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ハンガリー経済の再生産構造(3) : 資本ストック構造の分析

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Academic year: 2021

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(1)ハンガリー経済の再生産構造(3) −資本ストック構造の分析−. 久保庭 真彰・長谷部 勇一 は じめに. 第1節 資本ストックのデータ構造. 周知のように,89年の東欧市民革命,91年中 ハンガリー中央統計局〔KHS(1987)]は, 葉のワルシャワ条約機構およびコメコン(CM 1971−79年時系列接続産業連関表に対応した時 EA)解体,91年未のソ連消滅によって「社会 系列接続資本マトリックス(1976年不変価格・ 主義世界体制」は幻であったかのごとく消え去 年初価値表示)を作成している. ってしまった.この崩壊の要因の1つは,70年 表1ほ,ハンガリー経済1976年間定資本マト fe,とりわけその後半における産業構造リスト. リックス(年初価値)である.表2はハンガリ. ラクチャリングに中・東欧・旧ソ連経済が決定的 ー経済1976年在庫資本マトリックス(年初価値) に失敗したことに求められる.これは,その時. である.表1と蓑2をマージすると,表3のハ. 期における日本経済をはじめとするOECD諸 ンガリー経済1976年資本マトリックス(年初価 国の経済変動と対照させてみれば明らかであろ う.また,現在,中欧(ハンガリー,ポーラン ド,チェコスロノミキア)・旧ソ連(ロシア,ウ. クライナ,パルト3国)において単なる「改革. (ペレストロイカ)」ではなく,私有財産制市場 経済への移行を中心とする「革命(ノポストロ イカ)」が目標とされるに至ったのは,旧ソ連. と異なり,1968年以来,社会主義の枠内での改 革をまじめに営み続けてきたハンガリーの(「失 敗」の)経験によるところが大きい. われわれはこれまで,こうした問題意識のも とに,1970年代のハンガリー経済の再生産ネッ トワーク構造を,投入産出フローに焦点を定め て考察してきた1).本稿では,その背後にある. 値)をうる.これらの間の関係を一般的に表現 しておくと次のとおりである. g=茸〔1)+g(2).. ここに ∬:資本マトリックス; 且(1):固定資本マトリックス; ∬(2):在庫資本マトリックス.. 表1,2,3について一般的な注意を与えてお こう,. 第1に,年初(期首)価値表示であり,年平 均価値表示ではない.フローの産業連関表に照 応し,動学分析に適しているのほ年平均価値表 示である.したがって,次節以降の分析では,. 当期期首資本マトリックスと次期のそれの単純 平均値としての年平均価値表示時系列資本マト. 資本ストックの産業連関括造とその変化を調べ てみることにする2). 1)本稿は,本誌に掲載された久保庭・長谷部 (1989)の続編である。. 2)われわれとは異なるデータを用いて,1970年 代におけるハンガリー工業諸部門の資本ストック, 資本生産性(フォンド効率),資本装備率,労働生 産性の推移を検討■した文献として青田(1984)があ る。. リックスを分析素材として用いることにする, 第2に,非競争簡略型である.内生部門各マ スメは国内で生産された資本価額を表す.輸入 資本財価額が,輸入ベクトルとして一括表示さ れている.輸入については輸入税ベクトルが別 掲されている.輸入資本マトリックスは与えら れていないという点において,われわれがすで.

(2) 第43巻第1号. 表1ハソガリー経済1976年固定資本マトリックス. 2. 工. 工. 品. 0 1 2 3 4 5. 業力金業材学業業設業業信果菜理. 工費. 械設. 1 2 3 4 5 6 7 ︻D 9 7 8 9 0. 一一. 6. 鉱電冶機建化蟹食建農林遅国対水対保公輸輪. 鉱1業l電力1冶金. 3. 樺造業建晶材 化6学【軽主菜食品業. 25812. 0. 0. 0. 0. 0. 21083. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 5736. 26326. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 14936. 23501. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 501 204 206. 937 508 131. 6319 15∽ 3796 0 7073. 0. 883 362 376. 0. 2787 34160 0 0. 605 232 198. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 0. 9250. 5893. 計l58319」7. 9178r 66351. 7766 18422 2258 7429. 0. 9240 2348. 38322 87582 77662】 62603. 表2 ハンガリー経済1976年在庫資本 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 2. 20 総. 0 0. 17435 37762. 397 189 162. 0. 12973.

(3) ハンガリー経済の再生産構造(3). (1g92.6). ∬(1)(在庫資本を除く,1976年初価値) (単位:100万フ貞・リント). 運晶后【国品業. 17 保 健 一軒ービス. 19 総 計 18 公 共 サービス. 1. 6. 1. l n8 2 1 9 7 1 00 4 3 3 9 8 1. 5 1 5 2 3 7 9 2 3 4 5 6 9 5 7 ︵U 2 2 1 31 2 1. 127. QU. ウリ. 7 O nO 7. 9. 1 0 0. nO 3. 7 9 ウ] 2.4 ︹8 1 0 6. 7521弓375261【47335l3938. 123098†610454い44580ぎ 80890. マトリックス∬(2)(年初価値). (単位:100万フォリソり.

(4) 第43巻第1骨. 1さ. 表3 ハソガリー経済1976年資本. に用いたフロー蓑と整合的ではないが,輸入固. 3,600万フォリソト,「9・建設」の供給する国産. 定資本財の約90%は機械工業製品から成り立っ. 建物・建築物を149倍3,600万フォリン1㍉ 輸入. ているといわれる.. 資本財92億5,000万フォリソトを保有している.. 第3に,ノ、ソガリー経済時系列産業連関表と 第2節 資本構造. 同様に制度部門別表示であるため,運輸・通信 部門,商業各部門も建設活動を含むため固定資 本供給部門となっている.. 各産業部門が保有している資本ストック額と その部門別構成比との時系列を示しているのが. 第4に,これも制度部門別表示に起因するこ とであるが,表1に示されているように,国定. 表4と蓑5である.表6は部門別資本ストック. 資本マトリックスの対角線上ほ,鉱業,電力等の. の資本保有構造の70年代の特徴についてはこれ. の成長率の推移を表示している.まず,各部門. らの統計データから以下の事実を確認すること 原材料供給部門についてもプラスの傾が計上さ れており,これらの部門も自部門についてほ固. ができる.. 定資本供給を行うように記述されている.例え. 第1,非物的サービス部門が全体に占める資. ば,蓑1の固定資本マトリックスは,横(行). 本比重は適時的にみて約30%程度であるが,対. に沿って読むと,「1.鉱業」が「1.鉱業」にのみ. 家計(個人・経済)サービス部門の比重は20%. 258億1,200万フォリントの「固定資本」を供給. を越えており,最大の驚本保有部門となってい. することになっている.縦(列)に沿って読む. る.. と,「1.鉱業」ほ,「1.鉱業」部門自身の供給す. る国産固定資本を258億1,200万フォリント, 「4.機械工業」が供給する国産機概額を57億. 第2,運輸・通信部門の比歪が2番目に大き く15%前後である.. 弟3,農業部門の比重が機械工業部門のそれ.

(5) ハンガリー経済の再生産構造(3). (1992.6). ストックマトリックスg(年初価値) (単位:100万フォリソト) 10. 建9設】農業林業. 11. 運品信L国晶業. 16 対家計 サー・ビス. 17 保 健 サービス. 15 水資源 管 理. 18 公 共 サービス. 、. −・卜 二.;∴. 2. 2. 1. 2. 9. 3. 1. 7. 6 4. 386466い266028632. 3. 36可 8908. 260674 10667 30591 51484 28063 1333101. 4. 1. 4. 1 5 9 0. 9. 野. 3 2 3 5 1 0 6 6 1 4 3 0 7 1 1 1 6 12. ゎ. 4331 2355 193 217 168 136 137 162 15 11 2m 571929. 125483L 613897157565l84199】2673112 1 1. 表4 ハンガリー経済の部門別資本ストック保有額 (年平均;100万フォリント;1976年不変価格) 9. 3 3. 6. 2 7. 7. 9. 7. 72402 99481 3 8 6. l. 4. 2. 1 1 5 3 3. 7 6. 7. 1. 2. 4. 3. 9. 9. 0. 9. 8 0. 9︼. 1. 4. 2. 0. 1. 6. 7. 8. 1. 6.4. 7. 6. 4. 史U. 0. 6. 1. ︹0. 1. 7 9 1 6 1. 9. 3. 9. 5. 6. 3. 9. 5. 0. 9. 3. 5. 5. 7. 2. 3. 9. nO. 4. 7. 3. ウム. 4 1 3 4 1. 1. 1. 7. ︵U. A▲. 0. 5. 1. 2. l. ︵U. 4. 6. 1. 3. ︵b. ∩8. ウ︼. 2. 73659381。991那脚188班114676350弧056421. l. 3. 5. 1 1 3. 8. 2. 1. 0. 9. ごU. 1 1 6 9 1 1 1. 6. 1. 4. 8. 2. 2 5. 1. 7. ︵U. 7. 8. 9. 4 1. 4. 3. 3. 9. 1. 3. 9. 7. 6. 7. 9. 6. 4. ︵U. 0. ハ0. 1. 7. ︵臼. 2. 6. 1. 5. 6. 3. 4. nD. 4. 9. 5. 6. l. 0. l ︵U nD 3 7 5 2 0 9 nO 1 4 1 6 2 4 5 3 3 0 5 0 2 7 3 4 00 1 4 6 1 4 5 1 3 9. 0. 5. 7. 0. 9. 5. 7. 3. 1. 9. 1. 2. 7. O. 2. ウ︼ βU. 1. 2. 3. 9. 2. 8. 7. 5. ∩∠. 4. 0. 5 1. 1. 6. ∩︶. 5. 4. 7. 5. 5. 6. 7. 9. 1. 2. ︹汚. 7. ︵む. 6. 9. n︶. 2. 9. だU. 2324061l2453294. 6. ︵U. 計l20980432209990. 4. 1. 1芋;≡;喜l…芸…冨;. 2. A−9. 108193. 546704. 5. 6230106938 1013246987 523641 5. 19 総. 2. 00. 83900 45575 315162 7364 354677. 1. 139808 33149 77409 94061. 1. 57613 64787 70959. 3. 6. 12 運 輸・通 信 13 国 内 商 業 14 対外貿易商業 15 水資源管理 16 対家計サービス 17 保健サービス 18 公共サービス. 60162 67692 133870 30139 72271 86797 78916 43701 295746 6949 343416 102738. 3 1 6 ウ一9 ∩︶ 6 1 9 2 3 9 1 6 3 3 4 6 4 9 5 ︵U 3 4 3 6 4 5 5 5 4 7 5 0 3 ︵U 8 ︿U 5 7 6 4 7 7 1 3 6 ︵U 2 4 0 7 1 2 1 2. 1971】1972 ト 1973 119741197511976119771978. 父U. nD. q︶. QU.

(6) 第43巻第1号. −・20−. 費5 ハンガリ「経済の資本ストッグ構成比. 19711972 1973 11974 11975【197611977【1978 工資. 械設. 1 2 3 4 5 6 7 0U 9 ∩︶ 1 2 3. 2.53t 2.48t 2.41 2.37 2.34 鉱 業 3.22 2.89 3.01 電 力 2.89 3.05 冶 金 6.27 6.05 3.046.07 機 建 1.55 1.57 1.46 4.11 3.41 化 学 3.694.03 4.05 4.06 軽 工 業 3.72 3.91 3.74 食 品 工 業 建 設 2.04 2.35 2.00 農 業 13.61 13.76 0.32 0.36 林 業 違 輪・通 信 14.59 14.92 13.77 国 内 商 業 4.62 4.70 4.9∈; 0.33 0.32 0.37 対■外貿易商業 水資源管理 ▲l.T1 4.69 4.72 23.27 対家計サービス 23.04 22.44 5.82 保健サービス 5.94 3.211 3.15 公共サービス 3.09 総 計lOO.00lOO.00,100.00lOO.00lOO.00 100・00rlOO・00JlOO・00. 13.7 0.3. 5.88. 4 5 ︻0. 表6 ハンガリー経済の資本ストッグ成長率 (%). 7 S1. 1976】1977い978桓細長率. 1972 1973 11974 11975. 2 4. 工資. 械設. 3 5 6 7 8 9 ︻U l ウ︼ 3. 菜 鉱 電 力 冶 金 巣 機 建 材 化 学 軽 工 業 食 品 工 業 建 設 虚 業 林 業 運 輸・通 信 国 内 商 業 対外貿易商業 水資源管理 対家計サービス 保健サービス 公共サービス 計l 5,34 総. −. − − _. 5.16 5.561 5.93 5.95 5.811 5.98l. 4.54 8.51 4.98 6.29 8,75 9.67 6.57 7,28 8.69 5.99 8.37 3.57 6.73 11.69 6.06 4.70 5.84 5.09. 5.防. 4 5 6 7 ︵0.

(7) ハンガリー経済の再三l三産構造(3). (19g2.6). 図1資本ストックに占める輸入財の比率. 1971 1972 1973 1974. 1975 1976 1977 1978. の約倍の13%強の値を示しており,全体で3番. 工業部門中で最も高く,特に1975年は14.5%と. 目に大きい.. いう最高の成長率を示している.電力部門も同 様に平均年率8.5%と相対的に高い成長率を示. 第4,機械工業部門の比重は6%前後と低水 準に停滞Lており,保健サービス部門の比重を 若干上回っているにすぎない.. している.. 第6,相対的に比重の小さい貿易商業部門の. のは,国内商業部門と水資源管理(水利業)部. 資本ストックが,70年代を通じてみると叔高の 平均成長率11.7%を示しているが,この部門の. 門である.. 資本の約半分は在庫資本が占めている点に注意. 第5,機械工業に次いで資本を保有している. 第6,軽工業と食品工業とを合わせた広義軽 工業の比重は約8%弱であり,機械工業の比重 を上回っている.. 次iこ,資本ストックの時系列的推移に関する 事実を整理すると次のとおりである. 第1,、マクロでみると,資本ストックは5% 台の増加率を適時的に維持している. 第2,対家計サービス部門と運輸・通信部門 の資本ストック比重ほ大きいとほいえ,これら. しておきたい.. 第7,比重の小さい建設資材部門の成長率も 平均年率9%弱と高率であるが,77,78年にか けて大幅に鈍化している. 第8,72,73年については軽工業の方が食品 工業よりも高い成長率を示しているが,それ以 後は逆転しており,特に77,78年にかけては食 品工業が高成長している. 図1は,1970年代における,全産業資本スト. の部門の資本ストック成長率は平均を下回って ック(年央)のうちの輸入資本ストック(年央; 減少しており,比重も適時的にほ一貫して低下. そのほとんどは機械析)の比率の推移を示して. トレンドを示している.. いる.国から明らかなように,輸入資本ストッ ク・シェアは,景気循環に関わりなくほぼ直線. 第3,農業部門資本ほ平均をほんの少しだけ 上回る年率6%前後で増加している. 第4,横械工業部門の保有する資本ストック. 的に増加しており(1976年はリセッション期), 1971年の9.07%から1978年の12.40%へと変化. は,トレンドとしては農業を若干上回るスピー. している〔ここでの輸入資本は輸入税を除外し. ドで成長しているが,78年は9%以上の高い成. たネット概念で捕捉されている]・. 長率を示している.. 第5,化学部門の資本ストック比重は3・5% 程度であるが,資本成長率は平均年率9.7%と. 物的部門で輸入資本ストック・シェアが高 いのは,軽工業(1971年30.89%;1978年33.06 %),化学(1971年21・41%;1978年25・27%),.

(8) エコノミア. 第43巻第1号. (%) 図2 部門別輸入資本ストックの年平均成長率=1971−1978年. ︹D. 7. ごU. 5. 4. 全部門平均. 公共サービス. 保健サービス. 対家計サービス. 水資源管理. 建設. 国内面美. 食品工業. 貿易商某. 9. 軽工業. 3. 8. 化学. 運輸・通信. 7. 建設資材. 2. 6. 機械工業. 林業. 5. 冶金. 1. 4. 電力. 農業. 3. 0. 2. 鉱業. 機械工業(1971年20・65%;1978年24.22%),. 資本増加率は全体平均を下回っており,それぞ. 冶金(1971年21.18%;1978年26.21%),建設. れ8・74%,8・22%,6・53%である(それでも,. 部門(1971年16.95%;1978年25.90%)である.. 国産資本ストック増加率の全体平均よりほはる. 農業部門は相対的に低く,1978年においても. かに高い).. 11・81%である.非物的サービス諸部門も低く,. 図3は,機械工業,化学,農業部門につい. 掛こ対家計(個人・経済)サービス部門は全部. て,輸入資本ストック成長率の時系列を措いて. 門中最低で,71年0.54%,78年1.27%という値. いる.この固から,機械工業の輸入資本ストッ. を示している.. ク成長率は,1976年リセッション期に若干低下 図2は,1970年代に各産業の保有する輸入資 したが,傾向的に趨勢加速しており,特に77, 本財が平均的にどれだけ増加したかを示してい 78年に成長加速していることが一目瞭然であ る.この囲から次の事実が判明する.. 第1,70年代の輸入資本ストックの増加率は 資本ストック全体のそれの約2倍と高く,平均. る・70年代の成長産業である化学は,75年の山 と77年の谷がはぼ相殺しあい,平均12%強の輸 入資本増加率を保持している.農業部門は74年. 年率10.51%である.. に成長加速している他は,定常的成長を示して. 第2,資本比重最大部門の対家計サービス部 門と,比重の相対的に小さい貿易商業部門との 輸入資本増加率はそれぞれ18.33%,23.12%と 高度成長を記録している.. いる.. 以上の検討からえられる1つの重要な結論 は,ハンガリーは,70年代において,機械工業 の輸入ストックを加速度的に上昇させていった. 第3,電九 建設,農林業の輸入資本成長率 もそれぞれ18・05%,15.48%,13.92%と高率 であり,化学,食品,建設資材も全体平均を上. 国内技術基盤の底上げよりもむしろ短期的視野 に立って各部門を輸入資本財によって近代化さ. 回っている.. せようとしたこと,これである.. 第4,機械工業,冶金,鉱業,樫工業の輸入. とはいえ,機械工業それ自体の近代化を通じる. 投資の結果としての資本ストックそれ自体の.

(9) ハンガリー経済の再生産柵迫(3) (1992.6). 図a 主要部門の輸入資本ストック成長率:1972−1978年 (%) 20. 18. 16. 14. 12. 10. 8. 6. 4. 2. 移 推 の 性 産 生 本. 0. 1. 6. 9. 1. A▲. l. 1. 5. 0. 4. 7. 3. 0. 2. 0. 5. 9︼. 6 1 5 3 7 00 3 8 6 3 4 7 4 4 7. 5. 4. 2. 0. 6. 7. ︵‘. 3. 0. 4. n︶. 7. 彙U. 5. 5. 9. 0. 1. 0. 史U. 2. 7. 1. 6. 3. 0. 9. 6. 1. 0. 4. 9. 1. 1. 9. 7一U. 1. q︼. 9. 3 3 6 6 3 6 4 1 2 8 5 0U. 4. 0. 0. 9. 6. 1. 2. 9. 3. 6. ︵U. 0. ∩︶・4. 0. 8. 7. 4. 3. 4. ︵U. 5. 0. 9. 4. 8. 3. 8. 1. 5. 1. 4. 2. 5. 0. 1. 7. 0. 9. O. 3. 4. 7. 0. 4. q︶. 1. 3. 1. 1. 0. O. ︵凸. nD. ∩︶. 9. ︵U. 2. 8. 0. 9. 8. 5. 9. 5. 6. 7. 八U. 5. ∩︶. 9. 5. 1. 1. 5. 1. ︵U. 5. 5. 7. 5. 4. 5. 0U. ∩︶. 4. 1. 7. 4. 9. 9. 1. 3. 0. 5. 0. 7. nO. ∩︶. 7. 5. 2. R﹀. 7. 3. 6. 00. 7. ︵U. ウ]. 1. 1. 0. 3. 9. 0. 0. 只︶. 2. 9. 4. ︻B. 00. 9. 7. 7. 9. 6. 9. ∩︶. 6. 0. 3. 9. 9. 3. 6. 5. 3. q︶. ︵U. n﹀. ∩︶. 7 6 4. O. 83■. ︿U. 2. 7. 6. 4. 1. 1. ■U. 8. 1. .4一. 6. 9. 0. O. nD. 0. 2. 0. 7. 0. 0. l. ︻O. 人U. 0. ∩︶. 9. 7. 0. 1. 4. 5. 1. 0. 7. 9. 7. 0U. ︵0. ︵U. 9. 9. 9. O一U. q︶. O. 7. 7. 7. 6. 4. 1. 3. l. 4. 3. 1. q︶. l. 5. q︶. 9. ▲U. 3. O. 6 O. 2. 2. 4. 工資. 械設. 3. 5. 6. 1. l. 3. 2. 2. 2. 2. 7. 7. 1. 00. 2. 只︶. 5. 4. 1. 0. l. 0. ︹0. 0. 0. ︵U. 4. 8. 9. 1. 2. ∧U 8. 0. 5. 9. 9. 5. O. 1. け.. 0 0. 5. 0 47. 1. 2. 3. 4. O. 7. O. 0. ︵U. 0. 6. ︿U. 5. 0. 3. ︵U<U▲U. 1. ウ︼. 2. 8. ∩>. 9. 0. 6. ︵U. 6. 0. ウ︼. 8. 9. 5. O. ∩︶. O. ︵U. O. 1. O. l. ︵U. 2. ウー4. ︵U. 5. 7 4. 2U ︵. 4. 9. O割 61. O. 現 nO 3 ∩︶ 5 9 9 O Q0 U 0 0 2 ■4. ∩︶. 9. 史U. 3. 0〇 2. 1. 1. 3. 0. 9. 0U. 5. 5. 9. 0. 7. 0U. 0. 2. 9. 4. 1. 6. 0. 5. 0. 2. 9. nD. n︶. 0. 9. ︵U. 5. nO. 1. 0. 9. 8. 6. 2. 3. 2. 7. ︻︾. ∧U. 4. 4. 8. 1. 8. 7. ウ〟. O. 6. 7 9. 9. 8. 象U. O. 1. 1. 5. 00 8. 2. 6. 9. 4 2 7 0 5 9 1 ウ”9 5 只︶ 1 6 0 ∩︶ 4 ∩︶ 2 4 0 ︵U ︵U 1 0 0 1 1 1 0 0 ■U ︵U 2 ︿U O n>. 1. 1750 0.1775」 0.1809. 6 ︵︾ 5 5 5 5 ︻O nV 6 9 0 66 00 1 9 5 9 4 ウ〟 7 9 5 9 1 4 9 5 0 1 54 2 0 0 2 4. 9. の最も高い部門は建設で,食品工業,軽工業,. ク)指標に注目して調べてみよう.. 5. 1. 機械工業がこの順序でそれに次いでいる.. 表7より以下の事実を指摘しうる.. 第2,物的諸部門のうち適時的に資本生産性. について資本生産性(国内生産額÷資本ストッ. 第3,逝に最も低い部門は運輸・通信で,電. 第1,マクロでみると100フォリントの資本. ストックが47ないし48フォリソトの生産物を生. 配分と増加傾向についてみてきたが,こうした. 資 7 表. 資本ストックがどれはど効率的に利用されたか み出す.. ;三言…】:二;岩…≡1:二…芸≡≡. 業 鉱 電 力 冶 金 菜 機 建 材 ′蟄 化 軽 工 業 食 品 工 業 建 操 業 林 業 運 輸・通 信 国 内 商 業 対外貿易商業 水資源管理 対家計サービス 保健サービス 公共サービス 総 計. 1978 1977 1976 1975 1974 1973 1972. 化学 一機機工業 ……・ −−−一 度業 機紙工業 叫化 学 ・・・農 業. 197111972 11973 【1974 197519761197711978.

(10) エ. コ. ノ. ミ. ア. 第43啓第1号. 表8 資本生産性変化率の推移 (%). 平均成長率. 1973 1974. 71−74175−78171−78.  ̄喜:≡…【喜:書芸二喜二喜;. 工資. 械設. 1 2 3.4 5 6 7 00 9 0 1 2 3 4. 鉱 業 電 力 冶 −0.63 −0.83 金 巣 −0.98 0.77 機 建 −1.01 一之96 材 」).32 0.06 化 軽 工 業 【2.23 1.61 食 品 工 業 【乱63 −2.95 建 設 一説13 −3.07 農 業 −0.34 」).72 林 業 −4.44 運 輸・通 信 1.49 国 内 商 業 【0.65 対外貿易商莱 3.37 水資源管理 0.11 対家計サービス 1.25 保健サービス 0.13 公共サービス 0.59 総 計【0.981.021,97−0.451−2.3311.57】−0.76. 5 6. 九 鉱業,建設資材,農業がこの順序でそれに 7. 次いでいる. QU. 第4,物的サービス部門である貿易商業部門 が全部門中最大の資本生産性を示している. 第5,非物的サービス部門は,先進資本主義. 代前半は生産性を最も上げていたにもかかわら ず,75年には大幅に低下させ,70年代後半は低 下傾向にある.. 第3,逆に通時的に資本生産性を低下させた. 国で通常みられるように,総じて資本生産性が. 部門は全18部門中12部門と多く,特に林業,建 設,建設資材,食品工業,鉱菜や貿易商業部門. 低く,その中でも対家計サービスは特に低い.. の低下が顕著である.. 表8からは次のことがわかる. 第1,マクロ資本生産性は70年代全体につい てみるとほとんど変化しなかったといえるが,. 75年以降は明らかに低下トレンドを示してい. ハンガリーは70年代において,資本ストック を海外から調達することに熱心であったが,そ の成果は乏しく,対外債務の累積という結果を 迎えることになったのである.70年代の外的シ. る.特に76年のリセッシぎン時点の低下は. ョックに対する政策当局と企業との対応の感応. −2.33%と著しい.. 度の鈍さは,それにとどまらず,80年代末の体. 第2,部門別にみると,適時的に資本生産性 を高めたのほ運輸・通信,対家計サービス,機. 側転換=革命へ向かう「基礎」を固めたといっ てもよいかもしれない.. 械工業,水資源管理,保健サービス,化学部門 l. であるが,伸び率は水資源管理を除いて70年代 l. 後半に鈍化している.機械工業は伸び率鈍化と. 第3節 有効成長経路の試算. 通常の産業連関表と資本マトリックスが与え られれば,有効成長経路(ターンパイク)のシ ミュレーション分析を行うことができる.こ. た,70年代の成長産業である化学部門は,70年. こでは,ハンガリー経済の消費ターンパイク. l. いうよりむしろ70年代後半,特に77,78年には 低下させていることに注目すべきであろう.ま l l l l l l.

(11) ハンガリー経漕の再生産構造(3). (1992.6). (consumption turnpike)を以下のモデルによ. 示したのが図4である.衰9と図4から,次の. って求めてみよう3).その基本方程式は以下の. ことがいえる.. ように讃iナる.. 第1,機械工業部門と建設部門の均衡産出構. ズ =Adg+g月席ズ+βQ,. 成比が現実構成比に比べて若しく高い,すなわ. ll’.l■=‖∵.. ち現実の生産構成が磯城工業と建設とに偏奇し. ここに. ている.この事実ほ,g=2.9%とした場合でも. g:=国内生産ベクトル;. 変化Lない.化学への麻布ほ予想されたほど大. Ad:=国産品投入係数マトリックス;. きくはない.. βd:=国産品資本係数マトリックス; ¢:=「消費」構成ベクトル(「消費」=国産 品消費+輸出);. β:=「消費」総額;. g:=均衡成長率(=就業可能人口増加率+ 平均賃金増加率+就業可能人口増加 率×平均賃金増加率); Ⅳ:=賃金係数ベクトル; Ⅳ0:=初期賃金総取 消費ターンパイク経路ほ,方程式系(1),(2) の正数解(g*,β*)をもとに. 第2,非物的サービス部門はすべて,均衡構 成比のほうが現実構成比よりも高く,「過小」 生産状態にある.. 第3,農業の均衡構成比は現実構成比よりも 若干大きい.. 第4,軽工業,特に食品工業は若干「過小」 生産であり,この慣向は均衡成長率が低くなる ほど強くなる.. 蓑10は,1976年を基準時点とする産出一消費 ターンパイクである.7.5%は実際の1976年マ クロ鋳金成長率である.帝離艦を計算した結果. ズ*(わ=(1+g)£g*;. のうち,g=7.5タ拓のケースについてレーダチャ. β*(才)=(1+g)占β*. ート表示したのが国5である.表10と図5か. によって与えられる.g*は均衡産出構成比で. ら,次のことがわかる.. ある.ただし,方程式(1),(2)には輸入変数が 含まれないため,輸入財が国内生産に対応して. 第1,想定均衡成長率が,1971年,1978年と 比べて高いため,1976年のこの場合だけ特殊な. 需給されていることに注意したい.. 状況が生じている.. 以上の方程式と資本ストック・データとを用 弟2,現実の生産構成が機械工業部門に偏奇 いて,197ユ年,ユ976年,1978年をそれぞれ基準. していることは先と同一であるが,建設部門へ. 時点とする,ハンガリー経済の18部門消費ター. の偏奇ではなく(g=5%の場合を除いて〕,逆. ンパイク・シミュレーションを行なった.均衡. に「過小」生産状態を看取できる.. 成長率gについては,実際のマクロ賃金ファン 第3,g≧7.5%の場合は軽工業と食品工業へ ド成長率に近い値とその他のブロージプルな値 の生産偏奇が確認される. を外生的に与えてみた.. 第4,水管理(水利業)部門の均衡構成比が. 表9は,1971年を基準時点とする産出一消費 ターンパイクである.4.3%は実際の1971年マ. 現実構成比に比べて著くし低く,均衡成長率が. クロ賃金成長率てある.均衡産出構成比が現実. ち,この部門の生産・資本不足がみられる.. の産出構成比からどの程度帝離しているか,を みるためにこの事難度を計算した結果のうち,. g=4・3%のケースについてレーダチャート衰 3)ターンパイク理論とその実際については, TsukuiandMurakami(1979)および久保庭(1990, 第Ⅳ草)参照.. 高くなるほどその度合いが激しくなる.すなわ. 第5,農業部門の現実構成は均衡構成に極め て近い.. 第6,先と異なり,非物的サービス部門はす べて,均衡構成比のはうが現実構成比よりも低 く,「過大」生産状態にある. 蓑11は,1978年を基準時点とする産出一消費.

(12) エ. コ. ノ. ミ. ア. 第43誉第1骨. 表9 産出一滴費ターンパイク:1971年. 図4 消費ターンパイク:1971年(g=4.3%) 均衡構成比/現実構成比. 10農兵. って与えられている.蓑11と囲6から,以下の. 1978年のそれとは相似的であるが,均衡成長率 g=2・8%の場合を図示しているた軌建設部門 への極めて著しい生産漏脊が1978年の特徴とし て描写されている.その他,機械工業,建設資. 事実を指摘しうる.. 材,水管理部門への生産偏杏も確認できる.. ターンパイクである.2.8%は実際の1978年マ クロ賃金成長率である.g=2.8%の場合につい ての帝離直のレーダーチャー†表示は図6によ. 第1,全体として1971年の場合のパターンと. 第2,1971年の場合と同様,非物的サービス.

(13) ハンガリー経済の再生産構造(3). (1992.6). 表10 産出一消費ターソパイク:1976年. 図5 消費ターン/くイク:1976年(g=7.5%) 均衡構成比/現実構成比. 10農業. 部門はすべて,均衡構成比のはうが現実構成比. −ションを試みて,結論を一般化することほ危. よりも高く,「過小」生産状態にある. 険であり,特に均衡成長率の高低に注意を払う. 第3,1971年の場合と同様,食品工業と軽工 業は「過小」生産状態にある.. 以上より,第1に,ノ、ソガリー経済の場合 は,ある一時点のデータにもとづいてシミュレ. 必要のあること,第2に,いずれの場合も現実 生産はその脆弱性にもかかわらず機械工業に偏 奇していること,第3に,建設部門と水資源管 理(ダム建設等の水利業)への生産の偏奇も概.

(14) エ コ. ノ. ミ. ア. 第43巻第1号. 表11産出一滴㌍ターンパイクこ197留年. 図6 消費ターン′くイク 1978年(g=2.8%) 均衡構成/現実構成比 1鉱業. 10農業. して著しいこと,第4に,非物的サービス部門 (対家計サービス,保健サービス,公共サービ ス)ほ計算結果からみる限りは概して「過小」. 第4節 残された問題一括びにかえて. 生産気味であること,第5に,軽工業,食品工. 以上 われわれほ,70年代のハンガリー経済 の再生産構造を非公表の資本マトリックス蓑と. 業も概して「過小」生産状態にあること,など. 産業連関表とを利用して考察してきた.本稿を. がわかる.. 締めくくるにあたって,残された重要問掛こつ.

(15) (1992.6). ハンガリー経済の再生産粗造(3). いて一言しておきたい.. まず第1に,伝統的なMPS概念にもとづく データと,SNAタイプの産業連関表関係デー. も果たしたい.. アグナレッジメソト * 本小論執筆にあたって,平成4年度文部省. タとの対応関係等,既存の統計との関係,およ. 特定研究経費(「政治,経済体制の変貌と世界. び宮沢健一教授が重視する,物的部門と非物的. 経済の総合分析」)の支援を一部受けた.. サービス部門の実際的関係について本稿以上に(久保庭真影 一橋大学経済研究所教授) (長谷部勇一 横浜国立大学経済学部助教授). 立ち入った検討が必要である.. 第2に,本稿第1節で指摘した,administra− 参考文献 tive principleにしたがって作成された1971− 〔1〕KHS(19即),Gゆ言古αJ5加点肋≠γオcβ5ダガ髄れ− 79年接続産業連関表・資本マトリックスを, ga7T:197l亡1979(unpublished computer print− activity baseにもとづく商品×商品表に変換 Out),BLldapest. する課題が残されている.最近,公表された 〔2〕EHS(1990),Ag‘7Zαf孟 ゐβ♪cざβJαわ鬼 才乃βγJ曙g. 1986年産業連関表〔KHS(1990)コにほ,これま 19B6.Budapest. 〔3〕久保庭・長谷部(1989)「ハンガリー経消の再 でと異なり,商品×商品真の作成の他,数多く 生産構造(1),(2)」『エコノミア』40(1),(2). の改良がみられる.現在,われわれは,この新 〔4〕久保庭表彰(1990)『現代社会主義経済分析の しい産業連関表のデータ構造の検討とその利用 という課題を実行しつつ,上記の課題を取り扱 う作業を進めている.. 第3に,われわれはこれまで生産体系の双対. 基礎』岩波書店.. 〔5〕掘林 巧(1990)『ハンガリーにおける改革の. 軌跡』金沢大学経済学部. 〔6〕Popper S.W.(1991),Science and TbchnoL 体系,すなわち価格体系の分析に禁欲的であっ わgリブ〃瓜z5fgγ氾助γ噌g(げ≠gγ伽ダわDd,Rand たが,それは価格分析はハンガリーの研究者に Corporation. よって既に行われているというだけでほなく, 〔7〕Tsukuけand MurakamiY.(1979),T如Ⅶ・ そのような価格分析結果をも判断するための基 ♪∼点β(妙肋ぬ物用り旬融イ叫如‖如肋.Amster−. 本的指針を与えることに注意を集中したからで dam. ある.しかし,われわれが上の2番目の問題を 〔8〕告田春彦(1984)「東欧語国の経済成長と技術 処理しつつ,価格分析を独白に実行する重要性 進歩−ハソガリーの場合(1)」『青山経済論集』 に気づかなかったわけではない.近くこの課題. 35(4)..

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