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Contents of Carotene and Vitamin C in Fresh Seaweeds Collected at the Coast of the Japan Sea

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家 政 学 雑 誌Vol. 37No. 12 1009∼1019(1986)

山 陰 沿 岸 生 海 藻 の カ ロ チ ン お よ び ビ タ ミンC含

有 量

Contents of Carotene and Vitamin C in Fresh Seaweeds

Collected at the Coast of the Japan Sea

照 子*1

西 村

輝 子*2

桑 本 千 賀 子*3

Teruko YAMAOKA Teruko NISHIMURA Chikako KUWAMOTO

久 子*4

奥 野

子*2

Hisako MASUDA Motoko OKUNO

The contents of carotene and vitamin C in the fresh seaweed samples of 58 species (7 green

sea-weeds, 23 red seaweeds and 28 brown seaweeds), which were collected at the sea shore of

Katsura-shima, Shimane Prefecture or Kumihama, Kyoto Prefecture, were determined.

The results are as follows: (1) It was found that the content of carotene in 100 g of the fresh

seaweed samples of 51 species was above 600 pg and that of vitamin C was above 20 mg in 100

g of the samples of 39 species.

(2) The relationships between the carotene and the vitamin C

contents in seaweed samples varied with the species of seaweeds. For example, positive

correla-tions were observed in green and red seaweeds, but not in brown ones.

1. 緒 言 ビタ ミンや ミネ ラル な どの微 量 栄 養 素 の,体 内代 謝 に お け る生 理 的 意 義 が さ らに重 要 視 され て い る現 在,海 藻 は そ の栄 養 的価 値 が 見直 され,有 用 な食 糧 資 源 とし て脚 光 を 浴 び つ つ あ る.し か し,こ れ らの栄 養 素 の うち,無 機 成 分 に つ い て は,Yamamotoら に よ っ て存 在 の 動 向が 明 らか に され て い る1)が,有 機 成 分 であ る ビ タ ミン類 に つ い て分 析 され て い る海 藻 は少 な く,と くに 種 々の ビ タ ミン類 を多 く含む と思 わ れ る採 取 直 後 の 生 の 状 態 で の 含 有 量 が,測 定 され て い る海 藻 の デ ー タは きわ め て 少 な い. 現 在発 行 され て い る四 訂 日本 食 品 標 準 成 分 表2)で は, 藻 類 と して収 載 され てい る食 品 数 は44で,三 訂 よ り18 品 目増 え,海 藻 の食 糧 化 が 見 直 され て は い るが,ほ とん どが乾 燥 あ る い は塩 蔵 加 工 後 の 成 分 で あ り,生 海藻 とし て は,わ ず か に テ ングサ,ト サ カ ノ リ,ワ カ メにつ い て 記 載 され て い るに す ぎな い.こ れ は,海 藻 が陸 生 食 物 に く らべ て腐 敗 しや す く,分 析 に 迅 速 を 要す る こ との ほか, 生 の ま ま輸 送 した り,保 存 す る こ とが 困難 で あ り,産 地 以 外 の地 域 で は,乾 物 や加 工 品 と して供 給 され る こ とが ほ とん どで あ る こ とに よろ う.ま た,海 藻 は古 くか ら 日 常 の 食 事 や 行 事 の 縁 起 物 と して珍 重 され てお り,産 地 で は 生 の ま ま供 給 す る こ と も多 い に もか か わ らず,調 理 方 法 の 十 分 な 検 討 が な い た め,一 般 に食 用 化 され てい る も の が 限 られ た種 類 で あ る こ と な ど も原 因 と思 わ れ る. と ころ が,現 在 食 用 化 され てい ない 海 藻 に も,種 類 に よ っ て はか な り多 くの ビタ ミン類 が 含 有 され て い る.ま た一 般 に植 物 性 食 品 に含 まれ る ビタ ミン類 は,乾 燥 や 加 工 に よっ て変 化 し,減 少 す る こ とが 多 い. した が っ て,海 藻 を ビタ ミン類 の 供 給 源 と して考 え た 場合,ま ず,生 の状 態 にお け る これ らの存 在 を 明 らか に す る こ とが 重 要 な課 題 であ る と考 え られ る.ま た,生 海 藻 中 の ビタ ミン類 の 存 在 を 明 らか にす る こ とは,海 水 中 の微 量 有 機 成 分3)に も関 連 し,今 後 の 海洋 科 学 に貢 献 す る とこ ろ も大 きい と思 わ れ る. わ が 国 は,諸 外 国 に く らべ て 海 藻 の種 類 に恵 まれ てお り,と くに 山 陰 沿 岸 の 海 は 汚染 が少 な く,周 辺 に は年 間 を 通 じ て良 質 の 海 藻 が 多種 類 生 育 して い る.こ の よ うな 場 所 にお い て,同 一環 境 で 生 育 した 多種 類 の海 藻 を 分 析 す る こ と,お よび 同 一 種類 の海 藻 を季 節 を追 っ て採 取 ・ 分 析 す る こ とは,比 較 生 物 学 的 立 場 か ら も大 切 であ る と 思 わ れ る. *1 京 都 教 育 大 学 名 誉 教 授 *2 島根 女 子 短 期 大 学 *3 華 頂 短 期 大 学 *4 京 都 教 育 大 学 教 育 学 部

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山陰 沿 岸 生 海 藻 の カ ロチ ンお よび ビ タ ミンC含 有 量

表1. (っ づ き)

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これ らの立 場 を ふ まえ て,著 者 らは,海 藻 を食 糧 と し て利 用 す る こ とを 目的 と して,山 陰 沿 岸 の 多 種 類 の 生 海 藻 につ い て,力ロ チ ソお よ び ビタ ミソCを 同時 に 分 析 定 量 し,そ れ ぞれ の含 有 量 を求 めた.ま た,あ わ せ て カ ロ チ ン と ビタ ミ ンC含 有 量 の 相 互 関 係 につ い て も調 べ た. な お,海 藻 の分 類 につ い て は,故 神 戸 大 学 名 誉 教 授 広 瀬 弘幸 氏 に 同 定 を依 頼 して行 っ た. 2. 実 験 方 法 1) 試 料 の採 取 i) 採 取 場 所 山 陰 沿 岸 の 次 の2地 域 で あ る.① 京 都 府 熊野 郡 久 美 浜 町 箱 石 周 辺(以 下,略 して 久 美 浜 とい う).② 島根 県 入 束 郡 島根 町 加 賀 桂 島 周 辺(以 下,略 して 桂 島 とい う). ii) 採 取 期 間 久 美 浜:昭 和48年4月 よ り昭 和51年11月 まで,桂 島:昭 和48年4月 よ り昭 和49年1月 ま で. iii) 採 取 方 法 お も に汀 の岩 礁 にお い て,干 潮 時 に 手 で 採 取 した.桂 島 で は,小 舟 に乗 り箱 め がね を用 い て,引 っか け 棒 で 海 底 よ り採 取 す る方 法 も行 っ た. 2)試 料 の調 製 採 取 した 海 藻 は海 水 を き り,た だ ち に ポ リエ チ レ ン袋 に 入 れ て冷 蔵 庫 内(3∼5℃)に 保 存 し,翌 日分 析 定 量 し た.試 料 は 分 析 直 前 に,さ ら し木 綿 で清 拭 後 精 秤 し,生 試 料 と した.生 試 料 を純 水 で 水 洗(海 藻 重 量 の50倍 の 純 水 で10秒3回 換 水)し た 後,再 度 清 拭 ・精 秤 し て 水 洗 試 料 と した.水 洗 試 料 よ り個 体差 ・部 位 差 を考 慮 して 一 定 量 秤 量 し検 体 と した .一 試 料 につ い て5∼10検 体 を 測 定 した の で,定 量 値 は,平 均 値 ±標 準 偏 差 と して示 し た(一 部5検 体 未 満 の 試 料 につ い て は 平 均 値 の み).な お,あ らか じめ 生 試 料 と水 洗 試 料 との 重 量 関 係 を 求 め で お き,測 定 値 は生 試 料 を 基 準 と して 表 した. 3) 分 析 方 法 i) 力 律チ ソ 藤 田 法4)に 準 じて行 った が,検 体 の色 素 抽 出 には メ タ ノー ルー石 油 工ー テ ル を 用 い た.抽 出液 を 濃 縮 後 活 性 ア ル ミナ を 吸 着 剤 と し て,内 径6mm,長 さ100mmの カ ラ ムを 作 成 し,抽 出液 を通 して色 素 を 吸 着 させ,こ れ を 石 油 工ー テ ル ーア セ トン(98:2v/v)混 液 を 溶 離 液 と して 展 開 ・脱 着 した.こ の 色素 液 の吸 光 度 を 波 長450 nmで 測 定 し,βー カ ロ チ ンと して 算 出,μg/1009と し て 示 した. 表1. (つ づ き)

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山陰 沿 岸 生 海 藻 の カ ロチ ンお よび ビ タ ミンC含 有 量 表2.生 海 藻 の カロ チ ソお よび ビ タ ミンC含 有量(緑 藻)

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山 陰 沿岸 生 海藻 の カ ロチ ンお よ び ビ タ ミ ンC含 有 量 ii) ビタ ミ ンC 2,4一ジ ニ ト導フ ェ ニル ヒ ドラ ジ ン法(DNP法)5)に よ り,総C,酸 化 型Cを 測 定 して,総Cよ り酸 化 型Cを 減 じて還 元型Cと し,mg/1009と して 表 した.還 元 型C の総Cに 対 す る割 合 を,以 下 の 表 ではR/T(%)で 示 す. 3. 結 果 お よび 考 察 1) 採 取 海 藻 の分 類 採 取 した 海 藻 の 分 類 学 的 所 属6)は,表1に 示 す とお り で あ る、 久 美 浜: 緑 藻7種,紅 藻17種,褐 藻24種,計48種. 桂 島: 緑 藻4種,紅 藻15種,褐 藻20種,計39種. 両 地 域 を合 わ せ る と,緑 藻7種,紅 藻23種,褐 藻28 種,計58種 で あ る.こ の うち,現 在 あ るい は 歴 史 的 に み て食 用 と して供 され てい る も の は23種(緑 藻4種, 紅 藻11種,褐 藻8種)で あ り,食 用 に して い な い も の (以下,非 食 用 とい う)は35種(緑 藻3種,紅 藻12種, 褐 藻20種)で あ った. 2) 生 海 藻 の 力 資チ ンお よび ビタ ミンC含 有 量 表1で 示 し た海 藻 につ い て,昭 和48年 か ら昭 和51年 に,海 藻 の種 類に よ っ て は1∼15回 にわ た っ て採 取 し, 総 計186試 料(久 美 浜129試 料,桂 島57試 料)に つ い て測 定 し分 析 値 を得 た.表2∼4は,海 藻 の綱 別 に食 用 海 藻 と非 食 用 海 藻 とに分 け て,カロ チ ンお よび ビタ ミソ Cの 分析 値 を示 した もの で あ る.な お,水 分 量 は,久 美 浜 で 採 取 した 試 料 に つ い て,乾 燥 法 に よ り測 定 した結 果 を示 した. i) カ ロチ ン含 有 量 緑 藻 で は(表2),含 有 量 の多 い もの は アサ ミ ド リシ オ グサ で7,500μ9/1009以 上 含 まれ,紅 藻,褐 藻 を 含 め た全 種 類 中最 も高 い値 を 示 した.含 有 量 の 著 し く少 な い もの は な く,7種 と も600μ9/1009以 上 含 ま れ る. 紅 藻 で は(表3),含 有 量 の多 い もの は アサ ク サ ノ リ, ウ ッ プル イ ノ リで,3,000μ9/1009以 上 含 まれ る.少 な い もの は イ ソム ラサ キ,カ ギ ウ スバ ノ リ,ベ ニモ ズ ク, シ ラモ で,い ず れ も500μ9/1009以 下 であ る.と くに イ ソム ラサ キ,カ ギ ウス パ ノ リは5μ9/1009以 下 と著 し く少 な い.褐 藻 で は(表4),含 有 量 の多 い も の は バ バ ノ リ,カ ヤ モ ノ リで,バ バ ノ リで は13試 料 中11試 料 が,カ ヤ モ ノ リで は7試 料 申6試 料 が3,000μ9/1009 以上 を示 した.少 な い もの は モ ズ ク, カ ゴ メ ノ リ, ネ バ リモ で,5,000μ9/1009以 下 であ る. 採 取地 お よ び採 取 時期 に よ る 力 癖チ ン含 有 量 の変 動 は 大 き く,ほ とん どの種 類 で1.5倍 以上 の ば らつ きを 生 じ た.と くに変 動 幅 の大 きい もの は,バ バ ノ リ,ヒ ラ ア オ ノ リ,カ ヤ モ ノ リ, ア ナ ア オ サ, ア サ ミ ドリシ オ グサ な どで あ る. カ ロチ ン含 有 量 を食 用 海 藻 と非 食 用 海 藻 に分 け てみ る と,含 有 量 が 多 く最 高値 が5,000μ9/1009以 上 を 示 し た もの は,食 用5種,非 食 用2種 で あ る.含 有 量 が少 な く,600μ9/1009以 下 の もの は,食 用2種,非 食 用5種 で あ る.し た が って,四 訂 日本 食 品標 準成 分 表 に示 す 有 色 野 菜 の定 義 の 最 低 値600μ9/1009に くら べ る と,大 部 分 の海 藻 が これ 以 上 の高 い 値 を 示 して お り,ビ タ ミソ 表3. (つ づ き)

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表4. 生 海 藻 の カ ロチ ンお よび ビタ ミンC含 有 量(褐 藻)

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山陰 沿 岸 生 海 藻 の カ ロ チ ンお よび ビタ ミンC含 有 量 Aの 供 給 源 と して 期 待 で き る こ とが 認 め られ た. ii) ビ タ ミンC含 有 量 緑 藻 で は(表2),含 有 量 の 多 い もの は ア サ ミ ド リシ オ グサ で70mg/100g以 上 含 ま れ る.少 な い もの は フ サ イ ワ ヅタ,ス ジ ア オ ノ リで10mg/1009以 下 で あ る. 還 元型Cは フサ イ ワヅ タに 少 な く,R/Tが23%で あ る が,そ れ 以外 の種 類 は50%以 上 と,比 較 的 高 い 値 を 示 し て い る.紅 藻 で は(表3),100mg/1009以 上 含 まれ る 表4. (つ づ き)

(1017)

9

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種 類 は な く,含 有 量 は少 な い が,比 較 的 多 い もの は ウ ッ プル イ ノ リ,ア サ クサ ノ リ で,と も に40mg/1009以 上 含 まれ る.少 な い もの は べ ニ モ ズ ク,ミ ツデ ソ ゾ,タ チ イ バ ラ,クロ ソ ゾで10mg/100g以 下 で あ る.還 元 型Cは 海 藻 の種 類 に よ っ て差 が あ り,ベ ニモ ズ クのR/T 0%か らオ キ ツ ノ リの95%ま で広 範 囲 の値 を 示 した. 褐 藻 で は(表4),含 有 量 の 多 い も の は オ オバ モ ク,イ シゲ で,350mg/100g以 上 の著 し く高 い 値 を 示 し た. 少 な い もの は フ クロ ノ リ,イ シ モ ズ クで10mg/100g以 下 で あ る.還 元型Cは,褐 藻 につ い て も海 藻 の種 類 に よ る差 が大 きい。 採 取 地 お よび採 取 時 期 に よ る ビタ ミ ンC含 有 量 の 変 動 は カロ チ ン同様 に大 き く,ほ とん ど の種 類 で1.5倍 以 上 の ば らつ きが み られ た.と くに変 動 幅 の大 き い もの は, コモ ン グサ,バ バ ノ リ,ア ラメ,ヒ ラ ア オ ノ リ,ア ナ ア オ サ で あ る. ビタ ミソC含 有 量 を食 用 海 藻 と非 食 用 海 藻 と に分 け て み る と,含 有 量 が著 し く多 く350mg/1009以 上 の もの は食 用1種,非 食 用1種 で あ り,次 い で最 高 値 が100∼ 300mg/100gを 示 した も の は,食 用3種,非 食 用4種 で あ る。 含 有 量 が少 な く10mg/100g以 下 の も の は, 食 用3種,非 食 用5種 で あ る.食 用 で は23種 中19種 が, 非食 用 で は35種 中22種 が20mg/100g以 上 を 示 して お り,淡 色野 菜 の荷 重 平 均(国 民 栄 養 調 査7))に 劣 ら ぬ 含 有 量 を示 した.し た が っ て ビタ ミ ンCに つ い て も,海 藻 は供 給 源 と して期 待 で きる こ とが認 め られ た. iii) カ ロチ ン含有 量 と ビタ ミンC含 有 量 の相 互 関 係 力ロ チ ンお よび ビタ ミンCの 含 有 量 の分 布 を 海 藻 の 綱 別 に み る と,カロ チ ン ・ビタ ミンCと も に褐 藻,緑 藻 は 広 範 囲 に分 布 して い る が,紅 藻 では,カロ チ ンは2,000 μ9/1009以 下 に,ビ タ ミンCは30mg/1009以 下 に 集 中 して い る。 これ は、,紅藻 の うち,力 冒チ ン ・ビタ ミン Cと もに 含有 量 の多 い ウ ップ ル イ ノ リ, アサ クサ ノ リが, 日光 の よ くあ た る 岩上 に生 育 して い る の に くらべ,そ の 他 の紅 藻 は緑 藻 や褐 藻 よ り深 海 に生 育 し て い るた め と思 われ,陸 生 植 物 と同様 に,日 光 との 関 連 が み られ る. 表5は,海 藻 の綱 別 に,カロ チ ン含 有 量 と ビタ ミンC 含 有 量 との 相 関 係数 を求 め た もの で あ る. 緑 藻,紅 藻 に つ い て は相 関 係数 が高 く,カ ロチ ン含 有 量 と ビ タ ミンC含 有 量 との 間 に正 の相 関 のあ る こ とが 認 め られ た.褐 藻 につ い て は 全体 とし て の相 関 は認 め に く か った.こ の 関 係 を個 々の 海 藻 につ い てみ る と,カ ロチ ン ・ビタ ミンCが と もに 多 く含 まれ る種 類 は,ア サ ミ ド リシオ グサ, バ バ ノ リ, ュ モ ン グサ(最 高 値 で カ ロチ ン 5,000μ9/100g以 上,ビ タ ミンC100mg/100g以 上). 次 い で イ ソモ ク, フ シ ス ジ モ ク, オ オバ モ ク, ウ ップ ル イ ノ リ, アサ クサ ノ リ, ヤ ツマ タ モ ク, ア ミジ グサ(最 高 値 で 力 獄チ ン3,000μ9/100g以 上,ビ タ ミ ンC80 mg/100g以 上)で あ る.こ れ らの うち食 用 海 藻 は4種, 非食 用 海 藻 は6種 で あ る.力 冒チ ン ・ビタ ミ ンCと も に 含 有 量 の 少 な い 種類 は,ベ エモ ズ ク,カ ゴメ ノ リ,フ ク ロ ノ リ,シ ラモ(カ ロチ ン600μg/100g以 下 ,ビ タ ミ ンC20mg/1009以 下)で あ る.こ の うち食 用 海 藻 は. 1種,非 食 用 海 藻 は3種 で あ る.な お,非 食 用 海 藻 の う ち,カ ロチ ン600μ9/1009以 上,ビ タ ミ ンC20mg/ 1009以 上 の 含 有量 を示 した もの は35種 中18種 あ る. 食 糧 資 源 と して 利用 で き る よ う加 工 方 法 や 調 理 法 に工 夫 を 加 え る必 要 が あ る と思 わ れ る. 4. 要 約 山 陰 沿 岸 の京 都 府 久 美 浜 町 周辺,島 根 県 桂 島周 辺 の2 地 域 で 採 取 した 生 海 藻58種(緑 藻7種,紅 藻23種,褐 藻28種)の カ ロチ ン と ビ タ ミンCの 含有 量 を 測 定 し, あ わ ぜ て 両 者 の相 互 関 係 につ い て考 察 した。 結 果 は次 の とお りで あ る. 1) 生 海 藻 の カ ロチ ン含有 量 の 著 し く多 い種 類 は,ア サ ミ ド リシオ グサ で7,000μ9/1009以 上 含 ま れ る.著 し く少 な い種 類 は,イ ソム ラサ キ,カ ギ ウス バ ノ リ で 10μg/100g以 下 で あ り,海 藻 の種 類 に よ り含 有 量 に か な りの 開 きが あ った.600μg/100g以 上 の もの は58種 中51種 で あ った. 2) 生 海 藻 の ビタ ミンC含 有 量 の著 し く多 い種 類 は, オ オ バ モ クで500mg/100g以 上 含 まれ る。 著 し く少 な い 種 類 は, フサ イ ワ ヅ タ, ベ ニモ ズ クで3mg/1009以 下 で あ り,海 藻 の 種類 に よ り開 き が あ った.20mg/100 g以 上 の もの は58種 中39種 で あ っ た. 3) 緑 藻 と紅 藻 につ い て は,カ ロチ ン含 有 量 と ビタ ミ ンC含 有 量 との 間 に,正 の相 関 が認 め られ た が,褐 藻 に つ い て は,全 体 と して の相 関 が認 め に くか っ た. 4) カ ロチ ン ・ビ タ ミンCと もに 多 く含 まれ る海 藻 は, 表5. カ ロチ ン含 有量 と ビタ ミンC含 有 量 の相 関 係数

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山 陰 沿岸 生 海 藻 の カ ロチ ンお よ び ビ タ ミ ンC含 有 量 ア サ ミ ドリシ オ グサ, バ バ ノ リ, コモ ン グサ で あ っ た. 終 わ りに,本 研 究 を ま とめ るに あ た り,懇 切 丁 寧 に ご 指 導 を賜 わ りま した 京 都 教 育 大 学 教 授 山 本 俊 夫 先 生,な らび に海 藻 同定 の ご指 導 を 賜 わ りま した 故 神 戸大 学 名誉 教 授広 瀬 弘 幸 先 生 に深 く感 謝 申 し上 げ ま す.ま た,試 料 採 取 分析 に ご協 力 い ただ いた 京 都 教 育 大 学 卒 業 生 諸 姉 に 厚 くお礼 申 し上 げ ます. な お,本 研 究 の一 部 は,日 本 家 政 学 会 第42・46回 関 西 支 部会 に お い て発 表 した. (昭和60年1月31日 受 理)

引 用

1) T. Yamamoto,

Y. Otsuka,

M. Okazaki

and K.

Okamoto: Marine Algae in Pharmaceutical Science,

Walter de Gruyter, Berlin, New York, 569-607

(1979)

2) 科 学 技 術庁 資 源 調 査会 編:四 訂 日本 食 品成 分 表,医 歯 薬 出 版.東 京. 228(1982)

3) P. J. le B. Williams: Chemical Oceanography, 2nd

edition, Vol. 2, Academic Press, London,

301

(1975)

4) 藤 田 秋 治: ビ タ ミ ン 学,金 原 出 版,東 京, 141(1956) 5) 藤 田 秋 治: ビ タ ミ ン 学,金 原 出 版,東 京, 676∼681 (1956) 6) 瀬 川 宗 吉: 原 色 日 本 海 藻 図 鑑,保 育 社,大 阪 (1978) 7) 厚 生 省 公 衆 衛 生 局 栄 養 課:国 民 栄 養 の 現 状,第 一 出 版,東 京, 77(1983)

参照

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