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語 種 構 成 比 率 の 変 遷 の 調 査 方 法
第 7 章 の 解 説 1 の 「 1. 語 種 か ら 見 た 日 本 語 の 歴 史 」( pp.142~ 143) に 示 し た 、 図 7.2「『 日 本 語 歴 史 コ ー パ ス 』 に よ る 自 立 語 の 語 種 構 成 比 率 の 推 移 ( 異 な り 語 数 )」 は 、『 日 本 語 歴 史 コ ー パ ス 』 の 開 発 者 用 の ツ ー ル で あ る 「 大 納 言 」 を 用 い た 、 平 安 時 代 、 室 町 時 代 、 明 治 ・ 大 正 時 代 を 対 象 と し た 、 や や 大 が か り な 語 彙 調 査 の 結 果( 田 中 2017)に 基 づ い て い る 。同 じ く 、「 1.3 漢 語 の 減 少 と そ の 背 景 」( pp.144~ 146) に 示 し た 、 図 7.3「『 明 治 ・ 大 正 編 』 に 含 ま れ る 雑 誌 に よ る 語 種 構 成 比 率 の 推 移( 異 な り 語 数 )』は 、明 治・大 正 時 代 の 雑 誌 を 対 象 と し た 語 彙 調 査 の 結 果 ( 田 中 2015) に よ っ て い る 。 こ の よ う な 「 大 納 言 」 を 使 っ た 大 が か り な 語 彙 調 査 で は な く 、 各 時 代 か ら 一 部 の 資 料 を 選 ん で 、「 中 納 言 」を 用 い て 個 人 が 調 査 を 行 う こ と で も 、語 種 構 成 比 率 の 変 遷 は と ら え る こ と が で き る 。 そ の 例 と し て 、 奈 良 時 代 、 平 安 時 代 、 室 町 時 代 、 江 戸 時 代 、 明 治 時 代 の 口 語 体 資 料 か ら 、 次 の 【 調 査 対 象 】 に 対 し て 、 語 種 構 成 比 率 の 調 査 を 行 う 手 順 を【 調 査 方 法 】に 示 す 。【 調 査 方 法 】の 示 し た Excel の 操 作 に つ い て は 、 本 冊 の 付 録 に 掲 載 し た 「 8.4 語 種 構 成 比 率 の 調 査 」 ( p.171~172) も 参 照 し て ほ し い 。 【 調 査 対 象 】 奈 良 時 代 : 万 葉 集 、 平 安 時 代 : 枕 草 子 、 室 町 時 代 : 虎 明 本 狂 言 集 -脇 ・大 名 類 、江 戸 時 代:洒 落 本 -江 戸 作 品 、明 治 時 代:明 治 初 期 口 語 -4 作 品( 安 愚 楽 鍋 、 開 化 問 答 、 交 易 問 答 、 文 明 開 化 ) ※ 鎌 倉 時 代 を 対 象 に し な か っ た の は 、 こ の 時 代 に 口 語 体 の 文 献 が 存 在 し な い た め 、文 体 を 揃 え て 時 代 間 比 較 を 行 う こ と が で き な い た め で あ る( → 第 1 章「 3. 『 日 本 語 歴 史 コ ー パ ス 』と は 」p.2~7)。ま た 、各 時 代 で 選 択 し た 文 献 は 、総 語 数 が 、「 中 納 言 」 の ダ ウ ン ロ ー ド 上 限 で あ る 10 万 件 に 達 し な い 範 囲 で 選 ん だ 。 【 調 査 方 法 】 ① 「 中 納 言 」 で 、「 検 索 対 象 の 選 択 」 か ら 、『 万 葉 集 』 を 選 ぶ 。 ② 「 短 単 位 検 索 」で 、「 語 彙 素 」に「 %」( 半 角 )を 入 力 し 、「 検 索 結 果 を ダ ウ③ ② で ダ ウ ン ロ ー ド し た デ ー タ を Excel で 開 き 、「 挿 入 」 → 「 ピ ボ ッ ト テ ー ブ ル 」 を 選 択 し て 「 ピ ボ ッ ト テ ー ブ ル の フ ィ ー ル ド 」 の と こ ろ で 、「 行 」 と「 値 」の ボ ッ ク ス に「 語 種 」を ド ラ ッ グ す る 。こ の 操 作 で で き た テ ー ブ ル が 、『 万 葉 集 』 の 延 べ 語 数 に よ る 語 種 の 集 計 で あ る 。 ④ ② で ダ ウ ン ロ ー ド し た デ ー タ を Excel で 開 き 、「 挿 入 」 → 「 ピ ボ ッ ト テ ー ブ ル 」 を 選 択 し て 「 ピ ボ ッ ト テ ー ブ ル の フ ィ ー ル ド 」 の と こ ろ で 、「 行 」 の ボ ッ ク ス に「 語 彙 素 ID」「 語 彙 素 読 み 」「 語 彙 素 」「 語 種 」を 、「 値 」の ボ ッ ク ス に 「 語 種 」 を ド ラ ッ グ す る 。 ⑤ 「 デ ザ イ ン 」→「 レ ポ ー ト の レ イ ア ウ ト 」か ら 、「 表 形 式 で 表 示 」と「 ア イ テ ム の ラ ベ ル を す べ て 繰 り 返 す 」 を 選 択 す る 。 ⑥ ⑤ に よ っ て 作 成 さ れ た テ ー ブ ル 全 体 を コ ピ ー し 、そ の 値 の み を 、新 し い ワ ー ク シ ー ト に 貼 り 付 け る 。 こ れ が 、 編 集 可 能 な 「 語 彙 頻 度 表 」 で あ る 。 ⑦ ⑥ で 作 成 し た「 語 彙 頻 度 表 」を も と に 、「 挿 入 」→「 ピ ボ ッ ト テ ー ブ ル 」を 選 択 し て「 ピ ボ ッ ト テ ー ブ ル の フ ィ ー ル ド 」の と こ ろ で 、「 列 」「 値 」の ボ ッ ク ス に 「 語 種 」 を ド ラ ッ グ す る 。 こ の 操 作 で で き た テ ー ブ ル が 、『 万 葉 集 』 の 異 な り 語 数 に よ る 語 種 の 集 計 で あ る 。 ⑧ 『 枕 草 子 』、『 虎 明 本 狂 言 集 』-脇 ・大 名 類 、「 洒 落 本 」-江 戸 作 品 、「 明 治 初 期 口 語 」 -4 作 品 に つ い て も 、 ① ~ ⑦ の 操 作 を 行 う 。 ⑨ 五 つ の 文 献 の 語 種 集 計 の 結 果 を 、一 つ の ワ ー ク シ ー ト に ま と め 、帯 グ ラ フ を 作 成 し て 、 時 代 的 推 移 を 確 認 す る 。 調 査 結 果 調 査 の 結 果 得 ら れ た 集 計 表 と グ ラ フ は 、延 べ 語 数 は 、表 1、表 2、図 1、異 な り 語 数 は 、表 3、表 4、図 2 の 通 り で あ る 。延 べ 語 数 に お い て も 、異 な り 語 数 に お い て も 、 室 町 時 代 の 虎 明 狂 言 と 、 江 戸 時 代 の 洒 落 本 と の 間 に は 、 ほ と ん ど 差 が な い が 、 そ れ 以 外 は 、 時 代 が 進 む に 従 っ て 、 和 語 の 比 率 が 減 少 し 、 漢 語 の 比 率 が 増 加 す る 傾 向 の あ る こ と が 確 認 で き る 。 ま た 、 外 来 語 の 比 率 は 、 い ず れ の 資 料 で も き わ め て 低 い が 、 低 い 数 値 の な か で も 、 延 べ 語 数 に お い て も 異 な り 語 数 に お い て も 、 室 町 時 代 と 江 戸 時 代 の 間 に 差 が あ り 、 異 な り 語 数 に お い て は 、 江 戸 時 代 と 明 治 時 代 の 間 に 差 が あ り 、 そ の 時 期 に 増 加 す る こ と が わ か る 。
表 1 語 種 別 の 語 彙 統 計 ( 延 べ 語 数 の 実 数 ) 語 種 万 葉 集 枕 草 子 虎 明 狂 言 _ 脇 ・ 大 名 洒 落 本 _ 江 戸 明 治 初 期 口 語 _ 4 作 品 和 語 9 5 7 4 3 6 2 6 5 0 5 7 7 8 3 6 7 4 3 1 5 3 6 2 7 漢 語 2 9 2 5 9 0 5 5 0 8 6 5 8 3 8 9 7 4 外 来 語 2 1 7 8 1 5 2 1 4 6 混 種 語 6 3 0 7 2 0 1 4 1 5 6 0 1 1 2 4 合 計 9 5 7 8 0 6 5 5 6 4 6 5 3 1 3 7 5 7 2 6 6 3 8 7 1 表 2 語 種 別 の 語 彙 統 計 ( 延 べ 語 数 の 比 率 ) 語 種 万 葉 集 枕 草 子 虎 明 狂 言 _ 脇 ・ 大 名 洒 落 本 _ 江 戸 明 治 初 期 口 語 _ 4 作 品 和 語 100 .0% 9 5 .6% 88.5% 89.0% 84.0% 漢 語 0 .0% 4 .0% 8.4% 8.7% 14.1% 外 来 語 0 .0% 0 .0% 0.0% 0.2% 0.2% 混 種 語 0 .0% 0 .5% 3.1% 2.1% 1.8% 合 計 100 .0% 1 0 0 .0% 100.0% 100.0% 100.0% 図 1 語 種 構 成 比 率 の 推 移 ( 延 べ 語 数 )
表 3 語 種 別 の 語 彙 統 計 ( 異 な り 語 数 の 実 数 ) 語 種 万 葉 集 枕 草 子 虎 明 狂 言 _ 脇 ・ 大 名 洒 落 本 _ 江 戸 明 治 初 期 口 語 _ 4 作 品 和 語 4 3 5 3 3 1 5 5 2 7 2 8 4 6 5 2 3 8 5 2 漢 語 2 4 5 3 0 9 8 4 1 5 6 1 2 4 9 7 外 来 語 2 9 4 3 0 5 5 混 種 語 5 7 8 1 0 4 3 6 5 2 9 3 合 計 4 3 8 4 3 7 7 2 3 8 2 0 6 6 0 8 6 6 9 7 表 4 語 種 別 の 語 彙 統 計 ( 異 な り 語 数 の 比 率 ) 語 種 万 葉 集 枕 草 子 虎 明 狂 言 _ 脇 ・ 大 名 洒 落 本 _ 江 戸 明 治 初 期 口 語 _ 4 作 品 和 語 99 .3% 8 3 .6% 71.4% 70.4% 57.5% 漢 語 0 .5% 1 4 .1% 25.8% 23.6% 37.3% 外 来 語 0 .0% 0 .2% 0.1% 0.5% 0.8% 混 種 語 0 .1% 2 .1% 2.7% 5.5% 4.4% 合 計 100 .0% 1 0 0 .0% 100.0% 100.0% 100.0% 図 2 語 種 構 成 比 率 の 推 移 ( 異 な り 語 数 )
参 考 文 献
田 中 牧 郎 ( 2015 )「 明 治 後 期 か ら 大 正 期 に 基 本 語 化 す る 語 彙 」( 斎 藤 倫 明 ・ 石 井 正 彦 編 『 日 本 語 語 彙 へ の ア プ ロ ー チ 』( お う ふ う )