Popular Music Method
序章
目次 ■序章 1)音楽 2)音 2-1)音の三要素(音の三属性) 2-2)音波と波形 2-3)純音と正弦波 2-4)音強(loudness) 2-5)音高(pitch) 2-6)音色(tone color/timbre) 3)音の種類 3-1)純音(pure tone) 3-2)楽音(musical sound) 3-3)噪音(unpitched sound) 4)倍音(高調波/harmonic overtone) 5)エンベロープ(emvelope/包絡線) 6)音律と音列 7)旋法(mode) 8)移調楽器 ■第1章
1)音楽と楽譜(music & score) 2)五線譜(staff notation) 2-1)五線(staff) 2-2)加線(ledger line) 3)幹音(natural tone) 4)音部記号(clef sign) 4-1)ト音記号(G clef/高音部記号/treble clef/ ヴァイオリン記号) 4-2)ヘ音記号(F clef/低音部記号/bass clef) 4-3)ハ音記号(C clef/中音部記号/alto clef) 5)大譜表(great staff) 6)オクターブ(octave) 7)音高表示(オクターブ区分) 8)ドラム譜(drum score) 9)タブ譜(tablature) ■第2章 1)変化記号(accidentals) 1-1)「♯」(sharp/嬰) 1-2)「♭」(flat/変) 1-3)「 」(double sharp/重嬰) 1-4)「♭♭」(double flat/重変) 2)臨時記号(accidental mark) 3)ナチュラル(natural/本位記号) 4)異名同音(enharmonic/エンハーモニック ■第3章 1)拍(beat) 2)音価(note value) 3)音符(note)・休符(rest)
3-1)全音符(whole note)・全休符(whole rest) 3-2)二分音符(half note)・二分休符(half rest) 3-3)四分音符(quarter note)・四分休符(quarter rest) 3-4)八分音符(eighth note)・八分休符(eighth rest) 3-5)十六分音符(sixteenth note)・十六分休符 (sixteenth rest) 3-6)三十ニ分音符(thirty-second note)・三十ニ分休符 (thirty-second rest) 4)付点(dot)・複付点(double dot) 5)連桁(beam) 6)連符(tuplet) ■第4章 1)拍子(time・meter) 1-1)単純拍子(simple time) 1-2)複合拍子(compound time) 1-3)混合拍子(added time) 1-4)変拍子(irregular time) 2)速度記号(tempo mark) 3)拍(beat) 4)タイ(tie) 5)シンコペーション(syncopation/切分音/切分法) 6)弱起(pickup/up beat) 7)ドラムのビート 8)ポリリズム(poryrhythm) ■第5章 1)縦線(barline) 2)終止記号(cadence mark) 2-1)終止線 2-2)「Fine」(フィーネ) 2-3)「 」(fermata/フェルマータ) 3)反復記号(repeat mark) 3-1)「 」(repeat/リピート) 3-2)「┌1」「┌2」(1st ending、2nd ending/1番括弧、2番括弧) 3-3)「da capo」(ダ・カーポ) 3-4)「dal segno」(ダル・セーニョ) 3-5)「code」(コーダ) 3-6)「 」 「 」 3-7)「bis」「ter」「quater」(ビス、テル、クァ
$
≤
æø
ç
«
テル) 4)「tacet」「only」(タセット、オンリー) 5)リハーサル・マーク(rehearsal mark) ■第6章 1)演奏記号(performance mark) 2)強弱記号(dynamic mark)
3)速度標語(tempo marking/tempo indication) 4)発想記号(expression mark) 5)アーティキュレーション(articulation) 5-1)スタッカート(staccato) 5-2)レガート(legato) 6)装飾音(ornament) 6-1)前打音(appoggiatura) 6-2)装飾記号(ornamentation) 6-3)アルペジオ(arpeggio) 7)省略記号(abbreviation) 8)オクターブ記号(octava) ■第7章
1)半音と全音(half step&whole step)
2)メジャー・スケール(major scale/長音階) 2-1)「♯」を使ったメジャー・スケール 2-2)「♭」を使ったメジャー・スケール 3)機能音名(diatonic function) ■第8章 1)マイナー・スケール(minor scale) 1-1)ナチュラル・マイナー・スケール
(natural minor scale/自然短音階/自然的短音階) 1-2)ハーモニック・マイナー・スケール
(harmonic minor scale/和声的短音階) 1-3)メロディック・マイナー・スケール (merodic minor scale/旋律的短音階) ■第9章
1)音程(interval) 2)度数(degree) 3)幹音同士の音程
3-1)「長音程」「短音程」
(major interval,minor interval) 3-2)「完全音程」「増音程」「減音程」
(parfect interval,augmented interval&diminished interval) 4)幹音同士の音程判別 ■第10章 1)音程の相対関係 2)派生音を含む音程 2-1)長音程・短音程 2-2)完全音程・増音程・減音程 2-3)重増音程・重減音程
(doubly augmented interval/doubly diminished interval) 3)原音程と転回音程 4)音程の種類 5)五度圏(circle of fifth) ■第11章 1)調号(key sign) 2)長調(major key/メジャー・キー) 3)短調(minor key/マイナー・キー) 4)平行調(relative key) 5)調号のきまり 6)階名と階名唱法(syllable names&solmization) ■第12章 1)調号について 2)調号と五度圏 3)調号の判定 ■第13章 1)コード(chord/和音) 2)トライアド(triad/三和音) 2-1)メジャー・トライアド (major triad/長三和音) 2-2)マイナー・トライアド (minor triad/短三和音) 2-3)オーギュメント・トライアド (augmented triad/増三和音) 2-4)ディミニッシュ・トライアド (diminished triad/減三和音) ■第14章 1)ダイアトニック・コード (diatonic chord/音階固有和音/音階和音) 2)長調のダイアトニック・トライアド ■第15章 1)短調のダイアトニック・トライアド
2)ケーデンス(cadence/終止形) 2-1)ドミナント・ケーデンス (dominant cadence/ドミナント終止/正格終止 /authentic cadence) 2-2)サブドミナント・ケーデンス (subdominant cadence/サブドミナント終止/変 格終止/plagal cadence/アーメン終止/変進行) 3)機能和声(functional harmony) 4)副三和音と代理コード ■第17章 1)短調の主要三和音 2)短調のケーデンス 2-1)サブドミナント・マイナー・ケーデンス (subdominant minor cadence)
2-2)「ドミナント・マイナー・ケーデンス」 (dominant minor cadence)
2-3)「ドミナント・ケーデンス」(dominant minor cadence) 3)短調の機能和声 4)短調の副三和音と代理コード ■第18章 1)コード進行(chord progression) 1-1)和声(harmony) 1-2)ルート・モーション(root motion/根音進行) 1-3)強進行と弱進行 2)リハーモニゼーション(reharmonization) ■第19章 1)7thコード(7th chord) 2)メジャー7thコード(major 7th chord) 3)ドミナント7thコード (dominant 7th chord/属七和音) 4)マイナー7thコード(minor 7th chord) 5)マイナー・メジャー7thコード
(minor major 7th chord) 6)マイナー7th(♭5)コード(minor 7th(♭5)chord) 7)ディミニッシュ7thコード(diminished 7th chord) 8)メジャー7th(♯5)コード(major 7th♯5 chord) 9)オーギュメント7thコード(augmented 7th chord) ■第20章
1)密集位置と開離位置(close position&open position) 2)基本形と転回形(root position&inversion) 2-1)基本形(root position/基本型) 2-2)第一転回形(first inversion/第一転回型) 2-3)第二転回形(second inversion/第二転回型) 2-4)第三転回形(third inversion/第三転回型) ■第21章 1)オープン・ヴォイシング(open voicing/開離位置) 1-1)Drop2(ドロップ2) 1-2)Drop3(ドロップ3) 1-3)Drop2&4(ドロップ2&4) ■第22章 1)長調のダイアトニック7thコード ■第23章 1)ナチュラル・マイナー・スケールのダイアトニック 7thコード 2)短調のダイアトニック7thコード ■第24章 1)Ⅴ7-Ⅰ 2)長調のダイアトニック7thコードの代理コード 3)Ⅱ-Ⅴ-Ⅰ(two-five-one) ■第25章 1)Ⅴ7-Ⅰm 2)短調のダイアトニック7thコードと代理コード 3)短調のⅡ-Ⅴ-Ⅰ(two-five-one) ■第26章 1)循環コード(cyclic chord) 1-1)長調の循環コード 1-2)短調の循環コード 2)逆循環コード(reverce cycle) ■第27章 1)コード・トーンとノンコード・トーン
(chord tone&non-chord tone/和声音と非和声音) 1-1)ブロークン・コード(broken chord) 1-2)経過音(passing tone) 1-3)刺繍音(auxiliary tone/補助音) 1-4)ディレイド・リゾルブ(delayed resolve) 1-5)逸音(escape tone) 1-6)先取音(先行音/anticipation) 1-7)掛留音(suspension) 1-8)倚音(appoggiature) 2)メロディー(melody/旋律) ■第28章
1)コード付け ■第29章 1)フィフス・ コード(fifth chord/パワー・コード /power chord) 2)アド・コード(add chord/付加和音) 3)シックス・コード(sixth chord)
4)シックス・ナイン・ コード(six ninth chord) 5)サス・コード(suspended chord/掛留和音) 6)オミット(omit)
■第30章
1)ペダル・ポイント(pedal point/保続音/通奏低音) 1-1)ベース・ペダル・ポイント(bass pedal point) 1-2)ソプラノ・ペダル・ポイント(soprano pedal point) 2)クリシェ(cliche) ■第31章 1)長調の調判定 2)短調の調判定 ■第32章 1)転調(modulation) 2)主調(principal key) 3)近親調(related key) 3-1)同名調(parallel key/同主調) 3-2)平行調(relative key) 3-3)属調(dominant key)
3-4)下属調(subdominant relative key) 3-5)属平行調(dominant relative key) 3-6)属下属調(subdominant key) 4)遠隔調(remote key) ■第33章 1)本格転調 2)ピヴォットコード(pivot chord) 3)転調の記譜法 ■第34章 1)借用和音(borrowed chord) 2)モーダル・インターチェンジ(modal interchange/ 同主調変換) ■第35章 3)テンション・コード(tension chord) 3-1)ナインス・コード(9th chord) 3-2)イレブンス・コード(11th chord) 3-3)サーティーンス・コード(13th chord) ■第36章 1)アボイド・ノート(avoid note) 1-1)長調のテンション・コード 1-2)短調のテンション・コード ■第37章 1)テンション・リゾルブ(tension resolve) ■第38章 1)アヴェイラブル・ノート・スケール
(available note scale) 1-1)長調のアヴェイラブル・ノート・スケール 1-2)長調のアヴェイラブル・ノート・スケール ■第39章 1)スリー・コード(three chord) 2)ブルース形式(blues form) 3)ターン・アラウンド/ターン・バック(turn around/turn back) 4)ブルースの音階 4-1)ペンタトニック・スケール (pentatonic scale/五音音階) 4-2)ブルース・スケール(blues scale) 4-3)ミクソリディアン・スケール (mixolydian scale) 4-4)メジャー・ペンタトニック (major pentatonic) 5)コール・アンド・レスポンス(call and response) ■第40章
1)オルタード・コード(altered chord/変化和音) 2)オルタード・ドミナント・コード
(altered dominant chord) 3)オルタード・ドミナント・スケール
(altered dominant scale) ■第41章
1)裏コード
(substitute dominant chord/tritone substitution) 2)リディアン・ドミナント・スケール
■第42章
1)セカンダリー・ドミナント
(secondary dominant chord) 2)セカンダリー・ドミナントの裏コード 3)非機能的ドミナント・セブンス・コード ■第43章 1)ディミニッシュ7thコード(diminished 7th chord) 2)Ⅶdim7 2-1)ディミニッシュ・スケール (diminished scale) 2-2)ハーモニック・マイナー・スケール
(harmonic minor scale) 2-3)ハーモニック・メジャー・スケール
(harmonic major scale/和声的長音階) 3)コンビネーション・ディミニッシュ・スケール (combination of diminished scale) 4)セカンダリー・ドミナントの代理
5)ホール・トーン・スケール(whole tone sccale) ■第44章 1)Ⅱ-Ⅴのリハーモナイズ 1-1)ドミナント7thコードと「Ⅱm7-Ⅴ7」 1-2)マイナー7thコードと「Ⅱm7-Ⅴ7」 1-3)裏コードと「Ⅱm7-Ⅴ7」 1-4)「Ⅱm7-Ⅴ7」と「♭Ⅵm7-♭Ⅱ7」 1-5)セカンダリー・ドミナントの裏コードと「Ⅱ m7-Ⅴ7」 ■第45章 1)コード・スケールケール(chord scale) 1-1)メジャー系 1-2)マイナー系 1-3)ドミナント系 1-4)ディミニッシュ系 ■第46章 1)4way close ■第47章 1)アプローチ・コード(approach chord) 1-1)クロマチック・アプローチ (chromatic approach) 1-2)ダブル・クロマチック・アプローチ
(double chromatic approach) 1-3)ドミナント・アプローチ
(dominant approach)
1-4)ダブル・ドミナント・アプローチ
(double dominant approach) 1-5)ダイアトニック・アプローチ (diatonic approach) 1-6)パラレル・アプローチ(parallel approach) 1-7)リーピング・アプローチ(leaping approach) 1-8)ディミニッシュ・アプローチ (diminished approach) 1-9)応用 ■第48章 1)主題(theme/テーマ) 2)動機(motiv/モチーフ) 2-1)リズム 2-2)音高 3)模倣(imitation) ■第49章 1)楽式(musical form/音楽形式) 1-1)楽節(sentence)
1-2)1部形式(one part form) 1-3)2部形式(binary form) 1-4)3部形式(ternary form) 1-5)コーダ(coda)
1-6)複合3部形式(compound ternary form) 1-7)ロンド形式(rondo form) 1-8)ソナタ形式(sonata form) ■第50章 1)ポピュラー音楽の楽節 1-1)「intro」(イントロ/introduction) 1-2)「theme」(テーマ/主題) 1-3)「verse」(バース) 1-4)「inter」(間奏/interlude/インタールード) 1-5)「bridge」(ブリッジ) 1-6)「vamp」(バンプ) 1-7)「ending」(エンディング) 1-8)「A」・「B」(Aメロ・Bメロ) 1-9)「chorus」(コーラス) 2)ポピュラー音楽の楽式 ■第51章 1)ガイド・トーン(Guide tone/限定進行音) 2)スプレッド(Spread) 2-1)Ⅱm7-Ⅴ7-Ⅰ 2-2)Ⅱm7(♭5)-Ⅴ7-Ⅰm
■第52章 1)モード(mode/旋法) 2)モーダル・ハーモニー(modal harmony) 2-1)メジャー系モード(major mode) 2-2)マイナー系モード(minor mode) 2-3)スパニッシュ・モード(spanish mode) 3)モーダル・インター・チェンジ(modal interchange) ■第53章 1)モノフォニー(monophony) 2)ポリフォニー(polyphony) 3)ホモフォニー(homophony) 4)対位法(counterpoint) 5)和声法(law of harmony)
■序章
1)音楽(music)
2)音
2-1)音の三要素(音の三属性)
2-2)音波と波形
2-3)純音と正弦波
2-4)音強(loudness)
2-5)音高(pitch)
2-6)音色(tone color/timbre)
3)音の種類
3-1)純音(pure tone)
3-2)楽音(musical sound)
3-3)噪音(unpitched sound)
4)倍音(高調波/harmonic overtone)
5)エンベロープ(emvelope/包絡線)
6)音律と音列
7)旋法(mode)
8)移調楽器
1)音楽(music)
“過去から現代へ” 音楽は時間を越え、国を越え、人種を越えて、遥か数千年に渡り脈々
と受け継がれてきました。音楽は聴く者に様々な感情を抱かせ、時に言葉を凌ぐ程の表現力で
感動を与えてくれます。それは太古の人類にとっても同じだったのではないでしょうか?
音楽家達は長年に渡り常に新しい楽曲を創造し、今までに無い未知の音楽を追い求めてきま
した。それと同時に様々な作曲技法や楽器などが考え出され、それは現在も音楽の基礎として
使われています。
そして今日、音楽は更に変化を重ねながら日々新しい作品が生み出されています。特に近年
では電子楽器や電気楽器、録音機器やパソコンなどの発達が音楽製作や作曲の方法に大きな変
化をもたらしました。また音楽に関する研究は物理学、心理学、生理学などでも行われ、様々
な側面から捉える事ができます。
これらの事から、現代の音楽家は最新の楽器や音楽製作の知識を深める一方、先人達が考え
出した音楽理論や演奏技術など、多くの事を学ぶ必要があると言えるでしょう。※1
※1 音楽に関する学問的研究を総称して「音楽学」(musicology)と呼ぶ。音楽の研究対象や体系は、その時代によって変化 しているが、おおよそ次の学問がある。「記譜法」「音楽理論史」「音楽文献学」「楽器学(楽器分類学)」「音楽音響学」 「音楽生理学」「音楽心理学」「民族音楽学/音楽民族学(比較音楽学)」「音響心理学」「音楽美学」「音楽哲学」「音楽 教育学」「音楽社会学」「音楽通論」など。音楽は長い年月にわたり多くの試行錯誤を繰り返す事で、様々なスタイルが確立されてきま
した。現在、CDやインターネットなどを通じて世界中で広く聴かれている「ロック」(rock ※
2)や「ポップス」などは、おおよそ「ポピュラー音楽」(popular music ※3)の範疇に含まれ
ます。
「ポピュラー音楽」とは、広く一般的に聞かれ認知されている音楽の総称で、その定義には
諸説あります。ポピュラー音楽は「マスメディア」(mass media ※4)に取り上げられる事で
広く認知され、ヒットチャートの上位である事がより多くの人々に支持されていると考える事
ができ、世界規模での「音楽ビジネス」(music business ※5)が行われています。
「クラシック音楽」(classical music ※6)や「ジャズ」(jazz ※7)などの、ごく一部でし
か評価されない音楽は含みませんが、それらの音楽でも一般的に広く認知されていれば、それ
はポピュラー音楽であると言えるでしょう。
ポピュラー音楽は一般的に高い娯楽性を持っていますが、様々な要素を取り入れたり高度な
音楽的技法を駆使する事で、芸術的に非常に優れた楽曲も多数存在します。また、時代や社会
背景などを表現、反映する事で、社会的な影響を及ぼす事もありました。
ポピュラー音楽で使われる様々な理論や手法は「ポピュラー音楽理論」(popular music
theory)としてまとめられ、クラシック音楽の学問※8やジャズ理論などが幅広く応用されてい
ます。
※2 その起源については諸説ある。「ブルース」や「カントリー・ミュージック」の影響を受けて20世紀中頃に誕生した 「ロックン・ロール」(rock'n' roll)が、さらに様々な要素を取り入れ、省略して「ロック」と呼ぶようになった、との説が一 般的。ロックは若者に強く支持され、様々な要素を積極的に取り入れる事で新しい音楽のスタイルを生み出した。「ハード・ ロック」「プログレッシブ・ロック」「サイケデリック・ロック」「ヘヴィー・メタル」「パンク・ロック」「ブラス・ロッ ク」「グランジ」など。 ※3 「ポピュラー・ミュージック」「ポップ・ミュージック」(pop music)、「ポップス」(pops)とも呼ばれ、日本語の「大 衆音楽」や「民衆音楽」「通俗音楽」「軽音楽」もほぼ同義。それ以外の音楽を「芸術音楽」(art music/serious music:主 にクラシック音楽)や「民俗音楽」などに分け、対義語として使う事がある。ただし「ポップス」の名称は、ある一部の音楽ス タイルを指す。「J-pop」や「K-pop」の様に、その国独自の音楽を表す造語もある。更に欧米などの主流音楽とは様式の上で 違いがある「非西欧のポピュラー音楽」の研究も行われている。 ※4 新聞、雑誌、ラジオ、テレビなど、不特定の大衆に情報を伝達する為の媒体。現在はウェブサイトや電子掲示板なども含 む。 ※5 「音楽配信業者」「コンサート事業」「流通業者」「レコード会社」の事業や、「作曲家」「作詞家」「編曲家」「演奏 家」「エンジニア」「プロデューサー」「ディレクター」などの職種、商売、仕事。現在は「著作権」に関する事業が中心的 で、日本での著作物は「社団法人日本音楽著作権協会」(JASRAC)などの「著作権等管理事業者」が管理し、それらの事業は 主に「音楽出版社」が行っている。 ※6 西洋で代表される伝統的な芸術音楽。狭義では古典派(18世紀〜19世紀頃)の音楽を指す。年代ごとに区分されるが、 一般的な年代と音楽との区切れには違いが見られる。 ※7 「ジャズ」は19世紀末から20世紀初頭、アフリカ系アメリカ人の音楽と西洋音楽が融合しニューオリンズの地で発祥し たと考えられる。「ニューオリンズ・ジャズ」「ディキシーランド・ジャズ」「スウィング・ジャズ」「ビバップ」「クー ル・ジャズ」「アフロ・キューバン」「モード・ジャズ」など。
※8 クラシック音楽の代表的な学問:「楽典」(musical grammar notation)、「対位法」(counterpoint)、「和声学」(和 声法/theory of harmony)、「管弦楽法」(instrumentation/オーケストレーション/orchestration)、「楽式論」(musical forms)など。
※13 音楽の起源:・言葉の強弱や高低、言語の抑揚(イギリス哲学者スペンサー)・遠くに音を伝える。何かを伝達す る(ドイツ心理学者シュテゥンプ)・異性の感心を引く為の声(イギリス生物学者ダーウィン)・労働や歩く時などの反 復作業をリズムによって疲労軽減(ドイツ経済学者ビューヒャー)・小鳥のさえずりなど、動物の鳴き声の真似。など
そもそもアフリカ大陸、アメリカ大陸、ユーラシア大陸、オーストラリア大陸の各地域や、
その他多くの島国には古い歴史を持つ諸民族が存在し、そのほとんどが独自の音楽を持ってい
た事は間違いないでしょう。中には途絶えてしまった音楽や文化もありますが、長年に渡って
受け継がれた音楽には独自の様式や役割、「楽器」※9があり、「民俗音楽」(folk music※
10)や「世界音楽」(world music※11)、「民族音楽」(ethnic music)などと呼ばれて研究
が行われています。
クラシック音楽の書物では、歴史を遡り音楽について確認できる古い時代として、中世以前
に繁栄した古代ギリシャ、古代エジプト、古代メソポタミアなどの古代文明について説明され
ています。※12 現在、古代文明の音楽そのものは残されていませんが、遺跡などから発掘
された壁画や遺物、石碑などに刻まれた文字を研究する事で、古代の音楽について研究が行わ
れています。
さらに古代よりも以前の音楽は「仕事歌」(労働歌/作業歌/work song)や踊り、宗教行
事を目的とし、「娯楽」や「芸術」では無く生活に密着した存在だったと推測されています。
では音楽はいつ、どこで始まったのでしょう?現在のところ音楽誕生の瞬間について断定で
きる発見は無いため、その起源については解明されておらず、また今後も明らかになる事は無
いだろうと言われています。しかし研究者達によって、その起源について幾つかの仮説が立て
られています。※13
※9 楽器を研究対象とする学問を「楽器学」と言い、その構造だけでなく、楽器が持つ意義や音など幅広い側面から考察さ れる。その中の一つ「楽器分類学」は、楽器を体系的に分類する為の学問。クラシック音楽の楽器を「管楽器(木管/金 管)・弦楽器・打楽器」に分類する「3分類法」は16世紀、フィルドゥングによって広く知られる。現在では「体鳴楽器・膜 鳴楽器・弦鳴楽器・気鳴楽器・電気楽器」の五つに分類する「ザックス=ホルンボステル分類」も使われる。中国では楽器の 素材によって「金・石・糸・竹・匏・土・革・木」の八種類に、インドでは「片皮・両皮・前皮・打・気」の五種類に分類さ れる。 ※10 「民俗音楽」とは日常生活に根ざした音楽。日本では「わらべ歌」や「子守唄」「民謡」。「民族音楽」(ethnic music)とは異なる。 ※11 クラシック音楽以外の伝統的な音楽の総称。諸民族の音楽研究が始められた当初、その音楽を「民族音楽」(ethnic music)と呼び、西洋音楽と比較する「比較音楽学」(comparetive musicology)によって研究が行われていた。後に西洋音 楽も西洋民族の伝統的な音楽の一つと考えられ、「西洋音楽対民族音楽」と受け取られかねない「民族音楽」の用語よりも 「世界音楽」の呼び名が広がった。「世界音楽」は現在「民族音楽学」(ethnomusicology)と呼ばれる学問によって研究が行 われ、音楽に限らず民族的、文化的な要素を含んだ研究がされている。 ※12 「古代ギリシャ」(およそ紀元前1000年〜)音楽と詩と舞踊は一体で、音楽のみの芸術は例外だったと推測される。 高度な音楽理論やギリシャ旋法は後に中世音楽理論の基礎となる。「古代エジプト文明」初期の音楽では5音音階を使用し合 奏が行われていた。発掘された楽器は精密で鮮やかな装飾が施され、工芸品としても芸術性が高い。音楽、美術、建築、文学 などの教育が僧侶によって盛んに行われていたと考えられている。最古の文明とされる「メソポタミア文明」では、楔形文字 の発明によって多くの記録が残され、「最古の宗教」(紀元前4000年〜紀元年)が確認できる。音楽は宗教と結びつき、 神々の賛辞にはメロディーが付けられ宗教儀式の中で歌われていたと推測される。数学、天文学、音響学を駆使する事で音組 織を体系化し、初期の音楽では「5音音階」、紀元前1000年以降からは「7音音階」が一般的になったと考えられる。
2)音
私達々は常に「音」に囲まれています。楽器はもちろん電話や風、作動している機械などか
らも常に音が発せられています。
では「音」とは何なのでしょうか?例えばギターを弾いた時、弦には「振動」が生じます。
その振動が空気へ伝わり、人間の耳に届き、刺激が与えられ、脳で感覚として音を認識しま
す。この様に人間が「音」を感じるまでには幾つかの過程を経ており、それぞれの側面から
「音」を捉える事ができます。
つまり「物体の振動」や「空気の波」は物理的現象、「耳」(聴覚器官)から脳へ伝えられ
る過程」は生理的現象、脳によって感じとられた「感覚としての音」は心理的現象であると言
えます。
2-1)音の三要素(音の三属性)
人間が音を聴いた時に生じる感覚的要素や心理的現象は「大きい」「高い」「明るい」など
の形容詞によって表現できます。
このような音を特徴付ける要素には「音強」(loudness)、「音高」(pitch)、「音色」
(tone color/timber)の三つがあり、それを「音の三要素」と呼びます。
音の三要素は物理的に捉える事ができ、「音圧レベル」(sound pressure)、「周波数」
(frequency)、「周波数スペクトル」(frequency spectrum)として、さまざまな値や図表で
表す事ができます。また音を「波形」(waveform)で表した時、それらは「振幅」
(amplitude)、「周期」(frequency)、「波形の種類」にあたります。
example 1
・ 音強(音量) : 音圧レベル : 振幅
・ 音高(音程) : 周波数 : 周期
・ 音色 : 周波数スペクトル : 波形の種類
2-2)音波と波形
「音」は空気や空気以外の様々な固体または液体などの「媒質」を振動させて伝わり、それ
を「音波」(sound wave)と呼びます。人間が一般的に耳にする「音」とは空気の振動であ
り、音が空気中を伝わる時、空気の圧力が高低の変化を起こしながら波のように周囲へと伝わ
ります。※14
音波はオシロスコープやパソコンのソフトなどによって「波形」として、視覚的に捉える事
ができます。
0 (大気圧) 時間 音圧
example 2
大気圧の変化
音波の波形
※14 空気の圧力の高低は「分子密度の高低」とも表現される。波には横波と縦波があり、空気を伝わる波は縦波だが、一 般的に音を表現する場合は、表現しやすく横波に置き換えて表している。一秒間に音が伝わる速さを「音速」と呼び、大気を 伝わる音の場合、気温や湿度などによって速度は変化するが、気温15℃の時、音速はおよそ340m/s(時速1,224km)で、 その速度を「マッハ1」とする。真空状態や絶対零度の場合では音は伝わらない。人間が聞く事のできる音の周波数はおおよ そ20Hz〜20000Hzで、それ以上の周波数で通常聞き取る事ができない音波を「超音波」と言う。 ※15 正弦波は「正弦曲線」(sine curve)によって表され、その形は「振幅」「周波数」「位相」の物理量によって決めら れる。その形は正弦関数によって与えられ、振動や波動などの周期的変化を一つの方向へ進行する波として表す。音の「周波 数」は「一秒間に振動する数」を表し、その逆数を「周期」と言う。また周期とは「一回の振動に要する時間」を指す。位相 とは振動や波動の位置。角度(度)によって表す。2-3)純音と正弦波
音を波形で表わした時、その形は様々です。その中でも「純音」(pure tone)は、最も単純
な波形の「正弦波」(sine wave)によって表す事ができます。正弦波は様々な波形の基本とな
ります。※15
example 3
0 (大気圧) 時間 振幅 音圧 周期時間
振
幅
︵
強
弱
︶
時間
振
幅
︵
強
弱
︶
2-4)音強(loudness)
音の大きさを「音強」(音量/loudness※16)と言います。音の物理量が多ければ音は大き
くなり、聴覚への「刺激量」も多く感じられます。一般的に「音圧レベル」と呼ばれる指標
で表し、「dB」(デシベル/decibel)の単位が使われ、人間には「0〜130dB」が限界
点、中心点は「64dB程度」とされています。波形の「振幅」にあたり、その幅が広いほど
音は大きくなります。
example 4
大きい音 小さい音
2-5)音高(pitch)
音の高さを「音高」(pitch)と呼び、音波の振動が早ければ音は高くなります。音の高さは
「周波数」(frequency)で表す事ができ、その単位は一般的に「Hz」(ヘルツ)や「KHz」(キ
ロヘルツ)を使います。人間が音として聞き取れるのは、およそ「20〜20000Hz]」(20KHz)
程度の音波とされています。
「波形」で表わした時、周期の間隔(周期)が短ければ音は高くなります。人間が敏感に
聞こえるのは3KHz〜4KHz、人間の声は男性でおよそ40Hz〜400Hz、女性で150Hz〜
900Hzです。
※16 「音量」をあらわすには「音圧」「音圧レベル」「音の大きさのレベル」「騒音レベル」の四つの指標がある。それ らの意味はそれぞれ異なり、違う単位が使用される。 1)音圧(物理的な量):音が伝わる際、空気の圧力がほんのわずかに変化し、その変化した分の圧力を「音圧」と呼ぶ。単 位は「μPa」(マイクロパスカル) 2)音圧レベル:物理的な量の対数による相対値。単位は「dB」(デシベル)。「デシ」は1/10を意味し、デシベルは「ベ ル」(B)の10分の1の値。電話の発明者である「ベル」(Alexander Graham Bell/アレクサンダー・グレアム・ベル)にちな んで付けられた単位。
3)音の大きさのレベル:人間の聴覚に基づき補正した相対的な量。単位は「phon」(フォン)
4)騒音レベル:騒音計で計測した量。「騒音」(noise)とは人がうるさいと感じる音又は、望ましくない音を指す。騒音の 量を表す単位は従来「ホン」が使われてたが、現在はdB(デシベル)又はdBA(デシベルエー)が一般的。1ホンは1dBと同じ 値。音の大きさのレベルを表すフォン(phone)とは異なり、英語で表記する単位はない。
周期(高低)
時間
周期(高低)
時間
矩形波(クラリネット、サックスなど木管楽器) 三角波
example 5
高い音 低い音
2-6)音色(tone color/timbre)
ギターやトランペットなど、違う種類の楽器で同じ高さの音を鳴らしても、それらの音や質
感は違うものとして感じられるでしょう。
これは、それぞれの音の「音色」が違うためです。音色とは、ある音を聞いた時に感じる感
覚や質感を意味し、その特徴によって音の違いを識別する事ができます。※17
音色は主に「周波数スペクトル」(frequency spectrum)によって特徴付けられ、波形の違
いとして捉える事ができます。(※序章p12)基本的な波形には「正弦波」(sine wave)、
「鋸歯状波」(きょしじょうは/sawtooth wave)、「矩形波」(くけいは/square
wave)、「三角波」(triangle wave)の四つがあります。
example 6
正弦波 鋸歯状波(弦楽器、金管楽器など)
3-2)楽音(musical sound)
「楽音」(musical sound)とは、音楽を構成する為の素材となる音を指し、「音色」「音
質」※18「高低」「強弱」「短長」などの要素から成り立っています。「楽音」は「規則正
しいある一定の周期の波形を持った、急激な振動変化(音の高低変化)の無い一定の高さを
持った音の事」と定義でき、ピアノやギターなどの楽器や人の声などは、「楽音」を発声でき
る構造であると考えられます。
※17 「音色」(timber/tone color):音響学や音楽の「術語」(専門語/学術語)。ある特定の楽器の音の特徴や相違を表 し、音が特定の楽器のものであると判断するための要素。一つの楽器でも、異なる音色を出す事ができる。 音色の違いは主に「倍音の分布」によって生じ、時間的変化が伴う。「倍音の分布」とは、「音」に含まれる様々な周波数 の倍音が、どの帯域にどれくらいの割り合いで分布しているかを意味し、それを周波数ごとにグラフや波形などで表わす「周 波数スペクトル」として捉える事ができる。さらに音の「立ち上がり」や「持続」「減衰」と言った「音量の変化」も音色を 決める要素の一つと考えられる。 「音色」は感覚的な特性を示す言葉として使う事ができ、この場合「音質」と似た意味合いを持つ。(例☞優しい音色) 音楽では曲の雰囲気やフレーズに適した「音色」で演奏する事により、音楽的な効果が得られる。 また「音色」とは、音を色彩になぞらえた呼び名と解釈できる。(例☞黄色い声) 音や音楽を聴いて、色を感じる知覚を 「色聴」(colored hearing)と言う。「色聴」とは、「数字に色を」「味覚に形を」感じたりする現象の事で、ある感覚の刺 激に対し別の知覚が引き起こされる「共感覚」(synesthesia)の一つ。音と色の関係については、1931年カール・ジーツ (kari ztets)によって最初の実験が行なわれ、古くは1810年ゲーテが「色彩論」で色と音の感覚について述べている。
3)音の種類
「音」は「純音」(pure tone)、「楽音」(musical sound)、「噪音」(unpitched sound)
の三種類に分ける事ができます。
3-1)純音(pure tone)
「純音」(pure tone)とは、倍音(後述)を含まない純粋に基音(tonic)だけの音を指し、そ
の波形は単純な「正弦波」の形をしています。音叉や時報の音は純音の一つで、一般的に混じ
り気の無い印象を与えます。
example 7
基音
第2倍音
第3倍音
基音の周波数が「100Hz」だった時、第2倍音は「200Hz」(100Hz×2)、第3倍音は
「300Hz」(100Hz×3)となり、さらに第4倍音、第5倍音と続き周波数の値は整数倍で大き
くなります。
※18 「音質」(tone quality/tone):「おんしつ」。音の質を感覚的に表す。(例☞硬い音/軽い音)演奏者が持っている 基本的な音の質。スピーカーや録音の状態を表す際にも使われ、その場合「良い」「悪い」など価値判断が伴う。(例☞録音 の音質が良い) また、パソコンなどの電子機器で録音する場合には、「サンプリング・レート※」(音の解像度)の高い方が「高音質」と解 釈される。音の純度とも解釈でき、「高音質」でも感覚的に感じる「良い音」とは限らない。 (※サンプリング・レート(サンプリング周波数/sampling frequency)☞音波(波形)を電気信号に変換する際の解像度。実 際の音をデジタル機器でレコーディングする時、アナログ信号をデジタル信号へと変換が行なわれ、その変換が一秒間に何回 行なわれるかを表す値。通常の音楽CDでは「44.1KHz」)
3-3)噪音(unpitched sound)
「噪音」(そうおん/unpitched sound)とは振動の周期や強さが不規則で、音の高さが定
まらず、振動の時間が極めて短い音の事で、物がぶつかった時などの音を指します。
同じ読み方でも、「騒音」とは違うので混同しないようにしましょう。ちなみに騒音とは
「個人の主観によって、うるさいと感じる音」の事を指すため、たとえ音楽でも聴きたくない
音楽は騒音となってしまいます。
4)倍音(高調波/harmonic overtone)
ある基本の音を「基音」(tonic)として、その振動数に対し、整数倍の振動数にあたる音を
「倍音」(高調波/harmonic overtone)と言います。例えば、基音の振動数を「1」とする
と、第2倍音は「1×2」、第3倍音は「1×3」と、振動数が増えていきます。
example 8
>
?
Ä
Å
A
A
A A A
A "A A A A
!A A A "A #A A
262 393 524 655 786 917 1048 196.5 327.5 458.5 589.5 720.5 851.5 982.5 131 基音:C=65.5Hz平均律と倍音の高さの違いは次の通りです。※19
example 10
基音:元の音。
第2倍音:一オクターブ上。
第3倍音:一オクターブと完全五度上。平均律よりもわずかに高い。
第4倍音:ニオクターブ上。
第5倍音:ニオクターブと長三度上。平均律よりもわずかに低い。
第6倍音:ニオクターブと完全五度上。平均律よりもわずかに高い。
第7倍音:ニオクターブと短七度上。平均律よりも低い。
第8倍音:三オクターブ上。
第9倍音:三オクターブと長二度上。平均律よりもわずかに高い。
第10倍音:三オクターブと長三度上。平均律よりもわずかに低い。
第11倍音:三オクターブと増四度上。平均律よりも低い。
第12倍音:三オクターブと完全五度上。平均律よりもわずかに高い。
第13倍音:三オクターブと長六度上。平均律よりも低い。
第14倍音:三オクターブと短七度上。平均律よりも低い。
第15倍音:三オクターブと長七度上。平均律よりもわずかに低い。
第16倍音:四オクターブ上。
基音が周波数「65.5Hz」の「C音」の時、第2倍音は「131Hz」(65.5×2)、第3倍音は
「196.5Hz」(65.5×3)と続き、その周波数は現在一般的に使われている「平均律」
(temperament/序章p18)と同じか近似値になります。
example 9
倍音: 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16
基音 第2倍音 波形A
+
=
波形A 第3倍音 波形B
+
=
矩形波は基音と奇数倍音、三角波は基音と偶数倍音の正弦波を重ねる事で形づくられま
す。
更に、波形Bに第4倍音、第5倍音と重ねてゆくと、 →
鋸歯状波があらわれます。
先に見た通り、波形の基本的な形は、正弦波、鋸歯状波、短形波、三角波の四つですが、そ
れらは全て正弦波を重ねる事によって形作る事ができます。シンセサイザーなどの電子楽器で
は、その原理を応用し様々な音色を作り出します。
基音となる正弦波に整数倍の振動数の正弦波を重ねた時、その波形は鋸歯状波へと変化しま
す。
example 11
↑
+
振
動 0
幅
↓
−
↑
+
振
動 0
幅
↓
−
└┘
example 13
では次に、実際の楽器から発せられる音の波形を見てみましょう。次はピアノの一音を鳴ら
した時の波形です。縦が音の振動幅、横が時間を表しており、縦軸の中心を「0」としていま
す。時間とともに音が減衰している事が分かるでしょう。example13はexample12の波形
を拡張した物です。激しく振動している事が分かります。
example 12
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 倍音 440 880 1760 2637.02 3520 4434.92 5587.65
1318.5 2217.46 3135.96 3951.07 4978.03 周波数(Hz)
A4 A5 E6 A6 C♯7 E7 G7 A7 B7 C♯8 D♯8 F8 音名(近似値)