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中央アジアの安全保障:独立後のトレンドと展望(アジア・太平洋研究センター主催,総合政策学部共催講演会)

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Academic year: 2021

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―  ―25 中央アジアの安全保障:独立後のトレンドと展望(湯浅 剛)

アジア・太平洋研究センター主催,総合政策学部共催講演会

日 時:2016 年 6 月 22 日(水) 場 所:瀬戸キャンパス B 棟 203 教室 テーマ:中央アジアの安全保障:独立後のトレンドと展望 報告者:湯浅 剛(広島平和研究所教授)  本講演会は総合政策学部との共催で開催され,当日は総合政策学部の学生を中心に 多くの参加があった。中央アジアは,「ハートランド」とも呼ばれる地政学上の重要 な地域であるユーラシアの中心部にあたる。1980 年代末の冷戦終結およびソ連崩壊 以降,中央アジアでは,カザフスタン,キルギスタン,タジキスタン,ウズベキスタ ン,トルクメニスタンが独立し,さらに,コーカサス(カフカース)では,かつては グルジアと呼ばれたジョージア,アルメニア,アゼルバイジャンが独立した。  中央アジアについては日本ではあまり報道されることもなく,多くの参加者にとっ てはあまりなじみがないことから,まず上記の諸国の地図や基礎データが紹介され た。基礎データとしては,国土面積,人口,首都とその人口,主要民族と比率,通貨 と 1 米ドルあたりのレート,GDP(購買力平価),1 人あたり GDP,大統領および就 任した年などが示され,国によって状況がかなり異なることが提示された。例えば, 2009 年の一人あたり GDP を見ると,最も高いのは日本の 7 倍の国土を持つカザフ スタンの約 6,930 ドルであるのに対して,最も低いのはタジキスタンの 667 ドルで あった。  また,中央アジアでは権威主義体制の国家が多く,民族中心の国家形成がなされて いるものの,実際の居住地域は入り組んでいるためにしばしば民族紛争が勃発してい る。このような基礎的な地域事情を踏まえて,湯浅氏が 2015 年に出版した『現代中

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南山大学アジア・太平洋研究センター報 第 12 号 ―  ―26 央アジアの国際政治:ロシア・米欧・中国の介入と新独立国の自立』(明石書店, 2015 年)の内容を中心に,以下のような構成で講演が行われた。 1. 国際政治の「心臓部」としてのユーラシア  ○ 変動と秩序形成(1980 年代~現在)  ○ 米欧以外の地域から見た冷戦終焉史  ○ 主権をめぐる闘争――介入と自立 2. 中央アジアの国際秩序  ○ ロシア主導の「階層的秩序」?   ・ 形骸化する「ポスト/旧ソ連空間」   ・ 他方,中央アジア諸国は独立維持,地域安全保障のためロシアの影響力を受容   ・ ロシアの限定的リソース・正当性  ○ 米欧:直接的,だが非強制的な介入  ○ 台頭する中国の中央アジアへのアプローチ 3. 中央アジア諸国の自立と多様化  ○ カザフスタン:ミドルパワーとしての台頭  ○ タジキスタンとクルグズスタン:脆弱国家から破綻国家へ?  ○ ウズベキスタン:独自の自立的政策,潜在する周辺国との軋轢  ○ トルクメニスタン:孤立から経済的多角化へ 4. 今後の焦点――秩序に作用する要素  ○ 国家主権  ○ 国境の管理・確定  ○ 資源供給のチャンネルと推移  ○ イスラーム (文責:小尾 美千代)

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