土 壌 中 に 於 け る鉤 仔 虫 の 垂 直 分 布 に 関 す る研 究
全文
(2) 第1表. 若. 菜. 病. 発. 生. 畑. 地. 鉤. 仔. 虫. 垂. 直. 分. 布(第1群). 11 8 小 武 守 靖.
(3) 小. 武. 地 明 らか な もの を選 び 畑 地 に赴 く事 の で きた もの10 例,赴. く事 の で き ない で 検査 材 料 を持 参 せ しも の7. 例 につ き前 記方 法 を以 て 諸 検 査 を行 つ た.前 例(第1群)に. 守. 靖. 従 つ て10例 総 て の 各 層別 仔 虫総 数 を比 較す る と第 1図 の 如 くで地 表,深 さ0.1m,. 者10 第1図. つ い ては 早 朝 と 日中 の検 査 結果 を 比. 較 す る こ とが で きた が き 後 者7例(第2群)に. 119. 0.2m及. び0.3m. 層 別 仔虫 総 数(第1群). つい. て は早 朝 の もの のみ で あ るが 次 の如 き結 果 を得 た . 1.第1群 9月30日 よ り10月20日 迄 に検 査 した10例 の結 果 は 第1表 の 如 くで あ る. 気 温 に 於 て は 早 朝7時 は11.5° 〜18℃,日 21.5°〜25℃. 中は. で 大 な る差 違 は 見 られ なか つ た .. 地温 に於 ては 早 朝 日中 共 に全 例 を通 じ早 朝 は表 層 程 低 く地 表 は14° 〜18℃,深 19℃,深. さ0.2mで. で は19°〜21.5℃. さ0.1mで. は17° 〜. は18.5° 〜21℃,深. さ0.3m. で 深 層 に比 べ 地 表 は地 温 の 高 低が. や や 大 き い.日 中 の 地 温 は地 表 では20.5°〜26.5℃,. の順 に 挙げ る と早朝 に 於 て は2828隻, 952隻,. 深 さ0.1mで. 及 び616隻. は20.5° 〜22.5℃,深. 19°〜21.5℃,深. さ0.3mで. さ0.2mで. は19.5° 〜22℃. は で地. であ り,日 中 の それ は2436隻,. 672隻 及 び630で. 812隻. 1512,. 両者 何 れ も 地表 に 至 る程 仔 虫 総. 表 は矢 張 り深層 に比 べ 高 低 が 多少 見 られ 深層 は 大 し. 数 を増 加す る よ うで あ るが,然 し両 者 の総 数 に は 大. た変 化 を 認 め な い.こ の よ うに早 朝 も 日中 も地 表 の. 差 を認 め な い.. 温 度 は 気 温 に左 右 され 易 い が 深 層は 影響 を受 け る事 少 く而 も之 は天 候 と の関 係 も認 め られ な か つ た. 地 湿 に つ い ては 全 例 全 層 を通 じ11〜26%で 深 層 に. 次 に 野菜 に附 着す る仔 虫 は10例 中 早 朝 のみ に 見 る も の6例,日. 中 のみ に見 るも の1例,何. も の4例,何. れ に も 見 ない も の3例 で あ る.. れ 紀 も見 る. 至 る程 変 化 が少 な くか つ 降雨 の際 を 除 き深層 は表 層. 2.第2群. に銘 べ や や 高湿 で あ る.. 9月24日 よ り11月12日 の 間 に検 査 せ る早 朝 に 於け. 土 壌pHは10例. すべ てに つ い て全 層 を通 じ7.0〜. 4.7で あ つ た.土 壌 中 の 仔 虫に つ い て は 各例 の全 層 仔 虫総 計 を 比 較す る と早 朝 は140〜1092隻,日. 中は. 154〜952隻 で,而 も全 例 の 早朝 仔虫 総 数 と 日中 仔 虫 総 数は 概 ね 同 数 で あ る.. て は症 例1及 び2を 除 き10例 中8例 であ り,日 中 に 6及 び9を 除 き10例 中7例 に之 を 見. て い る.. あ る. 地 湿 は第1群. と同 じ く早 朝 に於 て は 地表 程 低 く深. 層 に 至 る程 高 くな つ て い る. 土壌pHは7例. 又 他 層 に 比 し地表 に 仔 虫 の最 も 多 いの は早 朝 に 於. 於 ては 症 例5,. る もの のみ の7例 につ いて の 結果 は 第2表 の 如 くで. 全 て につ い て全 層 を通 じて6.8〜. 5.1で あ つ た. 土壌 中仔 虫 数 を 見 る と地 表 に最 も 多 きは7例 中5 例(尤. も内1例 は第2層 が 同 数で は あ るが)で あ る.. 野 菜 の仔 虫 は7例 中3例 に 之 を見 て い る. 第2表. 若 菜 病 発 生 畑 地 鉤 仔 虫 垂 直 分 布(第2群).
(4) 120. 土 壤 中 に於 け る鉤 仔 虫 の垂 直 分布 に 関 す る研 究. は土 壌 中 に 於 て虫 卵 として 埋 没 され 鰐 化 せ るも の も IV.総 括 並に 考 按 仔 虫 として 埋没 され た も の も同 樣 に表 層 に 移 動 し, 9月 下旬 よ り10月 下 旬 に至 る若 菜 病 発生 畑 地土 壌. そ の上 昇 距 離 は36吋 に も及 ぶ もの が あ る と述 べ て お. の鉤 仔 虫数 を 見 る と殆 ん どの症 例 に 於 て地 表 に 多 く. り,平 井17)は著 明 な 向端 性 を有 す る も の であ る とい. 深層 に至 る程比 較的 少 い,而 して これ は第1群,第. っ て い る事 よ り して,鉤 仔 虫 は そ の右す る向 端 性 乃. 2群 共 に同 じ結 果を 示 して い る.而 して第1群 に 於. 至 表 層 移動 性 に よ り地表 に 至 る に従 い多 数発 見 され. て10例 全 て の 各層 仔 虫 総数 を 比 較す る と,早 朝,日. る もの で あ ろ う.. 中共 に 深 層 に至 る程 減 少 し,又 早 朝及 び 日中 の総 数. 而 して早 朝 に 至 る とそ の 畑 に成 育 す る野 菜 に上 昇. に殆 ん ど差違 が ない.こ の際 土 壌 の温 度 は 早 朝に 於. した ものを 見 るが,日 中 に な る と一部 天 候 不 良 の 日. ては 表 層 程低 く深 層 に 至 る程 高 くな り,日 中 に於 て. を 除 き殆ん ど野菜 に は 認 め られ な い,山 崎27)は鉤 仔. は表 層 の 地温 は 早 朝 よ り上 昇 す るが 深 層 は変 化 殆 ん. 虫 は 向 水性 を 有す るた め夜 半 地 上 の植 物 に 露 滴を 結. どな く,深 さ0.3mに. 成 す る と共 に植 物 江上 昇 し始 め,日 中 日光 の直 射 下. 於 て は各 例 を見 て も0.5° 〜. 1℃ 位 の 差違 を見 る に 過 ぎな い.. に 於 ては 仔 虫 を認 め な い し,又 雨 後 の若 葉 の 中に は. 土壌 湿 度は 早 朝 に 於 ては 第1群,第2群. 共 に 表層. 極 少 数 の もの しか 見 な い と い つ て い る.教 室 の若. に 近ず くにつ れ 低湿 で,日 中 に於 て は 降雨 の 際 を除. 松21)も同 様 の結 果 を見 てお り雨 後 に 於 て は一 旦 上昇. き表層 に近 い程 湿度 の低 下率 は大 とな るが,深 層 に. せ る もの も雨 の た め流 下す るの であ ろ う として い る.. 於 ては 日中 に至 る も大差 な く時 刻差 に よ る変 化 は 認. Payne18)は 又 前 記 向端 性 の他 に他 物 質 に接 触 す る事. め られ なか つ た.. に よ り活動 を 増 強す る とい う.従 つ て鉤 仔 虫 は夜 半. 土 壌 のpHに. ついては ま第1群,第2群. に全 例 全 層. よ り活 動を 開 始 して 露 滴 を求 め て 地表 に至 り野 菜 等. を通 じ4.7〜7.0で 中 性 乃至 弱 酸 性 の領 域 に あ り,真. の植 物 に接 触 も運 動 活 発 と な り上昇 を開 始 し露滴 中. 島3),階 堂15)の い う虫卵 孵 化,仔 虫 発 育 に好 適 の領. に 至 り,日 中気 温 上 昇 し露 滴 の 消失 と共 に そ の向 水. 域 に あ り虫卵 及 び 仔 虫の 成 育 に不 適 当 とは思 わ れ な. 性 に よ り再 び湿 潤 な る 地中 に 下 降す る もの で あろ う.. い.. 而 してAckert28)も. 階堂15)は虫 卵孵 化 及 び 仔 虫発 育の 理 想 的な 湿 度は 50〜60%で. あ る が, 10%以 上 なれ ば 両者 の発 育は 先. 日蔭 の土 壌 に 虫卵 も仔 虫 も成 熟. し易 い といっ て い る如 く,日 中 に至 つ て も その 土壌 は成 育 せ る野 菜 等 の直 下 に あ る ため 地 表 の湿 度 も仔. ず 良 好 であ る と述 べ て い るが,本 検査 に 於 て 地湿 は. 虫 の生 存 を脅 かす 程 甚 だ し く低 下す る事 は な く,地. 第1群,第2群. 表 に 入 れ る もの はそ の 向端 性 及 び地 表 へ の 移 動 性,. 共 に 全 て を通 じて11〜26%で. 理想的. では な く とも虫 卵及 び仔 虫 の 発 育成 熟 の 可能 な範 囲. 又 地 表 の温 度 が あ る程 度上 昇 す れ ば平 井17)のい う土. 内 に あ る事 を示 して い る.. 壌 中 の 自 由生 活 円 虫に は な い鉤 仔 虫独 特 の 向温 性 と. 以上 を併 せ 考 え る と土 壌pH,湿. 度 共 に虫 卵 孵 化. 仔 虫 発育 活 動 に さ した 影響 が あ る もの とは思 わ れ な. 相 俟 つ て地 表或 は そ の 近 くの 地 層に 好 ん で生 活 して い る の であ ろ う.. いが,地 表 に仔 虫が 発 見 され る こ とが 多 い点 は早 朝. 早 朝 及 び 日中 の 仔虫 総 数 に大 差 が な い のは か か る. に も 日中 に も共 通 な 現象 で あ る. Payne18)は 鉤 仔 虫. 鉤 仔虫 の上 昇 或 は 下降 等 の結 果 に よる も の では なか.
(5) 土 壤 中 に於 け る鉤 仔 虫の 垂直 分布 に開 す る研 究 ろ うか と考 え られ る.. 121. V.結. 而 して私 の 検 査 で 見 で も土壌 中鉤 仔 虫 を 多 数見 出. 論. す 畑 地 に於 ては 野 菜 に も また鉤 仔 虫が 多 く附 着 して. 岡山 県 下秋 季 に於 て は. い る.而 も早 朝 に 於 ては 殊 に附 着仔 虫 も多 い の であ. 1)若. るか ら早 朝採 取 せ る野 菜 よ りの 若 菜病 の発 生 が 多 い. 中共 に深 層 よ り表 層 に 多 い. 2)若. 事 は明 白 な こ とであ り,又 鉤 仔 虫 を 含む 露 滴 に 接触 す る事 に 原 因す る所 謂 「露 まけ 」 と称す る鉤 仔 虫 の. て は 明 らか に し得 な かつ た.. 1) Cort at al.:. 3). Amer.. 南 崎 ・慶 応 医 学, 真 島:大. 8,. 擱 筆す るに臨 み本 研 究 の御 懇 篤 な る御 指 導 と御 校 閲 を 賜 わ り し恩 師平 木 教授 並 に今 は 亡 き北 山 名 誉教 授 に 深 甚 の謝 意 を捧 ぐ.. 主. 2). Jour.. Hyg.,. 要. 2, 1, 1922.. 1271,昭3.. 阪 高 等 医 学 專 問 学 校 雑 誌,. 6,. 267,. 文. 吉 村:. 5). 稲 留,重. 浦:慶. 17). 平 井:慶. 応 医 学,. 18) Payne:. 毛 受:慶. 7). 田 中:東. 8). 宮川. 理 論 と 測 定 法,. 応 医 学,. Jour,. 12,. 9) Bruns:. Munch.. Med.. 長 谷 川;台. 21,. 12,. 625,昭7.. 281,昭4.. Jour.. 11). 古 山 ・朝 鮮 医 学 会 雑 誌,. Amer.. 新 医 学,. 16,. Hyg.,. 3,. 46,. 547,. Arch.. 23,. 篠 原 ・東 京 医 学 会 雑 誌,. 山 医 学 会 雑 誌 投 稿 中.. 松 崎:慶. 応 医 学,. 50, 474, 1903.. 23). 松 下:東. 561,昭4.. 24) Loose:. Hyg.,. 15). 階 堂:国. 民 衛 生,. 8,. 21,. 717,昭6.. Hyg.,. 若 松:岡. Trop.. 3, Supple.. 11,. 2557,昭6.. 京 医 事 新 誌,. Zentralbl.. 2540,. 1645,昭2.. f. Bakt.,. 1,. Abt.,. 20,. 863, 1896.. 3, 420, 1923. Hyg.,. 1913.. 14). Amer. Jour. 1923.. 22). 441,昭8.. f. Schiffs-u. 1623,昭2.. 21). Woch.,. Jour.. 横 川:日. No. 2, 61,. 1921,. 784,明40.. 湾 医 学 会 雑 誌, 291,. 12) Augustine:. 19). 1393,大6.. 10). 55,. 9,. Amer.. 20) Cort et al.:. 7, 192,. 京 医 学 会 雑 誌, 6,. 373,昭17.. 57,昭7.. Paras.,. 日 新 医 学,. 13) Lurz:. 応 医 学,. 1923.. pHの. 6) Stiles:. 献. 16). 287,昭14. 4). 菜 病 発 生畑 地 土壌 中 に鉤 仔 虫が 多 い 場 合は,. 同 畑 地 に成 育 す る野 菜 に附 着す る鉤 仔 虫 も多 い.. 経 膚感 染 も早 朝 に 多 い事 は 当 然 とい わ ね ば な らな い. な お野 菜 の 種 類 に よ る鉤 仔 虫 の附 着 の 多寡 につ い. 菜 病発 生 畑 地 土壌 に於 て鉤 仔虫 は早 朝,日. 173,明40.. 17,. 25). 内藤. 26). 分 島.台. 湾 医 学 会 雑 誌, 32,. 27). 山 崎:実. 験 医 学 雑 誌,. 28) Ackert:. 東 京 医 事 新 誌,. Amer.. Jour.. 2580,. 19,. 1517,昭3. 1533,昭8.. 582,昭10.. Hyg.,. 3, 26,. 1923..
(6) 122. 小. Vertical. Migration. 武. Pattern. 守. of Hookworm Part. Inverstigations Found. on the. in the. Fields. 靖. Vertical Where. Larvae. in Soil. 3. Migration "Wakana. of Hookworm Disease". Larvae. Developed. By Yasushi Kotakernori Department of Internal Medicine, Okayama University Medical School (Director: Prof. Kiyoshi Hiraki) In the investigations carried out for the purpose of determining the vertical migration of hookworm larvae found in the soil of farms where "Wakana disease", the so-called younggreen disease occur and numbers of hookworm larvae which adhere to young green leaves in these farms, the following results have been obtained. 1) In the morning and the daytime, more hookworm larvae are found in deeper layers of the soil of the farm where the young green disease is known to occur. 2) In the case there are numerous hookworm larvae in the field where the young green disease is known to occur, naturally more hookworm larvae are found adhering to young leaves growing in the field..
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