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二電子スピンHamiltonianについてのself-consistentな解の性質について

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物性論研究 2集13巻1号 1963年(終刊号) 二電子スピンHamiltonianについての self-Consistentな解の性質について 名大工 志水正男 〃 林 英輔 概要 Hartree-Fock法に基いて、実際に多電子系の状態をself-consistent な解として求めるとき、最初に仮定される全系波勧函数の対称性とHartree -Fock方程式を変分法で導く際に用いる変分の副条件のとり方によつて. 解が影響を受ける.簡単に計算出来る例として二電子スピンHamiltonian について、全系波動函数の形、即ち対称性の択び方と変分の副条件の二種の 異ったとり方を組合せた種々の異つた解法を用いて解を求め、正しい解と比 較する. self-consistentな解が正しい解であるためには、全系の波動関数は、正 しい対称性を満していることが必要である.又同時に変分の副条件としては、 全糸波動函数の規格条件のみを用いる方が一般に正当である.副条件として、 一電子函数の規格直交条件を用いると、我々の討算した例では、全系波動関 数が反対称な場合はやはり正当な解を得るが、対称な揚合には、正しい解以 外に、余分な正当でない解を生じたり.或は、正しい解を得られず、全く正 しくない解を得ることがある.

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(54) 志水 林 §1 序 多電子系の問題をHatree-Fock近似で取扱うとき,全系の波動函数Ψとして一 電子スピン軌道の反対称結合を用いる.このΨについての全系のHamiltonanの期待 値が、一電子スピン軌道の変分に対して定常値をとるという条件と、その際Ψが規格化 を保つているという副条件とから、Euler方程式が導かれる、これが一電子状態及び全 系の状態を決めるHatree-Fock方程式である. 実際に原子等の問題を解く際には、Hatree-Fock方程式は、軌道函数についてだ けの方程式となることがある、このような場合、変分の条件としてしはしばしば一電子軌道の 規格直交条件が用いられる.しかし.このことはある場合には拘束となるかもしれないし 又、SharmaとCoulson(1)が指摘しているように、ヘリウム原子の1△2△1S状態 のような場合には、この副条件は、この状態が基底状態と直交しないというような根本的 な問題を生じさせる結果となる、しかるこ、ある著者等(例えば、MottとSneddon(2)) は、一電子軌道間の直交性を仮定することは正しい(legitemate)としていた. この論文では、簡単な二電子スピンHamiltonianについてself-consistentな 解を求め、この副条件のとり方が、最終結果にどのような効果を及ぼすかを、全形波動函 数の形、即ち対称性と関連して議論する. この議論をスピンの問題を用いて論ずる理由は原子の場合のように軌道のみの問題と して扱う際は、完全なself-consistentな解を求めることは容易でないのに反して、こ の場合には全係の波動函数(即スピン函数)は最終的には、スピン函数αとβの二個 の函数だけのsetによって完全に表わすことが出来、したがつて完全なself-consistent な解が解析的な計算により簡単に求まるからである. Hamiltonianが電子の交換について対称であるときは.全系の波動函数は対称の場 合と、反対称な場合がる.(3)ここでは、この二つの対称性に加えて、近似の程度を比較 していしらべる目的Hartree近似に対応する一電子函数の単純な積で表わされる全系波 函数についても計算を行つた。 尚、全ての解は、Roothaan(4)方法と類似した、全系のスピン函数を最終的には、α とβのsetで展開し、その展開係数をself-consistentに決定する計算方法を用いた. §2 ズピンHamiltonanと解法 二電子系に於いて、次のようなスピンHamiltonianを扱う.

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二電子スピンHamiltonanについてのself-consistentな解の性質について (55) 〓=Σξ1η=x,y,z γξηSξ(1)Sη(2)(1) ここでSξ(1)は電1のスビンoperatorのξ成分であるγξηは係数。一般のγξηの 値については、(1)は必ずしも物理の問題として存在し得るHamiltonanではないが、我 々は色々なγξηの値を与えて考察する. 二電子系のスピン函数を(H)(1,2)と表す.(H)(1,2)の形、即ち対称性としては色 色に仮定することが出来るが.いづれの形を仮定したとしても、(H)(1,2)はS2及び Szの固有関数α及びβによつて展開することが出来るであろう.色々な(H)(1,2)の 形と二通りの変分の副条件のとり方を夫々組合せると、いくつかの相異つた解法が出来る、 これらを以下に列挙する,尚、式の中でα、βをθ+.θ-と夫々表わした方が便利なと きは.しばしば、そのよう表わすことにする. 方法 1. (H)(1,2)の形として次のものを用いる. (H)(1,2)=Σσ,σ′=+,-ασσ′θσ(1)θσ′(2) 副条件としては(H)(1,2)の規格条件のみを用いる, ∫|(H)(1,2)|2ds1ds2=1(3) Eular方程式は ΣσΣσ,σ′=+,-{H(σ″,σ″′;σ,σ)-Eδσσ″δσ′σ″′}ασσ′=0,(4) 但し、σ″,σ″′=+,-. 又ここで

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(56) 志水 林 H(σ″σ″′,σ,σ′)=∬θσ″(1)θσ″′(2)〓θσ(1)θσ′(2)ds1ds2. これからEについて4次の永年方程式が導かれ.これを解けば、固有値Eとその固有 函数が求まる. (2)で仮定した(+)(1,2)は,二体の函数θσ(1)θσ′(2)の展開している形から 考えて、このスピン問題でのexactな解であると考えることが出来る、そして、 又この方法では、解は(4)からただちに求まり'self-consistentの操作は必要ない. 方法 2. (H)(1,2)を次のような二ケの一電子スピン函数の積で表した形をとる、これは、 Hartree近似の波動函数の仮定に対応する. (H)(1,2)=(H)1(1)(H)(2)(6) ここで(H)と(H)2は一体函数であり、夫々を次のように展開する. (H)i=Σσ=+,-Ciσθσ,i=1,2.(7) 又、副条件としては(3)と同じものを用いる.この場合(3)をC1σとC2τで表わす と、 (|C1+|2+|C1-|2・(|C2+|2|C2-|2)=1(3′) Euler方程式は Σσ,σ′″=+,-{C2σ″′C2σ′H(σ″,σ″′;σ,σ′)-E|C2+|2|C2-|2δσ′σ″′}C1σ=0 σ″=+,-について, (8)

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二電子スピンHamiltonianについてのself-condisitenceな解の性質について (57) 及び Σσ,σ′,σ″=+,-{C1σ″C1σH(σ″,σ″′;σ,σ′)-E|1C1+|2+|C1-|2δσ′σ″′}C2σ′=0 σ″′=+,-について, (9) ここで、H(σ″,σ″′;σ,σ′)は(5)を用いる。 (8)と(9)からself-consisitantな解,及びC1+,C1-,C2+,C2-を求 める計算方法はAppendixで示してある. 方法 3 〓が電子の交換について対称であるとき、(物理の問題として扱う場合は、このよう な場合である)には.(H)(1,2)は対称か,或は反対称である、(3)しかるに、方法2 で用いた(H)(1,2)は、次のように書き直すことが出来る. (H)(1,2)=(H)1(1),(H)2(2) =1/2〔{(H)1(1)(H)2(2)+(H)2(1)(H1(2)}+{(H)1(1)(H)2(2)-(H)2(1)(H)1(2)〕 これから分るように(H)(1,2)は.(H)1=±(H)2という特別な場合に対称となること を除けば、一般に非対称である、だから、対称性を考慮するならば(H)(1,2)として あらかじめ対称及び反対称の形を仮定しておく必要がある.そこでまず、対称の場合 を仮定する. (H)(1,2)=1/√2{(H)1(1)(H)2(2)+(H)2(1)(H)1(2)}(10) ここで(H)1及び(H)2を(7)のように展開する.又変分の副条件は(3)を用いる、 Euler方程式は.

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(58) 志水 林 Σσ,σ',σ'''=+,-.C2σ'~C2σ'''{H(σ'',σ''';σ,σ')-E(δσσ''δσ'σ'''+δσσ'''δσ'σ'')}C1σ=0, σ''=+,-について (11) 及び Σσ,σ',σ'''=+,-.C1σ'~C1σ'''{H(σ'',σ''';σ,σ')-E(δσσ''δσ'σ'''+δσσ'''δσ'σ'')}C2σ'=0 σ'''=+,-について (12) H(σ'',σ''';σ,σ')=1/2∫{~θσ''(1)~θσ'''(2)+~θσ'''(1)~θσ''(2)}〓{θσ(1)θσ'(2)+θσ'(1)θσ(2)}ds1ds2 (13) 又、(3)の規格条件は、この場合には次のように表わされる。 2|C1+|2・|C2+|2+|C1+|2・|C2-|2+|C1-|2・|C2+|2+|C1-|2・|C2-|2+C1+~C1-~C2-~C2+~C1+C1-C2+~C2-=1 (3'') 解を求めるにはAppendixで示したと同じ方法を用いる。又以下方法4~方法10 に於ても,同じ方法を用いる。 方法4 (H)(1,2)を次のように反対称の形に仮定する。 (H)(1,2)=1/√2(H)1(1)(H)2(2)-(H)2(1)(H)1(2)}. (14) 変分の副条件としては(3)を用いる。これは,この場合には次のように表わされる。 |C1+|2・|C2-|2+|C1-|2・|C2+|2-C1+~C1-~C2-~C2--~C1+C1-C2+~C2-=1 (3''') Eular方程式は

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二電子スピンHamiltonianについてのself-consistentな解の性質について (59) Σσ,σ',σ''=+,- C2σ'~C2σ'''{H(σ'',σ''',σ,σ')-E(δσσ''δσ'σ'''-δσσ'''δσ'σ'')}C1σ=0, σ''=+,-について、 (15) 及び Σσ,σ',σ'''=+,- C2σ'~C2σ''{H(σ'',σ''',σ,σ')-E(δσσ''δσ'σ'''-δσσ'''δσ'σ'')}C2σ=0, σ''=+,-について、 (16) ここで {H(σ'',σ''',σ,σ')=1/2∫{~θσ''(1)~θσ''(2)-~θσ'''(1)~θσ''(2)}〓{θσ(1)θσ'(2)-θσ'(1)θσ(2)}ds1ds2. (17) 方法5 全系スピン函数(H)(1,2)としては,方法2と同じ(6)の形を仮定する。しかし、変分 の副条件としては,一電子スピン函数の規格直交条件を用いる。即ち, ∫(H)*i・(H)jds=~Ci+Cj+~Ci-Cj-=δij i,j=1,2について. (18) Eular方程式は, Σσ,σ',σ'''=+,-{C2σ'~C2σ'''H(σ'',σ''';σ,σ')C1σ-ε11C1σδσσ''-ε12C2σδσσ''}=0 σ''=+,-について、 (19) 及び Σσ,σ',σ'''=+,-{C1σ~C1σ''H(σ'',σ''';σ,σ')C2σ-ε21C1σδσ'σ'''-ε22C2σ'δσ'σ'''}=0,

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(60) 志水 林 ここで,ε11等を次のように表わすことができる。 ε11=Σσ,σ',σ'',σ'''=+,-H(σ'',σ''';σ,σ')C1σC2σ'~C1σ''~C2σ'''=<〓>=ε22,} (21) ε12=Σσ,σ',σ'',σ'''=+,-H(σ'',σ''';σ,σ')C1σC2σ'~C2σ''~C2σ''',} ε21=Σσ,σ',σ'',σ'''=+,-H(σ'',σ''';σ,σ')C2σC1σ'~C1σ''~C1σ'''.} (19),(20)及び(21)のH(σ'',σ''';σ,σ')としては(ζ)を用いる。このε12及び ε21を夫々(19)と(20)に代入し,解をself-consistentに求める。 方法6 (H)(1,2)としては,方法3で用いた(10)を仮定し,副条件としては,一電子スピ ン函数の規格直交条件(18)を用いる。この場合H(σ'',σ''';σ,σ')として(13)を用い れば,Eular方程式及びε11等は夫々(19),(20)及び(21)で表わされる。 方法7 (H)(1,2)としては,方法4で用いた(14)を仮定し,副条件としては,一電子スピン函 数の規格直交条件(18)を用いる。この場合H(σ'',σ''';σ,σ')として(17)を用 いれば,Eular方程式及びε11等は夫々(19),(20)及び(21)で表わされる。 方法8,9,10 Roothaanによれば(4),Hartree-Fock近似で,全系の波動函数が1つの行列式 で表わされるとき,この行列式に適当なユニタリー変換を行うことにより非対角的 Langange未定係数ε12とε21を0にし,しかもそれが最終結果に影響を与えない。 そこでε12とε21をあらかじめ0にしておいて計算をすれば,ずっと容易に解を得 ることが出来る。ここでは,このやり方の適用を拡張して,方法5,6,7の夫々の Eular方程式においてε12とε21をあらかじめ0とおいて解く。これらの解法を夫 夫方法8,9,10とする。 以上10通りの方法を列挙したが,この各方法を(H)(1,2)の対称性と副条件につ

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二電子スピンHamiltonianについてのself-consistentな解の性質について (61) いて表に示すと第1表のようになる。 又,この各方法を用いて,いくつかの簡単なγξηの値について解を求め,その結果 をexactな解と考えられる方法1の解と比較する。 γξηの次の5通りの値について解を求めた。 (ⅰ) γxx=γyy=γzz=1, 他の γξη=0 (ⅱ) γxy=γyx=1, 他の γξη=0 (ⅲ) γzz=1, 他の γξη=0 (ⅳ) γxy=1, 他の γξη=0 (ⅴ) γxy=1,γyx=1 他の γξη=0 (ⅰ)のγξηは局在化され,二電子スピン間に働く交換相互作用のHamiltonianに 対応する。即ち, 〓=Sx(1)Sx(2)+Sy(1)Sy(2)+Sz(1)Sz(2)=S(1)S(1). 表1. 各解法に於ける(H)(1,2)の対称性と採用した変分法の副条件

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(62) 志水 林 又(ⅲ)のγξηは,双極子間の相互作用のHamiltonianの1部分に対応する。(ⅳ) と(ⅴ)のγξηの値をもつHamiltonian 〓は電子の交換について対称ではないので, 物理的には意味をもたないが,解を数学的にも調べる立場から一応計算を行った。方 法1から10までを用いた(ⅰ)から(ⅴ)までのγξηの結果は表2に示してある。 §3. 結果 (ⅰ)γξηについて:方法1で求めた結果は,よくしられている2スピン間の交換相互 作用の固有状態で,三重項のE=1/4と,縮退のない一重項E=-3/4である。波動函数 はE=1/4については計算から直接には,三つの互いに直交する独立名函数,α(1)α(2), β(1)β(2),と1/√2{α(1)β(2)+β(1)α(2)}を規格条件(3)を満す範囲内で,任意に一 次結合したものが導かれるが,これからは独立な三つの函数を常に作ることが出来,普通 には上に挙げた三つの互いに直交する函数をこの三重縮退状態の三つの固有函数にとる。 これらは全く対称である。E=-3/4の固有函数は表に示した通り反対称である。 方法2を用いると,E=1/4とE=-1/4が得られる。E=1/4は方法1で求められた 対称な三重項であるが,その波動函数は方法1の場合に較べて,三つの縮退した状態の重 ね合せの任意性が少なくなっている。E=-1/4は方法1では出て来ない状態であり,これ は対称なE=1/4と,反対称なE=-3/4の状態が混って出来た非対称な状態であり,又 E=1/4の状態と直交しない。したがって正しい固有状態とは考えられない。これは, (H)(1,2)の形が正しい対称性を持つように仮定されなかったためである。 方法3及び4は,方法1に全く一致する。方法5では,E=1/4が得られるのみで, E=-1/4の状態は直交条件(18)を満たさないため,現れない。方法6は,方法1及び3 の結果と同じE=1/4は求められるが,波動函数は三つの独立な函数の任意の重ね合せで はなく,直交条件(18)を満たすもののみが得られる。方法7による結果は,方法1及び方 法4の結果と全く一致する。方法8,9,10は夫々方法5,6,7と全く同じ結果を得る。 (ⅱ)のγξηについて:方法1では,E=1/2、E=-1/2とE=0の三つの状態が得られ る。E=1/2及びE=-1/2は対称な状態である。E=0は計算からは,表にあるよ うに,一見非対称な状態に見える結果が得られるが,これは実は,対称な状態と非対称な 状態が縮退しているのである。 方法2では,前に述べたように(H)(1.2)の正しい対称性の考慮を欠いているため に,方法1とは異った結果が得られている。 方法3では,方法1によって得られた対称な状態の他にE=1/4とE=-1/4,又E=0 では(H)(1.2)=α(1)α(2)とβ(1)β(2)が余分に得られることは注意を要するこ

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二電子スピンHamiltonianについてのself-consistentな解の性質について (63) とである。このことについては§4で議論する。 方法4では,方法1で得られた反対称な状態が得られる。方法5から以下の様子は,(ⅰ) のγξηについての場合と同様ある。 (ⅲ)のγξηについて:方法1では,E=1/4とE=-1/4が得られ,前者はα(1)α(2) とβ(1)β(2)の対称名二つの固有状態が縮退している。一方後者は表にあるように,対称 な状態と反対称な状態が縮退している。 方法2では,E=1/4についてα(1)α(2)とβ(1)β(2)が,任意の一次結合としてでは なく,別々に得られる。又E=1/4も得られるが,これは対称性の考慮を欠いているために, 表にあるような非対称な状態として得られる。又これら以外に,方法1では得られなかっ たE=0が得られる。これはψ1=ψ2+2ηπ(ηは整数又は0)の特別な場合に対称 であるが,一般には非対称である。しかもこの状態は,E=1/4及びE=-1/4と直交しな いから固有状態と考えることは出来ない。即ち,E=1/4とE=-1/4が混った状態であ る。 方法3及び4では,結果は方法1の結果と一致する。 方法5では,方法2で得られたE=1/4の状態は直交条件(18)を満たさないために出て 来ない。他の様子は方法2の結果と似ている。方法6では,奇妙なことであるが,E=0 とE=2a2(1-a2)-1/4 (0<-a<-1)が得られる。これらの結果は,直交条件(18) が課せられたときに,方法3の結果から予想されるものと異る。特に後者は連続的なEの 値をもつ点で,本質的に疑問な結果である。又,この二つの状態は,一般には直交しない から,当然固有状態ではない。 方法7による結果は,方法1及び4の結果と一致する。方法8と10による結果は夫々 方法5及び7によるものと同様である。方法9では,E=-1/4を得る。これは方法3の結 果から予想されるものである。しかも,方法6の結果のような連続名状態は生じない。 (ⅳ)及び(ⅴ)ののγξηについて:電子の交換に対して対称ではないHamiltonianを 扱った。この場合、(H)(1,2)は<〓>が電子の交換について変らない。即ち対称であ るためには,当然非対称であり,Hamiltonianから要求される特別な形を持たねばな らない。したがって,方法3,4等は用いなかった。又近似として,方法2を使う場合を 考えて計算を行ったが,当然,方法1の結果と異る。

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(64) 志水 林

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二電子スピンHamiltonianについてのself-consistentな解の性質について (69) §4.結論 以上の各々のγξηの値について得た結果の考察から、以下のことが結論されよう。 (I) self-consistentな解が正しい解と一致するためには、〓(1,2)の形として正し い対称性をもつように仮定されねばならない。方法2を各々のγξηの値の場合につい て用いた結果から分るように、〓(1,2)がHamiltonianから要請される正しい対 称性を持ち得ないときには、正しい解を得ることが出来ない。そして求まる基底状態 のエネルギーは、正しい値に較べて高く求められることがある。このことから、既に よく知られている事実、即ち、Hartree近似法から得られる基底状態は、対称性の 拘束のために、正しい値に較べそのエネルギーは高く求められることがあるうことが分 る。 (II) 〓(1,2)として正しい対称性を考慮した形を仮定した場合でも、self-consistentは解を求める手続で求めた解が、正しい解と共に更に余分な解を含むことがある。例 えば、(ii)のγξηの値について、方法3で求めた解の場合がそうである。これについて、 更に詳しく考えてみる。 方法3は〓(1,2)が対称な場合であるから、対称な状態について、正しい解が求ま る方法1と方法3を比較してみよう。方法1の(2)式に於いて、ασσ'=ασ'σだか ら、(2)式は次のように書ける。 〓(1,2)=12σ,σ'=+,-ασσ'{θσ(1)θσ(2)+θσ'(1)θσ(2)}

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(70) 志水林 すると、 〈〓〉=12Σσ,σ',σ'',σ''',=+,-ασ''σ'''ασσ'H(σ'',σ''',σσ'). (22) ここで、H(σ'',σ''',σσ')は(13)で与えられる式である。又規格条件は、 12Σσ,σ',σ'',σ''',=+,-ασ''σ'''ασσ'(δσσ''δσ'σ''+δσσ'''δσ'σ'')=1 (23) であるから、Eular方程式は Σσ,σ'=+,-{H(σ'',σ''';σ,σ')-E(δσσ''δσ'σ'''+δσσ'''δσ'σ'')ασ'σ''=0 (24) σ'',σ'''=+,-について 一方、方法3での〈〓〉と規格条件は、 〈〓〉=Σσ,σ',σ'',σ''',=+,-C1σ''C2σ'''C1σC2σ'(δσσ''δσ'σ'''+δσσ'''δσ'σ'')=1 (26) ここで、H(σ'',σ''';σ,σ')は(22)に於けると同じもの、即ち(13)である。(25) と(26)から導かれるEular方程式は(11)と(12)である。 (22)と(25)、(23)と(26)を比較すると気がつくことは、√2C1σC2σ'=ασσ'とすると(11)及び(12) は、次のように表わされる。

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二電子スピンHamiltonianについてのself-consistentな解の性質について (71) Σσ'''=+,-[Σσ,σ'=+,-{〓(σ'',σ''';σ,σ')-E(δσσ''δσ'σ'''+δσσ'''δσ'σ'')ασ'σ'']C2σ'''=0, σ''=+,-について (11') Σσ''=+,-[Σσ,σ'=+,-{〓(σ'',σ''';σ,σ')-E(δσσ''δσ'σ'''+δσσ'''δσ'σ'')ασσ']C2σ'''=0, σ'''=+,-について (12') これらから、(24)の解は、(11')及び(12')の特別解になっていることが分る。だか ら(11)及び(12)のself-consistentは解の中で、正しい解、即ち方法1の解と一致 するものは、このようなものである。しかるに(11')と(12')では大括弧の中の式が 0とならない解、即ち(24)の解とは一致しないような解が存在する可能性がある。 先に挙げた(ii)のγξηの値について方法3を用いて求めた解について、この大括弧の 中の式を求めると、E=12とE=-12については0になるが、E=14とE= -14については0にならないことが分る。だから、E=-14とE=14は上に述べ た原因で生ずる解であり、正しい解ではない。E=0についても同様なことが云える。 各々のγξηの値についての結果からみるとself-sonsistentな手続によって、い くつかのエネルギーの異った状態が求まるとき、その中で最低と最高のエネルギーをも つ。そしてその状態は正しい固有状態がいくつか混った非固有状態になっている。 (III)〓が対称なとき、〓(1,2)が反対称な場合は、ここで扱ったHamiltonianに ついての範囲内では、self-consistentな解を求める手続きによって、常に正しい 解を得る。しかし、この計算の例では、反対称の状態は一つしか存在しないため、い くつかの反対称は状態が存在する多電子系のHartree-Fock近似の解(但し、 correlationの効果は除く)について、この結論が拡張出来るか否かは、明らかで はない。 (IV)変分の副条件としては、一般には〓(1,2)の規格条件、即ち(3)を用いることが正 当であり、一電子スピン函数の規格直交条件(18)を用いるならば、この条件が拘束と なる場合がある。例えば、(ii)のγξηの値についての方法5、6、7による解は、最低 エネルギーが高く求まっている。或は(i)のγξηの値について方法6を用いて得た解 のように、エネルギーは変りないが、波動函数の形に拘束が加っていることもある。 更に(iii)のγξηの値について方法6で求めた解のように、全く正当だと思われない

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(72) 志水林 状態が生じることがある。 〓(1,2)が反対称な状態についてだけみれば、(18)の条件は拘束になっていない。 (V)方法8、9、10で用いた非対称的なεをあらかじめ0にしておく方法は、(i)及び (ii)のγξηの値についても、方法8と10は方法5と7と夫々同じ結果を生じ、又方法 6では明らかに正当でない解を得たのに反し、方法9ではその様な解は生じず、むし ろ、方法3による結果から予想される解を得る。 以上の結果は、(1)のような簡単な二電子スピンHamiltonianについての議論であ るが、更に一般的な多電子問題に拡張出来る結論をも含んでいるであろう。しかし、 これは更に確めてみなくては、断言することは出来ない。

(21)

二電子スピンHamiltonianについてのself-consistentな解の性質について (73) Appendix 方法2に於けるself-consistentな解を求める手続きを説明する。尚、方法3以下の方 法でも、同様な手続を用いる。 Eular法廷式(8)に於て、C1σのみを変数と見做せば、(8)はC2σとC2σ'''を係 数部分に含んだ二元一次方程式であり、これkら導かれる永年行列式を解くことにより、固有値Eが求まるが、一般にEはC2+とC2-の函数である。即ち、 E=E1(C2+,C2-). (A1) 一方、方程式(9)に於いて、前と同様に、C2σ'を変数と見做せば、これは、係数部分 にC14とC1-を含んだ方程式となる。これより求まるEは、一般にC1+とC1-の函数で ある。 E=E2(C1+,C1-) (A2) (8)と(9)はconsistentに成り立っていなければならない。即ち(A1)と(A2)は等 しい。実際には、(A1)と(A2)は夫々二つのEの値をもつから、その一方同志が等し く、又他方同志が等しい。 (A1)を(8)に代入し、(3)'を用いると、C1+とC1-がC2+とC2-の函数として得られ る。これを(A2)に入れると、EはC2+とC2-の函数として得られる。このEが(A1)の Eと等しいという条件から、C2+とC2-をきめる方程式が得られる。一般のγξηの値につ いては、この方程式は複雑であるが、数値的に解くことは可能である。 又、比較的簡単なγξηの値については、(A1)を(8)に代入した方程式と(A2)を(9) に代入した方程式を連立させて、C1+、C1-、C2+、C2-を規格条件に合うように決めるこ とが出来る。

(22)

(74) 志水林 文献

1. C. S. Sharma and C. A. Coulson : Proc phys. Soc. 80(1962) 81. 2. N. F. Mott and J. N. Sneddon : Wave Mechanisc and its Applications (Oxford Claresidon, 1948) P.122.

3. E. U. Condon and G. H. Shorley : The Theory of Atomic Spectra (Cambridge U.P ; London, 1959) P.162.

4. C. C. J. Roothaan : Rev. Mod. Phys. 23(1951) 69 ; ibid. 32(1960) 179.

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  憔業者意識 ・経営の低迷 ・経営改善対策.

REDYコードは元々実際に起こり得るプラント挙動 (プラント安定性や運転時の 異常な過渡変化)を評価する目的で開発されており,4.1

西山層支持の施設 1.耐震重要施設 2.重大事故等対処施設 1-1.原子炉建屋(主排気筒含む) 2-1.廃棄物処理建屋.

1-2.タービン建屋 2-2.3号炉原子炉建屋内緊急時対策所 1-3.コントロール建屋 2-3.格納容器圧力逃がし装置

法・条例の措置:

添付資料 3.1.2.5 原子炉建屋から大気中への放射性物質の漏えい量について 添付資料 3.1.2.6 解析コード及び解析条件の不確かさの影響評価について.. 目次

 女川原子力発電所の 原子炉建屋基礎マット 上端で200ガルを超え る揺れ(約250ガル)を 観測し、1~3号機の