西松建設技報 VoE.22
w R‑ PC 工法 における設備工事 について
宮
揮 由昌革
YoshimasaMiyazawa
1. は じめに
近年 の社 会情勢 の変化 に伴 う労働事情 の悪化 や工事金 額 の低 減化 ,全体 工期 の短縮 化 ,高 品 質 の追 求 とい う 様 々 な諸条件 の 中で
,P C
化 が取 り入 れ られ,施工 実績 も増 加 して い る. そ の 中 で 本 物 件 は 当社 が 本 格 的 にwR‑PC
工法 (プ レキ ャス ト鉄筋 コ ンク リー トに よる壁 式 ラー メ ン鉄筋 コンクリー ト造) を採用 し,施工 した共同住宅であ る.
本報 は
wR‑PC
工法 における設備工事 について在 来工 法 と比較 した場合の利点,施工上 の問題 お よび今後 の検 討課題 について報告す る.2. 工事概要
工事名称 : (仮称) ドマーニ高槻新築工事 工事場所 :大阪府高槻市酉冠3丁 目29番
1 号
設計 監理 :西松建設株式会社 一級建築士事務所 工 期 :平成9年
6月
5日〜平成10年
3月
31日 建物概要 :wR‑PC
造地上8
階 (一部東棟7
階)塔屋
RC
造 1階,延7,717.28m2共 同住宅84戸 ,住戸 内二重天井直床工法
3 .在来工法 との比較検討
wR‑PC
Z法 と在来工法 とを比較 し,計 画 ・設計段 階 お よび施工段 階 における検討課題等 を考察す る.(1)設計段 階の検討事項
今 回の工法 は大 臣認定 とい う事 もあ り,構造上 の制約 が非常 に厳 しい. このため,設計段 階で十分 な検討 を行
う必要があ る.
① 意匠,構造,配管, ダク ト設備
ス ラブ,梁お よび壁 ス リーブの口径 と位置 な らびに水 場廻 りの段差 ス ラブ等 について施工段 階での変更が非常
*関西 (支)高槻建築 (也)
抄録
写真‑ 1 建物全景
に困難 なため,設計段 階 における意 匠,構造,設備 の納 ま りの検討
,p
cパ ネル製作 図段 階での配管等 の納 ま り の検討が必要 となる.検討事項 を以下 に示す.・排水集合管 を使用す る際,ス リープ径 の把撞 お よびス ラブ厚 さと集合管埋込可能寸法 を把握す る.
・換気 ダク ト (スパ イラル
,V
Pお よび耐 火二層 管 ) の 最大外径寸法,ス リーブ径 の把撞 お よびス リーブ材 質 の検討 を行 う. また,外壁 タイル打 ち込 み部分 に関 し ては,ベ ン トキ ャップの外形寸法 に も注意す る必要が ある.lps (パ イプ シ ャフ ト)廻 り住戸 側 の壁 を貫 通 す るス リ‑ ブ (強電お よび弱電の取 り込 み等) に関 しては部 屋 内 の天井 高 さ等 との関連 を十分検 討 す る必 要 が あ
る.
(参電気設備
p
c体 (栄 ,柱 ,壁 お よび床 )へ の ボ ックスお よび配 管等 は原則 的 には打込 まず,躯体分離工法 とす る.検討 事項 を以下 に示す.・p
c体 へ や む を得 ず ボ ックス , 配 管 等 を打 込 む場 合 (開放廊 下 ,階段等 の直仕上 げ部分 の照 明取付 お よび イ ンターホ ン玄関子機取付部分等) は,構造 ・製作業 者 との打 合 わせ お よびp
c建 方工程 の十分 な把 握 が必 要である.・外 壁
GL
(石膏 ボー ドの石膏系接着剤 に よる直貼 り工 法)内, ころが し配線 となるため,発砲 ウ レタンか ら の電線 保護 の検 討 お よびGL
内配線有効 スペ ースの確 保が必要である.・在 来工 法 と異 な り弱 電設備 の幹線 配管 がps内露 出 と なるため,他 の配管 との納 ま り,保守 スペ ースの確保 お よび床 ス リーブの開口補 強等 の検討が必要である.
・全 て二重天井 内 ころが し配線 となるため有効 スペース
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抄録 西松廷設技報 VoE,22
図‑1 PS(パ イプシャフ ト)平面詳細 図
写真‑2 床 オムニア版製作状況 (オフサ イ ト) (インサ‑ ト,ス リーブ打込み状況)
の確保 (今 回はスラブ下か ら天井仕上 までの100mm) が必要である.なお,直天井の場合 はボ ックスお よび 配管 とPC版 との納 ま り,工事 区分等 の検討が必 要 と なる.
(2)施工段階での注意事項
施工段 階の注意事項 を以下 に示す.
・ス リーブ, イ ンサ ー ト,ボ ックスお よび配管等 のPC 打込 み物 はPC版 製作 時 に必 要 となるため,着工後 , 早急 に設備施工図の手配が必要 となる.
・現場打込み配管 に関 しては,エス レンボイ ドお よびカ イザー トラス筋 と配管 ルー トとの十分 な納 ま りの検討 をす る. また,現場配筋 との工程調整が必要 となる.
・特 に躯体図 を作成 しないため,現場打 ちコンクリー ト 部分の打込み物 (ス リーブ,ア ンカー等)の確認お よ び工事区分 を明確 に してお く必要がある.
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写真‑ 3 現場打込み配管施工状況
4. おわりに
pc工法 は構造計画 と密接 に関連 してお り,工法お よ び施工上 において綿密 な設備計画が要求 される.しか し, プ レキャス ト化す る事 によ り, コス ト的に見てマイナス ととらえ られが ちな面 を高品質 と省力化 ・施工性 の合理 化等で補 うことで全体 コス トに優位性 を兄いだせ るとい う最大 の利点が考 え られる.今後,マ ンシ ョン建築, ま た,その他 の建築 において もwR‑PC工法が増加 してい くもの と確信 している.wR‑PCの設備施工 に際 して, この報告書 を資料 として利用 していただければ率 い と考 える.最後 に,本工事 を進めるに当た り御指導,御協力 頂 いた関係者各位 に深 く感謝いた します.