• 検索結果がありません。

燃焼コンセプト

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "燃焼コンセプト"

Copied!
1
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

旋回燃焼方式向け超低 NO x 石炭焚 M-PM バーナの開発

1. はじめに

 石炭は埋蔵量が多く,偏在の少ない エネルギー資源であり,石炭焚ボイラ の需要は今後も継続すると予想されて いる.一方,石炭はガスや油に比べて 単位燃焼量当たりの CO2排出量が多 く,また高い燃料中窒素分により発生 する NOx量も多いことから高効率お よび低環境負荷運用が求められる.さ らに運用費低減のため,バーナ長寿命 化等による補修費削減や,低 NOx燃 焼による脱硝装置用のアンモニア消費 量削減も求められている.三菱重工業

(株)(以下,当社)ではこれらのお客 様のニーズを満足する革新的低 NOx

燃焼技術確立のために,高精度 CFD 技術と大規模燃焼試験の両方を用い て,旋回燃焼方式向け新バーナ(M- PM:Multiple  Pollution  Minimum バーナ)を開発・実用化し,世界最高 レベルの低い火炉出口ガス中 NOx排 出濃度及び灰中未燃分での運転を達成 した.本稿では石炭焚き低 NOx燃焼 の新たなコンセプト構築およびそれに 基づき開発した新バーナの代表的な実 機運転結果について報告する(1)

2. 低 NO

x

燃焼コンセプト

 旋回燃焼方式において,従来の低 NOxバーナは,ノズル外周と内周間で 微粉炭を濃淡を付けて分離することに よる濃淡燃焼を行ってきた.また,燃 焼用空気をバーナ部と炉上部に分けて 供給することでバーナ部を還元条件と し,発生した NOxを炉全体で還元す ることで,NOx低減を図ってきた.こ のため,バーナでの安定着火が重要で あり,二次空気ノズルに保炎機構を設 け,炉内からの輻射を効率的に利用す ることで実現してきた.

 一方,従来の低 NOxバーナについ て燃焼シミュレーションを行った結 果,ノズル外周部で安定着火が起こる ことが確認された.しかし,火炎外周 が高温となり,そこに 2 次空気が供給 されるため,高温かつ高酸素濃度の領 域が形成され,NOx発生の要因となる ことが確認された(2)

 そこで,保炎器を微粉炭流の内部(ノ ズル前部断面の内側)に設置するとと もに,周囲の 2 次空気を直進流として 外周に着火遅れをもたせることとした

(図 1).

 着火部では,空気の供給は 1 次空気 のみであり,低酸素領域において燃焼 が開始するため,還元物質(揮発分,

チャー)が多い火炎内部で有効に NOx

を還元させることが可能である.また,

隣接ノズルからの Aux 空気(図 1)

を最適位置に投入することにより,微 粉炭流内部から外周への燃焼の進展に 合わせて,石炭バーナの周囲からの 2 次空気が混合されるため,火炎外周の 高温高酸素領域が低減され,バーナ周 囲での NOx発生低減も可能となる.

また,内部から広い着火面で着火させ ることで,燃え残りが懸念される火炎 内部においても燃焼温度が高温に維持 されるため,火炎内部でのチャー燃焼 が従来より促進され,未燃分低減を図 ることが可能となる.

3. 実機運用結果

 上記コンセプトに基づき,当社内試 験炉にて検証した M-PM バーナは,

2012 年 11 月から順次,国内・海外 7 ユニットで運用を開始しており,非常 に安定した燃焼が確認されている.ま た,全ユニットにて性能保証を満足し,

ノズルへのクリンカ付着・焼損等の不 適合もなく,順調に運用されている.

 実機運転代表例として,事業用国内 ユニット H5(600MW)の運転結果を 図 2に示す.本ユニットでは,当社 従来の低 NOxバーナから M-PM バー ナへ,バーナのみの取り替えを行った.

中燃料比炭(固定炭素/揮発分)の石 炭で運転を行った結果,NOx生成と背 反となる灰中未燃分を同等に保ったま ま, 従 来 低 NOx A-PM バ ー ナ か ら NOx濃度を 30%低減したことを確認 した.

4. おわりに

 次世代に向けた石炭焚燃焼システム の新たなコンセプトをもとに M-PM バーナを開発,実用化し,今後のラン ニングコスト低減対策に有用であるこ とが実証された.

 三菱日立パワーシステムズ(株)で は,当社総合研究所長崎内に燃料供給 量で 500 kg/h,4 t/h の新型燃焼炉を 有する実験設備を建設した(図 3).

新型炉では,最新鋭の火炎内計測機器 を備え,燃焼シミュレーション技術の さらなる開発のため,実機規模での バーナ燃焼試験における火炎内の燃焼

挙動観察が可能となっている.

 本試験炉は,対向燃焼,旋回燃焼方 式のいずれのバーナも試験可能であ り,当社でラインナップしている微粉 炭用低 NOxバーナである NR シリー ズ,PM シリーズバーナのさらなる高 性能化を図る.また,瀝れきせい炭,亜瀝青 炭,褐炭,バイオマス,重質油,残渣 油,石油コークス等,幅広い燃料に対 応できる燃焼技術を開発していく.

(原稿受付 2015 年 1 月 28 日)

〔松本啓吾 三菱重工業(株)〕

( 1 )堂本和宏・松本啓吾,平成 26 年度火力原子●文 献 力大会論文集,(2015-3),15-21.

( 2 )松本啓吾・堂本和宏・藤村皓太郎・阿部直 文・平原悠智・葛西 潤,三菱重工技報,

50-3(2013),18-23.

(1)微粉炭と 1 次空気の良好な 混合および広い着火面

⇒良好な着火,低未燃分 (3)Aux 空気投入を遅らせることに より,外炎部での酸素濃度の最適化,

高温高酸素領域の低減

⇒低 NOX

Aux 空気

Aux 空気

2 次空気

(2)内部保炎かつ低 O2燃焼

⇒火炎内部で還元物質(揮発分,

 チャー)が NOXを効果的に還元

⇒低 NOX

図 1 低 NOxコンセプト

図 3 新型燃焼試験炉

(燃料供給量 4 t/h)

160 140

(新設時)

従来低 NOXバーナ

(改造前取得)

NOX(ppm:6%O2) M-PM バーナ

(改造後)

120 100

灰中未燃分(%)

280 4 6 8

図 2 火炉出口ガス NOx濃度と灰中未燃分 の関係

(国内ユニットの例)

─ 43 ─

日本機械学会誌 2015. 6 Vol. 118 No.1159 369

TOPICS.indb 43 2015/05/27 22:04:39

参照

関連したドキュメント

工場設備の計測装置(燃料ガス発熱量計)と表示装置(新たに設置した燃料ガス 発熱量計)における燃料ガス発熱量を比較した結果を図 4-2-1-5 に示す。図

補助 83 号線、補助 85 号線の整備を進めるとともに、沿道建築物の不燃化を促進

燃料デブリを周到な準備と 技術によって速やかに 取り出し、安定保管する 燃料デブリを 安全に取り出す 冷却取り出しまでの間の

添付資料 4.1.1 使用済燃料貯蔵プールの水位低下と遮へい水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮へい厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

添付資料 4.1.1 使用済燃料貯蔵プールの水位低下と遮へい水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮へい厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

添付資料 4.1.1 使用済燃料プールの水位低下と遮蔽水位に関する評価について 添付資料 4.1.2 「水遮蔽厚に対する貯蔵中の使用済燃料からの線量率」の算出について

都調査において、稲わら等のバイオ燃焼については、検出された元素数が少なか