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鹿児島県薩摩半島南部の陸産貝類相の生物地理学的分析

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Academic year: 2021

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(1)

分析

著者

鮒田 理人, 冨山 清升

雑誌名

Nature of Kagoshima

43

ページ

329-345

発行年

2017-05-29

URL

http://hdl.handle.net/10232/00031201

(2)

 要旨 陸産貝類は,移動性が低く,進化が限られた ごく狭い範囲で起こるため,地域的な種分化が多 い.このような特性から,各地域における陸産貝 類相の特徴を掴むのに非常に適している. 本研究の調査地とした鹿児島県薩摩半島南部 地域は,九州の南西端に位置し,東には錦江湾, 西には東シナ海を臨んだ自然が多く残る地域であ る.しかし,鹿児島県本土以外の諸島,トカラ列 島地域や桜島などに比べ,鹿児島県本土における 陸産,海産貝類についての先行研究(主にその地 点に生息する生物群の種多様度)が少なく,特に, 陸産の微小貝についてそのデータが乏しい.そこ で本研究では,鹿児島県レッドデータブックに記 載されている種も重要な調査対象の一つとして, 鹿児島県薩摩半島南部地域の自然林または人工林 での陸産貝類相,特に微小貝類相の多様性を調査 し,それを基に陸産貝類の特徴や地点間の相違点 を明らかにすることを目的とした. 本調査は,鹿児島県薩摩半島南部地域内 17 地 点で土壌を持ち帰り,その中に生息している陸産 貝類の採集を行った.採集した陸産貝類は必要な 処理を行った後に同定,種別にラベルをつけ保存 した.その後地点ごとに多様度指数と,各地点間 の種・属の類似度指数,群分析を行った. 鹿児島県薩摩半島南部の自然林または人工林 が見られる地点 17 ヶ所において,調査および同 定の結果,原始紐舌目 6 種,有肺目 16 種の合計 22 種の陸産貝類が採集された.17 地点のうち, 最も多くの種数が見られたのは Pt. 16 のメディポ リス前(指宿市)と Pt. 8 の入来(薩摩川内市) であり,合計 7 種が採集された.最も種数が少な かったのは,Pt. 5 伊集院(日置市),Pt. 6 冠岳(串 木野市),Pt. 9 小山田町(鹿児島市),Pt. 15 青隆 寺(指宿市)の 4 地点で,合計 1 種しか採集され なかった.また,鹿児島県のレッドデータブック の中の〈鹿児島県のカテゴリー区分〉に基づき, 発見された各種の希少度評価を行ったところ,準 絶滅危惧が 15 種,分布特性上重要が 7 種確認で きた. 本調査の結果,針葉樹林よりも広葉樹や雑木 林の方が,種数・個体数ともに多くの陸産貝類が 生息している傾向が見られた.また類似度につい て,地点同士の距離が近くても必ずしも出現する 種に類似性が見られるとは限らないという結論に 至った.その原因として,陸産貝類の非常に低い 移動能力が関係していると考えられる.今回の調 査では多くの準絶滅危惧にカテゴリーされている 種が見つかったが,より正確かつ詳細を明らかに するために,更なる細かいサンプリング(季節ご と,人員を増やしての調査),コドラート法など を用いた調査が必要と思われる.

鹿児島県薩摩半島南部の陸産貝類相の生物地理学的分析

鮒田理人・冨山清升

〒 890–0065 鹿児島市郡元 1–21–35 鹿児島大学理学部地球環境科学科  

Funada, M. and K. Tomiyama. 2017. Biogeographical analysis of land snail fauna of southern part of Satsuma Peninsula, Kaogoshima, Japan. Nature of Kagoshima 43: 329–345. KT: Department of Earth & Enviromental Scienses, Faculty of Science, Kagoshima University, Korimoto, Kagoshima 890–0065, Japan (e-mail: tomiyama@sci. kagoshima-u.ac.jp).

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 はじめに 本研究の調査地とした鹿児島県薩摩半島南部 地域は,九州の南西端に位置し,シラス台地に覆 われ,南に向かって烏帽子岳などを中心に丘陵地 帯が続き,東には錦江湾,西には東シナ海を臨ん だ自然が多く残る地域である.鹿児島県本土以外 の諸島,トカラ列島地域や桜島などにおいては, 陸産,海産貝類について比較的多くの調査が行わ れているが(桜島における多板綱および腹足綱の 分布と多様性 : 冨山ら(2013),トカラ列島にお ける陸産貝類相の研究 : 市川ら),それらの地域 に比べ鹿児島県本土における調査(主にその地点 に生息する生物群の種多様度等)はまだまだ不十 分であり,特に肉眼での発見が困難である陸産微 小貝類相の先行調査は少ない.陸産貝類は,移動 性が低く,進化が限られたごく狭い範囲で起こる ため,地域的な種分化が多い.このような特性か ら,各地域における陸産貝類相の特徴を掴むのに 非常に適している.  そこで本研究では,「鹿児島県の絶滅の恐れの ある野生動物 動物編 鹿児島県レッドデータ ブック」(2016 : 財団法人鹿児島県環境技術協会  編)に記載されている種も重要な調査対象の一 つとして,鹿児島県薩摩半島南部地域の自然林ま たは人工林での陸産貝類相,特に微小貝類相の多 様性を調査した.陸産貝類相を調査するために, 鹿児島県薩摩半島南部地域内 17 地点でサンプリ ング調査を行い,貝類の生息現状を把握するとと もに,鹿児島県薩摩半島南部地域内に生息する貝 類の多様度と各調査地点間の類似度を算出し,そ れを基に陸産貝類の特徴や地点間の相違点を明ら かにすることを目的とした.  材料と方法 上記の期間に各調査地を巡り,主に土壌中に 生息している陸産貝類の採集を行った.陸産貝類 とは,本研究では主に陸上に生息する腹足綱のこ とを指す.腹足綱は,一般に巻貝と呼ばれている 貝類のグループであり,通常は石灰質の固いらせ ん状に巻いた殻をもち,その形は内巻や笠形など 非常に多様である.軟体は通常殻の中にあり,頭 と内臓嚢,足より成るが,頭には一対の触角と目 があり口は前方腹面にある ( 波部ほか,1994). 各地点の土を約 1L 持ち帰り,乾燥機を用いて十 分に乾燥させた後振るいにかけた.本調査では微 小貝の分布調査に重きを置いたため,2016 年の 鮒田らの調査で個体数の発見が少なかったふるい の目の開きが 16 以下の大きさの微小貝の採集を 目的とした.ふるいにかけた後にその中に生息し ている微小貝を実体顕微鏡によって見つけ取りを 行った.採集したサンプルは図鑑などを用いて順 次同定作業を行い,標本にするため,ガラス管に 入れ調査地および種ごとに分け,ラベルを付けて 保存した.なお,同定には「かたつむりの世界(川 名美佐男 2007)」,「原色日本陸産貝類図鑑(東 正雄 1982)」を参考にした. 調査地 Fig. 1.薩摩半島南部の地域で陸産貝類相を調査した地点.

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本調査は,以下の薩摩半島鹿児島市以南にお ける地点で行い,2016 年 2 月から同年 11 月にか けて行った.なお,採集は山を分け入った場所で はなく,民家の横や道路脇など人の往来が見られ る地点で行った.Fig. 1 は薩摩半島の主に鹿児島 市以南を表した地図であり,記載されている数字 は下記の地点(Pt.)に対応している.各地点の 主観的な環境評価は以下のとおりである. Pt. 1 烏帽子嶽神社遊歩道(鹿児島市平川) 植樹によるスギの針葉樹林が広がっていた. 遊歩道のため車は通ることができず,他の地 点と比べ人の往来は少ないと思われた. Pt. 2 知覧山中(南九州市)  針葉樹林が広がる道路わきで採集を行った. Pt. 3 喜入山中(鹿児島市) 植樹によるスギの針葉樹林が広がっていた. 林床にはシダが自生しており,ほかの地点に 比べより鬱蒼としていた. Pt. 4 八房川(串木野市) 川の脇の小さな雑木林で採集を行った.す ぐそばに民家があり,人の手が入った林であっ た. Pt. 5 伊集院道路わき(日置市) 民家横のクヌギの林で採集を行った.人の 手が入っており,落ち葉が掃かれていたのか あまり落ちていなかった. Pt. 6 冠岳(串木野市) 地層が観察できる露頭で採集した.露頭の 上部には雑木林が広がっていた. Pt. 7 郡山(鹿児島市) 車の往来が激しい道脇の雑木林で採集を 行った.人家などの建物は近くに無く,車の 往来が外的要因として考えられる唯一のもの かと思われる. Pt. 8 入来道脇(薩摩川内市) 鹿児島市との境界あたりで採集を行った. 人家横の雑木林であるが,人の手がしばらく 入っていないようだった.土がよく乾燥して いた. Pt. 9 小山田町(鹿児島市) 人家近くの針葉樹林で採集した.近くの岩 盤から水が染み出しており,湿度は保たれて いるようだった. Pt. 10 八重山(鹿児島市) 針葉樹林の中の照葉樹が生えている環境を 選んで採集した.比較的車の往来が少ない道 路わきであり,周りに人家は見られなかった. すぐそばに水が沸いており,林内に小さいカ ニが見られた. Pt. 11 大黒温泉裏(鹿児島市) 竹林であった.人家のすぐ裏にあり,晴れ の天候にも関わらず地面は湿っていた.人や 車の往来は盛んであった. Pt. 12 山川港(指宿市) 人家横の雑木林で採集を行った.急斜面で 林床は豊富な腐葉土に覆われていた.またど こからか水が流れてきており,土壌が湿って いた. Pt. 13 魚見岳山中(指宿市) 針葉樹林の森であった.車の往来は少なく, 林床にシダが多く自生していた. Pt. 14 池田湖(指宿市) ゲートボール場横の,道脇から少し入った ところで採集した.湖に面する雑木林であり, 湿度は保たれているようであった. 略号 調査地の地名 調査した年月日 Pt.1 鹿児島市烏帽子岳神社 (2016 年 2 月 19 日) Pt.2 南九州市知覧 (2016 年 2 月 19 日) Pt.3 鹿児島市喜入 (2016 年 2 月 19 日) Pt.4 串木野市八房川 (2016 年 8 月 8 日) Pt.5 日置市伊集院 (2016 年 8 月 8 日) Pt.6 串木野市冠岳 (2016 年 8 月 8 日) Pt.7 鹿児島市郡山 (2016 年 8 月 8 日) Pt.8 薩摩川内市入来 (2016 年 8 月 30 日) Pt.9 鹿児島市小山田 (2016 年 8 月 30 日) Pt.10 鹿児島市八重山 (2016 年 8 月 30 日) Pt.11 鹿児島市大黒温泉裏 (2016 年 8 月 30 日) Pt.12 指宿市山川港 (2016 年 10 月 24 年) Pt.13 指宿市魚見岳 (2016 年 10 月 24 日) Pt.14 指宿市池田湖 (2016 年 10 月 24 日) Pt.15 指宿市青隆寺 (2016 年 10 月 24 日) Pt.16 指宿市メディポリス前 (2016 年 10 月 24 日) Pt.17 串木野市長崎鼻 (2016 年 11 月 23 日) Table. 1.薩摩半島南部の調査地リスト.

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Pt. 15 青隆寺(指宿市) 針葉樹の森であった.すぐ近くでがけ崩れ が起きていた.人の往来は多いようである.林 床には,シダがところどころ自生していた. Pt. 16 メディポリス道中(指宿市) 山中の雑木林で採集した.比較的林床には 何も生えておらず,豊富な腐葉土が堆積して いた.車の往来も比較的少なかった. Pt. 17 長崎鼻(串木野市) 浜のすぐそばの雑木林で採集した.腐葉土 が堆積しており,交通量や人の出入りは少な かった. データ解析 地点ごとに採集された種の同定作業を行い,そ の結果を図にまとめた.その後,各地点の陸産貝 類の特徴を明らかにするため,また各地点の類似 度を調べるために以下の方法で解析を行った. 各地点の生物相の多様度の度合いを数値化す るために,多様度指数 (index of diversity) を算出 した.本文では,個体数を含めて多様度を評価す ることが可能な Simpson (1949) の多様度指数を変 形した式用いた.今,S 群に分けられた全数 N 個 の玉を箱に入れよく混ぜ,任意の 1 個を取り出し て箱に戻し,再度球を取り出すという試行を考え る.このとき,2 階の試行で取り出した球 2 個が 同一群に属する確率を とすると, で 与 え ら れ る (Simpson, 1949). こ こ で, は 第 i 番 目 の 群 に 属 す る 玉 の 数 で あ る. こ の は Simpson の 単 純 度 指 数 (Simpson’s index of concentration) で あ り, こ れ の 逆 数 1/ が Simpson の 多 様 度 指 数 (Simpson’s index of  diversity) である. 次に,群集の計量的比較のためによく用いら れる類似度指数を求めた.類似度を表現する指数 には単に共通指数によるもの,種類構成によるも の,構造的規則性の母数によるものなどその数は 多いが,今回は共通種数による指数である,野村・ シンプソン指数をもちいた.この指数は Jaccard の共通指数やその他の共通指数を基礎とする指数 では,比較する群集サイズに大きな差のある場合 にはこれらの指数への影響が大きくなる欠点に気 づいた野村 (1939, 1940) によって提案されたもの である. こ の 式 は, ア メ リ カ で 有 名 な Simpson 係 数 (Simpson’s concentration) と 同 じ で あ る ( 野 村 ,1939,1940;Simpson,1949). 上 記 の 方 法 で 算 出 し た 各 地 点 の 野 村・ シ ン プ ソ ン 指 数 を 基 に,Mountford 法 を 用 い て デ ン ド ロ グ ラ ム (Dendrogram) を作成した. また,本研究では共通種数に関する類似度に加 え,共通属数に関する地点間類似度も求めた.そ こ で,Morisita(1959) の 重 複 度 (degree of overlap) をあらわす指数の式,

,

0 ≦ ≦1( )

,

を説明する. , は第 1 組および第 2 組に おけるサンプル総数であり, , はそれぞ れの組における第 i 番目の区分に属するサンプル 数,S は区分の総数である. は Simpson の単純 度指数 の母集団における不偏推定値である. 本研究では,この式に修正を加えた Kimoto(1967) の 指数の式,

,

0 ≦ ≦1

,

を用いる.種個体数の関係では の値は大きい ことが知られているので, と の数値にはあ まり差がないことが予想される.これに反し,多

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様度の大きい,したがってλの小さい現象 ( 今回 の解析の対象である属数と種数の関係 ) について 重要度を測定する場合には 式の方が優れてい るため,こちらを採用した.  結果 種数と個体数 薩摩半島南部地域の自然林または人工林にお ける 17 地点において,調査および同定作業の結 果,原始紐舌目 6 種,有肺目 16 種の合計 22 種の 陸産貝類が採集された(Table. 2).17 地点のうち, 最も多くの種数が見られたのは Pt. 16 のメディポ リス前(指宿市)と Pt. 8 の入来(薩摩川内市) であった.メディポリス前では,原始紐舌目 2 種, 有肺目 5 種の合計 7 種が確認できた.入来では, 原始紐舌目 3 種,有肺目 4 種の合計 7 種が見られ た.その次に種数が多く確認できたのが,山川港 (指宿市)と長崎鼻(串木野市)の合計 6 種であっ た.最も種数が少なかったのは,Pt. 5 伊集院(日 置市),Pt. 6 冠岳(串木野市),Pt. 9 小山田町(鹿 児島市),Pt. 15 青隆寺(指宿市)の 4 地点で, 合計 1 種しか採集されなかった.その他の地点か らは,2~5 種まで幅広い数が採集された. 次に,個体数に注目してみると,最も多くの 個体が採集された地点は,Pt. 11 の大黒温泉(鹿 児島市)で,合計 41 個体の微小貝が確認できた. 次に多くの個体数が採集できたのは,Pt. 7 の郡 山町(鹿児島市)で,合計 37 個体の微小貝が確 認できた.採集された個体が最も少なかったのは, Pt. 9 の小山田町(鹿児島市)であり,2 個体しか 見られなかった. 種ごとの出現地点数に注目すると,最も多く の地点で確認できた種は,ヒメベッコウガイであ り,17 ヶ所中 10 ヶ所で採集された.次に多くに 地点で見られたのは,ミジンヤマタニシであり, 17 ヶ所中 8 ヶ所で採集された.1 地点でしか見ら れなかった種は多くあり,サツマムシオイ,アツ ブタガイ,コハクオナジマイマイ,ダコスタマイ マイ,ツノイロヒメベッコウ,ヒラシタラ,ヒメ カサキビ,サツマヒメカサキビ,タネガシマヒメ ベッコウ,ナミヒメベッコウ,オカチョウジ,ス ナガイの合計 12 種であり,これは採集された総 種数の半分以上にあたる. 多様度指数 各地点の Simpson の変形多様度指数について, 最も値が高かったのは Pt. 16 のメディポリス前の (指宿市)山林であり,その値は 5.54 であった. この地点は出現種数が最も多かった地点でもあ る.二番目に多様度指数の高かった地点は,Pt. 17 の長崎鼻(串木野市)であり,その値は 4.48 であった.多様度指数が最も低かったのは,Pt. 5 伊集院(日置市),Pt. 6 冠岳(串木野市),Pt. 9 小山田町(鹿児島市),Pt. 15 青隆寺(指宿市) の 4 地点であり,その値は1であった.Pt. 9 小 山田町(鹿児島市)は先述のとおり,個体数も 2 個体と非常に低い値となった.その他の地点は 1.6–4.2 の範囲であった. 各種に関する質的類似度指数 各地点間の共通種数による野村シンプソン指 数について,全地点をそれぞれ比較した(Table. 3)が,Pt. (5. 6. 9. 15) 地点は一種類しか採集でき なかったので,この類似度の比較において,値の 考慮からは除外した.指数が最も高かったのが 1–(2. 3. 8. 13)間,2–(3. 13)間,3–(8. 13)間, 7–11 間,8–10 間で値 1 を記録した.Pt. 12–13 間(山 川港-魚見岳)の値は 2 番目に高く,0.75 であっ た.詳しい内訳は,魚見岳で見つかった 4 種中, 3 種が山川港で見つかった種と重複していた.山 川港で見つかった種は全 6 種であった. 各属に関する量的類似度指数 各地点間の共通属数に関し,Kimoto (1967) が Morisita (1959) の式に修正を加えた 「CΠ 指数」を用いて量的類似度指数を算出し た結果,最も値が大きかったのは Pt, 2 - 13 間の 0.857 であった(Table. 4).次に高かったのが Pt. 1 - 2 間で,値が 0.8 であった. Mountford 法による群分析 野村・シンプソン指数によって計量化した 17

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Class Order Family Genus Japanese name Species name Pt.1 Pt.2 Pt.3 Pt.4 Pt.5 Pt.6 Pt.7 Pt.8 Pt.9 Pt.10 Pt.1 1 Pt.12 Pt.13 Pt.14 Pt.15 Pt.16 Pt.17 GASTROPODA Architaenioglossa Alycaeidae Chamalycaeus サツマムシオイ Chamalycaeus satsumanus 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 Cyclophoridae Cyclotus アツブタガイ(幼) Cyclotus campanulatus 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 Cyclophoridae Nakadaella ミジンヤマタニシ Nakadaella micr on 2 1 1 2 0 0 28 2 0 0 14 0 1 0 0 0 0 Cyclophoridae Spir ostoma ヤマクルマ(幼) Spir

ostoma japonicum japonicum

0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 Diplommatinidae Diplommatina キュウシュウゴマガイ

Diplommatina tanegashimae kyusyuensis

0 0 0 0 0 0 7 1 0 0 2 0 0 10 0 0 0 Diplommatinidae Palaina ヒダリマキゴマガイ Palaina pusilla 0 0 0 19 0 0 2 0 0 0 23 0 0 0 0 1 6 Pulmonata Acanthinulidae Parazoogenetes マルナタネ Parazoogenetes or cula 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 6 4 2 0 Acanthinulidae Salpingoma ヒラドマルナタネ Salpingoma japonicum 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 1 0 0 0 0 Bradybaenidae Bradybaena コハクオナジマイマイ(幼貝) Bradybaena pellucida 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 Bradybaenidae Euhadra タカチホマイマイ(幼)

Euhadra herklotsi nesiotica

0 0 0 0 0 0 0 1 0 3 1 1 0 0 0 1 0 Bradybaenidae Trishoplita ダコスタマイマイ

Trishoplita dacostae dacostae

0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 Helicarionidae Ceratochlamys ツノイロヒメベッコウ Ceratochlamys ceratodes 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 Helicarionidae Discoconulus ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 2 1 2 2 5 0 0 5 0 0 0 2 2 7 0 3 0 Helicarionidae Liar detia ヒラシタラ Sitalina latissima 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 Helicarionidae Tr ochochlamys サツマヒメカサキビ Tr ochochlamys satsumana 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 Helicarionidae Tr ochochlamys ヒメカサキビ Tr ochochlamys subcr enulata subcr enulata 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 Helicarionidae Sitalina コシダカシタラ Sitalina cir cumcincta 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 1 3 Helicarionidae Yamatochlamys タネガシマヒメベッコウ Yamatochlamys tanegashimae 0 0 0 0 0 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 Helicarionidae Yamatochlamys ナミヒメベッコウ Yamatochlamys vaga 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 Streptaxidae Sinoennea タワラガイ Sinoennea iwakawa 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 11 0 0 0 1 0 Subulinidae Allopeas オカチョウジ

Allopeas clavulinum kyotoense

0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 Gastrocoptidae Gastr ocopta スナガイ Gastr ocopta armiger ella 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5

Number of species in all area

2 3 2 5 1 1 3 7 1 2 5 6 4 5 1 7 6

Number of population in all area

4 3 3 25 5 6 37 12 2 5 41 21 6 28 4 12 22

Simpson's index of diversity

2 3 1.8 1.7 1 1 1.64 4.24 1 1.923 2.3 3 3.6 3.96 1 5.538 4.481 Table. 2 .各調査地点における出現種および Simpson の多様度種数.

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① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ① 1 ② 1 1 ③ 1 1 1 ④ 0.5 0.666667 0.5 1 ⑤ 1 1 1 1 1 ⑥ 0 0 0 0 0 1 ⑦ 0.5 0.333333 0.5 0.666667 0 0 1 ⑧ 1 0.666667 1 0.4 1 0 0.666667 1 ⑨ 0 0 0 0 0 0 0 0 1 ⑩ 0 0 0 0 0 0 0 1 0 1 ⑪ 0.5 0.333333 0.5 0.4 0 0 1 0.6 0 0.5 1 ⑫ 0.5 0.666667 0.5 0.4 1 0 0 0.333333 0 0.5 0.2 1 ⑬ 1 1 1 0.5 1 0 0.333333 0.5 0 0 0.25 0.75 1 ⑭ 0.5 0.666667 0.5 0.2 1 0 0.333333 0.4 0 0 0.2 0.4 0.5 1 ⑮ 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1 1 1 ⑯ 0.5 0.666667 0.5 0.6 1 0 0.333333 0.285714 0 0.5 0.4 0.666667 0.5 0.6 1 1 ⑰ 0 0 0 0.4 0 0 0.333333 0 0 0 0.2 0 0 0.2 0 0.333333 1 Table. 3 .各地点間の種ごとの類似度. ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ ⑪ ⑫ ⑬ ⑭ ⑮ ⑯ ⑰ ① 1 ② 0.8 1 ③ 1 0.8 1 ④ 0.571429 0.5 0.571429 1 ⑤ 0.666667 0.5 0.666667 0.333333 1 ⑥ 0 0 0 0 0 1 ⑦ 0.4 0.333333 0.4 0.5 0 0 1 ⑧ 0.444444 0.4 0.444444 0.333333 0.25 0 0.4 1 ⑨ 0 0 0 0 0 0 0 0 1 ⑩ 0 0 0 0 0 0 0 0.444444 0 1 ⑪ 0.285714 0.25 0.285714 0.4 0 0 0.75 0.5 0 0.285714 1 ⑫ 0.25 0.444444 0.25 0.363636 0.285714 0 0 0.307692 0 0.25 0.181818 1 ⑬ 0.666667 0.857143 0.666667 0.444444 0.4 0 0.285714 0.363636 0 0 0.222222 0.6 1 ⑭ 0.285714 0.5 0.285714 0.2 0.333333 0 0.25 0.333333 0 0 0.2 0.363636 0.444444 1 ⑮ 0 0.5 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0.285714 0.4 0.333333 1 ⑯ 0.222222 0.4 0.222222 0.5 0.25 0 0.2 0.285714 0 0.222222 0.333333 0.615385 0.363636 0.5 0.25 1 ⑰ 0 0 0 0.363636 0 0 0.222222 0 0 0 0.181818 0 0 0.181818 0 0.153846 1 Table. 3 .各地点間の属ごとの類似度.

(9)

地点の類似度を群分析法(cluster analysis)によっ て表示された結果を基に,デンドログラムを作成 した(Fig. 2).全地点を恣意的に 4 つのグループ に分けた場合,(1. 3. 5. 4. 8. 2. 13. 14. 16. 12. 15)・(7. 11. 17. 10)・(6)・(9) のグループに分けられた. Kimoto (1967) が Morisita (1959) の式に修正を 加えた「CΠ 指数」を用いて計量化した 17 地点 の類似度を群分析法(cluster analysis)によって 表示された結果を基に,デンドログラムを作成し た(Fig. 3).全地点を恣意的に 4 つのグループに 分けた場合,(1. 3. 5. 2. 13. 4. 12. 16. 14. 15. 7. 11. 8. 10)・(6)・(9)・(17) のグループに分けられた. 各地点に出現したレッドデータブックに記載され ている種について 本研究では,各地点における調査と同時に,鹿 児島県において絶滅または消滅が危惧されている 種に注目した.そのような種が出現した場合,鹿 児島県のレッドデータブック(鹿児島県,2016) の絶滅,消滅危惧評価に基づき,以下のような独 自の得点を設け(Table. 5),各地点の陸産微小貝 類希少種の保有率を点数によって表した(Table. 6).なお,発見した種の絶滅・消滅危惧度評価は, 鹿児島県カテゴリー(鹿児島県,2016:鹿児島県 のカテゴリー区分定義)に基づいて行った.また, 本研究の対象地点はすべて都市近郊ではなかった ため,希少度評価は「都市近郊個体」に割り当て られたものは使用しなかった [ 例:分布特性上重 要(都市近郊個体群:準消滅危惧)とあった場合, 評価は分布特性上重要とする.].各地点の得点は, [1 種の評価 ]×[1 種の個体数 ] を各種で計算した 合計である. Pt. 1 烏帽子岳神社 ・ミジンヤマタニシ Chamalycaeus satsumanus 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…2 個体 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …2 個体 (0 × 2) + (4 × 2)…8 点 Pt. 2 知覧山中 ・ミジンヤマタニシ Chamalycaeus satsumanus 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…1 個体 ・マルナタネ Parazoogenetes orcula 準絶滅危惧 …1 個体 Fig. 2.各調査地点の陸産貝類の共通種数に基づく,類似度 (野村-シンプソン指数)から作成したデンドログラム. 手法はマウントフォード法を用いた. Fig. 3.各調査地点の陸産貝類の属の共通種数に基づく,類 似度(Cπ 指数)から作成したデンドログラム.手法はマ ウントフォード法を用いた. カテゴリー区分 点数 絶滅危惧 絶滅危惧Ⅰ類絶滅危惧Ⅱ類 65 準絶滅危惧 準絶滅危惧 4 絶滅の恐れのある 地域個体群 消滅危惧Ⅰ類 3 消滅危惧Ⅱ類 2 準消滅危惧 1 分布特性上重要 0 移入種 国内移入国外移入 -1-2 Table. 5.各カテゴリー区分の得点.

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・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …1 個体 (0 × 1) + (4 × 1) + (4 × 1)…8 点 Pt. 3 喜入山中 ・ミジンヤマタニシ Chamalycaeus satsumanus 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…1 個体 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …2 個体 (0 × 1) + (4 × 2)…8 点 Pt. 4 八房川(串木野市) ・ミジンヤマタニシ Chamalycaeus satsumanus 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…2 個体 ・ヒダリマキゴマガイ Palaina pusilla 準絶滅危惧 …19 個体 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …2 個体 ・タワラガイ Sinoennea iwakawa 準絶滅危惧 …1 個体

・オカチョウジ Allopeas clavulinum kyotoense 分布特性上重要 …1 個体 (0 × 2)+(4 × 19)+(4 × 2)+(4 × 1)+(0 × 1)…88 点 Pt. 5 伊集院 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …5 個体 (4 × 5)…20 点 Pt. 6 冠岳 ・ タ ネ ガ シ マ ヒ メ ベ ッ コ ウ Yamatochlamys tanegashimae 準絶滅危惧 …6 個体 (4 × 6)…24 点 Pt. 7 郡山 ・ミジンヤマタニシ Nakadaella micron 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…28 個体 ・ヒダリマキゴマガイ Palaina pusilla 準絶滅危惧 …2 個体 ・キュウシュウゴマガイ 

Diplo mmatina tanegashimae kyusyuensis

準絶滅危惧 …7 個体 (0 × 28) + (4 × 2) + (4 × 7)…36 点 Pt. 8 入来 ・ミジンヤマタニシ Nakadaella micron 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…2 個体 ・ヤマクルマガイ 

Spirostoma japonicum japonicum

分布特性上重要(都市近郊個体群:準消滅危惧) …1 個体

・キュウシュウゴマガイ

Diplo mmatina tanegashimae kyusyuensis

準絶滅危惧 …1 個体 ・コハクオナジマイマイ Bradybaena pellucida 分布特性上重要(都市近郊個体群:準消滅危惧) …1 個体 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …5 個体 ・ヒメカサキビ 

Trochochlamys subcrenulata subcrenulata

準絶滅危惧 …1 個体 (0 × 2) + (0 × 1) + (4 × 1) + (0 × 1) + (4 × 5) + (4 × 1)…28 点 Pt. 9 小山田町 ・ツノイロヒメベッコウ  Ceratochlamys ceratodes 準絶滅危惧 …2 個体 (4 × 2)…8 点 Pt. 10 八重山山中 ・ヤマクルマガイ 

Spirostoma japonicum japonicum

分布特性上重要(都市近郊個体群:準消滅危惧) …2 個体

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・タカチホマイマイ Euhadra herklotsi nesiotica 分布特性上重要(都市近郊個体群:消滅危惧 Ⅱ類)…3 個体 (0 × 2) + (0 × 3)…0 点 Pt. 11 大黒温泉裏 ・サツマムシオイ Chamalycaeus satsumanus 準絶滅危惧 …1 個体 ミジンヤマタニシ Nakadaella micron 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…14 個体 ヒダリマキゴマガイ Palaina pusilla 準絶滅危惧 …23 個体 ・キュウシュウゴマガイ

Diplo mmatina tanegashimae kyusyuensis

準絶滅危惧 …2 個体

・タカチホマイマイ Euhadra herklotsi nesiotica 分布特性上重要(都市近郊個体群:消滅危惧 Ⅱ類)…1 個体 (4 × 1) + (0 × 14) + (4 × 23) + (4 × 2) + (0 × 1)…104 点 Pt. 12 山川港 ・マルナタネ Parazoogenetes orcula 準絶滅危惧 …2 個体 ・ヒラドマルナタネ Salpingoma japonicum 準絶滅危惧 …4 個体

・タカチホマイマイ Euhadra herklotsi nesiotica 分布特性上重要(都市近郊個体群:消滅危惧 Ⅱ類)…1 個体 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …2 個体 ・ヒラシタラ Sitalina latissima 準絶滅危惧 …1 個体 ・タワラガイ Sinoennea iwakawa 準絶滅危惧 …11 個体 (4 × 2) + (4 × 4) + (0 × 1) + (4 × 2) + (4 × 1) + (4 × 11)…84 点 Pt. 13 魚見岳 ・ミジンヤマタニシ Nakadaella micron 分布特性上重要(離島個体群・都市近郊個体群: 準消滅危惧)…1 個体 ・マルナタネ Parazoogenetes orcula 準絶滅危惧 …2 個体 ・ヒラドマルナタネ Salpingoma japonicum 準絶滅危惧 …1 個体 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …2 個体 (0 × 1) + (4 × 2) + (4 × 1) + (4 × 2)…20 点 Pt. 14 池田湖 ・キュウシュウゴマガイ

Diplo mmatina tanegashimae kyusyuensis

準絶滅危惧 …10 個体 ・マルナタネ Parazoogenetes orcula 準絶滅危惧 …6 個体 ・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …7 個体 ・サツマヒメカサキビ Trochochlamys satsumana 準絶滅危惧 …2 個体 ・コシダカシタラ Sitalina circumcincta 準絶滅危惧 …3 個体 (4 × 10) + (4 × 6) + (4 × 7) + (4 × 2) + (4 × 3)…112 点 Pt. 15 青隆寺 ・マルナタネ Parazoogenetes orcula 準絶滅危惧 …4 個体 (4 × 4)…16 点 Pt. 16 メディポリス前 ・ヒダリマキゴマガイ Palaina pusilla 準絶滅危惧 …1 個体 ・アツブタガイ Cyclotus campanulatus 分布特性上重要(都市近郊個体群:消滅危惧 Ⅱ類)…3 個体 ・マルナタネ Parazoogenetes orcula 準絶滅危惧 …2 個体

・タカチホマイマイ Euhadra herklotsi nesiotica 分布特性上重要(都市近郊個体群:消滅危惧 Ⅱ類)…1 個体

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・ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 準絶滅危惧 …3 個体 ・コシダカシタラ Sitalina circumcincta 準絶滅危惧 …1 個体 ・タワラガイ Sinoennea iwakawa 準絶滅危惧 …1 個体 (4 × 1) + (0 × 3) + (4 × 2) + (0 × 1) + (4 × 3) + (4 × 1) + (4 × 1)…32 点 Pt. 17 長崎鼻 ・ヒダリマキゴマガイ Palaina pusilla 準絶滅危惧 …6 個体

・ダコスタマイマイ Trishoplita dacostae dacostae 分布特性上重要(都市近郊個体群:準消滅危惧) …1 個体 ・コシダカシタラ Sitalina circumcincta 準絶滅危惧 …3 個体 ・ナミヒメベッコウ Yamatochlamys vaga 準絶滅危惧 …1 個体

・オカチョウジ Allopeas clavulinum kyotoense 分布特性上重要 …6 個体 ・スナガイ Gastrocopta armigerella 準絶滅危惧 …5 個体 (4 × 6) + (0 × 1) + (4 × 3) + (4 × 1) + (0 × 6) + (4 × 5)…56 点 〈出現種リスト〉 以下に,今回の調査で採集することの出来た 陸産貝類の出現種リストを掲げる.分類は,環境 省のレッドデータブックの名称に従った(鹿児島 県 , 2016). GASTROPODA 腹足綱 Architaenioglossa 原始紐舌目 Alycaeidae ムシオイガイ科 サツマムシオイ Chamalycaeus satsumanus 成貝で殻長 2.3 mm,殻径 3.8 mm 内外.螺層は 3 + 2/3 層.殻は微小で硬く丸く,偏平な円錐形. 螺頂は低平で,体層は横に広がる.殻色は赤褐色 ~青白褐色.胎殻 2 層の第一層は滑らかで乳首の ように飛び出る. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方に存在する. 鹿児島県カテゴリー:準絶滅危惧 Cyclophoridae ヤマタニシ科 ミジンヤマタニシ Nakadaella micron 成貝で殻長 1.2 mm,殻径 1.8 mm 内外.殻は微 小で,体層は約 4 層.殻色は白く半透で,殻表に は滑らかな光沢がある.螺塔は低く,各層はよく 膨らみ丸い.縫合は深い.殻口は全縁で,ややう すい. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方,宇治群 島向島,大隅諸島,十島村,奄美群島 鹿児島県環境カテゴリー:分布特性上重要(離 島個体群・都市近郊個体群・準消滅危惧) アツブタガイ Cyclotus campanulatus 成貝で殻長 10 mm,殻径 13.5 mm 内外.螺層 は 4 + 3/4 層.殻色は濃い茶褐色で光沢があり, 螺塔は低平な円錐形.螺管は急に太くなる.体層 の周縁は丸い.殻口は広い円錐形.その口縁はや や厚く,堅く,広がり反転する. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:分布特性上重要(都 市近郊個体群:消滅危惧Ⅱ類)

ヤマクルマ Spirostoma japonicum japonicum 成貝 ♂ で殻長 6.3 mm,殻径 12 mm,メスはそ の 1 mm 内外大きい.殻はやや小さく,低い円座 状.螺層は 4 + 1/3 層,丸く広がる.殻色は黄褐色. 殻表は平滑で光沢がある.縫合は深く,体層は大 きく丸い.殻口はやや斜位で全縁. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方,甑島列 島 鹿児島県環境カテゴリー:分布特性上重要(都 市近郊個体群:準消滅危惧) Diplommatinidae ゴマガイ科 ヒダリマキゴマガイ Palaina pusilla 成貝で殻長 2 mm,殻径 1 mm 内外.貝殻はき わめて小さく,左巻きで卵型.螺層は 5 層.表面 には斜めの肋条がある.殻色は淡い黄色で光沢が

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和名 希少度評価 点数 Pt.1 Pt.2 Pt.3 Pt.4 Pt.5 Pt.6 Pt.7 Pt.8 Pt.9 Pt.10 Pt.1 1 Pt.12 Pt.13 Pt.14 Pt.15 Pt.16 Pt.17 サツマムシオイ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 ミジンヤマタニシ 分布特性上重要(離島個体群 ・ 都市近郊個体群 : 準消滅危惧) 0 2 1 1 2 0 0 28 2 0 0 14 0 1 0 0 0 0 ヒダリマキゴマガイ 準絶滅危惧 4 0 0 0 19 0 0 2 0 0 0 23 0 0 0 0 1 6 アツブタガイ(幼) 分布特性上重要 (都市近郊個体群:消滅危惧Ⅱ類) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 ヤマクルマ(幼) 分布特性上重要 (都市近郊個体群:準消滅危惧) 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 2 0 0 0 0 0 0 0 キュウシュウゴマガイ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 7 1 0 0 2 0 0 10 0 0 0 マルナタネ 準絶滅危惧 4 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 2 6 4 2 0 ヒラドマルナタネ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 4 1 0 0 0 0 コハクオナジマイマイ(幼貝) 分布特性上重要(都市近郊個体群:準消滅危惧) 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 タカチホマイマイ(幼) 分布特性上重要(都市近郊個体群:消滅危惧Ⅱ類) 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 3 1 1 0 0 0 1 0 ダコスタマイマイ 分布特性上重要(都市近郊個体群:準消滅危惧) 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 ツノイロヒメベッコウ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 0 0 0 0 0 ヒメベッコウ 準絶滅危惧 4 2 1 2 2 5 0 0 5 0 0 0 2 2 7 0 3 0 ヒラシタラ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 サツマヒメカサキビ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 0 0 0 ヒメカサキビ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 コシダカシタラ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 3 0 1 3 タネガシマヒメベッコウ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 6 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 ナミヒメベッコウ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1 タワラガイ 準絶滅危惧 4 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 11 0 0 0 1 0 オカチョウジ 分布特性上重要 0 0 0 0 1 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 6 スナガイ 準絶滅危惧 4 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 5 計 8 8 8 88 20 24 36 28 8 0 104 84 20 11 2 16 32 56 Table. 6 .各地点の陸産貝類各種の出現数に基づく得点表.

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ある.縫合は深い.初めの 2 層は平滑.第 3 層は 急に大きくなり,最終層は小さくなる. 県内での分布:下甑島,薩摩地方,大隅地方, 種子島,奄美大島 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 キュウシュウゴマガイ

Diplo mmatina tanegashimae kyusyuensis

成貝で殻長 2.7 mm,殻径 1.5 mm 内外.殻は小 さく,右巻き貝殻は肥満した紡錘系で,殻色は淡 い黄褐色.次体層が最大である.殻表の肋条は細 かく,弱い.最終層は正面で肋条が消えて,平滑 に近い. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 Pulmonata 有肺目 Acanthinulidae ナタネガイ科 マルナタネガイ Parazoogenetes orcula 成貝で殻長 2.1 mm,殻径 2.1 mm 内外.貝殻は 微小で,やや円錐形の球形.螺層は 3.5 層.螺塔 はやや高く,螺管が急に太くなる.殻色は黒褐色. 殻口は大きい. 県内での分布:下甑島,薩摩半島,大隅半島, 与論島に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 ヒラドマルナタネ Salpingoma japonicum 成貝で殻長 2.0 mm,殻径 1.7 mm 内外.殻は薄 くてもろく,丸みを帯びた螺状型.殻表に細脈が あり,殻口は著しく斜位で卵型.口縁はうすくて もろく,内唇はひろがり反転する.臍孔はある. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方,徳之島 に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 Bradybaenidae オナジマイマイ科 コハクオナジマイマイ Bradybaena pellucida 殻長 12 mm,殻径 15.5 mm 内外.螺層は約 5 層. 殻は小型で平べったい円錐形.殻色に,黄色型と 褐色型,色帯に有帯と無帯のそれぞれ 2 型があり, その組み合わせで,殻の色彩変異に 4 型がある. 殻は薄く半透明.殻頂部の中腸線が黄色く透けて 見える. 県内での分布: 薩摩地方,大隅地方,屋久島, 口永良部島,三島村に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:分布特性上重要(都 市近郊個体群:準消滅危惧)

タカチホマイマイ Euhadra herklotsi nesiotica 殻長 21–24 mm,殻径 33–36 mm.殻は本属で やや大型で,薄く,螺層は約 6 層.殻皮は明るい 黄色で,螺塔は円錐形.周縁の上下に肉桂色の色 帯がある.無帯あるいは暗褐色の臍孔域と周縁上 帯のあるものもある. 県内での分布:薩摩・大隅の南部,種子島,屋 久島北部に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:分布特性上重要(都 市近郊個体群:消滅危惧Ⅱ類) ダコスタマイマイ 

Trishoplita dacostae dacostae

成貝で殻長 8.5 mm,殻径 12 mm 内外.殻はや や球形の円錐形.先端は鈍い.やや半透明で光沢 があり,殻表は滑らか.殻色は淡い黄褐色.縫合 下は淡くなる.次体層と体層はより強く膨らむ. 殻表に細かい成長線と螺条が表れる.周縁は丸く, 殻底より丸くなる. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方,佐多岬 に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:分布特性上重要(都 市近郊個体群:準消滅危惧) Helicarionidae ベッコウマイマイ科 ツノイロヒメベッコウ Ceratochlamys ceratodes 殻長は 3.5 mm,殻径は 5.0 mm 内外.殻は小型 で,螺層は 5 層内外.殻色は黄褐色で,殻は薄く, 半透明で光沢が強い.周縁角は顕著で,その上に 溝があり,突き出る.縫合線が 2 重にあり,臍孔 はほとんどない. 県内での分布:薩摩半島北部,種子島に分布 する.

(15)

鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 ヒメベッコウ Discoconulus sinapidium 成貝で殻長 1.0 mm,殻径 1.8 mm 内外.貝殻は 微小で,螺層は 4 層.殻色は黄褐色で殻はやや光 沢がある.殻表には多くの放射所の線条が現れ, 螺塔は偏平した円錐形.縫合は浅く,狭い縁があ る.体層は特に増大しない. 県内での分布:薩摩地方,種子島,屋久島に 分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 ヒラシタラ Sitalina latissimi 成貝で殻長 1.5 mm,殻径 2.3 mm 内外.殻は著 しく小さく,螺層は 4 + 1/3 層.殻色は淡い黄白 色.螺塔は低い円錐形.螺層はわずかに膨れる. 体層や次体層の上面には複数の螺脈があり,深い 縫合によって分離されている. 県内での分布:大隅地方,鹿児島市,十島村, 喜界島,徳之島,沖永良部島,与論島 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 サツマヒメカサキビ Trochochlamys satsumana 成貝で殻長 2.4 mm,殻径 4.8 mm 内外.貝殻は 微小で,螺層が 5.5 層.殻色は淡い褐色で半透明. カサキビより著しく低い円錐形.螺層は緩やかに 膨れる.体層の周縁角は鋭く突起している. 県内での分布:薩摩地方南部,佐多岬,屋久島, 中之島に分布している. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 ヒメカサキビ 

Trochochlamys subcrenulata subcrenulata

成貝で殻長 2.2 mm,殻径 3.0 mm 内外.殻は微 小で螺層は 5 層.殻色は淡い褐色で半透明.カサ キビより著しく低い円錐形.螺層は緩やかに膨れ る.体層は特に増大しない.体層の周縁角は鋭く 突起している. 県内での分布:薩摩地方,屋久島,黒島,口 之島,中之島,悪石島,奄美大島に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 コシダカシタラ Sitalina circumcincta 成貝で殻長 2.0 mm,殻径 1.7 mm 内外.殻は著 しく小さく,螺層は 6 層.殻色は淡い茶褐色.螺 塔は高い円錐形.螺層はわずかに膨れる.縫合は やや深い.体層には底角がある.殻口はほぼ円形. 軸唇は垂直となる.臍孔は閉じる. 県内での分布:薩摩地方,佐多岬,屋久島,宝 島,奄美大島に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 タネガシマヒメベッコウ  Yamatochlamys tanegashimae 殻長 2.0 mm,殻径 3.8 mm 内外.貝殻は小型で 偏平,螺層は 4.5 層.殻色は褐色で,殻表には滑 らかな光沢がある.螺塔は低い円錐形で,先端は 鈍角となる.縫合は浅く,各層との間に縁がある. 体層周縁は丸い.殻口は三日月形で,やや斜位, その周縁は薄い. 県内での分布:薩摩・大隅,種子島,屋久島, 口永良部島,硫黄島,黒島,トカラ列島,奄 美諸島に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 ナミヒメベッコウ Yamatochlamys vaga 成貝で殻長 3.2 mm,殻径 4.4 mm 内外.殻は小 型で螺層は 6 層.殻色は黄褐色または赤褐色.殻 は薄く半透明で,光沢がある.螺塔は低い円錐形 で螺管はふくらみ,縫合は深い.周縁に弱い角が ある.殻口は広い半月形. 県内での分布:薩摩地方,種子島に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 Streptaxidae タワラガイ科 タワラガイ Sinoennea iwakawa 成貝で殻長 3.9 mm,殻径 1.5 mm 内外.貝殻は 小型筒形で,螺層は 6 + 1/2 層.殻色は白色.体 層に次ぐ 3 層の直径はほぼ等しい.上部の層は膨 れた円錐形で,殻頂の 1 層半を除き,他の各層に はやや斜めの多くの多くの細縦肋がある.殻口は やや小さく,やや丸みのある三角形. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方,種子島,

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宇治群島に分布する.

鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧 Subulinidae オカクチキレガイ科

オカチョウジガイ Allopeas clavulinum kyotoense 殻 長 10 mm, 殻 径 3.3 mm. 殻 は 7 + 1/2 層. 臍孔はほとんど閉じる.殻は小さな塔状.白色で 光沢があり,滑らかで目立たない皺の線条がある. 螺層の側面はややまっすぐで,その殻頂は鈍い. 深い縫合によって各螺層はよく膨れる. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方,宇治群島, 大隅諸島,トカラ列島,奄美群島に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:分布特性上重要 Gastrocoptidae スナガイ科 スナガイ Gastrocopta armigerella 成貝で殻長 2.0 mm 内外.殻はやや白く,内唇 の角板は強く表れる.内唇の内側はまっすぐか, あるいは螺旋状に曲がる.軸唇板は水平か内側の 下方に曲がる. 県内での分布:薩摩地方,大隅地方,種子島, 宝島,横当島,奄美大島,徳之島に分布する. 鹿児島県環境カテゴリー:準絶滅危惧  考察 種数と個体数についての考察 本調査の結果,薩摩半島南部地域の自然林ま たは人工林における 17 地点において,調査およ び同定作業の結果,2 目 9 科 20 属 22 種の合計 236 個体が採集された. 最も多くの種数が見られたのは Pt. 16 のメディ ポリス前(指宿市)と Pt. 8 の入来(薩摩川内市) であった.メディポリス前では,原始紐舌目 2 種, 有肺目 5 種の合計 7 種が確認できた.入来では, 原始紐舌目 3 種,有肺目 4 種の合計 7 種が見られ た.Pt. 16 メディポリスの採集地環境は,針葉樹 が広がる森の中の広葉樹が残る微環境であり,交 通量が比較的多い広い道路脇で,日光があまり当 たらず薄暗かった.落ち葉は厚く積もっており, 比較的新しかった.Pt. 8 入来の採集地環境は, 人家横の雑木林であり,落ち葉が厚く堆積してい た.また,道路脇から少し入ったところだったが, 人の出入りがあるようで,日光もよく差し込んで いた. 最も種数が少なかった地点は,Pt. 5 伊集院(日 置市),Pt. 6 冠岳(串木野市),Pt. 9 小山田町(鹿 児島市),Pt. 15 青隆寺(指宿市)の 4 地点で, 合計 1 種しか採集されなかった.Pt. 5 伊集院の 環境は,人家横であったが,木を人工的に植えら れた広葉樹林のようで,手入れがされたばかりな のか落ち葉がほぼ積もっていなかった.Pt. 6 冠 岳(串木野市)の環境は,針葉樹の森で交通量が 少なかった.Pt. 9 小山田町(鹿児島市)は,雑 木林の崖下(露頭)であり,頭上の雑木林まで 3mほどの段差があった.針葉樹のPt. 15青隆寺(指 宿市)の環境は,針葉樹の森で交通量が比較的少 なく,薄暗くて湿っていた.以上から,広葉樹ま たは雑木林で,かつ貝類のえさとなる落葉や腐葉 土が豊富な場所で種数が多いと考えられる. 個体数に注目してみると,最も多くの個体が 取れたのは,Pt. 11 の大黒温泉裏で 41 個体,次 に数が多かったのが Pt. 7 の郡山で 37 個体である. Pt. 11 の大黒温泉裏の環境は,交通量の非常に多 い道路に面した雑木林(主に竹林)で,土がよく 湿り笹などの落ち葉も堆積していた.Pt. 7 の郡 山の環境も,交通量が多い雑木林であった. 個体数が少なかったのは,Pt. 1の烏帽子岳神社, Pt. 2 の知覧山中,Pt. 3 の喜入山中, Pt. 9 小山田町, Pt. 15 青隆寺である.Pt. 9,15 に関しては上記の説 明と同じ環境であった.Pt. 1,2,3 は,どちらも交 通量が極端に少なく,針葉樹の森であった.以上 から,個体数が多い地域では,雑木林または広葉 樹で,ある程度の交通量や人の出入りがあると考 えられる. 種や個体について,共通して考えられること は,針葉樹林よりも,広葉樹林に陸産貝類が多く 生息しているということである. 最も多くの地点で発見できた種は,ヒメベッ コウガイであり,17 地点中 10 地点で採集するこ とができた.このことから,薩摩半島南部地域に おいて,ヒメベッコウガイは比較的汎存な種と考 えられる.また,マルナタネガイとヒラドマルナ

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タネについて,両種は指宿方面で採集されたので, そこを生息地のひとつとしているようである.タ ネガシマヒメベッコウにおいては,冠岳のみで 6 個体採集されたので,冠岳を主な生息地として見 ていい. 種多様度指数・類似度についての考察 各地点の Simpson の変形多様度指数について, 最も値が高かったのは Pt. 16 のメディポリス前の (指宿市)山林であり,その値は 5.54 であった. この地点は出現種数が最も多かった地点でもあ る.二番目に多様度指数の高かった地点は,Pt. 17 の長崎鼻(串木野市)であり,その値は 4.48 であった. 多様度指数計算によって求められた結果にお いて,前述の「結果」から考えると,多様度指数 が高まるのは,より多くの種数,そしてそれらの 種の各個体数が同数に近いほど値が大きくなる. Pt. 8 の入来と Pt. 16 のメディポリス前において, 同種数,同個体数が採れたにもかかわらず多様度 に差があるのは,メディポリス前のほうが種ごと の個体数に大きなばらつきが無かったためであ る.また,Pt. 5 の八房川について,5 種と比較的 多くの個体数が取れているにも関わらず,多様度 指数の値が小さいのも,種ごとの個体数にばらつ きが見られるからである. 類似度について,本研究では,調査エリアが 八重山方面と指宿方面の大きく二つに分けること ができる.しかし,はっきりとした傾向は読み取 ることができず,強いてあげるなら指宿方面の Pt. 12.14.15.16 にややまとまりが見られた程度で ある.八重山方面に至っては,隣接した調査地間 でも類似度指数が低く,これといった傾向は読み 取れなかった.指宿方面の Pt. 13 と類似している 地点もあれば,他とはまったく異なった種類相を 持つ地点もあった. 以上の結果は,量的類似度指数,質的類似度 指数の両計算でも,同じように「はっきりとした 傾向が読み取れない」ということが言えた.この 結果の要因として考えられるのは,陸産貝類の非 常に低い移動能力,生息地の環境の違い(針葉樹 や広葉樹,人の出入りや腐葉土の有無など)に影 響されやすいことが挙げられる.また,メディポ リス前の針葉樹林中の小さな広葉樹林や,小山田 町の崖下など,微細環境によっても生息に大きな 影響を受けると考えられる.本研究では陸産貝類 において,地点同士の距離が近くても必ずしも出 現する種に類似性が見られるとは限らないという 結論に至った. 希少種についての考察 以下の考察は,前述の「結果」の項(各地点 に出現したレッドデータブックに記載されている 種について)を踏まえて述べる. 最も点数が高かった地点は,Pt. 14 の池田湖で 合計点数は 112 点であった.次点で Pt. 11 の大黒 温泉裏で,点数は 104 点であった.最も低い点数 は,Pt. 10 の八重山山中で,点数は 0 点であった. 全地点を通して,分布特性上重要であるアツ ブタガイ,ヤマクルマガイ,コハクオナジマイマ イ,タカチホマイマイ,ダコスタマイマイの 5 種 が,他の準絶滅危惧にカテゴリーされている種よ りも出現数が少なかったが,その理由として,今 回の調査では見つけ取りによる採集を行わなかっ たため,肉眼で確認できる大きさの上記 5 種(本 調査で発見された個体は全て幼貝であった)が見 つからなかったことや,本調査地がこれらの種が 多く見られる都市部の荒地や道路脇ではなく,都 市から離れた自然林内や山中であったこと,もし くは本研究の調査が不十分だったことが考えられ る. 本調査は大掛かりなものではなく,採集方法 もその地点を完全に把握できるものであったとは いいがたい.にもかかわらず,今回の調査では多 くの準絶滅危惧にカテゴリーされている種が見つ かった.より正確かつ詳細を明らかにするために, 更なる細かいサンプリング(季節ごと,人員を増 やしての調査),コドラート法などを用いた調査 を行えば,より多くの,またはさらに貴重な希少 種の発見が期待される.

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 謝辞 本研究を行うにあたり,ご指導,ご助言を頂 きました鹿児島大学理学部地球環境科学科・多様 性生物学大講座・生態学研究グループの研究室の 皆様,特に,4 年生の皆様,大学院の皆様に心よ り感謝申し上げます.調査・計測・論文作成の際 に,ご助言,ご協力を頂きました.多様性生物学 大講座の生態学研究室の皆様に深く感謝いたしま す.本稿の作成に関しては,「鹿児島県レッドデー タブック第二版作成」の調査・編集作業予算(鹿 児島県自然保護課),日本学術振興会科学研究費 助成金の,平成 26・27 年度基盤研究(A)一般「亜 熱帯島嶼生態系における水陸境界域の生物多様性 の研究」 26241027-0001・平成 27 年度基盤研究 (C) 一般「島嶼における外来種陸産貝類の固有生態系 に与える影響」15K00624・平成 28 年度特別経費 ( プロジェクト分 ) -地域貢献機能の充実-「薩 南諸島の生物多様性とその保全に関する教育研究 拠点整備」,および,2016 年度鹿児島大学学長裁 量経費,以上の研究助成金の一部を使用させて頂 きました.以上,御礼申し上げます.  引用文献 東正雄.1982. 原色陸産貝類図鑑.保育社,東京.223 pp. 市川志野・中島貴幸 片野田裕亮・冨山清升.2014. トカラ 列島の陸産貝類の 生物地理学的研究 . 日本生物地理学 会会報,69:26–35. 鹿児島県.2016. 改訂・鹿児島県の絶滅のおそれのある野生 動植物 動物編 鹿児島県レッドデータブック 2016. 鹿 児島県.概説 p. 8, pp.183–333. 川名美佐男.2007. かたつむりの世界.近未来社.p. 14. 冨山清升ら.2016. 奄美群島の生物多様性 研究最前線から の報告.鹿児島大学生物多様性研究会編.南方新社, 鹿児島.Pp. 143–228. 今村隼人.2015. 鹿児島県北薩地方における陸貝類の分布. 2014 年度 鹿児島大学理学部地球環境科学科卒業論文. 竹平志穂.2015. 鹿児島県薩摩半島南部における陸産貝類の 分布.2014 年度 鹿児島大学理学部地球環境科学科卒 業論文.

参照

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