宮田村健康増進計画
計画期間 平成25年度~平成34年度
村民だれもが、健康で暮らし続けるために
平成25年3月
宮 田 村
村民だれもが
健康で暮らし続けるために
国では少子高齢化や、疾病構造の変化が進む中で、生活習慣及び社会環境の 改善を通じて、子どもから高齢者まで全ての国民が共に支え合い、希望や生き がいを持って、健やかでこころ豊かな生活と活力ある社会を実現するため、新 たな取り組みとして「21 世紀における第二次国民健康づくり運動(健康日本 21(第二次))」を制定し、広くその推進を呼びかけています。
先般厚生労働省発表の平均寿命は、長野県が男女ともに全国第 1 位で「日本 一長寿の県」となりましたが、 「健康寿命」という視点では決して高くはありま せん。これは、長寿でも寝たきり状態や疾患が多いなど「健康」に対する課題 は多いということを示しています。
宮田村でも平均寿命では、女性が全国第 6 位(平成 17 年度)と長寿の村です が、生活習慣病に起因する慢性疾患や特定疾病などの課題があり、長寿を健康 的に全うできるよう運動を進めることが大切です。
そのために今回策定いたします「宮田村健康増進計画」は、村の現状分析を 行う中から見えてきた課題の整理を行い、生活習慣の見直しや改善、病気の予 防に重点を置き、 「村民だれもが健康で暮らし続けるために」を基本理念として、
取り組む目標と具体的推進について明らかにしたものです。
今後は行政といたしましても、地域との連携はもとより住民と協働した健康 づくり運動を推進し、今計画の着実な実施と環境づくりに努めていきたいと思 います。
結びに、本計画の策定にあたり多大なご尽力をいただきました宮田村健康づ くり推進委員会の委員の皆様をはじめ、貴重なご意見等を賜りました多くの皆 様、関係者の皆様方に厚くお礼申しあげるとともに、引き続きご指導を賜りま すようお願い申し上げます。
平成 25 年 3 月
宮田村長 清 水 靖 夫
目 次
第Ⅰ章 計画策定にあたって
第1節 計画策定の背景と趣旨 ・・・・・ 1
第2節 計画の位置づけ ・・・・・ 1
第3節 計画の期間 ・・・・・ 2
第4節 計画の対象 ・・・・・ 2
第5節 村の健康に関する現状 ・・・・・ 2
第Ⅱ章 課題別現状と課題
第1節 生活習慣病 ・・・・・191 がん ・・・・・19
2 循環器疾患 ・・・・・22
3 糖尿病 ・・・・・30
4 慢性腎臓病(CKD) ・・・・・34
5 歯・口腔の健康 ・・・・・37
第2節 こころの健康 ・・・・・41
1 こころの健康増進 ・・・・・41
2 自殺者の減少 ・・・・・41
3 精神疾患の受診と理解 ・・・・・42
第3節 生活習慣・社会環境 ・・・・・44
1 栄養・食生活 ・・・・・44
2 身体活動・運動 ・・・・・46
3 飲酒 ・・・・・47
4 喫煙 ・・・・・48
5 休養 ・・・・・49
第Ⅲ章 計画の推進と目標
第1節 生活習慣病 ・・・・・50
1 がん ・・・・・50
2 循環器疾患 ・・・・・51
3 糖尿病 ・・・・・53
4 慢性腎臓病(CKD) ・・・・・54
5 歯・口腔の健康 ・・・・・55
第2節 こころの健康 ・・・・・55
1 こころの健康増進 ・・・・・55
2 自殺者の減少 ・・・・・56
3 精神疾患の受診と理解 ・・・・・56
第3節 生活習慣・社会環境 ・・・・・57
1 栄養・食生活 ・・・・・57
2 身体活動・運動 ・・・・・57
3 飲酒 ・・・・・58
4 喫煙 ・・・・・59
5 休養 ・・・・・59
第Ⅳ章 計画の推進体制
第1節 関係機関との連携 ・・・・・61第2節 健康増進のための啓発活動 ・・・・・61
第3節 健康増進を担う人材の確保と資質の向上 ・・・・・62
付属資料
資料1 宮田村健康づくり推進協議会条例 ・・・・・63資料2 宮田村健康づくり推進協議会委員名簿 ・・・・・65
資料3 計画策定の経緯 ・・・・・66
資料4 健康日本 21 における乳幼児期から高齢者まで ライフステージに応じた国の目標項目・村の目標値 ・・・・・67 資料5 がんの発症予防・重症化予防 ・・・・・68
1
第Ⅰ章 計画策定にあたって
第 1 節 計画策定の背景と趣旨
国では、平成 12 年度から壮年期死亡の減少、健康寿命の延伸及び生活の質の向上を 目的に、健康を増進し、生活習慣病の発症を予防する「一次予防」を重視した、「2 1世紀の新しい国民の健康づくり運動(健康日本 21)」を推進してきました。
また、少子高齢化や、疾病構造の変化が進む中で、生活習慣及び社会環境の改善を 通じて、子どもから高齢者まで全ての国民が共に支え合いながら希望や生きがいを持 ち、乳幼児期、青壮年期、高齢期等生涯における各段階に応じて、健やかでこころ豊 かに生活できる活力ある社会を実現し、その結果、社会保障制度が持続可能なものと なるよう、平成 25 年度から平成 34 年度までの「21 世紀における第二次国民健康づく り運動(健康日本 21(第二次))」(以下「国民運動」という。)を推進するとして、①健 康寿命の延伸と健康格差の縮小、②生活習慣病の発症予防と重症化予防の徹底(NCD の 予防)、③社会生活を営むために必要な機能の維持及び向上、④健康を支え、守るため の社会環境の整備、⑤栄養・食生活、身体活動・運動、休養、喫煙、飲酒及び歯・口 腔の健康に関する生活習慣及び社会環境改善の5つの基本的な方向を定め、更にその 実現のため 53 項目の数値目標を定めています。【資料1】
このことを受けて宮田村では「宮田村健康増進計画」を策定することになりました。
宮田村の平均寿命(平成
17
年度)は、男性 79.8 歳、女性 88.2 歳(全国 6 位)と長 寿の村です。この長寿を健康的に全うできるよう、平成 19 年度に「宮田村特定健康診 査等実施計画」、平成 22 年度に「宮田村食育推進計画」、平成 23 年度に「糖尿病生 活習慣病予防のための健診・保健指導計画」を策定し、平成 22 年度に策定した「宮田 村第5次総合計画」に集約して、健康づくりにむけた保健サービスを実施してきまし た。今回の「宮田村健康増進計画」は、平成 24 年 7 月の国民運動に示された、「国民の 健康の増進の推進に関する基本的な方向」を受け、生活習慣病の発症予防と重症化予 防を重点的に取り組むために策定するものです。
第2節 計画の位置づけ
この計画は、宮田村第5次総合計画を上位計画とし、村民の健康の増進を図るため の基本的事項を示し、推進に必要な方策を明らかにするものです。
計画の推進にあたっては、国の「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基 本的な方針」を参考とし、また、保健事業の効率的な実施を図るため、すでに策定済 みの「宮田村食育推進計画」及び医療保険者として策定する「高齢者の医療の確保に
2
関する法律(昭和 57 年法律第 80 号)」に基づく「宮田村特定健康診査等実施計画」
と一体的に策定し、宮田村国民健康保険者(以下「国保」という。)として実施する 保健事業との連携を図ります。
同時に、今回の目標項目に関連する法律及び各種計画との十分な整合性を図るもの とします。
第3節 計画の期間
本計画の計画期間は平成 25 年度から平成 34 年度までの 10 年間とします。
また、目標達成状況については、計画の中間年にあたる平成 29 年度に中間評価及び 見直しを行うとともに、毎年健康づくり推進協議会において評価検証を行います。
第4節 計画の対象
本計画は、胎児期から高年期までのライフステージに応じた健康増進の取り組みを 推進するため、全村民を対象とします。
第5節 村の健康に関する現状
1 自然と環境
宮田村はすばらしい自然に囲まれていますが、標高が高く、気温の格差が大きい という内陸性気候の地帯にあって、冬の寒さが厳しい気象条件です。そのため、気 温の影響による脳卒中予防は重要で、冬の寒さ対策など、生活様式や住環境改善策 が取り組まれてきました。現在は、住環境の改善などにより、これらは解決しつつ あります。一方で近年温暖化による夏の暑さへの影響等もあり、疾病の発生態様が 変化しています。
また環境面では、上水道普及率 99.8%下水道普及率(水洗化率)96.2%と生活環 境の改善も進み、感染症は減少していますが、耐性菌等による新しい感染症も発生 しており、新たな課題も出現しています。
2 産業と生活
宮田村の産業は、かつては第一次産業の農業中心でしたが、昭和 50 年代から製造 業を中心とする多くの企業が創業し、工場等に就労する者の増加により、兼業農家 が増え、就労構造が大きく変化しました。
このことは近年女性の社会進出による共働き家庭の増加や生活意識の変化をもた らし、核家族化など、住民生活の状況や、社会環境、就労環境などと共に地域重視
3
から個々の生活重視へと変化してきています。このように、産業や住環境など、社会的環境が大きく変化したことで、身体面の 健康維持ばかりでなく、心の健康などにも大きな影響を及ぼしてきていると思われ ます。
3 人口
宮田村の人口構成を全国、長野県と比較すると、65 歳以上の高齢化率及び 75 歳 以上の後期高齢化率は、いずれも全国よりやや高いものの、長野県より低くなって います。【表1】
宮田村の人口は、平成 12 年に 8,933 人で、平成 24 年に 9,319 人と微増していま したが、25 年 3 月 1 日に 9,284 人と若干の減少がみられています。
人口構成は、64 歳以下人口が平成 17 年から平成 22 年までの 5 年間に、減少して いるのに対して、65 歳以上人口は、同期間で増加しています。
高齢化率は、平成 17 年には 21.0%でしたが、平成 22 年に 23.5%、平成 24 年に は 23.8%となり、高齢化が徐々に進んでいますが、長野県に比べると、進み方はゆ るやかになっています。
生産年齢人口(15 歳~64 歳)の総人口に占める割合は減少傾向にありますが、年少 人口(0 歳~14 歳)は、横ばいで、県下でも出生率、年少人口は高い水準で維持して います。【表 2 図 1】
【表
2 人口の推移と推計】 (単位:人・%)
H12 年 H17 年 H22 年 H27 年 H32 年 H37 年 0~14 歳 1,435 1,546 1,492 1,373 1,320 1,288 15~64 歳 5,750 5,785 5,610 5,654 5,641 5,437 65 歳以上 1,748 1,943 2,187 2,573 2,706 2,881 計 8,933 9,274 9,289 9,600 9,667 9,606 年少割合※1 16.1 16.7 16.1 14.3 13.7 13.4 生産年齢割合※2 64.4 62.4 60.4 58.9 58.4 56.6 高齢化率※3 19.6 21.0 23.5 26.8 28.0 30.0
(人口動態は宮田村第5次総合計画より・その他は平成 24 年までの現状により推計)
※1 年少割合 全人口に占める0~14歳人口の割合
※2 生産年齢割合 全人口に占める15歳~64歳人口の割合
※3 高齢化率 全人口に占める65歳以上人口の割合
*国・県と比較し、問題となるもの
人 人 人
65歳以上人口
人 人 人75歳以上人口
人 人 人高齢化率 %
%%
75歳以上の割合 %
%%
順位
※順位
※順位
※実人数
死亡率( 人口10万対)
悪性新生物
75歳未満の 年齢調整死亡率
心疾患
虚血性心疾患 年齢調整死亡率
脳血管疾患 年齢調整死亡率
自殺 男性:5位
年齢調整死亡率 女性:6位
14.7% 11.9% ※13.2%
男性 18.9% 15.7% ※16.8%
女性 10.0% 7.8% ※ 9.2%
介護保険
要介護認定者1号被保険者の認定
(1号認定者/1号人口)
16.2% 16.0% 11.9%
2号被保険者の認定
(2号認定者/2号人口)
0.35% 0.33% 0.21%
割合 割合 割合
---- ---- ----
うち 65-74歳 31.1% 33.8% ※38.1%
一般 94.8% 92.9% 93.3%
退職 5.2% 7.1% ※6.7%
加入率 % % %
1人あたり 1人あたり
医療費
1人あたり県内順位
289,885 円 272,134 円 606,267,926 円 ※291,755円
28位 一般
285,399 円 267,115 円 565,300,406 円 ※288,861円30位 退職
371,663 円 337,475 円 40,967,520 円 ※338,575円30位
治療者数
全治療者に占める割合 占める割合総人数に治療者数
全治療者に占める割合 占める割合総人数に治療者数
全治療者に占める割合 占める割合総人数に虚血性心疾患 22,198人 7.41% 3.83% 85人 7.20% ※4.12%
脳血管疾患 22,042人 7.36% 3.80% 70人 5.90% 3.39%
脂質異常症 79,754人 26.64% 13.75% 313人 26.50% ※15.18%
糖尿病 53,893人 18.00% 9.29% 206人 17.40% ※9.99%
高血圧症 108,770人 36.33% 18.76% 405人 34.30% ※19.64%
人工透析 1,432人 0.48% 0.25% 7人 ※0.59% ※0.34%
人 159,647 人 676 人
% 40.1 % 48.6 %
人 6,839 人 26 人
% 34.5 % 73.8 %
人数 人数
人数(1年あたり)1,071,304 人
8.5人
(人口千人対)17,516 人 8.1人
(人口千人対)84.2 人
9.0人 (人口千人対)低体重児
(2,500g未満)
103,049 人 9.6人
(出生百人対)1,670 人 9.7人
(出生百人対)8.8 人 10.5人
(出生百人対)極低体重児
(1,500g未満)
8,086 人 0.75人
(出生百人対)113 人 0.66人
(出生百人対)0.2 人 0.2人
(出生百人対)長野県 宮田村
全国:H22 人口動態調査 長野県:H22年
(都道府県別年齢 調整死亡率)
宮田村 H18~H22年 5年間の統計
(村死亡台帳)
後期高齢者医療
9,415,754,737,820 円 240,149,575,100 円
上伊那広域 連合
介護給付費総額
(1号の介護給付・予防給付)
237,337 円
7
出生 出生数 割合
医療費:1人あたり 医療費×各被保険者
数 による概算
9,755,910,459,792 円
198,778 5
国保の状況 被保険者数
全国・長野県:冊子「国 民健康保険の実態平成2
2年度版」
11,212,950 人
割合
割 合全国・長野県:H22 年人口動態統計 宮田村:H22年
県内
受診率 32.0 19位
法定報告
特定保健指導終了率 全国
6位
県内
実施率 20.8 10位
(H22年5月診療分 レセプトより)
6
特定健診 健診受診者数 7,169,761 全国 5位
144,586,945,465 円 12,704,707,967,504 円 182,672,180,225 円 医療の状況
医療費の状況 (療養諸費 概算) 医療費総額 医療費(概算) 医療費(概算)
10,452,864,654,100 円 158,802,707,164 円
宮田村(H22年度:国保運営協議会資 料)
1,875,252 人 41,625 人 138 人
28.4 26.9 22.1
197,306 人 786 人
34,183,408 人 541,291 人 1,924 人
824,757,620 円 全国
18-19位
1,167 人
人数 人数 人数
36,058,660 人 583,546 人 2,062 人
県内
1人あたり医療費 874,915 円 770,607 円 706,733 円 52位
医療費総額(概算)
4
加入者 10,761,908 人
H21年度
311,637 人 3
4,845,942 人
全国:H21年介護保険 事業状況報告 長野県:H21年冊子
「介護保険事業年報 告」
宮田村:H22.3.31
1人あたり介護給付費
(1号1人あたり介護給付・予防給付)
224,695 円 234,770 円
6,497,534,382,000 円 135,073,198,542 円 516,025,553 円
705,759 人 266 人
4,696,384 人 91,266 人 262 人
149,558 人 2,343 人 4 人
110,065 人 1,848 人 32人
56,584 人 864 人 16人
7位 5位
早世予防からみた死亡
(64歳以下)
全国:H22年人口動態調査 長野県:H20年
宮田村:H18~H22年 5年 間の統計(村死亡台帳)
合計 176,549 人 2,712 人 48人
男性:29.8人 女性:10.9人
女性:11.5人 3位
男性:49.5人
3位
男性:53.9人
2位
女性:26.9人 女性:32.3人
1位 男性:148.4人 女性: 80.3人 1位
2位 男性:36.9人
2位 男性:27.3人
4位 女性:15.3人
11.1 14.2 *11.9
2
死亡の状況
死亡原因
死亡率(人口10万対) 死亡率(人口10万対)1位 84.3人
29,245,685 570,127 2,187
全国:H22国勢調査 長野県:H22.10.1
宮田村:H23.4.1
14,072,210 305,280 1,111
23.0 26.5 23.5
女性:35人 *40.0人
【表1 健康に関する概況 国・県との比較】
項 目
1
人口動態 総人口
128,057,352国
2,150,437 9,310
※ 死亡原因順位は全年齢死亡の粗死亡率順位
男性:10人 *38.4人 女性: 2人 10.9人 女性:10.9人
男性:31.0人
男性:20人 69.1人 女性: 8人 35.6人 男性:9人 19.2人 女性:12人 *18.0人 男性:26人 56.0人
4
5
【図1 人口の推移と推計】
(人口動態は宮田村第5次総合計画より・その他は平成 24 年までの現状により推計)
4 出生
宮田村の出生率は平成 22 年 9.2 人(人口千人対)と、全国(8.5 人)長野県
(8.1 人)と比較してほぼ同じ水準です。【表 1】
近年、出生時の体重が 2.500g未満の低出生体重児については、神経学的・身体 的合併症の他、成人後に糖尿病や高血圧等の生活習慣病を発症しやすいとの報告が 出されています。
宮田村でも、毎年 10%前後の児が低体重
で
出生していることから、
妊娠前・妊娠 期の母親の体重管理や、家族も含めた禁煙など、生活習慣を中心とした健康づくり を行う必要性があります。【図 2】【図2 宮田村の出生数と出生時の体重が 2,500g未満の割合】
(人) (%)
(人)
(年)
(宮田村保健予防調査による集計より)
6 5 健康診査
生活習慣病の発症予防、重症化予防の最も重要な取り組みとして、宮田村特定健 康診査(以下「特定健診」という。)、特定保健指導は、平成 23 年度の速報値で、
受診率 50.6%、保健指導実施率は 73.1%で、国、県より高くなっています。
年代別グラフで見ると、未受診者が各年代に分散していますが、50 歳代の働き盛 りの年代の未受診者が比較的多くなっています。【図 3】
特定健診の結果については、血圧の高い者、特に受診を必要とする者と血糖(特 に空腹時血糖)の高い者が長野県の平均値より高くなっています。【図 4】
いずれも食生活(塩分摂取、糖分)との関連が深い検査項目であるため、今後の 保健指導の内容について検討が必要です。
宮田村では、「高齢者の医療の確保に関する法律」の中で、努力義務となってい る、20 歳から 39 歳までの村民には、希望者全員に健康診査(以下「さわやか健 診」という。)を実施しています。【図 5】
【図 3 平成 23 年度宮田村特定健診受診者数】
(人)
(人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
(歳)
(歳)
7
【図 4 平成 23 年度 宮田村特定健診結果】 (単位:%)
(宮田村保健予防調査による集計より)
【図 5 平成 23 年度 宮田村さわやか健診受診者数】
(宮田村保健予防調査による集計より)
6 国民健康保険
宮田村の国保加入率は、平成 22 年度 22.1%で全国(28.4%)や長野県(26.9%)
と比較して低くなっています。【表1】
また、加入者のうち、前期高齢者(65 歳~74 歳)が占める割合が高くなっており、
今後は高齢化の進展によりさらにその傾向が強まることが予測されます。
一般的に高齢になるほど、受療率は高くなり、医療費も増大するため、予防可能 な生活習慣病の発症予防と重症化予防に努めています。
宮田村の国保加入者の一人あたり医療費は、一般及び退職ともに、全国や長野県
(歳) (歳)
(人) (人)
8
と比較してやや高く、特に一般の状況が悪いことから、今後特定健診受診率向上や 保健指導のあり方、医療費分析も含めた重症化予防対策の必要があります。
生活習慣病に関する疾患の治療者割合は、いずれの疾患も長野県より高く、特に 循環器系、腎尿路生殖器系が医療費を引き上げています。【表 1・図 6・7】
【図 6 平成 24 年 5 月宮田村国保病類統計 年齢別病類統計 件数】
(平成 24 年 5 月分宮田村国保病類統計より)
【図 7 平成 24 年 5 月宮田村国保病類統計 年齢階級別病類統計 医療費 】
(平成 24 年 5 月分宮田村国保病類統計より)
9 7 後期高齢者医療
宮田村の後期高齢者医療は、件数、金額ともに循環器系が多く、金額で腎尿路生 殖器系が 2 番目に多くなっています。【図 8、9】
宮田村の後期高齢者医療の一人あたり医療費は、全国や長野県と比較して、低い 費用になっています。【図 10】
【図 8 平成 24 年 5 月宮田村後期高齢者医療 件数】
(件)
(平成 24 年 5 月分宮田村後期高齢医療保険の病類統計より)
【図 9 平成 24 年 5 月後期高齢病類統計 年齢別病類統計 費用額】
(千円)
(平成 24 年 5 月分後期高齢医療保険の病類統計より)
10
【図 10 平成 24 年 5 月宮田村後期高齢病類統計年齢階級別病類統計1人あたり医療費】
(千円)
(平成 24 年 5 月分後期高齢医療保険の病類統計より)
8 介護保険
宮田村の介護保険の認定率は、第1号被保険者及び第2号被保険者ともに、全国 や長野県よりかなり低くなっています。
平成 23 年 10 月現在、1 号被保険者の 12.1%(265 人)が要介護・要支援認定を受 けており、65 歳以上高齢者の約 8 人に 1 人が要介護認定を受けていることになりま す。【表 3】
認定者は毎年増加傾向にあり、平成 25 年 2 月現在は 279 人と、その伸び率は鈍化 しています。宮田村の特徴として、県平均に比べ介護認定者は、要支援 1、2 の者が 少なく、要介護 5 の者が多い傾向で、原因疾患別では脳血管疾患(脳卒中)や認知 症など脳の病変に起因するものが多くなっています。【表 4、5】
介護保険認定者の年代別認定状況を平成 21 年度 3 月末でみますと、90 歳以上に なると半数以上の者が要介護認定者となっており、年齢が高くなるにつれて要介護 認定者の割合が高く要支援より要介護の割合が高くなっています。
現在の宮田村の要介護(要支援)認定率は県下の平均値より低く推移しているも のの、今後は 65 歳以上の第 1 号被保険者の人数が増加するのに伴い、要介護(要支 援)認定者は増加していくものと予測されます。【表 6】
また、脳血管疾患による認定者は認知症等に比べ介護度が高く、64 歳以下の若い 年齢層の発症率が高くなっています。認知症は要介護 1,2 の者が 7 割以上あり、年 齢とともに多くなり、75 歳以上の者に多くなっています。膝痛・骨折等については 要支援 2、要介護1の者が 6 割近く、75 歳以上に多くなっています。【表 6】
11
【表 3 宮田村介護認定者数の推移】
(単位:人・%)
※要介護認定者数については平成 21 年から 23 年は 10 月現在の数値。平成 24 年~26 年は厚生労働省が 示したワークシートによる推計値
(第5期老人保健福祉計画・介護保険事業計画より)
【表 4 宮田村介護保険認定者数の変化】
(単位:人・%)
H18 年 H19 年 H20 年 H21 年 H22 年 H23 年 H24 年
要支援 2 0
要支援1 5 9 7 8 10 17 17
要支援2 20 24 27 22 21 23 26 要介護1 58 60 67 67 59 59 68 要介護2 38 37 43 45 49 40 49 要介護3 32 33 36 34 37 35 31 要介護4 43 44 42 41 42 36 36 要介護5 36 40 46 48 48 56 55 計 234 247 268 265 266 266 282 認定率 11.5 11.6 12.7 12.5 12.3 11.8 12.4 軽症者数 123 130 144 142 139 139 160 重症者数 111 117 124 123 127 127 122 軽症率 6.0 6.2 6.8 6.7 6.4 6.2 7.0 重症率 5.5 5.6 5.9 5.8 6.0 5.6 5.4
※軽症者数とは要支援 1~要介護 2 までの人数。重症者とは要介護 3~要介護 5 までの人数
(宮田村第5期老人保健福祉計画・介護保険事業計画より)
H21 年 H22 年 H23 年 H24 年 H25 年 H26 年 高齢者人口 2,126 2,160 2,189 2,231 2,279 2,327 要介護度 265 266 265 278 308 330 要支援 1 8 10 16 26 36 47 要支援 2 22 21 22 26 32 40 要介護 1 67 59 54 44 47 45 要介護 2 45 49 43 38 40 33 要介護 3 34 37 35 35 34 34 要介護 4 41 42 36 43 49 59 要介護 5 48 48 59 66 70 72 認定率 12.50 12.30 12.10 12.50 13.50 14.20
12
【表 5 宮田村新規要介護・要支援認定の原因となった疾患別状況】
(単位:人・%)
H19 年度 H20 年度 H21 年度 H22 年度 H23 年度 人 % 人 % 人 % 人 % 人 % 脳血管 7 12.7 20 25.6 6 11.7 8 14.3 11 14.5 認知症 26 47.4 28 36.0 14 27.5 19 34.1 29 38.1 整形外科 4 7.2 5 6.4 4 7.8 7 12.7 7 9.2 骨折 3 5.5 10 12.8 6 11.8 3 7.1 7 9.2 老齢(廃用) 0 0 3 3.8 7 13.7 5 9.1 4 5・3 心疾患 3 5.5 1 1.3 0 0 5 9.1 6 8.9 癌 0 0 7 9.0 5 9.9 5 9.1 2 2.6
パーキンソン 0 0 3 3.8 0 0 0 0 0 0
その他 12 21.7 1 1.3 9 17.6 3 5.5 10 13.2 計 55 - 78 - 51 - 55 - 76 -
(宮田村第5期老人保健福祉計画・介護保険事業計画より)
13
実数 % 実数 % 実数 % 実数 % 実数 % 実数 % 実数 %
40~64 0 0.0 1 25.0 0 0.0 1 25.0 1 25.0 0 0.0 1 25.0 4
65~74 1 8.3 3 25.0 3 25.0 2 16.7 1 8.3 0 0.0 2 16.7 12
75~84 1 5.6 0 0.0 2 11.1 2 11.1 4 22.2 3 16.7 6 33.3 18
85~ 0 0.0 2 28.6 1 14.3 0 0.0 2 28.6 0 0.0 2 28.6 7
合計 2 4.9 6 14.6 6 14.6 5 12.2 8 19.5 3 7.3 11 26.8 41
40~64 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0
65~74 0 0.0 0 0.0 2 33.3 2 33.3 2 33.3 0 0.0 0 0.0 6
75~84 2 5.0 1 2.5 16 40.0 15 37.5 4 10.0 1 2.5 1 2.5 40
85~ 2 4.9 0 0.0 17 41.5 11 26.8 6 14.6 5 12.2 0 0.0 41
合計 4 4.6 1 1.1 35 40.2 28 32.2 12 13.8 6 6.9 1 1.1 87
40~64 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0 0.0 0
65~74 1 12.5 1 12.5 2 25.0 2 25.0 0 0.0 1 12.5 1 12.5 8
75~84 4 23.5 7 41.2 2 11.8 2 11.8 0 0.0 2 11.8 0 0.0 17
85~ 1 5.3 7 36.8 6 31.6 1 5.3 3 15.8 0 0.0 1 5.3 19
合計 6 13.6 15 34.1 10 22.7 5 11.4 3 6.8 3 6.8 2 4.5 44
40~64 0 0.0 0 0.0 1 16.7 1 16.7 0 0.0 2 33.3 2 33.3 6
65~74 2 14.3 3 21.4 3 21.4 1 7.1 3 21.4 0 0.0 2 14.3 14
75~84 5 20.8 4 16.7 4 16.7 3 12.5 2 8.3 3 12.5 3 12.5 24
85~ 4 17.4 4 17.4 2 8.7 5 21.7 2 8.7 4 17.4 2 8.7 23
合計 11 16.4 11 16.4 10 14.9 10 14.9 7 10.4 9 13.4 9 13.4 67 40~64 0 0.0 1 10.0 1 10.0 2 20.0 1 10.0 2 20.0 3 30.0 10 65~74 4 10.0 7 17.5 10 25.0 7 17.5 6 15.0 1 2.5 5 12.5 40 75~84 12 12.1 12 12.1 24 24.2 22 22.2 10 10.1 9 9.1 10 10.1 99 85~ 7 7.8 13 14.4 26 28.9 17 18.9 13 14.4 9 10.0 5 5.6 90 合計 23 9.6 33 13.8 61 25.5 48 20.1 30 12.6 21 8.8 23 9.6 239
介護5 計
疾
患 年齢 要支援1 要支援2 介護1 介護2 介護3 介護4
そ の 他
認 定 者 数 合 計 脳 血 管
認 知 症
膝 痛
・ 骨 折 等
【表 6 平成 19 年~22 年までの新規認定者の疾患別要介護度の割合 】 (単位:人・%)
(宮田村第5期老人保健福祉計画・介護保険計画より)
要 要 要 要 要
14
介護保険認定者の年代別認定状況(宮田村)平成21年3月31日時点の要介護認定状況
人 人
%
男 歳
女 歳
※平均寿命は平成17年
2号
40~64歳 1号
計 65~69歳 70~74歳 75~79歳 80~84歳 85~89歳 90~94歳 95~99歳 100歳~
a 人数 1,878 2,118 550 472 452 360 181 91 12 0
b 人数 7 274 9 22 40 68 75 48 12 0
b/a 割合 0.37% 12.94% 1.64% 4.66% 8.85% 18.89% 41.44% 52.75% 100.00%
1 c 人数 0 8 1 1 1 2 2 1 0 0
2 d 人数 1 24 1 3 4 7 7 2 0 0
e 人数 1 32 2 4 5 9 9 3 0 0
e/a 割合 0.05% 1.51% 0.36% 0.85% 1.11% 2.50% 4.97% 3.30% 0.00%
1 f 人数 1 72 3 5 9 22 19 11 3 0
2 g 人数 0 46 1 4 9 8 12 10 2 0
h 人数 1 118 4 9 18 30 31 21 5 0
h/a割合 0.05% 5.57% 0.73% 1.91% 3.98% 8.33% 17.13% 23.08% 41.67%
3 i 人数 2 36 0 6 4 11 7 7 1 0
4 j 人数 1 42 0 2 7 9 10 11 3 0
5 k 人数 2 46 3 1 6 9 18 6 3 0
l 人数 5 124 3 9 17 29 35 24 7 0
l/a 割合 0.27% 5.85% 0.55% 1.91% 3.76% 8.06% 19.34% 26.37% 58.33%
9,283 2,126 22.9 79.8
1号 年 齢 階 級
総人口 65歳以上人口 高齢化率 平均寿命
グラフの見方 88.2
3~5 小計 支 援
介 護
1・2 小計
1・2 小計 被保険者数
※2号は40~64歳人口
認定者数 a 認定率
b
0%
10%
20%
30%
40%
50%
60%
70%
80%
90%
100%
1 2 3 4 5 6 7 8
a
b
(宮田村第5期老人保健福祉計画・介護保険事業計画より)
【表7 介護認定者の年代別認定状況(宮田村)】
平成 21 年 3 月 31 日時点の要介護認定状況
15
H12年度 H13年度 H14年度 H15年度 H16年度 H17年度 H18年度 H19年度 H20年度 H21年度
A認定者数 3 8 7 8 6 8 8 7 10 9
a脳出血 1 3 3 3 2 5 4 3 3 1
b脳梗塞 1 1 1 2
C計(a+b) 1 4 3 3 2 5 4 4 4 3
割合(C/A) 33.3% 50.0% 42.9% 37.5% 33.3% 62.5% 50.0% 57.1% 40.0% 33.3%
認知症 2 2 2 2 2 2 2 2 2
糖尿病
その他 2 2 2 3 2 1 2 1 4 4
新規認定者数 3 5 1 1 0 3 3 1 4 2
2号離脱 2 2 1 2 2 1 2 6
65 歳未満の第 2 号被保険者の認定者は、介護保険導入時の平成 12 年度は、3 人中 1人(33%)が脳出血を原因とする認定者でした。平成 21 年度までの第 2 号被保険者 の介護保険申請者 25 人中、脳血管疾患が原因である者は 15 人(60%)で、末期がん (4 人)特定疾患(3 人)若年認知症(2 人)股関節症(1 人)でした。【表 8】
そのうち脳血管疾患が原因の第 2 号被保険者の介護保険申請者 15 人中脳出血が 10 人、脳梗塞が 5 人でした。脳血管疾患で倒れている人のうち、圧倒的に男性が 11 人と女性 4 人に比べ高くなっています。また、第 2 号被保険者の脳血管疾患の基 礎疾患は表 5 からみて分かるように 15 人中高血圧治療者が 12 人、脂質異常症治療 者が 3 人、糖尿病治療者が 3 人います。予防可能な原因疾患である脳血管疾患を防 ぎ、その基礎疾患である高血圧、脂質異常症、糖尿病等を予防していくことが最も 効果のある介護予防と言えます。【表 9】
【表 8 宮田村介護保険の第 2 号被保険者認定者】
(単位:人・%)
(宮田村第5期老人保健福祉計画・介護保険事業計画より)
【表 9 宮田村介護保険の第 2 号被保険者認定者の脳卒中者の基礎疾患
(H12~21 年度合計)】
男性11人中 (単位:人・%)
順 位
脳 出 血
脳 梗 塞
高 血 圧
糖 尿 病
脂 質 異 常 症
高 尿 酸
ア ル コ ー ル 疾 患
そ の 他
人 数
割 合
1 ○ ○ 5 45
2 ○ 3 27
○ ○ ○ ○ ○ 1 9
○ ○ ○ ○ 1 9
○ ○ ○ 1 9
11 3
合 計
16
女性4人中 (単位:人・%)
順 位
脳 出 血
脳 梗 塞
高 血 圧
糖 尿 病
脂 質 異 常 症
高 尿 酸
ア ル コ ー ル 疾 患
そ の 他
人 数
割 合
1 ○ ○ ○ 2 50
○ ○ 1 25
○ ○ ○ 1 25
4 合 計
2
(宮田村第5期老人保健福祉計画・介護保険事業計画より)
9 死亡
宮田村の主要死因を全国、長野県と比較すると、虚血性心疾患による女性の死亡 と脳血管疾患による男女の年齢調整死亡率※1、男性の自殺の年齢調整死亡率が全国 や県より高くなっています。【表1】
死因の変化をみると、生活習慣病の悪性新生物が最も多くなっていますが、粗死 亡率は大きく変化していません。一方脳血管疾患の粗死亡率※2 は約半分に減少して います。しかし、前に述べたようにこの2疾患の年齢調整死亡率は高率です。
自殺の粗死亡率は昭和 48 年~52 年に比べ多くなっていますが、近年は横ばいの 状況です。また、宮田村の特徴は、肺炎が高率であることです。これは、老衰と同 様高齢化の進展に伴い上昇しているものと考えられます。【図 11・表 10】
また、早世死亡※3の割合を見ると、男女ともに県と比較して高く、原因はがんが 最も多く、次いで男性は自殺が、女性は心臓病、不慮の事故が多くなっています。
【表1・表 11・図 12】
※1 年齢調整死亡率 年齢を考慮した死亡率で年齢構成が違う集団(国や県)と比較するときに使う数 値。人口 10 万人に対して○○人の割合で出る。
※2 粗死亡率 死亡数全体の中の割合
※3 65 歳未満の死亡
17
【図 11 宮田村の 5 年ごとの死亡原因の推移】
(年)
(宮田村保健予防調査による集計より)
【表 10 年齢調整死亡率(宮田村平成 18 年〜22 年の合計・国平成 22 年)】
(単位:人口 10 万人対 人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
男女計 男性 女性 悪性新生物 75歳未満 宮田村 53.5 59.8 26.7
国 84.3 - -
心臓病・
心筋梗塞 虚血性心疾患
宮田村 20.6 38.3 6.6 国 - 36.9 15.3 脳血管疾患 宮田村 47.9 56.0 40.9
国 - 49.5 26.9 自殺 宮田村 11.0 38.4 10.9
国 - 29.8 10.9
S
18
【図 12 宮田村の疾患別早世死亡割合(平成 18 年から 22 年の合計)】
(宮田村保健予防調査による集計より)
【表 11 早世死亡数内訳(平成 18 年から 22 年の合計)】
(単位:人)
脳血管疾患 がん 心臓病 心不全 肺炎 不慮の事故 自殺 その他 合計
男 2 9 4 2 1 2 7 5 32
女 2 6 3 0 1 3 1 6 16
計 4 15 7 2 2 5 8 11 48
(宮田村保健予防調査による集計より)
19
第Ⅱ章 課題別現状と課題
第1節 生活習慣病
1 がん
人体には、遺伝子の変異を防ぎ、修復する機能がもともと備わっています。ある遺 伝子の部分に突然変異が起こり、無限に細胞分裂を繰り返し、増殖していくのが「が ん」です。
(1)発症予防
宮田村では国や県に比べ、がん死亡率は低いものの、死亡者数は宮田村の死亡 原因の中で最も多くなっています。
がんの発症予防の対策として、生活習慣の改善の啓発と予防接種を行っていま す。
今後も、発症を予防するために生活習慣の改善を各種検診や広報で啓発してい く必要があります。また、菌・ウイルス感染によるがん発症もあるため、ワクチ ン接種の勧奨等を各種検診時や広報等で啓発活動していく必要があります。
【資料 2】
(2)早期発見
宮田村では、各種がん検診を実施していますが、受診率は 10~30%と低く、伸 び悩んでいる現状です。【資料 2】【表 15】
検診項目で見ると、子宮頸がん検診、マンモグラフィ検診の受診率が増えてい ますが、その他の検診は横ばいの状況です。今後は住民が検診を受けやすい体制 づくりを行い、検診受診率を向上させる必要があります。
(3)重症化予防
宮田村のがん死亡は死亡原因の中で最も多く、やや増加傾向に見えるものの、
年齢調整死亡率でみると全年齢、75 歳未満ともに国や県に比べてかなり低い値と なっております。【表 1・図 13・表 12・13】
発症部位別に見ると、すい臓が最も多く、次いで肺、胃、大腸、子宮、肝臓と 続きます。【表 14】
宮田村では各種がん検診で毎年がんが発見されており、早期治療に結びついて います。しかし、精密検査未受診者もあり、必要者全員が精密検査を受けるよう 勧める必要があります。
20
【図 13 宮田村のがん死亡者数の推移】
(宮田村保健予防調査による集計より)
【表 12 がん年齢調整死亡率(75 歳未満)】
(単位:人口 10 万人対 人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
【表 13 がん年齢調整死亡率(全年齢)】
(単位:人口 10 万人対 人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
男 女 計
宮田村(H18~H22年) 69.1 35.6 51.0
全国(H22年) - - 84.3
男 女
宮田村(H18~H22年) 122.3 53.9 長野県(H22年) 148.4 80.3 全国(H22年) 182.4 92.2
21
【表 14 宮田村の 75 歳未満のがんによる部位別死亡者数】
(単位:人)
H18 年 H19 年 H20 年 H21 年 H22 年 5 年間の 合計
が ん 部 位
肺 2 1 1 2 ※6
胃 2 1 1 4
大腸 2 1 3
乳 0
子宮 1 1 2
小 計 3 2 2 4 4 15
肝臓 1 1 2
すい臓 1 3 1 2 ※7
前立腺 0
白血病 0
その他 3 2 1 1 7
小 計 1 6 4 2 3 16
合 計 4 8 6 6 7 31
がんの75歳未満の年齢調整死亡率 (H18~H22 年の合計)
男性 ※66.4 女性 35.6
(人口 10 万人対 人) 男女計 51.0
※死亡数が多く問題となるもの
(宮田村保健予防調査による集計より)
22
【表 15 がん検診受診状況】 (単位:人(%))
H24 年度は H25.2.8 現在
(宮田村保健予防調査による集計より)
2 循環器疾患
脳血管疾患と虚血性心疾患を含む循環器疾患は、がんと並んで主要死因の大きな一 角を占めています。その危険因子には高血圧・脂質異常・喫煙・糖尿病の 4 つがあり ます。循環器疾患の予防には、これらの危険因子を健診データ等を見て、改善を図っ ていく必要があります。
宮田村の脳血管疾患の死亡者数は、前項でも述べたように昭和 40 年代と比べると、
約半数に減少していますが、年齢調整死亡率は全国、県と比較して高い傾向にありま す。【図 11・図 14・表 16】
同時に介護保険新規認定者の内訳は脳血管疾患が上位を占めています。まだまだ脳 血管疾患が大きな原因である状況に変わりはありません。【表 5】
区 分
対象者 2,370 2,481 2,019 2,336
受診者 606 (25.6) 594 (23.9) 629 (31.2) 607 (26.0) 精検者 32 (5.3) 43 (7.2) 31 (4.9) 45 (7.4) 発見者 0 (0.0) 1 (2.3) 1 (3.2) 1 (2.2) 対象者 1,707 1,883 1,380 1,658
受診者 252 (14.8) 261 (13.9) 244 (17.7) 240 (14.8) 精検者 50 (19.8) 33 (12.6) 21 (8.6) 25 (10.4) 発見者 0 (0.0) 1 (3.0) 0 (0.0) 0 (0.0)
対象者 2,279
受診者 217 (7.6) 275 (10.0) 260 (11.4) 291 (12) 精検者 17 (7.8) 20 (7.3) 31 (11.9) 23 (8) 発見者 1 (5.9) 2 (10.0) 0 (0.0) 0 (0.0) 対象者
受診者 246 (16.1) 324 (21.9) 362 (28.1) 334 (26.3) 精検者 0 (0.0) 4 (1.2) 4 (1.1)
発見者 0 (0.0) 3 (75.0) 2 (50.0)
視触診 マンモ 視触診 マンモ 視触診 マンモ 視触診 マンモ 対象者 1,545 1,081 1,505 1,057 1,593 1,072 1,285 985 受診者 129(8.3) 160(14.8) 126(8.4) 181(17.1) 121(7.6) 31(12.2) 133(10.3) 254(25.8) 精検者 3(2.8) 8(5.0) 0(0) 12(6.6) 3(2.5) 10(7.6)
発見者 1(12.5) 1(12.5) 0(0) 0(0) 0(0) 1(1.0) 胃がん検診
H21年度 H22年度 H23年度 H24年度
大腸がん検診
1,271 肺がん検診
2,844 2,761 2,475
乳がん検診 子宮がん検診
1,528 1,481 1,287
23
【図 14 宮田村脳卒中死亡者数の推移】
(人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
【表 16 脳卒中の年齢調整死亡率の比較】
(単位:人口 10 万人対 人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
宮田村の虚血性心疾患の死亡者数は、横ばい状態ですが、女性の死亡者数が多く なっています。年齢調整死亡率も県や国に比べ女性が高くなっています。【図 15・
表 17 】
平成 20 年度から開始された特定健診では心電図検査については、詳細な健康診 査項目となりますが、宮田村では特定健診受診者全員に実施し、心疾患の早期発見 に努めています。
宮田村の心電図検査全受診者のうち、264 人(30.4%)に異常が認められ、その うち 8 人はすぐに受診が必要とされました。心電図異常は、虚血性心疾患の発症に 結びつきやすいので、早期に受診を勧める必要があります。
男 女
宮田村(H18~H22年) 56.0 40.9
長野県(H22年) 53.9 32.3
全国(H22年) 49.5 26.9
24
【図 15 宮田村虚血性心疾患死亡者数の推移】
(人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
【表 17 虚血性心疾患の年齢調整死亡率】
(単位:人口 10 万人対 人)
男 女
宮田村(H18~H22年) 19.2 18.0 長野県(H22年) 20.4 8.4 全国(H22年) 18.2 7.9
(宮田村保健予防調査による集計より)
(1) 発症予防
循環器疾患を招く危険因子は、高血圧・脂質異常・喫煙・糖尿病の4つが あります。これらの危険因子の改善を図っていくことが必要です。
ア 高血圧症
宮田村では、特定健康の結果で、肥満を伴う人のみでなく、高血圧ガイドラ イン 2009 に記載されている「血圧に基づいた脳血管リスク階層」などに基づき、
対象者を明確にした保健指導を実施しています。【表 18】
血圧が、受診を要する値の者の割合は、男性 27.7%、女性 16.0%ありますが、
高血圧が体に与える影響の理解が十分でなく、受診しない人も多くあります。
【図 16】
また、治療しているにもかかわらず、血圧コントロールが十分でない者も 50 人ほどおり、適切な治療及び生活習慣の改善によるコントロールが必要です。
【表 18】
25
【図 16 年代別血圧受診勧奨値※以上の者の割合】
(%)
(%)
※血圧受診勧奨値は最高血圧 140mmHg 以上または最低血圧が 90mmHg 以上
(宮田村保健予防調査による集計より) (年度)
(年度)
26
【表 18 高血圧要指導対象者の抽出】
27 イ 脂質異常症
LDL コレステロール値は一般的に 190mg/dl 以上が受診勧奨値とされています。
宮田村では受診勧奨者が 3%程度となっています。特に 40~59 歳に多いことが分 かります。【図 17】また、LDL コレステロ-ル値は、治療している人に比べ、治 療なしの人の方が明らかに高い値であり、治療の効果が高いことがわかります。
【表 19】
【図 17 男女別 LDL コレステロール受診勧奨値以上の割合】
(%)
(%)
(宮田村保健予防調査による集計より)
宮田村では、食事等との関連が大きい脂質異常症の増加を課題としており、特 定検診項目外の総コレステロール値の検査を実施しています。
食生活の改善と早期の治療開始と継続を勧める必要があります。
(年度)
(年度)
28
【表 19 LDL コレステロール値要指導者の抽出】
29
ウ メタボリックシンドローム(以下「メタボ」という。)
宮田村では、平成 20 年度から 23 年度までのメタボ該当者及び予備群の大き な変化は見られません。該当者は同じ者の率が高く、特定保健指導の効果が十 分出ていないと考えられます。【表 20・図 18】
今後は特定保健指導の効果が上がる指導方法の検討が必要です。
【表 20 メタボ該当者及び予備群の推移】 (単位:人・%)
年度 健診 対象者
健診 受診者
健診 受診率
メタボ該当者 メタボ予備群 人数 割合 人数 割合 宮
田 村
H20 1,415 808 57.1 95 11.80 81 10.0 H21 1,411 699 49.5 71 10.20 78 11.2 H22 1,391 676 48.6 71 10.50 74 10.9 H23 1,363 690 50.6 82 11.90 53 7.7 長
野 県
H20 398,478 152,585 38.3 23,391 15.3 16577 10.8 H21 400,27 156,933 39.2 23,499 14.9 16551 10.5 H22 398,191 159,647 40.1 23,787 14.8 15865 9.9 H23 397,831 164,949 41.50 25,568 15.5 16311 9.9
(宮田村保健予防調査による集計より)
【図 18 年度別メタボ該当者及び予備群割合の変化】
(宮田村保健予防調査による集計より)
(%)
30
3 糖尿病
(1)発症予防
平成 23 年度の特定健診結果から、糖尿病の可能性が否定できない人(HbA1c※
5.6%〜6.0%)と糖尿病が強く疑われる人(HbA1c6.1%以上)の割合は男性で 21.3%、
女性 15.7%でした。この値は年齢が上がるとともに増加しています。【図 19・20】
宮田村では健診結果説明を個別に実施し、その場で栄養指導等を行っています。
個別に対応することにより、状況把握・継続支援にも結びついています。
また、特定保健指導の対象となる HbA1c5.2%〜6.0%の者に糖負荷検査(追加健 診)を実施しています。この検査を実施することによってインスリン分泌状況・血 糖降下状況を把握することができ、個々に合った対策や食事指導を実施することが 可能になります。
しかし、健診受診者がほぼ固定していること、若年層における糖尿病有病者や糖 尿病が強く疑われる人(HbA1c6.1%以上)の割合が平成 21 年度から序々に増加し ているので、今後ますます健康診断の受診勧奨を行う事が必要になります。【図 19・
20】また、食生活や生活習慣の伝承や体質の遺伝があること等を考慮すると、個々 への働きかけが必要になってきます。
※HbA1c ヘモグロビンがブドウ糖と結びついたもので、1~2ヶ月間の平均的な血 糖値を反映する。
31
【図 19 特定健診における男女別糖尿病有病者・予備群の伸び率 男性】
【図 20 特定健診における男女別糖尿病有病者・予備群の伸び率 女性】
(宮田村保健予防調査による集計より)
(%)
(%)
(年度)
(年度)
32
【表 21 高血糖要指導者の抽出】
(2)重症化予防
糖尿病における治療中断を減少させることは、糖尿病合併症抑制のために必須で す。宮田村の糖尿病有病者(HbA1c6.1%以上の者)の治療率は平成 22 年度に 6.9%
33
治療あり 51.3%
治療なし 48.7%
糖尿病を疑われる者の治療割合
(2)重症化予防
糖尿病における治療中断者を減少させることは、糖尿病合併症抑制のために 必須です。特定健診受診者の中で糖尿病が強く疑われる者(HbA1c6.1%以上)
は 6.5%であり、その者が治療している割合は 48.7%と、半数以上が未受診で す。そのため早期受診につなげる必要があります。【表 21・図 21】
【図 21 糖尿病を疑われる者の治療割合】
(宮田村保健予防調査による集計より)
人工透析患者の全数に占める糖尿病性腎症の割合は 30%台で推移しています。
【図 22】糖尿病性腎症は予防可能であるにも関わらず、未受診・治療を中断する 者が多いことから、人工透析につながっています。その理由の中には糖尿病治療 は段階があることが分からない人が多いことがあげられます。重症化予防、人工 透析にならないためにレセプト等で治療を確認したり、医療機関と連携して適切 な治療を勧める必要があります。【図 23】
【図 22 宮田村人工透析患者数の推移 】
(人)
(年)
(宮田村保健予防調査による集計より)
34
【図 23 宮田村人工透析新規導入者の推移】
(人)
(年)
(宮田村保健予防調査による集計より)
4 慢性腎臓病(CKD)
(1)発症予防
慢性腎臓病の予防において重要なのは、危険因子の管理です。
慢性腎臓病の危険因子と関連する生活習慣は、栄養・喫煙・薬の使い方などが あります。宮田村では、昭和 50 年代から健診項目に腎臓機能の指標となるクレ アチニン値を入れてきました。ここ 4 年間の結果を見ると、クレアチニン値異常 者は増加しており、40 歳以下からすでに異常が出ています。【図 24・25】
もう一つの腎機能の指標は尿たんぱくです。腎機能障害に結びつきやすい尿た んぱく(2+)以上の者は男性 3.2%、女性 0.3%ありました。しかし、軽度であ る尿たんぱく(±)や尿たんぱく(+)の人は高率であり、悪化しないための取 り組みが必要です。【図 26】
また、平成 10 年から 24 年に人工透析者 57 人中 7 人(12.3%)が健診を受けて おり、そのほとんどが腎臓機能や、糖尿病の治療が必要とされていました。しか し、治療に結びつかなかった 4 人が数年から十数年後に透析になっていました。
これらのことを反省し、クレアチニン検査を引き続き行い、異常を早期に発見し、
医療と生活習慣改善に結びつく取り組みをしていくことが重要です。
35
【図 24 宮田村特定健診・さわやか健診クレアチニン異常者推移】
(宮田村保健予防調査による集計より)
【図 25 宮田村特定健診・さわやか健診年代別クレアチニン異常者(平成 23 年度)】
(宮田村保健予防調査による集計より)
【図 26 宮田村特定健診・さわやか健診 男女別尿たんぱく陽性者率】
(%) (%) (%)
(年度) (年度)
(年度)
(年齢)
(宮田村保健予防調査による集計より)
36
(2)重症化予防
宮田村の透析者の推移は、増加傾向にあります。
また、県に比べてかなり高率です。【表1・図 22・23】
平成 10 年から 24 年までの間に透析をしていた 57 人中、透析導入の原因疾患は 糖尿病と腎臓疾患がともに 18 人(31.6%)、高血圧など糖尿病以外の生活習慣病 が 7 人(12.3%)、肝臓疾患やがんなどのその他の原因が 7 人(12.3%)となっ ており、約半数が生活習慣病が原因であることが分かりました。【表 22】
導入時の年代別にみると、男女ともに 70 歳代が最も多いことがわかりまし た。
40 歳未満や、40 歳代など若い年代からの導入も少なくなく、長期間にわたり 生活を制限されます。【表 22・図 27】
透析導入を遅らせるために、慢性腎臓病を早期に発見し、適切な治療を勧め、
生活習慣を改善することが必要です。
【表 22 宮田村の人工透析の導入時年齢と原因疾患(平成 10 年から平成 24 年)】
(単位:人)
(宮田村保健予防調査による集計より)
年齢 糖尿病 その他の生活
習慣病 腎疾患 その他の
疾患 不明 合計
男
40 歳未満 3 3
40 歳代 1 3 1 5
50 歳代 3 2 1 6
60 歳代 5 1 2 2 10
70 歳代 3 2 4 2 1 12
80 歳以上 1 1 1 1 4
女
40 歳未満 1 1 2
40 歳代 1 1 2
50 歳代 2 1 1 4
60 歳代 1 1
70 歳代 1 3 1 2 1 8
80 歳以上 0