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労働者の異質化と労働組合の代表能力 : イタリアCOBAS運動の挑戦が意味したもの

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(1)

労働 者の異質化 と労働 組合の代表 能カ

ー イタ リアCOBAS運

動 の挑戦 が意味 したもの

岩 本

The Division

of the Working

Class and the Representativeness

of

Trade

Unionism

the Meanings

of the New Rank-and-file

Activist

Groups'

Challenges

in Italy

Sumy

Iwamotto

The changes in the occupational and industrial structure of employment have a

im-pact on a social and organizational

fragmentation

of union movements. Blue—colar

workers in manufacturing

become a smaller minority within the labour movements.

They had already lost their dominant position in the 70's. A scholar points out that

unions in the 80's have faced four crises : of intrest aggregation : of employee loyalty

: of representativeness

: and of organizational scleroSis.

In many countries the largest unions are now in the public sector. In Italy the

three major union confederations (Cgil, Cisl, Uil) are challenged by new rank-and-file

activist groups autonomous of the unions in the public sector. These new emergent

grdups (COBAS) have achieved significant success in challenging the bargaing

post-ure of the major confederal leaderships.

This paper argues what mean four crises above indicated of italian major

confed-erations, tradional solidaristic

trade unionism by the challenges of new, emergent

groups.

1「 遅 れ て きた」 大衆 的 組合 主義 80年 代 に 支 配 的 な ネ オ ・リ ベ ラ リズ ム を 基 底 に し た ア メ リ カ の 規 制 緩 和,イ ギ リ ス の 民 営 化 の 潮 流 は,公 共 費 の 増 大 と 累 積 す る 慢 性 的 財 政 赤 字 に 苦 し む イ タ リ ア に も 無 縁 で は な か っ た 。80年 代 半 ば か ら,60年 代 に 肥 大 化 し た 国 家 持 株 会 社IRI傘 下 企 業 の 民 営 化(1)が 始 ま り,他 に 先 駆 け て, 国 鉄AziendaautonomaFerrovieridelloStatoは86年,独 立 し た 法 人 格 を 有 す る 国 鉄 公 社(公 共 企 業 体)EnteFerroviedellσStato(2)へ,そ し て92年,株 式 会 社 化 さ れ る 。 市 場 の コ ン ト ロ ー ル 機 能 の 導 入 に よ っ て,伝 統 的 に 問 題 と な っ て い る 公 共 部 門 の 低 生 産 性,非 効 率 の 改 善 を達 成 し よ

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う とす るの で あ る。 多様 な 内 容 を有 す る プ ライ バ タ イ ゼ ー シ ョ ンは,企 業 体 の資 本所 有 や 経 営 管 理 の 民 営 化 の み な らず,公 務 員 の 労 働 関係 の そ れ を も含 ん で い る 。 資 本 の 所 有 移 転 や 法 人 化 な どの 結 果 と して 生 ず る そ の 従 業 員 の 公 務 員 身 分 か らの離 脱 は勿 論 の こ と,公 務 員 の 身 分 を維 持 した ま ま労 働 関 係 そ の もの が 私 法 に 基 づ い て 規 制 さ れ る場 合 で あ る。83年 「公 務 員 及 び公 共 部 門 の雇 用 に 関 す る 基 本 法(3)」 は,公 共 部 門 の労 働 関係 に 関 す る事 項 の 団 体 交 渉 化 を始 め,労 使 関 係 の 一 部 プ ラ イ バ タ イ ゼ ー シ ョン化 を実 現 し,そ の 改 正 と して の92年10月 法 律 第421号 「公 務 員 及 び公 共 部 門 に お け る雇 用 の 改 革(4)」 は,公 共 部 門 の 労 使 関係 の よ り一 層 の プ ラ イ バ タ イ ゼ ー シ ョ ン化 を進 め る も の で あ っ た 。 労 働 生 産 性 の 向 上,公 共 サ ー ビ ス の 効 率 化 を 目的 と して 制 定 され た 「基 本 法 」 に よ っ て もた ら され た状 況 を め ぐ って 登 場 したCOBASの 新 しい攻 撃 的 な紛 争 行 為 が,公 共 部 門 の 低 生 産 性 と非 効 率 を さ らに助 長 し た の で あ る。 前 稿 で 考 察 した 諸 分 野(産 別)で 誕 生 したCBOBASの 共 通 す る 特 徴 は,次 の 通 りで あ る 。 労 使 関係 シス テ ム にお け る紛 争 発 信 者 は,歴 史 的 に工 業 部 門 の ブ ル ー カ ラ ー で あ った が,公 共 部 門 サ ー ビ ス部 門 を軸 に した ホ ワ イ トカ ラー へ とそ の 中心 が シ フ トし,三 大 労 組(cgi1,cisl,uil) の枠 外 で 発 生 した ば か りか,か れ らの不 満 や 攻 撃 の 第 一 の 鉾 先 が 労 使 関係 の 敵 手 で あ る使 用 者 に で は な く,こ れ ら三 大 労 組 に向 か っ た 。 こ の既 成 労 組 と区別 され るか れ らの 要 求 内 容 も,外 部 に 対 す る排 外 主 義,内 部 に対 す る平 等 主 義 を基 礎 に す る 同質 的 な もの で あ った 。 且 つ,公 共 サ ー ビ ス 部 門 に あ た る た め に,ス トラ イ キ を始 め と した 争 議 行 為 手 段 は高 度 な損 傷 力 を も って お り,プ ラス とマ イ ナ ス の デ モ ン ス トレー シ ョン効 果 を引 きだ した こ と につ い て も相 違 は な か っ た 。 そ して,何 故,87年 以 降 にCOBASが 登 場 し,そ の 紛 争 が 集 中 した の か に つ い て は,83年 「基 本 法 」 が,本 格 的 に 適 用 され る初 め て の 労働 協 約 改 訂 で あ っ た こ と を既 に指 摘 した。 「基 本 法 」 は,70年 代 の 絶 頂 期 に あ っ た 三 大 労 組 の志 向 す る ネ オ コ ーポ ラ テ ィズ ム に み あ った 公 共 部 門 にお け る労 使 関 係 の再 編 で あ っ た 。 多 様 な職 種 に 分 割 され る公 務 員 を単 純 化 した職 務 分 類,平 準 化 し た賃 金 に編 成 す る こ とに よ って,労 働 組 合 の 組 織 的集 中 お よ び集 権 化 を背 景 と し た三 大 労 組 の 代 表 権 の独 占化,労 働 関係 の 団 体 交 渉 化 と集 権 化 を法 的 に承 認 した の で あ る 。 す な わ ち,公 共 部 門 へ の 工 業 型 の 大 衆 的 組 合 主 義 の 移 転 で あ り,そ の ミス マ ッチ がCOBASの 異 議 申 し立 て と して表 現 され た 。 時 す で に,少 な く と も民 間 部 門 に お け る労 使 関係 シ ス テ ム は,ネ オ コ ーポ ラ テ ィズ ム,組 合 と 国 家 の 関係 が優 位 に た つ 協 調 局 面 か ら,組 合 と個 別 企 業 の 関 係 が 中軸 に な る フ レキ シ ビ リテ ィ ー 局 面(5)に 移 行 して い た 。 労 使 関 係 をめ ぐ る状 況 と大 衆 的組 合 主 義 の 移 転 の位 相 の ズ レが,こ の 時 期 に紛 争 を集 中化 し た主 要 な要 因 を い え よ う。 公 共 部 門 へ の 「遅 れ て きた」 大 衆 的 組 合 主 義 と 呼 ぶ こ とが で きる 。 本 稿 で は,続 い て位 相 の ズ レ に不 満 を もつ 人 々 がCOBASに 結 集 し,三 大 労 組 の 代 表 能 力 を危 ノ 機 に 陥 れ る まで の紛 争 の 高 揚 が 可 能 で あ っ た の か を,鉄 道 の 機 関士COBASを 例 題 と して 考 察 す る。 対 象 とす る 時 期 は,必 要 に応 じて そ れ 以 前 に遡 る こ と もあ る が,COBAS誕 生(87年)か ら 鉄 道 公 社 が 株 式 会 社 化 す る92年 半 ば ま で で あ る。 ま ず,特 定 の 職 種 を基 礎 と す る 要 求 を もつ COBASが 投 げ か け た 問 題 点 は,三 大 労 組 の 労 働 者 の 利 害 を代 表 す る能 力 で あ る 。 こ の代 表 能 力 の 問 題 は,そ れ 以 前 か ら進 行 して い た代 表 権(の 独 占)問 題 と結 合 して 論 議 さ れ る よ う に な る。 これ を次 節 で 扱 い,代 表権 の 独 占 を組 織 的 に 支 え る産 別 組 合 の 再 編 過 程 を不 満 の 集積 過 程 と して 検 討 した 後(3節),機 関 士COBASの 誕 生 か ら凋 落 を みせ 始 め た 局 面 ま で の 運 動 の 推 移 を概 観

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す る(4,5節)。 6節 で は,オ ル ソ ンの 集合 行 為 論 の 分析 枠 組 み を一 部 借 用 し,三 大 労 組 との対 比 に お い て 機 関 士COBAS運 動 の 発 生,成 長,衰 退,変 化 の 過 程 を考 察 す る 。 運 動 が 発 生 す る ま で の 過 程 分 析 を 得 意 とす る社 会 学 に伝 統 的 な 集 合 行 動 論 に 対 し,オ ル ソ ン ・モ デ ル は,発 生 以 後 の 過 程 分 析 に集 中 す る(6)。不 満 や そ の 集 積 は,集 合 行 為 に無 媒 介 的 に 転 化 しな い 。 こ の不 満 と運 動 を媒 介 す る 要 因 が,オ ル ソ ン ・モ デ ル の 正 負 の選 択 的 誘 因 で あ る。 しか し,資 源 動 員 論 者 の 中 か ら も,オ ル ソ ン ・モ デ ル は,功 利 主 義 的 な経 済 合 理 性 仮 説 に 基 づ き,イ デ オ ロ ギ ーや 連 帯,集 団 意 識 な どの 要 因が 軽 視 な い しは 二 次 的 に しか扱 わ れ て い な い と指 摘 さ れ る(7)。 この 点 に つ い て 充 分 考 慮 した が,本 稿 の仮 説 は,70年 代 ま で の イ デ オ ロギ ー要 因 の 作 用 がCOBASの 登 場 を許 す80年 代 後 半 に は弱 体 化 し,合 理 的 判 断 に基 づ く行 為 次 元 が 拡 大 し た こ と に あ る。 2三 大 労 組 の二 重 の 危 機一 代表 権 と代 表 能 力(8) 労 働 者 の利 害 代 表 機 関 と して の 労 働 組 合,中 央 レベ ル の ナ シ ョナ ル セ ン タ ー と して そ の役 割 を 担 う総 連 合(三 大 労 組)が 労 働 法 上 の概 念 と し て 如何 に して 使 用 さ れ て きた か を,M.ナ ポ リは 次 の よ うに述 べ て い る(9)。憲 法 制 定 か ら70年 の 労 働 者 憲 章(法 律 第300号)制 定 ま で は,憲 法 第 39条(労 働 組 合 組 織 の 自 由)を 基 礎 と して,産 別 レベ ル の 組 合 が 優 位 な位 置 を 占 め ,総 連合 に関 す る法 文 上 の 表 記 は な か っ た。 労働 者 憲 章 第19条(企 業 内 労 働 組 合 代 表 機 関 の 設 立)は,代 表 機 関 で あ る組 合 の 確 実 な 指 標 と して総 連 合 を位 置 づ け た 。 「… 全 国 段 階 で,主 に代 表 的 な連 合 に加 入 す る結 社 … 」 な る表 記 を もっ て,イ タ リ ア の伝 統 的組 合 は連 合 で あ る こ とが 法 的 に承 認 され た の で あ る 。 これ は,公 的機 関 へ の組 合 参 加 が 求 め ら れ た場 合,参 加 す る代 表 組 合 の選 択 に際 し対 立 や紛 争 を防 止 す る た め に,行 政 判 決 に基 づ い て 定 式 化 され た 。 そ の後,総 連 合 へ の法 的 支 持 を越 え た 連 合 概 念 の 乱 用 期 が 続 く。 三 大 労 組 の 中 央 レベ ル,周 辺 (産 別,地 域,企 業)レ ベ ル に お け る労 働 者 代 表 機 能 の集 中 と排 他 性 を促 進 す る状 況 と して 顕 在 化 す る。 明 白な 特 定 の法 の 制 定 に結 び つ く労 働 協 約 が 締 結 され,総 連 合 の特 権 化 が 著 し くな るが, そ の 頂 点 が83年 「基 本 法 」 制 定 で あ った 。 こ れ に よ っ て連 合 は,労 働 者 の代 表 権 を独 占す る機 関 で あ り,そ の 代 表 能 力 を有 す る機 関 と同 義 語 で あ る こ とが,承 認 さ れ た の で あ る。 しか し,80年 代 下 半 期 に は,多 数 者 を代 表 す る 組 合 の法 的概 念 の危 機 を迎 え る。 そ の結 果,公 務 員 お よ び 公 共 部 門 の総 部 門 協 定(88年8月23日 大 統 領 令 第395号),公 務 省 通 達(88年10月28日 第25518号)に み られ る よ う に,団 体 交 渉 の 交 渉 権 者 の資 格 は,従 来 の 多 数 者 の 代 表 能 力 か ら最 小 の 代 表 能 力 へ,そ の強 調 点 が 移 行 した 。 こ の法 的 概 念 の 危機 は,当 然 な が ら,現 実 の危 機 の 反 映 で あ る 。COBASな どの 新 しい 集 合 行 為 者 の登 場 は,代 表 権 の 独 占 の 危 機 を 白 日の 下 に 晒 し, か つ 尖 鋭 化 した が,危 機 そ の もの の始 ま りで は な い 。 か れ らの 総 連 合 に対 す る,代 表 され る者 の 代 表 す る者 に対 す る批 判 と挑 戦,す な わ ち,代 表 権 を独 占 す る 総 連 合 に対 し,限 定 さ れ た 範 囲 で あ って も労 働 組 合 の 一 定 部 分 の 利 害 を代 表 して,団 体 交 渉 に お け る正 式 な交 渉 権 者 と して の承 認 を 求 め た か らで あ る。 こ こか ら,総 連 合 の 代 表 能 力 の 危 機 と して 論 議 が 始 ま る 。 この 危 機 は,組 合 民 主 主 義 の 問 題 で あ る と同 時 に,総 連 合 の 紛 争 管 理 能 力 の 問 題 で もあ っ た 。 確 か に,80年 代 初 め よ り,総 連 合 は,代 表 権 の危 機 に直 面 して い た 。 こ の代 表 権 の 危 機 は,そ の 背 後 に 労 働 者 の組 合 離 れ や 無 関 心,総 連 合 の 組 合 組 織 率 の低 下,と くにCgilの 衰 退 傾 向 が 存 在 した が,直 接 的 に は連 合 の 統 一 体,す な わ ち総 連 合 の危 機 を 意 味 した 。70年 代 下 半 期 よ りネ オ

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コ ー ポ ラテ ィ ズ ム化 を はか っ た総 連 合 は,79年 以 降,そ の 内 部 に幾 度 もの 緊 張,不 和 を経 験 し, ス カ ラ ・モ ー ビ レの 存 廃 を め ぐ って84年 の分 裂 に至 る。 中 央 レベ ル の ナ シ ョナ ル セ ン ター の み な らず,職 場 レベ ル に お い て も(民 間 部 門)72年 以 来 の 代 議 員 評 議 会(い わ ゆ る工 場 評 議 会(10)) が 終 わ りを告 げ る。 公 共 部 門 で は保 険衛 生 セ ク タ ー を 唯 一 の 例 外 と して,代 議 員 評 議 会 が 民 間企 業 の よ う に職 場 の す み ず み に まで 発 展 して い なか っ た 。代 表 権(の 独 占)の 危 機 に含 まれ る諸 要 因 の 中,こ の 職 場 レベ ル の統 一 組 合 機 関 をい か に再 編 す るか の 問題 と,先 の代 表 能 力 の 危 機 問 題 が 絡 み 合 う。 組 織,団 体 交 渉 の あ らゆ る レベ ル に お け る三 大 労 組 の 代 表 機 能 の 集 中 と排 他 性 の 増 大 化(法 的 概 念 に お け る総 連 合 の 乱 用 期)は,70年 労 働 者 憲 章 に依 拠 した 企 業 レベ ル で の 代 表 機 関(代 表 権)の 独 占 と して現 出 した 。 こ れ は,代 表 能 力 に 危 機 を も た らすCOBASの 出現 に 関 連 す る もう 一 つ の重 要 な 問 題,ス トラ イ キ の 自主 規 制 規 範 と連結 して い た 。 ス トの 自 主 規 制 法 と して の83年公 務 員 基 本 法 」 成 立 以 前 ,労 使合 意 に よる自主規 制規範 が制定 されて いた産別,企 業 も存 在 し て い た 。 ス トラ イ キ の 規 制 は 自主 的 な範 囲 に と どめ るべ き との 考 え の上 に た って,規 範 制 定 の 目 的 は,あ くまで も不 可 欠 なサ ー ビス の継 続 保 障 お よ び施 設 の 保 護 で あ り,ス トラ イ キ行 使 に対 す る抑 制 の 強 要 は,避 け るべ きで あ る と考 え られ た 。 そ れ故 に,小 規 模 で 周 辺 的 な波 及 力 の な い ス トは放 置 され,か つ,自 主 規 制 規 範 を採 択 しな い 組 織 に対 して,規 範 の拘 束 力 は及 ば なか っ た 。 こ れ は,三 大 労 組 が 職 場 に お け る代 表 権 を独 占 し,か つ 労 働 者 の最 大 多 数 を掌 握 して い た民 間 部 門 に お い て 不 都 合 は な く,適 合 的 な論 理 で あ った 。 しか し,三 大 労 組 と競 争 関 係 に あ る独 立 組 合 の 影 響 力 の 強 い公 務 員 部 門で は,整 合 性 を もた な か った 。 国鉄 で も,71年 に 始 め て 規 制 規 範 が 制 定 され た 。70年 代 に先 達 の独 立 組 合 を追 い 抜 い て 多 数 派 に な った 三 大 労 組 は,職 場 の代 表 機 関 お よび 団 体 交 渉 権 の独 占 を背 景 に,独 立 組 合 へ の 参 加,共 同 を 求 め る こ ζな く,ス ト規 制 規 範 の 起 草 を単 独 で 行 った 。 こ の よ うな 三 大 労 組 の 排 他 性 は,「 独 立 組 合 の 規 制 規 範 の 採 択 拒 否 を促 進 し,か つ 容 易 に し」,ま た,「 労働 基 準 の 自給 自足 圏 内 に ス トラ イ キ を配 置(11)」 した の で あ る 。 三 大 労 組 に よ る代 表 権 の 独 占 は,周 辺 的 争 議 の 放 任 主 義 と裏 腹 の 関係 に あ り,こ れ が,COBAS誕 生 を可 能 にす る主 要 な要 因 の一 つ で あ る。 後 に 明確 に な る よ う に,規 制 規 範 の 採 択 は,正 式 な 団体 交 渉 権 取 得 を承 認 す る 「踏 み 絵 」 の機 能 を果 た す が,規 範 を 採 択 した 最 大 手 の独 立 組 合Cisal(187万 人,63産 別 組 合 連 合)は,83年 「基 本 法 」 制 定 ま で ,三 大労組 と同 じ交渉 テーブル に着 くことにはな らなか った。 91年3月 初 旬,企 業 内 統 一 組 合 組 織 に 関 す る 総 連 合 間協 定(12)が成 立 す る 。 末 端 の 企 業 レベ ル で 労 働 者 の利 害 を代 表 す る 能 力 の あ る者 が代 表 機 関 を構 成 す る こ と に よ っ て,こ の 数 年 を支 配 し て き たCOBASに 代 表 され る紛 争 原 理 を交 渉 原 理 に移 行 させ る 。 す な わ ち特 殊 利 害 集 団 の 発 生 を 最 小 化 す る こ とが,そ の 基 本 的 な 目的 で あ る。 工 場 協 議 会 に代 わ っ て,企 業 内 の 新 た な組 織 構 造 と してRUS統 一 組 合 代 表 機 関 の 設 立 が 合 意 さ れ た 。RUS代 議 員 は,当 該 企 業 の 全 従 業 員 の 選 挙 に よ っ て選 出 さ れ,被 選 挙 候 補 者 の 資 格 は,三 大 労 組 な い し は投 票 権 者 の5%の 署 名(既 述 の 最 小 の代 表 能 力)を 集 め た正 式 な組 織 に与 え られ る。 そ して,選 出 され る代 議 員 は,2/3が 三 大 労 組 へ の 比例 配 分,残 り1/3が 投 票 結 果 に基 づ い て候 補 の 被 選 挙 組 織 に配 分 され る(後 者1/3の 三 大 労 組 得 票 分 は 三 者 に 均 等 配 分)。 す な わ ち,全 従 業 員 の代 表 と特 定 の組 合 代 表 とい う二 重 の 代 表 権 の正 統 性 に基 づ い た 単 一 チ ャ ン ネ ル と して 成 立 す る 。 さ ら に こ の協 定 は,93年7月 の政 労 使 間 協 定(13)に 若 干 の 修 正(2/3が 得 票 結 果 に基 づ く配 分,1/3が 全 国 労 働 協 約 調 印 組 合 に よ る 指 名) を加 え て 盛 り込 まれ る。

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総 連 合 の 代 表 権 お よび 代 表 能 力 につ い て の この 選 択 は,長 くて深 刻 な 二 重 の危 機 を経 験 した に も拘 らず,基 本 的 に70年 代 の延 長 線 上 に あ る と言 っ て よい 。 全 従 業 員 の5%以 上 の代 表 候 補 要 件 と,全 国 労 働 協 約 の正 式 交 渉 権 者 で あ りか つ 調 印 し た組 織 に留 保 され る1/3の 代 議 員 配 分 は,何 を意 味 す るの か 。 三 大 労 組 外 か らの 挑 戦 に よ って 生 じた 代 表 能 力 の危 機 を,こ れ ら挑 戦 者 の排 除 に よ って 回避 し,さ らに,代 表 権 の 統 一 を回 復 す る こ とに あ る。 鉄 道COBAS運 動 の 推 移(4, 5節)で 具 体 的 に 明 らか に な る よ う に,新 しい 集 合 行 為 者 の 要 求 を伝 達 す る正 規 の 回 路 を実 質 的 に 閉鎖 し,三 大 労 組 の代 表 権 の独 占 を ほ ぼ 変 わ らず に維 持 す る こ とに な るの で あ る 。 代 表 権 の独 占(連 合 統 一)お よ び代 表 能 力 の 二 重 の危 機 は,相 互 に 関 連 しつ つ 危 機 を深 化 して き た 。 三 大 労 組 の 中,Ggilが もっ と も深 刻 な危 機 に見 舞 わ れ た の は何 故 か 。 第 二(代 表 能 力) の 危 機 は,第 二 次 産 業 の 生 産 労 働 者(と くに 半 熟 練 工)を 軸 に した大 衆 的(な い しは 階 級 的)労 働 組 合 主 義 の 危 機 で あ る。 産 業 構 造 の 変 化 に伴 う労 働 力 構 成 の 変 化 に も っ と も深 刻 な 打 撃 を受 け た の は,Cgilで あ っ た 。 と くに,ブ ル ー カ ラ ー か らホ ワ イ トカ ラ ーへ の 労働 力 の重 心 の 移 行,労 働 力 全 体 に 占め る工 業 労 働 者 の量 的 減 少 は,す べ て の労 働 組 合 に対 し一 様 に影 響 を与 えた の で は な く,工 業 の ブ ル ー カ ラ ー が 組 織 員 の 中核 で あ っ たCgilに 大 き な 影 響 を及 ぼ した 。 他 方,Cisl お よびUilに と っ て は,Cgilに 比 べ て,工 業 部 門 の 組 織 化 が 進 ん で い なか っ た た め,逆 説 的 に打 撃 の程 度 は 大 き くな か っ た 。 ラ ・バ ッ レが 指 摘 す る よ う に(14),産 業 構 造 と労 働 市 場 の 変 化 に伴 う工 業 労 働 者 比 率 の 変 化 が 組 合 組 織 率 に及 ぼ した 影 響 は,Cgilに 対 して組 織 の 内 部 的 弱 体 化 と し て 現 出 し た。 しか し,CsilやUilに 対 して は,深 刻 な打 撃 を伴 わ な い 組 織 内 の 中 心 セ ク タ ーの 代 替 で あ った 。 そ れ で はR.ハ イ マ ンが 指 摘 す る よ う に(15),各 組 合 間 の組 織 基 盤 が 均 衝 化 す る こ とに よ って, 連 合 間 の 連 帯 が 強 化 され る の で はな く,何 故 に 分 裂 の維 持 に向 か っ た の か 。 こ こ で,第 一(連 合 統 一)の 危 機 と連 結 す る。 大 衆 的 労働 組 合 主 義 を基 礎 に 追 求,展 開 され た 国 民 的 協 調 体 制(ネ オ コ ー ポ ラ テ ィズ ム)の 危 機 で あ る。 そ の背 後 に は,イ デ オ ロギ ー の終 焉 要 因 が あ る。 第 一 の 危 機 は,「 組 合 の戦 略 的 選 択,政 治 的 関 係 に 関 連 した 政 治 マ トリ ッ ク ス(16)」上 の 分 裂 を 意 味 す る。 「組 合 の 志 向 を資 本 主 義 内 で 作 用 す る戦 術 的 命 令 に従 属 させ 」,「 経 営 管 理 に 挑 戦 す る非 経 済 的 目 標 を抑 圧 し,使 用 者 の 現 実 的 求 め に 従 う(17)」戦 略 的,政 治 的選 択 の 変 更 圧 力 を専 ら受 け た の は Cgilで あ った 。 こ の よ う に二 重 の危 機 は,Cgilを 深 く,広 く直 撃 した の で あ り,い わ ばCgilの 危 機 と もい え る だ ろ う。 しか し,上 記 の91,93年 の 選 択 に は,危 機 の経 験 が い か され て い る と は い え ず,し ば し ば指 摘 され る よ うに,三 大 労 組 は二 重 の 危機 を理 解 して い た の か疑 問 で あ る。 3産 別 労 組 の合 体化 と国鉄 の民 営化(機 関士COBASの 潜 行 期)

機 関士COBASが 教 員 そ の 他 のCOBASと 異 な る点 の 一 つ は,COBASが 誕 生 す る ま で の 前 史 が

極 め て 長 い こ とで あ る(こ の前 史 を次 節 の 時 期 区分 で は 「潜 行 期 」 と よぶ)。 潜 行 期 は,COBAS リ ー ダ ー お よ び 中心 的 メ ンバ ー の 母 体 で あ った(あ る)三 大 労 組 の組 織 再 編 と国 鉄 の経 営 ・制 度 の 改 変(民 営 化 へ の 過 程 とそ れ に伴 う リス トラ)を 背 景 に して い た。 三 大 労 組 の組 織 再 編 は,72年 の 総 連 合 の結 成(三 大 労 組 の 統 一 化)に 適 合 す る産 別 組 織 と して の 再 編 統 合 計 画(18)で あ り,合 体 化accorpamentoと 呼 ばれ た。 産 別構 造 の新 組 合 戦 略(当 該 セ ク タ ー の政 策 決 定 へ の組 合 参 加)へ の 適 合,同 一 セ ク タ ー の 団 体 交 渉 の 同 質化 を促 進,総 連 合 の 枠 内 で の組 合 指 導 の調 整 を助 け,力 の 分 散 ・資 源 の 浪 費 を 回 避 す る こ とが そ の 目的 と して掲 げ られ

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た。 そ の 結 果,三 大 労 組 の 産 別 編 成 は相 互 に同 質 化 され る。 合 体 化 が 構 想 化 され た70年 代 初 め は,「 熱 い 秋 」,総 連 合 の結 成 を背 景 に,民 間 ・工 業 部 門 の 大 衆 的 労 働 組 合 運 動 の 攻 勢 の 時 期 で あ った 。 総 連 合 に よ る 中央 レベ ル で の 政 治 的意 思 決 定 へ の 参 加 と同 時 に,各 産 別 組 合 に よ るセ ク ター レベ ル で の政 策 決 定 へ の参 加 を 目指 した戦 略 で か あ った 。 こ の 戦 略 に沿 った 組 織 改 革 計 画 が よ うや く具 体 化 され つ つ あ る 時,総 連 合 を包 囲 す る政 治 ・経 済 的環 境 の変 化,そ して戦 略 そ の もの の 転 換 を余 儀 な くされ て い た 。 しか しそ の後 も,合 体 化 政 策 は 依 然 と して 変 更 さ れ る こ と な く生 き続 け る。L.コ ダ ラ は,そ の 結 果,合 体 化 政 策 は 総 連 合 (中央 レベ ル)の 集 権 化 の 目的 に合 っ た組 織 合 理 化 の 作 用 で 終 わ り,公 務 員 の 典 型 的 と もい え る 特 殊 利 害 表 明 の 衝動 を抑 制 す る手 段 と化 した と指 摘 す る(19)。 交 通 運 輸 部 門 の 合 体 化 は,文 字 どお り鉄 道,航 空,各 地 域 の 公 共 輸 送 機 関,港 湾,ハ イ ウ ェ ー, トラ ック輸 送 な ど の部 門 を糾 合 化 す る もの で あ る 。 三 大 労 組 の 中 で も と くに合 体 化 志 向 が 強 く,

そ の 結 果 の 組 織 集 権 化 の 程 度 が 著 しい のがcgilで あ り,cislお よ びuilな 相 対 的 に強 くな い(20)。

Cislゐ そ の 過 程 は,77年 に7産 別 組 合 が参 加 してFitイ タ リ ア運 輸 同盟 が 結 成 され たが,各 産 別 組 合 が 自 主性 な らび に外 部 へ の正 統 性(組 合 員 登 録 の 承 認,団 交 の 責 任 な ど)を 留 保 して お り, Fitは 内 部 調 整 機 能 し か も た な い 多 元 構 成 の 上 部 構 造 で あ り,い わ ば 産 別 組 合 の 組 合 で し か な か っ た。 そ の 後,85年 に産 別 組 合 が 解 散 し,単 一構 成 に よ る財 政 的 自律 性 お よ び指 導 機 関 の統 一 性 が 保 障 され,組 合 員 登 録 の 承 認,協 約 調 印権 も新 しい 規 約 に基 づ い てFitに 与 え られ た 。 しか し,現 実 に は そ の後 も長 期 に渡 って,産 別 組 合 が 新 規 約 の 実 施 を遅 らせ 旧 態 通 りに影 響 力 を行 使 し続 け,と くに分 権 レベ ル で のFitの 存 在 は 「空 の 箱(21)」 で しか な か っ た。

Cgilの 組 合,産 別 組 合 は まずFistイ タ リ ア運 輸 組 合 連 盟 に,次 い で79年 にFiltイ タ リ ア運 輸

労 働 者 連 盟 に統 合 され た 。Cisl/Fitと 同 様 に,第 一 段 階Fistで は産 別 組 合 に は一 定 の 自主 性 が 留 保 され て い た が,「 包 括 的 」 組 織Filtへ の 改 組 に伴 っ て 各 産 別,職 種 の 特 殊 利 害 の 表 明 は制 限 さ れ,全 般 的 利 害 に従 属 を求 め られ る。 また,組 織 の大 規 模 化 に伴 っ て,指 導 機 関へ の 職 種 の 代 表 派 遣 機 会 が 乏 し くな り,要 求伝 達 能 力 が劣 化 す る。 こ の 間 の状 況 を象 徴 す る 出来 事 と して指 摘 され る の が,Filtの 結 成 と引 換 に決 定 され た機 関 士 職 のCgil機 関 誌 「進 行 」Inmarciaの 廃 刊 で あ っ た 。機 関 誌 「進 行 」 の 存 在 は,フ ァ シ ズ ム 期 の 休 刊 を 除 く と,1908年 の 創 刊 以 降79年 まで,多 数 派 で あ っ たCgil所 属 の,勤 務 地 お よ び 労働 時 間 が ば ら ば らな社 会 的 孤 立 を労 働 の特 質 とす る機 関士 を相 互 に結 合,討 論 を保 証 す る貴 重 な資 源 で あ っ た。 合 体 化 構 想 が 始 ま る以 前 の64年,機 関 士 の組 合 組 織 率 は90%,そ の 中Cgilが76%(22) を 占 め て い た 。80年 代 末 の 組 合 勢 力 比(図1,表1)と 比 較 す る と,Cgilは 半 分 以 下 に 減 少 して い る こ とが 判 る。 そ の多 くは,独 立 組 合Fisafsへ と流 出 して い っ た。 64年 に 独 立 組 合 の 連 盟 と して 結 成 さ れ たFisafsは,団 体 交 渉 の 正 式 な 交 渉 権 者 の 資 格 を獲 得 す る こ とを 目的 と し,少 な く と も80年 代 前 半 ま で,職 種,部 門 を軸 に した 出 身 母 体 の特 殊 性 を否 定 す る こ と は な か っ た 。70年 代 半 ば 以 降 の10年 間 にUilを 凌 ぐ成 長 を期 し,78年 にCisalに 合 流 し,87-9年 労 働 協 約 改 訂 交 渉 に お い て始 め て三 大 労 組 との 共 闘 が 成 立 す る。 そ の 中 で50年 代 初 め に設 立 さ れ たSma機 関 士 ・機 関 士 助 手 組 合 は,Fisafsの36%を 占 め,後 に 見 る よ う に89年 末 以 降 のCOBASと の 共 闘 は,「 包 括 的 」 組 織 と な り,正 式 交 渉 権 の 資 格 を得 たFisafsの 特 殊 利 害

の 排 除 姿 勢 と衝 突 し,90年 初 め にFisafsを 脱 退 し,COBASへ 合 流 す る。 そ の 結 果,Cgilと 共 に

機 関 士 部 門 に お け る 二 大 勢 力 を担 って い たFisafsは,機 関 士 の構 成 員 の 全 て を失 う こ とに な る。

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図1-a各 組 合 の 部 門 別 組 織 率(1987年1月) 全 体 事務部門 駅務部門 旅客部門 機 関部 門 技術部 門 出 典:L.Bordogna,Rapportidisettore,inG.Urbani(ed),Gliattori.op.cit,p.158よ り 作 成 図1-b各 組 合 に 占 め る 機 関 士 の 比 率 CgilCislUilFisafs 出 典:『llSole.24Dre』87年9月24日 号;LBordogna,Relazionisindacalicfra!nmentazione deltarappcsentanzanellefarovie.opcit..p.171よ り 作 成 。 表1国 鉄 内各組 合組 合 員数 の推移

Cgil Cisl Uil Fisafs

1978 1983 ・:. ,.. 1989 99428(100) 82087(83) 77117(78) 67633{68) 65685(66) 33318(100) 40958(123) 40515(122) 42409(127) 42356(127) 19639(100) 20484(104) ユ9886(101) 19247(98) 20016(102) 7500(100) 11400(152) 14400(192) 17359(231) 16654(222) 78∼86年 は組 合提 供88∼89年 は公社提供資料 による。 出典:L.Bordogna,Rapportidisettori,op.cit.,p.513よ り作成。 質 化,均 等 化,そ し て 政 治 化 が 制 度 的 に確 認 さ れ た こ と を 意 味 す る 。 労 使(政 府,総 連 合)に よ る 公 共 費 の 削 減 を 軸 と し た マ ク ロ 経 済 政 策 を 優 先 す る と い う 意 味 で の 政 治 化 で あ る 。 累 積 し た 債

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表2a 公務 員及 び公 共部 門雇用 者数 の推 移 (単位:千 人) 公務員 公共部門 1970 実数 2,204(100) 2,798(100) %(雇 用 者 に 占 め る) 15.9 20.2 1980 実数 3;040(138) 3,746(134) % 19.7 24.3 1990 実数 3,448(356) 4,187(150) % 21.6 26.2 1992 実数 3,494(159) 4,187(150) % 21.9 26.2 b 国内総 生産 及び公 共 費 に占 める公務 員 の労務 費の 割合(1989年) %(国 内 総 生 産)%(公 共 費) フ ラ ン ス13.574.0 ドイ ッ9.853.0 イ タ リ ア12.171.0 イ ギ リス11.559.0 出 典:Censis,27°Rapporto,(玖cit.,p.553,p.563.. 務 利 子 負 担 が 増 大 す る 中 で,し か し,社 会 サ ー ビス の圧 縮 が 不 可 能 と考 え る政 府,経 営 首 脳,三 大 労 組 に とっ て,残 る 道 は,と くに70年 代 か ら80年 代 初 め に 肥 大 化 した 労 務 費 の削 減(公 務 員 給 与 昇 給 の抑 制 と人 員 整 理(23))で あ っ た(表2参 照)。 そ の た め に は給 与 の 均 質 化 を 可 能 にす る 職 務 分 類,賃 金 区 分 の単 純 化,そ れ を実 現 す る 「包 括 的 」 産 別 組 織 と集 権 化 した 交 渉 が 不 可 欠 で あ った 。 こ う した組 織 構 造 の 再 編 成,交 渉 レベ ル の集 権 化 を もっ て 目指 した セ ク タ ー政 策(国 鉄 の リス トラ)決 定 過 程 へ の組 合 参 加 志 向 は,よ り一 層,組 合 の政 策,要 求 内容 の 一 般 的性 格 を強 め る。 85年 法 律 第210号 「国鉄 の改 革 ・民 営 化 」 は,そ の最 大 の 結 実 で あ っ た。86年 施 行 の法 律 第210号 は,低 生 産 性 と人 員 過 剰 問 題 の解 決 を皮 切 りに,赤 字 財 政 を健 全 化 す る た め に,役 員 の 財 政 上 の 責 任 を規 定 し,ま た,92年 法 律 第421号 に 先 ん じて 「基 本 法 」 の 適 用 を 除 外 し,労 働 関係 の プ ラ イバ タ イゼ ー シ ョ ン,す な わ ち完 全 な 団 体 交 渉 化 を実 現 した 。 しか し,そ の 実,役 員 の 経 営 的 自 律 性 を著 し く制 限 す る 政 治 的 介 入,政 治 家 の特 権 を残 し,か つ 労 働 関係 を公 務 員 型 保 障 の 下 に 維 持 す る とい う矛 盾 と曖 昧性 が 指 摘 され て い る 。独 立 した公 社 へ の 移 転 と はい え,制 度 的,実 質 的 に も民 間部 門 よ り公 共 部 門 の 特 性 を 有 して い る 。 政 治 的 介 入 と引 換 の助 成 金 の存 在 は,危 機 的 な 収 支 不 均 衡 に よ る財 政 上 の 制 約 を緩 和 す る が, 他 方 で,政 治 的 介 入 に よ る制 約 を受 け つ つ,経 営 管 理 者 は 自己 の 進 退 に 及 ぶ 財 政 的 責 任 が 課 せ ら れ た 。EC統 合 日程 が 近 づ くに した が っ て,収 支 バ ラ ンス のEC諸 国標 準 へ の 引 き上 げ も課 題 と な って き た(24)。(表3参 照) さ ら に,国 鉄 内 で は,職 務 分 類 図 式 の 大 胆 な単 純 化 が 実 施 さ れ る 。70年 代 前 半 まで は100以 上 の職 務 分 類 と50以 上 の賃 金 区 分 に 幅広 くか つ 細 か く刻 ま れ て い たが,何 れ も管 理 職 を除 い た7レ ベ ル(後 に9レ ベ ルへ)に 統 一 さ れ る よ う に な った 。 そ もそ も公 務 員 の 職 務 分 類,賃 金 区分 の 細 分 化 は,「 ジ ャ ン グ ル 」 と呼 ば れ,多 数 乱 立 す る産 別 組 合 の 密 室 的 分 取 り合 戦 を可 能 に し た 。 こ の 「ジ ャ ン グ ル 」 の合 理 化,透 明 化,す な わ ち,所 得 の平 準 化 を可 能 に した のが,産 別 組 合 の 合 体 化 で あ り,職 務 分 類 図 式 の 単 純 化 で あ っ た 。 そ の 背 後 に は,Cgilを 軸 と した三 大 労 組 の 工 業 型 大 衆 的 組合 主 義 に も とつ く 「平 等 主 義 」,「全 員 に 同 一 賃 上 げ を」 路 線 が あ っ た。

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表3鉄 道(国 鉄)の 近隣 諸国比 較(1986) イ タ リ ア イ ギ リス 西 独 フ ラ ン ス 人 員 鉄 道 路 線 距 離 ク 路 線Km当 り人 員 輸 送 力 トン/Km 〃 旅 客 数/Km 労 働 生 産 性(技 術 的) 〃(経 済 的) 総 売 上 高 に 占 め る 国 家 助 成 金 比 率 〃 輸 送 生 産 比 率 100 100 100 100 100 100 100 100 100 80 104 77 76 146 100 41 400 127 171 74 334 102 176 137 44 341 109 216 50 288 147 193 176 40 312 出 典 『llSole-240re』,1988年4月12日 及 び8月30日 号 この 職 業 的地 位 の 近 接 化,同 質 化 は,機 関士 に と って 相 対 的 地位 の 自 己確 認 が 容 易 に な る。 と 同 時 に,制 度 上 の 合 理 化 に よ って もた ら さ れ た所 得 の 平 準 化 は,職 種 的 自己 確 認 と充 足 の 根 拠 で あ った 各 種 特 別 手 当 や 刺 激 給 部 分 の削 除 な い しは 有 名 無 実 化 と固 定 給 化 で あ っ た。 表4に み る よ う に,機 関 士(機 関 部 門)は,9レ ベ ル の 中 で5-6レ ベ ル に そ の90%が 集 中 す る特 異 性 を もっ て い る。 機 関 士 職 は,5レ ベ ル に お け る4年 間 の 滞 留 後,自 動 的 に6レ ベ ル に昇 格 す る よ う に 内 部 的 職 種 的 同 質 性 が 極 め て 高 い。5レ ベ ル 未 満 の 格 付 け は,機 関部 門 に 含 ま れ る転 轍 手 お よ び機 関 士 助 手(約3千 名)で あ り,7レ ベ ル 以 上 は,機 関庫 長 お よ び部 門 長(約 百 名)が 位 置 して い る。 機 関庫 長 や 部 門長 に昇任 しな け れ ば,労 働 生 活 の大 半 を6レ ベ ル で 過 ご さ な け れ ば な らな ら ず,昇 格 に よ る昇 給 の 希 望 もな い 。80年,一 部 機 関士 の 反 乱 に続 い て,82年,Cgilの 機 関 士 は, 自主 的 に 「進 行 」(そ の 後 「更 に 進 行 」 と名 付 け る)を 再刊 し(25),こ れ が 後 のCOBASの 基 本 的 な組 織 的資 源 とな る 。 表4国 鉄 公 社部 門別 職務 分類 格付 け(1989年3月) 部 門 職 務 分 類 格 付 け 1 2-3-4 5-6 7 8 9 Tot. 事 務 部 門 駅 務 ク 旅 客 〃 機 関 ク 技 術 ク 船 舶 〃 全 体 0 0 0 0 1,07 0 0,43 19,10 50.,06 56,58 7,03 71,93 44,95 50,67 41,55 32,98 40,13 90,43 23,68 35,77 38,56 25,39 14,49 2,87 2,13 2,53 5,41 7,79 9,65 2,34 0,38 1 0,74 7,80 2,00 4,32 0,13 0,04 0,04 0,05 6,06 0,54 100(19874) 100(53096) 100(20449) 100(28055) 100(83590) 100(2309) 100(207373) ()内 は 実 数 。 こ の 他 に 管 理 職(部 長):761人,資 格 レベ ル 外:1,288人 が 加 算 さ れ る 。 出 典:L.Bordogna,RapPortidisettori,op.cit.,P.150. 4機 関士COBAS運 動 の推 移 a誕 生 か ら紛争 の頂 点 へ 機 関 士cOBASも 教 員 の そ れ と同様 に,三 大 労 組 の労 働 協 約 改 訂 案 を不 満 とす るCgilの 組 合 員 を中 心 に,公 共 サ ー ビス 部 門 で あ るが 故 に 極 め て大 きな損 傷 力 を もつ 争 議 行 為 を武 器 に 同一 職 業 コ ミュ ニ テ ィ の メ ンバ ー に選 択 的 誘 因 を提 示 し,供 給 す る こ とが で きた 。 か れ らの 誕 生 の 契 機 と な っ た協 約 改 訂 交 渉 とCOBAS運 動 の 第 一 ラ ウ ン ドが,教 員 は三 大 労 組 の締 結 ま で で あ る の に対 し,機 関士 は そ の 締 結 後 に本 格 化 す る。 そ の 推 移 を概 観 して み る 。 L.ボ ル ドー ニ ャは,機 関士COBAS(26)が 運 動 を開 始 して か ら労 働 協 約 交 渉 の正 式 な 交 渉 単 位

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と し て使 用 者 側 か ら承 認 され る まで の 約4年 間(86年 末一90年 半 ば)を4つ の 局 面 に 分 け て い る(27)。こ の 期 間 に先 行 す る86年 以 前 を潜 行 期,さ ら に90年 半 ば以 降 を追 加 して 区 分 す る と次 の よ うに な る。 潜 行 期(70年 代 末 一)組 合 産 別組 織 の 合 体,集 権 化 へ の 不 満,変 節 の 蓄 積 1期(86年 末一87年 末)「 排 他 的 平 等 主 義 」 に基 づ くCOBASの 結 成 と確 立 II期(88年 初一89年 春)外 部 環 境 へ の 適 合 に よ る要 求 案 の 修 正 皿期(89年 夏一 秋)使 用 者 に よ るCOBASの 制 度 内 化 の企 図 N期(90年 上 半 期)使 用 者 に よ るCOBASの 交 渉 単 位 と して の 承 認,COBASの 他 職 種 へ の 波 及,3年 に及 ぶ紛 争 の一 応 の 終 結 V期(90年 夏一91年 夏)既 成 労 使 の 隙 間 をぬ った 選 択 的誘 因 の 獲 得,内 部 亀 裂 の顕 在 化 VI期(91年 秋 一92年 春)外 部 環 境 の 包 囲 に よ るCOBASの 凋 落 傾 向 (1期)機 関 士COBASは,86年 厂国 鉄 の 改 革 ・民 営 化 」 施 行 後 始 め て の改 訂 で あ る87-9年 労 働 協 約 改 訂 交 渉 の 推 移 と関 連 して 登 場 す る。 三 大 労 組 の協 約 要 求 案 を不 服 とす るCgilの 機 関 士 が 結 集 し,自 らの要 求 対 案 を作 成 した。 中 間 カ ー ドル層 へ の 厚 遇(カ ー ドル手 当 の 新 設,超 過 勤 務 手 当 の増 額 な ど)と は逆 に,組 織,技 術 的 変 化 に伴 って 過 酷 さ を増 しつ つ あ る 機 関 士 労 働 に対 す る補 償(評 価)を 軽 視 され た と認 識 し(変 則 勤 務 危 険,不 快 さ,責 任 の 相 殺 と して),一 律 30万 リラ の機 関 士 手 当 の 新 設 を初 め と して そ の 他 手 当 の増 額,労 働 条 件 お よ び 環 境 の 改 善,3千 名 の 新 規 採 用 に よ る 時 短 な ど を要 求 した。 か れ らの理 念 「真 正 の 階 級 的組 合 主 義 」,ス ロ ー ガ ン 「事 務 所 で 働 く者 よ り も1リ ラで も多 く」 に 表 現 され て い る よ う に,排 他 的 平 等 主 義 を 基 礎 に,機 関 士 職 内部 の 連 帯 性 を獲 得 して い る。 三 大 労 組 お よ びFisafsの 協 約 合 意 後 の87年7月 か ら 皿 期 の89年 末 ま で,繰 り返 さ れ た 機 関 士 COBASの 単 独 ス ト参 加 率 は,ほ ぼ 常 に ・1%(28)の高 率 を維 持 した こ と に証 明 され る。 三 大 労 組(5月),Fisafs(7月)が 合 意 し,か つ 全 員 投 票(11月)に よ っ て 批 准 さ れ た協 約 案 に は,COBASの 周 辺 的要 求 の 大 半 が 認 め ら れ て い た 。 しか し,COBASは 主 要 な 要 求(機 関 士 手 当創 設)が 無 視 さ れ た と して協 約 締 結 反 対,分 離 交 渉 の 再 開 を求 め て,N期 まで の3年 間 に わ た る紛 争 を,本 格 的 に 開 始 す る。 (II期)1期 末 よ りII期 全 体 を 通 して,外 面 的 に は高 参 加 率 の ス トを背 景 に した 紛 争 の 高 揚 期 で あ った 。 しか し,鉄 道 部 門 の労 使 に と っ て締 結 を終 え て い る はず の 労 働 協 約 で 規 定 され た 規 準 の 地 域 的 適 用 と法 律 第210号 に基 づ く公 社 全 体 の リス トラ問 題 に取 り組 む 時 期 に あ っ た 。 公 式,非 公 式 に拘 らず 使 用 者 との 交 渉 パ イ プ の な いCOBASは,下 院,州 機 関 な どへ の 仲 介 を 求 め る 一 方,解 決 に接 近 し う る 唯 一 の 開 か れ た対 話 者 は,皮 肉 に も既 成 労 組(三 大 労 組 お よ び Fisafs)で あ っ た 。 指 導 層 と下 部 との不 一 致 を も露 呈 しつ つ,1年 間 に わ た る こ の交 渉 ラ ウ ン ド に お い て,1期 の 主 要 な 要 求 案(の 基 礎 と な る 理 念)の 放 棄 と引 換 に,経 済 的 に は 要 求 案 に 近 い 結 果 を引 きだ した 。 88年10月21日 に成 立 した 協 定 に は,機 関 士 手 当 の 断 念,付 帯 技 能 手 当 の 再 評 価 を 次 期 労 働 協 約 改 訂 時 まで 延 期 す る こ との 代 償 と して,生 産 性 賃 金 の 全 原 資 の 大 部 分 を機 関 士 に振 り向 け る こ と, 30%(約7200名)の 職 務 分 類 上 の7レ ベ ル へ の昇 格,連 続2日 休 暇 制 の拡 大 が 認 め られ て い る 。 す な わ ち,1期 に 成 立 した 公 社,既 成 労 組 に よ る労 働 協 約 の理 念 を逸 脱 しな い 範 囲 で の 経 済 的 譲

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歩 で あ った 。 職 種 利 害 か ら派 生 した 要 求 を抑 制 し,生 産性 基 準 に基 づ い た技 能 評 価 へ の転 換 は, 直 面 す る公 社 の リス トラ計 画 の理 念 の 範 囲 内 に収 め られ た 。 (皿期)リ ス トラ に伴 う人 員 削 減,労 働 組 織,労 働 条 件 の 変 更 に 関 す る 問 題 が 附 加 され,状 況 は一 段 と悪 化 す る 。 汚 職 に よ って 辞 任 した 前 総 裁 リガ ー トと交 替 した新 総 裁 ス キ ンベ ル ニ に よ る 経 営 側 の 新 指 導 性 の 発 揮 が,こ の 期 の 特 徴 で あ る。 リ ス トラ,90-2年 労 働 協 約 改 訂,機 関 士 COBASと い う労 使 関 係 に 係 わ る主 な課 題 を,新 た な 制 度,慣 行 の枠 組 み の 下 で 取 り組 も う と し た 。 そ れ は,80年 代 初 め の モ ン テ ィエ デ ィ ソ ン ・グル ー プ の リ ス トラ 時 に,ス キ ンベ ル ニ総 裁 の 下 で 実 施 さ れ た 企 業 内 協 調 の 手 法 の 踏 襲(29)であ っ た 。 リ ス トラ,人 員 削 減 計 画 そ の もの は,以 前 の そ れ と比 べ て 目新 し くは ない が,ス キ ンベ ル ニ 手 法 が 活 か され るの は計 画 実 現 過 程 で あ る。6月 末 の 協 定(公 社/三 大 労 組)は,労 使 関係 に 関 す る一 種 の 「社 会 協 定 」 と して,7月 初 め の 取 り決 め(公 社/三 大 労 組)は,リ ス トラ お よび 交 渉 に 関す る 最 初 の 合 意 で あ る。 リス トラ計 画 実 施 中 の 労 使 関 係 を合 意 に 基 づ い て運 営 管 理 す る た め に,3年 に1度 の労 働 協 約 改 訂 交 渉 を補 完 す る毎 年 の補 完 交 渉 が 制 度 化 さ れ,組 織 の定 員 とい う 概 念 を,職 務 分 担 に基 づ くそ れ か ら雇 用 の 必 需 量 に よ って 逆 規 定 され る定 員 概 念 へ の転 換,紛 争 冷 却 に 関 す る規 範 と手 続 き,公 社 外 へ の 人 事 移 動,パ ー トタイ ム,人 員 削 減 の 第 一 歩 で あ る早 期 定 年 制 の 基 準 と様 式(30)につ い て 取 り決 め られ た 。 機 関 士COBASに 対 して,公 社 は,7月 初 め の 取 り決 め議 事 録 に,合 意 事 項 に 関 し紛 争 行 為 に あ る労 働 者 は,団 交 に よ って 派 生 す る利 益 か ら排 除 さ れ る 旨の 宣 言 を挿 入 し,他 方,同 中旬,一 定 の 条 件 の 下 で('1亘久 的組 合 組 織 へ の 編 成,ス ト自主 規 制 基 準 の受 容)正 式 の 団 体 交 渉 権 者 と し て 認 め る 旨 の 提 案 を した 。COBASの 存 在 を制 度 内 化 す る こ と に よ っ て,混 乱 した 紛 争 に終 止 符 を打 と う と した 。 リス トラ計 画 が もた らす 労 働 条 件 お よび 労 働 組 織 の 改 変 に 関す る交 渉 を希 求 し て い たCOBASは,即 刻,提 案 受 諾 を 表 明 した 。 しか し,そ の 後 の 話 し合 い が な い ま ま,4ヶ 月 後 に は再 び ス トの威 嚇 を もっ て の 労 働 条 件 お よ び組 織 変 更 に対 す る拒 否 と要 求(年 表 参 照)が 発 せ られ たQ 皿 期 の 初 め か ら既 に,Fisafsに 属 す る機 関 士 は,リ ス トラ問 題 を め ぐってFisafs,三 大 労 組 と 対 立 し,11月 のCOBASス トに お い て 共 同歩 調 を取 り始 め る 。 公 社 と三 大 労 組 の協 調 関係 も,7 月 中 旬,中 央 管 理 部 門 の組 織 合 理 化 決 定 を め ぐ って亀 裂 が 生 じた 。 秋 以 降,ス キ ンベ ル ニ 総 裁 は, 公 社 推 進 計 画(10ヵ 年 財 政 案)を め ぐ っ て 運 輸 大 臣 と の 対 立,論 争 が 頂 点 に 達 した 。L.ボ ル ドー ニ ャ に よ れ ば,ス キ ンベ ル ニ の労 使 協 調 政 策 の 不 成 功 の 原 因 は,法 律 第210号 の(総 裁,役 員 会,政 治 家 の 相 互 の権 能 お よび 責 任 の)不 明確 な規 定 にあ る(31)。 5bCOBAS化 の 波 及 か ら衰 退局 面 へ (IV期)87-9年 労 働 協 約 改 訂 をめ ぐる 紛 争 は,リ ス トラ問 題 を媒 介 に して,90-2年 協 約 改 訂 交 渉 に も ち こ まれ,暫 定 的 な 終 結 を迎 え る 。 前 期 よ り散 見 し う る機 関 士 以 外 の職 種(駅 長,運 行 長,転 轍 手,旅 客 要 員)の 紛 争 が 本格 化 し(COBAS化),機 関士COBASの 正 式 交 渉 権 者 と して の認 定 が そ れ に拍 車 をか け た 。 そ れ は,こ の期 の 最 後 を飾 る 各 職 種 毎 の ス ト宣 言 の連 続 に よ る波 状 攻 撃 に 至 り,国 鉄 始 ま って 以 来 の 大 規 模 な差 止 命 令(5万 人 規 模 の呼 び戻 し)を もっ て 回 避 さ れ る。 皿期 を 特 徴 づ け た各 者 間 の 不 和,対 立 の 一応 の解 決 が み ら れ る。 厂鉄 道 推 進 計 画 」 案 は,度 重

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な る対 立 と修 正 の 後,90年2月 中旬 上 院 運 輸 委 員 会 に お い て承 認 され た 。公 社 と既 成 労 組 の対 立, 緊 張 は,1月 下 旬 に発 表 され た3万 人 の 新 人 員 整 理 お よ び 三 大 労 組 を無 視 した 管 理 職 の協 約 改 訂 締 結 に よ って,さ ら に激 化 し た。 人 員 整 理 につ い て は,政 府,議 会 お よ び総 連 合 も介 入 し て,2 月 上 旬 に協 定 が成 立 す る 。公 社 が 人 員 削 減 計 画 は単 な る技 術 上 の 計 算 で あ る こ と を認 め,次 期 協 約 改 訂 交 渉 に お い て そ の 対 象 人 員 の 策 定 を開 始 し,過 去 に経 験 済 み の 自 由意 志 に基 づ く手 段(早 期 定 年 制,他 の公 務 員 部 門へ の 移 動)の み に よ る こ と を合 意 した 。 も と も と解 雇 を 回避 し,早 期 定 年,移 動,異 動 あ るい は定 員 の 凍 結 に よ る人 員 削 減 を慣 行 と して い た が,ス キ ンベ ル ニ も そ の 枠 を越 え られ な か っ た 。 しか し,解 雇 の 回 避,自 由意 志 を基 調 とす る慣 行 が 復 活 した わ け で は な い 。 ま た,管 理 職 協 約 の 補 完 の た め に,三 大 労 組 と交 渉 を開 始 し,ス ト自主 規 制 規 準 にサ イ ン さ せ るた め 他 の 組 織 の代 表 者 を も協 約 交 渉 へ の 出 席 を認 め る こ とが 確 認 され た。 この 期 に一 挙 に高 まっ た 緊 張 感 は,既 成 労 組 と新 しい行 為 主 体 の 間 ,新 行為主体 相互 間 にあ っ た 。 機 関士COBASは,ス ト宣 言 と実 施 を繰 り返 す 谷 間 に,初 め て ス キ ンベ ル ニ(4月 中旬)お よ び 労 働 大 臣(下 旬)と の 会 談 を経 て,5月 上 旬,正 式 な 交 渉 権 者 と して 協 約 交 渉(3月 初 旬 か ら開 始)の テ ー ブ ル に着 い た 。 こ こ に至 る道 程 は,公 社COBASの 関係 が 独 立 変 数 で あ る とす る と,媒 介 変 数 は 既 成 労 組 の 態 度 で あ る 。cOBASに 対 して も っ と も厳 格 で あ っ た の は,Cislで あ り,労 働 者 の 利 害 代 表 の 断 片 化 を促 進,正 当 化 し,労 使 関係 シス テ ム の コ ン トロ ー ル を喪 失 す る 危 険 が あ る こ と を 理 由 に,一 貫 してCOBASの 交 渉 権 者 と して の認 知 に 反 対 した 。 次 い で 厳 格 で

あ っ た の は,Fisafsで あ り,Cgilお よ びUilは,職 種 別 協 約 で は な く統 一 した単 一 協 約 で あ る こ

と を条 件 に,認 知 して も よ い とい う現 実 的 態 度 で あ った 。

こ の 態 度 が 異 な る 要 因 と して,既 に み た よ う に(図2),機 関 士 に 対 す る各 組 合 の 組 織 率 の違

い が 影 響 を与 えて い る 。 そ もそ もCOBASは 組 織 構 造 を形 成 しな い 運 動 体 を理 念 と して い た た め ,

出 身 労 組 とCOBASと の 二 重 帰 属 を度 外 視 して き た 。COBASメ ンバ ー は,機 関 士 全 体 の 約30%

(5600名(32))を 占 め る が,ス ト動 員 力 は そ の2-3倍 で あ る 。 機 関 士 に対 す る影 響 力 の 小 さ い

、Cislに対 し,Cgilの プ ラ ス ・マ イ ナ ス の 影 響 力 は 大 き い。 また,90年 初 頭,Sma機 関 士 組 合(約1

6千 名)はFisafsを 脱 退 し,機 関 士COBASと 共 同 行 動 を組 み始 め て以 降,Fisafsの 機 関 士 に対

す る態 度 は急 激 に硬 直 化 して い く。 公 社 は,ス ト回避 と鉄 道 の 正 常 運 営 を 目指 してCOBASの 制 度 内 化 を認 め た が,そ れ は,同 種 の紛 争 主 体 の 多 様 化 を誘 発 しな い とい う確 信 に 基 づ い て い た 。 しか し,そ れ は 二 重 に裏 切 られ る。 機 関 士COBASが 正 式 な 交 渉 権 者 と して認 知 さ れ,か つ 既 成 労 組 の 協 約 合 意(33)(5月 中旬)の 後, COBASは そ の 合 意 協 約 案 を拒 否,新 た な 紛 争 主 体 とな っ た(COBAS化 した)駅 長,転 轍 手,旅 客 要 員,機 関 士 助 手 グ ル ー プ と と も に,5月 末,6月 中 旬 の 一 大 波 状 ス トの 脅 威 を投 げ か け る(34)。 90-2年 協 約 改 訂 時 に 新 し く登 場 した 紛 争 グ ル ー プ は,機 関士 と異 な っ てFisafsな どの 独 立 組 合 か らの 派 生 で あ る。 か れ ら は,相 互 憎 悪 と便 宜 的 共 同行 動 の 関 係 に あ る。 上 記 の5月 末 か ら 6月 中旬 まで,3度 に わ た って 連 続 波 状 ス トが 宣 言 され た 。 一 致 す る の は,締 結 され た 協 約 を不 服 と して 交 渉 再 開 を求 め る点 ま で で あ り,そ の 下 に は相 互 の 不 和,対 立,憎 悪 しか な い 。 新 グ ル ー プ の 要 求 は,機 関 士 が2度 の 協 約 とそ の 間 に獲 得 した 選 択 的 誘 因(昇 給,昇 格,正 規 の交 渉 権 者 の地 位:前 二 者 に つ い て機 関 士 は不 満 で あ っ て も)に 対 す る 抗 議 な い し は 同等 の 処 遇 の要 求 で あ っ た(35)。 公 務 員 と同 じ く未 だ 非 市 場 部 門 で あ る公 社 で は,所 得 の 分 配 は常 にゼ ロサ ム ゲ ー ム で あ り,機

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関士 が 得 た利 益 は,他 の グ ル ー プ の不 利益 と な る 。既 に み た よ う に職 業 的 地 位 の 近 接 化,同 質化 は,自 他 グ ル ー プ問 の差 異 を 目 に見 え や す くす る 。 職 業 的 同 質 性 を基 礎 に した 「小 規 模 な特 権 的 集 団 」 が,最 小 で は な い に して も最 大 で も な い 費 用 で 最 大 で は な い に して も最 小 で もな い 便 益 を 獲 得 して い る。 か つ,そ れ が 自 己 の便 益 の 大 小 に 関 連 す る と判 断 した 同 じ く同 質 的 な 基 盤 を もつ 職 種 の 人 々 が,同 様 な,し か しそ れ と競 争 的 な 要 求(選 択 的 誘 因)を も って 同 様 な集 合 行 為 に訴 え る の は,不 自然 で は な い 。 排 他 的 集 合 行 為 者 は,新 しい 集 合 行 為 者 を ア メ ーバ 状 に成 長 させ る よ う な,諸 分 派 を形 成 させ や す い(36)。 (V期)人 員 削 減 と労 働 組 織,労 働 条 件 変 更 問 題 が この1年 間 の課 題 で あ る 。1年 か け た 交 渉 の末,91年 夏 に労 使 間 で 合 意 に 達 し た協 定 で は,公 社 は生 産 性 約30%の 上 昇 に等 しい1万9千 人 の 削 減 を 実 現 す る こ と とな る。COBASに よ る紛 争 の ピ ー ク は,90年11月(締 結 した協 約 の 適 用 の 遅 れ に対 す る抗 議),91年 夏(安 全 に 関 す る取 り決 め)で あ り,前 年 まで と比 較 す れ ば極 め て 減 少 して い る 。 量 的 な減 少 だ け で な く,質 的 に も変 化 せ ざ る を え な か っ た。90年6月 制 定 の 「不 可 欠 公 共 部 門 に お け る ス ト規 制 法 」 に よっ て,多 くの 場 合,合 法 的 ス ト権 の行 使 か ら,白 色 ス ト や順 法 闘 争 的紛 争 手 段(列 車 の 発 車 時 間 を遅 らせ るな ど)へ の 戦 術 ダ ウ ンを余 儀 な く され た 。 しか し,COBASが 拒 否 し続 け て い た 「安 全 に 関 す る取 り決 め」 交 渉 は,91年9月,皿 期(89 年11A)以 来 の要 求 で あ っ た機 関 士2人 乗 務 とCOBAS誕 生 か ら成 長 へ の 基 軸 で あ っ た機 関 士 手 当 を認 め させ る,イ ンフ ォ ーマ ル な協 定化 と して収 拾 した 。 これ は,三 大 労 組 の 猛 烈 な 反 発 を誘 発 した。 す な わ ち,既 に 公 社/三 大 労 組 間 で は,漸 進 的 に1人 乗 務 へ の移 行 が協 定 化 され て お り, 上 記 の 合 意 は 紛 争 へ の 譲 歩,国 鉄 公 社 再 建 を脅 か す 労 務 費 の 悪 化,三 大 労 組 弱 体 化 の た め の COBASの 利 用 で あ る と。 公 社 は,COBASと の協 定 を否 認 し,個 別 交 渉 の結 果,既 締 結 労 働 協 約 の 範 囲 で 両 立 し うる合 意 が は か られ た 。 こ の一 連 の過 程 は,COBASに 対 す る 三 大 労 組 の力 の 回 復 を もた ら した と指 摘 す る者 もい る(37)。 い ず れ に して も,前 期 の 差 止 命 令 に加 えて 「ス ト規 制 法(38)」 の 施 行 お よび 既 成 労 組 との 関 係 は, 公 共 部 門 の 争 議 と い う損 傷 力,排 他 性 を背 景 に した 集 合 行 為 者 と してCOBASの 存 在 そ の もの に 制 約 を課 す こ と とな る。 制 約 を乗 り越 え る た め に は,最 小 で は な い が 極 め て 小 さい 費 用 が 高 騰 化 し,目 標 とす る 選 択 的 誘 因へ の 距 離 も遠 ざ か る。 そ れ は,次 期 に よ り明 確 に現 れ る。 (W期)機 関 士COBAS内 の亀 裂 が 顕 在 化 す る 。92年3月,「 鉄 道 の 経 営 移 転 に 関 す る 基 本 協 定 」 お よ び 「法 律 第146号 に基 づ くス トラ イ キ 中 の 最 低 サ ー ビ ス に 関 す る協 定 」 が,労 使 間 で調 印 さ れ た 。COBASは 両 協 定 に 調 印 した が,調 印 に い た る 過 程 で 内 部 の 亀 裂 が 明 か と な る。 COBASの リー ダ ー,E.ガ ロ ッ リは 両 協 約 の 調 印 に 反 対 し たが,と くに後 者 の 「ス ト規 制 法 に基 づ く協 定 」 で は,E.ガ ロ ッリ の拒 否 提 案 が 投 票 に よ っ て否 決 され る(39)。 ち ょ う ど教 員 に お け るCOBASとGILDAの 分 裂 と同 様 に,集 合 行 為 の 起 源 で も あ る古 典 的 職 業 組 合 の 排 他 性 の上 に た っ た政 治 的 異 議 申 し立 て 路 線,そ して 交 渉 に よる 選 択 的 誘 因 の 獲 得 を優 先 す る現 実 主 義 路 線 の 分 岐 が 明確 と な っ た 。 そ れ は,公 社 が 協 約 に署 名 した 団 体 との み92年12月 まで 組 合 関 係 を継 続 す る と言 明 した こ とに 起 因 す る。 この 協 定 の署 名 を,事 実 上,正 式 な交 渉 権 者 の承 認,正 統 性 の フ ィ ル ター と して機 能 させ た の で あ る。 4月 上 旬,厂 生 産 性 賃 金 に 関 す る協 定 」 をめ ぐ って 公 社 と対 立 関係 に あ ったCOBASは,24時 間 ス トを決 行 した が,そ れ に対 し て公 社 は,か っ て な い ほ ど決 然 と した 反 撃 を も って 対 応 した 。

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ス ト参 加 者 に対 して は昇 給 分 の カ ッ トとい うサ ンク シ ョン を もっ て威 嚇 し,ス ト中 に は代 替 要 員 に よ る列 車 運 行 の停 止 を 回避 し た。 そ の結 果,ス ト参 加 率 は40%(公 社 発 表)に 下 落 した 。 同 じ く,5月 末 の 旅 客 要 員COBASの ス ト参 加 率 も20%に 落 ち 込 ん だ。COBASを と りま く環 境 は, IV期(90年 半 ば)ま で とは異 な って,決 定 的 に新 しい段 階 に入 っ た とい え よ う。 最 小 で は な い が 極 め て小 さい 費 用 で あ り,か つ 大 き な損 傷 力 を もつ が 故 に乱 用 し過 ぎ,そ の結 果 生 まれ た 「ス ト 規 制 法 」 を中 心 に した 使 用 者 お よ び既 成 労 組 に よ る包 囲 の 中で,滅 多 に使 えぬ 高 価 な 費 用 を伴 う 資 源 に転 化 させ た の で あ る。 6選 択 的誘 因 と規 制 機 関士COBASの 誕 生 か ら衰 退 局 面 ま で の 約6年 間 の推 移 を概 観 した が,三 大 労 組 対COBAS の 対 抗 関 係 と して 整 理 す る と,次 の 如 くで あ る 。M.オ ル ソ ン の 集 団 理 論 に よ れ ば,集 団 メ ン バ ー に共 通 す る 目 的 の 達 成,共 通 す る 利 益 の 充 足 は,集 合 財(40)が 当 該 集 団 に供 給 さ れ る こ と を 意 味 して い る 。 集 団 メ ンバ ー は集 団 目的 達 成 に よ って もた ら され る便 益 あ るい は充 足 か ら排 除 さ れ な い 。 集 合 財 供 給 は,組 織 全 体 の基 本 的 機 能 で あ る。 しか し,典 型 的 大 規 模 組 織 の個 別 成 員 は, そ の 組 織 を支 持 して 活動 しよ う と し まい と,か れ は,他 者 に よ っ て もた ら され る成 果 を享 受 で き る 。 合 理 的,個 人 的利 益 に基 づ い て,費 用 を負 担 せ ず に,組 織 が 供 給 す る便 益(集 合 財)を 享 受 す る 人 々,す な わ ち,フ リー ラ イ ダ ー,い わ ば,た だ の り をす る人 が 発 生 す る。 こ の よ う な ブ リー ラ イ ダ ー の 発 生 が 不 可 避 と な る大 規 模 集 団 を デ オ ル ソ ンは 「包 括 的」 な い しは 「潜 在 的 」 集 団 と呼 ぶ 。 「包 括 的 」 集 団 は,「 選択 的誘 因(41)」集合財 の よ うに無差 別 的で はな く,メ ンバ ー に対 しての み選 択 的 に作 用 す る誘 因 を提 供 す る こ と に よ っ て の み,フ リー ラ イ ダ ー の発 生 を 回避 す る こ とが で き る と主 張 す る。 こ の誘 因 は,報 酬 と して の正 の 誘 因 と強 制 と して の負 に 誘 因 を含 み,こ の正 と負 の 誘 因が オ ル ソ ン理 論 の キ ー概 念 で あ る。 こ れ ら集 合 財,正 負 の選 択 的 誘 因 の 供 給 とそ れ に 要 す る 費 用,さ ら に社 会 的誘 因 の 供 給,組 織 化 の 費用,メ ンバ ー の 異 質 性 な ど を考 慮 す る と,大 規 模 集 団 よ り小 集 団 の 方 が有 利 に な る 。集 合 財 供 給 に か か る費 用 は,大 規 模 集 団 ほ ど一 人 当 た り の費 用 は減 少 す るが フ リー ライ ダ ー 発生 の 可 能 性 が 高 くな り,か つ 個 人 の受 け 取 る便 益 の 割 合 は 小 さ くな る。 さ ら に組 織 化 の 最 低 費 用 も大 き くな る か らで あ る 。 包 括 的,潜 在 的 集 団 で あ る 三 大 労 組 は,組 織 と団体 交 渉 レベ ル の 中央 集 権 化,狭 義 の労 働 組 合 の枠 外 に あ る 国民 的 政 策 決 定 へ の 参 加 志 向(ネ オ コ ー ポ ラ テ ィズ ム 化)に 傾 斜 す る こ とに よ っ て, ます ます そ の 性 格 を強 め て い った 。 しか も,合 理 的個 人 を集 団志 向 的 に行 為 す る よ う動 機 づ け る 正 負 の 「選 択 的」 誘 因 も供 給 し よ う と は しな か っ た し,供 給 し う る メ カ ニ ズ ム を も た な か っ た(42)。組 合 員 の 区 別 な く全 労 働 者 に無 差 別 に集 合 財 を供 給 し な け れ ば な らな い 階 級 的 組 合 形 態 を とる イ タ リ ア の 三 大 労 組 に と って は,正 負 の 選 択 的 誘 因 の 提 供 は容 易 で は な い 。 しか し,正 の 誘 因 と して,少 な く と も 内部 の 異 質 的 部 分 の 要 求 や意 見 の 伝 達 や調 整機 能 の不 在,負 の要 因 と し て,ス ト規 制 の不 在 を越 え て周 辺 的 ス トを放 任 す る メ カ ニ ズ ム を作 って い っ た の で あ る。 さ らに,イ デ オ ロ ギ ー を基 礎 に した 連 帯 性 と い う社 会 的 誘 因 の供 給 も,6-70年 代 に比 べ て 急 激 に弱 ま って ゆ く。 オ ル ソ ン は,社 会 的 誘 因 が 集 団 志 向 的 行 為 に効 果 的 意 味 を もつ の は,小 集 団 ま た は 大 規 模 集 団 の 中 の 「連 合 的」 集 団 の場 合 に 限 って い る(43)。ビ ジ ネ スユ ニ オ ニ ズ ム志 向 の Cislは と もか く,階 級 的 組 合 主 義 的 立 場 を と っ て きたCgilに と って,社 会 的 誘 因 の 役 割 は 大 き い は ず で あ る(逆 に,Cislに と って,選 択 的 誘 因 供 給 の 意 味 は 大 きい)。 さ らに,す で に明 らか

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な よ う に 「連 合 的 」 タ イ プ の 集 団 で あ った 公 共 部 門 の 産 別 組 合 は,合 体 化 に よ っ て そ の 性 格 を喪 失 し,中 央 集 権 化 して きた の で あ る 。 量 的 に優 位 に あ る 同 質 的 な ブ ル ー カ ラ ーが 基 盤 と な るCgil中 心 の大 衆 的労 働 組 合 の形 成 に成 功 した 第 二 次 産 業 と異 な って,70年 代 まで 三 大労 組 で は な く群 雄 割 拠 の独 立 組 合 が 力 を誇 った公 共 部 門 で は,多 職 種 に よ っ て構 成 され た 異 質 な ホ ワ イ トカ ラ ー が 中 心 で あ る 。 大 規 模 集 団 メ ン バ ーの 社 会 的 異 質 性 は,社 会 的 な選 択 的 誘 因 の 活 用 に 障 害 を与 え る 。 集合 財 に対 す る異 な った要 求 が 出現 す る可 能 性 が 高 くな り,そ の 場 合 に は 非 同 意 者 と交 渉 した り,不 満 を もつ メ ンバ ー に対 し充 足 に足 る よ り強 力 な 選 択 的誘 因 を探 しだ さな け れ ば な ら な くな る か らで あ る(44)。 他 方,機 関 士COBASの 対 象 が 比 較 的小 規 模 な 同 一 職 種 で あ る た め に,組 織 化 費 用 は大 き くな い 。 そ の 上,既 存(Cgil)の ネ ッ トワ ー ク を利 用 す る こ と に よ っ て い っ そ う低 減 化 す る こ とが で き た。 しか も,リ ー ダ ー や 中核 的 部 分 は,Cgilの フ リー ラ イ ダ ー で は な く,積 極 的 に集 合 財 供 給 に か か る費 用 を負 担 す る 活 動 家 で あ っ た た め,三 大 労 組 に対 す る対 抗 勢 力 と してCOBASを 形 成 す る資 源(機 関誌 「更 に進 行 」 の 刊 行,メ ンバ ー の補 充,説 得,情 報 な ど)を 充 分 に も って い た。 ま た,「 包 括 内」 組 織 の 負 の 選 択 的誘 因 の 不 在,す な わ ち,Cgilの 伝 統 的 に 無 い に 等 しい 緩 や か な集 団 規 範(逸 脱 者 の 放 任),ス トの 自 由(自 主 規 制 範 囲 内 で の 周 辺 ス トの放 任)の 慣 行 化 が, 最 低 費用 の 負 担 で 長 期 に わ た る紛 争 行 為 の 維 持 を可 能 に した 。 イ デ オ ロ ギ ー を基 礎 に した 社 会 的誘 因 が 低 下 し た と して も,機 関 士COBASは,テ ィ リ ー の い う 「キ ャ ッ ト ・ネ ッ ト」CATNET(45)の 典 型 的 に 高 い 集 団 で あ り,凝 集 性 や 連 帯 性 の 獲 得 は極 め て容 易 で あ っ た 。 集 団 内 で 共 有 さ れ た ア イ デ ンテ ィテ ィの 強 さ と共 通 の性 質 を もつ 人 々 の 社 会 的 境 界 の 明 確 さ と して の カ テ ゴ リー性CATNESSと,個 人 的 紐 帯 に よ っ て 集 団 メ ンバ ー相 互 を結 ぶ ネ ッ トワ ー ク の 密 度 と して の ネ ッ トワ ー ク性NETNESSを 結 合 した概 念 が,「 キ ャ ッ トネ ッ ト」 で あ る。 連 帯 は カ テ ゴ リ ー性 に比 例 す る。 こ の 「キ ャ ッ ト ・ネ ッ ト」 は,機 関 士 を始 め 医 師,教 員 な ど の専 門 的 職 業 グ ル ー プ の み な らず,航 空 関 係(ホ ス テ ス,ス テ ィ ワ ー ド)や 国庫 省 計 算 セ ン タ ー の オ ペ レー タ ー な ど特 殊 な専 門 性 を もた な い グ ル ー プ の 双 方 でCOBASが 誕 生 した こ との 説 明 を容 易 にす る。1 厂あ る集 合 財 の供 給 を受 け る 人 々 は誰 もが 同 じ水 準 と同 じ種 類 の 集 合 財 を受 け る こ とで 我 慢 し な け れ ば な ら な い(46)」。 職 業 的 地 位 の 近 接 化,同 質 化 お よ び そ れ に伴 う所 得 の平 準 化,さ らに は 「国 鉄 改 革 ・民 営 化 」 に伴 う大 幅 な労 働 組 織 や 労 働 条 件 の悪 化(二 人乗 務 か ら一 人 乗 務 へ,勤 務 形 態 ・時 間 の 変 更 な ど)に よ って,我 慢 を 増 幅 させ て き た。 負 の 選 択 的 誘 因不 在 の 中,豊 富 な 資 源 と低 い 費 用 負 担 に よ っ て,機 関 士 職 のCOBASへ の再 集 合 の 過 程 は 困 難 で は な か った 。 イ ギ リス の職 業 組 合 の成 立 史 に遡 る ま で も な く,そ の後 の発 展 形 態 で あ る 産 別 組 合 や 一 般 組 合 は,構 成 メ ンバ ー を異 質 化 し 「包 括 的」 性 格 を よ り強 く有 す る よ う に な っ た 。 この 形 態 の 組 合 に お い て,選 択 的 誘 因 と強 制 な い し は そ の 機 能 的 等 価 項 は,労 働 組 合 の 組 織 を維 持 す る上 で(ブ リー ライ ダ ー の 発 生,す な わ ち集 合 財 に対 す る欲 求 や 評 価 の 不 一 致 の 回避)不 可 欠 で あ る。 例 え ば,ベ ル ギ ー,デ ン マ ー ク,ス ウ ェ ー デ ン,ス イ ス で は,代 表 権 を独 占 す る組 合 は,集 合 財 供 給 の 対 象 を メ ンバ ー に 限 定 して い る。 ドイ ッ で は,労 働 裁 判 所 は組 合 員 に有 利 な 判 決 を下 して い る(47)。 ま た,公 務 員 にお い て ほ ぼ 半 数 を 占 め る 上 級 公 務 員 の比 率 は,さ ら に増 大 して い る。 か れ ら は,不 解 雇 な どの特 権 の享 受 と交 換 に,ス ト権,団 交 権 な しの政 府 の 片 務 的規 制 に よ る労 働 関 係 に あ り,職 員 ・現 業 職 の ス ト時 にお け る 労働 の 代 替行 為 を含 む行 政 へ の 忠 誠 が 義 務 づ け られ る よ う に な っ た(48)。全 体 の 基 盤 の 合 意 達 成 手 段 と して,上 級 公 務 員,職 員 ・現 業 職 の 区 別 の な

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い 「経 営 協 議 会 」(非 経 済 的事 項),1年 毎 の 団交(経 済 的 事 項)が 存 在 す る 。 80年 代 に ネ オ コ ー ポ ラ テ ィズ ム を成 功 させ た ス カ ンデ ィ ナ ビア 諸 国,ド イ ッで は,外 部 的 強 制 (労使 関係 を規 制 す る メ カ ニ ズ ム),選 択 的 誘 因 の供 給,そ して基 盤 の 不 満 を 蓄積 しな い た め の合 意 達 成 手 段 の 制 度 化 と機 能 的 運 用(組 織 お よ び交 渉 レベ ル の分 権 化)の 何 れ か な い しは そ の 組 み 合 わせ の 存 在 に配 慮 が な され て い た。 対 して,イ タ リ アで は,こ れ らの 要 因 を なお ざ りに した ま ま,組 織 の 集 権 化,代 表 権 の 独 占化 過 程 が 進 ん で い っ た。Cgilの(と くに)リ ー ダ ー層 が確 信 し て い た 欠 落 した 上 記 要 因 の等 価 的 代 替 物 は,社 会 的 誘 因(階 級 的 イ デ オ ロ ギ ー)の 存 在 で あ っ た 。 こ の誘 因 が 等 価 的 な機 能 を 果 た す の は70年 代 ま で で あ り,か つ ネ オ コ ー ポ ラ テ ィズ ム に 向 か う ま で は,ス カ ラ モ ー ビ レを始 め と して 目に 見 え る便 益(選 択 的 誘 因)を 供 給 す る こ と もで きた 。 M.レ ジ ー 二 は,協 調 の安 定 性 の 主 要 な前 提 条 件 と して の 代 表 組 織 の 集 権 化 と集 中,代 表 権 の 独 占 が 欠 落 して い る場 合 の機 能 的 等 価 項(代 替 物)の 存 在 が,国 民 的 連 帯 期(77-79年)の 協 調 に作 用 した と述 べ て い る。 そ の 等 価 項 と は,三 大 労 組 の 統 一 協 定,階 級 イ デ オ ロギ ー,団 体 交 渉 の 調 整 お よ び 有 効 な 民 主 的 手 続 きの 欠如 で あ る(49)。前 二 者 は,80年 代 上 半 期 に 「死 に体 」 と化 し,後 二 者 は,機 能 的 運 用 を 可 能 とな る よ う に制 度 され て い た わ け で は な か った 。 そ の ツ ケ が, 位 相 の ず れ た,ネ オ コ ー ポ ラ テ ィズ ム お よ び大 衆 的組 合 主 義 が 遅 れ て き た,し た が っ て そ れ に向 け た合 意 形 成 が 欠 落 して い た公 共 部 門 に お い て 表 現 され た。COBASの 三 大 労 組 に対 す る批 判 と 異 議 申 し立 て,す な わ ち三 大 労 組 の 代 表 権 お よ び代 表 能 力 の 二 重 の 危 機 と して 顕 在 化 して ゆ くの で あ る 。 お わ りに 最 後 に,使 用 者 と して の経 営 管 理 者 の特 異 な態 度 に触 れ て お か な け れ ば な らな い 。 本 稿 が 対 象 と した機 関 士COBAS運 動 の 約6年 弱 の 間 は,国 鉄 か ら株 式 会 社 化 に至 る過 渡 期 の 公 社 時 代 で あ り,制 度 的 に は民 間 部 門 よ り公 共 部 門 に 近 似 して い た。3人 が 交 替 した 総 裁 は,85年 法 律 第210 号 「国鉄 改 革 ・民 営 化 」 に よ って 共 通 の 制 約 を受 け て い た 。 既 述 の よ う に,総 裁 を始 め とす る役 員 の 経 済 的 責 任(企 業 収 支 バ ラ ンス の健 全 化)が 強 化 され た反 面,自 律 的 な経 営 管 理 に対 す る制 限,す な わ ち 経 営 管 理 に対 す る 政 治 家 との 未 分 化 な権 限 と責 任 の 共 有 が 温 存 され た 。 公 社 首 脳 陣 の フ リー ハ ン ドの制 限 と,公 共 部 門 に共 通 す る使 用 者 と して の政 治 家 の 両 義 性(敵 手 で あ る労 組, 労 働 者 を選 挙 民 とみ な し,選 挙 や 政 治 的合 意 が 判 断基 準 と な り,譲 歩 が 生 ま れ る)が 作 用 す る こ と と な った 。 さ らに,基 本 的 に は三 大 労 組 との 企 業 内 共 同決 定 体 制 にあ る と共 に,従 業 員 の 労 働 関係 の 私 法 適 用 へ の 移 行(労 働 関 係 事 項 の 団 体 交 渉 化 が 中心(50))に もか か わ らず,雇 用 の安 定(不 解 雇) を始 め と した 公 務 員 特 権 が 維 持 され た。 以 上 の 諸 要 因 の 複 合 が 経 営 管 理 者 に と って,三 大 労 組 と の 賃 上 げ と人 員 削 減,労 働 生 産 性 の 上 昇 との バ ー タ ー を,必 須 の課 題 と し,こ の 間 の二 度 の 労 働 協 約 改 訂 交 渉(87-9年,90-2年)が 展 開 さ れ る。 使 用 者 お よ び 三 大 労 組 双 方 と も に,COBAS へ の 譲 歩 を こ のバ ー タ ー成 立 の た め の コ ス トと して考 え て い た と思 わ れ る。 ME革 命 を 経 過 しつ つ あ る現 代 社 会 にお い て,各 人 が 受 け持 つ 部 署,労 働 は相 互 依 存 関 係 が 質 的,量 的 に 拡 大 深 化 して い る 。 一 方 が 他 方 の 条 件 で あ り,他 方 に よ って 条 件 づ け ら れ る度 合 い が 強 ま っ て い る。 した が って 労 働 の 中 断 は,過 去 と比 較 で き な い ほ ど損 傷 力 を高 め る。 他 方,労 働 市 場 全 体 の 分 断 化,労 働 力 構 成 の 異 質 化 が 進 む今 日,紛 争 規 制 メ カ ニ ズ ム よ り事 前 に そ れ を 回避 す る た め の,基 盤 の合 意 達 成 メ カ ニ ズ ム の形 成 が 問 わ れ て い る の で あ る。 す で に,90年 「ス ト規

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