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厚生労働科学研究委託費(医療機器開発推進研究事業)

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Academic year: 2021

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厚生労働科学研究委託費(医療機器開発推進研究事業)

委託業務成果報告(業務項目) 

 

心房細動を有する患者の心臓植込みデバイス周術期における  多剤抗血栓療法継続の安全性と有効性に関する研究 

担当責任者  石橋  耕平  国立循環器病研究センター心臓血管内科・不整脈科医師 

 

                           

A.研究目的   

本研究では、心房細動を有する患者の心臓植込みデ バイス周術期における多剤抗血栓療法継続の安全性 および有効性を解明することを目的とする。 

 

B.研究方法   

当院でデバイス手術を施行した患者300例を非抗血 栓療法群、単剤抗血栓療法群、多剤抗血栓療法群の3 群に分けて、心房細動の合併率、血栓塞栓症および 出血のリスクスコア(CHA2DS2‑VASc score、HAS‑BLED  score)、周術期の血栓塞栓症イベント、周術期の出 血イベントに関して検討を行った。 

 

C.研究結果   

非抗血栓療法群は129例、単剤抗血栓療法群は139例、

多剤抗血栓療法群は32例であった。心房細動の合併 率は非抗血栓療法群と比して抗血栓療法群で有意に 高かった(p<0.001)。また、非抗血栓療法群と比して 単剤・多剤抗血栓療法群ともに有意に高い血栓塞栓 症リスクスコア(p<0.001)および出血リスクスコア (p<0.001)を示したが、単剤・多剤抗血栓療法群間に 有意差は認めなかった。周術期の血栓塞栓症の発症 率は、3群間で有意差を認めなかった。また、出血の 発症率に関しては、臨床上問題とならない小出血に 関しては非抗血栓療法群と比して多剤抗血栓療法群 で有意に高い発生率を示したが(p=0.023、単剤・多 剤抗血栓療法群間では有意差なし)、臨床で問題とな

る大出血(入院延長、血腫除去術要、輸血要、抗血栓 療法中止)に関しては3群間で有意差を認めなかった。 

 

D.考察   

本研究により、単剤抗血栓療法継続と同様、心臓植 込み型デバイス周術期の多剤抗血栓療法継続が安全 かつ有効であることが明確になった。また、心房細 動患者は多剤抗血栓療法群に多く含まれ、血栓塞栓 症および出血のリスクが高いものの、抗血栓療法を 継続することにより、周術期の血栓塞栓症の発症率 を抑え、出血の発症率が上昇しないことがわかった。

本研究により、もし心房細動であることがデバイス 手術前に判明した場合、その手術の時期に関係なく、

出血の危険を恐れることなく、心原性脳塞栓症の発 症を抑えるために抗凝固療法を始めることができる。 

 

E.結論  

心房細動患者の周術期の抗血栓塞栓療法継続は、単 剤多剤にかかわらず安全であり、血栓塞栓症の予防 に有効である。長時間記録腕時計型脈波モニタリン グ機器により心房細動をとらえることができれば、

抗血栓療法によりデバイス周術期の心原性脳塞栓を 安全かつ未然に防ぐことができると思われる。 

 

F.健康危険情報  

特になし   

心臓植込みデバイス周術期において、単剤抗血栓療法継続は安全であることが報 告されている。しかしながら、多剤継続に関しては明らかではない。そこで今回 我々は、当院でデバイス手術を施行した300例(非抗血栓療法群129例、単剤抗 血栓療法群139例、多剤抗血栓療法群32例)を対象として、多剤継続の安全性お よび有効性の検討を行った。抗血栓療法群は非抗血栓療法群と比して、心房細動 合併率が有意に多く、血栓塞栓症および出血のリスクスコアも有意に高かった。

しかし、周術期の血栓塞栓症および出血の発症率に関して、全ての群で有意差を 認めなかった。心房細動患者の周術期の抗血栓塞栓療法継続は、単剤多剤にかか わらず安全であり、血栓塞栓症の予防に有効である。長時間記録腕時計型脈波モ ニタリング機器により心房細動をとらえることができれば、抗血栓療法によりデ バイス周術期の心原性脳塞栓を安全かつ未然に防ぐことができると思われる。

(2)

G.研究発表  1.  論文発表 

1) 石橋耕平、草野研吾。手術前後の抗凝固薬の使 い方  心房細動のトータルマネジメント-治療の 常識が変わる!-  (文光堂)  2014

2) 石橋耕平、草野研吾。Q&A ワルファリンからN OAC、NOACからワルファリン、またNOACか ら他のNOACへ変更する際の注意点について教 えてください  ファーマナビゲーター  抗凝固 療法編  (メジカルレビュー)  2015 in press 3) 石橋耕平。Q&A 抗血小板薬を中止できない患

者さんがいます。注意点はありますか?  今さ ら聞けない心臓ペースメーカ  (メジカルレビ ュー)  2015 in press

 2.  学会発表   

1) Ishibashi K, Miyamoto K, Kusano K, et al. S afety and Efficacy of Continuous Anticoagul ant and Antiplatelet Combination Therapy du ring Implantation of Cardiac Rhythm Devices.

 American Heart Association (AHA) 2014 Chic ago, USA 

 

H.知的財産権の出願・登録状況     (予定を含む。)

1. 特許取得  なし 

 2. 実用新案登録  なし

 3.その他 なし

参照

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