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Academic year: 2021

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博士課程用(甲)

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(様式4)

学 位 論 文 の 内 容 の 要 旨

中里見 征央 印

(学位論文のタイトル)

Enhancement of HGF-induced tubulogenesis by endothelial cell-derived GDNF.

(HGFが誘導する近位尿細管上皮細胞の管腔構造形成は血管内皮細胞由来のGDNFにより促進する)

(学位論文の要旨)

【背景】

腎の発生において、尿細管の発生は不可欠な過程の一つである。尿細管上皮細胞が管腔構造を形 成することで尿細管は発生する。また、尿細管は障害を受けて脱落しても再生する能力を有してい る。この尿細管の再生の過程で、発生に関連する遺伝子の再活性化が認められており、尿細管の発 生と同様のメカニズムが尿細管再生時にも起こっていると推測される。

尿細管の発生・再生は間質細胞や骨髄由来細胞など様々な細胞との相互作用により調整されてい ると考えられている。また、多くの臓器において血管内皮細胞が周囲の細胞の成長や分化を調整す る因子を分泌していることが報告されている。腎尿細管も解剖学的に血管内皮細胞と隣接している ことから、血管内皮細胞由来の因子が尿細管の発生・再生を調整している可能性があるが、これら の細胞の相互作用の詳細は不明である。

【目的】

本研究では、血管内皮細胞由来因子が尿細管の管腔構造形成を調整する可能性に関して、ヒトの 尿細管発生を部分的に再現したin vitroでの3次元ゲル培養モデルにより検証した。

【方法】

ヒト近位尿細管上皮細胞(renal proximal tubule epithelial cells : RPTEC)とヒト臍帯静脈内 皮細胞(human umbilical vein endothelial cells : HUVEC)を3次元ゲル培養モデルを用いて共培 養し、RPTECの管腔構造形成に関して解析した。また、リン酸化受容体型チロシンキナーゼ抗体ア レイを用いてHUVEC由来の管腔形成増強因子の同定を試みた。

【結果】

hepatocyte growth factor(HGF)の存在下でRPTECを基底膜の構成成分であるマトリゲル(Ⅳ型コ ラーゲン及びlamininを含有)とⅠ型コラーゲンを混合したゲルで3次元培養すると管腔構造が形成 された。本モデルで形成された管腔構造の内腔にはアクアポリン(AQP)1の発現を認め、AQP1は尿細 管内腔の基底膜に限局して発現する蛋白であることから、生体内の腎尿細管と類似した性質の管腔 構造をRPTECが形成したと考えられた。

HGFにより誘導されるRPTECの管腔構造形成はHUVECと共培養することで著明に促進した。また、H UVEC培養上清を用いてRPTECを培養しても、同様の促進効果が確認された。しかしながら、HGF非存

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博士課程用(甲)

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在下でHUVECとRPTECの共培養を行なっても、管腔構造は形成されなかった。以上の結果より、HGF はRPTECの管腔形成において必須の因子であり、HUVEC由来の増殖因子がHGFによる管腔形成を更に 促進すると考えられた。

HUVEC由来の管腔形成増強因子を同定するためにリン酸化受容体型チロシンキナーゼ抗体アレイ を行なった結果、HUVEC培養上清で培養したRPTECの管腔構造ではコントロール群と比較してRetの リン酸化の亢進を認めた。Retはglial cell derived factor(GDNF)の受容体であり、RPTECでのRet および共受容体であるGDNF family receptor alpha1(GFRα1)の発現が認められた。HUVECでのGDNF 産生も認め、GDNFの投与によりHGFが誘導するRPTECの管腔形成は促進した。

興味深い結果として、GDNFはHGFの受容体であるMetのリン酸化も誘導した。

【考察】

本研究の結果より、血管内皮細胞由来のGDNFが、HGFによるRPTECの管腔形成を促進し、腎障害後 の尿細管再生における上皮細胞と血管内皮細胞の相互作用において重要な役割を果たしている可能 性が示唆された。

参照

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