレン発生速度(ⅡL/k9.h)
を算出した。また、このエチレン発生速度と
前調査からの経過時間との積で各調査間のエ チレン発生趣を算出し、これを合計して包装 後9日間の積算発生量(l1L/k9.9days)を求めた。なお、ガスクロマトグラフィー分析は、㈱
島津製作所製GC-l4A、検出器PID、
23保管
カキを包装後、Table3の温度、湿度条件で 9日間保管し、設定の調査日に次項の項目に ついて調査した。
Table3Storagecondition
二ii昨十J1簑鴬
24測定項目
2.4.1段ボール箱内の湿度
段ボール箱内のコーナー部にタバイエスペ ック製サーモレコーダーRS-ll温湿度センサ ーを設置し、30分間隔で温湿度を測定した。
尚、湿度測定専用の処理区を設け、保管中は 箱を一度も開封しなかった。
-277-
上議iE度をiリリ(`リグした段赤.-"Z簿による‘'力谷叔生,カキルg実のり!;bZn制’6’
3.結果および考察 3.1箱内の相対湿度
各収穫時期の果実を包装した場合の段ボー ル箱内の相対湿度の経時変化をFiglに示し
Gaskuropack-5460/80カラム(3mm×3.1m)を用い、純度99.99%以上の窒素をキャリアガス
とし、流墜55ml/min、インジェクション温度175℃、カラムオーブン温度125℃、検出器温
度175℃の条件で行った。
た。00000000987654
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24-25-26-27-28-29-30-31-1-AugAu」gAugAugAugAugAugAugSep Storagetime(daWmonth/2005)
l_._二
6-7-8-9-IひII-I2-I3-l4-
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Storagetime(day/month/2005)
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ScpS⑥pScpSepScpScpSepScpSop
Storagetime(day/month/2006)
29-
Sep
FiglHumiditychangeincorrugatedfiberboardbox.
A:EarlyB:OptimumC:Last-1D:Last-2
-278-
β菰包鍔学会誌肋〃フノVa4C0妬ノ
場合の経時変化について示したが、包装後の 果実の質量減少率は時間の経過とともに直線 的に増加し、段ボール箱①では1日あたり 0.69%の質量が減少した。また、透湿度の低 下に応じて質還減少率は低下し、段ボール箱
②では048%/日、段ボール箱③では0.399'6/
日、段ボール箱④では032%/日、段ボール箱
⑤では0.29%/日となり、段ボール箱④或いは 段ボール箱⑤では段ボール箱①の46~42%に 低減された。
Fig.4に各段ボール箱の作製に用いた段ボ
ールシートの透湿度に対する各収穫時期の果 実の包装9日後の質量減少率を示した。収穰 時期によって変動はあったが、段ボール箱⑤ で0.9~2.1%と最も少なくなり、段ボール箱
④では2~27%、段ボール箱③では2.4~3.4%、
段ボール箱②では3~42%、段ボール箱①で は5.6~9.6%となった。収穫時期が変わって も透湿度の低下とともに質量減少率が低下し、
特に透湿度709/㎡.24h以下の段ボールシー
トで作製した段ボール箱で、質量減少の抑制 が顕著となった。また、透湿度の高低と果実 の質量減少率の高低は相関が高く、用いる段 ボールシートの透湿度の調整によって質量減 少率が調整できると考えられた。
段ボール箱①(普通段ボール箱)の箱内湿 度は、収穫初期の果実を包装した場合では 55%RH程度、盛期では58%RH程度、後期-1 では60~70%RH、後期-2では56~80%RHと なり、試験包装条件の中で最も低く、さらに 保管雰囲気の湿度が変動した場合には、箱内 の湿度も連動して変動した。一方、段ボール 箱②では、収穫初期で82%RH、盛期で84%RH 程度、後期-1で85%RH、後期-2で80~88%RH となり、段ボール箱③では収穫初期で平均 87%RH、盛期で90%RH程度、後期-1で95%RH 程度となり、後期-2では85~95%RHの間で 変動した。また、段ボール箱④ではすべての 収穫時期で88%RH以上、段ボール箱⑤では すべての収穫時期で96~98%RHの高湿度条 件となり、さらに保管雰囲気の湿度が変動し た場合でも箱内の湿度の変動は小さかった。
これは、使用した箱の形式がJISO300形類似 で密閉性が高く、箱内から流出する水蒸気量 がそれぞれの段ボール箱の作製に用いた段ボ ールシートの透湿度によって制御されること が原因と考えられた。
Fig2に、それぞれの段ボール箱の作製に用
いた段ボールシートの透湿度に対する各収穫 時期の箱内の相対湿度の平均値を示した。段
ボール箱⑤では96~98%RH、段ボール箱④では88~92%RH、段ボール箱③では87~
93%RH、段ボール箱②では、82~85%RHと なり、それぞれの段ボール箱の作製に用いた 段ボールシートの透湿度に応じた湿度条件と
なった。3.3軟化率
Fig.5に収穫初期の果実を包装した場合の 軟化率の経時変化を示した。段ボール箱①で 包装した場合では、包装5日後に76%、9日 後に83%と多数の果実が軟化した。これに対
して段ボール箱④と段ボール箱⑤では、包装 9日後でも軟化した果実はなく、軟化抑制効 果が顕著だった。Fig.6に各段ボール箱の作製 に用いた段ボールシートの透湿度に対する各 3.2果実の質量減少率
蒸散抑制の指標として果実の質量減少率を 調査した。Fig.3に収穫初期の果実を包装した
-279-
透2国度をi;1(`;'した蟹ボー化錆による‘単谷早生,カキ袈美の叡光r7iドリ鰯'’
76543210
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050505050509988776651(工区ま)(自営88⑭弓)xoCつ」⑩。。①」口嬉つの温凶。』」。。E百一画Eコエ
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sheet(g/㎡.24h)
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0 123456789
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Fig2Relativehumidityinthecorrugatedfiberboard boxeswithdHYbrentwatervaporpermeabilityby usingdiflもrcnttypesofsheet
Fig3Comparisonoffruitsweightlossstoredin
fivedifferentcorTugatedfiberboardboxes.叩釦帥
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sheet(g/㎡.24h)
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①④。OBB一十  ̄Box② ̄Box③ ̄Box⑤
Fig4ReIationshipbetweenwatervapCrperTTIeabiIity ofcorrugatedfibeIboardsheetandweigltlossof fhjtsin9days
Fig5ComparisonoffTuitssoftenedstoredin fivedifferentcorrugatedfiberboardboxes.
-280-
日汰包装学会誌 〃〃フノW・イロ008ノ
go 250
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sheet(g/㎡.24h)
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WBtervaporpermeabiIityofcorrugatedfibrebcard sheet(g/㎡.24h)
戸-■
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-Ldstofh⑧wcsttjme-1
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-LastofharveSttime-I  ̄o-0pthnumofhanBstt揃C
-LpEtofhar沁就thnc-2
Rg7Relatjonshipbetweenwatervaporpermeability ofcorTugated5berboamdsheetandtotalethyIene
productionoffTu碇sin9days.Fig6Rel調onshipbetweenwatervaporperTneabilib/
ofcorTugatedfYberboardsheetandchangein softenedfTuitsin9days.
穫時期よりも軟化率が比較的高くなった。収 穫時に熟度が進行している果実を包装した場 合には、軟化が進行する確率が高くなったが、
軟化率は段ボール箱①で包装した場合よりも 低いことから、収穫シーズンを通して段ボー ル箱⑤或いは段ボール箱④の使用が可能と考
えられた。
収穫時期の果実の包装,日後の軟化率を示し たが、段ボール箱①では収穫後期-1の果実で 50%、盛期の果実で47%、後期-2の果実で15%
が軟化し、段ボール箱①(普通段ボール箱)
での流通は困難と考えられた。これに対して、
透湿`性を制御した段ボール箱では、段ボール 箱②でも軟化が抑制されたが、段ボール箱④ と段ボール箱⑤では収穫初期の他、盛期の果
実でも軟化がなく、透湿度709/㎡.24h以下の段ボールシートで作製した段ボール箱が好 適と考えられた。
一方、収穫後期の果実では、後期-2の場合 は段ボール箱②~⑤で2~3%と軟化した果実 は少数であったが、後期-1の場合では段ボー ル箱⑤で18%、段ボール箱④で12%、段ボー ル箱③で3%、段ボール箱②で7%と、他の収
①
① ①
⑤ ④
② ④
⑤
3.4エチレン発生量
青果物の成熟ホルモンであり、果実の軟化
を促進させる作用があるエチレンについて、
包装9日間の発生量の積算値をFig.7に示した。
段ボール箱①で包装した場合では、多数の 果実が軟化した収穫初期の果実で、エチレン
発生量の積算値が230.6仏L/kg9daysと多くな り、47%が軟化した盛期の果実ではZL5uL② ⑤
⑤ ④
③ ②
-281-
透XHzZi2蟇をii1(`'した段求鬮一ノz/錆によるリヲビエ谷早生,カキ袈襄の鰯bih制満リノ
/k9.9days、15%が軟化した後期-2の果実で
4.結論
は7.4IIL/k9.9daysとなった。また、後期-1の果実では、軟化率が50%だったのに対して、
エチレン発生量は5.11LL/k8.9daysと比較的
少なかったが、いずれの収穫時期の果実でも エチレンが発生した。
一方、段ボール箱⑤と段ボール箱④で包装 した場合には、収穫初期、盛期、後期-2とも にエチレンが発生せず、このことが軟化の抑 制に効果的だったと考えられた。また、後期
-1の果実では、段ボール箱⑤で12.7ⅡL/k9.
9days、段ボール箱④で2.luL/k9.9days、段 ボール箱②で2.21LL/k9.9daysの発生となり、
熱度が進行した果実ではエチレンの発生が多 く、軟化が多くなった。
中野ら6)は、‘刀根早生,に有孔ポリエチレ ン包装とI-MCP(1-メチルシクロプロペン)
処理とを行い、蒸散ストレスによりエチレン が発生することと、エチレンが発生しても l-MCP処理をすることにより軟化が防げる ことから、蒸散によるストレスエチレンが果 実内に発生して軟化を引き起こすと報告して
おり、また、播磨ら5)は‘中谷早生,でも同様な現象が見られることを報告している。今 回の検討では透湿度を5段階に変えた段ボー
ル箱で包装し、透湿度の程度により軟化程度が異なることを示した。ただし、収穫時に熱 度が進行している果実では、透湿度を低く制 御した段ボール箱で包装してもエチレンが発 生する場合があった。その原因としては、‘西 条,カキのように脱渋時の高濃度の炭酸ガス 処理がストレスとなってエチレンが発生する 7)場合もあり、他の異なる要因によりエチレ ンが発生し、軟化が起こった可能性も考えら
れた。段ボール箱⑤(透湿度59㎡・24hの機能性 段ボールシートで作製した段ボール箱)と段 ボール箱④(同709/㎡・Z4hの機能性段ボー ルシートで作製した段ボール箱)では、最も出
荷量が多くなる収穫盛期と高額販売が可能な 収穫初期の果実について、包装後9日間の保 管中に軟化がなかったことから、透湿度が低 い段ボール箱で包装することは軟化防止対策 として有効であると考えられた。また、収穫 後期の果実については、追熟に伴ってエチレ ンの発生と軟化発生果実があったが、軟化率
は段ボール箱①(普通段ボール箱)よりも低く、収穫期を通して段ボール箱⑤と段ボール箱④ の有用性が高いと考えられた。尚、段ボール 箱⑤はアルミ箔を貼り合わせているため、リ サイクルが困難であるが、段ボール箱④は普 通段ボールと同様のリサイクルが可能な材料 を使用しており、実用性も高い仕様である。
以上のことから、現在、‘中谷早生’の包装 には‘刀根早生,で使用されている段ボール
箱③(透湿度1359/㎡.24hの機能性段ボール シートで作製した段ボール箱)が流用されているが、今後は、軟化抑制効果がさらに高い 段ボール箱④の使用が推奨される。
5謝辞
この研究を進めるにあたり、ご助言いただ きました和歌山県農林水産総合技術センター 果樹試験場かき・もも研究所の角田秀孝所長、
岡山大学農学部応用植物科学コースの稲葉昭 次教授、久保康隆教授、中野龍平助教にお礼 申し上げます。
-282-
〃衣包装常会誌しり〃フノⅦ.‘CO肥ノ
<引用文献>
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2)播磨真志、中野龍平、山内勧、久保康隆、
稲葉昭次、北野欣信、園芸学会雑誌、7]、
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3)播磨真志、富田栄一、農業および園芸、
80(3)、348(2005)
4)播磨真志、富田栄一、農業および園芸、
80(4)、457(2005)
5)播磨真志、中野龍平、三井萬丈、稲葉昭 次、久保康陸、園芸学会雑誌、75(別冊 l)、p205(2006)
6)中野龍平、播磨真志、久保康隆、稲葉昭
次、園芸学会雑誌、70,385(2001)
7)中野龍平、播磨真志、小倉恵美、井上真
輔、久保康隆、稲葉昭次、園芸学会雑誌、
70,581(2001)
(原稿受付2008年2月21日)
(審査受理2008年5月7日)
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