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子育て支援における幼稚園でのキンダーカウンセラーの役割に関する研究

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(1)平成18年度. 学位論文.    子育て支援における幼稚園での. キンダーカウンセラーの役割に関する研究. 兵庫教育大学大学隣 学校教育研究科 学校教育専攻 教育臨床心理コース. MO5109K 小田 麻実子.

(2) 目次. 第1章..  問題と目的 ・・…  り・・・・・・・・…  61. 1−1.. 育児をめぐる問題・・・・・・・・・・・・・・・・…  1. 1−2.. 育児不安・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  1. 1−3.. 子育て支援施策・兜・・・・・・・・・・・・・・・…  2. 1−4.. 子育て支援センター事業・・・・・・・・・・・・・…  5. 1−5。. 保育現場における子育て支援・・・・・・・・・・・…  5. 1−6.. 幼稚園における子育て支援の現状・・…  一・・・・…  6. 1−7。. 保育カウンセラー導入への動き・・・・・・・・・・…  7. 1−8.. 地域での取り組み・・・・・・・・・・・・・・・・…  8. 1−9.. キンダーカウンセラーとは・・・・・・・・・・・・…  9. 1−10.. スクールカウンセヲー制度・・・・・・・・・・・・…  9. 1−11.. 子育て支援における二一ズ調査・・・・・・・・・・…  10. 1−12.. 目的・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  11. 第2章.方法・・69・・・・・・・・…  .。・・6。.12 2−1. 予備調査・・・・・・・・・…  9・・・・・・・…  12 2−2. 本調査・・・・・・・・・・・・・・…  .・・・・…  12. 2−3. 結果の処理・・・・・・・・…  6・・・・・・・…  13. 第3章.結果・・.6・・・・・・・・・・・・・・・・…  15 3−1. KC認知度・関わりの程度・・・・・・・・・・・・・…  15 3−2. :KCに求められる人物像・・・・・・・・・・・・・・…  16. 3−2−1. KCに求められる人物像一3群間での比較一・・… . ・17.

(3) 3−3. KCの役割領域・・・・・・・・・・・…  D・・・…  18 3−3−1. :KCの役割領域一保護者二一ズ,教諭二一ズ,.           KCの必要性認知の比較一・・・・・・・…  21. 3−4. KCの役割領域一KCの実活動一・・・・・・・・・・…  23. 3−4−1. KCの役割領域一KCの実活動と必要性認知の比較一・・24 3−4−2. KCの役割領域一保護者・教諭の二一ズと.                   KCの実活動の比較一 …  26. 3−5. KC制度のよいところ・問題点・改善点・・・・・・・…  28. 第4章.考察・・・・・・・・・…  φ6・6・・…  84g 4−1. KC認知度・関わりの程度・・・・・・・・・・・・・…  49. 4−1. kcに求められる人物像・・・・・・・・・・・・・・…  50. 4−2−1. KCに求めら劃る人物像一3群間での比較一・・・…  51. 4−3. KCの役割領域・・…  66・・・・・・・・・・・…  52. 4−3−1。 KCの役割領域一保護者二一ズ,教諭二一ズ,           KCの必要性認知の比較一…  6・・・…  54. 4−4. KCの役割領域一KCの実活動一・・・・・・・・・・…  57. 4−4−1. KCの役割領域一KCの実活動と必要性認知の比較一・・57 4−4−2. KCの役割領域一保護者・教諭の二一ズと                   :KCの実活動の比較一 …  60. 4−5. KCのよいところ・問題点・改善点一自由記述一・・・…  63 4−6.まとめ・・・・・・・・・・…  9・・・・・・・・…  68 4−7。 KCの役割…  9・・・・・・・…  ....。。...68. 4−8. KC制度の今後の課題・・・・・・・・・・・・・・・…  70 4−9. 今後について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・…  71.

(4) 引用文献・…. APPENDIX… 謝辞.

(5) 第1章.問題と目的 1−1. 育児をめぐる問題.  家族や地域の変貌にともない,母子をとりまく社会的・文化的環境は,大き く変化してきている。それと同時に,過保護,過干渉,育児不安といった保護. 者と子どもとの関係における問題も盛んに聞かれるようになってきた。近年の. 子育て環境について森田(1997)は,父母の性別役割分業に関する社会と家庭 の実態のズレ,子育てが「嫌い」な(嫌いになってしまった)親の登場,楽し. い子育てをしたいと考える親の増加,働く母親の増加,離婚をはじめとする家. 族の変化などを挙げ,子育て家庭の抱える問題が大きく変化してきているとし た。子育て環境の変化について,さらに厚生労働省「全国家庭児童調査」(1999). は,家庭養育上の問題について「問題がある」と回答した親について,1989 年と1分99年の回答を比較している。その結果,「親類や近所づきあいが乏しい」. は8.2%から13.0%へ,「子育てと社会参加の両立が難しい」は11。3%から 15。3%,「しつけや子育てに自信がない」は12.4%から17.6%へと増加してい. た。これらの結果は,子育てに関する地域内での交流が乏しい状況や,しつけ や子育てに自信が持てない親が増加していることを示している。このように,. 近年,家庭の子育てカや地域社会の子育てカが,低下してきているものと考え られる。こうした子育て環境の変化はいずれの要因も,社会的な子育て支援の 必要性を喚起している。. 1−2.育児不安.  育児に対する心配,自信のなさイライラなど,育児に対する不安感は,育児 不安として概念化されている。この育児不安という概念について,牧野(1988). は,“この現状や将来あるいは育児のやり方に対する漠然とした恐れを含む情緒 の状態であり,それが,無力感や疲労感あるいは育児意欲の低下をともなって,. ある期間持続している状態である”と定義している。.  この育児不安について田中(1994〉は,ソーシャルサポートとの関連から調査. を行なっている。その結果,夫の理解度,近隣の人々,友人といった家庭内外 のソーシャルサポートが育児不安の低減に重要な役割を果たしていることが明 らかとなった。また,家庭外のソーシャルサポートは,育児不安の低減を最も. よく説明する有力な変数であり,子育てを行っていく上では,多様な人との中. で,情緒的・実態的な支持を受けることが育児不安の低減に役立つと考えられ るとした。また,中津・高梨・佐々木(1996)は,幼稚園に通う子どもを持つ母. 親を対象に調査を行ない,母親の育児不安と幼児の不安感情について調べてい. 1.

(6) る。その結果,母親の育児不安が高いことに加え,母子以外の対人関係の在り. 方によっては,幼児の不安感情が高くなることが明らかとなった。さらに,育 児不安の高い母親や,不安感情の高い母親に対人関係の希薄化が見られること. から,幼稚園教育の中で,母親同士の人間関係を広げていくことや地域に開か れた幼稚園としての役割が大切となるとした。.  以上のように,育児不安については,母親の対人関係のあり方との関連性が 指摘されており,育児不安の低減には母親への支援の充実が求められている。 1−3.子育て支援施策.  子育て支援においては,家庭内外からの支援が重要であるとされている。し かし,家庭や地域の子育てカが低下し,育児を行うことがより難しい状況とな ってきた現代においては,地域の互助に代わって子育てを支援するサービスの. 制度化が必要となってきた。そこで近年,子育て支援施策が展開されている (Table1) 。.  厚生省は,少子化や,子育ての孤立化,子育て環境の変化,子ども虐待の増. 加などの課題に対し,1994年に子育て支援に関する初めての国家計画として 「エンゼルプラン」を策定し,その具体化の一環として保育サービスの充実・. 多様化を目指す「緊急保育対策等5ヵ年計画」を策定した。これを受け,1998 年に児童福祉法の改正が行われ,保育現場に対して新たな役割が明記され,保 育に関する相談助言が本来的な機能として位置づけられた。これにより,子育 てをする保護者が支援対象として明確化された。さらに,1999年には「エンゼ ルプラン」を引き継ぐ「新エンゼルプラン」が策定され,企業・地域・政府に よる子育て家庭への支援を推奨している。このように,子育てを私的な出来事 として,子どもを持った家庭にその責任を押し付けるのではなく,社会におい. て必要な支援やサービスを行い,子育て家庭を支援していこうという方向への. 転換が図られている。このような流れにっいて,2002年に提出された「少子化 社会を考える懇談会」中間報告は,これをすでに社会に浸透している高齢者の 「介護の社会化」という考え方に対応させて, 「育児の社会化」と表現してい る。. 2.

(7) Table1 近年の子育て支援施策の流れ 1993年. 厚生省児童家庭局長私的懇親会「子どもの未来21プラン研究会」報告書  「子育てに関しては,保護者(家庭)を中心としっっも,家庭のみにまかせることなく,国. や地方自治体を始めとする社会全体で責任を持って支援していくこと」とし,これまでは親. の養育責任が果たしえない時に,事後的,補充的に対応してきた児童福祉政策に対し て,社会が子育て責任を分担していくという視点を明確に出し,急激な理念の変化を示し ている。. 1994年. 「子育て支援のための総合計画(エンゼルプラン)について」(文部省・厚生省・労働省・ 建設省).  「利用者本位のサービスの供給体制の整備」,r仕事と子育てを両立することが出来る. 雇用環境や子どもの健全な成長を支える生活環境を整備し,子育てや子どもの成長に 配慮した環境づくりをすすめること」,「子育て不安,負担感の軽減のため教育費の負担 などに配慮しつつ,子育て家庭の支援策を進める」という基本方針を提出。. 1995. 緊急保育対策等5ヵ年事業(厚生省〉 エンゼルプランの施策の具体化の一環として,多様な保育サービスの充実,保育所の 多機能化のための整備,子育て支援のための基盤整備を項目として掲げた。これをうけ,. 保育現場における相談事業が開始される。. 1996年. 母子保健法改正  乳幼児健診など母子保健の主体が都道府県(保健所)から市町村(保健センター)に 一元化され,地域密着型母子保健が志向される。1997年4月から実施。. 1997年. 児童福祉法改正.  保育施策,児童自立支援施策,母子家庭施策を主要骨子とする多様な施策を展 開。子育て支援政策は,保育サービスの拡充と保育施設の基盤整備に焦点をあて,低 年齢乳児保育拡大,延長保育,一時保育,24時間保育,放課後の児童クラブ,地域子. 育て支援センター事業,幼児健康支援一時保育事業及び保育施設から地域住民を対 象とする子育て相談などの保育サービスによって具体化されている。. 2001年. 新エンゼルプラン(大蔵,文部,厚生,労働,建設,自治の5大臣の合意により).  「少子化対策推進基本方針」に基づく重点施策の具体的実施計画として策定。主な 内容として,①保育サービス等子育て支援サービスの充実,②仕事と子育ての両立のた. めの雇用環境の整備,③働き方についての固定的な性別役割分業や職場優先の企業 風土の是正,④母子保健医療体制の整備,⑤地域で子どもを育てる教育環境の整備,. ⑥子どもたちがのびのび育つ教育環境の実現,⑦教育に伴う経済的負担の軽減,⑧住 まい作りやまちづくりによる子育ての支援がある。. 3.

(8) 2001年. 幼児教育振興プログラム(文部科学省).  幼稚園教育のより一層の条件整備を推進するために示された。そのなかで「幼稚園に おける子育て支援の充実」として①幼稚園運営の弾力化(多様化している保護者と地域 の二一ズに応え,幼稚園が,地域の幼児教育のセンターとしての子育て支援機能や,「親. と子の育ちの場」としての役割や機能を一層発揮できるよう,幼稚園運営の弾力化の支 援を進める。),②「預かり保育」の推進,③子育て支援活動の推進,④異年齢・異世代 交流の推進が求められている。. 2002年. 少子化対策プラスワン(厚生労働省).  少子化対策推進基本方針の下で,もう一段の少子化対策を推進する,という考え方の もと制定。子育て支援として,①地域の様々な子育て支援サービスの推進とネットワークづ. くりの導入,②子育てを支援する生活環境の整備(子育てバリアフリー),③社会保障に おける「次世代」支援,④教育に伴う経済的負担の軽減をあげている。. 2003年. 少子化対策基本法(厚生労働省)  少子化に対処するための施策を総合的に推進することを目的として制定。基本的施策 として,①雇用環境の整備,②保育サービス等の充実,③地域社会における子育て支援. 体制の整備,④母子保健医療体制の充実等,⑤ゆとりのある教育の推進等,⑥生活環 境の整備,⑦経済的負担の軽減,⑧教育及び啓発をあげている。. 2003年. 次世代育成支援推進法(厚生労働省)  次代の社会を担う子どもが健やかに生まれ,育成される環境の整備を推進するため,. 国や地方公共団体による取り組みとともに,事業主も仕事と子育ての両立を図るために. 必要な雇用環境の整備等(「次世代育成支援対策j)を進めるための行動計画を策定・ 実施することとしている。. 2005年. 子ども・子育て応援プラン(新新エンゼルプラン)(厚生労働省).  少子化社会対策大綱(平成16年6月4目閣議決定)の掲げる4っの重点課題に沿っ て,平成21年度までの5年間に講ずる具体的な施策内容と目標を提示。若者の自立や 働き方の見直し等も含めた幅広い分野で具体的な目標を設定。地域の子育て支援につ いて,きめ細かい地域の子育て支援や児童虐待防止対策など,すべての子どもと子育て. を大切にする取組を推進するため,平成21年度までの5年間に講ずる施策と目標を掲 げた。. 4.

(9) 1−4.子育て支援センター事業  「エンゼルプラン」,「新エンゼルプラン」の制定に伴い,国は,地域全体で. 子育てを支援する基盤の形成を図るため,地域の子育て家庭に対する育児支援. を行うことを目的とした「子育て支援センター事業」を実施している。1993 年に事業が創設され,新エンゼルプラン等に基づき箇所数を増やしてきた結果,. 10年後の2005年には全国,約2,500箇所で実施されている。事業内容として は,育児不安等についての相談や子育てサークル等への支援,地域の保育資源 の情報提供等が実施されている。しかし,この子育て支援センター事業につい て神田・山本(2001)は,最大の課題として“子育て支援センター事業が一部の. 親の中だけにとどまっていて,なかなか広がりが持てない,むしろ子育て支援 センターに来ない親の方に問題を抱えている人がいるのではないか”という問 題点を指摘している。つまり,本当に支援を必要としている人に,支援の手が. 行き届いていない可能性があるということである。このような子育て支援セン ター事業の問題点について,神田・山本(2001)は,乳幼児を持つ親を対象とし. た,地域子育て支援センター事業に対する意識についての調査を行なった。そ の結果,支援センターに参加しない親の多くが,何らかの支援要求を持ってい るものの,他の支援機関にもコンタクトを取ることが少ないということが明ら. かとなった。また,支援センターの場所やどのような支援が受けられるのか分 からないため,支援センターに参加しない親が多いことや,近くに子育て支援 センターがある場合に参加する率が高いという調査結果などから,その地域の. 実情に応じて,身近なところに小さな支援の拠点をきめ細かく作っていく必要 があるとした。子育て支援施設のあり方にっいては,2003年の厚生労働省より. 出された「社会連帯による次世代支援に向けて」という報告書においても述べ られている。ここでは,子育て支援施設が「コンビニエンス・ストア」のよう に歩いていける身近な範囲に存在することが必要であるとしている。さらに,. 子育て支援について,子どもや家庭の多様な二一ズに即したきめ細かな対応,. 親子の絆を深め親の子育てカを高める施策の充実,地域や家庭の子育て力の低 下を踏まえたサービスの量的拡大とともにその専門性を向上すること,などを 子育て支援施策の基本的方向として折り込んでいる。.  以上のように,これからは,地域で親にとって身近な場が,子育て支援の場 として子どもや家庭の二一ズに即した,親の子育て力を高ゆるようなサービス を提供していくことが求められている。. 1−5・保育現場における子育て支援.  地域における子育て支援サービスの充実が求められている中,保育現場に育. 5.

(10) 児支援の機能が求められている。このことは,保育の対象が子どもだけではな く,子どもを取り囲む家庭へと拡大されてきていることを意味している。しか し,幼稚園・保育園の職務は仕事量が多く,保育者支援の体制が整っていない状. 態で,さらに保育士に新たな役割を課すことは,保育の質の低下へと繋がりか ねない。藤後(2001)は,保育現場の従来の役割は子どもの保育であり,保育士. 主体での子育て支援体制には限界があるとしている。さらに,保護者支援の専 門家としては,心理相談員が保育現場に導入されることで,専門的知識やスキ. ルを生かしながら,保育士・保護者・子どもをサポートしていく新たなシステ ムが構築されることが求められるとしている。さらに,田村・高橋・塚田・森 田・水谷・梶河・島田・矢野(2003)が子どもを持っ親を対象として行った子育. て支援に関する調査では,育児の相談を受ける場所について,「カウンセラーの. いる幼稚園,保育園,学校」を求める声が4L7%と最も高く,「幼稚園の先生 は忙しそうでとても聞けない」,「気軽に何でも相談できる場所がほしい」など といった保護者の意見があげられている。.  このように,近年保育現場においては,子育て支援の一環として,カウンセ ラー等,心理臨床の専門家による子育て支援を望む声が高まってきている。. 1−6.幼稚園における子育て支援の現状  学校基本調査速報(2005)によると,平成17年度での全国の幼稚園数は国立,. 公立,私立合わせて13,949園,在園児数は1,738,836人であり,幼稚園数では 59.9%が,在園児数では79.6%が私立幼稚園である。文部科学省は幼稚園にお. ける子育て支援について,平成13年度から,子育て相談,子育てカウンセリン グ,未就園児の親子登園,預かり保育等の子育て支援活動の実施状況について. 調査研究を行っている。調査の結果では,全国の幼稚園で子育て支援事業を実 施している幼稚園は,平成17年度では公立4,355園(公立幼稚園全体の78.1%). 私立6,390園(私立幼稚園全体の76.8%)であった。 Table・2 子育て支援事業の実施園数(文部科学省,2006) 区分. 平成17年6,月1目. 平成16年6月1目. 公立. 4,355(78.1%). 4,513(80.6%). 私立. 6,390(76、8%). 6,220(74.5%). 合計. 10,745(77.3%). 10,733(77.0%). 6.

(11)  その実施内容については,在園児および園保護者を対象とした活動について は,保護者の保育参加の実施が7,199園と最も多く,次いで外部の人間による 子育て講座・講演会の実施が5,729園と多かった。これに対しで,カウンセデ. ー等外部の人材による子育て相談を実施している幼稚園は公立1,097園,私立 1,442園の計2,539園であり,子育て支援事業を実施している園の18.3%であ. った。このように,全国の7割以上の幼稚園がなんらかの子育て支援事業を実 ’施しているが,幼稚園の中でカウンセラー等による子育て相談を実施している 幼稚園は2割にも満たない状況にあった。. Table3 在園児及びその保護者のみを対象とした活動の実施園数                      (文部科学者12006) 活動内容 子育て相談(カウンセラー等外部の人材). 公立. 私立. 計. 1,097(19。7%). 1,442(17.3%). 2,539(18.3%). 未就園児の保育. 1,571(28。2%). 2,435(29。3%). 4,006(28.8%). 園庭・園舎の開放. 2,497(44.8%). 2,830(34。0%). 5,327(38.3%). 子育て情報の提供(情報誌・紙). 2,350(42.1%). 2,503(30.1%). 4,853(34.9%). 325(5.8%). 1,079(13.0%). 1,404(10.1%). 1,775(3L8%). 2,046(24.6%). 3,821(呂7・5%). 2,959(53.1%). 2,770(33.3%). 5,729(41。2%). 3,406(6L1%). 3,793(45.6%). 7,199(5L8%). 2,170(38.9%). 3,294(39.6%). 5,464(39.3%). 子育て情報の提供(インターネット). 子育て講座・講演会(幼稚園教職員) 子育て講座・講演会(外部の人材). 保護者の保育参加 父親に重点をおいた保育参加.  子育て支援における臨床心理の役割にっいては,近年,その必要性や今後の 課題について述べられている(市川;2003,藤後12001)。しかし,以上のよう. に,保育現場におけるカウンセラー等の専門家による子育て支援の実施は, 十分に行われているとは言い難い状況にある。. 1−7.保育カウンセラー導入への動き.  保育現場におけるカウンセラー等による子育て支援の必要性が指摘される中,. 文部科学省の諮問機関である中央教育審議会の幼児教育部会は「保育カウンセ ラー」についての検討を始め,2005年に文部科学省へ出された答申では,「保 育カウンセラー」の活用が載せられている。この答申において,「保育カウンセ. 7.

(12) ラー」にっいて“幼稚園等の施設における地域の人材等の活用として,特別な. 支援を必要とする幼児に対する教員等へのアドバイス,子育てに不安を抱える. 保護者へのカウンセリングなどに関し,地方公共団体等が教員と保護者を支援 する「保育カウンセラー」を導入し,活用しやすくなるような方策を検討する 必要がある”とされている。このような「保育カウンセラー」導入へ向けた検討. がなされる中,文部科学省は平成2005年度,臨床心理士ら専門家を「保育カウ ンセラー」に委嘱し,幼稚園教諭,保護者に助言などを行う「幼児教育支援セ ンター事業」を創設する方針を決めた。これにっいて文部科学省(2005)は,. “平成17年度予算では,幼児期からの「人間力」向上を図るため新たに保育カ. ウンセラー等の専門家からなる幼児教育サポートチームを設置し,地域の関係. 機関と連携を図りつつ,域内の幼稚園,家庭等を支援する「幼児教育支援セン ター事業」などに要する経費を計上する”と記している。幼児教育サポートチ ームの活動内容は,保育カウンセラーによる教諭,保護者への相談事業のほか,. ①幼稚園と小学校の連携の推進,②カリキュラム編成の支援,③関係機関との 連絡調整などが想定されている。全国30地域が事業のモデル地域に指定され, 市町村教育委員会に保育カウンセラーらで構成する「幼児教育サポートチーム」 が設置されている。.  このように,行政として,カウンセラー等を保育現場における子育て支援に 導入していこうという動きがみられている。しかし,本事業はまだ始まったば かりであり,全国への本格的な導入は,今後のモデル地域における成果が待た れる。.  1−8.地域での取り組み.  行政として,保育現場における子育て支援にカウンセラー等を導入しようと. いう動きがみられているが,この動きは地域においてもみられる。すでに,東. 京文京区では2002年度より「子育て支援カウンセラー」として,大阪府では 2003年度より「キンダーカウンセラー」として,臨床心理士らが保育カウンセ リングにあたる事業がスタートしている。.  r子育てカウンセラー」について,これは東京都文京区が,2001年,2002 年度に,文部科学省の研究委託により区立の幼稚園と保育所に「子育て支援カ ウンセラー」を導入したのが始まりである。さらに,2002年度からは,文京区. 独自の事業として「子育て支援カウンセラー派遣事業」を開始している。文京. 区の本事業について鶴・水谷(2005)は,全区立幼稚園IO園に,2名のカウン セラーが派遣され,それぞれ担当の幼稚園を月1回巡回するシステムとなって いるとしている。また,子育て支援カウンセラーの役割にっいて,主として幼. 8.

(13) 稚園教師を支援するコンサルテーションにおかれており,事例検討や実技研修 などの教師研修にもカを入れているとしている。.  次にrキンダーカウンセラー」について,これは2003年度から大阪府と私立 幼稚園が連携し,保育現場における子育て支援としてスタートした「キンダー カウンセラー事業1によるものである。この活動は文部省による小・中学校へ のスクールカウンセラー導入がモデルとなっており,2004年度は,府内47の. 私立幼稚園で実施され,2006年度の実施園はさらに増え,府内82園の私立幼 稚園で実施されている。このように,年々実施園は増加する傾向にある。  本研究においては,現在多くの園で実施されており,また年々増加する傾向 にあるというこのキンダーカウンセラーに注目し,その役割について検討する。. 1−9.キンダーカウンセラーとは.  キンダーカウンセラー(以下KC)とは,私立幼稚園に定期的に訪れ,カウ ンセリングを実施する臨床心理士などの専門家のことを指す。KCの役割につ いて,濱名・辻河(2003)は実践例の報告を通して,個別カウンセリングや講演. 会などの保護者に対する支援,担任や園長との話し合いなどの保育者に対する. 支援,さらに参加観察による子どもへの直接的な関わりを通した支援の三つに. 大別して紹介している。また,KC活動の長所として,他の相談機関と比べて 来談しやすいという敷居の低さや,園との連携により多面的な理解が可能とな ることなどを挙げている。このように,KCの役割については,実際に活動を 行っているKCからの報告という形で明らかにされている。  しかし,市川(2003)は,「子育て支援」における臨床心理士の役割と機能 について述べている中で,今後の課題として“特に,子育て支援は,対象とな る親子の年代が広く,家族形態も様々であるため,そこに即した支援を行う必. 要があり,まず二一ズに関する調査がもっと行なわれる必要がある”としてい. る。つまり,KCの役割について考える上で,今後保護者や現場の職員の二一 ズといった,支援を受ける側の意見を取り入れることが望まれている。 1−10.スクールカウンセラー制度                   ’.  KC制度は,文部省による小・中学校へのスクールカウンセラー導入がモデ ルとなっている。つまり,KCの役割を明確にするにあたっては,スクールカ ウンセラー(以下SC)の役割が明確にされてきた過程を参考にすることが有 効であると思われる。.  SCは,不登校,いじめなどを始めとした教育現場における問題の複雑化・深 刻化に対応するため,文部科学省が1995年度より,「スクールカウンセラー活. 9.

(14) 用調査研究委託事業」として開始したものである。学校現場におけるカウンセ. リング機能の充実を図るために,事業開始当初は154校が協力校となり開始さ. れ,2001年にはSC配置を制度化,年度毎にカウンセラーの配置校と予算額が 増大されてきた。2005年度には予算額は42億円,配置校は約1万校が目標と して掲げられた。.  このSCについて,導入当初は,教師とカウンセラーの専門性の違い,意見の 食い違いなどから,両者の相互理解や連携の難しさが指摘されていた(伊藤,. 1994)。そのような中,SCの役割を明確にするため,SC制度についての学校現 場の認識や二一ズを調べようという試みが多数なされている(草野・太田・佐々 木・中島・原田・金子・蔭山,1996;伊藤,1996;山崎,1996など)。さらに,. 伊藤・中村(1998)は,教師・SC双方にSC制度にっいての調査を実施し,SC の学校における役割のあり方,教師との協業にっいて明らかにしている。さら に,鈴木・大関.・関根・横島・大友・石隈(1995),難波・須々木・川石・田. 村・三浦・石隈(1995)は,小学校,中学校,高校の教師および保護者を対象 とした二一ズ調査を行ない,SCの必要性を高く感じる場面について明らかにし. ている。このように,SCの役割のあり方にっいては,SC,教師,保護者といっ. た,SC制度に関わる人物への調査が行われ,SCの役割のあり方や,連携の可能 性などについて,多くの示唆が得られている。.  以上のように,SC制度においては,制度導入初期からSC,教師,保護者とい ったSCと関わる人物に対して二一ズ調査を行ない,その役割について明らかに. されてきた過程がある。これと同様に,保育の現場へ新たな役割をもったKC という人物が加わる時,サービスを利用する側,提供する側の二一ズを知るこ とは,その役割を明確にする上で有益であると考えられる。 1−11.子育て支援における二一ズ調査.  幼稚園・保育園における子育て支援二一ズについては,伊藤・岡田・奥山・. 岸本・川添(2004)が調査を行なっている。幼稚園・保育所の保護者,教諭・. 保育士を対象に二一ズ調査を実施した結果,子どもの心理・身体・認知面での 発達理解と子どもに対する養育者としての具体的な技能については,保護者と 教諭・保育士に共通に見られる二一ズであり,両者が一緒に学べるようなプロ グラムを構成することに意味があることが示唆された。このように,子育て支 援二一ズについてはその必要性が指摘され,実際にどのような支援が必要とさ. れているのか,子育て支援全般についての調査が行われている。しかし,これ らの調査は子育て支援二一ズについて,主に幼稚園・保育園における保育サー. ビス全般について調査したものであり,KCのような役割に対象を絞った調査 10.

(15) はまだ少ない(藤後,2001)。その理由として,現在行われている地域の親や子 どもへの育児支援1こ関しては,保育士を中心とした相談活動が主なものであり,. KCのよう類心理職としての活動例がまだ少ないためであると考えられる。,.  しかし,,KCが幼稚園において,子育て支援の専門家として十分に機能する ため口よまずは幼稚園や保護者の二一ズを正しく把握することが重要である。. また,現場の二一ズを把握し,KCの役割を明確にすることは,幼稚園や保護 者が勃果的にこのシステムを活用する助けになると考えられる。そこで,本研. 究においては,幼稚園教諭・保護者に,KCの役割に関する二一ズ調査を実施 し,琴ρに求められる役割について明らかにしていきたい。さらに,KCの役割 を明確にするにあたっては,KC自身に対しても,実際の活動状況とその必要. 性にっいての認知を尋ねることが有用であると考えられる。この際,KCの役 割に関して,保護者,教諭と共通のものさしを用いて検討することで,それぞ れの見解の異同について検討し,KCの役割にっいて,今後の展望についても 検討する。. 1一. 目的.  本研究では,幼稚園教諭・保護者・KCに,キンダーカウンセラーの役割に. 関する質問紙調査を実施し,KCの役割のあり方について検討することを目的 とする。. 11.

(16) 第2章 方法 2−1.予備調査 (1)目的.  質問紙の妥当性検討 (2)調査対象.  子育て経験のある女性5名,.幼年教育コースの大学院生4名,KC3名で あった。. (3)調査時期及び実施方法.  調査はX年3月∼4月に行われ.た。実施方法は,子育て経験のある女性,幼 年教育コースの大学院生,KCに対して,それぞれ保護者版質問紙,幼稚園教諭 版質問紙,KC版質問紙の質問紙を個別に配布し,後目回収した。質問紙につい ては,各項目への回答に加えて,質問の過不足,質問・応答形式,語法,意味の. 理解や明確性など質問紙全般にわたっての検討を求めた。また,質問紙に関す る感想を自由記述で求めた。. 2−2.本調査 (1)調査対象.  大阪府私立幼稚園連盟に登録しているKC74名,幼稚園教諭74名,保護者 684名を対象に調査を行った。保護者,幼稚園教諭については,大阪府私立幼 稚園連盟に加盟している,KC導入2年あるいは3年目の私立幼稚園5園にて調 査を行った。その結果,KC41名(回収率55.4%),保護者485名(回収率70.9%),. 幼稚園教諭57名(回収率77%)の回答を得た。このうち回答に不備のあるものを. 除いたKC39名,幼稚園教諭54名,保護者463名を分析の対象とした。 (2)調査時期及び実施方法.  調査はX年7月∼10月に行われた。KCは,一部のKCにっいてはKC研修会 にて質問紙を配布し,後日郵送にて回収し,その他のKCについては,郵送にて. 調査の依頼,質問紙の回収を行った。保護者,幼稚園教諭にっいては,各幼稚 園に調査の実施を依頼した。. 12.

(17) (3)質問紙.  保護者版,幼稚園教諭版,:KC版の3種類を作成した。. <KCの認知度>  保護者版,幼稚園教諭版において,KCについてどの程度知っているのか, 「どのような活動をするか良く知っている」から「知らない」までの4件法で 回答を求めた。. 〈KCとの関わりの程度>  保護者版,幼稚園教諭版において,KCと何らかの関わりを持ったことがあ るか,各場面5項目について,あてはまる項目全てにっいて回答を求めた。. 〈KCに求める人物像〉  伊藤(1996)が作成した「スクールカウンセラーに求める人物像」の質問項目. から,KCの活動内容にあてはまるように加筆・修正したものを用いた。保護. 者版,幼稚園教諭版,KC版全てにおいて,9項目の中から,上位3位の回答 を求めた。. ぐKCの役割領域>  学会の論文,専門誌に掲載されたKCの実践報告から,:KCの役割として挙 げられたものを統合し作成したものを用いた。保護者版,幼稚園教諭版,KC 版全てにおいて,KCの役割についての記述17項目について,「必要でない(1 点)」,「少しは必要である(2点)」,「必要である(3点)」,「とても必要である(4. 点)」の4段階での回答を求めた。得点が高いほど必要と感じる度合いが高いこ. とを示すよう得点化した。また,KC版においては,同様の質問項目17項目に っいて,実際にどの程度活動を行っているのか「行っていない(1点〉」, 「ほ とんど行っていない(2点)」,「しばしば行っている(3点)」,「頻繁に行って. いる(4点)」の4段階での回答も求めた。得点が高いほどその活動を頻繁に行 っていることを示すよう得点化した。. <KC制度について>  保護者版,幼稚園教諭版,KC版全てにおいて,KC制度について,自由記述 で回答を求めた。. 2−3.結果の処理.  「KC認知度」,「KCとの関わりの程度」にっいて,教諭と保護者それぞれ の各項目への回答人数と割合を求めた。.  「KCに求められる人物像」について,保護者,教諭,KCの各群において,. 上位3位までに選択された項目の選択人数と選択率,上位1位に選択された項 目の選択人数と選択率を求めた。さらに,上位3位までに選択された項目の選 13.

(18) 択率について,3群間でのκ2検定を行った。3群間に有意差がみられた場合は,. 下位検定として2群ごとにもう一度冗2検定を行った。.  「KCの役割領域」について,保護者・教諭の二一ズ得点,KCの二一ズ認知 得点について,各項目の平均得点を求めた。さらに,各役割を独立変数,各項 目の得点を従属変数として,1要因の分散分析を行った。3群間に有意差がみ られた場合は,下位検定としてTukey法による多重比較を行った。  「KCの役割領域」について,KCの実活動得点を項目ごとに求めた。さらに,. これら実活動得点と,KCの二一ズ得点にっいて,対応のないt検定を行った。.  「KCの役割領域」について,保護者・教諭の二一ズ得点,KCの実活動得点 にっいて,各項目の平均得点を求めた。さらに,各役割を独立変数,各項目の 得点を従属変数として,1要因の分散分析を行った。3群間に有意差がみられ た場合は,下位検定としてTukey法による多重比較を行った。.  以上の分析についてはSPSSBase11.0を用いた。  さらに,KC制度について,保護者,教諭,KCそれぞれから自由記述で得ら れた回答を,センテンスごとにカード分類した。そして,それらを:KJ法の手 法を用いてカテゴリーに分類した。さらに,それぞれにっいて図解化,叙述化 を行った。. 14.

(19) 第3章 結果 3−1.KC認知度・関わりの程度  教諭と保護者それぞれのKCの認知度について,各項目への回答人数と割合 を求めた。その結果をTable4に示した。. Table4 KCの認知度別人数 少し知っている 名称は聞いたことがある 知らない. よく知っている. 保護者. 13(2.8). 205(44.3). 10(18.5). 39(72.2). 49(10.6). 196(42.3). nニ463. 教諭 n;54. 1(1.9). 4(7.4).                                ()内は%.  まず,教諭について,KCについて「よく知っている」あるいは「少し知っ ている」と回答した人数は49人であり,教諭全体の90。7%であった。これに 対して,保護者でKCについて「よく知っている」あるいは「少し知っている」 と回答した割合は218人であり,保護者全体の47.1%と,保護者全体の半数に も満たないことが明らかとなった。.  次に,教諭と保護者それぞれのKCとの関わりの程度にっいて,各項目への 回答人数と割合を求めた。その結果をTable5に示した。. Table5 KCとの関わりの程度別人数 子どもについ. 自分自身の挨拶・立ち話.  ての相談.   相談   程度. 保護者.     48(9.8). 14(2.9). 8(1.6). 6(7.4). 20(24.7). n=463. 教諭 nニ54.     35(43。2). 講演会・茶話.       ない   会参加. その他. 56(1L5) 360(73.6) 3(0,6) 12(14.8). 3(3.7). 5(6.2). ()内は%.  まず教諭について, 「子どもにっいての相談」で関わったことのある教諭は. 35人と,全体の43.2%であった。反対に関わったことがrない」と回答した教. 諭は3人と,全体の3.7%であり,ほとんどの教諭が:KCと何らかの形で関わ ったことがあると分かった。これに対して,保護者では関わったことがrない」. と回答した保護者が360人であり,全体の73.6%の保護者がKCと関わった経 験がないことが明らかとなった。. 15.

(20) 3−2.KCに求められる人物像.  rKCに求められる人物像」について,保護者,教諭がKCにどのような人 物象を求めているのか,あるいは,KCがどのような人物像が望まれていると. 考えているのか明らかにするために,保護者,教諭,KCの各群において,上 位3位までに選択された項目の選択人数と選択率を求めた。さらに,保護者,. 教諭,KCの各群において,上位1位に選択された項目の選択人数と選択率も 求めた。その結果をTable6に示した。 Table6 役割別  「KCに求められる人物像」選択人数と選択率 保言    諭. KC. N=463   N=54. N=39. <3位までの選択人数と選択率> 子どもの発達についての専門知識. 376(80.8) 46(85.2). 心理学の専門知識・技能の資格. 283(6L1) 32(59.3). 20(5L3). 保護者の悩み相談に応じる. 237(51.2) 27(50.0). 26(66.7). 34 (7。3)    14(25.9). 13(33.3). 園の先生との良好な関係を保てる 勤務園や先生についてよく理解している. 園の先生の悩み相談に応じる. 141 (30.5)    12 (22.2). 21(4.5) 11(20.4). 37(94.9). 5(12.8) 11(28.2). 幼児教育についての知識がある. 191(41.3) 10(18.5). 2(5.1). 保護者のことをよく理解している. 78(16.8) 9(16.7). 3(7.7). 幼稚園の行事に積極的に参加. 20(4.3)     1(1.9). 0(0.0). <1位の選択人数と選択率> 子どもの発達についての専門知識. 182(39.3). 27(50.0). 19(48.7). 心理学の専門知識・技能の資格. 159(34.3). 18(33.3). 13(33.3). 55(1L9). 2(3.7). 0(0,0). 4(0.9). 2(3.7). 2(5.1). 1(1.9). 0(0.0). 3(5.6). 2(5.1). 保護者の悩み相談に応じる 園の先生との良好な関係を保てる 勤務園や先生についてよく理解している. 園の先生の悩み相談に応じる. 18(3.9). 2(0.4). 幼児教育についての知識がある. 28(6.0). 1(1.9). 0(0.0). 保護者のことをよく理解している. 14(3,0). 0(0.0). 3(7.7). 0(0.0). 0(0.0).. 幼稚園の行事に積極的に参加.  1(0.2). ()内は%.  まず,保護者について,1位から3位までの選択率,1位のみでの選択率と もに,「子どもの発達についての専門知識」が最も高く,次いで「心理学の専門. 知識・技能」,「保護者の悩み相談に応じる」の順に高かった。1位の選択率につ いては,この3項目を1位に選択した保護者は全体の85.5%であり,保護者は,. 16.

(21) 専門性と,相談に応じるといった内容の項目の選択率が高かった。さらに,3 位までの選択率を見ると,「幼児教育についての知識があるjは保護者の41.3%. が,「勤務園や先生についてよく理解している」は保護者の30.5%が3位まで に選択しており,幼児教育や幼稚園についての知識に関する項目への選択率も 比較的高かった。.  次に教諭について,1位から3位までの選択率,1位のみでの選択率ともに, 「子どもの発達についての専門知識」が最も高く,次いでr心理学の専門知識・. 技能」が高かった。1位のみでの選択率についてはこの2項目で83.3%を占め ており,専門性に関する項目の選択率が最も高かった。3位までの選択率につ いては,「保護者の悩み相談に応じる」は教諭の50%が,「園の先生の悩み相談」. は教諭の20.4%が3位までに選択しており,相談機能関する項目の選択率も高 いことが明らかとなった。また,「園の先生との良好な関係を保てる」は教諭の 25.9%が,「勤務園や先生についてよく理解している」は教諭の22。2%が3位ま. でに選択しており,幼稚園や教諭との関係に関する項目の選択率も比較的高か った。.  次にKCについて,1位のみでの選択率について,「子どもの発達についての 専門知識」が最も高く,次いで「心理学の専門知識・技能」が高かった。1位の. みでの選択率については,この2項目で82%を占めており,専門性に関する項 目の選択率が最も高かった。3位までの選択率にっいては,「子どもの発達につ. いての専門知識」が最も高く,次いで「保護者の悩み相談に応じる」が高かっ た。. 3−2−1.KCに求められる人物像一3群間での比較一  「:KCに求められる人物象」について,1位のみでの選択率については,各群 ともに「子どもの発達についての専門知識」,「心理学の専門知識・技能」の順に. 高く,各群間での選択率に大きな違いはみられなかった。しかし,3位までの 選択率で見ると,各群によって項目の選択率に違いがみられた。そこで,各項 目を3位までに選んだ比率について,3群問でのκ2検定を行った。3群間に有 意差がみられた場合は,下位検定として2群ごとにもう一度κ2検定を行った。 その結果をTable7に示した。.  3群間で有意な差がみられた項目は,「園の先生との良好な関係を保てる」 (κ2(2)=38.57,pく.01),「勤務園や先生についてよく理解している」(κ2 (2)ニ6。63,pく.05),「園の先生の悩み相談に応じる」(冗2(2)=41.63,p<。05),「幼. 児教育についての知識がある」(x2(2)ニ28.60,pく.01)の,4項目であった。. 17 k.

(22) Table7  「KCに求められる人物像」 κ2検定結果 保護者 教諭   KC            κ2値 N=463  N=54  N=39 <3位までの選択人数と選択率> 子どもの発達についての専門知識   376(80.8). 46(85.2). 心理学の専門知識・技能の資格    283(61.1). 32(59.3). 20(51.3) n.s.. 保護者の悩み相談に応じる     237(5L2). 27(50.0). 26(66.7)  n.s.. 園の先生との良好な関係を保てる   34(7.3). 14(25.9). 13(33.3)38,57**教諭>保護者**,KC〉保護者料. 勤務園や先生についてよく理解している141(30.5). 12(22.2). 園の先生の悩み相談に応じる     21(4.5). 11(20.4). 11(28.2)41.63**教諭>保護者**,KC>保護者料. 幼児教育にっいての知識がある    191(41、3). 10(18.5). 2(5.1) 28.60**保護者>教諭*,保護者>KC**. 37(94.9〉   n.s.. 5(12.8) 6.63* 保護者>KC*. 保護者のことをよく理解している    78(16.8). 9(16.7). 3(7.7) n.s.. 幼稚園の行事に積極的に参加     20(4.3). 1(L9). 0(0.0) n.s..                           ()内は%.**p〈.01*pく.05.  この4項目について,さらに下位検定として2群ごとのκ2検定を行った結 果,「園の先生との良好な関係を保てる」の選択率は,教諭,KCがそれぞれ保 護者よりも高く (それぞれκ2(準)=19。83,p<.01,冗2(1)=28。63,p<.01),「勤. 務園や先生についてよく理解している」の選択率は,保護者がKCよりも高か った (冗2(1)ニ5.42,p<.05)。さらに,「園の先生の悩み相談に応じる」の選 択率は,教諭,KCがそれぞれ保護者よりも高く(それぞれ冗2(1)=20.88,p<。01,. ㌶2(1)ニ33.77,p<.01),「幼児教育についての知識がある」の選択率は,保護者 が教諭,KCよりも高かった(それぞれ冗2(1)ニ10.34,pく.05,冗2(1)=19.59, P<。01)。.  これらの結果から,園の先生との関係に関する項目については教諭,KCが 共に保護者よりも選択率が高いことが明らかとなった。さらに,幼児教育や幼 稚園にっいての知識に関する項目については,:KC,教諭に比べて,保護者の選. 択率が高いことが明らかとなった。また,3群間で有意差がみられた4項目に ついて,下位検定で教諭と:KCに有意差はみられず,KCに求められる人物像 に関して,教諭とKCの重視する項目への選択率の序列は共通していた。. 3−3.KCの役割領域  「KCの役割領域」について,保護者,教諭がどのような役割を求めている のか,あるいはKCがどのような役割を求められていると考えているか明らか にするために,保護者,教諭,KCの各群における「KCの役割領域」の各項目 の平均得点を求めた。その結果をTable8に示した。さらに,「KCの役割領域」. の各項目の平均得点について,保護者,教諭,KCそれぞれにおいて,平均得 点の高かった上位5項目を高得点順に並べた。その結果をTable9に示した。. /. 18.

(23) T&ble8 「KCの役割領域」保護者・教諭の二一ズ得点平均と,.                     KCの必要性認知得点平均 … 二一ズ (N=48き). 1保護者自身の個人的な悩みの相談を、保護者から受ける. 2.85〈0.79).  特に気になる子どもとの関わり方について、園の先生との話し合い・ 2  アドバイス. 3.20. 3グループカウンセリングなどによる、保護者同士での話し合いの促進. 諭二一ズ   KC認 (N=57)     (N=39). 3.33(O.58). 3.18(0.76). 3.50(0.60). 3.79(0.41). 2.38  (0.77). 2.61(0.68). 2.51(0.79). 4保護者との関わり方にっいて、園の先生と相談. 2.7σ(0.76). 2。98(0.74). 3.64(0.54). 5子どもの発達上の不安・問題についての相談を、保護者から受ける. 3.51(0.65). 3.54(0.54). 3.85(0.37). 6子どもの発達検査や心理検査を行なう役割. 2.62  (0.93〉. 2.90(0.87). 1.85(0.78). 7家庭生活上の悩みについての相談を、保護者から受ける. 2.02  (0.80). 2.63(0.78). 2.92 (0.62). 8特に気になる子どもへの個別的な関わり. 2、70(0.84). 3.13(0.67). 3.49 (0.64〉. 9. 3.27(0.74). 3.28(0.63). 3.85(0。37). 10子どもの発達や心理に関して、園の先生への研修会の講師をする. 2.87  (0.77). 2.65(0.65). 3.00 (0.65). 11園の先生間の対人関係が円滑になるように、調整する. 1.90  (0.80). 1.70 (0.79). 2.15 (0.78). 12園の先生から、先生自身の個人的な悩みについての相談を受ける. 2.21  (0.85). 2.24(0.85). 2.31(0.69). 13子育て全般に関する悩みの相談を保護者から受ける. 3.22  (0.77). 3.20 (0.71). 3.74 (0.44). 14外部の専門機関と連携し、園の先生や保護者が子どもに適した保育を  行なえるよっ調整. 2.79  (0.81). 3.00(0.78). 3.15(0.81). 15保護者を対象とした子育てに関する講演会・学習会の講師をする. 2.58(0。73). 2.77(O.63). 2.87(0.77). 16クラスにいる子どもに対して何らかの支援・働きかけをする. 2.37  (0.80). 2。44(0.77). 2.49(0.76). 17保護者ヘカウンセリングの広報活動を行なう. 2.33(0.73). 2.46(0.72). 2.54 (0.79).  子どもの心理面についての不安・問題などの相談を、保護者から.  受ける. (0.72).                              ()内は標準偏差  保護者の平均得点は2.68点(SD=0。45点),教諭の平均得点は2。84点(SDニ0.48. 点),KCの平均得点は3.02点(SD=0.64点)であった。. まず保護者について,1位の項目は「子どもの発達上の不安・問題についての 相談を,保護者から受ける」,2位の項目は「子どもの心理面についての不安・. 問題などの相談を,保護者から受ける」,3位の項目は「子育て全般に関する悩. みの相談を保護者から受ける.1であった。これら3項目は皆,子どもに関する. 相談についての項目であった。さらに,保護者の4位,5位の項目は,「特に気 になる子どもとの関わり方について,園の先生との話し合い・アドバイス」,「子. どもの発達や心理に関して,園の先生への研修会の講師をする」といった,教 諭支援に関する項目であった。. 19.

(24) Table9 「:KCの役割領域」保護者・教諭の二一ズ得点平均と,.               KCの必要性認知得点平均 上位5項目 平均点  SD.  <保護者の上位選択項目> 1位. 5 子どもの発達上の不安・問題についての相談を、保護者から受ける. 3.51(0.65). 2位. 9 子どもの心理面についての不安・問題などの相談を、保護者から受ける. 3.27(0.74). 3位. 13子育て全般に関する悩みの相談を保護者から受ける. 3.22(0.77). 2 特に気になる子どもとの関わり方について、園の先生との話し合い・アドバイス. 3.20(0.72). 10子どもの発達や心理に関して、園の先生への研修会の講師をする. 2.87(0.77). 4位 5位. 位 位位位位 ー  ワ臼 3  4 . 5.  〈教諭の上位選択項目> 5 子どもの発達上の不安・問題についての相談を、保護者から受ける. 3.54(0.54). 2 特に気になる子どもとの関わり方について、園の先生との話し合い・アドバイス. 3.50(0.60). 1 保護者自身の個人的な悩みの相談を、保護者から受ける. 3.33(0.58). 9 子どもの心理面についての不安・問題などの相談を、保護者から受ける. 3.28(0.63). 13子育て全般に関する悩みの相談を保護者から受ける. 3.20(0.71).  <KCの上位選択項目> 1位. 9 子どもの心理面についての不安・問題などの相談を、保護者から受ける. 3.85(0.37). 1位. 5 子どもの発達上の不安・問題についての相談を、保護者から受ける. 3.85(0.37). 3位. 2 特に気になる子どもとの関わり方について、園の先生との話し合い・アドバイス. 3.79 (0.41). 4位. 13子育て全般に関する悩みの相談を保護者から受ける. 3.74(0.44). 5位. 4 保護者との関わり方について、園の先生と相談. 3.64(0.54).  次に教諭について,上位5項目中2位以外の4項目が,「相談を保護者から. 受ける」というKCの保護者への相談機能に関する項目であった。この4項目 は,保護者の上位3項目と同じ子育てに関する相談の3項目に,「保護者自身 の個人的な悩みの相談を,保護者から受ける」という,保護者自身の悩み相談 についての1項目を加えたものであった。また,2位の項目は,「特に気になる 子どもとの関わり方について,園の先生との話し合い・アドバイス」といった, 教諭支援に関する項目であった。.  次にKCについて,1位の項目は「子どもの心理面についての不安・問題など の相談を,保護者から受ける」と,r子どもの発達上の不安・問題についての相. 談を,保護者から受ける」の2項目であった。また,4位の項目は「子育て全 般に関する悩みの相談を保護者から受ける」であり,これら3項目は子どもに. 関する相談を保護者から受けるといった内容の項目であった。また,3位,5 位の項目は,「特に気になる子どもとの関わり方にっいて,園の先生との話し合 い・アドバイス」,「保護者との関わり方にっいて,園の先生と相談」といった 項目であった。これら2項目は教諭支援,教諭との連携に関する項目であった。 20.

(25) 3−3−1,KCの役割領域一保護者二一ズ,教諭二一ズ,                        KCの必要性認知の比較.  rKCの役割領域」について,保護者,教諭が求めている役割,あるいはKCl が求められていると考えている役割に違いがあるかどうかを明らかにするため に,保護者,教諭,KCの各役割における「KCの役割領域」の各項目の平均得 点にっいて,各役割を独立変数,各項目の得点を従属変数とした1要因の分散. 分析を行った。3群間に有意差がみられた場合は,下位検定としてTukey法に よる多重比較を行った。その結果をTable10に示した。 Table10. 「KCの役割領域」保護者・教諭の二一ズ得点平均と,.        KCの役割期待得点平均についての分散分析  二一ズ    F一ズ   KC認 (N=483)  (N士57)  (N=39). F値   1L93**. 1保護者自身の個人的な悩みの相談を、保護者から受ける. 2.85  (0.79)  3.33 (0.58)   3.18 (0.76). 教諭〉保護者**,.  KC>保護者*  特に気になる子どもとの関わり方について、園の先生との話し合い・ 2                                                      3,20  (0.72)  アドバイス. 3.50 (0.60)   3.79 (0.41). 3グループカウンセリングなどによる、保護者同士での話し合いの促進  2.38 (0.77). 2.61 (0.68)   2.51 (0.79).   16.24**. KC・教諭〉保護者綜.   n、S、   30.26**. 4保護者との関わり方にっいて、園の先生と相談. 2.70(0.76)2.98(0.74) 3.64(0,54). 3  2  2  2  3  2  1  2  3  2  2  a . 5渇Oマ2£922﹂533. 16クラスにいる子どもに対して何らかの支援・働き力対をする. 17保護者ヘカウンセリングの広報活動を行なう. a. 5子どもの発達上の不安・問題についての相談を、保護者力ち受ける 6子どもの発達検査や心理検査を行なう役割 7家庭生活上の悩みについての相談を、保護者力ち受ける. 8特に気になる子どもへの個別的な関わり  子どもの心理面についての不安・問題などの相談を、保護者力ち. 9  受ける. 10子どもの発達や心理に関して、園の先生への研修会の講師をする 11園の先生間の対人関係が円滑になるように、調整する. 12園の先生から、先生自身の個人的な悩みについての相談を受ける. 13子育て全般に関する悩みの相談を保護者から受ける  外部の専門機関と連携し、園の先生や保護者が子どもに適した保育を 14  行なえるよう調整 15保護者を対象とした子育てに関する講演会・学習会の講師をする. (0。65)  3.54 (0。54〉. 3.85 (α37). (0.93)  2.90 (0.87). L85(0.78).  KC>教諭淋,  KC>保護者**  教諭>保護者*.   5,09**.  KC>保護者綜   15.48**. 教諭・保護者>KC料   34、63** KC・教諭>保護者**. (0.80)2。63(0.78). 2.92(0.62). (0.84)3,13(0.67). 3.49 (0,64). (0.74)3。28(0.63). 3.85(0.37). (0.77)2.65(0,65〉. 3,00(0.65). (0.80)L70(0.79). 2.15(0.78). (0.85)  2.24 (0.85). 2.31 (0.69). (0.77)3.20(0.71). 3.74(0.44〉.   8.99* KC>教諭・保護者**. (0.81)3.00(0.78). 3。15(0.81).   4.88*  KC〉保護者*. (0.73)2.77(0.63). 2.87(0.77).   4.28*  KC>保護者*. (0.80)2.44(0.77). 2.49(0.76).   n,S.. (α73)  2.46 (0.72). 2.54 (0.79).   n.S..   21.42**. KC・教諭〉瀞   12.09** KC〉教諭・保護者**.   n.S。   3.58*.  KC>教諭*   n。s.. ( )内は標準偏差.無pく.01 *p<.05. 21.

(26)  まず,保護者支援に関する8項目について,3群間で有意な差がみられた項. 目は,「保護者自身の個人的な悩みの相談を,保護者から受ける」 (F(2,553)=11.93,p<.01),「子どもの発達上の不安・問題についての相談を,. 保護者から受ける」(F(2,553)=5.09,p<.05),「家庭生活上の悩みについての 相談を,保護者から受ける」(F(2,553)=34.63,p<.01),「子どもの心理面につ いての不安・問題などの相談を,保護者から受ける」(F(2,553)=12。09,p<.01),. r子育て全般に関する悩みの相談を保護者から受ける」(F(2,553)=8.99,p. <.05),「保護者を対象とした子育てに関する講演会・学習会の講師をする」 (F(2,553)=4、28,pく.05)の6項目であった。これら6項目には,保護者への. 相談に関する5項目全てが含まれていた。これら6項目にっいて,さらに多重 比較を行った結果,「保護者自身の個人的な悩みの相談を,保護者から受ける」,. 「家庭生活上の悩みについての相談を,保護者から受ける」の2項目について は,保護者よりも,KC,教諭の得点が高かった。「子どもの発達上の不安・問題 にっいての相談を,保護者から受ける」,「子育て全般に関する悩みの相談を保. 護者から受ける」の2項目については,保護者,教諭よりもKCの得点が高か った。さらに,「子どもの心理面についての不安・問題などの相談を,保護者か ら受ける」,「保護者を対象とした子育てに関する講演会・学習会の講師をする」. の2項目については,保護者よりもKCの得点が高かった。これらの結果から, 保護者自身,あるいは保護者の家庭生活に関する保護者の個人的な悩みの相談 についての項目得点は,KC,教諭に比べて保護者自身の方が低いことが明らか となった。.  次に,教諭支援に関する5項目について,3群間で有意な差がみられた項目 は,「特に気になる子どもとの関わり方にっいて,園の先生と話し合い・アドバ イス」F(2,553)ニ16.24,p<。01),「保護者との関わり方にっいて,園の先生と 相談」(F(2,553)=30.26,p<.01),「園の先生間の対人関係が円滑になるよう,. 調整する」(F(2,553)ニ3.58,p<.05)の3項目であった。これら3項目につい. て,さらに多重比較を行った結果,「特に気になる子どもとの関わり方について,. 園の先生と話し合い・アドバイス」については,保護者よりも,:KC,教諭の得 点が高く,「保護者との関わり方について,園の先生と相談」については,KC,. 教諭,保護者の順で得点が高かった。さらに「園の先生間の対人関係が円滑に. なるよう,調整する」については,教諭よりもKCの得点が高かった。これら の結果から,子どもや保護者との関わり方にっいて教諭と相談する役割に関す. る項目得点については,保護者よりも教諭,KCの得点が高いことが明らかと なった。.  続いて,子どもへの支援に関する3項目について,3群間で有意な差がみら. 22.

(27)  続いて,子どもへの支援に関する3項目について,3群間で有意な差がみら れた項目は,「子どもの発達検査や心理検査を行う役割」(F(2,553)ニ15.48,p. <.01)の1項目であった。さらに多重比較を行った結果,KCよりも,保護者,.  教諭の得点が高かった。KCよりも,保護者,教諭の得点が高い項目は,全. 17項目中,この1項目のみであった。  さらに,他機関との連携に関する項目であるr外部の専門機関と連携し,園 の先生や保護者が子どもに適した保育を行えるよう調整する」について,3群 問で有意な差がみられた(F(2,553)=4.88,p<.05)。さらに多重比較を行った. 結果,保護者よりも,KCの得点が高かった。. 3−4.KCの役割領域一KCの実活動一  「KCの役割領域」項目について,KCが実際にどの程度活動を行っているの かを明らかにするために,「KCの役割領域」に対する実活動得点を,各項揖ご. とに求めた。その結果をTable11に示した。さらに,「KCの役割領域」の各項 目の平均得点について,平均得点の高かった上位5項目を高得点順に並べた。 その結果をTable12に示した。. Tablell rKCの役割領域」について,KCの実活動. 123456789. 実活動. 保護者自身の個人的な悩みの相談を、保護者から受ける. 3.24(0.79). 特に気になる子どもとの関わり方について、園の先生との話し合い・アドバイス. 3.67(0.53). グループカウンセリングなどによる、保護者同士での話し合いの促進. 1.70(0.83). 保護者との関わり方について、園の先生と相談. 3.23(0.67). 子どもの発達上の不安・問題についての相談を、保護者から受ける. 3.41(0.75). 子どもの発達検査や心理検査を行なう役割. L53(0.86). 家庭生活上の悩みについての相談を、保護者から受ける. 2.87 (0.80). 特に気になる子どもへの個別的な関わり. 3.21(0.77). 子どもの心理面についての不安・問題などの相談を、保護者から受ける. 3.41(0.72). 10子どもの発達や心理に関して、園の先生への研修会の講師をする. 2.00〈0.92). 11園の先生間の対人関係が円滑になるように、調整する. 1.77(0.74〉. 12園の先生から、先生自身の個人的な悩みについての相談を受ける. 2,00(0.76). 13子育て全般に関する悩みの相談を保護者から受ける. 3.39(0.75). 14外部の専門機関と連携し、園の先生や保護者が子どもに適した保育を行なえるよう調整. 1.97(0。84). 15保護者を対象とした子育てに関する講演会・学習会の講師をする. 2.21 (0.93). 16クラスにいる子どもに対して何らかの支援・働きかけをする. 1.79(0.74). 17保護者ヘカウンセリングの広報活動を行なう. 1.97 〈0.90〉. ( )内は標準偏差. 23.

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