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「日本留学試験」の狙いと問題点 : 「日本留学試験」の「最終報告書」を読む

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(1)「日本留学試験」の 一. 狙いと問題点. 「日本留学試験」の「最終報告書」を 読む 門倉. 正美. [ キ -- ヮ -- ド ]. 「日本留学試験」、 アカデミック・ジャパニーズ、. 日本語能力試験、 情報公開、. フィードバック. I. 2. 「日本留学試験」の. 重要性. つの報告書 世紀の変わり 目に際して、 大学教育は少子化対応と 国立大学の独立行政法人. 化を中心的な 課題として変革を 迫られている。 とりわけ大学における 日本語教 育の世界は、 大学全体とは 別の面からも 大きな変動期を 迎えようとしている。 2000 年には、 そうした変動の 指針を打ち出す 報告書があ りついで公刊 t れた。 1. っは 、. F. 日本語教育のための 教員養成について』. 調査研究協力者会議、 2000 年 3 月 30 日刊 ) であ り、 めの新たな試験」シラバス. (案 n. ( 日本語教員の. もう 1. 養成に関する. つは、 Ⅱ日本留学のた. (2000年 5 月 ) と、 7 日本留学のための 新たな. 試験について 一波日双人学許可の 実現に向けて. 一』. (2000年 8 月 ) とであ る. 者 とも、 「目木留学のための 新たな試験」調査協力者会議による. (両. )。. これらの報告書のうち 前者は、 日本語教員養成課程のカリキュラムと. 日本語. 教育能力検定試験の 内容のあ り方について、 「コミュニケーション」を 中心概念 として大幅な 見直しを打ち 出している。 また、 後者は、 従来の「日本語能力試 験 」と「私費覚国人留学生統一試験」を. 一本化する「日本留学試験」を. 提起し. ている。 その「日本語」シラバスは、 従来の日本語能力試験が 一般的な日本語 カと 大学での勉学に 必要な日本語力 め 測定を混在させていたのに 対して、 後者 を. 「アカデミック・ジャパニーズ」と 呼び、 その測定に特化することを. う. たっ. ている。 これら 2 つの報告書は、 前者がこれからの 日本語教授者の 素養の質を 、. 一 93. 一.

(2) そして後者がこれからの 留学生の日本語力 め 質をそれぞれ 大きく規定するもの であ り、 これら両面で 今後の日本語教育のあ り方に大きな 影響をお. よ. ぼすと 思、. われる。 したがって、 その内容について 日本語教育関係者のあ いだで、 実践的。 理論的な分析・ 検討が広範かつ 闘達 になされるべきだろう。 『月刊日本語 ルク 刊 ) は. ・. (ア. J. 2000 年 7 月号で前者の 報告書、 12 月号で後者の 報告書についてそれ. ぞれ特集をくんで、 日本語教育界の 議論を. う. ながしている。. 大学内覚での 関心の格差 しかし、 私の見るところ、 大学での日本語教育関係者の. 関心は、 日本語学校. 等の大学以覚の 日本語教育関係者に 比べて低調なようだ。 たしかに前者につい ては教員養成課程に 携わる人たちの 間でかなり議論されてきているが、 まり「日本留学試験」については は 言えない状況であ. 後者 つ. 必ずしも本質的な 議論が活況を 呈していると. る。 以下、 小論では「日本留学試験」にしぼって. 議論を進. めていくことにしたい。. 従来から、. 大学の日本語教育関係者は「日本語能力試験」についてあ. まり関. 心を示してこなかった。 それに対して、 能力試験にたいする 対策的な教育に 取 り. 組まざるを得ない 日本語学校関係者は 試験の内容に 敏感に対応してきた。. れは、 留学生センタ 一等での大学での 日本語教育が「能力試験」受験者であ. 学部生を対象とするだけではなく、 応しており、 むしろ後者の. こ. る. 予備教育や補講等で 多種多様な留学生に 対. 比重の方が重いケースが. 多かったためかもしれない。. しかし本来、 大学に入学するに 足る日本語力 め 測定に関して、 大学の日本語 教育関係者は 専門家としての 責任を果たすべきだろう。. この点で、 大学の日本. 語 教育関係者は、 これまでの「日本語能力試験」にたいする. 関心の低さを 反省. するべきだと 思われる。 まして、 今回の「日本留学試験」は、. 従来の「日本語能力試験」以上に. 、 大. 学 での日本語教育のあ り方を大きく 左右する要素を 含んでいるのであ り、 我 関 「. せず」というめげにはいかないのが 実状なのであ る。 その理由は大きく 見て. 一 94. 一. 2.

(3) つあ る。 1 つは、 新しい試験が「アカデミック・ジャパニーズ」つまり「目木. の大学での勉学に 対応できる日本語. 力 」をはかる、 と言っている 点であ る。. カデミック・ジャパニーズ」がいったいどのようなものなのかについて、. 「. ア. もっ. とも責任あ る回答をなすべきなのは、 大学での日本語教育の 現場に携わる 者た ちであ り、 一部の試験問題作成者たちによって. 一方的に規定されてしまって. い. いものではないだろう。 第 2 には、 「日本留学試験」によってこれまでよりもは るかに日本語能力の 低い留学生が 入学してくる 可能性がでてくる 点であ る。 日 「. 本 留学試験」の「日本語」以覚の 問題は英語でも 出題されることになっており、 極端な話、 日本語が全然できなくても 教科にかんする 知識・能力が 十分なら「 渡 目前入学許可」が 出せるようにしようというのが、 あ. る。 そうした学生たちの「日本語力 め 不足を補. う. 新試験の狙いの 一つなので 」「日本語補習」のためには、. 「留学生センタ 一等の学内の 組織の有効活用、 学覚の日本語教育施設との. 等が必要だ、 と上記の「最終報告書」. ( 以下、. 連携」. 「報告書」と 略記 ) に明記されて. いるのであ る。, 。. 留学生センターはさまざまなレベルの「学部入学双予備教育 生 」の「日本語 補習」にあ たるだけでなく、 場合によっては、 上で言. う. 設との連携」を 運営していく 責任主体となることもあ. るだろう。 いずれにして. も、. 「学覚の日本語教育施. 「日本留学試験」実施後に 留学生センタ 一の役割が新たに 付け加わっていく. ことは確かであ る。. 「日本留学試験」の 狙 い 「日本留学試験」の 特徴と影響を 正確に把握するためには、 なぜ「新たな 試験」. がこんなにもあ れただしく導入される 必要があ るかを確認しておかれ ば ならな い。. 「日本留学試験」の 最大の狙いは、. 「. 渡 日前人学許可の 実現に向けて」という. 「報告書」の 副題が示唆しているよさに、. 日本留学のいくつかの 障碍を除くとこ. ろにあ る " 。 現在の制度では、 日本留学を志す 外国人は、 私費留学の場合、. 一 95. 一. 「. 日.

(4) 本語能力試験」、 「私費覚国人留学生統一試験」、 試験を受験しなければならない。. 志望大学の固有の 試験と 3 つの. 「日本語能力試験」は 海外で広く実施されて ぃ. るが、 「私費覚国人留学生統一試験」はマレーシアとタイの. 2 か 国でしか実施さ. れていない。 したがって、 日本の大学への 留学を希望する 外国人は「私費覚国 人 留学生統一試験」と 大学の二次試験の. 2. つを受験するために、 少なくとも. 2回. は 来日しなけれ ば ならないことになる。 実際には、 海外からいきなり 日本の大 学への私費留学をめざすケースはほとんどなく、. 受験前に来日し、. 1 年間から 2. 年間、 日本語学校で 日本語や基礎的教科を 学習するケースが 大多数であ る。 そ う. しなければ、 日本の大学にはとうてい 合格できないからであ る。 文部省は、 1980 年代半ばに 2. 1. 世紀初頭までに「留学生受け. 入れ」を. 1. 人とする計画を 進めてきたが、 日本経済の停滞等の 外部要因もあ って、 2 細間近の 2000 年 5 月現在で 64.000人 の結果であ. る ) で、. 当面、. 1. (それでも、. 0 万 1. 世. 前年比 15% 増と近年にない 増加. 0 万人には遠くおよびそ. う. もない。 そこで文部省. は 、 日本留学の障碍を 緩和するために、 試験制度の手直しをはかったのであ. る。,,。. 「日本留学試験」は、 文部省のこうした 方針を受けて、 日本語能力試験と「私 費 外国人留学生統一試験」を 一木化すると. 同時に、 海外での試験実施、. 年に複. 数回実施、 得点の複数年利用、 「日本語」以覚の 科目を英語で 受験できるよさに すること、 高得点者への 奨学金予約、 さらには渡日双入学許可等の 制度的保証 とあ. いまって、 日本留学の敷居を 低くすることをめざしている。. もちろん、 このこと自体は 悪いことではない。 無用な障碍は 取り除かれるべ きだろう。 しかし、 私が危惧するのは、 「留学生数をなんとか 早急に増大させた い」という文部省の 政策的方向 づ げが先行して、 実質的な議論が 十分に尽くさ れないままに、 「日本留学試験」が 早くも 2001 年 11 月には試行試験が 行われ、 2002 年度から制度的に 開始されようとしている 点であ る。 「日本留学試験」には、. 日本語だけでなく「私費覚国人留学生統一試験」を. 合した要素として、 当然、 数学・物理・ 化学・生物という 理系科目と、 目 」の名のもとに. 統. 「総合科. 公民・地理・ 歴史といった 社会科も合まれている。 これらの. 基礎教科の試験問題としての 妥当性・適正 牲は ついては、 従来の「私費覚国人 一 96. 一.

(5) 留学生統一試験」においても. 十分に議論されてきたとは. まして今回の 基礎教科の問題 側に ついての評価は、. 言えないが、. 寡聞にして、. それにも. ほとんど耳に. はいってこない㈲。 そして、 この点は「日本語」の 問題 側に ついても同断であ る。 小論の後半では、 「日本語」の 部分にしぼって「シラバス」と「問題. 見ていくことにするが、. 例. 」. を. 入る前に、. まずは全体的な 問題点. 「報告書」巻末に 記されている 協議経過をみてみよう。. 「日本留学のための 新. 具体的な問題分析に. をいく っか 指摘しておきたい。. 「目木留学試験」の. Ⅱ. 全般的な問題点. 1. 事態の進展が 早すぎる たな試験」調査協力者会議が 発足したのは 1998 年 6 月であ り、 その後 1 年間に 10 回の協議を行って・「中間報告」を 1999 年 9 月に提出している。 その「中間報告」 なう. げて専門小委員会が 形成され、 「日本語」部門は 99 年 9 月からほぼ毎月 1 回の. わりで 10 回開かれ、 2000 年 5 月の丁シラバス (案 J. は ついては各留学生センタ. (案 M. が刊行された。. p. シラバス. 一等に配布・ 回覧され、 スタッフのコメント. が 求められた。 コメントへの 対応は 6 月に専門小委員会、 協力者会議の 双方で 1 回 ずっ検討されたようだ。 そして、 その検討をふまえて 2000 年 8 月に「最終報告 書」がまとめられた。 この経過をみると、 「シラバス」や「問題 例 」の作成には 10 ケ 月間しかあ てて おらず、 コメントへの 対応も 1 回の委員会ですませてしまっている。 語 専門小委員会でどのようなことが. 話し合われたかは「報告書」には. 1Q 回の日本 記されて. いないが、 10 ケ月 たらずでこれまでの 日本語能力試験の 長所・短所を 総括し㈲ 、 これからの大学での 勉学に必要な 日本語 力. ( 「アカデミック・ジャパニーズ」 ). と. は 何なのかといった 大問題が十分に 議論されたとは、 残俳ながら、 とても思え ないのであ る。. 2. フィードバツ. ク が不十分であ る. スケジュールが 急ピッチなためか、 この「新たな 試験」の策定過程に あ たって. 一 97. 一.

(6) は、. 情報や議論が 一部の少数の 関係者の間で 閉塞しており、 これまでのところ. フィードバックはきわめて 乏しかった、 と言わざるを 得ない。 留学生センタ 一のスタッフにとっての. ラバス. ( 案 Ⅱへのコメントを. ブ イードバックのチヤン ス は唯一丁 シ. 求められただけであ る。 聞くところによると、 新. しい試験の内容が、 機関にとって 死活問題になりかれない 日本語学校関係者は シラバス. 丁. ( 案 Ⅱが発表されてから、. 問題作成主体にたいして 精力的な働きか. けを行ったらしい。 それによって 後述の「アイテムライター」についての も 効果的に得ることができたようだ。. 情報. しかし、 働きかけの有無によってフィー. ドバックの機会が 増減するというのは 不公平のように 思える。 3. 。 情報公開がきわめて 遅れている 「日本留学試験」にかんしてこれまでに 公開された情報は、 1999 年 9 月の「. 間 報告」と、 2000 年 5 月の「シラバス. (案 ) 」、 8 月の「最終報告」の 3 点であ. このうち 当 留学生センタ 一に配布・回覧されたのは、 あ る。. F. シラバス. る。. ( 案 Ⅱのみで. 「日本留学試験」の 全貌を知る上でももっとも 大切な「最終報告書」は. 留学生センタ 一には配布されなかった。. 中. 当. もちろん「目木留学試験」に 関係して. いるのは、 大学内においても 留学生センタ 一のみではなく、 むしろ学部の 入試 関係者の方が 重視され、 そちらに配布されたのかもしれない。 に述べたよ. う. しかし、 はじめ. に、 「最終報告書」は 大学における 今後の日本語教育のあ り方に. とってきわめて 重要な文書であ り、 この文書が留学生センタ 一に配布されなかっ たことは、 大学の日本語教育関係者が. 軽視されていることを 表しているよさに. ぽ、 えてならなけ 6)。. 「シラバス. ( 案 ) 」や「最終報告書」は. 日本国際教育協会のサイトからダウン. ロードできるようにしてあ るのだから、 最高の情報公開だろう、 あ るかもしれないので、. 細かい点だが、 ここでウェブサイトでの 情報公開がき. わめて不充分だったことを 明記しておきたい。 「最終報告書」は. たにもかかわらず、. という反論が. 8 月に刊行され. 「日本留学試験」の 実施責任主体であ る日本国際教育協会の. サイトでは、 11 月下旬になっても、. あ いかわらず 5 月刊のドンラバス. 一 98. 一. (案 Ⅱ を.

(7) 掲載しつづ け 、 肝心の「最終報告書」はサイトでは 末 公開のままだったのであ. る㈹。 情報公開へのこうした 無頓着さは、 日本語の試験問題作成のための 協力者で あ. る「アイテムライター」募集の. 情報が一部関係者にしか 知らされていなかっ. たと思われる 点にもあ らわれている 冊 「アイテムライタⅡとは、 試験問題の. ストックを作成する 人たちをさしているが、 募集の事実だけでなく、 どのよ な人が何人くらい「アイテムライター」となり、 すめ か ?. 何聞 くらいのストックをめざ. そもそも「試行試験」はいつどこでどのように. 受験者をどのように 集めるのか. ?. う. 行われるのか ?. 等々の、 制度的実施にわけての 具体的な スケ. ジュールと方法にかかわる 基本的な情報が、 これほど重要な 試験であ るにもか かわらず、 いっさい開示されていないのが 現状であ る。. 4.. もっと多くの 人たちが関わるべきではないか. ?. フィードバックの 少なさ、 情報公開の乏しさとも 関連しているが、 肝心の試 験 問題作成システムがごく 少数の人たちによって 運営されていることに 疑問を もたざるをえない。 「報告書」によれば、 る。. 日本語専門小委員会構成員は. 7. 名であ. その多くは日本語教育界の 重要人物であ り、 この委員会以外の 職務でも多. 忙をきわめている 人たちであ る。 これらの構成員によって、 「日本語能力試験」 にかわる「新たな 試験」を 、 「アカデミック・ジャパニーズ」という 新しい中心. 概念のもとに 開発し た. ぅ. るものだろうか。 しかも時間は、 この小委員会が 発足し. 1999 年 9 月から数えても、 試行試験実施の 2001 年 m1 月まで 2 年強しかなかった. のであ る。 もっと衆知を 集めるべきだったのではないか。 「新たな試験」の 問題ストックを 作成する「アイテムライター」がそうした. 「出知」の例だと 言うかもしれない。 たしかにそうした 人々は大いに 必要だが、 もっと公開的に、 かつ適正な人材には 依頼する形で 募らなけれ ば ならなかった にもかかわらず 募集の手続きはきわめて 不透明だった。 それに、 「アイテムライタⅡの 作った問題の 妥当性・適正性を 評価するため には、 専門家の英知と 経験が必要であ るのみでなく、 制度的な試行試験以双に 、. 一 99. 一.

(8) 適当な日本語学習者による 大量の予行テストが 必要だろう。 それらの専門家集 団や予備的テストの 実施体制はどのように 確保される予定なのだろうか。. TOEFL. 小委員会は 、 新しい「日本語」試験を としているようだが、 TOEFL. の体制に学んで 作成しょう. には多数の英知が 問題項目作成・ 編集・予行 テ. スト実施・評価・ 分析・校正・ 倫理的観点からのチェック 等さまざまな 段階の フィードバックに 関わっている。 これらの膨大な 作業を、 それでなくとも 多忙 な 7 人の小委員会委員でどの. 5.. 1. 程度まで行. う. つもりなのだろうか。㊤。. 度の試行試験で 得点の「等化」ができるのか. 9. 「日本留学試験」の「日本語」試験は「シンバル・スケールで. 測定する」と 明. 記 t れている。 「シンバル・スケールで 測定する」とは、 どの試験を受けてもそ の時の日本語 り. 力 が一定の尺度で. 測定できるようにするということであ. る。 つま. 2002 年 6 月の日本語テストの 150 点は、 2002 年 m1月の 150 点と同程度の 日本語. を 表すよ. う. カ. にしなければならない、 ということであ る。 そうでなけれ ば 、 年夜. 数回 実施や得点の 複数年使用による 不公平感を受験生にもたせてしま. したがって、 受験者の日本語の 点数は素点ではなく、 試験が要求する 日本語 力を m00% 満たした受験者を「 400 点」 したときの「点数」 な行. う. (新試験の日本語は. 400 点満点であ. となる。 こうした操作を「等化」と 呼んでいるが、. ためには膨大な 量の「アイテム」の「予行テスト」の. る) 「. 等 化」. 積み重ねが必要と. されている。 しかし「目木留学試験」の「日本語」問題にとってはすでにそ した膨大な「予行テスト」を 行 も 200l 年 ml 月にたった 1. う. と. 時間的余裕はないようにみえる。. う. 「試行試験」. 回行われるだげなのであ る。. 小委員会は、 2002 年度の 2 回の試験にたいして、 どのようにして「等化」の 精 度を保証し. m. ぅ. るのだろうか. ?. 「日本語」のシラバスと. これまでは、 全般的な、. 問題例の問題点. あ るいは制度的な. 問題点をみてきたが、 次に、. 「日本. 語」のシラバスと 問題例を吟味した 上での問題点を 見ていくことにしょう。. 一 100. 一.

(9) 1. 日本語能力試験の 総括が不明瞭であ. る. 「報告書」は、 現行の日本語能力試験では「一般的な. 日本語力 め 測定」という. 面 と「目木の大学での 勉学に必要な 日本語力 め 測定が混在して 行われている」. (p. 4) ため、 大学入学試験として 不適当であ ると批判し、 新しい試験では、 もっぱら後者の 日本語 力は れを「アカデミック・ジャパニーズ」と. 呼ぶ ). を. 測定する、 としている。 では、 日本語能力試験のどの 部分が単に「一般的な 日本語 力 」の測定であ り、. どの部分が「アカデミック・ジャパニーズ」の. 測定に通じるのか。 こうした点. を明示することが、 これまでの日本語能力試験の 膨大な蓄積を、 それに対する 批判的な見解や 分析も合めて、 有効に生かすためには 必要な手続きだが、. そう. した総括は「シラバス」からは 読みとれない。 「シラバス」が 踏み込んだ議論をしていない 以上、 問題 例 をこれまでの 能力試 験の問題と比べてみるしかないのだが、. 率直な印象としては、 聴牌の問題はあ. まり大差ないように 思える。 問題 例 をみると、 漢字の読みや 文法的・語彙的知. で. 識を間うだけの 問題や、 国語の問題に 類似する長文読解の 問題がどうやら 消え るよ. ぅ. その点はかなり 能力試験とは 違. う. あ. り方を探っていると 言えそうだ。. しかし、 それならそうと、 その点をもっと 明示的にシラバス 他の広報手段. ). (あ. るいは、 その. で提示すべきだろう。. 2. 「アカデミック・ジャパニーズ」とは 何かについても、 不明瞭であ 「新たな試験」の「日本語」領域の 目玉とも い えるのが、. 「. る. ァヵ デミック・ジャ. パニーズ」という 概念であ る。 大学入学のためには「アカデミック・ジャパニー ズ」が必要だ、 と言われれば、 誰もがそれぞれに「大学で 必要な日本語 力. 」. を. 思い浮かべて、 「その通り」と 納得してしまう。 しかし、 これまで日本語教育界 で、 どのような日本語能力が「アカ. 真剣に議論されてきたとは、. ヂ ミック・ジャパニーズ」なのかについて. とても言えないだろう。. そうした議論の 裏 付けもないままに、 「アカデミック・ジャパニーズ」という 言葉が新試験のキーワードとして. 一人歩きしてしまっている、. 一. 10. Ⅰ. 一. という感をい だ.

(10) くのは筆者だけだろうか。 たしかに魅力的な 響きをもつ 語だ げに中身がはっき りと規定されて. い なけれ ば ならないのだが、. 「日本留学試験」についての「最終. 報告書」の「シラバス」を 熟読しても、 「アカデミック・ジャパニーズ」の 輪郭 は 定かではない。 「シラバス」中で「アカデミック。 ジャパニーズ」に 関連する 表現を組み立ててみると、 以下のようになる。 「アカデミック ,ジャパニーズ」とは、「日本の大学に 入学後に直面する 現実 的な諸課題」を 解決するために 必要な日本語. 力 であ. る 上で必要な日本語によるコミュニケーション. り、 「日本で留学生活をおく. 能力」と「日本の 大学で学習・ 研. 究活動を行うための 日本語能力」の 二面があ る。 あ. とは、 この「生活スキル」と「学習スキル」を 図示した概念図 (p. 12) と、. 「課題類型」や「言語下位技能」できわめて 抽象的・一般的に 規定されている 事 柄 と問題 側 だけが手がかりというわげであ. る。. このように中心的なコンセプトも 十分に説明されていないままに、. ライタⅡは何を 基準として問題を 作成していくのだろうか。 テムライター」. 向. 「アイテム. 内部では「アイ. げの研修会が 行われているようだが、 公開されている 資料か. 「アカデミック・ジャパニーズ」を 推し量るのは 容易ではない。. ら. 「シラバス」の. 提示が誰よりも 受験者のためであ るということを 想起するなら、. 「アカデミック・ジャパニーズ」はもっと 明確に提示されなけれ ば ならないだ. る. ケワ. 3.. 「生活スキル」は. 重視されすぎていないか. ?. 「シラバス」における 概念図を見ると、 「日本留学試験」において「生活スキ ル 」と「学習スキル」は 同じ重みをもっている。 問題 側 でいえば、. I. などが「生活スキル」を 問. 「日常生活・. う. ている問題とみることができよ. 学生活に必要なスキル」ということなので、 能力は必要だと 思、ぅが、 した カジュアル. I. あ. 元. 、 D 、 V 、 Ⅷ. る程度くだげた 会話を聞き取る. や V はちょっと度がすぎてはいないだろうか。. な 間柄におけるコミュニケーションを. 一. こ. う. 聞き取ることに、 日本留. 学へむけての 日本語力 め 育成努力がさかれすぎることには. 一 102. 留. 疑問を覚えざるをえ.

(11) な円 10,。 1. について言え ぼ 、 問題 文 が長いわりには 推理の核心はごく 一部の表現を 聞. き 取ることに集約されすぎているよさに. 思える。 最後の「やっぱり 続けるか。 高. 校ん 時の先輩もいることだ し ‥」が解答の 鍵となるところだが、 「続けるか」 の 「. か 」、 「高校 ん 時」の「 ん 」の正確な聞き 取りを要求しているところに. 問題点を. 感じるのであ る。 Ⅱや V は問題 文 が長すぎるのではないだろうか。 は う. 1. そもそも日本語の 試験時間. 2 0 分であ り、 そのうち「記述」式の 問題に 2 0 分がさかれる 予定だとい. (小委員会委員の. 説明による ) 。 残りの. 1. 0 0 分の時間を有効に 生かすために. は 、 「聴牌」問題についてもⅠ 問 1 分程度で力がはかれるような 問題を工夫する 必. 要があ る。 Ⅱや V は問題の会話だけでゆうに. 1 分を越えてしまう。. 問題Ⅷは 、 張り紙の中から 必要情報を読みとる 問題であ り、 新しい傾向の 間. 題 として評価できるが、. 「. 5 O 円 UP. 」や「原村」という 表現の意味を 読みとれ. というのは、 海外の受験者にとってはちょっと. 過酷な要求だろう。 また、 そう. した語彙が分からなくても、 勘をはたらかせれば 正解にたどりっき 点も問題かもしれない. ( そうした推理ができれ. ぅ. るという. ば 十分だ、 という見方もあ. り. ぅ. るが ) 。. 4. 「学習スキル」の 例題は適切か ? 問題例の m 、 Ⅳ、 W 、 Ⅶ、 Ⅸ、 X が「学習スキル」を 問. う. 問題なのだろうが、. 正直なところ、 これが「アカデミック・ジャパニーズ」なのか、. と拍子抜けし. てしまう。 特に 、 Ⅵは張り紙の 中の「試験」という 言葉を問題文の 中の「テスト」の 同. 義 語と読みとれば、. あ. とは時間割菱 の スタイルが分かっていれば 簡単に正解で. きる問題であ り、 この程度の「学習スキル」でいいのか、. と思ってしまう。 Ⅵ. や W は、 「学習スキル」の 中の「事務手続き・ 履修手続き処理能力」を 見る問題 なのだろうが、 こうした領域が「学習スキル」の. 一部とされていること 自体に. 疑問を感じる。 こうした能力一般はどこの 国の学校制度の 中でも養われている. 一. Ⅰ. 03. 一.

(12) ものであ り、 その日木型に 慣れるべきだとしても、. り、 入学双の試験でことさら 問われるべき 能力ではな. 錯誤すればいいことであ. いだ る. 日本の大学に 入学後に試行. ナつ. Ⅲは講義の聞き 取りであ り、 よい問題だと. 思、. うが、 解答選択肢の「近代日本. 史 」と「近代日米経済史」はひっかげ 問題的に紛らわしすぎる 25 いでに逆の例を 言え ぼ、 W の解答選択肢に. 1. に 思、ぅ 。 つ. 2 一 4 の「 8 冊」がなければ、 ひっ. かかる解答者は 少ないだろう。 Ⅸもインターネットの 検索結果を問うという 問題の土台は 必要な領域だし、 目 新しくておもしろいが、 形としては単に 文の意味と記号を 合致させるだけの 間 題 になってしまっている。 X は比較的、 日本語能力試験の 出題形式と似ており、 文章の論理的な 流れを 捉えさせる正統的な 問題であ り、評価できる。 「大学での勉学で 必要な日本語. 力」. の 重要な要素の 一 っとして、 長文を速読して 要点を把握する 力があ ることは 共. 通の了解といっていいだろう。. どのような問題形式によって、. そうした能力を. 測定できるかが 難しいところだが、 問題 X は一つの方式だと 思. 場合も、 5. あ まり紛らわしい. う. 。 ただ、 この. 選択肢はもうげるべきではない。. 。 問題全体の構成が 見えない 先に. 1. つめ 問題の長さについて 言及したが、 新しい試験における「日本語」 問. 題の全体的な 構成が「報告書」からは 十分に読みとれない。 試験問題の区分は「聴牌」「 聴 読解」「読解」「記述」となっており、 門 小委員会委員の. 説明によると、 試験時間. 分 賛 することになっているらしい。 そ. う. 1 2 0. から、 「読解」には. 7 0. 分のうち「記述」を 分けて 20. すると、 残りの時間は. 常識的に考えて、 「聴牌・購読解」にも 別立てで. 日本語 専. 2 0. 分から. 1 0 0. 3 0. 分であ る。. 分は必要だろう. 分程度の時間しかなさそうだ。. 今回の問題 側 では、従来の日本語能力試験とは 違った形の間頭がほとんどだっ. たが、 実際の試験問題でもそうなるのだろうか。. それとも、 問題 何 としてはあ. えて新傾向のもののみをあ げたのであ って、 実際の試験では 文法・語彙・. 一 104. 一. 漢字・.

(13) 国語的読解を 問. う. 従来の能力試験型の 問題もあ. る程度加えられるのだろうか。. そもそも全体は 何 間 で、 それぞれのセクションの 配点はどうなるのだろうか。 「記述」部門の 採点の客観性はどのようにして 保証されるのだろうか。. 「記述」問. 題については、 今回は十分に 分析できなかったが、 採点の基準はどの 程度明確 にできるのだろうか。 「記述」問題をとりいれることは 意欲的な試みだし 大学 での勉学においてまさに 必要な能力だが、 測定の仕方が 難しく、 試行テストが 数多く必要な 領域ではないだろうか。 また、 「シラバス」によると、. 「話す」. 技. 能や 「翻訳する」技能も「部分的ないし 間接的に測定」されることになってい. る。 これらの技能も「アカデミック・ジャパニーズ」においては. 大切な能力だ. が 、 どのようにして 測定する っ もりなのか。 また、 「翻訳する」技能とはどのよ う. な技能をさしているのだろう。 大学での英語のクラスのように、. 語 に翻訳する」ことをさしているのか、 する」ことをさしているのか、. 「英文を日本. それとも「日本語を 各自の母語に 翻訳. 問題 何 にもそれらしきものはなく、 意図がよく. 伝わってこない。 こうした重大な 部分が不透明なままで「最終」報告書と. 言われても、 納得す. るめ げにはいかないだろう。 こうした点について 方針が固まり 次第、 適切な手 段 によってすみやかに 情報公開していただけるようお 願いしたい。. W. 留学生たちの 問題 例 評価 2000 年 10 月はじめの日本語クラスで 横浜国立大学の 学部留学生 3. 1. 名. ( その. 内 1 年生は 1 8 名 ) に、 新試験の概要と、 特に「アカデミック・ジャパニーズ」. という趣旨について 説明したあ と、 問題 倒る 1 番から 10 番まで解いてもらい、 そ の 「留学試験」としての 難易度と問題の 質. (つまり「アカデミック・ジャパニー. ズ」としての 適正性 ) について評価してもらった。 通常のクラスの 前半を使っ てきわめて大ざっ ぽ に留学生たちの 感触を問 うた データにすぎないが、 あ る 種 度. までは、. よ. う. そこから読みとれるものもあ. りそうなので、 簡単な一覧表にしてみ. 。. 一 105. 一.

(14) 数字. 1 ∼. 5 は難易度を表しており・. が「易しすぎる」、. 1. 3 が「適当であ る」、. 5 が「難しすぎる」であ る。 A ∼ E は、 問題としての 適切さにたいする 5 段階 の 評価を表しており、 A が「とても良い」、 C が「普通」、 E が「とても悪い」で あ. る。 数字、 英字の次の. (. ). 内の数字はそれぞれの 人数を表す。 問題によっ. ては、 解答していない 留学生もいるので、 各問題を評価した 全体の人数は 必ず しも. 31 名とはなっていない。. 問題 1. 問題 2. 問題 3. 問題 4. 問題 5. 問題 6. 問題 7. 問題 8. 問題 9. 問題 10. Ⅰ. (8). 2 (10). 4 (3). 5 (0). C@ (16). D@ (4). E. (0). A@ (5). B. 1 (1). 2 (10). 3 (14). 4 (2). 5 (2). A@ (2). B@ (11). C@ (11). D. (2). E@ (3). 1 (0). 2 (1). 3 (12). 4 (11). A@ (5). B. (9). C@ (10). D. 3 (8). 4 (5). 5. (Ⅰ ). (5). E. (4). Ⅰ. (5). (6). 3 (10). 2 (12). (3). 5 (4) E@ (3). A@ (4). B. (9). C@ (11). D. 1 (5). 2 (6). 3@ (14). 4 (3). A@ (6). B. (9). C@ (13). D. 1 (16). 2 (7). 3 (2). 4 (2). 5 (0). A@ (4). B. C@ (10). D@ (5). E. 1 (11). 2 (6). 3 (4). 4 (7). 5 (0). A@ (6). B. (1). C (7). D. 1 (5). 2 (7). 3 (14). 4 (5). 5 (0). C (8). D@ (3). E. 3 (9). 4 (1). 5 (0). (3). A. (11). B. (7). 1. (7). 2 (10). (2). (8). 5 (2) E. E. (2) (5) (7) (2) (0). A@ (5). B. (3). C@ (16). D@ (4). E. 1 (0). 2@ (3). 3@ (13). 4 (3). 5 (4). A@ (7). B@ (11). C. (0). E@ (0). 一 106. (5). 一. D.

(15) ざっと見て目につくことは、. 難易度について 留学生たちが 多くの問題につい. て「易しい」と 評価している 点であ る。 もちろん、 いくら留学生たちに「入学 試験としての 難易度」を聞いても、 現在の 力 からしか判断できないという 点は あ る。 しかし、 それにしても. I. 、 W 、 W 、 Ⅶ 、 Ⅸにおける 1,. 2 の多さは一考. にあ たいするのではないか。 同様に 、 W とⅦの幕間としての 評価 (D,. E) の. 多さも考慮すべき 点だろう。 問題Ⅱは難易度を 適正 も 比較的高い。. ( 3 「. 」. ). とする留学生が 多く、 また問題としての 評価. 問題Ⅲは、 講義を聞き取るという 趣旨は高く評価されているよ. うだが、 たぶん引っかげ 的な選択肢のせいで 難易度にたいする 不満は多かっ た 。 V 、 Ⅷが難易度が 適正とする判断が 多いのが目につく。 問題の質にたいす. る評価も高い。 興味深いのは、 問題 X が難易度の面でも 質の面でも非常に 支持 が 高い点であ る。 これが単に従来の 試験問題と類似傾向であ ることによるのか、 それとも「アカデミック・ジャパニーズ」として. 適格という留学生の 評価を表. しているのか 確認する必要があ るようだ。 本来は、 これから受験する 留学志望者を 対象にして、 この種の調査を 本格的 に 実施するべきだろう。. これまでの受験者にたいするフィードバックでは、. 答の適否のみが 測定されていたにすぎないように. 解. 思われるが、 今回の調査のよ. うに受験者自身に 難易度と問題の 質の評価もさせるという 姿勢も場合によって は 必要なよ. V. う. に思える。. 「日日協」での. 議論. 冒頭の部分で、 留学生センターをはじめとする. 大学での日本語教育関係者が. 「日本留学試験」にたいして 関心が低いようだと 述べたが、 そうした中で、 国立 大学の日本語教育関係者の 協議機関であ る「国立大学日本語教育研究協議会 称. 「. 「. 国 日協」 ). (略. では、 比較的早くから 新試験にたいする 関心を示してきた。. 国 日協」は、 1999 年の協議会で 文部省留学生課課長補佐による 新試験「中間. 報告書」について 説明を ぅげ 、 2000 年の会合では「新試験」について. 一 107. 一. 議論する.

(16) 部会をも. う. げることになった。 昨秋開かれた・その 部会では、 まず日本語専門. 小委員会の委員によって「日本留学試験」の 趣旨と狙いが 問題 側 に則して説明 された。 次に、 それを受けて、 伊東 佑 部民. (東京外国語大学 ). の テスト開発のプロセスと 対置しての「日本留学試験」の. 的な観点からの 指摘があ り、 続いて、 中西泰洋瓦. から TOE. I. C. 問題点 は ついて専門. ( 神戸大学 ). から新試験への. 関心の大学内覚格差と、 留学生センタースタッフが 留学生入試に 積極的に関わ る必要性が指摘された。 それらの報告にたいして. 2 0 数名の参加者から 熱心な. 質疑応答がなされ、 その部会を運営した 筆者は、 留学生センタ 一のスタッフ 一. 般がこの試験にたいして 無関心というよりも、 関心をもつスタッフがその 関心 をぶっげる場がなりことが 問題なのだと 実感させられた。 「. 国. 日協」では、 2001 年の 1 月中にもホームページの 中に会議室を 立ち上げて、. 「目木留学試験」について 会員間での議論を 喚起する予定であ る " 。. W. 「アカデミ ソク 。 ジャパニーズ」についてもっと 議論を 先に「アカデミック・ジャパニーズ」は. !. 耳新しい言葉であ って、 日本語教育. 界 でこれまであ まり議論されてこなかった、. と述べた。 しかし、 大学での日本. 語 教育に携わる 者として、 「アカデミック・ジャパニーズ」つまり「大学での 勉 学で必要とされる 日本語 カ 」がいったい 何なのか、 は重要な問題であ り、 決し て 無関心ではいられない。 もちろん、 「目木留学試験」が 問. できる「アカデミック・ジャパニーズ」であ. う. のは入学双に 測定. るのに対して、 大学の日本語教育. で 行われるのは 入学後に酒養されるべき「アカデミック・ジャパニーズ」であ. るという違いはあ ろう。 しかし、 前者の内容は 後者を土台として 探求されてい くべきであ り、 前者が一人歩きするのは 本来の事態とは 言えないだろう。 実はこれまでもいくつかの 中上級向 け 日本語テキストで「アカデミック・ジャ パニーズ」の 内容についての 問題提起はなされてきている。. 試験や来るべき「日本留学試験」をにらんでの パニーズ」対応を. う. また、 最近は能力. 問題集でも「アカデミック・ジャ. たったものも 出てきている。 こうした蓄積㎝を 生かしなが. 一. Ⅰ. 08. 一.

(17) ら、. はど. 一握りの専門小委員会委員だげに う. あ. 任せずに、 「アカデミック・ジャパニーズ」. るべきかについて 実のあ る議論が展開されていくために、. 小論がなん. らかの貢献ができれば 幸いであ る。. 「報告書」には、. 「「新たな試験」の. 内容、 実施方法、 構成については、. 今後の. 実施状況を踏まえ、 必要に応じて 見直していくものとする」 (p. 8)、 とあ る。 のようにフィードバックされるのかは. ど. 定かではないが、 「アカデミック・ジャパ. ニーズ」についての 議論によって「日本留学試験」の. 質を高めていくのは、 今. からでも決して 遅くはない。. 小論は、 2000 年 10 月 6 日に名古屋大学で 開かれた国立大学日本語教育研究協議 会の「新試験」部会における. 問題提起と議論から 稗 益されるところが 大きかっ. たことを、 ここに謝して 記しておきたい。. (注 ) (1). (2). 丁日本留学のための 新たな試験について 「. J. P. g.. 渡 日前入学許可」ということで 直ちに連想がはたらくのは、 2000 年 10 月. から開始された「日韓共同理工系学部留学生事業」であ. 事業を学部双予備教育機関として. る。 文部省がこの. 経験豊かな東京覚大と 大阪外大に委ねず. に、 受け入れ予定大学の 留学生センタ 一に請け負わせたのには、 新たな試 験実施後の事態に 留学生センターをあ らかじめ適応させておこうというほ 、. れた狙いがあ るよ. う. に思えてならない。 「日本留学試験」実施後は、. 留学生. センターがいろいろな 面での学部双予備教育を 果たしていくことが 要求さ れるよさになっていくと 思われる。 「日韓」コースを 引き受けることは、 各 留学生センタ 一にとって・そうした 役割にかけてのいわ ぼ 「予備訓練」に なるわけであ る。 (3). 甲. 月刊日本語. 山. 2000 年 12 月号の「日本留学試験」特集号でのインタビュ. に、 文部省の留学生課長は、. 「. (今後 ). 10 年くらいに「留学生受入れ. 1. 一. 0 万. 大計画」を達成するための 一つの制度的、 かっ戦略的なものが 日本留学試 一 109. 一.

(18) 験 です」 (P. l0) と明言している。 例外的に、 上記. 7 月刊日本語. コラムで小林哲夫氏が、 大学や高校の 教. 刀. 員から問題例への 評価を聞き出している。 価 という重要なフィードバックがあ に 限ったことではない。. もっとも、 試験問題の分析・ 評. まりにも乏しいのは、. 日本語能力試験もそうだったし、. 「日本留学試験」. 日本での最大の. 影響力をもつ 試験であ る「入試センターテスト」についても、. 予備校の教. 員が新聞等に 手短なコメントを 寄せるくらいの 評価しかしていないのであ る。. 私はかつて、 の 試験問題分析. 共通一次試験の 重大な影響に 危機感をもった 田川建姉氏 等 (西村・田川・. 杉村編. [ 共通 1 次を撃っ. !. 1980 年 n 悌 三文. 明社 ) に触発されて、 現代国語の試験問題を 分析してみたことがあ る。 そ して、 国語の問題には、 ともすれ ば 些末主義、 独善的な鑑賞の 押しつげが 入り込みがちなことを 痛感させられた。 入試センターテストになっても、 大 学教育関係者の 評価・分析が 必要な事情は 変わっていないと 思、う 。 (5). 前の注でも述べたように、. これまで日本語教育界で、 日本語能力試験に. ついて十分に 議論されてきたとはとても. 言えないと 思、ぅ 。 この点で、 2000. 年秋の日本語教育学会のパネルセッション「日本語能力試験の 目指したも の 、 目指すもの」はタイムリー. (遅きに失した、. とも言えるが. 興味深かったが、 量的データに 依拠したものが 大部分. ) な. ( もちろん、. 企画で それら. は基礎的・実証的な 研究として重要なのだが ) で、 問題の質に関する 議論 は 少なかった。 (6). 存外、 大学の事務機構のミスで 配布されなかっただけかもしれないが、 半 面から言え ぼ 、 留学生センタ 一のスタッフがこうした 問題への関心の 強さ. をアピールしてこなかったから. ( どの部分からかに ). 軽視された、 という. ことかもしれない。 「情報公開」は「寝て 待つ」ものではなく、 積極的に働 きかけて獲得していくものなのだろう。. ちなみに私は「中間報告書」は 、 国. 五大学日本語教育研究協議会の 全体会議での、. 留学生課長補佐の「新試験. 制度の概要」についての 説明の場で入手し、 「最終報告書」は 日本国際教育 一. ⅠⅠ. 0 一.

(19) 協会に直接働きかけて 手にいれた。 「日本留学試験」について 議論するためには、 「最終報告書」の 内容が唯 一の基本的な 資料であ る。 にもかかわらず、 こうした情報公開の 怠慢さが 看過されてきた。 私は、 2000 年 10 月 6 日に開かれた 国立大学の日本語教育 関 係 者の会合で「日本留学試験」をテーマとする. 部会を運営し、 そこに参府. した文部省の 担当官に、 ウェブ・サイトに「報告書」がいまだに. 更新され. ていないことを 指摘し、 善処を求めた。 担当官は帰京したらすぐに 更新を 指示すると約束したのだが、. その約束はどこかで 宙にとんでしまったのだ. ろう。 こうしたクレームは 執勒は 行わなくてはならないようだ。 なお、 日本国際教育協会のホームページの. 英語バージョンの 対応の遅さ. も指摘しておかなくてはならない。 2001 年 1 月現在で、 2002 年度から制度的 に 実施される予定の「日本留学試験」について. 英語版では何も 言及されて. いない。 それどころか「私費覚国人留学生統一試験」の. 説明もいまだに「 工. 車中」なのであ る。 (8). この点は上記 胡刊 日本語 ] も強い危惧の 念とともに指摘している。 たいどれほどの 人がこの. ( アイテムライタ. 「いっ. 一の ) 募集の事実を 把握してい. ただろうか」 (P. 8)0 (9). 試験問題の質に 責任をもつ体制の 手薄さについては、 2000 年 10 月に開か れた国立大学日本語教育研究協議会の「新試験」部会における の問題提起に 教示を. ㎝. 3. けた。. あ まり注目されてこなかったよ. に思えるが、 これまでの能力試験の 聴. う. 解 問題で相当くだげた 表現が出題されてきている。 な 会話表現を心がげれば、 を 聞き取る能力が. 伊東 佑郎 氏. 「聴牌 」の性格上、. 自然. それは当然のこととも 言えるし、 そうした会話. 大切なことは 確かであ る。 しかし、 一方で、 初級、 初中. 級いや中上級のテキストにおいても、. 日本語のテキストやクラスが. 話 表現を軽んじてきたことは 否めない。 従来の能力試験においても、. 日常会 「聴牌」. の問題は、 日本語教育の 多くの現場に 日常の会話表現に 目をむげるよ う呼 びかけていたとも 言える。 一. 11. Ⅰ. 一.

(20) その点からすれ ば 、 新試験におけるこれらの 例題は、. あ. らためて留学生. としてのコミュニケーション 能力としてどのような 種類の 力 が必要かを 問 い かけているわけであ. る。 私自身、. 思っている。 とはいうものの、. 日常会話表現の 能力は非常に 大切だと. I とV. の会話はカジュアルすぎるのではな. い だろうか。. 国立大学日本語教育研究協議会. (. 「. 国 日協」 ). は、. り、 関心のあ. 語教育に携わる 人たちの連携機関であ. 国立大学における 日本 る方はホームページに. 入会手続きも 書いてあ るので参照していただきたい。. ホームページの U R. L は、 http : /n-lab.u-gakugei.ac.J.p/knk/ ",,. 産業能率短期大学日本語教育研究室編. 出版部、 1988年、 日本語 山. 丁. 講義を聞く技術. 産業能率短期大学日本語教育研究室編. 産業能率大学出版部、 1990年、. 教材研究会丁日本語. 口頭発表と討論の. 丁. 紋日本語教育の 方法 ]. 技術山東海大学出版会、 1995年、. 凡人社、 1997年、. ・. 岡. まゆみ. 丁. 古山スリーエーネットワーク、 2000年、. ・. 藤原雅意・籾山洋介. ]. 丁. ]. 一. 上 く. ジャパンタイム. 論理的な文章の 書き. 佐々木瑞枝 他 丁日本語パワーッ プ. AJ ジャパンタイムズ、 2000年等を念頭においている。. 一 112. ピ. 1996 年、 三浦 昭 坂. 速読の日本語. 二通信子・佐藤不二子山留学生のための. 総合問題集レベル. 大学生のための. 凡人社、 1997年、 浜田麻里他山論文ワークブック. ろしお出版、 1997 年、 三浦 昭. ズ、 1998年、. 山. 産業能率大学. 東海大学留学生センタ 一口頭発表. ロッタ丸山淳 他丁 大学の授業へのパスポート』凡人社、 本 正丁速読用の 文化エピソード. コ.

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参照

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