平成27年度九州管内における電気事故について
「電気」は身近で便利なエネルギーながら、感電、火災などの事故を引き起こす危険性を有し
ており、その取扱いには十分に注意する必要があります。また、電気の利用方法が高度化した
現代社会においては、波及事故による停電の影響はより一層大きくなってきています。残念な
がら、電気設備の保安に携わっている方々の努力にも係わらず、電気事故は毎年発生していま
す。
このため、電気事故の実態をお知らせすることで、電気事故の未然防止に役立てていただく
ために、電気事業法第106条(電気関係報告規則第3条)の規定に基づき、平成27年度に九
州産業保安監督部に報告のあった電気事故の概要を取りまとめました。
九州管内では、平成27年度(平成27年4月から平成28年3月まで)に44件の電気事
故が発生しました。前年度の73件と比較すると29件減少しています。
種類別にみると(第1表参照)、感電死傷事故及び感電以外の死傷事故(アークによる火傷
等)は14件発生し、前年度に比べ6件減少しました。自家用、電気事業用の別では、自家用
電気工作物が9件減少の8件、電気事業用電気工作物は3件増加の6件発生しましたが、死亡
事故は0件から3件増加して3件発生しました。
電気火災事故は、発生しませんでした。
主要電気工作物の破損事故は10件発生し、前年度の26件と比較すると16件減少しまし
た。詳しく見ると、自家用電気工作物では15件減少し8件、電気事業用電気工作物では1件
減少し2件となりました。特に、風力発電所は2件と前年度14件から大きく減少しました。
自家用電気工作物による波及事故は、18件発生し、前年度の27件と比較すると9件の減
少となり、全体の事故件数の約4割を占めています。
社会的に影響を及ぼした事故として、自家用及び電気事業用でそれぞれ1件発生しました。
第1表 平成27年度電気工作物の種類別事故件数
区分
種類
電気事業の
用に供する
電気工作物
自 家 用
電気工作物
計
感電死傷
5 (
2 )
7 (
15 )
12 (
17 )
感電以外死傷
1 (
1 )
1 (
2 )
2 (
3 )
電気火災
0 (
0 )
0 (
0 )
0 (
0 )
破 損
2 (
3 )
8 (
23 )
10 (
26 )
供給支障
0 (
0 )
-
0 (
0 )
波 及
-
18 (
27 )
18 (
27 )
異常放流
0 (
0 )
0 (
0 )
0 (
0 )
社会的影響
1 (
0 )
1 (
0 )
2 (
0 )
計
9 (
6 )
35 (
67 )
44 (
73 )
(注)( )内は前年度の件数
1.感電死傷事故
感電死傷事故は12件発生し、前年度と比較すると5件減少しました。また、感電死亡事故は、九州管内
では平成24年度以降3年連続で発生していませんでしたが、27年度3件発生しました。感電負傷者数は
9名であり、前年度の17名と比較すると8名の減少となり、過去10年間の推移を見ると昨年に次いで多
く発生(22年度も同数)しています。(第1図参照)
第1図 自家用・電気事業用電気工作物における感電死傷者数の推移(死亡、負傷別)
発生時期を見ると、5月に1件、7~8月にそれぞれ3件、9月に2件、10月に1件、1月に2件発生
しています。過去10年間における感電死傷事故の月別発生件数を見ると、夏場の8月に事故が多い傾向が
見受けられます。高温多湿で発汗しやすい環境にあることがその原因と考えられます。(第2図参照)
第2図 自家用・電気事業用電気工作物における感電死傷事故の月別発生件数(過去1 0 年)
(1) 自家用電気工作物における感電死傷事故の発生状況
自家用電気工作物における感電死傷事故は7件(死亡2名、負傷5名)発生しました。前年度と比較する
と、件数は8件減少し、死傷者数も8名減少しました。(第3図参照)
そのうち、作業者による感電死傷事故は4件(死亡1名、負傷3名)発生し、公衆による感電死傷事故は
3件(死亡1名、負傷2名)発生しました(第3図参照)。
作業者の感電死傷事故を見ると、「年次点検において、被災者が高圧受電裏側のアクリルパネルを外す際
に左人差し指が高圧ケーブル端子充電部に接触し感電した」という「作業方法不良」が1件、「冷凍機の更
新作業を行っていた請負業者が、充電中のケーブルを誤って切断し感電死亡した」、「高圧配電ケーブル更
新工事中、配電盤内に半身を入れる姿勢で作業しバランスを崩し高圧充電部に接触し感電した」という「作
業準備不良」が2件、「溶接機の動作確認作業中、充電中のケーブルを移動させた際誤ってクリップ先端の
露出部に接触し感電した」という「被害者の過失」が1件でした。
公衆の感電死傷事故を見ると、「焼成炉配管の改修工事中、フランジのボルト締め作業の際ヒーターの電
極に頭部が接触し感電した」、「電力メーターの検針をしようと踏み台に上り携帯電話で撮影しようとした
際、携帯電話が計器用変圧器に接触し感電した」という「被害者の過失」が2件、「溶接作業に従事してい
た作業者が何らかの原因で溶接ホルダーか溶接棒に接触し感電死亡した」という「電気工作物不良」が1件
でした。
第3図 自家用電気工作物における感電死傷者数の推移(死亡、負傷別)
(2) 電気事業用電気工作物における感電死傷事故の発生状況
電気事業用電気工作物における感電死傷事故は5件発生しました。前年度と比較すると、件数は3件増加
し、死傷者数も3名増加しました。(第4図参照)
そのうち、作業者による感電死傷事故は2件(死亡1名、負傷1名)発生し、公衆による感電死傷事故は
3件(負傷3名)発生しました(第4図参照)。
作業者の感電死傷事故を見ると、「被災者が電柱に昇柱した際、体勢を崩し絶縁が劣化し充電部が露出し
た直線スリーブ箇所に接触し感電死亡した」という「作業方法不良」が1件、「変電所構内の防錆塗装作業
中、胴綱付替え時に綱が手から外れ隣接する送電線に触れて感電した」という「被害者の過失」が1件でし
た。
公衆の感電死傷事故を見ると、「送電線下、ユニック車で除草後の草の積み込み中、ユニックブームを送
電線に接触させ感電した」、「送電線付近で樹木伐採作業中、バケット車のバケットに乗り込み上昇させ送
電線に接近し感電負傷した」という「被害者の過失」が2件、「足場組立作業員が高圧線を足場に貫通させ
足場を組み立て、被災者が足場を貫通した高圧線を跨いだ際高圧線に触れ感電負傷した」という「第三者の
過失」が1件でした。
第4図 電気事業用電気工作物における感電死傷者数の推移(死亡、負傷別)
(3) 感電死傷事故の防止対策
作業者による感電死傷事故は、「作業準備や作業方法の不良による作業」、「活線近接作業」等によるも
ので、この類の事故は後を絶ちません。過去の事例でも、これらに加え「予定外作業(思い込み作業、思い
つき作業)」、「絶縁用保護具の未着用」、「絶縁用防具の未装着」、「立入禁止等の警標の未掲示」が原
因で、高圧活線近接作業中に感電したものが非常に多く見られます。
作業内容・方法及び安全対策の確認は必ず作業前ミーティングで行い、電気主任技術者等は関係作業者に
電気設備の危険性についてしっかり理解させて、手順書どおりに作業させることが重要です。
また、やむなく部分停電で作業せざるをえない場合、重要なことは作業範囲内や予定外作業による思い込
み作業、思いつき作業などの防止のために「停電部と充電部を明確に区分する警標や危険表示等の標識を掲
げる」ことです。昨年度の事例でも、停電範囲に関する認識の相違等により作業者が充電中の高圧設備に触
れ感電しましたが、警標等を行うことで作業者に対する注意喚起が期待できますので是非実施してください。
そして、「検電」の未実施や作業範囲内の部分停電も事故につながりますので、必ず検電を作業範囲内の
広範囲に行うことを、日頃から習慣づけることが大切です。
公衆による感電死傷事故は前年度に比べ減少しましたが、平成24年度から発生していなかった死亡事故
が2件も発生してしまいました。足場業者や防錆塗装業者、除草作業等による必要な安全対策が行われず、
工事を発注する側や関係事業者の電気保安に対する危険性の認識が欠如していたことが原因でした。工事を
発注する側も電気工事とは無関係と思い込み、電気主任技術者への連絡もなかったようです。
この種の事故を防止するためには、電気主任技術者等は日頃から関係者に対し電気主任技術者への工事に
関する連絡の徹底、高圧受電設備に触れないこと、どこが危険なのかを周知する等教育の徹底を図り、高圧
受電設備への立入禁止措置及び高圧機器への接触防止措置を講じ、警標を明示して、適切に維持していくこ
とが重要です。
なお、各事故の内容については、【別表1】で事故概要、原因及び再発防止対策を記載していますのでご
参照下さい。
2.感電以外の死傷事故
(1) 感電以外の死傷事故の発生状況
平成27年度は感電以外の負傷事故が、自家用電気工作物では1件(負傷1名)、電気事業用電気工作物では1件(負
傷1名)発生し、前年度と比較すると合計で発生件数が1件減少し、負傷者も1件減少しました。(第5図参照)
原因別で見ると、「クレーンの運転電流測定作業を、ブレーカー一次側の銅バーで測定しようとアクリル
カバーの隙間からクランプメーターを差し込んだ際、短絡させアークが発生火傷した」という「作業者の過
失」が1件、「自転車で買い物に行く途中、断線し道路に垂れた共同支線に引っかかり転倒し顔面を強打し
負傷した」という「保守不完全」が1件でした。
第5図 自家用・電気事業用電気工作物における感電以外の死傷事故の推移
(2) 感電以外の死傷事故の防止対策
感電以外の死傷事故2件のうち1件がアークによる火傷、1件は断線し道路に垂れた共同支線に引っかか
り転倒したものでしたが、アークによる火傷は毎年発生しています。この種の事故を防止するためには、感
電事故の防止と同様次の点に注意することが大切です。
・安全対策や具体的な危険予知について関係者全員に周知し、その定着状況の確認・フォローを行う。
・高圧充電部には保護カバーや安全標示板を設置する。
・作業範囲内の検電は必ず実施し、作業者は絶縁保護具を着用する。
・作業実施前には、作業内容、方法、分担等をはじめ作業範囲の配線図も確認し作業を実施する。
なお、各事故の内容については、【別表2】で事故概要、原因及び再発防止対策を記載していますのでご
参照下さい。
3.電気火災事故
平成27年度は、事故報告対象の電気火災事故は発生しませんでした。(第1表参照)
4.主要電気工作物の破損事故
平成27年度は主要電気工作物の破損事故が10件発生し、前年度の26件と比較すると16件の減少と
なりました。その内訳は自家用電気工作物では15件減少し8件、電気事業用電気工作物では1件減少し2
件となりました。
設備別では、発電設備が10件(前年度25件)、発電設備以外は0件(前年度1件)でした。
(1) 発電設備に関する破損事故
発電設備の破損事故は10件と前年度の25件に比べ15件減少しました。
発電設備別では、火力発電所4件(前年度9件)、太陽電池発電所4件(前年度2件)、風力発電所2件
(前年度14件)となっており、火力発電所及び太陽電池発電所の事故が多く発生しています。
内訳別で見ると、自家用電気工作物では14件減少し8件、電気事業用電気工作物では1件減少し2件と
なっています。(第2表参照)
事故原因別で見ると、「保守不完全」が5件(前年度9件)、「製作不完全」が2件(前年度4件)等でした。
(第3表参照)
保守不完全5件のうち、4件は汽力発電所ボイラー管の損傷であり、部位別では過熱器管1件、再熱器管
及び再熱器支持管1件、炉壁管2件、要因としてはクリープ損傷2件、磨耗減肉1件、管外面磨耗及び溶接
不良1件で一層の保守管理の徹底が求められます。
太陽電池発電所4件の破損事故は、逆変換装置の破損事故が3件、モジュール及び支持物の破損事故が1
件発生し、要因としては、逆変換装置の製作不完全2件、調査中2件となっています。
なお、事故の内容については、【別表3】で事故概要、原因及び再発防止対策を記載していますのでご参
照下さい。
第2表 電気工作物別発生状況 第3表 原因分類別発生状況
(発電設備に関する主要電気工作物の破損事故) (発電設備に関する主要電気工作物の破損事故)
(2)発電設備以外に関する破損事故
平成27年度は、発電設備以外の破損事故は発生しませんでした。
5.ダムの洪水吐きからの異常放流
平成27年度は、事故報告対象の供給支障事故は発生しませんでした。(第1表参照)
6.供給支障事故
平成27年度は、事故報告対象の供給支障事故は発生しませんでした。(第1表参照)
7.波及事故
発 生 順 位 発電 種別 電気工作物 電気事業の 用に供する 電気工作物 自家用電 気工作物 計 1 火力 ボイラー2 ( 3 ) 2 ( 5 ) 4 ( 8 )
2 太陽電 池 逆変換装置0 ( 0 ) 3 ( 2 ) 3 ( 2 )
3 風力 風力機関0 ( 0 ) 1 ( 8 ) 1 ( 8 )
3 風力 逆変換装置0 ( 0 ) 1 ( 5 ) 1 ( 5 )
3 太陽電 池 モジュール 等0 ( 0 ) 1 ( 0 ) 1 ( 0 )
風力 発電機0 ( 0 ) 0 ( 1 ) 0 ( 1 )
火力 ガスタービン0 ( 0 ) 0 ( 1 ) 0 ( 1 )
火力 発電機0 ( 0 ) 0 ( 0 ) 0 ( 0 )
内燃力 ピストン0 ( 0 ) 0 ( 0 ) 0 ( 0 )
水力 導水路0 ( 0 ) 0 ( 0 ) 0 ( 0 )
合 計2 ( 3 ) 8 ( 22 ) 10 ( 25 )
(注)( )内は前年度の件数 発 生 順 位 原 因 電気事業の用 に供する電気 工作物 自家用電 気工作物 計 1 保守不完全2 ( 3 ) 3 ( 6 ) 5 ( 9 )
2 製作不完全0 ( 0 ) 2 ( 4 ) 2 ( 4 )
- 自然現象(雷)0 ( 0 ) 0 ( 4 ) 0 ( 4 )
- 施工不完全0 ( 0 ) 0 ( 1 ) 0 ( 1 )
- 自然現象(水害)0 ( 0 ) 0 ( 0 ) 0 ( 0 )
- 自然劣化0 ( 0 ) 0 ( 0 ) 0 ( 0 )
- 作業者の過失0 ( 0 ) 0 ( 0 ) 0 ( 0 )
3 調査中・不明0 ( 0 ) 3 ( 7 ) 3 ( 7 )
合 計2 ( 3 ) 8 ( 22 ) 10 ( 25 )
(注)( )内は前年度の件数平成27年度の自家用電気工作物による波及事故は、18件(前年度27件)発生し、前年度に比べ9件
減少しました。(第6図参照)
第6図 波及事故の年度別発生件数
また、発生時期は、7月に4件、8月に2件発生しています。過去10年の発生状況を見ると、感電事故
と類似して夏場に多い傾向を示しています。(第7図参照)
第7図 波及事故の月別発生件数(過去10年)
(1) 原因別発生状況
事故を発生させた原因別では、「保守不完全」が8件(前年度6件)、「雷」が3件(前年度16件)、「自然
劣化」、「鳥獣接触」がそれぞれ2件(前年度それぞれ1件)などでした。(第4表及び第8図参照)
なお、事故の内容については、【別表5】で事故概要、原因及び再発防止対策を記載しておりますのでご
参照下さい。
第4表 原因別発生状況(波及事故)
発生順位
原 因
件 数
前年度の件数
1
保守不完全
8 (
44.4% )
6 (
22.2% )
2
雷
3 (
16.7% )
16 (
59.3% )
3
自然劣化
2 (
11.1% )
1 (
3.7% )
3
鳥獣接触
2 (
11.1% )
1 (
3.7% )
5
火災
1 (
5.6% )
1 (
3.7% )
5
作業者の過失
1 (
5.6% )
0 (
0.0% )
風雨
0 (
0.0% )
1 (
3.7% )
施工不完全
0 (
0.0% )
1 (
3.7% )
不明
1 (
5.6% )
0 (
0.0% )
合 計
18 (
100% )
27 (
100% )
第8図 原因別発生状況(波及事故)
① 波及事故の原因の第1位は「保守不完全」であり、8件(前年度6件)と全体の約45%を占めてい
ます。(第9図参照)
第9図 「保守不完全」による波及事故の年度別発生件数(過去10年)
その内容は次のとおりです。 ※( )は電気工作物設置後の経過年数
・ 経年劣化により区分開閉器が絶縁破壊したもの(21年、19年、18年、18年) 4件
・ 経年劣化により避雷器不良、リード線が断線したもの(41年、24年) 2件
・ 経年劣化により高圧ケーブルが絶縁破壊したもの(39年) 1件
・ 経年劣化により遮断器が絶縁破壊したもの(16年) 1件
「保守不完全」による事故を防止するためには、点検・検査を確実に実施し、経年劣化した電気工作物
を早期に発見し、緊急性を要する設備については早急に更新することが何よりも重要です。また、電気設
備の更新推奨時期も参考にして計画的に更新していくことも必要です。
② 「保守不完全」に次いで多い原因は「雷」であり、3件(前年度16件)発生しました。このうち、避
雷器をキュービクル内に設置していたものは1件、避雷器を区分開閉器(PAS)内蔵型にしていたも
のが1件ありました。
「雷」による事故は、雷撃や雷サージにより区分開閉器の内部やブッシング、計器用変成器及び避雷器
など絶縁破壊され、地絡や短絡が発生するものです。直撃雷のように雷電流が大きいものは防止すること
が困難ですが、比較的小さな雷電流であれば、避雷器を区分開閉器の負荷側近傍に設置することで防止す
ることができます。また、電気設備の絶縁の確保も重要であることは言うまでもありませんが、雷発生後
は保護継電器を含め電気設備全体の健全性を確認することが非常に重要です。
③ 「保守不完全」、「雷」以外の原因として、「自然劣化」、「鳥獣接触」がそれぞれ2件、「火災」、
「作業者の過失」がそれぞれ1件発生しました。
その内容は、次のとおりです。
・区分開閉器内の避雷器の碍管が、破損または汚損し区分開閉器が絶縁破壊し短絡
・高圧引込みケーブルが、水トリ-により絶縁破壊し地絡
・高圧気中開閉器二次側の避雷器にカラスが接触し地絡
・高圧交流負荷開閉器一次側に蛇が接触し地絡
・工場内塗装ブースの火災により高圧ケーブル等が損傷し短絡
・ケーブルの絶縁不良を確認しないまま区分開閉器を投入し地絡
「鳥獣接触」による事故を防止するためには、製造年が古い電気設備やキュービクルなど小動物が入
りやすい箇所を日頃の巡視や点検等で把握し、対策を講じていくことが重要です。
(2)電気工作物別発生状況
電気工作物別の発生順位は第5表及び第10図のとおりで、例年同様に責任分界点となる「区分開閉器」
が最も多く9件(前年度17件)、次いで「高圧引込みケーブル」が4件(前年度2件)となっています。
第5表 電気工作物別発生状況(波及事故)
第10図 電気工作物別発生状況(波及事故)
① 区分開閉器
電力会社との責任分界点に設置した区分開閉器に係る事故9件を原因別にみると、「雷」が3件、「保
守不完全」が4件、「自然劣化」及び「不明」がそれぞれ1件でした。
区分開閉器は、ほとんどが引込柱上に設置され保守点検が容易でないことに加えて、風雨にさらされ雷
撃を受けやすいという環境にあり、事故発生の誘発要因を多分に有しているため、外観点検及び保護装置の
連動試験を確実に実施して、健全性を必ず確認することが重要です。
発生 順位 電気工作物 件 数 前年度の件数1 区分開閉器
9 ( 50.0% ) 17 ( 63.0% )
2 高圧引込ケーブル
4 ( 22.2% )
2 ( 7.4% )
3 遮断機
2 ( 11.1% ) - (
% )
3 避雷器リード線
2 ( 11.1% )
2 ( 7.4% )
5 継電器
1 ( 5.6% ) - (
% )
高圧母線
- (
% )
1 ( 3.7% )
送電線
- (
% )
1 ( 3.7% )
高圧受電設備一式
- (
% )
4 ( 14.8% )
合 計
18 ( 100% ) 27 ( 100% )
② 高圧引込みケーブル
高圧引込みケーブルに係る事故4件を原因別で見ると「火災」、「自然劣化」、「作業者の過失」、
「保守不完全」がそれぞれ1件 でした。
(3)保護装置の動作状況
電力会社の変電所において動作した保護継電器の種類別は、第6表及び第11図のとおり、短絡が10
件で全体の55.6%、地絡が8件で全体の44.4%となっています。
第6表 事故の種類(波及事故) 第11図 短絡・地絡事故の割合
事故発生箇所が自家用電気工作物側の保護装置の保護範囲内外でみると、第7表のとおりで、保護装置は
設置していても事故発生箇所が保護範囲外8件、保護範囲内にもかかわらず保護装置の不動作のため波及事
故に至ったものが10件でした。
保護装置の不動作の原因は、「電源喪失」が3件、「内部焼損による開放機構の破損」が2件、「継電器
動作不良」が2件などでした。
継電器も雷害を受けていますので、PAS近傍への避雷器の設置及び絶縁の確保など雷対策を万全にする
とともに、雷発生後は保護継電器を含め電気設備全体の点検実施など健全性の確認が非常に重要です。
第7表 保護装置の状況(波及事故)
波及事故は、事故を起こした事業場だけでなく周辺の需要家も停電させることになり、精密な電子機器の
目覚ましい普及により、その社会的影響がますます増大していますので、電気設備に対する点検・検査を入
念に行って保護装置を常に正常な状態に維持、運用することが、何よりも重要です。
事故の種類 件 数 前年度の件数 短 絡10
(55.6%
)19
(70.4%
) 地 絡8
(44.4%
)8
(29.6%
) 合 計18
(100%
)27
(100%
) 件 数保護装置なし
0 ( 0.0% )
保護装置あり
18 ( 100% )
保護外
8 ( 44.4% )
保護内
10 ( 55.6% )
不
動
作
の
理
由
電源喪失
3 ( 16.7% )
内部焼損による開放機構の破損
2 ( 11.1% )
継電器動作不良
2 ( 11.1% )
開閉器動作不良
1 ( 5.6% )
間欠地絡
1 ( 5.6%
雷サージで継電器焼損
0 ( 0.0% )
開閉器トリップコイル断線
0 ( 0.0%
不明
1 ( 5.6%
合 計18 ( 100% )
8.社会的に影響を及ぼした事故
社会的に影響を及ぼした事故の発生状況
平成27年度は社会的に影響を及ぼした事故が、自家用電気工作物で1件、電気事業用電気工作物で1件発生しま
した。(第1表参照)
原因別で見ると、「地中用開閉器塔が地絡・短絡により破損し、外箱及び部品の一部が飛散し隣接建物の
壁等に損傷を与えた」という「製作不完全」が1件、「台風により太陽電池モジュールが破損し近隣民家に
被害を与えた」という「施工不完全」が1件でした。
各事故の内容については、【別表5】で事故概要、原因及び再発防止対策を記載していますのでご参照下
さい。
【別表1】 感電死傷事故
番 号 発生日 事故発 生電気 工作物 死傷別 電 圧 時 刻 天 候 原因 分類 事故概要 原因 再発防止対策 死 亡 負 傷 1 5 月 30 日 焼 成 炉 のヒータ ー の 電 極部1
6.6kV 15:20 公衆 被 害 者 の過失 被災者は、工場の請負業者として、焼成 炉の配管の改修工事を行っていた。その 配管のフランジのボルト締めをしていたと ころ、付近に設置されていた焼成炉のヒー ターの電極に頭部(額)が接触し、感電負傷 した。 ・外装カバーを外して排気配管の点検を行う際、現場 担当者からヘルメットの着用指示があったにも関わら ず、未着用のまま作業を実施した。 ・作業基準、作業手順等に基づき、必要な安全対策を 講じて作業が行われるべきところ、下請協力会社に 対する作業基準、作業手順がなく、現場担当者の口頭 での安全指示のみで行っていた。 ・感電注意の標識が、設置されていなかった。 ・保護具(ヘルメット等)の着用について、文書にて周知し 注意喚起を実施するとともに、安全教育を実施した。 ・下請協力会社に対し、入構業者安全衛生管理基準を確 実に適用することについて、関係者に周知・徹底を実施し た。 ・事故箇所及び類似箇所について、感電注意の掲示を設 置した。 2 7 月 6 日 交 流 ア ー ク 溶 接機1
210V 15:40 小 雨 公衆 電 気 工 作 物 不 良 被災者は、請負会社の同僚 2 名と組立作 業に従事し、11時から被災場所である第 1定盤海側作業場(屋外)にて、同僚2名と アーク溶接機により船体ブロックの組立作 業を行っていた。作業は、各自ばらばらに 行っており、15時50分頃、同僚は被災者 がうずくまって倒れているのを発見した。 ・被災者が事故当時使用していたアーク溶接機は、電 撃防止装置が故障していた。 ・警察の検死結果によると、入電箇所は右肩、出電箇 所は左後頭部。 ・被災者が死亡していること及び目撃者がいないた め、なぜ、溶接ホルダー(充電部)又は溶接棒が右肩 (入電箇所)に当たったかは、特定できなかった。 ・アーク溶接機の総点検。 ・アーク溶接機の不良品は使用停止及び電撃防止装置の 取り付け。 ・作業前の電撃防止装置のテスト実施。 ・アーク溶接機の毎月の点検実施及び点検を保安規程に 盛り込む。 ・感電の危険性の少ないCO2溶接機の導入促進。 ・ブロックの水たまり防止対策。 ・安全啓発活動及び保安教育の実施。 3 7 月 19 日 送電線1
110kV 10:14 曇 公衆 被 害 者 の過失 会社発注の作業でない樹木伐採作業者 (被災者を含む3名)が、送電線路(110k V)付近で樹木伐採作業に従事していた。 伐採作業の休憩中に、周辺の眺望を楽し むため当該送電線路線下付近に停めてあ ったバケット車のバケットに被災者と作業 員A計2名が乗り込み、バケットを上昇さ せ送電線に接近し、被災者と作業者A計2 名が負傷し、被災者1人のみ入院した。 ・周辺の眺望を楽しむため当該送電線路線下付近に 停めてあったバケット車のバケットに乗り込み、バケ ットを上昇させ送電線に接近させた。 ・会社へ送電線近接工事の連絡がなかった。 【発注者への事故防止PR】 ・送電線への重機接近による感電事故の危険性の強調及 び他法令等で定められた重機使用時の監視者の必要性 を記載したチラシを新たに作成。 ・九州内自治体を訪問、新たに作成したチラシを配布し、 公共工事等担当部署への周知及び工事の発注先への注 意喚起の実施。 ・自治体主催の工事現場責任者を集めた講習会での事故 防止のPR実施。 【施工先への事故防止PR】 ・重機類を使用する業界団体(クレーン協会、建設業協 会、造園建設業協会等)へ訪問又は郵送で、チラシ配布によるPRの再徹底。 【オペレータ個人への事故防止PR】 ・当該関係の講習会に訪問し、チラシ配布による事故防 止のPR実施。 4 7 月 25 日 送電線
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66kV 11:20 晴 公衆 被 害 者 の過失 66kV 送電線下での除草作業(事前連絡な し)において、除草後の刈草を搬出するた めクレーン付きトラックを使用し、積み込 みを実施した。専任オペレータによる1回 目の積み込み作業が終了し、専任オペレ ータが一時現場を離れた際、刈草の収集 作業をしていた技能資格を持たない被災 者が無断でクレーンを操作し、2回目の積 み込みのため刈草の収集作業箇所へブ ームを起こし旋回させたところ、送電線に 接近し、感電負傷した。 ・クレーンの専任オペレータが現場を一時離れた際、 刈草の収集作業を行っていた被災者が刈草の積み込 みのため無断でクレーン操作を開始し、ブームを送 電線に接近させた。 ・被災者はクレーン操作に関する必要な技能資格を 持っていなかった。 ・発注会社へ送電線近接工事の連絡がなかった。 【発注者への事故防止PR】 ・送電線への重機接近による感電事故の危険性の強調及 び他法令等で定められた重機使用時の監視者の必要性 を記載したチラシを新たに作成。 ・九州内自治体を訪問、新たに作成したチラシを配布し、 公共工事等担当部署への周知及び工事の発注先への注 意喚起の実施。 ・自治体主催の工事現場責任者を集めた講習会での事故 防止のPR実施。 【施工先への事故防止PR】 ・重機類を使用する業界団体へ訪問又は郵送で、チラシ 配布によるPRの再徹底。 ・工事施工者に対して事故の重大さを認識してもらい、送 電線付近で工事を行う場合の事前相談の徹底を依頼。 【オペレータ個人への事故防止PR】 ・当該関係の講習会に訪問し、チラシ配布による事故防 止のPR実施。 5 8 月 2 日 冷凍機1
200V 15:25 晴 作業者 作 業 準 備不良 被災者は、工場の冷凍機の更新工事にお いて、当該機器の接続の電気工事を一人 で行っていた。 15時25分頃、被害者の作業現場から音が したので、元請の作業員が確認しに行っ たところ、被害者が俯せで倒れて感電死 亡しているのを発見した。 被害者が倒れていた付近には、冷凍機に 接続する制御ケーブルを切断するための ケーブルカッターが、切断途中の状態(ケ ーブルカッターの刃がケーブルにかみ込 んだ状態)で発見された。 ・被害者は、制御ケーブルを切断する前に、制御ケー ブルの充電状況を検電で確認したものと推測される が、その際、制御ケーブルの中の12芯のうち1芯が 充電していることを見落としていた。 ・ケーブルカッターが老朽化し、ハンドル部の絶縁樹 脂が一部剥がれており、掌がケーブルカッターの地 金に直接接触するにも関わらず、被害者は手袋を着 用せず使用していた。 ・当日は高温・多湿のため、被害者は多量の汗により 作業服等が濡れており、作業服の左胸のポケットの 金属製チャックが、付近の金属物(No.2冷凍機のフレ ームと推測)に接触した。 ・工事発注時には、作業前の打ち合わせを発注者及び請 負業者で入念に行い、充電部の確認を確実に実施する。 ・電線接続作業においては、停電作業を原則とし、作業前 に検電を一線ごと確実に実施する。・作業時は、必ず保護 具防護(保護手袋・保護帽) 工具を着用し、工具の点検及 び整備を確実に行う。 ・主任技術者・現場代理人・作業責任者は、電気工事の作 業の有無について連絡を密にして把握するとともに、工 事の状況を十分にチェックして、作業者が不安全行為を 行わないようにする。 ・電気工事関係の請負業者に対し、安全作業の周知徹底 を図るとともに電気安全の保安教育を実施する。被害者は手袋をしてなく、ケーブルカッタ ーのハンドル部の絶縁樹脂が一部剥がれ ていたこと及び制御ケーブルの 12 芯のう ち 1 芯が充電していたことから、被害者は 制御ケーブルを切断しようとして、感電し 死亡した推測される。 ・被害者は、感電した制御ケーブルを切断する作業の 前に、接続ボックス内のケーブル接続作業をしてお り、その際、充電している1芯を含めた制御ケーブル を切断しているにも関わらず感電していないことか ら、当該制御ケーブルは充電していないものと思い 込み、手袋を着用せず切断したと推測される。 ・今回の充電していた制御ケーブルの 1 芯は、使用して いない不要配線であったことから、当該配線の撤去作業 を実施する。 6 8 月 17 日 6.6kV 配電盤
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6.6kV 9:19 晴 作業者 作 業 方 法不良 電気設備の年次点検において、被災者が 高圧受電盤裏側のアクリルパネルを外す 際、アクリルパネルが落ちそうになったの で慌てて支えようとして、左手人差し指の 先端が高圧ケーブル端子充電部に、左手 人差し指の付け根部がパネルの固定部 (鉄製)に接触して、感電負傷した。 当該作業は、停電してから点検を行う手順であった にも関わらず、作業責任者が被災者に対し、手順書 にない停電前の高圧活線接近作業のアクリルパネル 取り外しを指示した。 高圧活線接近作業については、作業責任者の監視 下で行う作業マニュアルであったにも関わらず、作業 責任者が他の準備を行い監視していなかった。 被災者は、作業責任者から指示されたアクリルパネ ル取り外し作業が、高圧活線接近作業になるにも関 わらず、保護具を着用せず実施した。 (全意識の高揚教育の徹底) ・下請先の協会に安全意識向上の研修の実施を指示。 (安全作業の徹底) ・作業場所における危険箇所を抽出して、作業手順書に 記載して周知。 ・作業場所における危険箇所を、作業責任者が作業前ミ ーティングで作業者に周知。 ・主任技術者による作業前ミーティングで、安全作業につ いて注意喚起を実施。 ・主任技術者及び委託業者による安全パトロール実施。 (準備と作業の明確化) ・作業手順書に準備作業の内容を明確化。 ・停電作業開始の指示を出すまで、危険箇所に近づかな いことを手順書に明記し、作業前ミーティングにて周知。 ・やむを得ず、停電操作完了前に高圧活線近接作業を行 う場合は、事前連絡を行い、作業現場の安全確認、防保 護具の着用、監視人の配置を行って実施。 7 8 月 19 日 低圧架 空配電 線路1
200V 9:15 作業者 作 業 方 法不良 電柱建替の事前準備のため、副班長と被 災者の2名が現地での作業を開始。被災 者が電柱に昇柱し事前準備作業を行い、 副班長は他の作業を行いながら監視をし ていた。 事前準備作業中、被災者はロープにより 高圧用腕金を柱上に吊り上げる際、柱上 で足を滑らせバランスを崩し、低圧線上部 に仰向けに倒れ込み、左肩が絶縁用のビ ニールテープが劣化し充電部の露出した 直線スリーブに接触、感電死亡した。 *低圧活線作業において、被災者及び副班長が、次 の基本事項を行わず作業を実施したため、被災者が 柱上で足を滑らせて、低圧線上部(電線接続部)に倒 れ込み、充電部に接触し感電した。 ・誤って体位を崩した場合に接触する箇所への防具 取り付け ・複合柱における作業台による安定した体位の確保 ・副班長(班長代行)による作業監視 *ビニールテープにより絶縁処理を行った電線接続 部の経年による絶縁不良 ・電線接続部の点検強化。 ・低圧直線スリーブカバーの導入。 ・安全パトロールの強化。 ・安全教育の強化。 ・低圧感電の危険意識向上に向けた臨時教育の実施。 ・感電等に対する危険感受性向上に向けた教育強化。 ・委託工事会社による安全パトロール体制の再整理。 ・基本事項の定着に向けた作業基準(ルール)の明確化。8 9 月 9 日 高圧コ ンデン サ
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6.6kV 11:41 晴 作業者 作 業 準 備不良 電気室内の高圧配電ケーブルの更新工事 において、脚立を使用し盤外から高圧配 電ケーブルの離線作業を開始したが、何 らかの理由で脚立の使用を止め、配電盤 内に半身を入れる姿勢で作業を行い、何 らかの原因でバランスを崩して充電中の コンデンサに接触、感電負傷したと思われ る。 ・作業手順、役割分担等について、十分な協議が行わ れず、作業者間で認識の相違があった。 ・脚立を使用しての作業を盤内の鋼材にまたがり不安 定な姿勢で作業を行った。 ・検電箇所が不十分であった。 ・充電部と停電部が混在する箇所に標識や防具等が なかった。 ・作業手順、役割分担等明確な作業計画の周知のため、 有効かつ綿密な協議を実施する。 ・停電作業を原則とする。 ・作業計画が設置者に提出された場合、作業内容、停電 範囲、充電部混在の場合の措置など作業関係者と十分協 議し、確認する。 ・社内に対し水平展開を行い、今回の事故例を含み保安 教育を実施する。 9 9 月 15 日 ア ー ク 溶 接機用テ ス ト 電源 ケーブル1
440V 16:25 曇 作業者 被 害 者 の過失 被災者(社員)は溶接機の動作確認作業 (アークテスト)の中で、15 台目の当該確 認作業は終了し、溶接機 2 次側の解線を 行った。16 台目の動作確認作業を行うた め 15 台目に取り付けられている電源用ケ ーブルを溶接機本体から外す作業に取り かかった。電源装置のスイッチをOFFにし たと思い込んだ被災者は、電源装置から 溶接機に接続されている充電中の電源用 ケーブル3本を両手(素手)で持ち、移動中 に何らかの原因で持っていた電源用ケー ブルのクリップ先端の露出部に両手親指 根元が接触して、感電負傷した。 ・電源を OFF にしていなかった。 ・素手で作業を行った。 ・テスト用電源装置の ON と OFF の判断が分かりづらか った。 ・クリップ先端の金属部が露出していた。 ・テスト用電源装置がよく検証されずに使用されてい た。 ・作業手順がなかった。 ・通電中の溶接機が明確でなかった。 ・通電確認が容易にできる機器の設置 ・作業時の絶縁用手袋の着用 ・ON と OFF はブレーカーで操作し、実施手順の変更 ・クリップ先端の接続部が露出しないタイプに変更 ・今後は上長(電気主任技術者含む)の承諾を受けた機器 を使用 ・作業手順書の作成及び担当者への指導、教育 ・表示等を行い、通電中であることを明記 10 10 月 6 日 高 圧 架 空線路1
6.6kV 14:20 晴 公衆 第 三 者 の過失 4 階建て団地の外壁工事に伴う足場の組 立作業において、足場組立作業員は電線 に触らなければ大丈夫という認識で組立 作業を継続し、高圧線を足場に貫通させて 足場組立が完了した。 その後、被災者は足場側面の隙間に落下 防止用の柵を取り付けるため、足場を貫 通した高圧線を跨いだ際に右膝下が高圧 線に触れ、感電負傷した。(高圧引込線へ の建設用防護管取付け申込みなし) 元請会社及び下請会社において、電線近くでの作業 を含む電気に関する知識や理解不足のため、関係者 に対する電気の危険性や感電防止対策(絶縁用防具 の装着など)に関する教育が未実施であった。 ・災害発生事業者(関係作業者含む)に対する安全指導。 ・足場関係を含めた建設業団体が主催する定例会議など での感電事故防止PR。 ・関係電気工事業協同組合加盟店に対する足場組立作業 における安全対策など注意事項の説明。 ・関係自治体に対して、今回の事故事例に周知と工事発 注時の注意喚起を依頼。 ・現場調査時などにおける感電事故防止PR。11 1 月 15 日 計 器 用 変圧器
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6.6kV 16:05 晴 公衆 被 害 者 の過失 普段、電力量の検針を行っている総務課 の担当者が休みであったため、月 1 回の 検針が未実施と知り、被災者(総務課員) が自ら検針を行うため、電力メーターのある 地下に向かった。 被災者は検針する電力メーターを間違え、受 電用電力メーターの検針を実施しようと側に あったキャスター付踏み台に乗り、携帯電 話で撮影しようとした際、バランスを崩し左 手に持っていた携帯電話が受電盤の計器 用変圧器に接触、感電負傷した。 ・本来、検針を行う2店舗の電力メーターの設置場所 を把握していなかった。 ・検針を行う手順について、教育指導が不足してい た。 ・被災者は電気の専門知識が乏しく、電気室内に接近 することの危険性を認識していなかった。 ・不安定な踏み台を使用した。 ・連絡責任者は検針業務を行う者に対して検針の手順に ついて教育指導を行う。 ・主任技術者は、連絡責任者に対し高圧受電設備を含む 機械室出入りの危険性について啓発を行う。 ・連絡責任者は、全従業員に対し高圧充電箇所の危険 性、電気取扱い及び電気関係報告規則について主任技 術者の意見を聞いて保安教育を行う。 ・高圧受電盤横のフェンス上部に防護壁(コンパネ)を装 着し、人、物の接触を防止する。 ・不安定な踏み台は撤去する。 12 1月 21 日 断路器1
66kV 10:56 小 雨 作業者 被 害 者 の過失 現場代理人と被災者を含む作業者 3 名の 計 4 名で、66kV 送電線の引留鉄構及び遮 断器の防錆塗装のため、引留鉄構の下地 処理を実施していた。 被災者は、引留鉄構からの降塔時に安全 帯のロープを付け替える際、安全帯のフッ クが引留鉄構の部材に引っかかり、これ を外そうとロープを手元で強く引いた。こ の時フックが部材から外れ、その反動でロ ープが後方に跳ねてフックが充電中の送 電線の断路器に接近し、感電負傷した。 被災者について、変電所構内での作業経験及び充電 部接近時の危険性の認識が不足しており、安全帯ロ ープ付け替え時に適正な取扱いを行わなかった。ま た、監視を兼務している現場代理人が、他の作業の 監視を行っており、充電部近傍での作業を行っている 被災者の監視が不十分であった。 (安全な作業環境の確保) ・作業箇所に充電部が接近する場合は、支障のない限り 充電部を停止。 ・運用上充電部の停止ができない場合、充電部に接近し ない範囲のみとするほか、充電部を識別できる標識類の 設置範囲の充実、専任監視の徹底の他作を行う。 (変電所等作業時の入所教育の強化) ・塗装など高電圧環境での作業経験が少ない業種につい て、現地作業対象箇所での教育の実施や提出書類の正 確な記載の徹底を図る。 (塗装会社等の安全教育実施状況の確認) ・充電部接近や安全帯使用など作業に関する留意事項に ついて、塗装会社等の教育状況を現地で確認する。【別表2】 感電以外の死傷事故
番 号 発生 日 事故発 生電気 工作物 死傷別 電圧 時刻 天候 原因 分類 事故概要 原因 再発防止対策 死 亡 負傷 1 6 月 2 日 電 柱 間 の 共 同 支線 1 - 18:00 保 守 不 完全 被災者は自宅から自転車で買い物に行く途中、断線し道路に 垂れた共同支線に引っかかり転倒、顔面を強打し負傷入院し た。事故当日は雨天で薄暗く断線した支線に気づくのが遅れ た模様。 巡視にて当該共同支線の巻付グリップ(亜鉛メ ッキ鋼より線用)の腐食を確認、改修のため保 修票を発行している最中、沿岸部のため腐食 の進行が早く破断に至った。(亜鉛メッキ鋼よ り線22sq) (事故現場箇所における防止対策) ・事故発生の共同支線即時撤去 (類似事故防止対策) ・耐塩仕様支線への取替え ・災害事例の周知と改修指示 ・類似箇所の緊急点検実施 ・発錆状況に応じた改修期限の設定 ・限度見本の作成と巡視眼の統一 ・再発防止策の形骸化防止 ・関係会社への周知による類似事故防止 2 7 月 16 日 動力分 電盤 1 210V 11:40 作 業 者 の過失 被災者は、ホイストクレーンの運転電流測定の作業のため、 動力分電盤内のホイストクレーン用の回路のブレーカ (MCCB)を「切」にし、二次側にクランプメーターをセット後、当 該 MCCB を「入」にして測定するところ、配線の間隔が狭くて 測定できなかったことから、充電部のMCCB一次側の銅バー で測定しようとアクリルカバーの隙間(3cm)からクランプメ ーターを差し込んだ際、誤って短絡させ、アークが発生し火 傷した。 ・動力分電盤内のホイストクレーン用の回路 のブレーカ(MCCB)を「切」にし、二次側にクラ ンプメーターをセット後、当該 MCCB を「入」に して測定するところ、配線の間隔が狭くアクリ ルカバーの隙間(3cm)から充電中の銅バー 部分を測定した。 ・被災者は電気の知識あるが、実地の経験不 足であった。 ・被災者は測定機器の取扱いに関する知識不 足であった。 ・検電未実施。 ・保護手袋未着用。 ・電気主任技術者へ工事に関する連絡がなか った。 ・連絡責任者は委託会社の作業内容等を十分 に把握し、工事に関係する対応マニュアル等 の資料で委託業者へ周知し、必要に応じて電 気主任技術者へ連絡し、助言・指導及び立会 等を要請する。 ・連絡責任者は作業責任者が必要な教育を受 講していることを確認する。(電気事業法以外 で必要な教育(低圧電気取扱い)の受講。) ・経験年数の浅い作業者が充電部に触れる恐 れのある作業を行う場合、作業責任者の監視 下で行い、検電を実施し安全用具を着用させ る。 ・連絡責任者や工事関係者に対し「業者による 工事や作業を行う前の事前連絡」等について 保安教育を実施。 ・工場内全ての分電盤に「感電注意」のシール を貼り、注意喚起を実施。【別表3】 電気工作物の破損事故(発電設備)
番 号 発生 日 事故発生電 気工作物 自家用・事 業用の別 原因 分類 事故概要 原因 再発防止対策 1 6 月 18 日 ボイラー 事業用 保守不完全 ・出力 650,000 ㎾で運転中、補給水量の増加等を確 認。また、ボイラー室 12 階後部付近より異音も確認し たためユニットを解列。 ・内部点検の結果、後部伝熱部再熱器支持管につい て、クリープによる破口1本、その影響に伴う湾曲1 本、エロ-ジョンによる必要最小肉厚未満の管3本を 確認した。 ・また、再熱器管についても、再熱器支持管破口の影 響に伴う破口5本、エロ-ジョンによる必要最小肉厚未 満の管15本を確認した。 ・破損した再熱器支持管は、ボイラーのほぼ中央に位 置しており、燃焼ガス温度の比較的高い域にあり、これ までの負荷変動や経年に伴うボイラー燃焼状態の変化 により管の温度が局所的に高い状態が長時間継続し、 蓄積されたことにより、クリープ損傷に至ったものと推 定。(一次損傷) ・クリープ損傷により漏えいした蒸気の衝突により、近 傍管にエロ-ジョンが発生したと推定。(二次損傷) ・クリープ損傷が発生した部位を中心にメタル温度計を 追設し監視強化。 ・定期事業者検査時に、損傷した部位を中心に周辺範 囲の組織検査等を行う。 2 7 月 10 日 調速装置 自家用 保守不完全 事故覚知日の前夜、遠隔監視により1号機の運転 状態が不安定であったことを確認。 覚知日当日、「ピッチ実角信号異常」警報発生。 その後、現地調査を実施したところ、ピッチ制御用 油圧シリンダー3本のうち1本が折損しており、ブレー ド3枚のうち1枚がピッチ制御不能であることが判明。 早急なリンク機構の全交換が必要であるにもかかわら ず、異常時の運転停止の判断基準が明確に設定されて おらず、運転停止の判断が的確に行えなかったことに より、保守不完全な状態で運転を継続したことが原因と 確定された。 1. 保守不完全に対する対策 巡視点検、定期点検、メーカー点検にてリンク機構の点 検を追加する。 2.運転停止判断に対する対策 異常確認時の報告、運転停止の措置、臨時点検実施、 運転再開の措置についてルールを定め、運転保守要 則へ追加する。 3. リンク機構の消耗品を常備する。 3 8 月 12 日 ボイラー 自家用 保守不完全 平成 27 年 8 月 12 日 7 時より、ボイラー給水量と主 蒸気流量に差が認められたため、調査を開始。 異音等は確認できなかったものの、同日 19 時過ぎ には流量差が 30t/h(通常 3~5t/h)まで増加したた め、ボイラーを緊急停止した。 ボイラー内部点検実施の結果、火炉壁管全 52 本中 2 本で最大径 10 ㎜程度の破口を確認。破口部は火炉 上部の火炉壁管中央付近の木質燃料投入口真上で あった。 1)管外面摩耗について ボイラー内部流動砂と火炉壁管との接触により摩耗し た。 2)管内面からの割れについて H26 年 11 月定検時に肉盛溶接を実施した管への溶け 込み入熱により貫通が発生し、管内部のスケール(銅を 含)を巻き込み、溶接不良となった。結果、それが原因 で管内部より割れを生じた。 また、溶接姿勢が上向きであったことから、溶接姿勢の 安定性維持が難しかった。 1)管外面摩耗について 過去肉盛溶接箇所全域、及び次回定検までに tsr (2.9mm)を割り込む可能性のある範囲の天井管を更新 した。(48 本/52 本中) また、天井管に防護溶射を施した。 2)管内面からの割れについて 肉盛施工時は現状の管厚を考慮して、管内へ水張り実 施後、溶接を施工するよう要領を見直した。(管内への 入熱防止) また、これまで同様に施工中/施工後の非破壊検査を 徹底する。(初層PT、最終層PT、MT、RT)4 9 月 30 日 逆変換装 置 自家用 ・発生当日No.1PCSが重故障のエラーを発報し停止し た。 ・現地調査の結果当該 PCS の IGBT 部分に焼損を確 認した。 調査中 原因究明後対策実施 5 10 月 9 日 ボイラー 自家用 保守不完全 17:40 起動作業開始。 22:30 併用(稼働中のタービンへ蒸気を送ること)1 時間前になるが、主蒸気温度が予定温度まで上がっ ていない状況。 22:40 主蒸気温度上昇が見込めなかったため、更 に黒液噴射開始。 23:30 主蒸気温度を更に上げるため黒液噴射量を 増加、重油量は減調整を実施。主蒸気温度が上昇し たため、ボイラーからタービンに送気開始。 23:51 中央操作室で「炉内圧力高」の警報が発報。 現場において、リーク音を確認したため過熱器の破 損と判断し、緊急消火を指示。 23:58 消火、冷却開始。 破損部の構造から、融点の低い溶融ダストが破損部 に当たり、アルカリ溶融塩腐食を発生し減肉したものと 推定。 また、併用直後の主蒸気圧力及び温度の変化を調査 した結果、通常の点火方法と比較して、急激に変動して いることから、併用前後の燃料の調整が不十分である ことが確認された。 以上のことから、アルカリ溶融塩腐食により減肉した 箇所に、起動時併用前後の燃料調整不足に起因する、 急激な温度変化が加わり、その結果、内圧に耐え切れ ずに噴破したものと推定。 事故直後に1次過熱器の類似箇所全ての肉厚測定を 実施し、異常が無いことを確認。 起動時の急激な圧力・温度変化を抑制するため、併 用前後に静定時間を設けるように作業手順を見直し、 作業者への指導を実施。 6 10 月 18 日 逆変換装 置 自家用 制作不完全 発生当日、PCS-5 が重故障のエラーを発報し、当該 PCS1台停止。 現地調査の結果、当該 PCS の IGBT 部分の破損を 確認。 メーカによる詳細調査の結果、IGBT 素子単体に起因 した故障と推定。 事故原因については IGBT 素子単体に起因した故障と 推定されたが、これ以上の原因究明はできないこと、ま た、IGBT 素子の出荷台数における故障発生率は 0.05%と極めて低いことから、故障が発生した際は、部 品交換で対応する。 7 8 月 13 日 逆変換装 置 自家用 製作不完全 発生当日、PCS-3 が重故障のエラーを発報し、当該 PCS1台停止。 現地調査の結果、当該PCSのACB(交流主遮断器) 部分の不良を確認。 メーカーによる詳細調査の結果、PCS 内部の ACB 開 閉機構内部の回転機構のグリス塗布不足によることが 判明。 グリス塗布不足により、摩擦力上昇→開閉投入力不 足→投入動作途中で不具合発生→PCS 起動不良→重 故障エラー→PCS 停止に至った。 また、当該部位のグリス塗布は、設置後のメンテナン スは不要であり、劣化等で動作不良になるものではな いことをメーカーに確認している。 ① 全ての PCS(10 台)について、ACB 内部のグリス塗 布状況を目視確認し、グリスの再塗布を行い、開閉動作 確認を行った。 ② 今後は、当該部分の設置後のメンテナンスは不要と されているが、3 年毎の精密点検時目視確認を実施す ることとする。 ③ また、今後、PCSやACB の交換を実施した場合は、 設置時に当該部分の目視確認を実施することとし、不足 の場合には、再塗布を実施することとした。また、その 旨を保守点検一覧表に記載し、確実な実施を図ることと する。
8 12 月 21 日 ボイラー 事業用 保守不完全 事故発生前、発電機出力1,000MWにて運転中で あった。 12月21日 7時00分頃 ボイラー排ガス量、ボイラー補給水量の 増加を確認。 7時20分頃 8階にて異音を確認。 10時00分 チューブリークを疑い、減負荷(1,00 0→300MW)を実施。 12時30分 のぞき窓より、四次過熱器と二次再熱 器の間にて管の変形を確認。 14時35分 減負荷(300MW→解列)を実施。 15時00分 解列完了。 12月22日 9時00分 内部点検開始、四次過熱器管2本の変形 を確認。 ・損傷箇所となった缶右46列目の温度は、他列の缶と 比較して高い領域となっている。 ・また、缶後1本目管及び2本目管は、管後3本目以降 の管と比較して、過熱される経路が高いことや輻射熱 等の影響により、熱負荷が高い傾向にある。 ・破損箇所の分析を実施した結果、設計メタル温度63 1℃に対し、メタル温度は約650℃程度まで上昇したと 推定。 ・他箇所管と比較して高温となった、缶右46列目缶後2 本目管において、ガス上流側の二次過熱器・三次過熱 器が灰付着等により収熱低下し、四次過熱器の温度が 局地的に長時間高い状態が継続したことにより、クリー プ損傷に至ったと推定。 ・熱負荷が高いと考えられる管の金属組織検査を実施 し、高熱負荷の影響を受けたと推定された管10本につ いて取替を実施済み。 ・スートブロワの頻度を増やし、灰付着等を抑制する。 ・取替を実施した管でクリープ破断試験を実施し、結果 を基に保守管理方法を見直す。 ・新たに温度計を設置し、温度変化を監視する。 9 8 月 25 日 太陽電池 (モジュー ル及び支 持物) 自家用 調査中 事故発生当日、発電所周辺は台風15号が接近。 7 時 30 分、発電所の土地所有者がモジュール破損 を確認し監視管理会社へ連絡。 監視管理会社が監視カメラ及び現地を確認し、電気 管理技術者へ連絡。 11 時、電気管理技術者が現地にてモジュール、架 台、基礎の被害を確認した。 調査中 原因究明後対策実施 10 2 月 14 日 逆変換装 置 自家用 調査中 事故発生時、ヨー制御エラー、周波数変換器エラー が発生し風車停止。 遠隔操作によりエラーがリセットされ風車は運転再 開したものの、直後にナセル内漏電検出エラーが発 生し、風車停止及び停電状態となった。 調査の結果、逆変換装置のマスターユニット及びス レーブユニットの直流ヒューズ2個溶断及び IGBT モ ジュール1台に破損痕を確認した。 調査中 原因究明後対策実施