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御嶽山噴火災害活動記録誌web_Part4.pdf

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Academic year: 2018

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(1)

二ノ池本館の様子

二ノ池の状況 頂上山荘の西側

頂上山荘の東側(黒沢口側)

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覚明堂の様子

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⑷ 山小屋の修繕と補強工事  剣ヶ峰周辺の山小屋は他の小屋 に比べて損傷が顕著な状態でした。 二ノ池本館の屋根は2箇所を補修 して積雪に対する補強を行い、石 室山荘と女人堂も同じく補強を 行っています。

二ノ池本館では2箇所で被害

石室山荘内の筋交いによる補強状況 二ノ池本館内の補強状況

石室山荘外壁補強工事 石室山荘内の筋交い及び補強柱による補強

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⑸ 水道施設被害

 御嶽山山小屋の飲料水は御嶽山 二ノ池飲料水管理組合を結成して 二ノ池の水をろ過し、ポンプアッ プして各小屋の給水タンクに供給 していました。頂上周辺の配水パ イプや給水タンクは噴石により壊 れてしまいましたが、幸い二ノ池 ポンプ室や貯水タンクは無事でし た。

頂上山荘の給水タンク全壊 剣ヶ峰山荘の給水タンク全壊

社務所の給水タンク全壊

 無事だった4基のろ過装置 祈祷所の給水タンク全壊

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⑹ 水道水源水質調査

 大量の降灰による二ノ池の水が、 飲料水に適しているのかが懸案事 項としてありました。もし有害物 質等が含まれていれば、山小屋営 業が難しくなります。

 法政大学文学部地理学科の水文 地理学研究室では以前から各流域 の水環境の研究を続けており、御 嶽山についても噴火前から火口湖 や麓河川の水質データを調べてい ます。今回の噴火で水質がどのよ うに変化したのか、また変化して いくのか、毎月データを取りたい との申し出があったため、町では 二ノ池飲料水管理組合とともに協 力することにしました。

 平成26年11月8日に沢水や二 ノ池の水を採水して成分を調べた ところ、pH値が低く酸性が強く なっており、火山ガスの影響があ るとのことです。またEC(電気 伝導度)は噴火前の100倍の濃度 となっていました。しかし翌春に は濃度が半分以下となっており、 雪解け水や雨水により薄まってい ることも考えられ、季節による変 動もあるようです。成分では鉄分 が多く、これらは簡易ろ過装置で の除去が難しいため、今後検討が 必要です。

凍った二ノ池からの採水

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⑺ 合同調査の実施

 再捜索の事前調査として合同調 査が計画されました。これに地元 自治体や気象庁も加わり二度にわ たって実施されました。

・第1回合同調査隊

 平成27年6月10日、捜索中断 から8か月後、再捜索のための合 同調査に地元自治体も同行し、山 小屋や登山道の被害調査を行うこ ととなり、長野県・岐阜県等関係 者51人による合同調査登山が黒 沢口と王滝口から同時に実施され ました。雪解け水により灰は流さ れて少なくなっていましたが、噴 火の恐ろしさを感じさせました。  その後6月26日に警戒レベル が2に引き下げられ、入山規制範 囲は火口から概ね1㎞とされまし た。7月1日から八合目女人堂ま での登山ができるようになり、献 花台に花を供える登山者の姿も見 られました。

頂上から見た王滝頂上方面 壊れてしまった頂上本殿や白川像 八合目半付近の状況

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地獄谷では右斜面に数箇所新たな噴火口が見られる 地獄谷の様子 頂上から見た奥の院近くの噴火口

お鉢めぐりの尾根の様子 行者岩は形が変わっている

右斜面の岩盤から蒸気が噴出している 噴火により岩肌を吹き飛ばしている

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二ノ池周辺の泥沼化した火山灰 一ノ池から二ノ池に流れ込む斜面

一ノ池から見上げた剣ヶ峰の様子

一ノ池は火山灰に覆われている 途中から一ノ池に下りた斜面

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・ 第2回合同調査隊

 平成27年6月30日、今回は田 の原王滝口から合同調査隊が入山 しました。王滝頂上付近で起こっ た今回の噴火は、昭和54年の噴 火よりも奥の院に近い場所で起き ており、社務所の屋根には大きな 噴石による被害が見受けられまし た。

王滝頂上山荘の被害 岩に当り跳ね返って突き刺さった破片

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王滝頂上から八丁ダルミの様子

剣ヶ峰裏側へ下りた尾根 地獄谷の様子

剣ヶ峰から一ノ池外輪を望む 八丁ダルミから王滝頂上

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平成26年度の状態 平成28年8月には壊れていた

階段直下の屋根の上にある鳥居の一部 ・剣ヶ峰鳥居の崩落

 剣ヶ峰の階段を登り詰めたとこ ろに、かつては石造の鳥居があり ました。この鳥居は噴火の翌年ま では異状はありませんでしたが、 平成28年の写真を見ると、片側

階段途中の鳥居をくぐって落ちていったようだ の柱が根元で折れてしまい、その

柱や上部の笠木等がなくなってい ます。柱の一部と思われる物が階 段直下の剣ヶ峰山荘の屋根に乗っ ており、雪が積もっている時期に

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⑻ 登山道の被害と復旧 ・登山道の被害

 降灰が原因で水はけが悪くなり 登山道が流されるという現象は、 八合目半から上部に見られ、それ より下部では降灰がぬかるんで足 をとられるなど歩行には注意が必 要な状態でした。特に被害が見ら れるのは石室山荘より上部で、登 山道が雨水の流路になって路肩が 崩れ、土砂が流れて出て深く掘れ てしまっている箇所が散見されま した。

 噴火した年はそれほど被害がな かった場所でも、春の雪解け水に より被害が大きくなっている場所 が目に付き、これまで立ち入り禁 止規制がなされてきた場所では早 急な修繕が求められます。

灰が流れて溜まった覚明霊神場広場 登山道から流れ込んだ灰

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翌年春に確認された被害状況

十字路下の状況

十字路下周辺の崩落状況 覚明堂上の登山道崩壊

八丁ダルミへのトラバース道の状況 二ノ池周辺のぬかるみ状態

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ぬかるんだ登山道

二ノ池本館北側の沢が凍り融水が溢れて流されたと思われる登山道 深く崩れてしまった登山道 周辺から流れてくる二ノ池周辺の降灰状況

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⑼ 枯れてしまったハイマツ  八合目半より上部のハイマツは ほとんど枯れて茶色くなっていま す。噴火以来、新芽がみられない 状況が続いているため、根まで枯 れていないか心配されています。 他の高山植物は意外と丈夫で、二

八合目半付近の枯れたハイマツ 十字路付近は新芽も見られるようになった 覚明堂下のハイマツ

十字路下の尾根には植物が見られない

 八合目半からはハイマツが枯れている

八合目上は緑も見えるが上部は枯れている

灰の下から芽を出したイワベンケイ 八合目の桜は無事であった 植物が見られる二ノ池周辺 二ノ池から賽ノ河原の様子

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⑴ 御嶽山安全パトロール隊の設置  噴火の際、迅速な避難誘導を 行ったのが山小屋関係者や御嶽山 案内人であったことから、いつ噴 火するかもしれない山であること を登山者に自覚してもらうととも に、登山者の安全確保を図るため、 御嶽山安全パトロール隊が組織さ れることになりました。

 おもな役割としては、登山道の 点検、登山者への指導及び非常時 の誘導、御嶽山登山者が安心して 登山ができるよう巡視を行うこと などが挙げられます。

 平成27年度は、6月30日に20 名の方が委嘱され、登山道や看板 の点検維持修繕、火山ガスの検知 や噴煙の監視といった任務にもあ たっています。パトロール隊員は 無線機を携帯し、異状があった場 合には直ちに連絡を取り合って対

2. 復興に向けて

隊員の条件

⑴ 5年以上御嶽山山小屋等の業務に携わった者 ⑵ 御嶽山黒沢口案内人組合に属し、案内の実績のある者 ⑶ 町の指定の講習会に参加し、その知識を習得した者 ⑷ その他町長が特に認める者

隊員の任務

⑴ 登山道の安全点検 ⑵ 登山道の軽微な修繕

⑶ 登山者への山の情報の伝達と指導 ⑷ 有事の際の登山者の避難誘導 ⑸ 山の現況及び活動内容等の町への報告 ⑹ その他町長が必要と認めること

処し、役場三岳支所へ連絡をしま す。放送設備は数日ごとにテスト 放送を行って点検し、緊急時には パトロール隊員によって非常放送 を行い、避難を呼びかけることに しています。

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⑵ 登山道の修繕

 委嘱を受けた隊員は、まず規制 看板整備や登山道被害調査を行い、 続いて修繕にも着手し、7月1日、 八合目女人堂までの規制解除に間 に合わせました。8月には再度調 査を行い、さらに上部を整備して 9月19日には九合目石室山荘ま でを規制解除し、10月19日には 覚明堂上二ノ池分岐までを解除し ています。

覚明堂上部の復旧状況 剣ヶ峰・二ノ池分岐付近の復旧 八合目半付近の復旧

九合目付近の修繕 土砂や灰が片付けられた覚明霊神広場  翌平成28年6月28日には二ノ

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 十字路より下や二ノ池周辺は整 備されましたが、十字路より剣ヶ 峰までの間でも深く掘れてしまっ た所などあり、警戒レベル1に なってから作業に入り、登山道や 避難所が整備されてから頂上まで の入山規制が解除できるようにな ります。

完成した敷石登山道

二ノ池本館北側の復旧状況 二ノ池北側路肩復旧

十字路下の復旧② 十字路下の復旧①

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⑶ 三ノ池ルートの崩壊

 七合目女人堂と三ノ池を繋ぐ道 は通称三ノ池ルートと呼ばれ、頂 上からの下りのコースとして、ま た飛騨頂上・継子岳・四ノ池・三 ノ池を経由する人気のコースです。 二箇所の雪渓横断が必要ですが、 両方とも上部で崩落が発生してい る危険なコースでもあります。  登山道に詳しい人は、浮石が落 ちる危険があるため、雨天の場合 はこのコースをあまり通らない と語ります。平成22年7月には、 三ノ池側の第3雪渓で落石があり、 死亡事故も発生しています。

上部に崩壊した斜面が見える

最初は渡れていた第2雪渓

崩落跡と思われる斜面 9月には渡れなくなった

(20)

 第3雪渓は二ノ池から流れてい る湯川(ワル沢)の源流になりま すが、平成26年に噴火する数年 前から、二ノ池の残雪が一気に解 けて流れる下る現象が見られ、土 砂で雪渓が汚れている箇所が目に つくようになっていました。  平成27年は残雪が多い年でし たが、梅雨明け後に第2雪渓の上 部で大崩落が発生し、雪渓を沢山 の岩石が覆ってしまいました。さ らに第3雪渓では雪解けが早く、 岩盤が露出してしまいました。  入山規制看板の整備や、飛騨頂 上との連絡で重要となるルートで あることから、同年7月には登山 道整備に入り、第2雪渓上の岩石 を落としてルート確保を試みまし た。しかし、雪渓が解けたことか ら登山道の路肩が落ちてしまい、 あえなく通行止めとなってしまい ました。

平成28年6月は土砂が南側だけだった

気をつけて通っていたころの状態

 7月には雪渓が解けて下がっていた

9月には雪渓はほとんど解けてしまった

北側半分が解けてしまった雪渓

(21)

 平成28年9月には雪渓がほと んど解け、谷底まで見えるように なりました。雪渓が減った分だけ 脇の崖が高くなり、長い梯子がな ければ登れなくなりました。  平成29年度は崩落がなくなり 落ちついてきましたが、雪渓はす べて解けてしまいました。幸いな ことに沢に土石が溜まって安定し てきたため、安全パトロール隊に より土石を片付けて道を確保し、 3m程度の梯子を取り付けました。 雪解けのシーズンともなれば雪渓 とともに流されてしまうと予想さ れるため、シーズン後は取り外さ なければなりませんが、登山上級 者が利用できるロープが設置され ています。

8月には完全に解けてしまった

7月には横断箇所の雪渓が解けていた

岩盤の上を渡ることができた場所 巨石が谷を埋めてきたため平成29年度に梯子を設置したが、シーズン後はロープのみになる

第3雪渓 平成28年6月の様子 雪渓が解けて崖下の様子まで

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 一方、第3雪渓は二ノ池の水が 岩盤上を流れていますが、辛くも 足がかりを見つけて渡ることがで きるため、マークを付けて登山道 を確保することができました。今 後も何とか確保しておきたいルー トであるため、様子を見ながら対 策を講じていきます。

 近年、特に危険度の高いルート になってきているため、くれぐれ も足元や落石に注意して渡ってい ただきたいルートです。

第1雪渓は特に問題はなかった

急な登りで苦労する七曲坂の桟道箇所 修繕が必要な桟道が各所にある

7月雪渓の足場確保作業 岩との隙間を歩けば安全

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⑷ 緊急放送設備の充実

 平成27年7月から女人堂まで の入山規制を解除したことに伴い、 ロープウェイ飯森駅に放送設備を 設け、七合目登山道に向けて大き なスピーカーを設置しました。さ らに七合目行場小屋までケーブル を引き、八合目方面に向けて同じ く大きなスピーカーを取り付けま した。

 9月には、八合目女人堂・九合 目石室山荘・二ノ池本館の3箇所 に放送設備と発電機を備え、その 場の判断により登山者への呼びか けやサイレン放送ができるように なりました。

平成 27 年6月 飯森高原駅 スピーカー大 1 基、アンプ 七合目行場小屋 スピーカー大 1 基

八合目女人堂 スピーカー 3 基、アンプ、発電機 9月 九合目石室山荘 スピーカー 2 基、アンプ、発電機 二ノ池本館  スピーカー 3 基、アンプ、発電機

リフト支柱に取り付けられた巨大スピーカー

行場小屋の屋根に設置したスピーカー 七合目までケーブルを設置する

女人堂放送設備

女人堂から三ノ池方面へのスピーカー 九合目石室山荘から八合目方面へ

発電機も備えられた

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⑸ 安全対策用品の備え

 噴火以降、ヘルメットによる頭 部防御の必要性と、マスクによる 呼吸確保の重要性が再認識され、 入山規制緩和のつど安全対策用品 を山小屋に備えてきました。荷揚 げはヘリコプターによる空輸によ り行われ、今回はゴーグル・懐中 電灯・毛布・担架等が補充されま した。

品 名 ロープウェイ御岳 行場山荘七合目 八合目女人堂 石室山荘九合目 二ノ池本館

放送用発電機 2 2 2

非常食 500 600 600

飲料水 2t 10t 10t

携帯無線機 1 1 1 1 1

ヘルメット 500 100 150 100 100 ゴーグル 1,000 100 100 100 100 マスク 1,000 1,000 1,000 1,000 1,000

懐中電灯 30 30 30 30

非常用毛布 300 100 100

災害救急箱 1 1 1 1 1

AED 1 1 1 1 1

担架 1 1 1 1 1

ヘリコプターによる空輸 案内板修繕道具

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⑹ その後の御嶽山

・御嶽山火山防災協議会による調査  平成29年8月21日、噴火警戒 レベルが2から1に引き下げら れ、噴火口から概ね500mの範囲 を「注意が必要な範囲」とされま した。

 これを受け、御嶽山火山防災協 議会のメンバー22人が、8月29 日から2日間の日程で、山頂付近 の調査をしました。頂上からお鉢 めぐりの尾根には、まだ大量の火 山灰が残ったままになっており、 深いところでは70cm程度あるこ とが判りました。降り積もった火 山灰は、雨が降ると粘土状になっ て容易には流れません。

 雪解け水が大量に流れるときは、 わずかな窪地に沿って流れるため、 斜面はいくつもの筋道ができて掘 れていきます。一ノ池から二ノ池 に向って流れ落ちる斜面も、筋道 ができて火山灰と土砂が流れ落ち、 二ノ池は相当埋まっていました。 山腹が流れれば、岩石が不安定に なり落石が発生する可能性もあり ます。

 ただ、そんな灰色一色だった御 嶽山も、雪が融けるたびに少しず つ灰が流れ落ち、地面が現れてき ていることは確かです。

平成27年8月ころの「十字路付近」 降灰に雨水が流れ深い溝ができている

参照

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