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道州の組織・機構のあり方︱︱

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全文

(1)

道 州 の 組 織 ・ 機 構 の あ り 方

︱ ︱

憲法 の視 点か ら

渋 谷 秀 樹

︱︱

︱︱

︱︱

じ め に 地方 分権 改革 は、 市町 村の 合併 が一 段落 した

( )

現在

、道 州制 の導 入に 移っ た観 が

( )

ある

。い わゆ る広 域自 治体 につ い

て、 新た な自 治体 への 構造 変革 をめ ざす 諸提 案は これ まで いく つか 出さ れた

。 例え ば、 第四 次地 方制 度調 査会 の一 九五 七

( )

答申 に示 され た、 府県 を廃 し地 方公 共団 体と 国家

(2)

の 性格 を併 有す る﹁ 地方

﹂を 置く とい うも の、 臨時 行政 調査 会 調 によ る一 九六 三 年の

﹁地 方庁

﹂構 想、 そし て関 西経 済連 合会 から 一九 五五

年お よび 一九 六九

年に 出さ れた

、府 県制 を廃 止し 国の 総合 出先 機関 であ る﹁ 道州

﹂を 設置 する 構想 で

( )

ある

。も っと も、 これ らの 提言 は、 憲法

の枠 内の 法律 レベ ルの 議論 なの か、 それ とも 憲法 改正 も念 頭に おい た議 論な のか が必 ずし も明 確で はな い。 二〇

〇六

年二 月二 八日

、第 二八 次地 方制 度調 査会 は﹃ 道州 制の あり 方に 関す る

( )

答申

﹄を 示し た。 こ

の答 申は

、市 町村 合併 の進 展の 影響

、環 境規 制・ 交通 基盤 整備

・観 光振 興な ど都 道府 県の 区域 を越 える 広域 行政 課 題の 増大

、地 方分 権改 革の 確か な担 い手 の必 要性 とい う都 道府 県の 現状 と課 題に 関す る認 識を 出発 点と し、 広域 自 治体 改革 を﹁ 国の かた ちの 見直 し﹂ と位 置づ け、 国と 地方 の双 方の 政府 のあ り方 を再 構築 して

、国 の役 割は 本来 果 たす べき もの に重 点化 し、 内政 に関 して は広 く地 方公 共団 体が 担う こと を基 本と する 新し い政 府像 を確 立す るた め には

、国 と地 方お よび 広域 自治 体と 基礎 自治 体の 役割 分担 の見 直し を基 本と して

、事 務権 限の 再配 分、 それ ぞれ の 組織 の再 編、 それ にふ さわ しい 税財 政制 度を 実現 でき るも のと すべ きで ある とし

、そ の具 体策 とし て道 州制 の導 入 が適 当と 考え られ ると

( )

した

。 この 答申 は、 単な る府 県合 併の 域を 超え て、 基礎 的地 方公 共団 体 であ る市 町村 のあ り方 にも 影響 を与 え、 さら に国 と地 方と の関 係を も根 底か ら再 検討 しよ うと する もの であ る。 もっ とも

、従 来の 議論 の中 に みら れた

、広 域的 地方 公共 団体

を 廃止 して 国の 出先 機関 にす ると いう よう な発 想で はな く、 道 また は州 とい う憲 法上 の地 方公 共団 体を 創設 しよ うと する もの であ る。 ここ では

、二 層制 とい う現 在の 地方 政府 の 構造 の前 提は 維持 され てい るが

、広 域的 地方 政府 は拡 大さ れる とと もに

、そ の事 務内 容は 大幅 に改 編さ れよ うと し てい る。 この 提言 に対 して

、道 州と いう 団体 が、 憲法 上の 地方 公共 団体 の定 義か ら外 れる ので はな いか とい う批 判が あり

(3)

うる

。し かし

、地 方公 共団 体は 人為 的な 機能 社会 の創 設で ある から この 批判 は当 たら ない

。他 方、 道州 に付 与さ れ た事 務処 理事 項が 広が りそ れに 伴い 地方 統治 権の 内容 が肥 大化 すれ ばす るほ ど、 中央 政府 との 関係 にお ける 制度 設 計が 難し くな ると いう 問題 があ る。 本来 中央 政府 がな すべ き事 務ま で移 管さ れる と、 中央 政府 の関 与、 場合 によ っ ては その 指揮 監督 とい う介 入の 口実 を与 え、 実質 的に は中 央政 府の 地方 行政 機関 と化 す危 険性 が生 じる こと にな る。 にも かか わら ず、 なお 中央 政府 に対 する 独立 性を 強調 する とな ると

、道 州政 府そ れ自 体が 準中 央政 府と なっ て し

( )

まい

、本 来果 たす べき 中間 的な 地方 政府 の役 割に 空白 が生 じて

、道 州政 府と 市町 村政 府と のあ いだ の権 限分 配の

あり 方の 問題 が再 び浮 上し てく る可 能性 があ る。 また

、地 方参 政権 の要 素は 確実 に希 薄化 する ので

、地 方参 政権 の あり 方を 根本 的に 見直 し、 また

、立 憲主 義の 観点 から は住 民の 個別 的救 済保 障の ため の制 度、 例え ば自 治体 裁判 所 など を新 たに 構築 する こと も視 野に 入れ る必 要が でて くる と考 えら れる

。 その 後、 この 答申 を受 けた かた ちで

、全 国知 事会 は、 二〇

〇七

年一 月一 八日

、﹃ 道州 制に 関す る基 本的 考

( )

え方

﹄を 発表 し、 道州 制担 当大 臣の 下に 設け られ た道 州制 ビジ ョン 懇談 会は

、二

〇〇 八 三月

二四 日、

﹃中 間

( )

報告

﹄を 行な い、 また 自由 民主 党道 州制 推進 本部 は、 同年 七月 二九 日、

﹃道 州制 に関 する 第三 次中 間

( )

報告

﹄を 行な って いる

。 二 10

〇〇 九 八月 三〇 日に 行な われ た衆 議院 総選 挙に おい ては

、﹁ 地域 主権

﹂を マニ フェ スト に掲 げ た民 主党 が安 定多 数を 獲得 した ので

、道 州制 導入 の見 通し につ いて も流 動的 とな り、 再び 議論 は、 道州 制導 入の 是 非そ のも のに もど った 観が なき にし もあ らず とい って よい

。 そう する と、 ここ では まず 原点 に立 ち返 って

、道 州制 導入 の是 非そ のも のを 論じ るべ きな のか もし れな い。 しか し、 そう する と議 論は 一向 に先 には 進ま ない こと にな る。 そこ で、 ここ では これ らの 報告 が目 指す 道州 制の 導入 を とり あえ ず前 提と した 場合

、何 をど のよ うに 考え るべ きか をあ らか じめ 示し てお くこ とも

、今 後の 議論 にと って 有

(4)

用で はな いか

。ま た逆 にそ のよ うな こと がら を示 すこ とに よっ て、 道州 制導 入の 是非 につ いて も新 たな 視角 が開 け るの では ない か。 本稿 はそ のよ うな 観点 から

、道 州制 につ いて の組 織・ 機構 のあ り方 につ いて 論じ るこ とに し

( )

たい

11

2

=

=

=

=

Cf .h tt p: // ww w. so um u. go .j p/ ma in _c on te nt /0 00 02 69 68 .p df

Cf .h tt p: // ww w. ng a. gr .j p/ ne ws /2 00 70 11 8_ 05 .p df

Cf .h tt p: // ww w. ca s. go .j p/ jp /s ei sa ku /d ou sh uu /0 80 32 4h on bu n. pd f

Cf .h tt p: // ww w. ji mi n. jp /j im in /s ei sa ku /2 00 8/ pd f/ se sa ku -0 21 a. pd f

10

11

(5)

一 議論 の設 定の 仕方 これ まで の道 州制 に関 する 提言 を法 の存 在形 式と いう 観点 から 回顧 する と、 先に 指摘 した とこ ろで もあ るが

、そ れが

、現 行憲 法の 下で

、法 律の 改正 によ って 道州 制を 導入 しよ うと して いる のか

、そ れと も現 行憲 法を 改正 し、 現 行憲 法が 規範 とし て設 定す る枠 組み を組 み替 えて

、道 州制 を導 入し よう とし てい るの か、 あい まい なと ころ があ っ たよ うに みえ る。 ただ

、そ の提 言が

、現 行憲 法の 解釈 の枠 内の もの か、 それ とも 枠外 のも ので 憲法 改正 を必 要と す るも のか

、の 判断 自体

、そ もそ も現 行憲 法が 設定 する 規範 とは 何か が明 らか では ない と、 不可 能で ある こと はい う まで もな い。 そこ で、 まず

、現 行憲 法が 地方 自治 に関 して 設定 する 規範 を確 認す るこ とか らは じめ たい

。 二 憲法 の下 での 地方 公共 団体 のあ り方 現行 憲法 が想 定す る地 方統 治団 体

( )

は何 か。 マッ カー サー 草案 は、

﹁都 道府 県 pr ef ec tu re s

﹂、

12

﹁市

﹂、

﹁町

﹂お よび

﹁下 位の 政治 体 su bo rd in at eb od ie sp ol it ic an dc or po ra te

の長

、議 会の 議員 その 他の 吏員 には 直接 選挙 の規 定を おき

、﹁ 都 me tr op ol it an ar ea

﹁市

﹂お よび

﹁町

につ いて は、 さら に基 本法

c ha rt er を 定め る権 利と 地域 特別 法の 同意 の必 要性 を規 定し てい た。 これ は地 方政 府

l oc al go ve rn me nt

の 権限 に差 異を 設け

、本 格的 な完 全自 治体 とし て都

・市

・町 を想 定し

、道 府県

・村

・下 位の 政 治体 を不 完全 自治 体と 考え てい たこ とに なる

。 とこ ろが

、実 際に は、 戦前 から 存在 する 都道 府県

・市 町村 の体 制が 組織

・権 限な どに 変更 を施 され た上 で存 続す るこ とに なる

(6)

憲法 の想 定す る地 方公 共団 体 憲法 が地 方政 府の 名称 を明 らか にせ ず、 地方 公共 団体

l oc al pu bl ic en ti ty と 規定 する にと どめ てい るこ とか ら、 とり あえ ず存 続し た都 道府 県・ 市町 村に つき

、法 律に よっ て再 編制 可能 か、 可能 とし て、 どの よう に編 制す べき か の議 論が

、引 き続 きな され るこ とに なる

。 この 議論 は、 まず 都道 府県 と市 町村 とい う二 段階 構造

、す なわ ち二 層制 を要 求し てい るの かと いう 問題 とし て議 論さ れる こと に

( )

なる

13

この 問題 に関 して

、学 説に は、 構造 につ いて すべ て立 法政 策の 問題 とす る考 え方

立法 政策 の 問題 であ るが

、地 方自 治の 本旨 に反 しな い限 りと いう 留保 また は限 定が つく とい う考 え方

、全 国あ まね く二 層制 を要 する と解 する 考え 方

原則 とし て二 層制 を要 する が例 外を 許容 する と解 する 考え 方

が ある

。 しか し、 この 問題 につ いて は、 憲法 九二 条の 視点 から する と、 地方 自治 の本 旨に 反し ない もの であ れば

、構 造変 革を 憲法 は許 容し てい ると 解す べき であ ろう

。つ まり

、地 方公 共団 体の 構造 は、 あく まで 地方 自治 の本 旨を 実現 す るた めの 制度 設計

、つ まり 手段 の問 題に すぎ ない ので ある から

、留 保付 立法 政策 説を 妥当 とす べき であ る。 次に 考え るべ きは

、地 方公 共団 体の 規模 の問 題で ある

。基 礎的 自治 体、 すな わち 市町 村レ ベル では

、こ れは 合併 の問 題で あり

、広 域・ 中間 自治 体、 すな わち 都道 府県 レベ ルで は、 これ は道 州制 の導 入の 可否 の問 題と なる

。 そし て、 両者 の問 題は

、結 局の とこ ろ、

﹁地 方自 治の 本旨

﹂に 沿う もの かど うか が核 心と なる ので ある

﹁地 方自 治の 本旨

﹂の 解釈 それ では

﹁地 方自 治の 本旨

﹂と は何 か。 筆者 は、 その 内容 を住 民自 治と 団体 自治 とす る伝 統的 な捉 え方 では 上記

(7)

の問 題を 判断 する 具体 的な 基準 とは なり がた いと 考え

、以 下の よう に捉 える べき こと をか ねて より 主張 して

( )

きた

14

すな わち

、地 方政 府も 中央 政府 も統 治権 をも つ政 府で ある 点で は同 じで

、明 らか な相 違点 は、 統治 権の 及ぶ 範囲 の広 狭、 つま り全 国に 及ぶ か、 それ とも 地方 にと どま るか とい

( )

う点 にあ るに すぎ ない

。こ の観 点か らす ると

、団 体

15

自治 と呼 ばれ たも のは 地方 政府 のも つ地 方統 治権 に、 また 住民 自治 と呼 ばれ たも のは 住民 のも つ地 方参 政権 に、 そ れぞ れ呼 びか える べき こと にな る。 そし て、 地方 政府 のも つ地 方統 治権 の他 の政 府に 対す る独 立性 につ いて は、 主 権の 概念 と類 比さ せて

、一 国内 にお ける 統治 団体

相互 間の 対等 性・ 独立 性に なぞ らえ るべ きで

( )

ある

。そ し

16

て、 対内 的最 高性 は、 事務 の重 複に 伴う 実質 的な 指揮 監督 関係 の存 在現 象の 解消 によ って

、一 地方 政府 内に おけ る 事務 処理 の完 結と 捉え るべ きで あろ う。 この よう な考 え方 から する と、

﹁地 方自 治の 本旨

﹂は

、地 方統 治権

、地 方参 政権

、対 中央 政府 独立 性

、 そし て地 域内 最高 性

の 四つ の概 念に よっ て再 構成 する こと にな る。

道州 制の 特性 本稿 の関 心対 象で ある 道州 制の 観点 から

、道 州制 の組 織の 問題 を考 える 前提 とし て、 道州 制の 特性 はい かな るも のか を考 えな けれ ばな らな い。

⒜ 道州 制導 入に 伴う 状況 の変 化 9 人口

・面 積の 増大

道州 が現 在の 都道 府県 より も広 域に 及ぶ 地方 公共 団体 であ ると いう こと から

、客 観的 に想 定さ れる 変化 とし て、 それ が抱 える 人口 の増 加、 そし てそ れが 管轄 する 面積 の拡 大と いう こと があ る。 これ に つい ては

、道 州制 は規 模の 利益 を目 指す ので ある から

、結 果と いう より もむ しろ 原因 とい う位 置づ けに なろ う。 : 権限 の変 容

人口

・面 積の 増大 が、 権限 の増 大に 必ず しも 直結 する わけ では ない

。た だ、 現在 想定 され て

(8)

いる 道州 制は

、都 道府 県の 権限 を市 町村 に移 譲す ると とも に、 国

の 権限 の道 州へ の移 譲を 行な うと し てい る。 とな ると

、権 限が 量的 に増 大す るか 否か はと もか く、 質的 に変 容し てい くこ とは 確実 であ る。 これ を前 提 とし た場 合、 地方 分権 改革 で議 論さ れた

、国 と地 方の 権限 分配 が、 国・ 道州

・市 町村 それ ぞれ 相互 間で の問 題と な る。 その 際に

、補 完性 の原 理お よび 近接 性の 原理 がそ の分 配に おい てど のよ うに 機能 する かが 改め て問 われ るこ と にな る。 これ と関 連し て、 条例 制定 権が どの よう に変 容し てい くか が問 題と なる

。都 道府 県よ りも 人口

・面 積が 増大 する こと に伴 い、 自動 的に 条例 制定 権が 質的 に強 化さ れる ので はな いか

、と いう 見方 もあ るか もし れな い。 しか し、 条 例制 定権 の範 囲は

、基 本的 に道 州に どの よう な事 務が 割り 振ら れる かに よっ て定 まる から

、直 接的 にそ のよ うな 結 論が 導き 出さ れる わけ では ない

。た だし

、道 州制 の導 入と とも に、 道州 に対 する 法律 の規 定の 仕方 が、 従来 のよ う に微 に入 り細 を穿 つよ うな もの から

、大 綱的 なも のへ と変 容し

、さ らに 法令 の実 質的 な上 書き 権的 権能 が認 めら れ た場 合、 条例 制定 権の 実態 は強 大な もの とな る。 条例 制定 権が 強大 化す ると いう こと は、 その 対象 たる 住民 等の 行 動に 対す る規 制の 範囲 が拡 大し 強化 され る可 能性

、あ るい は危 険性 をは らむ こと にな る。 現実 には

、地 方政 府の 定 める 条例 には

、そ の定 め方 に大 いに 問題 があ るこ とは

、近 時の 最高 裁判 決に おい ても 指摘 され てい ると ころ で

( )

ある

。そ のよ うな 可能 性ま たは 危険 性が 一般 的に 予想 され ると した 場合

、条 例制 定に 際し ての 内部 審査 機能 の強 化 が 17

要請 され るこ とに なる

。現 在の 都道 府県 も条 例制 定に 際し て内 部審 査を 行な って はい るが

、担 当組 織を 強化

・再 編し て、 内閣 や国 会各 議院 にあ る法 制局 のよ うな 部局 の設 置と 機能 の強 化が なさ れな けれ ばな らな い。

; 組織 の再 編

人口

・面 積の 増大 およ び権 限の 増大 が、 道州 の組 織の 増大 に直 結し ない のは

、人 口・ 面積 の 増大 が権 限の 増大 と直 結し ない のと 同様 であ る。 しか し、 人口

・面 積の 増大 と権 限の 変容 に伴 う組 織の 再編 が必 然 的に 要請 され るこ とに なる

(9)

⒝ 地方 自治 の本 旨の 要素 から 考慮 すべ き点 以上 のよ うに 想定 され る状 況変 化に 対応 する 際に

、憲 法九 二条 に規 定さ れた

﹁地 方自 治の 本旨

﹂の 見地 から 考慮 すべ き点 は何 か。 第一 に、 人口

・面 積の 増大 に伴 い、 道州 政府 と道 州の 住民 との 間で 生じ る距 離感 の拡 大の 問題 があ る。 これ は、 先に 見た

﹁地 方参 政権

﹂の 要素 の見 地か らの 検討 を加 える 必要 があ る。 この 問題 を考 える に際 して は、 市町 村合 併 の際 にも 議論 され

、二

〇〇 四年 の地 方自 治法 改正 によ って

、地 域自 治区 の制 度

が、 また 合併 特例 区の 制度

が設 けら れた こと を想 起す る必 要が

( )

ある

。こ の例 にな らう と、 道州 制に 再編 され た後 の

18

旧都 道府 県を どの よう な制 度と 位置 づけ るか を考 える 必要 が出 てこ よう

。 第二 に、 権限 の変 容に つい ては

、そ の変 容の 実質 が権 限の 増大

にな るの か、 減小

にな るの かは さて おき

、い ずれ にし ても

、地 方統 治権 は権 力で あり

、道 州政 府は 公権 力の 主体 であ るこ とは 紛れ もな いこ とで あ るか ら、 公権 力の 抑制 の見 地か らの 検討 が必 要に なる

。そ こで は道 州政 府内 にお ける 権力 の分 立が

、そ して 道州 の 住民 の立 場か らは

、救 済の 保障 が重 要な 課題 とな り、 より 具体 的に は道 州議 会が 果た して 一院 制で よい のか

、さ ら に道 州に 自治 体裁 判所 をお くべ きで はな いか

、と いう こと が課 題と して 浮上 して こよ う。 また 中央 政府 のミ ニチ ュ ア版 とな らな いよ うに

、﹁ 国﹂ の組 織と 別の 観点 から の組 織編 制を 考え る必 要が でて くる

。 他方

、中 央政 府と の関 係か らい うと

、﹁ 対中 央政 府独 立性

﹂の 要素 が問 題と なり

、中 央政 府か らの 介入

・干 渉か らの 意思 決定

・権 限行 使の 過程 にお ける 自律

、さ らに は財 政的 側面 にお ける 自立 を制 度と して 確立 する 必要 があ る。 また

、市 町村

と の関 係に おい ては

、﹁ 地域 内最 高性

﹂の 要素 が問 題と なり

、権 限の 完全 分離 を行 なう か、 ある いは 権限 の競 合を 認め ると した 場合 には

、権 限行 使が 相互 に抵 触し たと きの 調整

・解 決制 度を 整

(10)

備す る必 要が でて くる

12

使

︱︱

13

14

15

16

17

=

18

2

三 道州 制の 組織 総論

︱︱

︱ 地方 政府 の内 部組 織の 検討 に際 して

、そ もそ もそ の意 思決 定の あり 方等 を含 む組 織編 制権 がど こに ある かを 考察 しな けれ ばな らな い。 この 問題 は、 憲法 九二 条が

、﹁ 地方 公共 団体 の組 織及 び運 営に 関す る事 項は

、地 方自 治の 本 旨に 基い て、 法律 でこ れを 定め る﹂ と規 定し てい るた め、 当然 にこ れを 法律 が定 め、 その 法律 の枠 内で 地方 政府 は 自治 組織 権を 行使 する とい う理 解が 一般 的で あ

( )

った

。し かし

、明 治憲 法下 にお いて も、 自治 組織 権は

、固 有事 務の

19

一角 を構 成す ると 理解 され て

( )

いた

。地 方自 治の 保障 が憲 法レ ベル のも のと なっ たと いう こと から して

、明 治憲 法下

20

(11)

より 後退 した 解釈 は許 され ない はず であ るか ら、 法律 によ る定 めに は、

﹁地 方自 治の 本旨

﹂に 基づ くと いう 留保 が 付さ れて いる 点を 再確 認し なけ れば なら ない

。 この 問題 は、 地方 公共 団体 に自 主組 織編 制権 があ るか 否か

、と して 議論 され てい る。 実態 とし て、 地方 自治 法 は、 いわ ゆる 知事 部局 につ いて 具体 的な 部局 を定 めて はい ない が、 各種 委員 会・ 委員 につ いて は、 その 組織

・権 限 等を 詳細 に定 めて いる

した がっ て、 実際 には

、各 種委 員会 につ いて この よう な定 め方 が、

﹁地 方自 治の 本旨

﹂に 照ら して 妥当 か否 かが 問わ れる こと にな る。 とり わけ

、そ の定 め方 が、 いわ ゆる 必 置規 制の かた ちを とる とき に、 この 問題 はよ り深 刻と なる

。 道州 政府 とな った 場合

、委 員会 のよ うな 組織 を含 めて

、自 主条 例で 定め るこ とが 禁止 され るの か、 また 法令 の委 任が ある 場合 にお いて も、 その 委任 を受 けて 制定 され た条 例に は、 どの 程度 裁量 の余 地が ある のか につ いて の考 え 方を

、道 州制 の導 入に 際し て、 あら かじ め明 確に して おか ない と無 用の 混乱 を招 くこ とに なろ う。 そし て、 これ は 法形 式の 見地 から みる と、 法律 事項 と条 例事 項の 切り 分け の問 題で あり

、ま た法 律事 項と して も、 その 規律 限界

、 ある いは 規律 密度 のあ り方 の問 題と なる

。 もっ とも

、こ こで 憲法 九二 条が

﹁地 方公 共団 体の 組織 及び 運営 に関 する 事項 は、

…… 法律 でこ れを 定め る﹂ とい うこ とを 再確 認し なけ れば なら ない

。こ の規 定は

、最 低限

、道 州政 府の 組織 編制 につ いて は、 地方 自治 法ま たは 道 州制 を定 める 特別 法に よる 委任 が必 要に なる とし てい るこ とに なる

。し かし

、法 律事 項で ある こと を規 定す る﹁ 地 方自 治の 本旨 に基 いて

﹂と いう 文言 は、 法律 が、 委任 規定 にお いて

、あ まり にそ の詳 細を 定め るこ とを

﹁対 中央 政 府独 立性

﹂の 見地 から 禁止 し、 地方 自治 の本 旨を 実現 する ため に必 要な 基本 的枠 組み を示 すも のに とど める べき で ある と解 すべ きで あ

( )

ろう

。ま た、 法律 が、 いく つか のメ ニュ ーを 用意 して

、各 道州 が選 択す ると いう 手法 もあ りう

21

るで あろ う。

(12)

19

20

21

四 道州 制の 組織 各論

︱︱

︱︱ 地方 公共 団体 の組 織の あり 方と して

、憲 法九 三条 およ び九 四条 は、 地方 議会 が議 事機 関で ある こと のみ を規 定 し、 長が 執行 機関 であ ると いう こと すら 明示 して いな いこ とに 注意 する 必要 があ る。 この 点か ら、 道州 政府 の具 体 的組 織の 制度 設計 にあ たり

、現 行地 方自 治法 制の とる

、執 行機 関= 長、 立法 機関

=議 会と いう 現状 の制 度設 計原 理 を維 持す るか 否か

、と いう こと も検 討し なけ れば なら ない

。 また

、司 法機 関と して 道州 が設 置す る裁 判所

憲法 上可 能か とい う点 も、 先述 した

、道 州政 府内 の権 力の 分立

、そ して 救済 の保 障と いう 観点 から 検討 しな けれ ばな らな い。 司法 につ き定 め た憲 法七 六条 一項 は、

﹁す べて 司法 権は

、最 高裁 判所 及び 法律 の定 める とこ ろに より 設置 する 下級 裁判 所に 属す る﹂ と定 めて いる

。こ れは

、司 法権 が、 最終 的に 最高 裁判 所に 集約 され るこ と、 すな わち 司法 権の 一元 化の みを 規定 し てい る。 とり わけ

﹁法 律の 定め ると ころ によ り設 置す る下 級裁 判所

﹂と する ので

、裁 判所 法改 正に よっ て、 国家 資 格を もつ 職業 裁判 官に よっ て構 成さ れる とい う点 を維 持す れば

、自 治体 裁判 所の 設置 は可 能と も解 され る。 もっ と も、 憲法 九四 条は

﹁財 産を 管理 し、 事務 を処 理し

、及 び行 政を 執行 する 権能 を有 し、 法律 の範 囲内 で条 例を 制定 す るこ とが でき る﹂ と地 方公 共団 体の 権能 を規 定す るの で、 この 裁判 所が 行使 する 権能 が、 その いず れに 該当 する か、 とい う解 釈論 上の 問題 は残 るが

、﹁ 行政 を執 行す る﹂ とい う文 言に ある

﹁行 政﹂ とは

﹁権 力的 作用

﹂で ある

(13)

と理 解す れば

、司 法作 用も この うち に包 摂さ れる こと にな ろう

。こ のよ うに 設置 され た自 治体 裁判 所の 事物 管轄 を どの よう に定 める か、 とい う問 題に つい ては

、当 該地 方政 府の 権限 行使 に関 する 紛争 を管 轄す るも のと し、 一種 の 行政 裁判 所と して 機能 させ ると いう こと にな るの では ない か。

執行 機関 のあ り方

⒜ 組織 の基 本構 造 道州 の執 行機 関に つい ては

、そ の基 本構 造を いか にす べき か、 とい う問 題が ある

。 9 独任 制か 合議 制か

道州 の執 行機 関の あり 方を どの よう に考 える べき か。 これ は、 現行 地方 制度 のよ うに 知事 制と いう 独任 制を 維持 すべ きか

、そ れと も中 央政 府の 内閣 制の よう に合 議制 に改 変す べき か、 とい う問 題で あ る。 確か に、 地方 自治 法九 三条 二項 は、

﹁地 方公 共団 体の 長、 その 議会 の議 員及 び法 律の 定め るそ の他 の吏 員は

、 その 地方 公共 団体 の住 民が

、直 接こ れを 選挙 する

﹂と なっ てい るの で、 執行 機関 は当 然に 独任 制を 想定 して いる の では ない か、 とみ るこ とも でき る。 しか し、 この 条項 は、 あく まで

、そ こに 列挙 され た機 関の 選出 方法 を規 定し て いる にす ぎな い点 に注 目す る必 要が ある

。こ の規 定は

、地 方公 共団 体の 執行 機関 が独 任制 の長 であ るこ とを 要求 し ては いな いの であ る。 つま り、 長が 直接 公選 の職 であ るこ とは 確か であ ると して も、 執行 機関 は、 その 首長 たる 長 が選 任す る吏 員と で構 成す る合 議制 の機 関と する 制度

、あ るい は、 直接 公選 され る﹁ その 他の 吏員

﹂と によ って 構 成す る合 議制 の機 関と する 制度 を必 ずし も排 斥し てい るわ けで はな いの であ る。 そし て、 この 問題 は、 独任 制の 機 関を 維持 する か、 それ とも 合議 制の 機関 に改 変す るか

、と いう 政策 決定 の問 題と なる

。強 力な リー ダー シッ プを 発 揮で きる 執行 機関 が望 まし いと いう ので あれ ば、 アメ リカ 合衆 国の 大統 領の ミニ チュ ア版 であ る現 行制 度を 維持 す るこ とに なり

、逆 にコ ンセ ンサ スを 重視 する 執行 機関 が望 まし いの であ れば

、内 閣の ミニ チュ ア版 であ る合 議制 に

(14)

改変 すべ きで ある とい うこ とに なろ う。 いず れに して も、 その 判断 にあ たっ ては

、戦 後の 知事 制度 のあ り方 を総 括 する 必要 があ る。 : 執行 機関 の多 元主 義を 維持 する のか

現行 制度 は、 知事 部局 と各 種委 員会

・委 員を 並立 させ る、 いわ ゆる 執行 機関 の多 元主 義を とる

。こ れは

、権 力分 立の 観点 から みる と、 執行 機関 内の 権力 分立 であ るか ら、 相互 の抑 制・ 均衡 をは かる 構造 にな って いる

。つ まり

、直 接公 選の 長に 権限 が集 中し すぎ るこ とを 抑制 する 機能 を果 たし て いる とみ るこ とが でき る。 知事 から 独立 した 行政 委員 会は 権力 の分 散の 見地 から は有 効で ある

。 問題 は、 これ を法 律に よっ て必 置規 制と する こと が政 策的 に妥 当か 否か に関 連し てい る。 すな わち

、道 州議 会 が、 その 判断 に基 づい て、 知事 部局 と独 立し た行 政機 関を 設置 する こと がで きる か、 とい う問 題で あり

、自 主組 織 編制 権の 問題 に関 連す る。 仮に 合議 制の 執行 機関 をと った 場合

、な お現 行の 多元 主義 を維 持す るか 否か

、と いう 問題 が出 てく る。 中央 政府 にも 各種 行政 委員 会は 存在 する が、 いず れも 内閣 また は各 省庁 の所 轄に ある とい うこ とな どを 理由 に、 憲法 六五 条 の﹁ 行政 権は

、内 閣に 属す る﹂ とい う規 定に 反し ない とさ れて いる

。合 議制 の執 行機 関は

、独 任制 の執 行機 関の 場 合よ りも

、そ の事 務の 執行 にあ たっ て、 より 抑制 の必 要性 が低 い、 とい う判 断が ある ので あろ う。

⒝ 補助 機関 の組 織編 制の 考え 方︱

次に 執行 機関 の補 助機 関に つい ての 組織 編制 をど のよ うに すべ きか とい う問 題が ある

。 9 政策 作成

・遂 行プ ロセ スか らの 機能

地方 政府 が行 なう 政策 決定 とそ の執 行と いう 過程 を分 析す ると 以下 のよ うに なろ う。 すな わち

、① 調査

、② 立案

、③ 執行

、④ 紛争 処理 であ る。 この うち

、② の立 案に つい ては

、① の調 査と 密接 不可 分の 関係 にあ るが

、さ らに 制度 の創 設・ 枠組 みの 設定

、基 準の 設定

、事 務処 理手 続の 設定 に細 分化 され うる

。こ れに つい て、 組織 の観 点か らみ ると

、政 策立 案を なす 組織

参照

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