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Academic year: 2022

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アミロイドジェニックリゾチームの品質管理と小胞 体ストレスに関する研究

著者 釜田 佳季

ファイル(説明) 博士論文全文

博士論文要旨(English) 博士論文要旨(日本語) 最終試験結果の要旨 論文審査の要旨 学位授与番号 17701甲連研第859号

URL http://hdl.handle.net/10232/26602

(2)

(学位第3号様式)

学 位 論 文 要 旨

氏 名

釜田 佳季

題 目

アミロイドジェニックリゾチームの品質管理と小胞体ストレスに関する研究 (Studies on quality control and ER stress of amyloidogenic lysozyme.)

異常タンパク質の蓄積により引き起こされる疾患は多い。アミロイドーシスは、異常タン パク質がアミロイド線維と呼ばれる線維状の凝集体を形成し、それが種々の臓器に蓄積して 引き起こされる疾患である。アルツハイマー病や、パーキンソン病、プリオン病などはアミ ロイド線維の蓄積が疾患の原因の一つと考えられている。ヒトリゾチームは、生体内に広く 存在する分泌性の抗菌タンパク質であるが、遺伝的な変異により全身性アミロイドーシスを 引き起こす。アミロイドーシスを引き起こす変異体には、I56T・F57I・W64R・D67Hが知 られており、これら変異体がリゾチームアミロイド線維を形成し、アミロイドーシスを引き 起こすと考えられている。ヒトリゾチーム変異体は、変異による構造的不安定化により、ア ミロイド線維を形成すると考えられているが、このような異常タンパク質が、細胞内で正常 にフォールディングし、分泌されるとは考えにくい。細胞内で正しくフォールディングでき ず凝集して、細胞に何らかの影響を与えるのではないか。そこで、ヒトリゾチーム変異体の 発現が細胞にどのような影響を与えるのか解析することを本研究の目的とした。

まず、4 つのヒトリゾチーム変異体(I56T・F57I・W64R・D67H)を野生型とともにヒ ト胎児腎臓細胞(HEK293)に発現させ、毒性および発現解析行った。生死判定の結果から 変異体の発現により、直ちに細胞死を引き起こすことはなかった。しかし、野生型が正常に 分泌されているのに対し、変異体は分泌量が少なく、細胞内の不溶性画分に多く存在してい た。また、免疫蛍光染色による観察から、ヒトリゾチーム変異体は小胞体で凝集・蓄積して いた。さらに、ヒトリゾチーム変異体の過剰発現により、小胞体ストレスによる unfolded protein response (UPR) が誘導されていた。UPRの活性化経路の中で特に、IRE1 経路の 下流のXBP-1s とGRP78/BiP の発現増加が引き起こされていた。また免疫蛍光染色の結果 から変異体は、GRP78/BiPとともに小胞体内で蓄積していた。

次に、UPR の誘導に関わる小胞体シャペロンタンパク質の GRP78/BiP とヒトリゾチー ムのどの領域が相互作用するのか解析した。上記のヒトリゾチーム変異体に加え、アミノ酸 欠損およびアミノ酸置換の変異体を作製した。そして、FLAG タグ付の GRP78/BiP と

HEK293に共発現させ、免疫沈降法を用いた相互作用解析を行った。I56Tなどの4つの変

異体はGRP78/BiP と強い相互作用を示したのに対し、N 末端欠損体(1-41欠損、1-51欠損) は、相互作用しなかった。また、N末端のα-ヘリックスに存在する一連のロイシンをそれぞ れアラニンに置換すると、I56Tなどの変異が存在しなくても、GRP78/BiP と相互作用した。

また、それらの変異体は分泌量も少なかった。

結論として、ヒトリゾチームのN末端はGRP78/BiP と相互作用するために非常に重要な 箇所であった。そして、ヒトリゾチームはここでGRP78/BiP と相互作用し正しくフォール ディングするが、変異体の場合、正しいフォールディングできずにGRP78/BiP と相互作用 したまま小胞体内で凝集する。その結果、小胞体ストレスを引き起こすと結論付けた。

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