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Citation 沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL OF LAW & ECONOMICS(12): 55-89

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(1)

Author(s) 沖縄大学地域研究所沖縄の法班; 新城, 将孝; 前泊, 博盛;

小西, 吉呂; 川﨑, 和治; 春田, 吉備彦

Citation 沖縄大学法経学部紀要 = Okinawa University JOURNAL OF LAW & ECONOMICS(12): 55-89

Issue Date 2009-03-31

URL http://hdl.handle.net/20.500.12001/5996

Rights 沖縄大学法経学部

(2)

沖縄大学法経学部紀要 第12

「 働 くということ 」 を、 まじめに、考えてみると

沖縄大学法経学部准教授 春 田 吉備彦

1.フ リーター、ニー ト、 「キセツ」労働、 日雇 い派遣、 ヒックス、歩合 ライダー

バ ブル経済崩壊後、 「正社員」 の数が削減 され、 「非正規社員」 1の数が増加 しているO とりわ け、

若者が このよ うな社会状況の割 を食 ってお り、若者 を中心 に働 いて も豊か さと縁遠 い非正規社員が 増加 している20 フ リー ター (フリー ・アルバイ ターの略称)、ニー ト(NotinEducation,Employ‑

ment,orTraining)、 「キセ ツ」労働、 といった存在 も、か よ うな不安定雇用 の拡大 といった社会 的状況か ら理解 され る。最近では、「日雇 い派遣」に従事 し十分な収入がな く家賃負担 に耐 え切れず 漫画喫茶やネ ッ ト ・カフェを泊 ま り歩 く若者 の存在3が、大 きな社会 問題 にな って いる ことは、 こ の ことのひ とつの証拠である4。沖縄 の若者は 「沖縄」でお金 を稼 ぐよ りは、 「内地」でお金 を稼 ぐ ほうが割がいいということもあ り、 しば しば 「キセツ」労働 に向か う0

ある文献 を引用 しなが ら、故郷 を離れ、 「キセツ」労働 に従事 して いる若者の実態 を見てみよ う。

「27歳のA男 さんは、いま、静岡県 にある東証1部上場 メーカーの工場で、派遣社員 として働 いて いる。工場では、午前8時か ら午後8時 まで、生産 ライ ンで運ばれて くる製品をひたす ら仕分けす る作業が続 く

。2 0

キ ロ以上のもの もあって、腰 にず っしりと負担がかかる。体が痛 くて仕事ができ ないときす らあるが、 じっと我慢す る しかない、 と自分 に言 い聞かせている

24万円の月給か ら、

所得税や社会保険料が天引きされ る。 さ らに、 さまざまな費用が人材サー ビス会社 によって徴収 さ れる。 アパー トの家賃や水道光熱費だけで5万 円以上.工場で食べる昼の弁 当代や、細かな ところ では部屋 に備え付けの布団代 も引かれ る。工場が冬休みで仕事が減 るときは、給料 も数万 円は下が る。貯金はゼ ロで、給料 日前は食費がな く人材会社か らの前借 りで しの ぐ生活だ。 自宅近 くの居酒 屋でたまに飲むのが唯一の息抜 き。派遣社員 の同僚 に声 をかけて も 『お金がないか ら』 と断 られ る

ことも多 く、 『みんな苦労 しているんだな』 と実感す る‑」5。

ヒックス‑HIKS (HalflncomewithKidS)6とは、 「年収が半分 にな った夫婦」 を指す言葉で ある。多 くの場合、かよ うな夫婦は二人 とも正社員でない働 き方 を している ことが多 い。例 えば、

小学生の こどもを抱えなが ら、夫婦で、 2ケ月や3ケ月な どの短期契約 によって、東京、名古屋、

群馬 というよ うに勤務場所 をかえなが ら、仕事 をつなぎなが ら、日本 中を漂流す る 「社会階層」が、

すでに 日本にも存在す る。 もちろん、小学生の こどもは小学校 を転々 としなければな らない ことは いうまで もない。

さ らには、 もともと、会社 に雇われていたバイ ク便 ライ ダー7を業務委託契約 とい う法形式で働 く、個人事業主 に切 り替えて、雇用契約か ら排除 してい く (時給 ライダーか ら歩合 ライダーへ) と いう動 きもある。

2.労働の ジャス ト ・イン .タイム化 と非正規雇用の増加

「雇用の不安定化 (プレカ リザ シオ ン化)」 といった 「働 き方の変化」 の根底 には、世界、沖縄、

(3)

日本 といった、大きな視点か ら見ていくと、 いったい、何がお こっているのだろうか

。1 9 8 9

年11月 の 「ベル リンの壁」崩壊 を機 に、東欧社会主義諸国が資本主義諸国に仲間入 りし、 ソビエ ト社会主 義連邦共和国が ロシア連邦へ移行することで、世界経済は統一市場 として急速 に一体化 した。中華 人民共和国 (中国) も社会主義国 とはいえ、世界経済で 目覚 しい力を発揮 していることは、周知の 事実である。東アジアに目を向けると、労働集約的産業は、中国、ベ トナムに、資本集約的産業は、

シンガポール、マ レー シアな どに移動 している。

グローバ リゼーシ ョン (市場経済化)およびIT化 (情報革命化)が進行することによ り、工業 製品やその部品、サー ビス、情報、賃金が、 コス ト削減 と効率化 を求めて国境を越え頻繁に移動 し ている。工業部品をブロックのように組み立てる 「モジュール化」 8の進行 によって、企業が新たな 産業 に新規参入する場合の障壁は低 くなっているO経済のグローバル化 に伴い、業務の国内外の企 業への業務委託 (アウ トソーシング)や海外移転 (オフショア リング)が進行 し、世界規模でコス ト競争が起 こっている9。高付加価値 をつけることが可能な先端技術 をもつ企業や製造業は 日本国 内にとどま り、それ以外のものは海外 に移転する。沖縄は、サー ビス産業化社会であるとか、労働 集約型社会であるとか、いわれるが、 このことは、沖縄だけの特徴 というわけでない0 日本全体 に

目を向けても、鉄鋼や電気な どの重厚長大産業か らサー ビス産業 に、軸足が移 りつつある。

世界各国の企業は世界市場 を舞台に優勝劣敗を決する俄烈な競争に突入 している。勝負に負けれ ば、雇用や事業 もろとも売却 されるか、企業そのものが市場か ら退場する しかない。企業には、少 しでも安 くて良質な商品を供給することが要請される。 このことが、「必要な物を、必要な時に、必 要なだけ適切 に生産する」 という 「商品のジャス ト・イ ン ・タイム化」 によって もた らされる限 り、

消費者にとって喜ば しいことである。 しか しなが ら、 このことが、正規雇用 を非正規雇用に切 り替 えるこ 0で、 コス ト削減 を模索す るという 「労働のジャス ト・イ ン ・タイム化」によって もた ら される場合、消費者 ‑労働者にとって、悲 しむべきことである。企業が経済合理性 を追求すること は、法的規制がなされない限 り、何 ら責め られることではない。根源的な問題は、かような社会的 状況に対 して、「公正」な社会ではないと考え、法的規制を行った り、法的規制の見直 しを行った り するのか、それ とも、いまだ 「労働市場」 には過度な規制が存在 し、労使間の取引の自由が阻害さ れているため、 さらなる規制緩和や規制の撤廃がなされるべきであるのか, という点である。

かよ うな問題 に対 して

、1 9 9 0

年代のバブル経済の崩壊 とその後の長期 にわたる日本経済の不況 と いった状況 に直面 した 日本は、後者の立場に立ちなが ら様々な労働法制改革を行ってきた。その噂 矢は

、1 9 9 5

年の 日経連 (現 日本経団連)が発表 した 『新時代の 「日本的経営

』であった。それに基 づけば、正社員 を中心 に構成 されてきた企業組織 を、(∋少数の企業経営の基幹を担 う 「長期蓄積能 力活用型」、(参専門的な知識や経験 を活かす 「専門能力活用型」、(彰定型業務 を中心に担わせる 「雇 用柔軟型」,の3つに分けた うえで、雇用のポー トフォリア戦略を提言 した。そ して、この戦略が求 めたように、(丑の正社員の数が減少 し、(参および(勤の非正規社員が増大 しているということは、前 述 した。その意味では、労働者の 「働き方が多様化」 し、労働者の選択肢が増えた という側面よ り

も、企業の 「働かせ方が多様化」 した といえる。

かよ うな労働市場流動化 に最 も大 きなイ ンパ ク トを与えたのが、労働者派遣法の規制緩和であ る

.1 9

86年、専門性のある

1 3

業務 に限って、派遣 を認める労働者派遣法が施行 された

。1

9舗年、派 遣の対象業務は26業務 に拡大 された。2∝旭年、製造業 も含めた派遣の原則 自由化がなされ、派遣期

‑ 84‑

(4)

沖縄大学法経学部紀要 第12

間の上限は原則1年か ら3年に拡大 された。2007年、製造業の派遣期間 も1年か ら3年 に拡大 され た。かよ うな労働者派遣法における規制緩和が、「非正規雇用 の増大」と 「労働市場の弾力化」に拍 車をかけた。

ところで、正社員ではない働き方である、非正規社員については、派遣契約 を含 めて、 じつ に多 様な名称や呼び名があるが、 これ らに共通す る ことがある。それは非正規社員は有期の労働契約 を 締結 している者であるということである。そ して、 もっ とも極端な場合 には、半 日単位で、最長で も3年 までの有期契約 を、企業 と労働者は 自由に設定す る ことがで きるということになる。企業は

「多様な有期労働者」 を活用 し、柔軟 に雇用調整 を行 うことが可能 となる。その意味では、有期契 約は、「細切れの雇用」が前提であ り、 「必要な労働力を、必要な時 に、必要なだけ適切 に調達す る」

ための、企業経営 にとっては、使 い勝手のいい、な くてはな らない 「労働 力」である。そ して、規 制緩和 によって、登場 した究極 の 「フレキシブルな雇用」が 「日雇 い派遣」であった。

3.労働法的規制は、 「過度な規制」なのか。

労働法的規制は、「過度な規制」なのか。結論か ら述べ ると、過度な規制である と考 える考 え方が、

有力に主張 されている。企業 にとって、正社員 をクビにす るのは、容易ではな い。かわ りに、「雇用 の便利な調整弁」 として多様な有期労働者のメニ ュー を法的 に増や して きたのが、今 の沖縄や 日本 の現実である。例えば、「労働者保護 の色彩が強 い現在の労働法制は、逆 に、企業の正規雇用 を敬遠 させ、‑非正規雇用の増大、・・・パー ト労働者等 の雇用 の増大 につながって いる」 あるいは 「生涯一 企業で働 くことを前提 とした労働法制 ・社会保障制度等 を抜本的 に見直 し、流動性 の高い労働市場 を構築 して初めて、働 き方 を変 えたいと思 う個 々人が、意欲や努力によ り働 き方 を変 える ことがで きる機会のある、全ての人々にとって再チ ャレンジが可能な社会 となる11といわれた ら、みな さん は、その通 りだ と、 同意す るだろうか。

もう少 し、身近な事例で、 この ことを考 えていきたい。2008年度 の沖縄大学 の 「労働関係法」 の 授業の中で、受講生に以下のよ うな質問 を した。 「離島出身者で那覇 に下宿 を して いる沖大の学生 が、居酒屋でアルバイ トを していた ところ、その居酒屋は夕食 を必ず出 して くれ ることか ら、その 学生は大変喜んでいた。 月末のアルバイ ト料 を計算 してみ る と時給550円で あったが、学生はいつ もお世話 になっているか ら、まあ、いいか と考 えた」と。「この場合、あなたは、この学生 にどのよ う なア ドバイスをしますか」と尋ねた ところ、2つの意見が聞かれた。ひ とつは、「お互 いが納得 して いるか らそれでいいのではないのか」 というものであった。 もうひ とつは、 「沖縄県 の最低賃金法12

に違反 しているか ら、それは認め られない」 というものであった。

最低賃金法によれば、使用者は、最低賃金 の適用 を受 ける労働者 に対 し、その最低賃金額以上の 貸金を支払わなければな らないし(5条1項)、これ に違反すれば 1万 円以下の罰金 に処 され る こと になる (44条).た しか に、法的には、そ うなっているが、労働者が 「わた しが決めた ことに、何で 干渉するのよ。そんなの関係ね‑」 と開き直 られた ら、 どのよ うに説明で きるだろうかo

同様な問題 として、つぎのよ うな問題 も指摘できる。労働基準法

3 2

2

項 によれば、使用者は、

労働者に1日8時間を超えて、労働 させてはな らない、と定めて いる。それでは、労働者 の方か ら、

「わた しは、今月は、お金がいるか ら, 1日10時間、働きたい。わた しが働 きた いといっているの に、なんで、あんたが 口だ しす るのよ」といわれた らどうだろ うか。労働基準法13条は、「この法律

(5)

で定める基準 に達 しない労働条件は,その部分については無効 とする」 とし、さらに 「この場合に おいて、無効 となった部分は、 この法律で定める基準による」 と規定 していることか ら、法的には 説明できる。か りに、労使 当事者が労働契約上10時間の労働時間を合意 した としても、労働基準法 の規制によって、その契約は、一旦、 0時間 とな り、その 0時間に対 して、労働基準法32条の定め る8時間が取って代わるということになる。 したがって、か りに、労働者がかように主張 したとし て も、その労働時間は、 8時間 ということにな る13。た しかに、法的には、そ うなっているが、労 働者が 「わた しが決めた ことに、何で干渉するのよ。そんなの関係ね‑」 と開き直った ら、さらに どのように説得できるだろうか。法的説明か らすると、かような労働者の自己決定 も、認め られな いということになる。 しか し、法的な説明 とは別 に、なぜ、労働基準法は このように考えているの か という根本的な問題 に対する説明を行 う必要がある。

労働基準法 も含めて労働法は、社会保障法や教育法 と同様 に、社会権 にかかわる法分野を取 り扱 う社会法の一分野である。その特徴は、民法‑市民法の原理である 「契約 自由の原則」や私法上の

「労使 当事者の合意」 を、法的規制によって修正する機能 を有 しているという点であるO換言すれ ば、労働法は,憲法25条のいう 「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活 を営む権利を有す る」 (生存権)をその根拠 として、個人の自由を超える問題 を扱 う 「社会」という領域で、自由の基 盤を社会の連帯で守 る20世紀的福祉国家的考え方 をその基本 としている。

しか しなが ら、現在、労働法に向けて、労働法的規制によって、労働者一人ひとりの働き方を、

画一的 に規制す る ことは、時代遅れでかつ過度な規制である という批判がある。かような主張 に は、労使関係 という市場に、人為的に介入 をするのではな く、基本的に、働き方の選択は、労働市 場 としての自立的メカニズム、労働者個人の自立に委ね るべきであ り、その結果 については、 自己 責任 として個人が責任 を負 うべきであるという、ネオ リベラリズム (新 自由主義)的思想が根底に ある。 この立場に立てば、労働市場への 「国家」 による積極的な介入策は、労働市場本来の機能を 撹乱 し,経済的、社会的効率 を損な うことになろう。か りに、労働者はすでに使用者に対 して自己 主張をでき、市場 を自由に渡 り歩 くことができる 「自立 した労働者」 となっていると見ることがで きれば、労働法は労働者 と使用者 との間の取引をサポー トする法 システムに組み替え られるべきで あるといえるか もしれないC

しか しなが ら、「自立 した労働者」という存在は、労働者の中で も、ほんの一握 りにしかすぎない。

その部分 にのみ、焦点 をあてて、労働法的規制を構築するのは適切ではない。正規社員でない‑ フ リーター、 「キセツ」労働、日雇い派遣、ヒックス、歩合 ライダーー といった多様な働き方に、労働 法的規制がキ ャッチ ・アップできていないことが、 ワーキング ・プアといった社会現象や 「豊かな 国の新たなる貧困」 といった問題を生み出 している。沖縄は、かような問題の最先端の地域 といえ るか もしれない。

(付記) 2008年10月の本稿執筆時点では,労働法的規制に対 して、よ り規制緩和 を求める意見が践 雇 していた。 しか しなが ら、その後、発生 した米国発の世界的な金融危機 によ り世界的な経済危機 や景気減退感が鮮明になってお り、 このことを受けて、 日本全国の自動車産業や電器産業な どの製 造業で働 いていた派遣労働者が仕事 と住居 を失い、漂流する事態が、衆 目を集めた。かような社会 的現実 を受けて、例えば規制緩和 によって、登場 した究極の 「フレキシブルな雇用」 としての 「日

‑ 86‑

(6)

沖縄大学法経学部紀要 第12

雇 い派遣」 の原則禁止に向けた議論 に代表 され るよ うに、労働法的規制の強化 の見直 しが、再び、

議論の遡上にあが りつつある ことを指摘 しておきたい。

1 非正規社員 とは、パー ト、 アルバイ ト、準契約社員、契約社員、派遣社員等、多様 な呼び方 を されているが、正社員でない者であるという点は一致す る。 かよ うな働 き方 の根拠 となる規定 は、労働基準法14条である。そ こでは,「有期契約の上限は3年」とされて いる。例 えば、スー パーマーケ ッ トで働 くパー トの契約期間が2ケ月であ り、その契約 を反復更新 して いる という 事例はよ く見かけるであろう。

2

桐野夏生 『メタボ ラ

』( 2 0 0 7

年、朝 日新聞社)では、 「何か」 を求めて思 い思 いに沖縄 に集 まっ て くる、「自分探 し」にたゆた う若者や定職 になかなか就 けず所属で きる共同体 を模索す る若者 とそれ を取 り巻 くや り場のない孤独な魂 の紡径や、若者 を取 り巻 く今の時代 の倦怠感な どにつ き、興味深 い描写がなされている。

3 生田武志 『ルポ最底辺一不安定就労 と野宿』 (2007年、筑摩書房)199頁。

4 「日雇 い派遣」‑ 「デ ジハケ (デ ジタル)派遣」 とは、携帯電話や メールで働 き手 を集め、派遣 先に労働者を送 る働かせ方の ことをいう。

5 朝 日新聞 「ロス トジェネ レー シ ョン」取材班 『ロス トジェネ レー ション さまよえる2CXX)万人』

(2007年、朝 日新聞社)15頁。

6 野 口やよい 「いま、若 い夫婦 を経済危機が襲 う」 ビックイ シュー 日本版39号 (2005年)14頁。

7 阿部真大 『搾取 され る若者一 バイ ク便 ライダーは見た !』(2(Xお年、集英社)。バイ ク便 ライダー とはバイクを趣味 にしている人たちで ある。それでは、好 きで好 きで しょうがない ことを職業 として考え、それ を選択 し 「や りたいこと」 を仕事 に した若者は、はた して、幸せ といえるの か。 「や りたいこと」を仕事 に して、それ に投入 して いく 「ワーカホ リック (仕事 中毒)」 が不安 定就労や歩合給 と結びついた ときに、心身の健康や正常な家庭生活 をも犠牲 にす るほ どの長時 間労働 に投入 して しまう、新たな 「働きす ぎ」 の問題が生 じている。本 田由紀 『乱む社会 教 育 ・仕事 ・若者の現在』 (2008年、双風舎)59頁では、 この間題 を季む働 き方 として、好 きなバ イクにいつ も乗れ ることか ら仕事 にのめ りこむバイ ク便 ライダー、高齢者の笑顔 を引き出すた めに自分 をす り減 らす介護 ワーカー、裁量や工夫 によって店 の売 り上げを伸ばすため休みな く 働 くコンビニ店長、「お客様 に最高の時間を」というス ローガンを唱和 してサー ビス に打 ち込む 居酒屋店員 といった事例が、かよ うな働 き方 の一例 として、 あげ られてお り、示唆的である。

8 モジュール化 の概念 につ いては、青木 昌彦 ・安藤晴彦 『モジュール化 新 しい産業 アーキテ ク チ ャの本質』(2(刀3年、東洋経済新報社)参照。 モ ジュール化 とは、工学な どにおける設計上の 概念の ことで、 いくつかの部品的機能を集める ことによ り、 まとま りのある機能 をもった部品 として設計する ことをい う。例 えば、パ ソコン業界は、性能がよ く安 いモ ジュール を世界中か ら調達 し、組み立てていくビジネスに特化 されて いる。

9 スザ ンヌ・バーガー 『M ITチームの調査研究 によるグローバル企業 の成功戦略』 (2CKX;年、草 思社) において、 グローバル経済 にお いて、成功す る企業 と失敗す る企業 についての企業戦略 について、詳細な分析がな されているO

(7)

1

0 正社員は非正規社員 と比べると、企業か らみる と雇用 にコス トがかかる ことになるが、労働者 か ら見 ると、手厚 い身分保障がな されている。労働法および社会保障法の観点か らは、以下の よ うな正社員のメ リッ トが指摘 され る。(D 「解雇は、客観的 に合理的な理 由を欠 き、社会通念 上相 当である と認め られない場合は、その権利 を濫用 した もの として、無効 とす る」(労働契約 法6粂) とい う解雇権濫用法理の適用がある。(診ボーナス、退職金、家族手 当、住宅手当、社 宅、社員寮 といった基本給以外の様 々な、付加的給付や福利厚生給付がな され ることが、一般 的である。③被保険者が 「療養の為」に 「労務 に服す る ことができないとき」に 「傷病手 当金」

が支給 され る (健康保険法99粂)。傷病手当金は、労務不能 の 日によ り起算 して第4日目か ら支 給 され る (同条1項)oそ して、支給 開始 日よ り1年6か月をもって限度 とされてお り(同条2 項)、傷病手 当金 として支給 される額は、 1日につき標準報酬 日額 (健康保険法40条)の100分 の60となって いる。

11 平成

1 9

年5月

2 1

日規制改革会議再チ ャレンジワーキ ンググルー プ労働 タクス フォース 「脱格差 と活 力をもた らす労働市場へ〜労働法制の抜本的見直 しを〜」 1頁。

1 2 2 ( X

侶年10月

3 1

日時点での、沖縄県 の最低賃金は時間給

6 2 7

円である。

1 3

さ らに、労働基準法違反 ということで、使用者は

、6

箇月以下の懲役 または30万円以下の罰金 に処 され ることになる (労働基準法119条)。

‑88‑

参照

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