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2) 効 果 の 高 い 治 療 薬 が 限 定 されているので 病 診 間 で 意 思 統 一 した 薬 物 治 療 を 行 いやすい 3) 薬 物 治 療 などの 効 果 が 緩 徐 であるので 長 期 の 通 院 が 必 要 である 4) 手 術 が 必 要 になる 場 合 でも 徐 々に 増

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Academic year: 2022

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地域医療連携のシステムを利用した腰部脊柱管狭窄症の治療

循環型地域医療連携システムは、長期の通院や治療を要する疾患の患者を維 持期には診療所で診療し、精密検査や入院、手術が必要になった場合には病院 で診療する、さらに症状が安定化したらまた診療所で治療を継続するという連 携医療である。

この連携医療を利用して腰部脊柱管狭窄症を診療した場合は、「腰部脊柱管狭 窄症が疑われる患者は、診療所からの紹介により病院で画像機器を用いた診断 を受ける。診断確定後はまず診療所で薬物療法を主体とした初期治療を受け、

症状増悪時には、神経根ブロックや入院、手術治療を目的に再度病院を受診す る。さらに病院での治療経過が良好ならその後の診療を再び診療所で行う」こ とになる。

このシステムでは、患者には複数の医師が主治医として関わるメリットがあ り、また地理的な要因を考慮した定期的な通院が可能となる。一方診療所なら びに病院ではそれぞれの機能に合わせた診療が可能で診療効率を高めることが できる。

循環型地域医療連携の概略図

腰部脊柱管狭窄症は連携医療のやりやすい疾患である・・・

腰部脊柱管狭窄症には、

1) 高齢者にみられる疾患で患者数が多い

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2) 効果の高い治療薬が限定されているので、病診間で意思統一した薬物治療を 行いやすい

3) 薬物治療などの効果が緩徐であるので長期の通院が必要である

4) 手術が必要になる場合でも、徐々に増悪することがほとんどで、急変するこ とが少ない

5) そのため緊急手術になることはまれで、大部分が予定手術で対応できる などの特徴がある。特に急変して緊急手術になる疾患ではないことから、診療 所と連携病院との間で連携医療を行いやすい疾患といえる。

腰部脊柱管狭窄症とは・・・

日本脊椎脊髄病学会の用語事典では、「脊柱管を構成する骨性要素や椎間板、

靭帯性要素などによって腰部の脊柱管や椎間孔が狭小となり、馬尾あるいは神 経根の絞扼性障害きたして症状の発現したもの」とされている。つまり腰椎部 の脊柱管あるいは椎間孔の狭小化により、神経組織の障害あるいは血流の障害 生じ、症状を呈する疾患である。この症状は、腰痛はあってもなくてもかわな いが、殿部痛や下肢痛がみられることが特徴で、運動(歩行)や特定の体位に よって跛行が惹起される。

脊柱管狭窄症の模式図

左はすべり症によって狭窄を来している様子で、右は後方の黄色 靭帯の肥厚によって狭窄が生じている様子を示している。

腰部脊柱管狭窄症にみられる臨床症状・・・

主な症状は殿部から大腿後面、下肢にかけての痛みやしびれである。この痛

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みやしびれは歩行や腰部の伸展にともなって増強し、座位をとることによって 軽快する特徴がある。腰痛はあっても軽微なことが多い。また、間歇性跛行は 腰部脊柱管狭窄症と末梢動脈疾患(PAD:peripheral arterial disease)に特徴 的な跛行で、間歇性跛行がみられる場合には、本症と PAD の鑑別も重要となる。

臨床症状から腰部脊柱管狭窄症が疑われたら・・・

腰部脊柱管狭窄症診断サポートツールを使って評価してみる

最近はわが国の多施設研究のデータをもとに治療が必要となる腰部脊柱管狭 窄症を選び出すツールが開発された。

ABI : 足関節上腕血圧比(足背動脈触知の有無で代用できる)

ATR : アキレス腱反射 SLR : 下肢伸展拳上テスト

いずれの項目も日常診療の場で入手できる情報を用いて行うものであり、ス クリーニングには最適である。7点以上の場合は腰部脊柱管狭窄症である可能 性が高い。

腰部脊柱管狭窄症が疑われたら、病院の病診連携室に画像診断等による精査 を依頼する。

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どんな画像診断が行われるか・・・

特に MRI は腰部脊柱管狭窄症の画像診断に適した非侵襲的な検査である。ま た、CT も狭窄に関わる骨性の要素を検索するうえで非常に有用である。MRI も CT も造影剤は不要で、単純撮影の画像で評価する。ペースメーカーが挿入 されているなど MRI が禁忌な患者においては脊髄造影や脊髄造影後 CT(CTM)

が有用となる。

腰部脊柱管狭窄症の MRI

左はすべり症の部位で狭窄がある。後方は黄色靭帯 の肥厚による。右は椎間板の膨隆により狭窄をきたし ている

腰部脊柱管狭窄症の診断が得られたら・・・

初期治療は薬物治療が原則である

腰部脊柱管狭窄症の診療ガイドラインでは、「軽度から中等度の腰部脊柱管狭 窄症患者において、保存療法は最大 70%の患者に有効である」としており、な かでも薬物治療が初期治療の基本である。

保存療法で効果が得られない場合や効果が得られても一時的であるような場 合は、経椎間孔硬膜外ブロックなどを施行する。その効果も不十分である場合

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には手術治療を計画することになる。

腰部脊柱管狭窄症の治療体系

薬物治療により満足した結果が得られない場合は、

神経根ブロックを施行して、責任病巣を確認する とともに、手術の適応を考えていくことになる。

腰部脊柱管狭窄症に対する薬物療法には次のような薬剤が用いられる。

1) 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や筋弛緩薬、メチルコバラミン(メチ コバール)が用いられるが、その効果に関するエビデンスレベルはあまり高 くない。

2) プロスタグランディンE1による効果については高いレベルのエビデンス があることから、経口のプロスタグランディン・リマプロスト(オパルモン)

が広く用いられている。

3) NSAIDs とリマプロスト(オパルモン)などとの併用投与も行われる。

4) プレガバリン(リリカ)やトラマドール・アセトアミノフェン配合剤(トラ ムセット)などの薬剤が単独あるいは併用して使用されることもある。

このほかの保存療法としては、運動療法、理学療法、装具療法などがあり、

特に、徒手理学療法とトレッドミルによる運動療法の併用は、エビデンスのあ る治療法である。

薬物治療で満足が得られない場合は・・・

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薬物療法でなかなか症状が軽快しない場合には、経椎間孔硬膜外ブロック注射

(いわゆる神経根ブロック)の実施を考慮し、病院の病診連携室と連絡をとる

いわゆる神経根ブロックは、長期に漫然と行う治療法ではないが、神経根症 状を緩和する効果があり、手術時期を遅らせたり、回避させることができる場 合もある。神経根ブロックを繰り返して施行することにより、神経根症状や神 経性跛行が長期に改善する場合もある。

また、手術する場合にはこの神経根ブロックの効果の有無によって責任病巣 を確認することができる。

こんな場合は手術が必要になる・・・

初期治療は保存療法が原則であるが、保存療法で効果が得られない場合は手術 治療が推奨されている。手術を考慮し、病院の病診連携室と連絡をとる

保存的治療では下肢痛などの疼痛が軽減せず、歩行できる距離が著しく短い ため日常生活に支障がある場合、下肢の筋力低下が改善しない場合や膀胱直腸 障害がみられる場合などは手術の適応となる。また、保存療法で効果がみられ ても長期間の改善が得られず、症状が繰り返すような場合も手術の適応である。

一般に、手術の成績は4~5年の経過では総じて良好で、患者さんの 70~

80%で良好な成績が得られている。満足度の点では、人工股関節手術や人工膝 関節手術に見劣りしない。また、75 歳以上の患者さんでも同等の手術成績が得 られることが多いため、高齢であることを理由に手術を回避させることは少な い。すなわち手術に支障を与える合併症がなければ、高齢者でも手術の適応と なる。

一方で、手術の適応と判断された患者さんでも、その罹病期間が長いと十分 な改善が得られないこと、安静時の下肢のしびれは改善しにくいことなども報 告されており、もちろん手術療法の効果にも限界はある。

こんな手術が行われる・・・

手術は大別して狭窄部位の除圧術と固定術に分けられる

病変部の狭窄部位の不安定性の有無によって手術法が異なる。狭窄部位が比較 的安定している場合は除圧術が行われるが、すべり症や椎間板変性などにより

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不安定性をともなう場合は固定術も必要となる。さらに固定術は、脊椎インス トゥルメンテーション(固定具)を用いる方法と用いない方があるが、どの術 式が適応となるかは個々の症例ごとに整形外科医の判断に委ねられる。

施行される術式によって入院期間やそれに必要な医療費が異なるが、除圧術 であれば手術後数日で退院が可能であるが、固定術を併用した場合には2~4 週間の入院が必要な場合が多い。

代表的な術式

左は狭窄部位の除圧術(いわゆる開窓術)

右はインストゥルメンテーションを併用した固定術

手術治療のあとは・・・

患者さんは手術後の間もない時期から症状の改善を自覚することができ、手 術前に内服していた種々の薬剤を使用しなくても日常生活が可能になることが ほとんどです。ただ、症状の改善が緩徐な例や改善が得にくい場合もあるので、

手術は

術者が責任をもって経過観察を行うのが基本です。

除圧の効果が十分で、良好な固定が得られた状態になれば、かかりつけの診 療所に経過観察を依頼することもあります。病診間で連携を図りながら症状の 経過をみていくことになります。

参照

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