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通学時の交通事故の時系列分析に基づく通学路の交通安全対策の提案 平成26年度(中間報告)タカタ財団助成研究論文 ISSN 2185

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通学時の交通事故の時系列分析に基づく

通学路の交通安全対策の提案

― 平成 26 年度(本報告)

ISSN 2185-8950

タカタ財団助成研究論文 ―

研究代表者

市川 政雄

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研究実施メンバー

研究代表者

筑波大学医学医療系

教授

市川政雄

研究協力者

筑波大学医学医療系

助教

稲田晴彦

神奈川県立保健福祉大学

教授

中原慎二

東京大学大学院医学系研究科

講師

冨尾 淳

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報告書概要

登下校中の児童生徒が犠牲となる交通事故がメディアで大きく取り上げられることが近 年相次ぎ,行政,学校,保護者による交通安全の取り組みが強化されている.しかし,我 が国において通学時の交通事故を疫学的な視点から分析した報告は乏しい.本研究では, 過去 10 年間の通学時の交通事故の発生状況と動向を検討し,経年的な減少が小さい群・状 況と大きい群・状況を同定することで,通学中の児童生徒の交通安全に資することを目的 とした.分析には,交通事故総合分析センターから入手した 2003 年から 2012 年の全国の 6~15 歳の通学中の交通事故データを用いた.主な分析では,死亡または重傷の児童生徒 に限定して,性,年齢,当事者種別(歩行者,自転車),その他事故や現場の状況に関する 変数で層別した死亡重傷数を従属変数,年(連続変数)を独立変数,層別の児童生徒人口 をオフセット項とするポアソン回帰モデルを作成し,死亡重傷率の年次推移を定量化する ことで,減少率が小さい群・状況と大きい群・状況を探索した.その結果,10 年間の死亡 重傷率は全体で約 30%減少していたが,自転車通学の中学生男子の死亡重傷率は 14%の減 少(95%信頼区間 -24%, -2%)にとどまり,徒歩通学の小学校低学年男子の死亡重傷率 は 48%減少(同 -57%, -37%)していた.中学生の自転車通学は徒歩通学と比べて数十 倍死傷が発生しやすく,経年的な死亡重傷率の減少も小さいため,ヘルメット着用義務化, スクールゾーンにおけるハンプ設置などの対策が望まれる.

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目 次

通学時の交通事故の時系列分析に基づく通学路の交通安全対策の提案 ページ 第1章 緒言 3 1.1 背景 3 1.2 目的 5 第2章 方法 6 2.1 データ 6 2.2 分析 6 2.3 倫理的配慮 6 第3章 結果 7 3.1 10 年間の交通事故死傷数 7 3.2 項目・区分別の 10 年間の死亡重傷数・率・割合 7 3.3 交通事故死亡重傷率の年次推移 7 第4章 考察 8 4.1 主な結果 8 4.2 自転車の中学生男子への対策 8 4.3 なぜ小学校低学年男子の死傷が大きく減少したのか 9 4.4 本研究の強みと限界 9 第5章 提言 11 参考文献 12 図表 15

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第 1 章

緒言

1.1 背景 2011 年から 12 年にかけて集団登下校中の児童に対する重大な交通事故が相次いだ.2011 年 4 月 18 日には栃木県鹿沼市で,クレーン車が集団登校中の児童の列に突っ込み,児童 6 人が死亡した.2011 年 7 月 5 日には熊本県山鹿市で,トラックに追突されたワゴン車が集 団登校中の児童の列に突っ込み,児童 1 人が死亡,4 人がけがをした.2012 年 4 月 23 日に は京都府亀岡市で,集団登校中に児童らが無免許運転の自動車にはねられ,10 人が死傷し た.その 3 日後の 2012 年 4 月 27 日には千葉県館山市で,路線バスを待っていた集団登校 中の児童の列に車が突っ込み,児童が死亡した.また同日,愛知県岡崎市では集団登校中 の児童の列に車が突っ込み,児童 2 人が重軽傷を負った.2012 年 5 月 7 日には愛知県小牧 市で,登校中の中学生が信号機のない交差点ではねられ,意識不明の重体となった.2012 年 5 月 14 日には大阪府大阪市で,小学校から学童保育施設へ向かう集団移動中の児童を車 がはねて,児童 1 人が死亡した(長末,2013). このように通学時の交通事故が相次いで発生したことを受けて,政府は通学路の交通安 全を確保すべく,2012 年 5 月 28 日に関係 3 省庁(国土交通省,文部科学省,警察庁)の 副大臣会議を開催し,国や地域の関係機関の連携強化に加え,通学路の緊急合同点検の実 施を決めた(国土交通省).その 2 日後の 5 月 30 日には,文部科学省が関係機関に通学路 の緊急合同点検の実施を要請した(文部科学省,2012 年 5 月 30 日). その実施要領によると,点検の対象は公立小学校・特別支援学校小学部の通学路で,そ の大まかな手順は,まず各学校が保護者等の協力を得て危険箇所を抽出する.次に,市町 村教育委員会が各学校の報告に基づき,学校,保護者,道路管理者,地元警察署による合 同点検を調整・実施し,対策必要箇所を抽出する.最後に,市町村教育委員会と学校が, 保護者,道路管理者,地元警察署の協力を得て,対策必要箇所について対策案を検討・作 成・実施するというものである.なお,危険箇所抽出の観点として,道路が狭い,見通し が悪い,人通りが少ない,やぶや路地,倉庫,空地など人が身を隠しやすい場所が近い, 大型車が頻繁に通るといった具体的な条件が示されている. 通学路の緊急合同点検は 2012 年 11 月 30 日までに 20,160 校で行われ,点検箇所は 80,161 箇所に上った.そのうち 74,483 箇所(93%)が対策必要箇所と判明した(文部科学省・国 土交通省・警察庁,2013 年 1 月 25 日).その後,対策必要箇所はその状況に応じて,教育 委員会,学校,道路管理者,警察が対策を講じて,2012 年度末までに 42,662 箇所(57%) で実施された(文部科学省・国土交通省・警察庁,2013 年 5 月 31 日).その例を図 1 に示 す. こうした取り組みと並行して,通学路の交通安全の確保に関する有識者懇談会が 2012 年 6 月から 7 月にかけて 3 回開催され,8 月には意見がまとめられている(文部科学省・国土 交通省・警察庁,2012 年 8 月 8 日).この懇談会には,学校安全教育・都市交通計画分野 の研究者ならびに自治体・学校・教育委員会・PTA・警察関係者が参加し,通学路・道路交

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通環境,交通安全教育,交通規制のあり方,関係機関の連携,地域住民・保護者の役割に ついて,さまざまな提案がなされている.そのポイントは囲み記事のとおりで,各有識者 の資料は文部科学省のウェブサイトで閲覧できる. 通学路の交通安全の確保に関する有識者懇談会意見とりまとめ 意見のポイント 1.「子どもの命を守る」ための道路交通環境の整備について (1)「歩行者と車両の分離」と「自動車の速度の低減」が重要 (2)生活道路の通学路においては,ゾーン対策が効果的 (3)ハンプや狭さくなどの各対策の特徴を理解し,適切な対策を選択することが重要 (4)対策の普及のためには,対策効果の検証が必要 (5)「子どもの命を守る」というメッセージを明確に打ち出すことが重要 2.関係機関等の連携・協力による地域全体の安全確保について (1)コーディネータ,リーダーの存在や受け皿となる窓口の一本化が必要 (2)地域住民,保護者の協力・参画による地域の合意形成が必要 (3)学校や PTA が発信源となった合意形成が有効であり,合意形成のルールが必要 (4)体系的な行動計画による継続的な取り組みと予算の確保が重要 3.危険性を予測し,自らの身を守るための交通安全教育の効果的な促進について (1)危険を予測し,回避するという交通安全教育の基本の徹底が重要 (2)児童生徒・保護者に対するより実践的な交通安全教育・指導が重要 4.その他,自転車利用等について (1)自転車の利用環境を整えるには,道路空間の「整理整頓」が必要 (2)登下校時の交通事故特性からみた事故対策の徹底が重要 出典:文部科学省・国土交通省・警察庁(2012) 各有識者の提案は直感的にわかりやすいものが多く,そのわかりやすさは提案を実行に 移すうえで重要である.しかし,「対策の普及のためには,対策効果の検証が必要」との指 摘通り,提案された対策に効果が認められていなければ,その対策を実施したところで, その労力は水の泡となりかねない. たとえば,交通安全教育は,1962 年に当時の文部省がその基本方針を提示して以来,長

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年にわたり学校現場で取り組まれてきたが(椎名,2004),実のところ,その事故回避効果 はこれまで実証されていない.一方,欧米ではその効果を検証するため,効果検証にもっ とも頑健な研究デザインであるランダム化比較試験がいくつも行われてきたが,事故回避 効果は認められていない(Duperrex, et al. 2002).交通安全教育は直感的にわかりやす く,受け入れやすい対策であるが,交通安全教育の最終的な目標である事故回避に大きな 効果は期待できない,というのがこれまでの知見である. 通学路の交通安全を確保していくためには,道路交通環境の整備にせよ,交通安全教育 の促進にせよ,交通事故の発生状況とその動向を理解する必要がある.その点,有識者の 一人,公益財団法人交通事故総合分析センター常務理事・山田晴利が興味深い資料を提出 している. 山田は,全国の交通事故データベースより,2001 年から 11 年の 11 年間に小中学生が関 与した通学時の交通事故を抽出し,その年次推移を示している.それによると,徒歩通学 時の交通事故死者数・重傷者数は過去 11 年間で実に半減している.これは死傷者・重傷者 の実数の推移であり,児童生徒数を分母とした死亡重傷率ではないが,この間に児童生徒 数が極端に減少したわけではないので,その背景に通学路の交通安全を確保していくため の何らかのヒントが隠されているかもしれない. なお,山田は参考資料として,2010 年に発生した通学時の交通事故重傷者数を事故類型, 人的要因(法令違反,運転者の危険認知速度),環境要因(車道幅員,道路形状,自宅から の距離),時間要因(月,曜日,時間帯)の観点から棒グラフに示している.しかし,これ ではどのような状況下の交通事故が減少してきたのか,あるいは発生し続けているのか, 検討することができない. 今後,より効果的な交通安全対策を立案・実施するには,死亡・重傷事故の年次推移を, 子どもの性,年齢,交通手段で分けた群や事故の状況別に検討し,これまで減少してこな かった群・状況と,減少してきた群・状況を把握する必要がある.これにより,交通安全 対策に優先順位をつけることもできる.これは限られた資源を有効に活用するうえで不可 欠である. このたびの児童生徒に対する重大な交通事故は,地域社会において安全のあり方を見直 す契機となり,その動きは国レベルでも地域レベルでもみられる.これを一過性のものと しないためにも,通学時の交通事故の発生動向に応じた,いわゆるエビデンスに基づく交 通安全対策を高いメッセージ性をもって講じる必要がある. 1.2 目的 過去 10 年間の小中学生における通学時の交通事故の発生状況と動向を検討し,全体の変 化よりも減少が小さい群・状況と,大きい群・状況を同定するため,全国の交通事故デー タベースと人口のデータを用いて時系列分析を行う.

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第 2 章

方法

2.1 データ 2003 年から 2012 年までの全国の交通事故データを,公益財団法人交通事故総合分析セ ンターの交通事故データベースより入手した.個票データは非公開のため,登下校中の 6 歳から 15 歳が歩行または自転車運転中に犠牲となった交通事故について,12 項目(年, 人身損傷程度,当事者種別,性,年齢,通行目的,事故類型,子どもの法令違反,道路形 状,歩車道区分,信号機,地形)のデータをクロス集計の形式で入手した.各項目の区分 の詳細は表 1・2 に示した. 性・年齢階級別の児童生徒数のデータは,総務省統計局の国勢調査(2005 年と 2010 年) または人口推計(それ以外の年)を用いた. 2.2 分析 死亡のみに限ると統計解析に十分な数ではなかった(後述の通り 10 年間で 166 件)ため, 死亡と重傷(30 日以上の治療を要した者)をまとめて分析した.また,男女間や当事者種 別間で死亡重傷率に大きな差があったため,主な分析は性および当事者種別で層別して行 った. まず,10 年分のデータを合算し,死亡重傷数・率・割合と各項目との間の二変量解析を 行った(表 1・2).次に,死亡重傷率の減少が小さい群・状況と大きい群・状況を同定す るために,当事者種別・性・年齢の層別解析(図 3a~d)に加えて,死亡重傷率の変化率 と各項目との間の二変量解析を,当事者種別の層別(表 3)さらに当事者・性・年齢別の 年次推移を示した図 3a~d の分析の結果絞り込んだ 2 群(表 4・5)に限定して行ったのち に,各項目を組み合わせて層別した時系列分析を行った.ただし,地形はそれぞれの区分 に居住する小中学生の数が不明であったためこの層別解析は行わなかった.10 年間の死亡 重傷率の変化の定量化は,死亡重傷数を従属変数,年を独立変数,層別の児童生徒人口を オフセット項とするポアソン回帰モデルを用いて行った.年を連続変数としたため,この モデルにより,1 年当たりの平均変化率(前年よりも死亡重傷率が何%減少または増加し たか)の推定が可能である.項目の値による変化率の差(たとえば女子よりも男子の方が 減少率が大きいか)を検討する場合は,当該項目と年との交互作用項をモデルに投入した. 2.3 倫理的配慮 いずれの著者も本研究内容に対して利益相反を持たない.また,本研究は,一般に入手 可能な連結不可能匿名化された集計データのみを用いた研究であり,倫理審査は不要であ る.

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第 3 章

結果

3.1 10 年間の交通事故死傷数 2003 年から 2012 年に,全国の 6 歳から 15 歳が登下校中に交通事故で死傷した数は,死 亡 166 件,重傷 8,484 件,軽傷 106,007 件であった.登下校中以外の通行目的も含むすべ ての交通死傷数は,これらの約 4 倍であり,登下校中が約 25%を占めた. 3.2 項目・区分別の 10 年間の死亡重傷数・率・割合 10 年分のデータを合算して求めた,項目・区分別の死亡重傷数・率(10 万人年当たり)・ 割合と項目の区分別の死亡重傷数の割合を表 1・2 に示す.主な結果をまとめると,1)歩 行者・自転車いずれも女子よりも男子で死亡重傷率が高かった,2)歩行者では年齢が低い ほど死亡重傷率が高かった,3)自転車の死亡重傷は大半(96%)が 12-15 歳で起こってい た,4)歩行者の死亡重傷は下校中が多く(63%),自転車の死亡重傷は登校中がやや多か った(53%),5)歩行者の死亡重傷は多くが横断中に起こっていた(75%),6)多くの死 亡重傷者(歩行者 62%,自転車 78%)に法令違反があった,7)多くの死亡重傷事故(歩 行者 78%,自転車 84%)が信号機のない場所で起こった,8)2010 年時点で総人口の 67% が居住している市街地(人口集中)における死亡重傷の割合は,歩行者で 42%,自転車で 31%と人口割合よりも大幅に少なかったことが明らかとなった. 3.3 交通事故死亡重傷率の年次推移 登下校中の交通事故死亡・重傷・軽傷率比の年次推移を図 2 に示す.死亡・重傷・軽傷 率はいずれも 10 年間で約 30%減少していた. 次に,当事者種別・性・年齢で層別した交通事故死亡重傷率の年次推移を図 3a~d に示 す.歩行者(図 3a,3b)では,男女いずれも年齢が低いほど死亡重傷率が高いものの,特 に男子で経年的な減少も大きかった.12-15 歳の自転車(図 3c,3d)の率は,他の年齢階 級の歩行者よりも高く,経年減少は女子よりも男子で小さかった(10 年間の減少は,男子 14%,女子 30%,p<0.001).これらの結果より,死亡重傷率の減少が小さい群・状況は自 転車の 12-15 歳男子,大きい群・状況は歩行者の 6-7 歳男子に限定して探索した. 死亡重傷率の変化率と各項目との二変量解析の結果を表 3~5 に示す.これらを元に層別 解析を行い検討した結果,自転車の 12-15 歳男子の下校中の死亡重傷率の変化(図 4)は 10 年間で-4%(95%信頼区間 -20%,+15%)と小幅にとどまっており,その他の項目で さらに層別しても結果は大きく変わらなかった. 一方,歩行者の 6-7 歳男子が下校中に路上で遊戯などをしている間の死亡重傷率が-83% (95%信頼区間 -95%,-47%)と最も減少が大きかった.歩行者において最も多かった事 故類型である横断中の死亡重傷に限定したところ,6-7 歳男子が下校中に法令違反を犯し て信号のないところを横断した際の死亡重傷率の減少が最も大きかった(-57%;95%信頼 区間 -70%,-39%).

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第 4 章

考察

4.1 主な結果 2003 年から 2012 年の間に,登下校中の小中学生の交通死傷率は約 30%減少していた. 自転車の中学生男子の死亡重傷率はあまり減っていなかった一方,小学校低学年男子の下 校中の死亡重傷率は大きく減っていた. 4.2 自転車の中学生男子への対策 自転車で通学する中学生(12-15 歳)の 10 年間の死亡重傷率は,女子では 30%減少した ものの,男子では 14%の減少にとどまっていた.自転車通学する者の割合の年次推移が男 女で異なっていれば,死亡重傷率の男女差はそれによるものである可能性もあるが,それ は考えにくい.全般的な交通環境の影響も男女で大きく異なるとは考えられず,女子では 改善している個人の交通安全行動が男子では改善しておらず,この男女差が生じていると 解釈するのが最も妥当である. 女性よりも男性の方が自転車運転中(通学以外も含む)の死亡率が高い理由として,米 国の研究では,自転車利用頻度も症例致命割合も男性の方が高いことが報告されている(Li, et al. 1996).症例致命割合が高い理由としては,生物学的な差異の他,走行速度が速い (Thompson, et al. 1997)といった行動の差異も考えられる. 自転車運転中の死傷を減らす可能性がある個人レベルの介入として,ヘルメット着用の 義務化(Macpherson, et al. 2008; Ichikawa, et al. 2007)や,ヘルメットやそのクー ポンの配布(Royal, et al. 2007; Owen, et al. 2011)が挙げられる.Owen らのシステ マティックレビューでは,12 歳未満の年少児で介入効果がより高い可能性が指摘されてお り,中学生の死傷を減らすためには,小学生のときから介入するのがより有効であるかも しれない.また,ライトや反射・蛍光器材の使用により乗用車からの視認性が向上する(Kwan, et al. 2006)とされており,こちらも安全教育に加えて器材を無償配布することにより器 材の使用が増加したとの報告がある(Mulvaney, et al. 2006).一方,安全教育のみを行 った場合の効果は,現在も評価が定まっていない(Owen, et al. 2011; Richmond, et al. 2014). 環境レベルの介入としては,学校周辺におけるゾーン対策(自動車の制限速度を時速 30km 以下にすること,標識,ハンプ,狭窄,ライジング・ボラードの設置,路側帯の拡幅,カ ラー舗装など),自転車用トラック・レーンのネットワークの構築,幹線道路における自転 車と自動車の分離などが提案されている(文部科学省・国土交通省・警察庁, 2012; OECD/ITF, 2013). 中学生の歩行者の死亡重傷率は男女いずれも小学校高学年と大きく変わらないことから, 大半の中学生は徒歩で通学しており,自転車で通学する割合はそれほど大きくないと考え られる.また,欧州で行われた研究によると,自転車事故は乗用車や歩行者の事故と比べ て警察データに記録されにくい(Broughton, et al. 2008).つまり,今回はデータが得ら

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れなかったため中学生の総数を分母としたが,自転車通学している中学生の数のみを分母 として,記録が過少である可能性があることも考慮に入れて死亡重傷率を計算した場合は, 今回報告した率の数倍と非常に高率になる.すなわち,徒歩通学と比べると自転車通学は 数十倍死傷しやすいと考えられ,自転車通学の中学生への対策が望まれる. 4.3 なぜ小学校低学年男子の死傷が大きく減少したのか 今回のデータから小学校低学年男子の死傷が大きく減少した理由を特定することはでき ないが,豪州ニューサウスウェールズ州(Doukas, et al. 2010)や英国スコットランド (Pearson, et al. 2009)の先行研究でも歩行中の交通事故死傷は男子で女子よりも大き く減少しており,Pearson らはその理由として交通環境の改善,安全な遊び場の整備,室 内遊びの増加,車による移動の増加を可能性として挙げている. 我が国の近年の状況を踏まえて小学校低学年男子で大きく減少した原因を考察すると, まず放課後児童健全育成事業(いわゆる学童保育)の登録児童数の増加が挙げられる.全 国の登録児童数は,大半が小学校 3 年生以下であり,2003 年の 54 万人が 2012 年には 85 万人に増加した(厚生労働省,2014).学童保育から帰宅する時は保護者が迎えに行ったり 職員が送ったりして児童に連れ添うケースが多いとすると,この増加が低学年男子児童の 下校中の死亡重傷の大きな減少に寄与した可能性がある. さらに,通学路の歩道整備率が増加したことも,車道での遊戯や車道へのはみ出しを防 ぐことで死亡重傷の減少につながった可能性がある. 海外の研究で指摘されている室内遊びの増加が我が国でも当てはまるのかは,定量的な データを欠いており,不明である.ただ,豪州(ABS, 2012)やスコットランド(Gray, et al. 2011)では子どもの肥満割合が近年高値に留まっているが,我が国では減少傾向(文 部科学省 a)であり,活発な身体活動を伴わず肥満の危険を高める室内遊びが近年増加し ているかは疑問である. また,少子化に伴い小学校数は 2003 年の 23,633 校から 2012 年には 21,460 校に減少し ている(文部科学省 b).近所の小学校が廃校となり徒歩で通学できなくなったためスクー ルバスや公共交通機関で通学する児童が増えたとすると,歩行者の交通事故が減少する可 能性があるが,低学年男子で特に大きく減少する理由とはならなそうである.また,スク ールバスと路線バスをあわせた利用者数は全国の公立小中学校児童生徒のうち約 18 万人 (1.7%)であり(文部科学省,2008),大幅な減少を説明する理由とはなりにくい. その他,登下校中の交通事故以外にも近年児童が犠牲となる犯罪が大きく報道されるこ とがあり,これにより通学路ボランティアや集団登下校が増加したために交通事故による 死亡重傷が減少した可能性が挙げられるが,これもそれらの増加を示す定量的なデータを 欠いており不明である. 4.4 本研究の強みと限界 本研究の強みとして,我が国の交通死傷の全数データ 10 年間分を用いたものであること が挙げられる.個票データでなく集計データであるため,多くの交絡因子を調整した上で 地域レベルや個人レベルの危険因子を同定する高度な多変量解析は行えなかったが,性,

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年齢,当事者種別,事故類型などで層別することで,小中学生の通学中の交通死傷に関す る有用な知見を得た. 本研究の限界としては,まず,実際の死傷よりも過少報告である可能性が挙げられる. Nakahara らの研究では,特に乗用車に同乗していた子どもの受傷について警察の統計は過 少であると報告されている(Nakahara, et al. 2001).また,過少報告の可能性が少ない と思われる死亡と重傷に限定した解析を行ったが,県警による死亡事故件数の報告漏れも 報道されている(日本経済新聞;2012,2014).この過少報告が結果に与える影響は不明で あるが,結果を大きく変えるほどではないだろう. また,本研究では地域(都道府県,市町村),月,曜日,時刻,天候など,交通事故の発 生に影響を及ぼす項目が得られなかった.特に地域によって交通事故死傷の年次推移は異 なる可能性があり,今回得た結果がすべての地域に当てはまるとは言えない.実際に交通 安全対策を取る場合は地方自治体レベルであり,地域別の分析が必要である. さらに,今回層別に用いたのは事故時の年齢であり,学年とは一致しない場合がある. 具体的には,6 歳には大半が保護者と通園していて交通事故に遭うことが少なかったり通 園自体していなかったりする未就学児が含まれるため,今回得られた小学校低学年の死亡 重傷率は,真の死亡重傷率よりもやや過少推計であると考えられる.12-15 歳は,ほぼ徒 歩通学である小学 6 年生と,中学生よりも自転車通学者の割合が大きい可能性がある高校 1 年生が含まれているため,自転車の死亡重傷率の推計が過大か過少かは分からないが, いずれにしても結果を重大に変えるほどの誤差ではないと思われる.

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第 5 章

提言

通学時の交通安全において優先すべき課題は,中学生の自転車事故対策である.その理 由は,過去 10 年間で小中学生の登下校中の交通事故死亡・重傷・軽傷率は約 30%減少し たものの,男子自転車通学者の死亡重傷率の改善は小さく,率自体も徒歩通学者のそれと 比べ非常に高いからである. 自転車事故対策には,事故時の重傷度を軽減する方策と事故自体を減らす方策がある. 重傷度の軽減にはヘルメットの着用が有効と言われており,自転車通学時のヘルメット着 用が校則で義務づけられている学校は少なくない.これを徹底することで重傷度の軽減を 図ることができるかもしれない.一方,事故自体を減らすためには,その 7 割近くが発生 している交差点で何らかの対策をとる必要がある.たとえば,事故が発生している交差点 の多くに信号機が設置されていないことから,そのような交差点に車両の速度を抑制する ハンプを設置することで,事故回避の可能性を高め,事故が起きたとしても重傷度を抑え ることができるかもしれない.また,自転車事故の 8 割近くに自転車運転者の法令違反が 認められていることから,その対策も求められる. 登下校中の交通事故死傷率の経年的な減少はとりわけ低学年の児童で顕著だった.その 理由の 1 つである可能性があると考えられるのが,学童保育に通う児童の増加とそれに伴 う保護者や職員による児童の送迎である.しかし,その効果は他学年の児童には期待でき ない.また,その負担をむやみに保護者に強いるべきではない. 歩行者事故をさらに防ぐためには,その 7 割以上が信号機のないところで横断中に発生 していること,そして歩車道の区分があっても発生していることから,理想的には歩行者 と車両が交錯しない通学路を確保することが望まれる.そのためには通学路から車両を完 全に遮断する交通規制や都市デザインそのものを見直す必要がある.また,それが困難で あっても,通学路における車両の速度を規制することができれば,たとえ事故が起きても 重傷度を軽減することができる.速度規制は法的な規制がなくても,物理的に道路を狭め たり,ハンプを設置したりすることで可能である.こうした歩車分離や速度規制は徒歩通 学者だけでなく自転車通学者を事故から守るためにも重要である.

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参考文献

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(17)

図表

(18)

図 2 登下校中の交通事故死亡・重傷・軽傷率比(6-15 歳,男女)の年次推移

0

.25

.5

.75

1

(2003=1)

2003

2006

2009

2012

死亡

重傷

軽傷

(19)

図 3a 死亡重傷率の年次推移(歩行者,男子) 図 3b 死亡重傷率の年次推移(歩行者,女子)

0

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死亡重傷率

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1

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万人年)

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死亡重傷率

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2003

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6-7歳

8-9歳

10-11歳

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図 3c 死亡重傷率の年次推移(自転車,男子) 図 3d 死亡重傷率の年次推移(自転車,女子)

0

2

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死亡重傷率

(

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万人年)

2003

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6-7歳

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死亡重傷率

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万人年)

2003

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6-7歳

8-9歳

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図 4 死亡重傷率の年次推移(自転車,12-15 歳)

0

1

2

3

4

5

6

7

死亡重傷率 (/10万人年)

2003

2006

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男子、登校

男子、下校

女子、登校

女子、下校

(22)

表 1 項目(子どもの特性・事故状況)と死亡重傷数・率の二変量解析(2003 年から 2012 年の合計値) 項目 歩行者 自転車 死 亡 重 傷 数1) 死 亡 重 傷 率 2) 死 亡 重 傷 数1) 死 亡 重 傷 率 2) 全体 4474 3.8 4176 3.5 性 男 2798 4.6 2597 4.3 女 1676 2.9 1579 2.7 年齢(歳) 6-7 1640 7.2 22 0.1 8-9 1149 4.9 37 0.2 10-11 648 2.7 106 0.4 12-15 1037 2.1 4011 8.3 通行目的 登校 1711 1.4 2228 1.9 下校 2763 2.3 1948 1.6 事故類型3) 通行中 586 0.5 横断中 3336 2.8 その他 552 0.5 車両相互 3894 3.3 車両単独 277 0.2 子どもの 法令違反 あり 2765 2.3 3248 2.7 なし 1709 1.4 928 0.8 道路形状 幅の狭い (< 5.5 m) 単路 811 0.7 434 0.4 幅の広い (≥ 5.5 m) 単路 1520 1.3 919 0.8 狭い交差点 811 0.7 1393 1.2 広い交差点 1284 1.1 1413 1.2 道路以外の場所 48 0.04 17 0.01 歩車道区分 防護柵 219 0.2 165 0.1 縁石 2312 2.0 1799 1.5 路側帯 833 0.7 815 0.7 なし 1110 0.9 1397 1.2 信号機 あり 966 0.8 681 0.6 なし 3508 3.0 3495 3.0 地形 4) 市街地(人口集中) 1871 1296 市街地(その他) 1437 1200 非市街地 1166 1680 1)当該項目・区分に該当する死亡重傷数の 2003 年から 2012 年の合計である.表 2・3 と

(23)

同じ列である. 2)死亡重傷数を人口で除して 100,000 を乗じた数であり,10 万人年当たりの死亡重傷数 である. 3)自転車の「通行中」,「その他」の死亡重傷が計 5 件あったが,誤分類であると考えられ るため除外した. 4)市街地(人口集中)は人口 5,000 人以上かつ人口密度が 4,000 /km2以上の地域であり, 2010 年時点で国土の 3.4%を占め総人口の 67%が居住している.市街地(その他)はそれ よりも人口や人口密度が少ないが建造物が道路から 500 m 以上広がっている地域である. 非市街地はそれ以外の地域である.各区分に居住する子どもの数が不明であるため,率は 求めていない.

(24)

表 2 項目(子どもの特性・事故状況)と死亡重傷数・割合の二変量解析(2003 年から 2012 年の合計値) 項目 歩行者 自転車 死 亡 重 傷 数1) 死 亡 重 傷 割 合(%)2) 死 亡 重 傷 数1) 死 亡 重 傷 割 合(%)2) 全体 4474 100 4176 100 性 男 2798 63 2597 62 女 1676 37 1579 38 年齢(歳) 6-7 1640 37 22 0.5 8-9 1149 26 37 0.9 10-11 648 14 106 3 12-15 1037 23 4011 96 通行目的 登校 1711 38 2228 53 下校 2763 62 1948 47 事故類型3) 通行中 586 13 横断中 3336 75 その他 552 12 車両相互 3894 93 車両単独 277 7 子どもの 法令違反 あり 2765 62 3248 78 なし 1709 38 928 22 道路形状 幅の狭い (< 5.5 m) 単路 811 18 434 10 幅の広い (≥ 5.5 m) 単路 1520 34 919 22 狭い交差点 811 18 1393 33 広い交差点 1284 29 1413 33 道路以外の場所 48 1 17 0.4 歩車道区分 防護柵 219 5 165 4 縁石 2312 52 1799 43 路側帯 833 19 815 20 なし 1110 25 1397 33 信号機 あり 966 22 681 16 なし 3508 78 3495 84 地形 4) 市街地(人口集中) 1871 42 1296 31 市街地(その他) 1437 32 1200 29 非市街地 1166 26 1680 40 1)当該項目・区分に該当する死亡重傷数の 2003 年から 2012 年の合計である.表 1・3 と

(25)

同じ列である. 2)割合の分母は各項目別の死亡重傷数である.四捨五入しているため一項目中の各区分の 合計は必ずしも 100 とならない. 3)自転車の「通行中」,「その他」の死亡重傷が計 5 件あったが,誤分類であると考えられ るため除外した. 4)市街地(人口集中)は人口 5,000 人以上かつ人口密度が 4,000 /km2以上の地域であり, 2010 年時点で国土の 3.4%を占め総人口の 67%が居住している.市街地(その他)はそれ よりも人口や人口密度が少ないが建造物が道路から 500 m 以上広がっている地域である. 非市街地はそれ以外の地域である.

(26)

表 3 項目(子どもの特性・事故状況)と死亡重傷率の変化率の二変量解析 項目 歩行者 自転車1) 死 亡 重 傷 数2) 死亡重 傷率の 変化 率の点推定値(95% CI)(%)3) 死 亡 重 傷 数2) 死亡重傷 率の変化 率の点推定値(95% CI)(%)3) 全体 4474 -43(-48,-37) 4176 -20(-28,-12) 性 男 2798 -40(-46,-32) 2597 -14(-24,-2) 女 1676 -48(-55,-39) 1579 -30(-40,-18) 年齢(歳) 6-7 1640 -50(-57,-41) 22 -67(-92,+29) 8-9 1149 -41(-51,-29) 37 -28(-74,+99) 10-11 648 -41(-54,-25) 106 -53(-74,-13) 12-15 1037 -31(-43,-17) 4011 -20(-28,-12) 通行目的 登校 1711 -40(-49,-30) 2228 -24(-33,-13) 下校 2763 -44(-51,-37) 1948 -15(-27,-2) 事故 類型4) 通行中 586 -42(-55,-25) 横断中 3336 -42(-48,-36) その他 552 -48(-60,-32) 車両相互 3894 -23(-30,-15) 車両単独 277 +38(-8,+106) 子 ど も の 法令違反 あり 2765 -51(-56,-44) 3248 -20(-28,-11) なし 1709 -25(-35,-13) 928 -27(-40,-10) 道路形状 幅の狭い (< 5.5 m) 単路 811 -30(-44,-13) 434 -7(-32,+27) 幅 の 広 い ( ≥ 5.5 m) 単路 1520 -46(-54,-37) 919 -26(-39,-9) 狭い交差点 811 -61(-69,-51) 1393 -37(-47,-26) 広い交差点 1284 -33(-44,-20) 1413 +1(-14,+19) 道路以外の場所 48 -21(-67,+93) 17 -11(-80,+295) 歩車道 区分 防護柵 219 -55(-71,-31) 165 -18(-49,+34) 縁石 2312 -40(-47,-31) 1799 -19(-30,-6) 路側帯 833 -34(-46,-18) 815 -2(-21,+22) なし 1110 -52(-60,-42) 1397 -32(-42,-19) 信号機 あり 966 -43(-53,-31) 681 -16(-34,+7) なし 3508 -43(-48,-36) 3495 -21(-29,-12) 地形5) 市街地(人口集 中) 1871 -39(-47,-30) 1296 -23(-36,-9)

(27)

市街地(その他) 1437 -36(-46,-25) 1200 -14(-29,+2) 非市街地 1166 -64(-70,-57) 1680 -31(-41,-19) 1)自転車の死亡重傷は大半が 12-15 歳であったため,年齢以外の項目についての分析は 12-15 歳に限定した. 2)当該項目・区分に該当する死亡重傷数の 2003 年から 2012 年の合計である.表 2・3 と 同じ列である. 3)CI は信頼区間.死亡重傷数を従属変数,年(連続変数)を独立変数,層別の児童生徒 数をオフセット項とするポアソン回帰モデルにより推定した回帰係数を 9 乗することで, 2003 年から 2012 年の変化率を求めた. 4)自転車の「通行中」,「その他」の死亡重傷が計 5 件あったが,誤分類であると考えられ るため除外した. 5)市街地(人口集中)は人口 5,000 人以上かつ人口密度が 4,000 /km2以上の地域であり, 2010 年時点で国土の 3.4%を占め総人口の 67%が居住している.市街地(その他)はそれ よりも人口や人口密度が少ないが建造物が道路から 500 m 以上広がっている地域である. 非市街地はそれ以外の地域である.各区分に居住する子どもの数が不明であるため,この 項目のポアソン回帰モデルのみオフセット項を用いなかった.

(28)

表 4 項目(子どもの特性・事故状況)と死亡重傷率の変化率の二変量解析(自転車,男 子,12-15 歳に限定) 項目 死亡重傷数1) 死亡重傷率の変化率の点 推定値(95%CI)(%)2) 全体 2479 -14(-24,-2) 通行目的 登校 1318 -21(-34,-7) 下校 1161 -4(-20,+15) 事故 類型3) 車両相互 2296 -16(-26,-5) 車両単独 179 +29(-19,+103) 子どもの 法令違反 あり 1977 -15(-26,-2) なし 502 -15(-35,+12) 道路形状 幅の狭い (< 5.5 m) 単路 256 +3(-30,+51) 幅の広い (≥ 5.5 m) 単路 576 -23(-40,0) 狭い交差点 838 -30(-44,-14) 広い交差点 796 +11(-11,+37) 道路以外の場所 13 +29(-76,+608) 歩車道 区分 防護柵 101 -9(-51,+67) 縁石 1058 -16(-30,+2) 路側帯 466 +9(-18,+44) なし 854 -22(-37,-4) 信号機 あり 386 -8(-33,+26) なし 2093 -14(-25,-2) 1)当該項目・区分に該当する死亡重傷数の 2003 年から 2012 年の合計である. 2)CI は信頼区間.死亡重傷数を従属変数,年(連続変数)を独立変数,層別の児童生徒 数をオフセット項とするポアソン回帰モデルを用いて推定した回帰係数を 9 乗することで, 2003 年から 2012 年の変化率を求めた. 3)自転車の「通行中」,「その他」の死亡重傷が計 5 件あったが,誤分類であると考えられ るため除外した.

(29)

表 5 項目(子どもの特性・事故状況)と死亡重傷率の変化率の二変量解析(歩行者,男 子,6-7 歳に限定) 項目 死亡重傷数1) 死亡重傷率の変化率の点 推定値(95%CI)(%)2) 全体 1091 -48(-57,-37) 通行目的 登校 403 -44(-59,-24) 下校 688 -49(-60,-36) 事故類型 通行中 106 -51(-73,-10) 横断中 847 -46(-56,-33) その他 138 -56(-74,-24) 子どもの 法令違反 あり 766 -53(-63,-41) なし 325 -29(-49,+1) 道路形状 幅の狭い (< 5.5 m) 単路 208 -36(-58,-1) 幅の広い (≥ 5.5 m) 単路 389 -53(-65,-35) 狭い交差点 207 -53(-70,-27) 広い交差点 278 -45(-62,-20) 道路以外の場所 9 +53(-81,+1111) 歩車道 区分 防護柵 53 -64(-85,-13) 縁石 555 -48(-60,-32) 路側帯 204 -35(-58,+1) なし 279 -51(-67,-29) 信号機 あり 210 -47(-65,-18) なし 881 -48(-58,-35) 1)当該項目・区分に該当する死亡重傷数の 2003 年から 2012 年の合計である. 2)CI は信頼区間.死亡重傷数を従属変数,年(連続変数)を独立変数,層別の児童生徒 数をオフセット項とするポアソン回帰モデルを用いて推定した回帰係数を 9 乗することで, 2003 年から 2012 年の変化率を求めた.

(30)

図 1  道路管理者による通学路の交通安全対策の例(出典:国土交通省)
図 2  登下校中の交通事故死亡・重傷・軽傷率比(6-15 歳,男女)の年次推移 0.25.5.751率比(2003=1)200320062009 2012年死亡重傷軽傷
図 3a 死亡重傷率の年次推移(歩行者,男子)  図 3b 死亡重傷率の年次推移(歩行者,女子) 02468101214死亡重傷率 (/10万人年)20032006 2009 2012年6-7歳8-9歳10-11歳12-15歳02468101214死亡重傷率 (/10万人年)2003200620092012年6-7歳8-9歳10-11歳12-15歳
図 3c 死亡重傷率の年次推移(自転車,男子)     図 3d 死亡重傷率の年次推移(自転車,女子) 02468101214死亡重傷率 (/10万人年)20032006 2009 2012年6-7歳8-9歳10-11歳12-15歳02468101214死亡重傷率 (/10万人年)2003200620092012年6-7歳8-9歳10-11歳12-15歳
+7

参照

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