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1.はじめに バリアフリー整備を目的として駅改良工事が計画され

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Academic year: 2022

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(1)Ⅵ-11. 第41回土木学会関東支部技術研究発表会. 現地地山を考慮した駅改良工事における工事計画について JR東日本 東京工事事務所. 正会員 ○米井. JR東日本 東京工事事務所. 鈴木 吉昭. 清水建設株式会社 現駅舎. 1.はじめに バリアフリー整備を目的として駅改良工事が計画され. 起 点 方. キオスク. 正会員. 浅香 貴俊. 階段. 改札事務室. トイレ. 高架下. 高架下. 駅務室他. 改札口. 終 点 方. 階段. た当該駅は,高架橋形式の 2 面 2 線のホーム構造である.. 図-1 改良前(平面図). 既存駅舎の出入り口はホーム起点方端部の 1 か所のみで あり,エレベーター等のバリアフリー設備は設置されて. 新駅舎 階段. エレベ-ター. 階段. いない(図-1).今回の工事では,駅舎を終点方へ約 50m 移設し,併せてバリアフリー設備(エレベーター:2 基,. 智. 駅務室他. 起 点 方. 現駅舎撤去. 改札口 階段. エスカレーター:1 基)を新設するものである(図-2).. ラチ内コンコース. トイレ. エレベーター. 駐車場 荷捌き等. 高架下店舗. 終 点 方. エスカレーター. 図-2 改良計画(平面図). 今回,ホーム橋脚新設工事での杭基礎工における根入. 表-1 杭基礎工の概要. れ長及び薬液注入工の注入率について報告する. 2.当初工事計画 工事は前述のバリアフリー設備等を設置するスペース を生み出すため,乗降場の一部を撤去・新設する工事計. ◆ 工法. 深礎工. ◆ 施工数量. 8本(P1上下、P2上下、P3上下、P4上下). ◆ 杭径. 1500mn(P1、P2、P4) 1800mm(P3). ◆ P1杭長(当初計画) P2~P4杭長は省略. 上り線側:L=8,800mm. 下り線側:L=9,900mm. 表-2 薬液注入工の概要. 画とした. ◆ 目的. 深礎杭施工時の地山の保持・強化及び止水. ◆ 対象地盤. 有機質シルト層. を撤去し,その撤去箇所に杭基礎及び橋脚を新設,最後. ◆ 工法. 二重管ダブルパッカー工法. ◆ 使用材料. 一次注入:セメントベントナイト. にホーム桁の架設,PC 板の敷設を行い,乗降場を改良す. ◆ 注入率(当初計画). 40パーセント. まず新駅舎設置範囲となる既設高架橋やホームスラブ. 二次注入:水ガラス系. る計画である.なお,杭工事に先立ち,地山の保持及び 強化と止水を目的として薬液注入工を行うこととした. 2-1.杭基礎工. ケーブル. 新設ホーム橋脚の杭基礎は深礎工で施工し,線路直角 方向の P1~P4 通りに対して,上下線各1本で計 8 本の橋. ケーブル. ケーブル. As. As. As. As. As. As. 脚を新設する(表-1,図-3,図-4). 2-2.薬液注入工 薬液注入工の概要は表-2 に示す通りである.なお, 図-3 新設高架橋断面図. 当該駅周辺は地形に傾斜があり,当初設計時は現地地盤 P-1. が軟弱地盤であるなどのリスクも想定し,注入率を比較. P-2. P-3. P-4. 的大きな 40%で計画していた. 3.変更工事計画 3-1.杭基礎工 当初設計時,起点方(P1~P3 通り)には高架下店舗が あったためボーリング調査を行うことができず,新設杭. 起 点 方. 終 点 方. の杭長は終点方(P4 通り)付近の 2 箇所のボーリングデ ータと既設高架橋柱の杭長を参考に計画していた.この. 当初想定支持地盤面. :深礎杭施工箇所(8本) :既地質調査位置(2ヶ所). 図-4 杭基礎施工箇所(平面図・縦断図). キーワード 杭基礎工,ボーリング調査,薬液注入工,透水試験 連絡先 〒221-0044 横浜市神奈川区東神奈川一丁目 JR東日本(株) TEL 03-3370-1087. E-mail:s-yonei@jreast.co.jp.

(2) Ⅵ-11. 第41回土木学会関東支部技術研究発表会. ため,高架下店舗を撤去した後に追加でボーリング調査. P-1. P-3. P-2. P-4. を実施し,正確な地質状況を把握することとした.ボー リング調査は新設杭の位置を考慮し 4 本実施し,さらに 薬液注入用の観測井 2 本と合わせて計 6 本のボーリング データを採取した(図-5).これらのデータから,P1 通 り付近では当初想定していたよりも支持地盤が深いこと. 起 点 方. 終 点 方. が判明し,構造計算により P1 通りの新設杭は上下線側と も 杭 長 を 変 更 す る こ と と し た ( 上 り : L=8,800mm → 10,000mm 下り:L=9,900mm→10,300mm). 3-2.薬液注入工. :追加ボーリング箇所(4本) :薬液注入観測井(2本). 当初想定支持地盤面 追加調査後支持地盤面. 図-5 追加ボーリング・観測井実施箇所(平面図・断面図). 当初注入率である 40%とは,『注入の設計マニュアル (東日本旅客鉄道(株)) 』において,緩い砂質土に対して. 1孔. 2孔. 適用される注入率である.実施工においては対象土層が シルト層であることが工事着手後に判明したため,計画 :採取位置. 3孔. 量が注入できない可能性が高く,過注入による近接構造 物の変状なども懸念された.そこで現地に適した注入率. 図-6 試験注入土質採取位置. を把握するため,試験注入及び現場透水試験を行い,注 入効果の確認を行った.試験は,P2・P3・P4 通りの下り. 表-3 試験注入概要. 線側の実施工位置 3 か所に対し,それぞれ 24%・32%・ 試験注入箇所. 40%と注入率を変えて実施した.注入圧は構造物の変状. 注入率. 一次注入. 二次注入. ① P2橋脚. 24%. 10%. 14%. を考慮し,上限値(初期値+0.2MPa)を定めて管理した.. ② P3橋脚. 32%. 10%. 22%. 試験注入完了後,1 か所につき 3 孔注入した注入孔の中. ③ P4橋脚. 40%. 10%. 30%. 心から土質を採取し現場透水試験(回復法)により注入. 表-4 現場透水試験結果. 効果の確認を行った(図-6).. 試験注入箇所 事前測定. 試験の結果,どの試験箇所でも透水係数が事前測定値. ① P2橋脚 注入率. を一乗程度上回り,ほぼ同一な注入効果が得られたこと. 透水係数(cm/sec). - 5.23×10 -4. ② P3橋脚. ③ P4橋脚. 24%. 32%. 40%. 3.87×10 -5. 2.35×10 -5. 1.62×10 -5. から当初計画の注入率 40%を 24%に変更することとし た(表-3,表-4).また,これにより工事費の縮減にも つながった. 4.まとめ 今回の工事では,工事着手後の計画変更により,薬液注入工において注入率を適正に見直すことができた.これ により,目的とした現地地山の保持・強化と止水効果を得ることができ,近接構造物にも変状等を与えず無事に工 事を完了することができた.また,杭基礎は深礎工にて地質状況を目視で確認しながら施工し,支持地盤に対して 適正な根入れ長とすることができた. 5.おわりに 各種事前調査を確実に実施し,それらを設計に反映させることが望ましいことはもちろんであるが,駅改良工事 の多くは駅舎や店舗などが支障し,工事着手前に十分な事前調査を行うことが難しい.そこで,施工段階での適宜 適正な追加調査・試験の必要性を判断することが非常に重要であり,それらの結果によっては,安全・品質等を確 保するために工事計画の変更も含めた検討を行わなければならない場合がある.今後もこのような現場での事例を 確実に蓄積し,これらをフィードバックすることで,より安全かつ経済的で合理的な,施工性の優れた設計へのア プローチを目指していきたい.バリアフリー設備を設置した新駅舎は,平成 25 年 3 月に使用を開始し,引き続き多 くのお客さまにご利用いただいている..

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