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博士論文審査報告書

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Academic year: 2022

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早稲田大学大学院 創造理工学研究科

博士論文審査報告書

論 文 題 目

脳の論理構造モデルを用いた

運転意思決定のモデル化手法に関する研究 Development of the Driving Decision Making Model based on the Human Brain

Structure

申 請 者

佐久間 壮

Tsuyoshi SAKUMA

総合機械工学専攻 知能機械学研究

2019 年 2 月

(2)

1

( 1 ) 審 査 経 緯

博 士 論 文 審 査 の 経 緯 を 以 下 に 示 す .

・2 0 1 8 年 1 0 月 3 0 日 副 査 説 明 会 1

・2 0 1 8 年 11 月 1 日 副 査 説 明 会 2

・2 0 1 8 年 11 月 5 日 副 査 説 明 会 3

・2 0 1 8 年 11 月 2 2 日 予 備 審 査 会

・2 0 1 8 年 1 2 月 6 日 教 室 受 理 決 定

・2 0 1 8 年 1 2 月 以 降 個 別 に 博 士 論 文 読 み 合 わ せ

・2 0 1 8 年 1 2 月 2 0 日 創 造 理 工 学 研 究 科 運 営 委 員 会 受 理 決 定

・2 0 1 9 年 1 月 2 4 日 公 聴 会

・2 0 1 9 年 2 月 6 日 審 査 分 科 会

・2 0 1 9 年 2 月 2 5 日 研 究 科 運 営 委 員 会

( 2 ) 論 文 背 景 ・ 内 容 ・ 評 価

近 年 , 自 動 車 の 運 転 が 一 般 化 す る と と も に 高 齢 化 や 女 性 の 社 会 進 出 の 影 響 に よ り , 運 転 者 の 属 性 が 多 様 化 し 運 転 を 苦 手 と す る ド ラ イ バ ー が 自 動 車 を 運 転 す る 機 会 が 増 加 し て い る . そ の た め , 運 転 を 補 助 す る 様 々 な 運 転 支 援 技 術 が 開 発 さ れ , 自 動 車 に 搭 載 さ れ て い る . こ れ ら の 運 転 支 援 技 術 は , 従 来 ド ラ イ バ ー が 行 っ て い た 操 作 の 一 部 を 自 動 化 す る な ど し , ド ラ イ バ ー の 運 転 負 荷 を 低 減 す る よ う 制 御 を 行 っ て い る が , そ の 制 御 ア ル ゴ リ ズ ム が ド ラ イ バ ー の 意 図 す る 運 転 行 動 と 異 な っ て い る 場 合 な ど に , 違 和 感 や 不 快 感 を 与 え た り 危 険 を 感 じ さ せ た り な ど の 問 題 が 生 じ て い る . ま た , よ り 多 く の 操 作 を 自 動 化 し た 自 動 運 転 車 両 の 研 究 開 発 が 行 わ れ て い る が , こ れ ら の 車 両 の 実 証 実 験 に お い て , 他 の 手 動 運 転 の ド ラ イ バ ー の 運 転 行 動 を 予 測 で き ず に 事 故 を 起 こ す な ど の 問 題 も 発 生 し て い る . こ れ ら の 問 題 の 多 く は , 自 車 及 び 他 車 の 運 転 者 の 運 転 意 図 を シ ス テ ム が 理 解 で き な い こ と で , 運 転 者 の 意 図 と シ ス テ ム の 動 作 に 齟 齬 が 発 生 し て し ま う こ と が 原 因 で あ る と 考 え ら れ る .こ の 問 題 に 対 し , ド ラ イ バ ー の 運 転 意 図 を 解 明 す る た め 運 転 行 動 解 析 研 究 や 認 知 科 学 の 研 究 に 基 づ き , 様 々 な ド ラ イ バ ー モ デ ル が 提 案 さ れ て い る . 主 な 運 転 意 図 モ デ ル 化 手 法 と し て は , 前 方 注 視 点 モ デ ル な ど 数 学 モ デ ル を 用 い る 方 法 , デ ィ ー プ ニ ュ ー ラ ル ネ ッ ト な ど を 用 い た 教 師 あ り 学 習 に よ る 方 法 , 強 化 学 習 モ デ ル を 用 い た 方 法 な ど が あ る . 数 学 モ デ ル を 用 い る 方 法 で は , モ デ ル 化 の 対 象 と し た 運 転 シ ー ン に 対 し て の み 適 用 可 能 な モ デ ル と な る た め , シ ー ン ご と に 異 な る モ デ ル を 構 築 す る 必 要 が あ る . ま た , 多 数 の 他 者 が 関 連 す る 複 雑 な 運 転 シ ー ン で は パ ラ メ ー タ が 多 く 設 計 が 難 し い と い う 問 題 点 が あ る . 教 師 あ り 学 習 に よ る ド ラ イ バ ー モ デ ル で は , 周 囲 環 境 な ど の 入 力 と 出 力 と し て の 行 動 の 関 係 は 良 く 一 致 す る が , 行 動 選 択 の 過 程 は 自 律 的 に 構 築 さ れ て し ま う た め , 意 思 決 定 過 程 が ど の よ う な も の で あ る か を 解 析 す る こ と が で き な い .

(3)

2

こ の よ う な 背 景 の も と 本 論 文 で は , 人 が 脳 内 で 行 っ て い る 情 報 処 理 及 び 行 動 選 択 の 特 性 に 基 づ い た 脳 の 行 動 学 習 の 過 程 を モ デ ル 化 し た , 強 化 学 習 モ デ ル を 用 い た 運 転 意 思 決 定 モ デ ル を 提 案 し て い る . こ の 手 法 で は , 人 の 脳 の 構 造 及 び 脳 神 経 の 働 き に 基 づ い た モ デ ル と な る こ と か ら , 学 習 結 果 が 良 く 人 の 行 動 と 一 致 し て い れ ば , 学 習 後 の 状 態 空 間 と 価 値 関 数 を 用 い て 人 が ど の よ う な 認 知 判 断 に 基 づ い て 運 転 行 動 を 行 っ て い る か を 解 析 す る こ と が で き る . 特 に 本 論 文 で は , 運 転 時 の 意 思 決 定 構 造 を そ の 性 質 の 違 い か ら 3 つ の レ ベ ル に 分 類 し ,そ の う ち 下 位 2 つ に あ た る M A N E U V E R レ ベ ル と TA S K レ ベ ル に お け る 脳 の 使 用 部 位 及 び そ の 脳 活 動 に 関 す る 知 見 を 基 に , 各 レ ベ ル の 運 転 意 思 決 定 モ デ ル を 構 築 し て い る .車 両 挙 動 制 御 に 関 す る M A N E U V E R レ ベ ル の 意 思 決 定 モ デ ル で は , ド ラ イ ビ ン グ プ レ ジ ャ ー と 車 両 挙 動 の 関 係 か ら , 生 物 の 脳 内 に お け る ド ー パ ミ ン 分 泌 を 模 擬 で き る T D 学 習 モ デ ル を 連 続 空 間 系 に 拡 張 し た Va l u e - G r a d i e n t 法 を 用 い た 運 転 操 作 意 思 決 定 モ デ ル を 構 築 し , 実 際 の ド ラ イ バ ー の 運 転 習 熟 及 び 運 転 操 作 の 特 性 を 再 現 し て い る . ま た , モ デ ル 内 の ド ー パ ミ ン 分 泌 量 と 実 際 の 車 両 の ド ラ イ ビ ン グ プ レ ジ ャ ー 評 価 が 一 致 す る こ と か ら , 本 モ デ ル 内 部 の 解 析 に よ っ て ド ラ イ バ ー の 脳 内 状 態 も 解 析 で き る 可 能 性 を 示 し て い る . 運 転 タ ス ク の 選 択 と 実 行 に 関 す る TA S K レ ベ ル の 意 思 決 定 モ デ ル で は , タ ス ク 選 択 に 関 連 す る 大 脳 基 底 核 の 活 動 を 模 擬 で き る

A c t o r- C r i t i c 法 を 用 い た タ ス ク 選 択 意 思 決 定 モ デ ル を 構 築 し , ま た ド ラ イ バ

ー の 空 間 認 知 特 性 に 基 づ い た 学 習 状 態 空 間 を 構 成 す る こ と で , 実 際 の ド ラ イ バ ー の 車 線 変 更 タ ス ク 選 択 を 非 常 に 高 い レ ベ ル で 再 現 で き る こ と を 示 し て い る .

以 上 要 す る に , 本 論 文 は ド ラ イ バ ー の 意 思 決 定 に お け る 脳 内 で 行 っ て い る 情 報 処 理 及 び 行 動 選 択 の 特 性 に 着 目 し , 強 化 学 習 モ デ ル を 適 切 に 設 計 す る こ と で , 人 の 意 思 決 定 過 程 を 再 現 可 能 な モ デ ル を 提 案 し て い る . こ の 手 法 に よ り ド ラ イ バ ー の 意 思 決 定 モ デ ル を 構 築 す る こ と で ,1 )自 動 車 運 転 の 全 体 に お け る 意 思 決 定 過 程 の モ デ ル 化 ,2 )シ ー ン に 依 ら な い ド ラ イ バ ー の 意 思 決 定 過 程 の 再 現 ,3 )モ デ ル の 詳 細 分 析 に よ る 意 思 決 定 の 過 程 の 解 析 を 実 現 し て い る . ま た , 脳 内 分 泌 物 の 状 態 を パ ラ メ ー タ と し て 持 つ 強 化 学 習 モ デ ル を 採 用 す る こ と で ,4 )モ デ ル 内 の パ ラ メ ー タ 調 整 に よ る 個 人 差 の 表 現 も 可 能 で あ る こ と を 示 し て い る . こ の 研 究 成 果 は , 運 転 支 援 技 術 及 び 自 動 運 転 技 術 の 向 上 に 価 値 が あ る の み で な く , 人 の 意 思 決 定 過 程 の 解 明 に よ っ て , 今 後 発 展 が 見 込 ま れ る 人 と ロ ボ ッ ト の 共 存 環 境 に お い て , ロ ボ ッ ト が 人 を 知 る た め の 技 術 の 発 展 に も 大 き く 貢 献 す る も の で あ る . よ っ て , 本 論 文 は 博 士 ( 工 学 ) 早 稲 田 大 学 の 学 位 論 文 と し て 価 値 の あ る も の と 認 め る .

(4)

3

2019 年 2 月

審 査 員

主 査 早 稲 田 大 学 教 授 工 学 博 士 ( 早 稲 田 大 学 ) 菅 野 重 樹

早 稲 田 大 学 教 授 医 学 博 士 ( 東 京 女 子 医 科 大 学 )、

工 学 博 士 ( 早 稲 田 大 学 ) 梅 津 光 生

早 稲 田 大 学 教 授 博 士 ( 工 学 ) 早 稲 田 大 学 岩 田 浩 康

早 稲 田 大 学 名 誉 教 授 博 士 ( 工 学 ) 早 稲 田 大 学 藤 江 正 克

参照

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