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4)工業ゾーンまちづくり方針
(1)まちづくりの基本目標
工業ゾーンは、若潮通り、都市計画道路 3・3・5 号(富士見港線)、都市計画道路 3・3・9 号(舞
浜鉄鋼通り線)などで区切られる、鉄鋼通り・港・千鳥で構成されるゾーンです。
第1期埋立地の鉄鋼通り地区は、東京都鉄鋼取引改善連合会の鋼材業者が都内より集団移転し、
昭和 44 年に完成した地区です。第2期埋立地の港・千鳥地区は、当初鉄鋼流通基地の建設を目
的に埋立て造成がなされましたが、その後の経済状況の変化などにより土地利用を「流通・加工・
業務」に見直しました。
現在、浦安鉄鋼団地(鉄鋼通り・港地区の一部)では、約 270 事業者が操業し、日本最大の機
能を誇る鉄鋼流通基地であり、約 4,200 人が就労しています※。また、港・千鳥地区では、倉庫・
流通・加工・業務などのほか、元町地域の住工混在の解消のため移転してきた工場も立地、操業
しています。また、工場や事務所の良好な操業環境を守るため、平成 16 年に特別用途地区、平
成 18 年に地区計画が定められています。
また、浦安マリーナ、ごみ処理施設(クリーンセンター)、し尿処理施設、リサイクルプラザ
(ビーナスプラザ)に加え、最近では、斎場、浦安市ワークステーションも開設し、各種都市施
設の整備が進んでいます。
東日本大震災では液状化に伴う地盤沈下や噴出土砂により、建物の沈下・傾斜、道路や下水道
などの損傷、護岸の沈下・損傷などの被害が発生しました。
上記を踏まえた上で、今後の工業ゾーンのまちづくり・まち育てを進めるためにあたり、基本
とすべき目標を以下に定めます。
●基本目標:水とみどりに囲まれた魅力ある工業ゾーンを形成する
・・・現在の土地利用である鉄鋼流通を中心とした流通・加工・業務機能の集積を維持するとと
もに、水際線の整備を図り、水とみどりに囲まれた魅力ある工業ゾーンを形成します。
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2)目標1:良好な操業環境の維持と産業を支えるための連携
工業ゾーンは、概ね都市基盤の整備は完了しており、流通・加工・業務機能の集積地として、
浦安市の産業の中核となる工業地区を形成しています。この良好な操業環境を維持するため、特
別用途地区の指定により、住宅立地の排除を行いました。さらに、鉄鋼通り・港の一部の地区で
は、鐵鋼団地協同組合と連携しながら、地区計画を決定し、商業施設立地の排除など、用途や敷
地面積の最低限度の制限を行いました。
これらを踏まえ、今後も引き続き、鉄鋼流通を中心とした流通・加工・業務機能を充実・振興
するため、周辺環境との調和を図りながら、良好な操業環境の維持を図ります。また、地域連携
機能の強化や産官学連携事業の推進など、事業者・経済団体・大学などとの連携を図ります。
(3)目標2:安全かつ周辺市街地に配慮した道路環境の改善
現在、工業ゾーンに出入りする大型トラックなどが住宅地に流入することが課題となっていま
す。大型トラックの交通を分離し、住宅地への流入を抑制するため、都市計画道路 3・1・7 号(明
海鉄鋼通り線)と若潮通りを結ぶ交通動線を整備します。また、都市計画道路 3・3・5 号(富士見
港線)での街路樹の整備や、関係機関と連携した違法駐車の減少に努めるなど、地域内の道路環
境の改善に取り組みます。
また、緊急輸送道路である都市計画道路 3・3・9 号(舞浜鉄鋼通り線)の幹線道路については、
緊急車両の通行を確保するため、液状化対策に取り組みます。
市が管理する下水道施設(汚水)の流下機能を確保するため、重要な管路など、それぞれに求
められる性能を満たすよう耐震対策などに取り組みます。
第二東京湾岸道路については、引き続き将来の整備に向け、関係機関と協議を行います。また、
整備されるまでの間、暫定的な整備を促進するとともに、関係機関との調整を踏まえ、未利用と
なっている道路用地の有効活用を図ります。
(4)目標3:海を身近に感じ気軽に楽しめる水際線の創造
海岸沿いでは、護岸の機能を保全するとともに、海への眺望を意識しつつ、海に可能な限り接
近できる空間、水辺を視認できる空間の確保・整備を目指します。(仮称)臨海公園では、水際
線に面した立地を活かし、海への眺望を意識しつつ、周辺の緑地とともに水辺を視認できる空間
の確保・整備を目指します。
また、浦安マリーナとその周辺では、千葉県や事業者と連携し、企業岸壁の対応について検討
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(5)目標4:みどり豊かでうるおいある環境形成の推進
工業ゾーンでは、工業地内の緑地や周辺環境に配慮した緑化を促進するため、緑化協定により
確保された緑地におけるみどりの維持・増進を図るほか、協定が締結されていない工場や事業所
においても、道路に面する緑化の推進を図り、みどり豊かでうるおいある景観形成を目指します。
また、住宅地に面する地区は、敷地外周部の緑化や施設の修景などにより、周辺の住宅地などの
環境となじむ工業地の景観形成を誘導します。
港・千鳥地区の海岸沿いの緑地では、液状化の際に発生した噴出土砂などを利用して、二酸化
炭素(CO2)削減に寄与し、津波・高潮被害の軽減効果もある浦安絆の森を整備し、都市の生活環
境を守るとともに緑化の推進を図ります。
道路周辺や駐車場などにおける緑化や、企業活動に起因する CO2の削減など、環境負荷の軽減
を目指します。広大な敷地や倉庫などを活かした災害時における緊急物資の保管や仕分けなど、