Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College,
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Title
歯科医師が関わるチーム医療・多職種連携 7.いびき
無呼吸専門外来
Author(s)
佐藤, 一道; 中島, 庸也; 宮内, 潤; 野村, 武史
Journal
歯科学報, 117(1): 24-26
URL
http://hdl.handle.net/10130/4194
Right
Description
―――― カラーアトラス ――――
歯科医師が関わるチーム医療・多職種連携
7.いびき無呼吸専門外来
さ とう かず みち
佐 藤 一 道
1)
,
なか じま つね や
中 島 庸 也
2)
,
みや うち じゅん
宮 内
潤
3)
,
の むら たけ し
野 村 武 史
1)
1)
東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座
2)
東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科
3)
東京歯科大学市川総合病院臨床検査科
カ ラ ー ア ト ラ ス の 解 説
日本睡眠学会認定施設として
東京歯科大学市川総合病院は日本に数施設しかな
い,日本睡眠学会認定医と日本睡眠学会認定歯科
医,日本睡眠学会認定検査技師の3者がそろう施設
である(図1)。「いびき無呼吸専門外来」(図2)は
耳鼻咽喉科内にあり,近隣の施設よりの紹介を受
け,終夜睡眠ポリソムノグラフィー検査(Polysom-nography:以後 PSG と略す)の2部屋はフル稼働
の状態にある。毎週月曜日に閉塞性睡眠時無呼吸
症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome:以後
OSAS と略す)を中心とした,症例カンファレンス
を行っている(図3−5)。自覚症状と PSG 結果に
加え,鼻咽腔所見・顎顔面形態,年齢や肥満,既往
歴や家族背景といったことを総合的に評価し,治療
方針を検討している。また PSG による口腔内装置
の効果判定とその後の対応も,このカンファレンス
で検討が行われる。治療担当の耳鼻咽喉科を中心に,
PSG を担当する臨床検査科,顎顔面形態の評価と
口腔内装置,また睡眠時ブラキシズムを担当する歯
科・口腔外科の参加によって多面的な意見が反映さ
れるカンファレンスとなっている。
市川総合病院における OSAS に対する
口腔内装置治療
OSAS に対する口腔内装置治療は1999年から行っ
ている。当時は教科書的な資料はなく,論文にある
写真などを参考に口腔内装置を作製していた。また
口腔内装置の効果を把握する上で,OSAS の軽症か
ら重症のほぼすべての症例で口腔内装置による対応
を行った経緯がある。この際,顕著に奏功する症例
がある一方,悪化あるいは効果はあってもまだ病的
な無呼吸や低呼吸が残る症例がみられ,口腔内装置
の治療効果判定の重要性を再確認している1,2)
。
口腔内装置治療は歯科・口腔外科が睡眠専門施設
から情報診療提供書を受け,原則,保険診療で行っ
ている。このため他の診療施設同様,技工費用との
兼ね合いから,口腔内装置は上下顎を固定した一体
型であり,材質は硬い。脳血管障害後に麻痺のある
症例などでは時に,装着が困難となるため,軟性の
一体型装置を応用することがある3)
。この軟性の材
料を使用することで,多数歯が欠損していても歯槽
部にまで維持を求めることでき,口腔内装置の適応
例が広がっている。
OSAS に対する口腔内装置治療の
医科歯科連携と地域連携(歯科歯科連携)
歯科・口腔外科での口腔内装置治療の紹介元は院
内の耳鼻咽喉科が70%で,他院の睡眠専門施設から
も30%ある(2015年6月−2016年5月)。歯科・口腔
外科受診後は,口腔内装置治療の概要を説明する
が,特に「歯や顎関節に負担をかけるものである」
ことを十分に説明している。その上で,う蝕処置等
が必要な症例はかかりつけ歯科医へ治療を依頼する
とともに,継続的な口腔管理をお願いしている(図
6)。装置完成後は再度,PSG による装置の効果判
定を行うことを基本とし,結果に応じた医科歯科連
携を継続させている。
口腔内装置は煩雑な作製過程がある訳ではない。
しかし,このような睡眠専門施設との連携の上に診
療がすすめられていく重要性がある。装置作製後に,
効果判定を省いたり,紹介元への連絡なしに終診す
ることは,あってはならない。また当院は地域医療
支援病院の立場から,外来での一般歯科治療の対応
は行っていない。このため,「歯科歯科連携」とい
う名の近隣の歯科医院の先生の配慮の上に,口腔内
装置治療が成り立っていることを特記する。
市川総合病院における OSAS に関する学生教育
OSAS に対する歯科的な対応は小児期にあっては
顎顔面形態の発育への対応,発症後の口腔内装置治
療,上下顎骨前方移動術といった手術療法と実に多
方面に及ぶ。もっとも頻度の高い口腔内装置治療に
あっても,診断を行った睡眠専門施設との連携は,
治療を成功させる上で,単に口腔内装置の作製以上
に重要である。一方で,一般歯科診療所の口腔内装
置治療の経験歯科医師は37.4%という報告(平成27
年度歯科医業経営総合調査報告書)があるように,
OSAS に対する口腔内装置治療は普及の一途にあ
る。
このため学生教育においても医科歯科連携を重要
な点として,オーラルメディシン・口腔外科学講座
内では4学年の講義で,また5学年の市川総合病院
の臨床実習内で反映させている。市川総合病院の臨
床実習では,睡眠と OSAS の講義の他,PSG の検
査室の見学と口腔内装置の作製にあたっての下顎前
方移動量の決定法の実習を約半日かけて,平成28年
度より行っている(図7,8)。
文 献
1)佐藤一道,塚本裕介,渡邊 裕,外木守雄,山根源之,
久納 浄,浅香大也,松脇由典,中島庸也:睡眠時無呼吸
症候群に対する口腔内装置による治療の検討.歯科学報,
102:42−49,2002.
2)塚本裕介,有坂岳大,栗山智宏,森下仁史,佐藤一道,
渡邊 裕,外木守雄,山根源之,大櫛哲史,葉山貴司,中
島庸也,大川登史,宮内 潤:当院における睡眠時無呼吸
低呼吸症候群に対する口腔内装置による治療の現状.歯科
学報,106:236−242,2006.
3)有坂岳大,佐藤一道,外木守雄,山根源之:睡眠時無呼
吸症候群に対するシリコーン製口腔内装置の適応.日本口
腔診断学会雑誌,24:110−116,2011.
歯科医師が関わるチーム医療・多職種連携
7.いびき無呼吸専門外来
佐 藤 一 道
1)
,中 島 庸 也
2)
,宮 内
潤
3)
,野 村 武 史
1)
1)
東京歯科大学オーラルメディシン・口腔外科学講座
2)
東京歯科大学市川総合病院耳鼻咽喉科
3)
東京歯科大学市川総合病院臨床検査科
図7 市川総合病院での臨床実習風景
講義中,下顎前方移動量を採得する器具の説明(リ
リーハイム2階,講義室)
図8 市川総合病院での臨床実習風景
PSG 検査室の見学(3階東病棟)
図1 当院の日本睡眠学会認定資格者
図2 東京歯科大学市川総合病院 いびき無呼吸専門外来の
ホームページ(http : //tdcapnea.com)
図3 いびき無呼吸専門外来カンファレ
ンス(耳鼻咽喉科外来)
耳鼻咽喉科,臨床検査科,歯科・
口腔外科の合同カンファレンス
図4 いびき無呼吸専門外来カンファレ
ンス(3階東病棟,PSG 検査解析室)
図5 歯科・口腔外科における口腔内装
置カンファレンス(歯科・口腔外科
外来)
図6 当院歯科・口腔外科における口腔
内装置治療における医科歯科連携と
地域連携(歯科歯科連携)