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エキスパンドメタルを補強材に用いた鉄筋コンクリート構造の研究

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<デ クニ カ ル レポ ー ト>

エ キ ス パ ン ドメ タ ル を 補 強 材 に 用 い た

鉄 筋 コ ン ク リー ト構造 の 研 究

男*・ 丹

彬**

梗 概 鉄 筋 のか わ りにヱ キ スパ ン ドメ タル を コ ン ク リー トの 補 強 材 と して用 い,鉄 筋 工 事 の省 力 化 と鉄 筋 コ ン ク リー ト部 材 の性 能 の向 上 をは か った 。 実 験 は1)ス ラ ブ の 曲 げ補 強 お よ び継 手, 着 ・2r耐 震 壁 の せ ん断 補強 ・3)は りの せ ん断 補強,4)柱 の せ ん断 補 強,と して普 通 棒 聴 と重 量 等 価 で用 い た場 合 につ い て行 ない,い ず れ の場 合 も,許 容 応 力 度2400kg/cm・ の鉄 筋 で補 強 した も の と同 等 以 上 の 補 強 効 果 が あ る こ とが わ か った 。継 手,定 着 の長 さ は ,鉄 筋 よ りも短 くてす む こ と も確 か め られ た 。 キ ー ワー ド:開 発 技 術 ・鉄 筋 コ ンク リー ト,補 強 材,付 着 ・定 着,ス ラ ブ,壁,は り,柱 1. は じ め に こ の研 究 は,コ ン ク リー トの 補 強 材 と して,従 来 の鉄 筋 の か わ りに エ キ ス パ ン ドメ タ ル(JISG3351)を 用 い, 鉄 筋 工事 の省 力化 と コ ン ク リー ト部 材 の性 能 の 向上 を は か ろ う とす る もの で あ る。 こ の種 の研 究 で は,神 戸 製 聴 所 を は じめ とす る溶 接 金 網 の研 究 が あ る が,そ の 目的 とす る と こ ろ はほ ぼ 同 じで あ ろ う。 近 年 の技 能 工 不 足,と りわ け高 度 な 技 能 を要 す る鉄 筋 工 の 不 足 は深 刻 な もの で あ り,現 在 一 時 的 に緩 ん で い る とは い え,解 決 せ ね ば な らぬ 大 き な課 題 で あ り,建 築 生 産 の 工 業化 の 意 味 か ら も,鉄 筋 工事 の省 力 化 は重 要 な課 題 で あ る。 鉄 筋 工 事 の省 力 化 を は ば ん で い る最 大 の理 由 は,部 品 数 が き わ め て多 い こ とで あ り,切 断,加 工,組 立 て の 各 作 業 を1本 ず つ の鉄 筋 につ いて 行 なわ な けれ ば な らな い こ とに よ る。 と くに組 み 立 て 工 程 に 占め る結 束 作 業 時 間 は か な りの も の で あ りこれ を解 決 す る こ とが,省 力 化 を す す め る た め の一 つ の ポイ ン トで あ る。 これ らの こ とか ら,鉄 筋 工事 の 省 力 化 をは か るに は, 鉄 筋 の よ うな線 材 か ら金 網 の よ うな 面材 に切 りか え,部 品数 を へ ら し,結 束 作 業 を少 な くす る必 要 が あ る。 聴 で で き た金 網 を コ ンク リー トの補 強 材 と して用 い る た め に は,切 断,折 曲 げ が 可能 で容 易 で あ る こ と,コ ン ク リー トの 充 填性 が 良 い こ と,補 強 量 の増 減 が 容 易 にで き る こ と,発 注 寸 法 が 自 由 で あ る こ と,コ ンク リー トと の 協 力性 が 良 い こ と,な どの条 件 を備 えた 金 網 で な け れ ば な らな い。 こ の条 件 を満 す 金 網 と して は 溶 接金 網 とエ キ スパ ン ド メ タル が 考 え られ るが,両 者 を比較 す る と,エ キ スパ ン ドメ タル の方 が コス トが安 く,か つ安 定 して い る こ と と 加 工硬 化(後 述)し て い る の で強 度 の低 い材 料 で も使 え る こ と,節 点(ボ ン ド)が 溶 接 で な い の で信 頼 性 が 高 い 等 の理 由 で,補 強 用 金 網 と して エ キス パ ン ドメ タル を え らん だ。 しか し,現 在 の製 造 機 械 で は6mm以 下 の鉄 板 しか 切 れ な い た め,鉄 量 の 大 きい 柱,は りの主 筋 に使 え る も の は製 造 で きな いが,省 力 化 の 点 か らは,細 径 の鉄 筋 の か わ りに使 用 した 方 が有 効 で あ る。 * 大成建設(株)技 術開発部開発室長 ,工 博 ** 大成建設(株)技 術開発部開発室主任 図 一1・1 は エ キ ス パ ン ドメ タ ル を ス ラ ブ 補 強 材,壁, 図 一1・1  エ キ ス パ ン ドメ タル 組 立 て 図

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は り,お よ び柱 のせ ん 断 補 強 材 と して 用 い た エ キ スパ ン ドメ タル 組 立 て図 で あ る。 こ の よ うなモ デ ル を実 際 に制作 して施 工 方 法,仕 上 り 状 況 お よ び省 力 化 の程 度 な ど を検 討 した 。 2. エ キ ス パ ン ドメ タ ル(以 下,EMと 略 称 す る) 2.1 各 部 の 名称(JISに よ る) 2.2 品 種(JISに よ る) こ の工 法 に用 い るEMの 原 板 は,SS34熱 間 圧 延 鋼 板(降 伏 点 強 度2100kg/cm2以 上)を 使 用 す る。 鉄 量 の調 整 は主 にTとWに よ って行 な い,場 合 に よ って は3W'も 変 化 させ る。 表-2.1はJISに よ る も の で あ るが,実 際 に は も っ と多 くの 品種 を用 い て い る。 2.3 製 法 EM製 造 機 の ラ ム に よ って メ ッシ ュ寸 法 に応 じた 上 刃 が上 下往 復 運 動 を し,か つ カ ム作 動 に よ り上 刃 が 交 互 に 横 方 向 にLW72移 動 す る こ と に よ って 鋼 板 に 千 鳥 状 の 切 れ 目を入 れ,こ れ を8珊2押 し拡 げて メ ッシ ュ を形 成 す る。 鋼 板 は上 刃 の 上 下 運 動 に連 動 して,送 り装 置 に よ り連 続 的 に前 方 に送 られ,所 定 の製 品寸 法 が得 られ る。 こ の よ うに,原 板 はLWの 長 さ の もの が引 き伸 ば さ れ て 山形 に加 工 され,加 工 硬 化 され て い る。 2.4 EMの 性 状 EMは,メ ッシ ュが細 長 い菱 形 を して い る た め,3W 方 向 で の応 力 の負 担 は ほ とん ど期 待 で き ず,LW方 向 で の み,す な わ ち一 方 向 で のみ し か力 を負 担 で きな い 。 こ こがEMの 特 徴 で あ り,溶 接 金 網 と異 な る点 で あ る。 EMに 用 い る原 板 はSS34材 を用 い て い る が,こ の 鋼 板 は 降伏 点強 度 が2100kg/cm2以 上 と定 め られ て い るの で,こ の ま ま で コ ンク リー ト補 強 材 に用 い る と普 通 の鉄 筋 よ り補 強 量 を増 さね ば な らな い。 一般 に,鋼 に塑性 域 ま で 引張 力 を加 え る と,い わ ゆ る 加 工 硬 化 し,さ らに 一 定期 間放 置 す る と時 効 硬 化 に よ り 強 度 は増 大 す る。標 準 的 な場 合 を図-2.3に 示 す 。 図-2.3に お い て,B点 ま で引 張 り力 を加 え られ た鋼 は こ こで 力 を解 放 す る とC点 に も ど り,一 定 期 間放 置 し 図-2.1  各 部 の 名 称 表-2.1  品 種 図-2.2  製 造 方 法 図-2.3  鋼 の 加 工 特 性

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コ ン ク リ ー ト ・ジ ャ ー ナ ル

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た あ とで引 張 る とC→D'→E'の よ うな 曲線 とな り, 引 張 り加 工 され た 鋼 は降 伏 点 σノ の 材 料 とみ な す こ とが で き る。 こ の性 質 を用 い て,EMの 場合 はSS34材 (σア=2100kg/cm2以 上)に 加 工 硬 化 を与 え,σノ=2400 kg/cm2以 上 の材 料 と して用 い られ る。80番 台 の 品種 の EMは 約10%の 引 張 り加 工 を受 けて お り,%が40% 以 上 上 昇 して い る はず で あ る。 こ の降 伏 点 強 度 増 加 を確 か め るた め 種 々 の 引 張試 験体 をつ く って 実験 した 。 しか しな が ら,EMの 特殊 な形 状 の た め,ど の試 験体 で もね じれ が入 り,曲 げ破 壊 して し ま った 。 この た め,コ ンク リー トに よ りね じれ を拘 束 し たRC部 材 実験 で確 か め る こ とに な っ た(3.部 材 実 験)。 も う一 つ の特 色 は,EMの 節 点(ボ ン ド)が,コ ン ク リ ー トと の一 体 性 に大 き く寄 与 す る こ とで あ る。 この 働 き に よ り,コ ン ク リー トとの 協 力 性 が鉄 筋 よ りす ぐれ, ひ び わ れ が 分 散 して コ ンク リー ト部 材 の 性 能 が 向上 す る。 さ ら に,継 手,定 着 の 場合 は効 果 的 で,後 述 の実 験 結 果 で は継 手 長 さ,定 着 長 さ がLWγ2の 長 さ以上 あれ ば十 分 で あ る こ とを確 か め た。 EMの 節 点 は,溶 接 金 網 とは ち が い完 全 に一 体 化 して い る か ら,こ の節 点 効 果 の信 頼 性 は高 い も の と考 えて い る。 3. 部 材 実 験 EMを コ ンク リー ト補 強 材 と して用 い たRC部 材 実 験 と して,ス ラ ブ,継 手 お よ び定 着,耐 力 壁,は りお よび 柱 の実 験 を行 な った。 そ の概 要 を以 下 に紹 介 す る。 3.1 一 方 向 ス ラブ お よ び 継 手 ・定 着 実 験 EMを ス ラ ブの 引 張 主補 強 材 と して 用 い た場 合,補 強 量 を どの よ うに 考 え れ ば よい か,継 手 お よ び定 着 長 は ど の程 度 とれ ば よい か な ど を実 験 的 に検 討 した。 な お,予 備 実 験 に お いて,5W方 向(弱 軸 方 向 と呼 ぶ)に 引 張 力 が作 用 す る よ うに補 強 して もほ とん ど補 強 効 果 が な い こ と がわ か っ た の で,本 実 験 で はLW方 向(強 軸 方 向 と 呼 ぶ)に 引 張 力 が作 用 す る一 方 向 ス ラ ブ と して の 強 度 お よび 剛 性 につ い て検 討 し た。 3.1.1 試 験体 お よ び 試 験 方 法 試 験 体 は 図-3.1.1に 示 す よ うな,曲 げ,継 手 お よ び 定着 試 験 用各 種16体 で あ る。 S-ES-1,2は せ ん断 ス パ ン(jL1)と ス ラ ブ厚(')と の比L・/'=3と す る 曲 げ試 験 体 で あ る。 S-PS-1,2はS-ESと 比 較 す る丸 鋼 配 筋 ス ラ ブで あ る。 鋼 材 量 と して は3-9φ でS-ESに 相 等 す るが,EM L1/F3 S-ES-1∼2(2体) S-PS-1∼2(2体) L1/t=5 S-EL-1∼3 (3体) S-PL-1∼2 (2体) S-PL-3∼4 (2体) S-EL-4 (1体) S-EL-5∼6 (2体) S-EL-7∼8 (2体) L1/t=4 S-EA-1∼2 (2体) の冷 間加 工 効 果 を考 慮 して4-9φ を配筋 した試 験 体 と 比 較 検 討 した 。S-EL-1∼3の3体 はL、/'=5と す る 曲 げ 試 験 体 で あ る。S-PL-1,2お よ びS-PL-3,4は S-ELと 比較 す る丸 鋼 配 筋 ス ラ ブ で あ り,前 者 は強 度 等 価 を,後 者 は鋼 材 量 等 価 を考 慮 した試 験 体 で あ る。 S-EL-4∼8は 継 手 長 さお よび 方 法 を検 討 した もの で, S-EL-4はLWだ け重 ね た 継 手,s-EL-5,6はLw72 だ け重 ね た継 手,S-EL-7,8は5W72だ け5W方 向 にず ら しLW72だ け重 ね た継 手試 験 体 で あ る。 S-EA-1,2は 定 着 試 験 体 で あ り,中 央 部 に は り型 を も ち,こ の は り型 に引 張 補 強EMをLW72だ け定 着 し た。 使 用 した鋼 材 お よ び コ ンク リー トの性 状 を 表-3.1.1 お よ び表-3.1.2に 示 した 。EMは93番 を用 いて い る。 図-3.1.1  曲 げ,継 手 お よ び定 着 試 験 体

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3.1.2 実 験 結 果 荷 重 一変 形 曲線 を図 一3.1.2∼ 図 一3・1・5に 示 す 。 荷 重Pは 全 荷 重,変 形 δは加 力 点 直 下 ま た は は り型 端 部 の支 点 に対 す る相 対 たわ み で あ る。 純 曲 げ 区 間 の 曲 率 は ス ラ ブ側 面 で測 定 した コ ン タ ク トゲ ー ジ に よ って 求 め た。 図 中 に ∫∫=1.6t/cm2と した 長 期 許容 荷重 を,4-9φ 配 筋 ス ラ ブ に対 して1点 鎖線,3-9φ 配 筋 ス ラブ に対 し て2点 鎖 線,EM配 筋 ス ラ ブ に対 して 破 線 で 示 した 。 長 期 許 容 荷 重 の算 定 は,普 通 配 筋 ス ラ ブ につ い て は 通 常 の αb∫・ブ式 にお い て最 大 応 力 部 の 主 筋 応 力 が.ん=1.6 t/cm・ とな る とき の値 と し,EM配 筋 ス ラ ブ につ いて は 3.1.4に 述 べ る設 計 式 に お い て,最 大 応 力 部 の主 筋 応 力 が ノ≠=1.6t/cm2と な る とき の値 を示 した。 破 壊 状 況 を図 一3.1.6に しめす 。 図 一3.1.2,図 一3.1.3か らEM補 強 ス ラ ブ は鋼 材 量 が約1.2倍 の4-9φ 配 筋 ス ラ ブ とほ ぼ 同 等 な強 度 を も って い る こ とが わ か り,鋼 材 許 容 値 ノ,=1.6t/ cm2と した長 期 許 容 値 の約2.5倍,ノ 『,= 2.4t/cm2と した 短 期 許 容 値 の約1.7倍 の強 度 を も っ て い る。 ま た,ひ び われ 発 生 ま で の初 期 剛 性 お よ び 長期 許 容 値 に お け る 剛性 は丸 鋼 配 筋 ス ラ ブ と同等 で あ り,常 時荷 重 に よ る 過 大 た わ み の心 配 は な い。 た だ,ひ び わ れ 発生 以後,降 伏 ま で の い わ ゆ る半 塑性 剛 性 は,4-9φ 配 筋 ス ラ ブ よ り低 い 。 こ れ は鋼 材 量 の 差 に よ る もの と 思 わ れ る が,短 期 荷 重 に 相 当 す る応 力 が繰 返 し作 用 す る よ うな ス ラ ブ の 場 合 に は鋼 材 量 を 増 して お く必 要 が あ ろ う。 図一3.1.4は 継 手 試 験 の 結 果 で あ る。 この 図 か ら,ど の 継 手 形 式 で も大 差 はな く,許 容 引 張 力 を伝 達 す る継 手 長 さ は L珊2あ れ ば 十 分 で あ る こ とが わ か る。 ま た,こ の結 果 を継 (a) P一δ曲 線 (b) ム4-1/ρ曲 線 (a) P一δ曲 線 (b) M-1/ρ 曲 線 表 一3.1.1  鋼 材 の 機 械 的 性 質 表 ―3.1.2  コ ン ク リ ー トの 性 質 図 一3.1.2  L1/'=3の 実 験 結 果 図 一3.1.3  L、/f=5の 実 験 結 果

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コ ン ク リ ー ト ・ ジ ャ ー ナ ル

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手 の な い 図一3.1.3と 比 較 す る と,ひ びわ れ 強 度,降 伏 強 度 は ほ ぼ 同等 で あ る が最 大 耐 力 がや や 低 い。 これ は継 手 に よ り有 効 丈 が減 じた た め と思 わ れ る。 図 一3.1.5は 定 着 試 験 の結 果 で あ るが,こ の結 果 か ら も定 着 長 さ はLW72で 十 分 で あ る こ とが わ か る。 図 一3b1.6か ら破 壊 状 況 を観 察 す る と,各 種 配筋 種 別 に よ る相 違 は ほ とん どみ られ な い。 3.1.4 EM補 強 ス ラ ブの 設 計 式 コ ンク リー ト中のEMの 力 学 的 挙 動 は複 雑 で 不 明 な 点 が多 い の で,こ こ で は図 一3.1.7に 示 す よ うにEMと コ ンク リー トとが トラス作 用 で釣 合 い,EMの ス トラ ン ドが トラ ス の引 張 材 と して 働 き,ス トラ ン ドで 囲 ま れ た 菱 形 部 分 の コ ンク リー トが 圧 縮 材 の働 き をす る もの と仮 定 す る。 図 一3.1.7に お い て,ス トラ ン ドに 働 く引 張 力 をF、 とす る と,1節 点 当 りの 強軸 方 向引 張 力F∬ は, (a) P-δ 曲 線 (b) M-1/ρ 曲 線 図 一3.1.4  定 着 実 験 結 果 図 一3.1.7  コ ン ク リ ー トと の 釣 合 い 図 図 一3.1.5  継 手 実 験 結 果 図 一3.1.6  L1/`=5の 破 壊 状 況

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(1) こ こ に,砺,σ,は ス トラ ン ド断 面積 及 び応 力 度 ス ラ ブ単 位 幅 に含 ま れ る節 点 数 をNと す る と,単 位 幅 当 りの 抵 抗 モ ー メ ン トMxは (2) こ こに,ブ は応 力 中心 間 距 離 式(1),(2)に お い て,ス トラ ン ドの 引 張 応 力 度 σ≠の 代 りに許容 応 力 度 ゐ を用 い ブ=(7/8)・4と す れ ば,許 容 モ ー メ ン ト設 計式(3)を うる 。 (3) 3.1.5 結 論 本 実験 の結 果 つ ぎ の よ うな こ とが結 論 で き る。 1) コ ンク リー ト中 のEMの 挙 動 を トラ ス作 用 にお き か え る こ とは妥 当 で あ り,ス ラ ブ単 位 幅 の 抵 抗 モ ー メ ン トは式(2)で 表 わせ る。 2) SS34材 を 原 板 とす るEMの 許 容 応 力 度 は長 期 1.6t/cm2,短 期2.4t/cm2を と って も強 度,剛 性 的 に 十 分 安 全 で あ る。 3) EMの 継 手 お よ び定 着 はLW72で 上記 許容 値 を 十 分 に伝 達 し うる。 3.2 耐 力 壁 の実 験 EMは 鋼 材 が斜 め配 置 で あ る た め,斜 め せ ん 断 ひ び わ れ に直 接 有 効 で あ る こ とが 考 え られ る と と もに,各 ス ト ラ ン ドは ボ ン ド部 分 で 完 全 に 接 合 して い るた め,ス トラ ン ド応 力 は コ ン ク リー トお よび 接 続 ス トラ ン ドへ伝 達, 分 散 され や す い。 した が って,せ ん 断 ひ び わ れ を生 じ,せ ん断 破 壊 す る よ うな 部 材 で あ る耐 力壁 に は 特 に 有 効 な 補 強 材 で あ る と考 え られ る。 本 実験 はEMの 強 軸(.LW 方 向)を 耐 力 壁 材 軸 に 直 交 して 配筋 した場 合 と平 行 に 配 置 した場 合 と を通 常 の 丸鋼 縦横 配 筋 した壁 と比 較 検 討 し た。 3.2.1 試 験 体 及 び 試 験 方 法 試 験 体 は,壁 厚'=15cm,固 定 基 礎 上 端 か ら加 力 点 ま で の 高 さ 海=170cm,壁 幅 ♂=85,170cmの2種 で, 各 々の せ ん 断 ス パ ン比 ルη()・4=2,1で あ る。 せ ん 断補 強 筋 は 普 通縦 横 配 筋 のR型,EMの 強軸 を材 軸 と-敏 さ せ たA型,お よ びEMの 強 軸 を材 軸 に 直 交 させ たB型 の 3種 類 と した。 配 筋 量 はR型 の9φ 一@140ダ ブル(P伊 =ん/X・ 旗0.61%)を 基 準 と して,こ れ と鋼 材 量 が ほ ぼ 等 量 のEM(TxV「=4.5×5.0,5W』50,LW』152.4) を ダ ブル(P躍=A,/5W・cosθ ・t=0.63%)に 配 筋 した。 図-3.2.1にEMの 配 筋 図,表 一3.2.1に 試 験 体 概 要 を, ま た表-3.2.2に は使 用 材 料 の性 状 を示 した 。 曲 げ 主 筋 はSD30材,せ ん 断補 強筋 は普 通丸 鋼 がSR24材, EMが 原 材 の材 質SS34で あ る。 コ ンク リー トの粗 骨 材 に は,20mm以 下 の メ サ ライ トを使 用 した。 図-3.2.1  配 筋 図(X-1A,X-1B) 図-3.2.2  加 力 お よ び変 形 測 定 図 表-3.2.1  試 験 体 概 要 表-3.2.2  材 料 性 状 * σ蜜=σ max/1.15と 仮 定 し た 。 ** 実 測 値 に よる。

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コ ン ク リ ー ト ・ジ ャ ー ナ ル

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R-2 X-2A X-2B R-2 X-2A X-2B 3.2.2 実 験 結 果 表-3.2.3に 強 度結 果 を,図 一3.2.3, 図-3.2.4に 荷 重 一変形 曲 線 を,図-3.2.5,図 一3.2.6に 破 壊 状 況 を 示 し た。 表-3.2.3か ら強 度結 果 を検 討 す る。 せ ん 断 ひ び わ れ 強 度 は 各試 験 体 と も大 差 は な く,配 筋 の 差 はみ られず,ま た計 算 値 と も よ く一 致 して い る。 せ ん断 スパ ン比=2の2シ リー ズ で は 曲 げ 降伏 強 度 は,X-2B,R-2,X-2Aの 順 に 高 くな っ て い る。 これ は壁 筋 が 曲 げ 主筋 に 協 力 し て働 く程 度 に対 応 して お り,壁 筋 を考 慮 した計 算 値 に よ く一 致 して い る。X-2B は 曲 げ主 筋 の み を考 えた 曲 げ 降伏 計算 値 に一 致 して お り,曲 げ 降 伏 強 度 が 明確 で あ る。 図-3.2.3  h/d=2試 験 体 のP一 δ 曲 線 図-3.2.4  潮d=1試 験 体 のP一 δ 曲 線 図-3.2.5  h/d=2試 験体 の破 壊 状 況

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せ ん断 スパ ン比=1の1シ リーズ で はせ ん 断終 局 強 度 は,X-1A,X-1B,R-1の 順 に高 くな って い るが,X-1Bお よびR-1は 曲 げ降 伏 して い るの で せ ん 断 強 度 と して はや や 低 く評 価 して い る。 この 結 果 か らX-1Aの よ うな配 筋 方 法 は,せ ん 断 補 強 と して は不 適 当 な こ とが わ か る。 最 大 強 度 は,せ ん断 破 壊 したX-2Aお よびX-1A を除 き,曲 げ塑 性 理 論 で ほ ぼ推 定 で き る。 破 壊 性 状R-2は 曲 げ ひ び わ れ がせ ん断 ひ びわ れ に発 展 し,最 終 的 に は斜 ひ び われ が脚 部 圧 縮zoneに 集 中 し て 曲 げ せ ん 断圧 壊 し,主 筋 が座 屈 した。X-2Aは 曲 げ 耐 力 は 高 い が,せ ん断 圧 壊 した。X-2Bは 曲 げ ひび わ れ が 細 か く分散 し,斜 ひ び われ の脚 部 圧 縮zoneへ の集 中は み られ ず 曲 げ 引張 破 壊 した。 シ リー ズ1の 各 試 験 体 の ひ び われ 発 展 経 過 は シ リーズ 2と ほ ぼ 同 じで あ った。 最 終 破 壊 は各 試 験 体 と も対 角 線 上 に入 るせ ん 断 ひ び わ れ で生 じた。 図-3.2.3に お い て 変形 性 状 お よ び履 歴 曲線 につ い て 検 討 す る。 房♂=2の シ リー ズ で は 履 歴 曲線 の安 定 性, 繰 返 し加 力 に対 す る耐 力保 持 な どの 靭 性 につ い て はX-2Bが 最 もよ い性 状 を示 し,R-2が これ に つ ぎ,X-2A は靭 性 に乏 しい。X-2Bは 部 材 角R1/50の 大 変 形 に お け る正 負 繰 返 し加 力 に お い て も履 歴 曲線 は安 定 した紡 錘 形 を し め し,す ぐれ た 靭 性 を も って い る。 h/4=1の シ リー ズ で は,X-1Aは 部 材 角R1/25O で せ ん断 破 壊 し,R-1はR1/200の 繰 返 し加 力 で は 安 定 した履 歴 曲線 を示 し,R=1/100の 正 負 繰 返 し加 力 で も顕 著 な耐 力 低 下 は み られ な か った。 3.2.3 結 論 EMで 補 強 した耐 力壁 に正 負 繰 返 し加 力 試 験 を した結 果,つ ぎの よ うな結 論 を得 た。 1) EMを 壁 の せ ん 断補 強 に 用 い る場 合 に は,そ の 強 軸 を材軸 に 直 交 して配 置 す る と(B型 配 置)非 常 に有 効 で あ る。 2) EMを そ の 強 軸 を材 軸 に 直交 して配 置 した壁 は, 耐 力,剛 性 お よ び靭 性 に お い て,ほ ぼ等 量 の丸 鋼 縦 横 配 筋 壁 と同 等 以上 の性 能 を示 す 。 3) EM補 強壁 で も,曲 げ お よ びせ ん断 強 度 推 定 に通 常 のRC理 論式 が 適 用 で き る。 3.3 は りの 実験 EMをRCは りの せ ん 断補 強 に 用 い た場 合,ど の程 度 の 耐 震 性 能 を期待 で き る か を検 討 す る た め,EMを せ ん 断 補 強 に用 い たRCは りに繰 返 し曲 げ お よ びせ ん断 力 を 加 え,そ の 強 度,変 形性 状 お よび復 元 力特 性 を通 常 の肋 筋 を用 い たRCは りとの 比較 実験 を行 な った。 3.3.1 試 験体 お よ び 試 験 方 法 表-3.2.3  強 度 結 果

注)各 計算値は次式に依 る。EMの 強軸 を材軸 と一致 させ たA型 試験体では,曲 げ主筋 を包 むEMも 曲げ補強筋 として有効 に働

くとし,R型 試験体 は壁縦筋 を多段配筋 は りと して扱 った。 1) 曲げ降伏荷重 最大荷重 θ関数法(梅 村博士)に 依 る。P出aKで は,コ ンクリート最大圧縮ひずみ度を0.25%と した。 2) せ ん 断 ひ び わ れ 荷 重Psc=τcmαan・tナ=α ×{々c(500十Fo). 1.7}・t・j(荒 川 博 士 式) α:軽 量 コ ン ク リー トに 対 す る逓 減 係 数(=0 .8)4:有 効 丈(シ リ ー ズ1-75cm,シ リ ー ズ2-160cm) 3) せ ん 断 終 局 荷 重P』 ガ=一 ・t≠ β巫 ・ん ρ(180+0 .12+2.7・t・j(荒 川 博 士 式) β:軽 量 コ ン ク リー トに対 す る 逓 減 係 数(=0.75)

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コ ン ク リ ー ト ・ジ ャ ー・ナ ル

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R-1 X-1A X-1B 図-3.2.6  潮dl=1試 験 体 の 破 壊 状 況 図-3.3.1  試 験 体 図 表-3.3.1  試 験 体 一 覧 表 (共 通 事 項)1)EMのSW×LWは す べ て38.1×114.3で あ り,EMの カ ッ コ 内 はT×W を 表 わ す 。 2) T形 ば りの ス ラ ブ のEMは,EM(1.6×2.3)の 強 軸 を材 軸 に 直 交 して 配 置 した 。

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試 験 体 お よび試 験 方 法 の概 要 を表 一3・3・唾 お よび 図 一 3.3.1 に 示 した 。 せ ん断 補 強 量 は各 試 験 体 とも に計 算 に よ る曲 げ 降 伏荷 重 時 せ ん断 力 に対 して荒 川 博 士 式 に よ り Pwを 決 定 した。EMのP昭=.At/S下V・cosθ.tは 重 量 等価 の 相 当 肋 筋 比 で あ る。 表 一3・32,表 一3・3・3に 材 料 の性 状 を示 す 。 図-3.3.1のBシ リー ズ のEMは 「コ」 の字 形 の2 つ の部 材 を重 ね,継 手 長 さ 五Wと した もの で あ り,TB シ リー ズ のEMはEMの 端 部 をス ラブ の 中 にLWだ け定 着 させ た もの で あ る。 3.3.2 実 験 結 果 荷 重 一変 形 曲線 を図 一3.3.2に 示 した 。 こ の 変形 曲 線 は 同一 変 形 に お け る数 回 の繰 返 しの 最 初 の1回 の み をプ ロ ッ トした もの で あ る。 EMを 用 い た長 方 形 ば りにつ い て は,全 試 験 体 共,最 大耐 力 は荒 川 式 よ り求 め たせ ん断 耐 力 計 算 値 を上 まわ っ て お り,EMを 重量 等 価 な 肋筋 とみ な しそ の降 伏 強 度 を 2400kg/cm・ とみ な した程 度 の補 強 効 果 は期 待 で き る も の と思 わ れ る。 復 元 力特 性 に関 して は きれ つ 状 況 か ら も 予 想 で き る こ とで あ るが,ル ー プ の形 は丸 鋼 を肋 筋 に使 用 した は りよ りも紡錘 形 に近 い反 面,変 形 能 力 は い くぶ ん小 さ い よ うで あ る。EMを 用 い たT形 ば りに つ い て は,EMを 用 い た長 方 形 ば りに比 較 して,繰 返 しの 早 い 時 期 に破 壊 して い る が,T形 ば りは図-3.3.1に 示 す よ うに,ス ラ ブ筋 に もEMを 用 い た場 合 の 最 も配筋 が 簡 単 な もの を想 定 した試 験 体 で あ り,長方形 ば りと同様 に ・ EMに 重 ね 継 手 を設 け る等,継 手 を工夫 す れ ば 長 方 形 ば り と同様 な性 状 を示 す もの と思 われ る。 3.3.3 結 論 EMを は りの せ ん 断補 強 に用 い た実 験 の結 果,つ ぎ の よ うな結 論 を得 た。 1) EMの 降 伏 強 度 を2.4t/cm2と 仮 定 して,荒 川 博 士 式 に よ りせ ん 断補 強 した は りの性 状 は,重 量 等 価 の通 常 肋 筋 を用 い たRCは りと大差 な い。 2) EM補 強 長 方 形 ば りの履 歴 曲 線 は,塑性 率 μ=δ/δy =3程 度 まで は 安 定 した紡 錘 形 を 示 す 。 た だ しjPw= 0.2%の せ ん 断 補 強 が 少 な い もの は靭 性 が小 さい。 3) EM補 強T形 ば りに つ い て はせ ん断 補 強EMの 床 板 へ の定 着 方 法 な どに なお 問 題 を残 して い る。 しか し 補 強 量 の多 い場 合 に は十 分 な 靭 性 が 期 待 で き る。 3.4 柱 の 実 験 EMに よ って せ ん断 補 強 したRC柱 に逆 対 称 曲 げせ ん 断繰 返 し加 力 を行 な い,そ の強 度,変 形 お よび 履 歴 性 状 を調 べ,EMに よ るせ ん 断補 強 の 可能 性 を検 討 した。 3.4.1 試 験体 お よ び試 験 方 法 表-3.3.2  コ ン ク リ ー ト シ リ ン ダ ー 試 験 結 果 表-3.3.3  鉄 筋,EM原 板(SS34)の 引張 試 験結 果 図-3.3.2  荷 重-変 形 曲 線

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コ ン ク リ ー ト ・ジ ャ ー ナ ル

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試 験 体 の概 要 を表-3.4.1お よ び図-3.4.1に 示 す 。 EMは 閉鎖 形 が で き な い た め,せ ん断 補 強 に 用 い る場 合 に も重 ね継 手 が必 要 とな る。 本 実 験 で は,EMの 補 強 効 果 を調 べ る と と もに,重 ね継 手 の長 さ,継 手 位 置 な ど を変 え な が ら,せ ん断 スパ ン比,軸 圧 縮 力 な どの 要 因 を も含 め て計13体 の試 験 を行 な っ た。 せ ん 断 補 強 量 は各 試 験 体 と も計 算 に よ る曲 げ降 伏 荷 重 時 せ ん 断 に対 して, 荒 川 博 士 式 に よ りP伊 を 決 定 した。 試 験 方 法 を 図 一 3.4.2 に示 す 。 軸 圧 縮 力 を作 用 させ なが ら逆 対 称 加 力 試 験 を行 な うの で,変 形 拘 束 に よ る不 測 の 応 力 を生 じな い よ う十 分 留 意 し た 。 使 用 材 料 の 性 状 を 表-3.4.2,表 一3.4.3に 示 し た 。 3.4.2 実 験 結 果 荷 重 一変 形 曲 線 を 図 一3.4.3に 示 し た 。 こ の 変 形 曲 線 図-3.4.1  試 験 体 図 表-3.4.2  コ ン ク リ ー ト ・ シ リ ン ダ ー 試 験 結 果 表-3.4.1  試 験 体 一 覧 表 (共 通 事 項)1)EMの8W×L▼Vは す べ て38.1×114.3 2) Plvは 重 量 等 価 の 相 当 帯 筋 化 図-3.4.2  加 力 装 置 図 (1) 試 験 体 (2) ダ イ ヤ ル ゲ ー ジ ・ホル ダ ー (3) ロ ー ラー 支 承 (4) ピ ン支 承 (5) 反 力 ビ ー ム (6) 復 動 オ イ ル ジ ヤ ツ キ (7) ロー ドセ ル (8) オ イ ル ジ ヤ ツ キ (9) カ ウ ン タ ー ・ウ ェ イ ト (10) 軸 力 用 反 力 ビー ム (11) PC鋼 棒 (12) テ フ ロ ン ・シ ー ト 表-3.4.3  鉄 筋,EM原 板(SS34)の 引張 試 験 結 果

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は 同 一 変形 に お け る数 回 の繰 返 しの最 初 の1回 の み を プ ロ ッ トした もの で あ る。 荒 川 博 士 式 を柱 に適 用 す る こ とに は 問題 が あ る が,荒 川 博 士 式 に よ る値 を現 段 階 にお け る一応 の 基 準 とすれ ば,全 試 験 体 共,最 大 耐 力 は計 算値 を上 ま わ って い る。 ま た荷 重 一変 形 履 歴 曲 線 は,通 常 のRC柱 に比 較 して か な り安 定 して い る と い え る で あ ろ う。 た だ し今 回 の 試 験 体 の ほ とん どが,コ ンク リー トの圧 壊 に よ って 破 壊 して お り,EMの 破断 に よ って破 壊 す る領 域 の柱 に関 して は更 に実 験 を行 な って い く必 要 が あ ろ う。 また,EMの 継 手 の形 式 の違 い に よ る性 状 の差 異 は ほ とん どな か った。 3.4.3 結 論 EMで せ ん 断 補 強 したRC柱 実験 の結 果,ス ケ ール イ フ ェ ク ト,通 常配 筋 との 詳 細 な 比較 検 討 な どの 問題 は残 して い るが,つ ぎの よ うな こ とが結 論 され る。 1) EMの 短 期 許 容 応 力 度 ノt=2.4t/cm2と して, EMを 従 来 の帯 筋 の代 りにRC柱 の せ ん 断補 強 と して 用 い る こ と は可 能 で あ る。 2) せ ん 断 補 強 用EMの 重 ね 長 さは 塑性 域 繰 返 し加 力 に た い し靭 性 を保持 す る た め に は,LWF程 度 は 必 要 で あ ろ う。 実 大 実 験(B×D=・35×50cm2)に お いて もLVV 重 ね長 さで靭 性 を確 認 した。 な お,は りお よ び柱 の実 大 実 験,は り柱 骨 組 に囲 まれ た壁 の 実験 な ど も行 な った が,紙 数 の関 係 で 省 略 した 。 4. お わ り に この 工 法 は エ キ ス パ ン ドメ タル 工 法 と名 付 け られ,日 本 建 築 セ ン ター の 評 定 を得 て お り,床 の 曲 げ補 強 筋 お よ 図-3.4.3  荷 重-変 形 曲 線

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コ ン ク リ ー ト ・ジ ャ ー ナ ル

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び 壁 の せ ん 断補 強 筋 と して現 在 ま で に合 計700ト ンの施 工 実 績 を も って い る。 機 会 が あ れ ば施 工 記 録 につ い て も 発 表 す るつ も りで あ る。 この 研 究 は,芝 浦 工 大 浜 田研 究 室,東 京 工 大 黒 正 研 究 室 との 共 同 研 究 で5年 間 にわ た って な され た も の で,両 研 究 室 の 諸 先 生 方 をは じめ,材 料 を提 供 して い た だ い た メー カ ー の 方 々,試 験体 の製 作 に協 力 して い た だ い た大 成 建 設 の 現 場 の 方 々 に感 謝 の意 を表 します 。

STUDY

ON

THE

EXPANDED

METAL

REINFORCED

CONCRETE

By Akio Ikeda"

and Hideakira

Niwa"

Concrete Journal, Vol. 12, No. 12, pp. 1,-13 (1974)

Summary

Expanded-metal

is efficient in reinforcing

concrete

members on behalf of steel bar.

Decrease

of man-power

in steel bar work and promotion

of the capability

of R.C.

members can be obtained

by using it.

Experiments

were carried out on 1) bending reinforcement,

connection and anchoring

in slab, 2) shear reinforcement

of wall,

3) shear reinforcement

of beam and 4) shear

reinforcement

of column using expanded-metal.

In every case reinforcing

effect was confirmed to be equal to or more than that of

steel bar with allowable stress of 2 400 kg/cm2.

It was also acknowledged

that the length

of connection and anchoring can be shorter than those of steel bar.

Key word : new technique, reinforced

concrete, reinforcing member, cohesion,

anchor-ing, slab, wall, beam, column.

1) Dr. Eng., Technical Development Department, Taisei Corporation. 2) Technical Development Department, Taisei Corporation.

参照

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