道 州 の 組 織 ・ 機 構 の あ り 方
︱ ︱
憲法 の視 点か ら︱
︱
渋 谷 秀 樹
は じ め に 一 議論 の設 定の 仕方 二 憲法 の下 での 地方 公共 団体 のあ り方 三 道州 制の 組織 総論
︱︱ 地方 公共 団体 の組 織の あり 方︱
︱ 四 道州 制の 組織 各論
︱︱ 具体 的な 組織
︱︱ むす びに かえ て は
じ め に 地方 分権 改革 は、 市町 村の 合併 が一 段落 した
( )
現在
、道 州制 の導 入に 移っ た観 が
( )
ある
。い わゆ る広 域自 治体 につ い
て、 新た な自 治体 への 構造 変革 をめ ざす 諸提 案は これ まで いく つか 出さ れた
。 例え ば、 第四 次地 方制 度調 査会 の一 九五 七︵ 昭和 三二 年︶
( )
答申 に示 され た、 府県 を廃 し地 方公 共団 体と 国家
︵=
中央 政府
︶の 性格 を併 有す る﹁ 地方
﹂を 置く とい うも の、 臨時 行政 調査 会︵ 第一 次臨 調︶ によ る一 九六 三︵ 昭和 三 八︶ 年の
﹁地 方庁
﹂構 想、 そし て関 西経 済連 合会 から 一九 五五
︵昭 和三
〇︶ 年お よび 一九 六九
︵昭 和四 四︶ 年に 出さ れた
、府 県制 を廃 止し 国の 総合 出先 機関 であ る﹁ 道州
﹂を 設置 する 構想 で
( )
ある
。も っと も、 これ らの 提言 は、 憲法
の枠 内の 法律 レベ ルの 議論 なの か、 それ とも 憲法 改正 も念 頭に おい た議 論な のか が必 ずし も明 確で はな い。 二〇
〇六
︵平 成一 八︶ 年二 月二 八日
、第 二八 次地 方制 度調 査会 は﹃ 道州 制の あり 方に 関す る
( )
答申
﹄を 示し た。 こ
の答 申は
、市 町村 合併 の進 展の 影響
、環 境規 制・ 交通 基盤 整備
・観 光振 興な ど都 道府 県の 区域 を越 える 広域 行政 課 題の 増大
、地 方分 権改 革の 確か な担 い手 の必 要性 とい う都 道府 県の 現状 と課 題に 関す る認 識を 出発 点と し、 広域 自 治体 改革 を﹁ 国の かた ちの 見直 し﹂ と位 置づ け、 国と 地方 の双 方の 政府 のあ り方 を再 構築 して
、国 の役 割は 本来 果 たす べき もの に重 点化 し、 内政 に関 して は広 く地 方公 共団 体が 担う こと を基 本と する 新し い政 府像 を確 立す るた め には
、国 と地 方お よび 広域 自治 体と 基礎 自治 体の 役割 分担 の見 直し を基 本と して
、事 務権 限の 再配 分、 それ ぞれ の 組織 の再 編、 それ にふ さわ しい 税財 政制 度を 実現 でき るも のと すべ きで ある とし
、そ の具 体策 とし て道 州制 の導 入 が適 当と 考え られ ると
( )
した
。 この 答申 は、 単な る府 県合 併の 域を 超え て、 基礎 的地 方公 共団 体︵ 基礎 的地 方政 府︶ であ る市 町村 のあ り方 にも 影響 を与 え、 さら に国 と地 方と の関 係を も根 底か ら再 検討 しよ うと する もの であ る。 もっ とも
、従 来の 議論 の中 に みら れた
、広 域的 地方 公共 団体
︵広 域的 地方 政府
︶を 廃止 して 国の 出先 機関 にす ると いう よう な発 想で はな く、 道 また は州 とい う憲 法上 の地 方公 共団 体を 創設 しよ うと する もの であ る。 ここ では
、二 層制 とい う現 在の 地方 政府 の 構造 の前 提は 維持 され てい るが
、広 域的 地方 政府 は拡 大さ れる とと もに
、そ の事 務内 容は 大幅 に改 編さ れよ うと し てい る。 この 提言 に対 して
、道 州と いう 団体 が、 憲法 上の 地方 公共 団体 の定 義か ら外 れる ので はな いか とい う批 判が あり
うる
。し かし
、地 方公 共団 体は 人為 的な 機能 社会 の創 設で ある から この 批判 は当 たら ない
。他 方、 道州 に付 与さ れ た事 務処 理事 項が 広が りそ れに 伴い 地方 統治 権の 内容 が肥 大化 すれ ばす るほ ど、 中央 政府 との 関係 にお ける 制度 設 計が 難し くな ると いう 問題 があ る。 本来 中央 政府 がな すべ き事 務ま で移 管さ れる と、 中央 政府 の関 与、 場合 によ っ ては その 指揮 監督 とい う介 入の 口実 を与 え、 実質 的に は中 央政 府の 地方 行政 機関 と化 す危 険性 が生 じる こと にな る。 にも かか わら ず、 なお 中央 政府 に対 する 独立 性を 強調 する とな ると
、道 州政 府そ れ自 体が 準中 央政 府と なっ て し
( )
まい
、本 来果 たす べき 中間 的な 地方 政府 の役 割に 空白 が生 じて
、道 州政 府と 市町 村政 府と のあ いだ の権 限分 配の
あり 方の 問題 が再 び浮 上し てく る可 能性 があ る。 また
、地 方参 政権 の要 素は 確実 に希 薄化 する ので
、地 方参 政権 の あり 方を 根本 的に 見直 し、 また
、立 憲主 義の 観点 から は住 民の 個別 的救 済保 障の ため の制 度、 例え ば自 治体 裁判 所 など を新 たに 構築 する こと も視 野に 入れ る必 要が でて くる と考 えら れる
。 その 後、 この 答申 を受 けた かた ちで
、全 国知 事会 は、 二〇
〇七
︵平 成一 九︶ 年一 月一 八日
、﹃ 道州 制に 関す る基 本的 考
( )
え方
﹄を 発表 し、 道州 制担 当大 臣の 下に 設け られ た道 州制 ビジ ョン 懇談 会は
、二
〇〇 八︵ 平成 二〇 年︶ 三月
二四 日、
﹃中 間
( )
報告
﹄を 行な い、 また 自由 民主 党道 州制 推進 本部 は、 同年 七月 二九 日、
﹃道 州制 に関 する 第三 次中 間
( )
報告
﹄を 行な って いる
。 二 10
〇〇 九︵ 平成 二一 年︶ 八月 三〇 日に 行な われ た衆 議院 総選 挙に おい ては
、﹁ 地域 主権
﹂を マニ フェ スト に掲 げ た民 主党 が安 定多 数を 獲得 した ので
、道 州制 導入 の見 通し につ いて も流 動的 とな り、 再び 議論 は、 道州 制導 入の 是 非そ のも のに もど った 観が なき にし もあ らず とい って よい
。 そう する と、 ここ では まず 原点 に立 ち返 って
、道 州制 導入 の是 非そ のも のを 論じ るべ きな のか もし れな い。 しか し、 そう する と議 論は 一向 に先 には 進ま ない こと にな る。 そこ で、 ここ では これ らの 報告 が目 指す 道州 制の 導入 を とり あえ ず前 提と した 場合
、何 をど のよ うに 考え るべ きか をあ らか じめ 示し てお くこ とも
、今 後の 議論 にと って 有
用で はな いか
。ま た逆 にそ のよ うな こと がら を示 すこ とに よっ て、 道州 制導 入の 是非 につ いて も新 たな 視角 が開 け るの では ない か。 本稿 はそ のよ うな 観点 から
、道 州制 につ いて の組 織・ 機構 のあ り方 につ いて 論じ るこ とに し
( )
たい
。
︵ 11 ︶ 現行 憲法 の下 での 地方 自治 の現 状分 析に つい ては
、渋 谷秀 樹﹁ 地方 自治
﹂ジ ュリ スト 一三 三四 号一 二三 頁︵ 二〇
〇七 年︶ 参照
。
︵
︶ 道州 制の 議論 の状 況に つい ては
、大 橋洋 一﹁ 地方 分権 と道 州制
﹂ジ ュリ スト 一二 八九 号五 九頁
︵二
〇〇 五年
︶、 大橋 洋一 ほか
﹁道 州制
﹂︵ 日 本国 憲法
⑤︶ ジュ リス ト一 三八 七号 一〇 六頁
︵二
〇〇 九年
︶お よび それ に掲 載さ れた 文献 参照
。
︵
︶ これ 以前 の道 州制 論に つい ては
、﹃ 自治 論集
第 集 道州 制論
﹄︵ 大阪 府地 方自 治研 究会
、一 九五 四年
︶参 照。 2
︵
︶ 詳細 は、 田中 二郎
=俵 静夫
=鵜 飼信 成﹃ 府県 制度 改革 批判
﹄︵ 有斐 閣、 一九 五七 年︶
、田 中二 郎= 俵静 夫
=原 龍之 介編
﹃道 州制 論﹄
︵評 論社
、 一九 七〇 年︶
、塩 野宏
﹃国 と地 方公 共団 体﹄ 二七 八頁 以下
︵有 斐閣
、一 九九
〇年
︶参 照。
︵
︶ Cf .h tt p: // ww w. so um u. go .j p/ ma in _c on te nt /0 00 02 69 68 .p df
︵
︶ 詳細 は、 渋谷 秀樹
﹁地 方自 治﹂ ジュ リス ト一 三三 四号 一二 三頁
︵二
〇〇 七年
︶参 照。
︵
︶ 日本 国憲 法の 下で は、 支分 国た る州 から 一定 の統 治権 を集 約し た中 央政 府を 置く とす るア メリ カ合 衆国 型の 連邦 制を 採用 でき ない のは
、国 の成 立過 程と 中央 政府 の権 能の 定め 方か らし て明 らか であ るが
、地 方政 府に 対し て中 央政 府が 本来 なす べき 権能 を過 剰に 移譲 する と、 それ 自体 が実 質的 な連 邦制 の採 用と なっ て、 日本 国憲 法の 構造 に違 反す る違 憲の 状態 が出 現す る可 能性 が出 てく る。 なお
、日 本国 憲法 を権 限分 配に 関し てア メリ カ合 衆国 型の 連邦 制度 に近 いも のと 考え るべ きも のと みる もの とし て、 松井 茂記
﹃日 本国 憲法
﹄二 七三 頁︵ 第三 版、 有斐 閣、 二〇
〇七 年︶ 参照
。
︵
︶ Cf .h tt p: // ww w. ng a. gr .j p/ ne ws /2 00 70 11 8_ 05 .p df
︵
︶ Cf .h tt p: // ww w. ca s. go .j p/ jp /s ei sa ku /d ou sh uu /0 80 32 4h on bu n. pd f
︵
︶ Cf .h tt p: // ww w. ji mi n. jp /j im in /s ei sa ku /2 00 8/ pd f/ se sa ku -0 21 a. pd f
︵ 10
︶ 地方 公共 団体 の組 織に つい ての 一般 論に つい ては
、渋 谷秀 樹﹁ 地方 公共 団体 の組 織と 憲法
﹂立 教法 学七
〇号 二一 五頁
︵二
〇〇 六年
︶参 照。 11
一 議論 の設 定の 仕方 これ まで の道 州制 に関 する 提言 を法 の存 在形 式と いう 観点 から 回顧 する と、 先に 指摘 した とこ ろで もあ るが
、そ れが
、現 行憲 法の 下で
、法 律の 改正 によ って 道州 制を 導入 しよ うと して いる のか
、そ れと も現 行憲 法を 改正 し、 現 行憲 法が 規範 とし て設 定す る枠 組み を組 み替 えて
、道 州制 を導 入し よう とし てい るの か、 あい まい なと ころ があ っ たよ うに みえ る。 ただ
、そ の提 言が
、現 行憲 法の 解釈 の枠 内の もの か、 それ とも 枠外 のも ので 憲法 改正 を必 要と す るも のか
、の 判断 自体
、そ もそ も現 行憲 法が 設定 する 規範 とは 何か が明 らか では ない と、 不可 能で ある こと はい う まで もな い。 そこ で、 まず
、現 行憲 法が 地方 自治 に関 して 設定 する 規範 を確 認す るこ とか らは じめ たい
。 二 憲法 の下 での 地方 公共 団体 のあ り方 現行 憲法 が想 定す る地 方統 治団 体︵ 地方
( )
政府 と︶ は何 か。 マッ カー サー 草案 は、
﹁都 道府 県︵ pr ef ec tu re s︶
﹂、
12
﹁市
﹂、
﹁町
﹂お よび
﹁下 位の 政治 体︵ su bo rd in at eb od ie sp ol it ic an dc or po ra te
﹂︶︵ 八六 条︶ の長
、議 会の 議員 その 他の 吏員 には 直接 選挙 の規 定を おき
、﹁ 都︵ me tr op ol it an ar ea
︶︹ 首都 地方 とも 訳す
︺﹂
﹁市
﹂お よび
﹁町
﹂︵ 八七 条・ 八八 条︶ につ いて は、 さら に基 本法
︵c ha rt er を︶ 定め る権 利と 地域 特別 法の 同意 の必 要性 を規 定し てい た。 これ は地 方政 府
︵l oc al go ve rn me nt
︶の 権限 に差 異を 設け
、本 格的 な完 全自 治体 とし て都
・市
・町 を想 定し
、道 府県
・村
・下 位の 政 治体 を不 完全 自治 体と 考え てい たこ とに なる
。 とこ ろが
、実 際に は、 戦前 から 存在 する 都道 府県
・市 町村 の体 制が 組織
・権 限な どに 変更 を施 され た上 で存 続す るこ とに なる
。
ઃ
憲法 の想 定す る地 方公 共団 体 憲法 が地 方政 府の 名称 を明 らか にせ ず、 地方 公共 団体︵l oc al pu bl ic en ti ty と︶ 規定 する にと どめ てい るこ とか ら、 とり あえ ず存 続し た都 道府 県・ 市町 村に つき
、法 律に よっ て再 編制 可能 か、 可能 とし て、 どの よう に編 制す べき か の議 論が
、引 き続 きな され るこ とに なる
。 この 議論 は、 まず 都道 府県 と市 町村 とい う二 段階 構造
、す なわ ち二 層制 を要 求し てい るの かと いう 問題 とし て議 論さ れる こと に
( )
なる
。
13
この 問題 に関 して
、学 説に は、 構造 につ いて すべ て立 法政 策の 問題 とす る考 え方
︵純 粋立 法政 策説
、︶ 立法 政策 の 問題 であ るが
、地 方自 治の 本旨 に反 しな い限 りと いう 留保 また は限 定が つく とい う考 え方
︵留 保付 立法 政策 説︶
、全 国あ まね く二 層制 を要 する と解 する 考え 方︵ 二層 制絶 対要 請説
、︶ 原則 とし て二 層制 を要 する が例 外を 許容 する と解 する 考え 方︵ 二層 制原 則要 請説
︶が ある
。 しか し、 この 問題 につ いて は、 憲法 九二 条の 視点 から する と、 地方 自治 の本 旨に 反し ない もの であ れば
、構 造変 革を 憲法 は許 容し てい ると 解す べき であ ろう
。つ まり
、地 方公 共団 体の 構造 は、 あく まで 地方 自治 の本 旨を 実現 す るた めの 制度 設計
、つ まり 手段 の問 題に すぎ ない ので ある から
、留 保付 立法 政策 説を 妥当 とす べき であ る。 次に 考え るべ きは
、地 方公 共団 体の 規模 の問 題で ある
。基 礎的 自治 体、 すな わち 市町 村レ ベル では
、こ れは 合併 の問 題で あり
、広 域・ 中間 自治 体、 すな わち 都道 府県 レベ ルで は、 これ は道 州制 の導 入の 可否 の問 題と なる
。 そし て、 両者 の問 題は
、結 局の とこ ろ、
﹁地 方自 治の 本旨
﹂に 沿う もの かど うか が核 心と なる ので ある
。
﹁地 方自 治の 本旨
﹂の 解釈 それ では
﹁地 方自 治の 本旨
﹂と は何 か。 筆者 は、 その 内容 を住 民自 治と 団体 自治 とす る伝 統的 な捉 え方 では 上記
の問 題を 判断 する 具体 的な 基準 とは なり がた いと 考え
、以 下の よう に捉 える べき こと をか ねて より 主張 して
( )
きた
。
14
すな わち
、地 方政 府も 中央 政府 も統 治権 をも つ政 府で ある 点で は同 じで
、明 らか な相 違点 は、 統治 権の 及ぶ 範囲 の広 狭、 つま り全 国に 及ぶ か、 それ とも 地方 にと どま るか とい
( )
う点 にあ るに すぎ ない
。こ の観 点か らす ると
、団 体
15
自治 と呼 ばれ たも のは 地方 政府 のも つ地 方統 治権 に、 また 住民 自治 と呼 ばれ たも のは 住民 のも つ地 方参 政権 に、 そ れぞ れ呼 びか える べき こと にな る。 そし て、 地方 政府 のも つ地 方統 治権 の他 の政 府に 対す る独 立性 につ いて は、 主 権の 概念 と類 比さ せて
、一 国内 にお ける 統治 団体
︵政 府︶ 相互 間の 対等 性・ 独立 性に なぞ らえ るべ きで
( )
ある
。そ し
16
て、 対内 的最 高性 は、 事務 の重 複に 伴う 実質 的な 指揮 監督 関係 の存 在現 象の 解消 によ って
、一 地方 政府 内に おけ る 事務 処理 の完 結と 捉え るべ きで あろ う。 この よう な考 え方 から する と、
﹁地 方自 治の 本旨
﹂は
、地 方統 治権
、地 方参 政権
、対 中央 政府 独立 性︵ 対外 的独 立性
︶、 そし て地 域内 最高 性︵ 対内 的最 高性
︶の 四つ の概 念に よっ て再 構成 する こと にな る。
અ
道州 制の 特性 本稿 の関 心対 象で ある 道州 制の 観点 から
、道 州制 の組 織の 問題 を考 える 前提 とし て、 道州 制の 特性 はい かな るも のか を考 えな けれ ばな らな い。
⒜ 道州 制導 入に 伴う 状況 の変 化 9 人口
・面 積の 増大
道州 が現 在の 都道 府県 より も広 域に 及ぶ 地方 公共 団体 であ ると いう こと から
、客 観的 に想 定さ れる 変化 とし て、 それ が抱 える 人口 の増 加、 そし てそ れが 管轄 する 面積 の拡 大と いう こと があ る。 これ に つい ては
、道 州制 は規 模の 利益 を目 指す ので ある から
、結 果と いう より もむ しろ 原因 とい う位 置づ けに なろ う。 : 権限 の変 容
人口
・面 積の 増大 が、 権限 の増 大に 必ず しも 直結 する わけ では ない
。た だ、 現在 想定 され て
いる 道州 制は
、都 道府 県の 権限 を市 町村 に移 譲す ると とも に、 国︵ 中央 政府
︶の 権限 の道 州へ の移 譲を 行な うと し てい る。 とな ると
、権 限が 量的 に増 大す るか 否か はと もか く、 質的 に変 容し てい くこ とは 確実 であ る。 これ を前 提 とし た場 合、 地方 分権 改革 で議 論さ れた
、国 と地 方の 権限 分配 が、 国・ 道州
・市 町村 それ ぞれ 相互 間で の問 題と な る。 その 際に
、補 完性 の原 理お よび 近接 性の 原理 がそ の分 配に おい てど のよ うに 機能 する かが 改め て問 われ るこ と にな る。 これ と関 連し て、 条例 制定 権が どの よう に変 容し てい くか が問 題と なる
。都 道府 県よ りも 人口
・面 積が 増大 する こと に伴 い、 自動 的に 条例 制定 権が 質的 に強 化さ れる ので はな いか
、と いう 見方 もあ るか もし れな い。 しか し、 条 例制 定権 の範 囲は
、基 本的 に道 州に どの よう な事 務が 割り 振ら れる かに よっ て定 まる から
、直 接的 にそ のよ うな 結 論が 導き 出さ れる わけ では ない
。た だし
、道 州制 の導 入と とも に、 道州 に対 する 法律 の規 定の 仕方 が、 従来 のよ う に微 に入 り細 を穿 つよ うな もの から
、大 綱的 なも のへ と変 容し
、さ らに 法令 の実 質的 な上 書き 権的 権能 が認 めら れ た場 合、 条例 制定 権の 実態 は強 大な もの とな る。 条例 制定 権が 強大 化す ると いう こと は、 その 対象 たる 住民 等の 行 動に 対す る規 制の 範囲 が拡 大し 強化 され る可 能性
、あ るい は危 険性 をは らむ こと にな る。 現実 には
、地 方政 府の 定 める 条例 には
、そ の定 め方 に大 いに 問題 があ るこ とは
、近 時の 最高 裁判 決に おい ても 指摘 され てい ると ころ で
( )
ある
。そ のよ うな 可能 性ま たは 危険 性が 一般 的に 予想 され ると した 場合
、条 例制 定に 際し ての 内部 審査 機能 の強 化 が 17
要請 され るこ とに なる
。現 在の 都道 府県 も条 例制 定に 際し て内 部審 査を 行な って はい るが
、担 当組 織を 強化
・再 編し て、 内閣 や国 会各 議院 にあ る法 制局 のよ うな 部局 の設 置と 機能 の強 化が なさ れな けれ ばな らな い。
; 組織 の再 編
人口
・面 積の 増大 およ び権 限の 増大 が、 道州 の組 織の 増大 に直 結し ない のは
、人 口・ 面積 の 増大 が権 限の 増大 と直 結し ない のと 同様 であ る。 しか し、 人口
・面 積の 増大 と権 限の 変容 に伴 う組 織の 再編 が必 然 的に 要請 され るこ とに なる
。
⒝ 地方 自治 の本 旨の 要素 から 考慮 すべ き点 以上 のよ うに 想定 され る状 況変 化に 対応 する 際に
、憲 法九 二条 に規 定さ れた
﹁地 方自 治の 本旨
﹂の 見地 から 考慮 すべ き点 は何 か。 第一 に、 人口
・面 積の 増大 に伴 い、 道州 政府 と道 州の 住民 との 間で 生じ る距 離感 の拡 大の 問題 があ る。 これ は、 先に 見た
﹁地 方参 政権
﹂の 要素 の見 地か らの 検討 を加 える 必要 があ る。 この 問題 を考 える に際 して は、 市町 村合 併 の際 にも 議論 され
、二
〇〇 四年 の地 方自 治法 改正 によ って
、地 域自 治区 の制 度︵ 同法 二〇 二条 の四
~二
〇二 条の 七
︹一 般︺
、市 町村 の合 併の 特例 等に 関す る法 律︹ 新合 併特 例法
︺二 三~ 二五 条︹ 特例
︺︶ が、 また 合併 特例 区の 制度
︵新 合 併特 例法 二六 条~ 五七 条︶ が設 けら れた こと を想 起す る必 要が
( )
ある
。こ の例 にな らう と、 道州 制に 再編 され た後 の
18
旧都 道府 県を どの よう な制 度と 位置 づけ るか を考 える 必要 が出 てこ よう
。 第二 に、 権限 の変 容に つい ては
、そ の変 容の 実質 が権 限の 増大
︵強 化︶ にな るの か、 減小
︵弱 化︶ にな るの かは さて おき
、い ずれ にし ても
、地 方統 治権 は権 力で あり
、道 州政 府は 公権 力の 主体 であ るこ とは 紛れ もな いこ とで あ るか ら、 公権 力の 抑制 の見 地か らの 検討 が必 要に なる
。そ こで は道 州政 府内 にお ける 権力 の分 立が
、そ して 道州 の 住民 の立 場か らは
、救 済の 保障 が重 要な 課題 とな り、 より 具体 的に は道 州議 会が 果た して 一院 制で よい のか
、さ ら に道 州に 自治 体裁 判所 をお くべ きで はな いか
、と いう こと が課 題と して 浮上 して こよ う。 また 中央 政府 のミ ニチ ュ ア版 とな らな いよ うに
、﹁ 国﹂ の組 織と 別の 観点 から の組 織編 制を 考え る必 要が でて くる
。 他方
、中 央政 府と の関 係か らい うと
、﹁ 対中 央政 府独 立性
﹂の 要素 が問 題と なり
、中 央政 府か らの 介入
・干 渉か らの 意思 決定
・権 限行 使の 過程 にお ける 自律
、さ らに は財 政的 側面 にお ける 自立 を制 度と して 確立 する 必要 があ る。 また
、市 町村
︵基 礎的 地方 政府
︶と の関 係に おい ては
、﹁ 地域 内最 高性
﹂の 要素 が問 題と なり
、権 限の 完全 分離 を行 なう か、 ある いは 権限 の競 合を 認め ると した 場合 には
、権 限行 使が 相互 に抵 触し たと きの 調整
・解 決制 度を 整
備す る必 要が でて くる
。
︵
︶ 筆者 は、 最近 の地 方自 治に 関す る論 考に おい て、 一貫 して
、地 方公 共団 体と 地方 政府 を区 別し て論 じる こと の重 要性 を主 張し てき た。 簡単 に 12 述べ ると
、地 方公 共団 体と いう 統治 団体 に当 該地 方を 統治 する 権能
・権 利を 憲法 が授 権し
、そ れを 具体 的に 行使 する 機関 とし て地 方政 府が 存 在す ると いう こと であ る。 渋谷 秀樹
﹃憲 法﹄ 六七 二頁
︵有 斐閣
、二
〇〇 七年
︶︵ 以下
、﹁ 渋谷
・憲 法﹂ とし て引 用︶
、渋 谷秀 樹﹃ 日本 国憲 法の 論 じ方
﹄五 頁以 下︵ 有斐 閣、 二〇
〇二 年︶
︵以 下、
﹁渋 谷・ 論じ 方﹂ とし て引 用︶ 等参 照。
︵
︶ 渋谷 秀樹
﹁都 道府 県と 市町 村の 関係
︱︱ 二層 制の 憲法 原理 的考 察﹂ 公法 研究 六二 号二 一二 頁︵ 二〇
〇〇 年︶ 参照
。
︵ 13
︶ 渋谷
・憲 法六 七三 頁以 下参 照。
︵ 14
︶ これ は地 域と いう 空間 にと どま らず
、そ の住 民に 及ぶ とい う意 味で
、中 央政 府の 統治 権が 国際 法上 の一 定の 制約 はあ るも のの 国外 の国 民に ま 15 で及 ぶの と同 様で ある
。
︵
︶ 渋谷
・論 じ方 二三 頁以 下参 照。
︵ 16
︶ 例え ば、 最判 平成 一九
・九
・一 八民 集六 一巻 六号 六〇 一頁
︵広 島市 暴走 族追 放条 例違 反被 告事 件︶
、と りわ けこ れに 付さ れた 藤田 宙靖 反対 意 17 見参 照。
︵
︶ この 問題 につ いて は、 渋谷 秀樹
=赤 坂正 浩﹃ 憲法
統治
﹄一 八四 頁以 下︵ 第三 版、 有斐 閣、 二〇
〇七 年︶
︹渋 谷執 筆︺ 参照
。 18
2
三 道州 制の 組織 総論
︱︱ 地方 公共 団体 の組 織の あり 方︱
︱ 地方 政府 の内 部組 織の 検討 に際 して
、そ もそ もそ の意 思決 定の あり 方等 を含 む組 織編 制権 がど こに ある かを 考察 しな けれ ばな らな い。 この 問題 は、 憲法 九二 条が
、﹁ 地方 公共 団体 の組 織及 び運 営に 関す る事 項は
、地 方自 治の 本 旨に 基い て、 法律 でこ れを 定め る﹂ と規 定し てい るた め、 当然 にこ れを 法律 が定 め、 その 法律 の枠 内で 地方 政府 は 自治 組織 権を 行使 する とい う理 解が 一般 的で あ
( )
った
。し かし
、明 治憲 法下 にお いて も、 自治 組織 権は
、固 有事 務の
19
一角 を構 成す ると 理解 され て
( )
いた
。地 方自 治の 保障 が憲 法レ ベル のも のと なっ たと いう こと から して
、明 治憲 法下
20
より 後退 した 解釈 は許 され ない はず であ るか ら、 法律 によ る定 めに は、
﹁地 方自 治の 本旨
﹂に 基づ くと いう 留保 が 付さ れて いる 点を 再確 認し なけ れば なら ない
。 この 問題 は、 地方 公共 団体 に自 主組 織編 制権 があ るか 否か
、と して 議論 され てい る。 実態 とし て、 地方 自治 法 は、 いわ ゆる 知事 部局 につ いて 具体 的な 部局 を定 めて はい ない が、 各種 委員 会・ 委員 につ いて は、 その 組織
・権 限 等を 詳細 に定 めて いる
︵地 方自 治法 一八
〇条 の五 以下
。︶ した がっ て、 実際 には
、各 種委 員会 につ いて この よう な定 め方 が、
﹁地 方自 治の 本旨
﹂に 照ら して 妥当 か否 かが 問わ れる こと にな る。 とり わけ
、そ の定 め方 が、 いわ ゆる 必 置規 制の かた ちを とる とき に、 この 問題 はよ り深 刻と なる
。 道州 政府 とな った 場合
、委 員会 のよ うな 組織 を含 めて
、自 主条 例で 定め るこ とが 禁止 され るの か、 また 法令 の委 任が ある 場合 にお いて も、 その 委任 を受 けて 制定 され た条 例に は、 どの 程度 裁量 の余 地が ある のか につ いて の考 え 方を
、道 州制 の導 入に 際し て、 あら かじ め明 確に して おか ない と無 用の 混乱 を招 くこ とに なろ う。 そし て、 これ は 法形 式の 見地 から みる と、 法律 事項 と条 例事 項の 切り 分け の問 題で あり
、ま た法 律事 項と して も、 その 規律 限界
、 ある いは 規律 密度 のあ り方 の問 題と なる
。 もっ とも
、こ こで 憲法 九二 条が
﹁地 方公 共団 体の 組織 及び 運営 に関 する 事項 は、
…… 法律 でこ れを 定め る﹂ とい うこ とを 再確 認し なけ れば なら ない
。こ の規 定は
、最 低限
、道 州政 府の 組織 編制 につ いて は、 地方 自治 法ま たは 道 州制 を定 める 特別 法に よる 委任 が必 要に なる とし てい るこ とに なる
。し かし
、法 律事 項で ある こと を規 定す る﹁ 地 方自 治の 本旨 に基 いて
﹂と いう 文言 は、 法律 が、 委任 規定 にお いて
、あ まり にそ の詳 細を 定め るこ とを
﹁対 中央 政 府独 立性
﹂の 見地 から 禁止 し、 地方 自治 の本 旨を 実現 する ため に必 要な 基本 的枠 組み を示 すも のに とど める べき で ある と解 すべ きで あ
( )
ろう
。ま た、 法律 が、 いく つか のメ ニュ ーを 用意 して
、各 道州 が選 択す ると いう 手法 もあ りう
21
るで あろ う。
︵
︶ 例え ば、 田中 二郎
﹃新 版行 政法 中巻
﹄一 三六 頁︵ 全訂 第二 版、 弘文 堂、 一九 七六 年︶ 参照
。
︵ 19
︶ 美濃 部達 吉﹃ 日本 行政 法上 巻﹄ 五六 九頁
︵再 版、 有斐 閣、 一九 四〇 年︶ 参照
。な お、 これ はそ の固 有事 務と して 組織 権・ 財政 権・ 保育 行政 権 20 の三 種を あげ る。
︵
︶ 塩野 宏﹃ 行政 法Ⅲ
﹄二
〇八 頁︵ 第三 版、 有斐 閣、 二〇
〇六 年︶ 参照
。 21
四 道州 制の 組織 各論
︱︱ 具体 的な 組織
︱︱ 地方 公共 団体 の組 織の あり 方と して
、憲 法九 三条 およ び九 四条 は、 地方 議会 が議 事機 関で ある こと のみ を規 定 し、 長が 執行 機関 であ ると いう こと すら 明示 して いな いこ とに 注意 する 必要 があ る。 この 点か ら、 道州 政府 の具 体 的組 織の 制度 設計 にあ たり
、現 行地 方自 治法 制の とる
、執 行機 関= 長、 立法 機関
=議 会と いう 現状 の制 度設 計原 理 を維 持す るか 否か
、と いう こと も検 討し なけ れば なら ない
。 また
、司 法機 関と して 道州 が設 置す る裁 判所
︵自 治体 裁判 所と して の﹁ 道州 裁判 所﹂ は︶ 憲法 上可 能か とい う点 も、 先述 した
、道 州政 府内 の権 力の 分立
、そ して 救済 の保 障と いう 観点 から 検討 しな けれ ばな らな い。 司法 につ き定 め た憲 法七 六条 一項 は、
﹁す べて 司法 権は
、最 高裁 判所 及び 法律 の定 める とこ ろに より 設置 する 下級 裁判 所に 属す る﹂ と定 めて いる
。こ れは
、司 法権 が、 最終 的に 最高 裁判 所に 集約 され るこ と、 すな わち 司法 権の 一元 化の みを 規定 し てい る。 とり わけ
﹁法 律の 定め ると ころ によ り設 置す る下 級裁 判所
﹂と する ので
、裁 判所 法改 正に よっ て、 国家 資 格を もつ 職業 裁判 官に よっ て構 成さ れる とい う点 を維 持す れば
、自 治体 裁判 所の 設置 は可 能と も解 され る。 もっ と も、 憲法 九四 条は
﹁財 産を 管理 し、 事務 を処 理し
、及 び行 政を 執行 する 権能 を有 し、 法律 の範 囲内 で条 例を 制定 す るこ とが でき る﹂ と地 方公 共団 体の 権能 を規 定す るの で、 この 裁判 所が 行使 する 権能 が、 その いず れに 該当 する か、 とい う解 釈論 上の 問題 は残 るが
、﹁ 行政 を執 行す る﹂ とい う文 言に ある
﹁行 政﹂ とは
﹁権 力的 作用
﹂で ある
、
と理 解す れば
、司 法作 用も この うち に包 摂さ れる こと にな ろう
。こ のよ うに 設置 され た自 治体 裁判 所の 事物 管轄 を どの よう に定 める か、 とい う問 題に つい ては
、当 該地 方政 府の 権限 行使 に関 する 紛争 を管 轄す るも のと し、 一種 の 行政 裁判 所と して 機能 させ ると いう こと にな るの では ない か。
ઃ
執行 機関 のあ り方⒜ 組織 の基 本構 造 道州 の執 行機 関に つい ては
、そ の基 本構 造を いか にす べき か、 とい う問 題が ある
。 9 独任 制か 合議 制か
道州 の執 行機 関の あり 方を どの よう に考 える べき か。 これ は、 現行 地方 制度 のよ うに 知事 制と いう 独任 制を 維持 すべ きか
、そ れと も中 央政 府の 内閣 制の よう に合 議制 に改 変す べき か、 とい う問 題で あ る。 確か に、 地方 自治 法九 三条 二項 は、
﹁地 方公 共団 体の 長、 その 議会 の議 員及 び法 律の 定め るそ の他 の吏 員は
、 その 地方 公共 団体 の住 民が
、直 接こ れを 選挙 する
﹂と なっ てい るの で、 執行 機関 は当 然に 独任 制を 想定 して いる の では ない か、 とみ るこ とも でき る。 しか し、 この 条項 は、 あく まで
、そ こに 列挙 され た機 関の 選出 方法 を規 定し て いる にす ぎな い点 に注 目す る必 要が ある
。こ の規 定は
、地 方公 共団 体の 執行 機関 が独 任制 の長 であ るこ とを 要求 し ては いな いの であ る。 つま り、 長が 直接 公選 の職 であ るこ とは 確か であ ると して も、 執行 機関 は、 その 首長 たる 長 が選 任す る吏 員と で構 成す る合 議制 の機 関と する 制度
、あ るい は、 直接 公選 され る﹁ その 他の 吏員
﹂と によ って 構 成す る合 議制 の機 関と する 制度 を必 ずし も排 斥し てい るわ けで はな いの であ る。 そし て、 この 問題 は、 独任 制の 機 関を 維持 する か、 それ とも 合議 制の 機関 に改 変す るか
、と いう 政策 決定 の問 題と なる
。強 力な リー ダー シッ プを 発 揮で きる 執行 機関 が望 まし いと いう ので あれ ば、 アメ リカ 合衆 国の 大統 領の ミニ チュ ア版 であ る現 行制 度を 維持 す るこ とに なり
、逆 にコ ンセ ンサ スを 重視 する 執行 機関 が望 まし いの であ れば
、内 閣の ミニ チュ ア版 であ る合 議制 に
改変 すべ きで ある とい うこ とに なろ う。 いず れに して も、 その 判断 にあ たっ ては
、戦 後の 知事 制度 のあ り方 を総 括 する 必要 があ る。 : 執行 機関 の多 元主 義を 維持 する のか
現行 制度 は、 知事 部局 と各 種委 員会
・委 員を 並立 させ る、 いわ ゆる 執行 機関 の多 元主 義を とる
。こ れは
、権 力分 立の 観点 から みる と、 執行 機関 内の 権力 分立 であ るか ら、 相互 の抑 制・ 均衡 をは かる 構造 にな って いる
。つ まり
、直 接公 選の 長に 権限 が集 中し すぎ るこ とを 抑制 する 機能 を果 たし て いる とみ るこ とが でき る。 知事 から 独立 した 行政 委員 会は 権力 の分 散の 見地 から は有 効で ある
。 問題 は、 これ を法 律に よっ て必 置規 制と する こと が政 策的 に妥 当か 否か に関 連し てい る。 すな わち
、道 州議 会 が、 その 判断 に基 づい て、 知事 部局 と独 立し た行 政機 関を 設置 する こと がで きる か、 とい う問 題で あり
、自 主組 織 編制 権の 問題 に関 連す る。 仮に 合議 制の 執行 機関 をと った 場合
、な お現 行の 多元 主義 を維 持す るか 否か
、と いう 問題 が出 てく る。 中央 政府 にも 各種 行政 委員 会は 存在 する が、 いず れも 内閣 また は各 省庁 の所 轄に ある とい うこ とな どを 理由 に、 憲法 六五 条 の﹁ 行政 権は
、内 閣に 属す る﹂ とい う規 定に 反し ない とさ れて いる
。合 議制 の執 行機 関は
、独 任制 の執 行機 関の 場 合よ りも
、そ の事 務の 執行 にあ たっ て、 より 抑制 の必 要性 が低 い、 とい う判 断が ある ので あろ う。
⒝ 補助 機関 の組 織編 制の 考え 方︱
︱機 能別 編制 次に 執行 機関 の補 助機 関に つい ての 組織 編制 をど のよ うに すべ きか とい う問 題が ある
。 9 政策 作成
・遂 行プ ロセ スか らの 機能
地方 政府 が行 なう 政策 決定 とそ の執 行と いう 過程 を分 析す ると 以下 のよ うに なろ う。 すな わち
、① 調査
、② 立案
、③ 執行
、④ 紛争 処理 であ る。 この うち
、② の立 案に つい ては
、① の調 査と 密接 不可 分の 関係 にあ るが
、さ らに 制度 の創 設・ 枠組 みの 設定
、基 準の 設定
、事 務処 理手 続の 設定 に細 分化 され うる
。こ れに つい て、 組織 の観 点か らみ ると
、政 策立 案を なす 組織
、