第134回
岡
山
外
科
会
日 時:平 成9年10月26日(日)10時 よ り 場 所:倉 敷 フ ァ ッ シ ョ ン セ ン ター イベ ン トホ ー ル 会 長:山 崎 泰 弘 (平 成9年12月4日 受 稿)1. 痙 性 斜 頚 に対 す る視 床 破 壊 術
岡山大学医学部脳神経外科 松 下 博 和
青 井 瑞 穂
富 田
享
大 本 堯 史
14例 の 痙 性 斜 頚 に 対 す るVoi核 を 中 心 と した 視 床 破 壊 術 に つ い て,臨 床 成 績 を 検 討 し た.視 床 の 破 壊 側 は,異 常 収 縮 す る胸 鎖 乳 突 筋 の 同 側, 板 状 筋 を は じめ とす る後 頚 筋 群 の 対 側 で,よ り 優 勢 な 筋 で 判 断 す る こ と と し,半 数 で 良 い 成 績が得 られた.破 壊側 の決 定が 困難 な症例 では,
両側 手術 の必要 な可能性 が あ り,そ の際,試 験
用脳 深部 電極 を設 置 し,そ の臨床効 果 に応 じて
治療 計画 を立 て るのが安 全か つ有 用 と考 え られ
た.
2. 外 転 神 経 麻 痺 を 呈 したCCFの
一 例
水島中央病院
白 川 武 志
足 立 吉 陽
秋 岡 達 郎
症 例 は,58歳,女 性.頭 痛,複 視 に て 発 症. 眼 科 に て 右 外 転 神 経 麻 痺 を指 摘 さ れ,当 科 紹 介 受 診 時,右 外 転 神 経 麻 痺 以 外 神 経 学 的 異 常 を認 め ず,眼 球 突 出,結 膜 充 血,雑 音 を認 め ず,入 院 後,脳 血 管 撮 影 で,右CCFを 認 め,低 流 量 で あ り,コ タ ス 手 技 に て 症 状 軽 快 し た.脳 血 管 撮 影 で もCCFは 消 失 し た.診 断,治 療 方 法 に つ い て 文 献 的 に 検 討 し報 告 し た.3. 顔 面 の 骨 切 り術 に つ い て
倉敷中央病院形成外科 小
山 久 夫
太 田 正 佳
小 宗 弘 幸
西 村
雄
都
甲 武 史
勝 又 裕 子
池 田 欣 生
上 顎 あ る い は 中 顔 面 の 垂 直 距 離 が 長 い 顎 変 形 を ま とめ て 長 顔 症 群, long face syndromeと 呼 ぶ.我 々 は, long faceの1例 を経 験 し,上 下 顎の 骨 切 り術 を 同 時 に 行 う こ と で 良 好 な 結 果 を得 た の で こ こ に 報 告 し た.
4. 徒 手 整 復 不 能 で あ っ た 上 腕 骨 近 位 骨 端 線 損 傷 の 治 療 経 験
岡山労災病院整形外科 高 田 英 一
花 川 志 郎
梶 谷
充
笠岡市立市民病院整形外科 駒 井 康 孝
庄
隆 宏
症 例 は2例 と もにSalter-Harris Ⅱ 型 で あ り, 初 診 時X-Pに て,骨 頭 は 内 側 後 方 へ 大 き く転 位 し て い た.受 傷 当 日,徒 手 整 復 を 試 み る も整 復 不 能 で あ り,観 血 的 整 復 術 を 施 行 し た.上 腕 二 頭 筋 長 頭 と前 方 骨 膜 は 骨 頭 と遠 位 骨 片 の 間 に 嵌入 して い た.上 腕 骨遠 位 骨端 線損 傷 は通常保 存
的 治療 を行 うが,骨 頭 が 内側 後方 へ大 き く転位
し徒 手 整復不 能 な場合,骨 片 間 に軟部 組織 の嵌
入 してい る こ とが あ り,観 血 的整復 術 を考 慮す
る必要 が あ る.
5. 急 激 に 両 下 肢 麻 痺 を きた した 胸 椎 椎 間 板 ヘ ル ニ ア の1例
国立岡山病院整形外科
山 内 太 郎
中 原 進 之 介
末 長
敢
田 中 雅 人
甲 斐 信 生
明 らか な外傷 の誘 因 がな く急激 に両 下肢 麻痺
で発 症 した胸 椎 椎 間板 ヘ ル ニア は非常 に まれ で
あ り,文 献 的 な報告 も少 な く,過 去 の文献 お よ
び我々 の症例 か ら見 る限 りで は,急 激 に発 症 す
る胸 椎 椎間板 ヘ ル ニア は,働 き ざか りに あ る年
齢 の,肉 体 労働 者 で肥満 の あ る人に起 こる傾 向
が ある と考 え られ た.我 々 の症例 では急 激に症
状 が発 生 した要 因の一 つに黄 色靱 帯骨 化症 の合
併 に よる脊 柱 管の 狭小化 が考 え られ た.
6. DHS抜
釘 後 に新 た に 生 じた 大 腿 骨 頚 部 骨 折
岡山市立市民病院整形外科
中 島 恭 哉
渡 邊 唯 志
小 浦
宏
臼 井 正 明
佐 藤
理
今 回,我 々 はDHSに
よ る大腿 骨転 子部 骨 折
内固定 後,抜 釘 を施行 し大腿 骨頚 部骨 折 を生 じ
た1例 を経 験 した ので報 告す る.症 例 は70歳 の
女性,交 通 外傷 に て当 院救 急受 診 とな った.
右 大 腿骨 転 子部骨 折 を認 め,DHSに
て内 固定
を施行,骨 癒 合獲得 後,術 後18ヵ 月 目に抜釘術
を施行 す る も抜釘 後15日 目のX線 写 真 で大腿 骨
頚部 内側 骨折 を認 め た.老 人 の大腿 骨転 子部 骨
折 の抜釘 後 には,新 たに骨 折 が生 じうる可能性
が あ る と考 え られ た.
7. 脛 骨 骨 幹 部 骨 折 術 後 骨 髄 炎 の 治 療 経 験
岡山大学医学部整形外科 松 尾 真 嗣
佐 藤
徹
井 上
一
岡山済生会病院整形外科 守 都 義 明
光生病院整形外科 秋
山 明 三
【目的 】 脛 骨 骨 幹 部 骨 折 術 後 に 骨 髄 炎 を 生 じ た 6例 の 治 療 成 績 を検 討 し た. 【症 例 】 初 期 固 定 は 髄 内 釘 の み3例,創 外 固 定 後 に 髄 内 釘 施 行2例,プ レー ト固 定 の み1例 で あ っ た. 【結 果 】 起 炎 菌 は 黄 ブ 菌4例,緑 膿 菌1例 あ り,この うちMRSAを2例
認 めた.早 期 抜釘 を施
行 した3例 で は良好 な骨癒 合 と骨 髄炎 の鎮 静化
を認め た.内 固定材料 を留 置 した3例 中2例 は
骨 髄炎 が遷延 化 した.
【
考 察 】
感染 を認め た場合,早 期 インプ ラ ン ト
の 抜去,固 定法 の変 更 が重要 で あ る.
8. 救 命 で き た 壊 死 性 筋 膜 炎 症 例
岡山赤十字病院整形外科 土 居 克 三
小 野 勝 之
那 須 正 義
山 根 孝 志
東 原 信 七 郎
村 上 勝 彦
大 淵 左 知 子
endotoxin shockに よ る 急 性 腎 不 全 を 伴 っ た 左 下 肢 壊 死 性 筋 膜 炎 の 一 症 例(34歳,女 性)を 経 験 した.ICUに お け る全 身 管 理 と早 期debride mentに よ り救 命 す る こ とが で き た.壊 死 性 筋 膜 炎 は そ の 診 断 と治 療 開 始 が 遅 れ る と極 め て 予 後が悪 く致命 率 の高 い疾 患 で ある.比 較 的稀 な疾
患で は あるが壊死 性 筋膜炎 とい う疾 患の 存在 を
念頭 に置 き診療 に あた るこ とが重要 で あ る と思
われ た.
9. 75歳 以 上 吉 齢 者 大 動 脈 弁 狭 窄 症 の 外 科 治 療 の 検 討
心臓病センター榊原病院心臓血管外科 濱 中 荘 平
畑
隆 登
津 島 義 正
松 本 三 明
吉 鷹 秀 範
甲 斐 恭 平
袖 長 安 積
中 村 浩
己
南
一 司
榊 原
宣
【対 象 と方 法 】 1989年 ∼1997年9月 ま で の75歳 以 上 高 齢 者 大 動 脈 弁 狭 窄 症 例21例 に つ い て 検 討 を行 っ た. 【結 果 】 17例 で 機 械 弁,4例 で 異 種 生 体 弁 に て 人 工 弁 置換 術 を行 っ た.術 前5例 で 溶 血 性 の 貧 血 を 認 め た.21例 中19例 が 重 度 の 石 灰 化 を伴 っ て お り,人 工 弁 の 挿 入 に 際 し,CUSAの 使 用, 特 殊 な 糸 か け 等 を行 っ た.全 症 例 が 軽 快 退 院 し た. 【結 論 】 75歳 以 上 高 齢 者ASに 対 す る 人 工 弁 置 換 術 は,術 後 血 行 動 態 の 改 善 は 著 明 で あ り,積 極 的 に 外 科 治 療 を選 択 す べ き と考 え られ た.10. 閉 塞 性 動 脈 硬 化 症 に 対 す る カ テ ー テ ル ア テ レ ク ト ミー の 経 験
国立岡山病院心臓血管外科 浅 井 友 浩
鈴 木 栄 治
藤 井 隆 文
徳 永 宜 行
藤 田 邦 夫
谷 崎 真 行
1994年11月 か ら1997年8月 ま で の 期 間 に15症 例21病 変 に 対 しカ テ ー テ ル ア テ レ ク ト ミー を施 行 し,11病 変 につ い て 遠 隔 期 の 狭 窄 率 を調 査 し 得 た.結 果,遠 隔 期 に9例 に お い て50%以 下 の 狭 窄 率 に と ど ま り,2例 で そ れ 以 上 の 狭 窄 をみ た.ま た,病 変 の 性 状 の 違 い に よ る 再 狭 窄 の 起 こ り や す さ に つ い て 検 討 し た. endovascular interventionの 一 方 法 と し て 有 用 な 成 績 で あ っ た.11. 胸 腔 鏡 下 肺 切 除 を 施 行 した 気 管 支 異 物 の 一 例
岡山赤十字病院外科 藤
山 敏 行
森
山 重 治
藤 田 康 文
渡 辺 啓 太 郎
池 田 英 二
内 藤
稔
辻
尚 志
古 谷 四 郎
名 和 清 人
小 野 監 作
大 塚 康 吉
症 例 は27歳,男 性 で6歳 時 異 物 を飲 み 込 ん だ 既 往 が あ るが そ の 後 異 常 を認 め ず 放 置 して い た. 1997年7月 よ り肺 炎 を繰 り返 して お り,胸 部X線 に て左下 肺 野に浸 潤影 を認 め,気 管 支鏡検 査
にて左B10入 口部 に狭 窄 と結石 を認め た.閉塞性
肺 炎 を合 併 した気管 支結 石症 と考 え胸 腔鏡 下 に
Lt lower lobectomyを 施 行 し た 摘 出 標 本 で はB10 a末 梢 に異 物 が嵌 頓 してお り気 管 支 異 物 で あ っ た.
12.
胸 腔 鏡 下 に 切 除 で き たMesothelial
cystの1例
岡 山市立 市民病 院外 科
河
本
純
一
松
前
大
濱
田 英
明
戸
田 完
治
症 例 は,46歳 女 性.平 成6年8月 検 診 に て 胸 部X線 写 真 上 異 常 陰 影 を指 摘,胸 部CTに て 後 縦 隔 に腫 瘍 を認 め た.そ の 後,平 成9年 に な り 増 大 傾 向 を認 め た た め 胸 腔 鏡 下 に 摘 出 し た.摘 出 し た 腫 瘤 は,稀 な 先 天 性 嚢 胞 の 一 つ で あ る Mesothelial cystで あ っ た.13. 自然 気 胸 に対 し よ り確 実 で 低 侵 襲 な 手 術 を 行 うた め の 工 夫
国立岡山病院呼吸器外科 小 谷 一 敏
東
良 平
井 野 川 英 利
自然 気 胸 に 対 す る胸 腔 鏡 手 術 は,そ の 疹 痛 の 軽 度 な こ と美 容 上 の 利 点 か ら 治 療 の 第 一 選 択 と な っ た が,一 方,術 後 の再 発 率 が 腋 窩 開 胸 と比 較 して 高 い こ とが 問 題 とな っ て い る.そ の た め 様 々 な工 夫 が な さ れ て き て い る が,我 々 も少 し ず つ 術 前 検 査 ・術 式 に 工 夫 を加 え よ り確 実 で低 侵 襲 な 手 術 を 行 う よ う努 め て い る.現 在,我 々 の 行 っ て い る 術 前 検 査 ・術 式 を 紹 介 す る.14. 肺 気 腫 に対 す る外 科 治 療50例 の 経 験
岡山大学医学部第二外科 遠 藤 重 人
伊 達 洋 至
青 江
基
山 下 素 弘
岡 部 和 倫
安 藤 陽 夫
清 水 信 義
目的:慢 性 肺 気 腫 に 対 す るVolume Reduc tion Surgeryの 安 全 性 と効 果 を検 討 す る. 方 法:平 成7年7月 か ら平 成9年8月 ま で に 当 科 でVRSを 施 行 し た び慢 性 肺 気 腫 患 者50例 を対 象 と し た 男46例,女4例,平 均 年 齢64.6歳, H-J Ⅲ °24例,Ⅳ °23例,Ⅴ °3例 う ち27例 が 酸 素 療 法 を 必 要 と した.術 前 リハ 後 平 均1秒 量751ml, 全 例 術 前,1ヵ 月以 上 の リハ ビ リを行 っ た.VRS は,胸 骨 正 中切 開 に て44例,後 側 方 開 胸 で2例, VATSで4例,牛 心 膜 と 自動 縫 合 器 を使 用 して 切 除 した. 結 果:平 均 手 術 時 間170分,平 均 出 血 量328ml, 平 均 摘 出 肺 重 量103g.重 篤 な合 併 症,手 術 死 亡 は な く,自 覚 症 状 の 改 善 を86%,酸 素 療 法 か ら の 離 脱 を59%に 認 め た.術 後 は, FEV1, FEV1%, PaO2,六 分 間 歩 行 距 離 の 増 加 とTLC, PaCO2の 減 少 を有 意 に 認 め た. 結 語:VRSは,自 ・他 覚 症 状,呼 吸 機 能,動 脈 血 ガ ス分 析,耐 運 動 能 を,有 意 に 改 善 し,死 亡 例 は な く,安 全 な術 式 と い え た.15. 気 管 支 嚢 腫 の1手
術 例
川崎医科大学胸部心臓血管外科 大 久 保 澄 子
森
田 一 郎
稲
田
洋
正 木 久 男
村 上 泰
治
田 渕
篤
石 田 敦 久
菊 川 大 樹
遠 藤 浩 一
山 村 真 弘
藤 原
巍
症 例 は60歳,女 性.主 訴 は 動 悸,嚥 下 障 害. 本 年 春 頃 よ り動 悸 出現,6月 頃 よ り嚥 下 障 害 も 認 め ら れ 近 医 受 診 し,8cm大 の 中 縦 隔 腫 瘍 を指 摘 さ れ,当 院 紹 介 と な る.精 査 の 結 果,気 管 支嚢腫 と診断 し9月18日 手術 施行.嚢 腫 は周 囲組
織 と強 固に癒 着 して お り,嚢 腫 液 を注 出 した後
嚢腫 壁 を完全 に摘 出 した.術 後 経過 は良好 で元
気 に退 院 した.気 管支嚢腫 は,稀 に悪性 化や 再
発 の報告 を認 め るため 手術 時 嚢腫 壁の完 全摘 出
と厳 重 な外 来経 過観 察 が重要 で あ る.
16. 先 天 性 胆 道 閉 鎖 症 に対 す る生 体 肝 移 植 の 経 験
岡山大学医学部第一外科 八 木 孝 仁
漆 原 直 人
大 石 正 博
藤 原 俊 哉
森
雅 信
津 下
宏
田 中 紀 章
同小児科
萬 木
章
井 上 拓 也
小 田
慈
同第一内科 東
俊 宏
生 後9ヶ 月 の 胆 道 閉 鎖 症 の 女 児 に 対 し,父 親 を ドナ ー と して 生 体 肝 移 植 を行 い,良 好 な 成 績 をお さ め た の で 報 告 す る.患 児 は 出 生2ヶ 月 よ り黄 疸 が 著 明 で 計3回 の 肝 門 部 空 腸 吻 合 術(葛 西 手 術)を 受 け て い た.移 植 肝 と 患 児 の体 重 比 の接 近 を 計 る た め 強 制 栄 養 下 で体 重 が6kgに 達 す る の を ま っ て 移 植 手 術 を お こ な っ た.移 植 肝 重 量 は250gで,理 想 肝 重 量 の ほぼ2倍 で あ った. 移 植 肝 の 左 肝 静 脈 が2本 で あ る,門 脈 吻 合 に 際 して 門 脈 血 流 が 乏 し く,ま た腹 腔 内 の 癒 着 が 極 め て 強 固 で あ っ た.術 中 の 腸 管 損 傷 を予 測 し て, 高 位 空 腸 を 空 腸 瘻 と して 腹 腔 外 へ 誘 導 し た.め だ っ た 拒 絶 反 応 も な く,結 果 的 に 腸 管 損 傷 も な く術 後62日 目に 空 腸 瘻 の 閉 鎖 を行 い,経 過 良 好 に て86日 目 に 軽 快 退 院 した.17. 膵 頭 部 腫 瘍 が 疑 わ れ た 膵 体 尾 部 欠 損 症 の1例
岡山大学医学部 第一外科 小 田 和 歌 子
森
雅 信
八 木 孝 仁
中 川 賀 清
津 下
宏
高 倉 範 尚
田 中 紀 章
症例 は75歳,女 性.USに
て膵腫 瘍 を指摘 され
たが 膵体尾 部 欠損症 と診断 され た.こ れ は先 天
的 な膵形成 不全 や 膵体 尾部 の後 天的脂 肪 置換 を
含 む 概 念 で,本 邦 で は120例 以 上 の 報 告 が あ る. 合 併 症 に 糖 尿 病,先 天 奇 形 な ど の 他,悪 性 腫 瘍 の 報 告 が あ り,注 意 が 必 要 で あ る.18. 主 膵 管 内 に発 育 した 膵 体 頭 部 癌 の1切
除 例
岡山大学医学部第一外科 林
峰 栄
高 倉 範 尚
森
雅 信
津 下
宏
小 田 和 歌 子
八 木 孝 仁
田 中 紀 章
膵 管 内 発 育 型 腫 瘍 は,多 くの 場 合 粘 液 産 生 腫 瘍 と し て 報 告 さ れ て い る が,中 に は,必 ず し も 大 量 の 粘 液 を産 生 して い な い 症 例 も あ り,い く つ か の 報 告 も さ れ て い る. 今 回,我 々 は,77歳 女 性 で,粘 液 産 生 が ほ と ん ど見 られ な い膵 管 内 発 育 型 膵 癌 の1例 を経 験 した の で 報 告 す る.19. 大 腸 癌 重 複 遠 隔 他 臓 器 転 移 の2切
除 例
岡山済生会総合病院外科 遠 藤
彰
赤 在 義 浩
木 村 秀 幸
筒 井 信 正
大 原 利 憲
三 村 哲 重
戸 田 耕 太 郎
岡 本 康 久
高 畑 隆 臣
勝 田 祐 介
尾 崎 和 秀
吉 井 荘 哲
渡 辺 貴 紀
中
圭 介
広 瀬 周 平
我 々 は,大 腸 癌 の 重 複 遠 隔 他 臓 器 転 移 に 対 し て,転 移 臓 器 に か か わ らず 可 能 な 限 り切 除 す る 方 針 を 取 っ て い る.こ れ ま で に6例 の 切 除 例 を 経 験 して い る が,最 近 の2例 を報 告 す る.症 例 1は,膀 胱 浸 潤 と肺 転 移 を伴 うS状 結 腸 癌 の 術後22ヵ 月 目の膵 転移再 発 で,膵 切 除後31ヵ 月現
在 再発 は無 い.症 例2は 肝転 移 を伴 う上行 結腸
癌 術後10ヵ 月の右上 腕 骨転移 再発 で,右 骨転移
巣切 除後1ヵ 月現在 再発 は 無 い.
20. 子 宮 広 間 膜 異 常 裂 孔 ヘ ル ニ ァ の1例
岡山労災病院外科 浅 野 博 昭
大 谷
裕
宮
口 直 之
西
英 行
福
田 和
馬
間 野 正 之
小 松 原 正 吉
内 ヘ ル ニ ア の 中 で も稀 な 子 宮 広 間 膜 異 常 裂 孔 ヘ ル ニ ア の1例 を 経 験 し報 告 す る 患 者 は45歳,女 性.既 往 歴 は 虫 垂 切 除術(6 歳),出 産 歴4回.右 子 宮 広 間 膜 異 常 裂 孔 ヘ ル ニ ア の 貫 通 型 で あ り,回 腸 末 端 よ り15cm口 側 が 約 4cmに わ た り嵌 頓 し て い た.裂 孔 は1.5×1.0cm. 用 手 的 整 復 と裂 孔 閉 鎖 を行 い,術 後 経 過 は 良 好 で あ っ た.21. 術 前 脾 動 脈 塞 栓 術 が 有 用 で あ っ た 腹 腔 鏡 下 脾 臓 摘 出 術 の1例
岡山大学医学部 第二外科 小 林 一 泰
平 井 隆 二
北 村 泰 博
太
田 徹 哉
村 上 正 和
土 井 原 博 義
安 藤 陽 夫
清 水 信 義
症 例 は71歳 男 性.ITPに 対 しス テ ロ イ ド療 法 を行 っ て い た が 再 発 を 繰 り返 す た め 術 前5日 前 に コ イ ル に よ る脾 動 脈 塞 栓 術 を 施 行 した 後,腹 腔 鏡 下 脾 臓 摘 出 術 を行 っ た.出 血 量 は100ml,手 術 時 間 は240分 で術 後 血 小 板 は35万 に 増 加 した.術前 の脾動 脈塞栓 術 は術 中大 量 出血 を予 防 し,
開腹 へ の移行 を少 な くす るこ とが で き腹腔鏡 下
脾 臓摘 出術 にお い て有用 な手 技 であ る と考 え ら
れ た.
22. 術 前 に メ ッケ ル 憩 室 炎 と診 断 し,腹 腔 鏡 下 に切 除 し え た 一 例
岡山市民病院外科 松 前
大
戸
田 完 治
症 例 は22歳 男 性,術 前 に テ クネ シ ウ ム シ ンチ グ ラ ム な どか ら メ ッ ケ ル 憩 室 炎 と診 断 し た.腹 腔 鏡 下 に 憩 室 を切 除 した.23. 細 径 鏡 を 用 い た 腹 腔 鏡 下 虫 垂 切 除 術 の1例
岡山赤十字病院外科 渡 辺 啓 太 郎
内 藤
稔
藤 山 敏 行
藤
田 康 文
池 田 英 二
森 山 重 治
辻
尚 志
古 谷 四 郎
名 和 清 人
小 野 監 作
大 塚 康 吉
今 回我 々 は 直 径2mmの 細 径 鏡 を用 い て 虫 垂 切 除 を行 っ た.患 者 は17歳 の 女 性 で 毎 年,右 下 腹 部 痛 自覚 し 内 服 で 軽 快 して い た.激 しい 腹 痛 を 自覚 し本 人 の 強 い 希 望 で 腹 腔 内 検 索,虫 垂 切 除 術 を 目的 と して 入 院 し た.広 く腹 腔 内 を検 索 す る必 要 性 が あ り,腹 腔 鏡 の 使 用 を考 え,ま た 患 者 は17歳 と若 く,美 容 的 な 面 も考 慮 に 入 れ 細 径 鏡 を選 択 し た. 今 回 我 々 は 細 径 鏡 を用 い て 虫 垂 切 除 を行 い そ の 利 点 と欠 点 を経 験 し た.24. 建 築 用 鉄 筋 棒 が,腎
部,腹 腔 内,胸 腔 内 を貫 通 した 一 例
倉敷中央病院外科 米 永 吉 邦
高 三 秀 成
症 例 は71歳 男 性.作 業 中 に 足 場 か ら転 落 し鉄 筋 が 左 会 陰 部 よ り腹 腔 胸 腔 内 を通 り,左 肩 へ 貫 通.精 査 の 結 果,重 要 臓 器,大 血 管 の 損 傷 は な い と診 断 し,緊 急 手 術 施 行.胸 腔 内 は 舌 区 の 一 部 を損 傷 す る の み で横 隔 膜 を 穿 通.腹 腔 内 は 空 腸 を一 ヶ所,腸 管 膜 を二 ヶ所 貫 通 す る の み だ っ た.術 後,合 併 症 な く27日 目に 退 院 した.今 回, 我 々 は 鉄 筋 棒 が左 会 陰 部 か ら 腹 腔 胸 腔 内 を通 り 左 肩 へ 貫 通 し た 患 者 を救 命 し得 た一 例 を 経 験 し た.25. Gastrointestinal
stromal
tumorの
臨 床 病 理 学 的 検 討
川崎 医科 大 学消 化器 外科
佐
藤
元
紀
忠
岡
好
之
木
元
正
利
山
本
裕
青
木
真
一
林
次
郎
山
村
真
弘
久 保 添 忠 彦
小
沼
英
史
川
島 邦
裕
川
崎
誠
治
岩
本
末
治
今
井
博
之
山
本
康
久
角
田
司
胃 及 び 小 腸 のGastrointestinal Stromal Tumor(消 化 管 に 発 生 す る 間 葉 系 腫 瘍 の う ち, 平 滑 筋 腫 や 神 経 鞘 腫 な ど分 化 が 明確 な も の を 除 い た,由 来 が 明 らか で な いheterogenousな 腫 瘍 群)の4例 を経 験 し,臨 床 病 理 学 的 に 検 討 し た の で,報 告 した. 腹 腔 内 腫 瘤 で 胃 ・腸 管 に 関 係 す る腫 瘤 で は 本 疾 患 を 念 頭 に 置 い て 診 断 治 療 に あ た り,特 に5 -6cmを 越 え る腫 瘤 は 悪 性 化 を疑 い 十分 な 術 前 検 査 が 必 要 で,治 療 は 外 科 的 摘 出 が 一 番 よ い. 確 定 診 断 に はCD 34の 免 疫 染 色 が 有 用 で あ る.26. 当 科 で 最 近 経 験 した 十 二 指 腸 平 滑 筋 肉 腫
岡山大学医学部第一外科 寺 石 文 則
松 原 長 秀
岩 垣 博
巳
日 傳 晶 夫
林
峰 栄
森
雅 信
高 倉 範 尚
田 中 紀 章
十 二指 腸 に発生 す る平 滑筋 肉腫 は比 較 的 まれ
な疾 患 であ り,そ の 診断 は 困難 であ る といわ れ
て い る.今 回我 々 は,外 科 的 に切 除 した症例 を
2例 経 験 した ので報告 す る.1例
は心 窩部痛 と
ター ル便 を主訴 と して発 見 され た平滑 筋 肉腫 に
対 し膵 頭十 二指 腸切 除及 び肝 部分 切 除,横 行 結
腸 部 分 切 除 を行 っ た.も う1例 は,再 発 し た平
滑 筋 肉腫 に対 し膵頭 十二 指腸 切 除 を施 行 した.
27. 大 腸 上 皮 性 悪 性 腫 瘍 を合 併 したvon Reckling hausen病
の3例
津山中央病院外科 佐 藤 直 広
向 井 晃 太
徳
田 直 彦
中 村 聡 子
抗 ノ 瀬 昌 彦
多 胡 卓 治
林
同 輔
宮 島 孝 直
黒 瀬 通
弘
von Reckling hausen病(以 下R病)は 神 経 肉腫 な ど の 非 上 皮 性 悪 性 腫 瘍 と の合 併 が 多 く報 告 され て い る.今 回 わ れ わ れ はR病 に 大 腸 癌 の 合 併2例,直 腸 カ ル チ ノ イ ドの 合 併1例 を 経 験 した.R病 自 身 の 予 後 は 比 較 的 良好 と され るが