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アカデミックコミュニケーションスキル学習の場としての「討論会」 : プレ討論会が実際の討論会に与えた影響

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(1)アカデミックコミュニケーションスキル 学習の場としての「討論会」 一プレ討論会が実際の討論会に与えた影響一 柳田 直美. 【キーワード】. 討論会、プレ討論会、アカデミック・コミュニケーション・.. スキル、相互交渉スキル、プレゼンテーションスキル. 1.はじめに  日本語教育において、討論活動(ディスカッション、ディベート、討論(会). など)は中級以上の学習者対象の学習活動として多く取り入れられている (水田1991、西條1994、杉本1995、玉村1995、水谷1995、樋口1997、西谷. 2001、春口・菅原2004など)。また、このような討論の能力を伸ばすこと は、留学生が大学生活において求められる日本語能力の一つでもある(山 本2003〕。.  そこで本稿では、アカデミック・コミュニケーション・スキル学習の場 として中上級日本語学習者を対象に行った授業活動「討論会」について述 べる。特に、討論活動における自らの問題点を学生に意識化させるために、. 実際の討論会実施前に行った「プレ討論会」が、その後の討論会にどのよ うな影響を与えたかを分析し、アカデミック・コミュニケーション・スキ ル学習のための討論会の効果を分析したい。. 2.アカデミック・コミュニケーション・スキル  堀井(2003)は、アカデミック・ジャパニーズの構成要素を知識・スキ ル・問題発見解決能力とし、問題発見解決能力をその中心に据えている。. また、堀井(2006)は問題発見解決能力育成のためには、今までの日本語 教育で扱われてきた4技能別のスキル教育に加えて、スタディ・スキル教育 も必要であるとし、そのスタディ・スキルには「ノL・・一一トテイク、スキミン. グ・スキャニングのスキル」、 「自分の考えたことを他とインターアクショ. 一57一.

(2) ンしたり、伝えたりするプレゼンテーション・スキル」、「アカデミック・ ライティング」などをあげている。.  堀井(2006)は、f自分の考えたことを他とインターアクションしたり、. 伝えたりする」スキルを一括して「プレゼンテーション・スキル」として いる。確かに口頭コミュニケーションのスキルはさまざまなスキルの複合 体であり、厳密には分割することは難しいと思われる。しかし、清水(1998). が中級段階以降の学習者に対して対話形式以外に説明形式の口頭表現能力 の育成の必要性を指摘していたり、ネウストプニー(2GO3)が、アカデミッ ク領域の口頭による発表場面である「話し言葉による発表の諸場面」に「発. 表」「討論Jを別々に下位分類として設けたりしているように、口頭コミ= ニケーションのスキルについては、プレゼンテーションの性格が強いコミュ. ニヶ一ションのスキルと、インタrアクションの性格が強いコミュニケー ションのスキルを、分けて考える必要があるのではないだろうか。.  そこで本稿では、堀井(2006)のいう「自分の考えたことを他とインター アクションしたり、伝えたりする」スキルをコミュニケーション・スキルと 呼ぴ、その中にプレゼンテーショシスキルと相互交渉スキルがあるとする。L.  ただし、このコミュニケーション・スキルを、学術研究も行えるスキルと. するためには、それぞれの分野の専門知識・専門日本語が不可欠であると 考える。そこで、アカデミック・コミュニケーション・スキルとして、図 1のような概念図を提案したい。 コミュニケーション・スキル. 相互交渉スキル. 魏宝誼グ・鰺ユ崇シ・ン・. プレゼンテーション    スキル. 三アカうi『ミツク’㌧・・.. 麟元鴛シ驚・ 専門知識・専門日本語. 討論会. ec 1:アカデ呈ック・コミュニケ!・・!!・・1シ:ン・スキル概念図. 一58一.

(3)  以上から、本稿で扱う討論会の位置づけは概念図(図1)においてアカ デミック・コミュニケーション・スキルに到達するための過渡的スキルで ある、相互交渉スキルとプレゼンテーションスキル学習のための活動であ る。. 3.討論活動(ディベー、ト・ディスカッション・討論会) 3−1先行研究における討論活動の効果と本研究の目的 討論活動には、ディスカッション、ディベート、討論会などさまざまな 形態がある。これらは中級以上の学習者対象の学習活動として多く取り入 れられ、その学習効果も指摘されている(水ee 1991、西條1994、杉本1995、、. 玉村1995、水谷1995、樋口1997、西谷2001、春口・菅原2004、春口2005な ど)。.  玉村(1995)はディベートにっいて、平素の実力を集申的に顕すもので あり、部分から全体にいたるまで指導と教育の諸事項が含まれているとし ている。また、新井(2001)は、討論会の効果として、読解力・要約力、. 談話構成能力・伝達力、聞き取りと理解力が養われ、学習者がお互いに理 解しあえる場を作り上げることができるとしている。春口・菅原(2004)は、. 討論会はロールプレイなどの練習アクティビティ(ネウストプニー−1995). に比べ、実際使用アクティビティ(ネウストプニー同)の性格が強いとし ている。.  しかしながら、討論活動における学習者の発言内容やインターアクショ ンを詳細に分析し、その効果を明らかにしたものは少ないようである。ま た、アカデミック・ジャパニーズの視点から討論活動を分析したものも多 くない。.  そこで本稿では、アカデミック・ジャパニーズの観点から学習者の発言 を詳細に分析することによって、討論活動の効果を明らかにすることを目 的とする。.  以下、まず、ディスカッション、ディベL−一,ト、討論会、それぞれの活動. の違いを概観し、本稿で扱う討論会にっいて述べる。. 一59一.

(4) 3−2ディベートとディスカッション.  茂木(2005)によれば、ディベートとディスカッションの違いは以下の 通りである。. 表1:ディベートとディスカッションの違い 1テイベート. 論理展開. デイスカツション. 客観的な論理展開 i自分の意見に関わらず、どち. 主観的な論理展開. 轤フ側にも立ちぐ合理的な選択. モを目指す). i自分の意見を主張しあい、合. する) ノレ」一ル. トピック. 時聞制限、話す順番、主要争点. 司会者の采配によるところが. ネど決まりがある 賛否が分かれる論題を扱う. 蛯ォい 争点は必ずしも明確でなくて 烽「い. 判定. 公正・中立な第三者が合理的な. 結論が出ないこともある. 証明. 燗セ力を基準に判定を下す 主張には必ず合理的な根拠や ?テけとなるデータがいる. 意見があっても言わないこと. ェ拠なしで言い放しで済むこ ニもある  一方、討論(会)には、ディベート形式のもの、ディスカッション形式の. もの(新井2001、陳2005など)、また、ディベートとディスカッション両 方の要素を備えたもの(杉本1995、春口・菅原2004、春口2005など)があ る。ここでは、ディベートとディスカッション両方の要素を備えた「討論 会」とディベートとを比較したい。.  表2にディベートの手順(樋口1997)、表3に討論会の手順(春口・菅原 2004)を示す。ディベートは肯定側と否定側とできっちりとターンが線引 きされ、またそれぞれのターンに役割が予め付与されていることが分かる。. 一方N表3に示した討論会も手順が細分化されているが、活動の中核とし てタS・一一ンが固定していない「自由討論」が提示されている点でディベート と大きく異なる。. 一60一.

(5) 表2:ディベートの手順(樋口1997) 表3:討論会の手1頂(春口・菅原2004). 肯定側立論 否定側反対尋問 否定側立論. 4分 3分 4分. 司会一挨拶・テーマ紹介・ルー. 5分. ルの確認 肯定側代表一意見陳述. 3分 3分. 否定側代表一意見陳述 一  ●  一  一 ●  一 ● 一  一  一  一 一  一 一  一  一 一  一 一  一 一  ’  一  “  一  一  一 ■  一  一  一  一. 肯定側反対尋問. 否定側第1反駁 肯定側第1反駁 否定側最終反駁 肯定側最終反駁. 3分 3分. (準備). 3分 3分. 肯定側代表一最終意見陳述 否定側代表一最終意見陳述. 3分. 聴衆一質疑 聴衆一勝敗の判定. 自由討論. 一  一  一  一  −  一. 5分 30分. 3分 3分 10分. 3分. 教師による講評. ターンが細かく制限されたディベートと比べ、自由度の高い討論会は、. ターンの決定が討論者にゆだねられているという点において、実際の会話 に近い構造を持っているといえよう。ふだん留学生が経験するアカテミッ ク・シチュエーションにおいて、ディベートのようにターンが時欝的制約 によって強制的に移る場面は非常に限られているのではないだろうか。そ のため、本稿では自由討論を採用した春口・菅原(2004)の手順で行った 「討論会」をアカデミック・コミュニケーション・スキル学習の活動とし て扱い、分析を行うこととする。. 4.授業概要と分析対象. 4−1授業概要  分析対象は2008年2月末に横浜国立大学留学生センターにおいて開講さ れた4自間の中級から上級への橋渡し日本語春季集中コース(Bridge te E〕、. で行った授業である。学習者は約10名(流動的)で、1日9⑪分×2コマでお った。授業の概要を表4に示す。. !・−. U1−r’.

(6) 表4:授業概要 1日目. アイスブレーキング活動. 2日目. 読解「若者ファッション」. vレ討論会「母親は子供のために 事をやめるべきか 「論会①「制服のだらしな系ファッションに賛成・反対」 3日目. 読解・聴解「日本語の敬語」. 「論会②「日本語の敬語はあったほうがいいか否か」 4日目. 読解「目本に住む外国人」. fィスカッション「外国人として地域で共生するための提案」. 本稿では、1日目のプレ討論会と、2日目の討論会①の自由討論部分、3日 目の討論会②の自由討論部分を録音したものを分析対象とする。. 4−2プレ討論会  プレ討論会とは、実際に討論会を行う前に、ディスカッション形式で自 由に自分の意見を述べ合うもので、意見を述べる経験を通して学習者自ら に問題点を意識化させ、改善方法を提示することを目的として行った。. 手順:①新聞の投稿欄「娘を保育園に罪悪感感じる」 (読売新聞2007.     年8月6日)を読む    ②母親が仕事をやめるべきか否か、立場を決め、各自、意見をま     とめる(5分間).    ④プレ討論会についてのディスカッションと教師のフィード     バック. 4−−3討論会  討論会は春口・菅原(2004)を参考に、以下の手順(表5)で実施した。. 一62一.

(7) 表5:討論会の手順.               (1)挨拶. i会者        →  (2)テーマの紹介 @             (3)ルールの確認. 3分. 2. グループA代表    →  発表 OループB代表    →  発表. 3. 自由討論の準備・相談 ← 各グループで. 2分 Q分 5分. 1. 灘鷲 鱗葺一籍』、 謙鴛1麺叢盤顯ξ譲ご縄珪黛÷… 5 最後の発表の準備・相談 ← 各グループで. 黙嬢1 5分. 6. グループA代表    →  最後の発表 OループB代表    →  最後の発表. 2分 Q分. 7. 審査員        →  質問・意見 (←発表者が答える). 5分 2分. 8 審査員        →  勝敗の判定.  プレ討論会には全員が参加して意見を述べ合ったが、討論会では2∼3 人で1グル・:一・プとし、2グループが討論者として、その他、1名が司会者と. して、他は審査員として討論会に参加した。. 5.プレ討論会での意識化項目  プレ討論会実施前には、ルールや意見の述べ方、注意事項などは一切提 示しなかった。なぜなら、まずプレ討論会を経験することによって学習者 自らに問題点を意識化させることを目的としていたためである。その結果、. プレ討論会を通して、次の相互交渉スキルとプレゼンテーションスキルに 学習者め意識が向けられたことが観察された。. 5−1相互交渉スキル1相手の発言の尊重  (1)では、否定側M4の相手の発言を制止して自分の発言を続けようと する強硬な態度(26)に対し、参加者全体から苦笑ともとれる笑いが起こり (27)、肯定側F4の発言(28)が得られた。. 一63一.

(8) 臼)プレ討論会:相手の発言の尊重. 25 肯. M31. お母さんがcare、することが、なんか重要だと思うんですけど、. んんんんんん。それがそれ、私もわかるけど(うん)これが日本? iうん)例えば今、目本の一社会?(うん)を見ると(うん)子供たちが、. M4. 26. 否. 27. 学生. i笑)一         −. 28. 肯  F4. けんかしないでください。.  この一連の発話から、学習者が相手の発言を強い態度で制止することを避 け、相手の発言を尊重する態度の必要性を意識したと考えられる。  Noda(2004)は、日本語母語話者同士の学究的な討論の場においては、フL. イス破損の可能性を抑制するために、関係維持のためのストラテジーが使 用されたとしている。また、Watanabe(2004)は、日本語母語話者、英語母語. 話者それぞれのグループディスカッションを比較し、日本語母語話者は対 立を回避するためにさまざまなストラテジーを使用していたとしている。. 留学生が日本でアカデミック・シチュエーションに接する場合、このよう な日本語母語話者の討論形式を知ること、また、日本語での討論活動の際 にそのような討論形式を取り入れることは、異文化間コミュニケーション の摩擦回避のためにも必要であろう。また、これらは会話の中で話し手と して、または聞き手としてどのように振る舞うかという意味で、相互交渉 スキルの一つでもあり、アカデミック・コミュニケーション・スキル構築 のためにも必要であるといえる。. 5−2プレゼンテーションスキル:意見の述べ方  (2)において、否定側F3は、相手の発言を認める(153)→反対意見を 述べる(155)という展開で意見を述べている。. 一64一.

(9) (2)プレ討論会:意見の述べ方 145. 肯. M3. それが、たぶん愛が足りないんで、なんか出る問題じゃないかな一 ニ思うんですけど、僕自身は。. 153. 否. F3. 子供に対して一番重要なものは(はい)、もちろん、両親の愛だと思. (中略). うんですよ、私も。. 154. 肯. M3. はい。. 155. 否. F3. それ、そうしても、一日中、ず一っと一緒にいるだけ、だけが、この 道だけが、私はそう思うんですけど(はい)、時間の問題じゃなくて (はい)、なんか、どうやってこれを表現するのか(うん)、どうやって. q供がそれを感じられるかな(うん)、これが重要だと思うので、(後 略).  一方、他の学生は反対意見を述べる際、「でも」を使用することが多く、. そのことが相手の発言を尊重する態度の欠如にもつながっていtCpそのた め、プレ討論会後の教師のフィードバックにおいて、討論会では上記の形 式を使って意見を述べるよう提示し、学生も同意した。  Watanabe(2004)は、日本語母語話者同士のディスカッションにおいて、母. 語話者は反論による否定的印象を緩和するために、一一つのターン内に否定. 的ポイントと肯定的ポイントを両方含めて発言していたとし、これが日本 語母語話者のディスカッションスタイルの特徴であると述べている。この 形式もまた、異文化間コミュニケーション摩擦を避ける上で必要な知識で あるといえるだろう。さらに、アカデミック・シチュエーションで相手と 対立する意見を述べる際にどのような方法を使用するかは、プレゼンテー ションスキルであると考えられる。. 6.討論会の発話に見られた変化  前節では、プレ討論会で意識化された項目にっいて述べた。本節では、 プレ討論会で意識化された2項目が、討論会①と討論会②の自由討論にどの ように影響を与えたかについて、分析を試みる。. 一65一.

(10) 6−1相互交渉スキル:相手の発言の尊重  プレ討論会において相手の発言を尊重する態度の意識化を図ったが、プ レ討論会のような激しい対立場面が、討論会①では大きな対立1回、その. 中に比較的小さい対立が5回見られたのに対し、討論会②では0回であっ た。. 討論会①の対立場面は主に賛成側M4と反対側M1によるものであった。こ のうち、M4はプレ討論会にも参加していたが、 M1は2日目からの参加であ った。(3)を見ると、M4、 Mlはどちらもプ1/討論会で意識化された、「相. 手の発言の尊重」を十分に実行できていなかったと思われる。しかしなが ら、M4、 M1以外の討論者、司会者、審査員はその対立をなんとか収拾しよ うとしている様子(105,118∼122,126,132,135,142,144,148)がうかがえた。. (3)討論会①湘手の発言の尊重 95. 肯. M4. その資料は、その、全体的に言うと、どこでも資料が一なくても、 ?黶Aあ一、co㎜on sen。eで、そ、言うことができるんですよね。. 痰ヲば、今あなたの、あ一、あ一、あ一、hight?が、何センチで キか。. 96 97. 不鴫 不剛. *** ***. 98. 肯  M4. あなたの体重が何キロですか。. 99. 否lM1 肯lM4. 今それその、. 101. 否  M1. ***の話なので、わたしは答えられないです。. 102. 肯lM4 否1M1. 100. 103. 104. 肯  M4. 105. 不明. 106. 否. いえいえいえ、今、今、データ、データがない、. 資料、資料、資料が、資料は、 今わたしは、. 資料、資料が、 (なだめる). M1. 今わたしが話しているのは、制服を着ることが考えになんか自 R、自由を、なんか、そく、ばくされたり、そういうことあることに限. チて今、説、あの一、話していますので、それだけ。. M4. 107. 肯. 108. 否[MI. ***Just a momentあや、 ok、そ、実はね、資料は、いっでも. K要じゃないですよ。 資料がなかったらそういうなんか、ディスカッションにならないと思. 一66一.

(11) 1. いますけど。. 卜09 肯 ■1101. 学生. 111. 否. M4. あ? (笑い). M1. 資料とか、新聞とかま、ビデオとかになんか、まそれに関する意 ゥとかあったら、わたしたちも、あ、受け入れられると思いますけ ヌ、. 1121肯. 駕. 否 肯. 115 否 116 肯 1171不明 1181不明. 駕. M4. 今、. 1. Ml. それがなかったら、. M4. 今、あ、あ、psychology                  i. M1. いかがですか?. M41psycholo9跳psycholo9挑あ、. 1. *** ゆっくりね。. 1. ■   不明    ゆっくりゆっくり。. 不明  1心麗. 12工1不明1  心理。 1心理巣 122 不明. 1. M41心理学的にいうどそれが、あ、燗たちの、異なることが、何か  研究しなくてもわかるようになるんですよね。それが、日常のこと  ですよね。例えば、例えばあな、今日あなたは食べなくて、夜ま  でやばくなる。そうでしょ?ここでは、実は、研究のことじゃない、  これが、毎目の日常のことです。. 123. 肯. 124. 否. Ml. ん一、でも、. 125. 肯. M4. そして同以同じ、自由な、自由な感じがあれば、perFo皿anceが 謔ュなる。. 126 学生. (ざわつく). 127. 肯. M4. 128. 否. M1.                             1 ンんなが知っていること、何ですか。. 129. 肯. M4. それ、それが、ディスカッションのことじゃない。       1. 130. 否. 131. 肯. M1 *** M41それが£acL. 132 審 1331学生 134 否. それが、毎目のことで、みんなが知っていることです。. 1落ち着いて、落ち着いて。 (笑い). M1 みんなが知っているこ、いったい何ですか。. 一一. U7一.

(12) 135. 学生. (ざわつく). 136. 肯. M4. ん?. 137. 否. M工. み、みんなが知っていることは何ですか。. 138. 肯. M4. み、みんなが知っている例えばあ、あ、. 139. 否. M1. みんなが知っている*ま、あの、制服を着て、その人の、あ、想. 140. 肯. 141. 学生. 142. 司. F5. すいませ一ん。. 恬ヘが、***することが、. M4. 例えば、例えば、 (笑い). 143. 否. M1. みんなが知っていること. 144. 司. F5. (机をたたく). 145. 否. Ml. 日常的な、常識ですか?そう思いますか?. 146. 肯. M4. みんなが、みんなが、知っているこというと、. 147. 教師. 148. じゃあ、ちょっと、一度ちょっと、***. _亘L」F5. ストーップ。.   (3)から、討論会①において、一部の学生にはプレ討論会での意識化 が十分に生かされていなかったが、このような対立は避けなければならな いという認識はクラス全体で共有されていたと考えられる。.  一方、討論会②では上記のような対立が見られなかったことから、プレ 討論会、討論会①を経て、意識化が実際の討論に生かされる段階に至った と言えるのではないだろうか。. 6−2プレゼンテーションスキル:意見の述べ方  プレ討論会では、討論会にふさわしい意見の述べ方の意識化を図ったが、 実際の討論会で見られた意見の述べ方を(4) (5) (6)に示す。. (4)討論会①:意見の述ぺ方. 49. 肯. M4. ん、そのことを言いたい。それが、服が、実は必要じゃないとわたし. スちは思います。. 50. 否. F3. あ、M4さんがおっしゃったとおり、なんか、学校のイメージを決める. のは、確かに学校の、学校を卒業する学生たちが、どんなような結 果を出るのか、重要だと思います。. 一68一.

(13) 51i肯. M4. ん。. 52. 否. F3. で、これに対して、一番重要なのは、もちろん学生がどうして集中し. 53. 肯. M4. はい。. 54. 否. F3. で、じゃ、M4さんが言ったとおりだというと、せいかくく制服〉がなく. て勉強するのに対して、そうですよね?. て、私服のきこ、学校の卒業生が、もっと成績がいいとか、もっとい. い結果が出るとか、そういう根拠が必要だと恵います。制服を着る と、きちんと着る人が、集申力ができなくて、勉強がよくできないとい う根拠が必要じゃないかなと思いますけど。.  (4)では、否定側F3が相手の発言を認めてから反対意見を述べるとい う展開で意見を述べている(50、52、54)。しかし(5)と(6)は相手 の発言を形式的に認めてはいるものの、 (4)のF3に比べると表面的な認. め方にとどまり、すぐに自分の意見へと移ってしまっている。特に(6) では、その表面的な述べ方が周囲に伝わり、笑い(120)が起きる結果とな った。このような意見の述べ方は討論会①と②でも変化は見られなかった。 (5)討論会②:意見の述べ方. 33 肯. 」 i3∋否. M1. 韓国の場合も、たとえば、初めて、はじめるとき、先生とか、すごく年. 繧フ人の場合も、敬語を、必ず敬語を使うんですよね。. F6. そうですね。. F1. それはそうです。. 36. 肯. Ml. はい。. 37. 否. F1. でもそれは確かにそうですけれども、あの、わたしは今、言いたい のは、M1さんがさっき、なんか、ん一、尊敬語が、品格とか、相手 フ教育水準、水準をあわらすどぐだと、言ったけれども、わたしは lえたのは、尊敬語だけじゃなくて、いろんな、品格とか、こういう. ウ育水準を、見せる、なんか方法はたくさんあると思います。(後 ェ). 一69一.

(14) (6)討論会②意見の述べ方 117. 否. F1. カナダにいっしょに行ったことがあるんですけれども、そのとき、な んかしかたがなくて、英語でしゃべらなきゃならなかったときがあっ たんです。そのとき、あの、教、先生と、しゃべ、ん一、話したんで すけれども、そのとき、非常になんか距離感がなくなって、(ん。) (ん一。)非常によく、なんか、親しく、親しくなった経験がありま す。(ん。)(ん一。)それを、経験して、.(ん。)ん、ほんとになんか、. そんなけ、敬語が必要なのかな、と思ったことがあります。以上で す。. 118. 不明. 119. 肯. 120. 学生. 121. 肯. はい。. Ml. はいわたしもそう思いますけれども、 (笑い). M1. そ一、なんか、距離感が、ただ、敬語だけで、生じたと思います か。わたしはそう思いません。そういうきそ、わたしも、なんか、なん. か、大学で、教授とか、今、会社で働いていますけれども、上司と か、なんか、もちろん敬語使います。でも、敬語使いながらも、ん、 十分に仲良くなります。(後略).  これらの結果から、意見の述尺方は、プレ討論会による意識化によって 形式を取り入れようという姿勢はうかがえるようになったが、表面的・形 式的な使用にとどまってしまったことがわかった。新井(2001)は.「討論」. で最も難しいのは他者の発言に遡及して、自己の意見を述べることである としているが、分析の結果からも、相手の発言を認めてから反対意見を述 べるというプレゼンテー一ションスキルは、意識化はされても、実際の使用 という点では難しい項目だということが明らかになったといえるだろう。. 7.アンケート結果の分析  本節では授業終了後に行ったアンケートの結果について述べる。最終日 に参加した7名の参加者から回答が得られた。.  まず、「1日目の授業は2日目以降の討論会やディスカッションに役に 立ったか」という質問に対して、7名中全員が「とても役に立った」と回 答した。.  また、「このコースを通じて、日本語での討論会やディスカッションに. 一一. V0−一.

(15) っいて、新しく知ったことや気づいたことがあるか」という質問に対して は、4名から回答が得られた。以下に示す。. 回答1:自分の考えを頭の中で描きながら言う練習になって、本当に役に.    立った。意見を整理して、相手の気分が悪くならないように言う    方法を習えたので役に立った。 回答2:相手を尊重することがどのぐらい重要なことなのかがわかるよう    になった。 回答3:他人の話し方を見て、わたしもそうすればいいなとか、それは少.    しよくないなとか、いろいろ日本語の学習に役に立ったと思う。. 回答4:討論するとき、よく使う表現をわかるようになったのが一番よ    かったと思う。.  これらのアンケートの結果から、学生の意識面では、1日目のプレ討論 会がその後の討論会にプラスの影響を与えたこと、また、相互交渉スキル、. プレゼンテーションスキルの学習にも効果があったということがいえるの ではないだろうか。. 8.まとめと今後の課題  本稿ではアカデミック・コミュニケーション・スキルの学習の場として の討論会にっいて、プレ討論会が実際の討論会に与えた影響にっいてその 効果を分析してきた。.  その結果、相互交渉スキルのひとつである相手の意見の尊重については、. プレ討論会だけでは十分な効果は見られなかったが、プレ討論会、討論会 ①と回数を重ねるうちに、対立を回避しようという認識が実際の討論に生 かされる段階に至ったこと、プレゼンテーションスキルのひとつである、 相手の発言を認めてから反対意見を述べるという意見の述べ方にっいては、. プレ討論会による意識化によって形式を取り入れようという姿勢はうかが えるようになったが、実際の使用は難しい項目であることが明らかになっ た。さらに、アンケートの結果から、学生は、プレ討論会のプラスの影響 を感じていたことと、討論会という活動が相互交渉スキル、プレゼンテー. 一71一.

(16) ションスキルの学習に効果があると感じていたことが明らかになった。.  以上のことから、討論会はアカデミック・コミュニケーション・スキル 学習の活動として、一定の効果があると考えられる。しかしながら、今回 は限られたケースの分析にとどまっており、今後、分析資料の拡充を図る 必要がある。また、分析結果からも明らかになったように、このようなス キルは少ない経験では身につけることが難しい。そのため、討論会を教室 活動として継続的に行う場合の利点と注意点、また、活動内で扱うことの できるアカデミック・コミュニケーション・スキルの観察と分類を、今後 の課題としたい。. 会話資料記号 肯:テーマにっいて賛成. 学生:討論者・審査員も含む全体. 否1テーマについて反対. 教:教師. 司:司会者. M1∼M4:学生個人記号・男性 F1∼F61学生個人記号・女性. 審:審査i員. 参考文献 新井芳子(2001)「コミュニケーション能力の向上を目指して一討論会を   通してその可能性を探る一」『世界の日本語教育』11、pp.1−16、国   際交流基金 西條美紀(1994)「討論場面における主張と反論のパターンについて」『言.  語文化と日本語教育』7、pp.54−56、お茶の水女子大学 清水昭子(1998) 「中級学習者の口頭表現の問題点一発表形式の場合一」   『日本語・日本文化研究』vo1.5、 pp.68−75、京都外国語大学. 杉本泰夫(1995)「『聴く』ことを意識した話し合いディベカッション」   『日本語学』14−6、pp.12 一 20、明治書院. 玉村文郎(1995)「留学生のディベート・コンテストにおける日本語」『日  本語学』14−6、pp.21 一 29、明治書院. 一72一.

(17) 陳明滑(2005) 「台日接触場面における日本語によるグループ討論の   フレーム分析一討論の骨格に焦点を当てて一」『世界の日本語教育』   15、pp.91−102、国際交流基金. 西谷まり(2001)「ディベート活動を通じた口頭表現の指導法」『一橋大   学留学生センター紀要』4、pp.57−73、一橋大学 ネウストプニー,エV.(1995)『新しい目本語教育のために』大修館書店. ネウストプニrJ.V.(2003)「アカデミック・インターアクションの理  解に向けて」門倉正美代表『日本留学試験とアカデミック・ジャパニ  ーズ』平成14∼16年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(1)一般)研究.  成果中間報告書pp.139−150 春口淳一(2005) 「学習者の評価・認識に基づく討論活動のマクロレベル.  分析一より円滑な実際使用アクティビティの構築に向けて一」『戦  後日本60年国際学術研討会論文集』日本学論壇編集部 春口淳一・菅原紀佳(2004)「目本語学習者による討論場面の特性一逸脱   と他者マークから一」『2004日本?言文化教学与研究国?学?研?会?料  …集』pp.49、中国日?教学研究会. 樋口裕子(1997) 「ディベートにおけるメタ言語表現の特徴聞き手の理.  解という視点から」『日本語・日本文化研究』7、pp225−234、大阪.  外国語大学 堀井恵子(2003)「留学生が大学入学時に必要な日本語能力は何か一「ア.  カデミック・ジャパニーズ」と「日本留学試験jの「日本語試験」を  整理する」門倉正美代表『目本留学試験とアカデミック・ジャパニー  ズ』平成14∼16年度科学研究費補助金(基盤研究(A)(1)一般)研究成.  果中間報告書 堀井恵子(2006)「留学生初年次(日本語)教育をデザインする」門倉正.  美・筒井洋一一・三宅和子編『アカデミックジャパニーズの挑戦』  pp.67−78、ひっじ書房. 水田澄子(1991)「日本語教育の方法としてのディベート」『名古屋大学   日本語学科日本語教育論集』2、pp.103−115、名古屋大学 水谷信子(1995)「日本人とデ4べ一トー『共話』と対話一」『日本語学』  14−6、pp.4−12、明治書院. 茂木秀昭(2005)『身にっけるディベートの技術』、中経出版. 一73一.

(18) 柳田直美(2008)「中上級レベルの「討論会」における準備活動の効果一    アイスブレーキングとプレ討論会一一」『日本語教育方法研究会誌』    V。1.15No.2、 pp. 34−35、日本語教育方法研究会. 1.[」本富美子(2003)「留学生に求められる日本語能力と大学学部教学体制.    の国際化」平成14年度∼平成16年度科学研究費補助金基盤研究費    (A)(1)課題番号14208022研究成果中間報告書pp.73−87 Noda, Mari.2004. “Hidden Disagreement:Reaction Maintenance rin the    Japanese Discourse of Disagreement” . In Polユy Szatrowski(ed.)    ffidden and Open COnflict in lapanese Contrersa ti・nal・lntera・tien,    PP.95−123. Kurosio. Watanabe, Suwako. 2004、.” Conflict Management Strategies in Japanese    Group Discussiδns,,  工n Polly Szatrowski(ed.) llidden and Open    Con王iict in /lapanese Con versa tゴロnal Zm tera e tion, pp.65−93..    Kurosio. 一一. @74一.

(19) ”TOORON−WWtt as a situation of studying academic communicatio皿skills The effects of pre−TOORON−KAI for TOORON−KAI YANAGIDA Naomi Key words. TOORONKAI, pre TOORONKAI, academic communlcatlons ski ll, interaction ski11, pres entation ski11.   This stUdy reports on the effects of pre−TOORON−KAI for TOORON−KAI iIl. intermediate intensive Japanese class. Pre−TOORON−KAI makes smdents notice the importance of respect fbr others’opinions and using suitable way to.express their opinions. About the importance of respect fbr others’opinions which is. one. of the interaction skills, stUdents’were able to put the recognition of avoiding. confrontations into action through pre−TOORONKAI a皿d TOORO]NKAI. On the other hand, using suitable way to express their opinions which is one,of the interaction skills and presentation skills are still dif丘cult fbr students though they. haΨe knowledge ofthe§uitable Way to express their opinions.. 一一. P38一.

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参照

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