不活性ガス中での加工
村田誠
浅川浩
飯野忠弥
Machining by high freqency electric power part III
(Piercing in non-reactive gas.)MakotoMURATA HiroshiASAKAWA ChiyujiIINO
Synopsis
Piercillg of glass using high freqency electric power has been successful in oil, but not in air, as shown Report No.1and No.2. But there are various troubles in oil immersion,1ike the contamination by dissociated carbon. In this report, author has checked the possiblity of piercing, using cold non−reactive gas, as evaporated carbon dioxide.1.諸
言 第一報,第二報の実験結果から空気中における,こ の種の実験は成功しないことを述べた。しかし試料を 油中に浸漬して行なう加工では,加工法からして利用 範囲はせばめられ,又穿孔された孔の内部に油の炭化 物が残る等の問題がある。これの解決のために不活性 ガスを用い,穿孔機構から考えて絶縁性があり,また 冷却作用の大きいものとして液化炭酸ガス中で実験を 行なった。この結果について報告する。2.実 験 装 置
Fig. 1 Jig of experiment apParatus. 発振器は第一報・二報,と同じものである。 ガス中で行なう穿孔冶具として,図1に示すような ガラス製の冶具を用いた。もちろん絶縁性と観察の点 を考慮したものである。3.実 験 状 件
空気中で穿孔を行なうと破壊されてしまうガラスの 場合でもs電圧を極端に低くし,又放電による熱歪に 対して耐うる充分の大きさの試料を用いた場合はいま まで述べ穿孔機構とは異った機構,即ち割合広い範囲 での加熱ののちに穿孔の可能性がある。ガス中で行な う実験としては共振コイルからタップを出し放電電圧 を加減した。空気中で行なった実験で,試料の大きさ23mm×75 mm×2mmのガラス板の場合9kVでは
放電が起らず13kVでは試料が破壊され11 kVで穿
孔することがわかった。 電極は0.3φタングステン線,室氾20°C冶具図1 電圧9,11,13kV,パノレス係数可変表1である。ま た液化炭酸ガス中での実験も同一条件で行なった。 表1 パルス周波数,パルス幅および、 duty factor 〈ム1→4.実 験 結 果
はじめに,予備的に行なった空気中での穿孔実験に ついて表2にその結果を示す。 次に試料厚さを1.8mmにした場合を表3に示す。 穿孔径のバラツキは D=0.289±0.065である。こ の場合も9kVでは放電せず,13 kVで破壊される。 表 3←2−→
ここでd・・yfac…D.F一
N・・ld・{・fac…1パ・レス周麟・Wス幅(m・)Nq割農縫喬
穿孔径(mm)溶融径(mm) 1 2 3 4 5 6 7 0.145 0.164 0.196 0.219 0.250 0.272 0.287 90c/s 98 110 120 135 155 180 1.6msec 1.8 1.8 1.8 1.8 1.8 1.6表2 空気中での穿孔加工,試料23
×75×2,室温20°C,冶具図1 1 11 0,2192.Osec 0.28 0.28 1.18 1.26 2 11 0,2192.8 0.29 0.26 1.43 1.40 3 11 0,219 一 一 1.43 1.28 4 11 0,2191.9 0.31 0.29 1.66L68
5 11 0,2193.0 0.27 0.31 1.45L52
6 11 0;2193.5 一 一 1.42L49
7 11 0,2194.2 0.09 0.10 1.45L44
8 11 0,2191.8 0.35 0.25 1.61 1.73 9 11 0,2192.4 O.30 0.28 1.56 1.48 10 11 0,2198.5 0.29 0.27 1.75 1.79 11 11 0,2197.0 0.29 0.32 1.70 1.43 12 11 0,2194.0 一 一 1.58 1.57 13 11 0,2197.0 0.32 0.27L75
1.77 14 11 0,2198.0 0.30 0.30 1.56 1.52: 15 11 0,2198.0 0.28 0.26 1.63 1.65 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 電圧 (kV) 9 11 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 〃 13 auty factor 0.219 0.219 〃 〃 〃 0.145 〃 !1 〃 〃 0.287 〃 〃 〃 〃 O.219 穿孔 時問 60sec stop 4.8sec 3.2 4.0 3.5 4.2 3.8 4.0 4.2 5.0 4.5 4.8 3.8 4.1 3.2 穿孔径(mm) 不可能 0.26 0.31 0.29 0.24 0.06 0.29 0.28 0.31 0.27 0.18 0.28 破壊 0.34 0.21 0.32 0.32 0.17 溶融径(mm) 1.59 1.52 1.68 1.58 1.71 2.05 1.62 1.63 1.69 1.48 1.56L60
1.34 1.52 1.72 1.45 1.69 1.57 1.71 1.71 1.66 1.63 1.75 1.37 1.61 1.64 1.89L59
液化炭酸ガス中での穿孔加工 前述の如く不活性である冷却性があり絶縁性も良い と云う点で液化炭酸ガスを用いた。実験状件は空気中 で行なったものと同様であり,電圧を11kVに統一し た。これは液化炭酸ガス中でも9kVでは放電が起ら ず,13kVでは破壊され空気中と全く同様であったた めである。その意味では,不活性ガスを使用する場合 は1試料の大きさ等により空気中で穿孔するような条 件を見っけなければならない。 試料温度を測定するためにサーミスターを用いた。 図2が回路図である。これでサーミスターを試料表面 と附着させ液化炭酸ガスの冷却による温度降下を測定 し,その特性曲線を用いて試料温度を測定した。 E:1.5V A :50μA E T:thernuster R:5kΩ K. Fig.2 Circuit of Thermister88
ガス中での実験結果を表4,表5に示す。. 電 極; 試料厚さ;
試料幅;
冶工具;
冷却温度;表 4
0.3φmmタングステン線
1.8mm
25 mm×65 mm 2−5−Aのものを使用 一28°C 穿孔径(mm)1溶融径(mm) t “ミ ミ No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 電圧 (kV) 11 11 11 11 11 11 il 11 11 11 11 D.F 0.145 0,145 0.145 0.219 0.219 0.219 0.287 0.287 0.287 0.287 0.287 穿孔 時間 3.5sec 4.5 6.5 3.0 2.0 4.5 2.8 2.5 3.2 3.0 4.0 0.34 0.37 0.31 0.27 0.35 0.23 0.34 0.23 0.32 0.35 0.30 0.34 0.30 0.32 0.28 1.45 1.58 1.43 1.37 1.25 1.42 1.31 1.58 1.69 1.16 1.69 1.32 1.54 1.46 1.35 1.19 1.42 1.60 1.57 1.66 仁14 1.70表5 試料の厚さを2.Ommに変え,
他は実験条件表4と同じi口
/9 s o.5 o.t Fig.3−1u工≒く1ζ帥
・・。−h電ψ1よ・evb“d・o乞iJe←2㈹ αレL(18’ζ) 一噌一1伺svl噺笥θ・1‘$“舗継2》 叱P:91●‘52・°鳳 ⑭・山:立3?㎞枠 v6tt :ltKr 一一 一一一 岬一一こ1 ・・D
1
No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 電圧 (kV) 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11 11D.F
穿孔時間 0.145 0,145 0.145 0.145 0.219 0.219 0.219 0.219 0.289 0.287 0.287 6.Osec 7.0 7.2 4.4 2.5 2.8 5.3 3.8 9.5 6.5 5.5 穿孔径(mm) 0.30 0.38 0.34 0.38 0.38 0.25 0.28 0.34 0.30 0.33 0.31 0.39 0.41 0.30 0.31 0.34 0.29 溶融径(mm) 1.60 1.59 1.54 1.66 2.23 1.53 1.27 1.57 1.62 1.49 1.86 1.58 1.66 1.67 1.62 2.10 1.31 1.41 1.63 1.69 1.44 1.86これらの結果を図3−1,3−2のグラフにとると
穿孔径では空気中での穿孔径が小さくガス中の方が大 きい,これは温度差による溶融部の噴出する実質量の 差であると考えられる。溶融径は両者で差があるとは いえない。. ガス申での穿孔で電気的条件を一定にし試料厚さを2.0と1.8mmの二つで行なった結果は図4−1・2
でわかるように穿孔径では差がなく溶融径では厚い方 か0.2mmぐらい大きな溶融径となっている。 茎ユ゜ 橿 三 き∪ き 三 工 ρ2 ’o,3 D“旬 ナαぬγ Holes and melting diameter in the liquid cabon dioxibe, ineulating oil and aiτ. o.1 Fig.3−2 o.2 0・s oりtソfa・t・y Holes and melting diameter in the liquid cabon dioxide and air. これ}ま穿孔時間が1.8mm厚に対しては平均3.59 sec秒に対し2mm厚の場合は5.55 secである。これ でわかるように,厚さが大きいと実質部を噴出するた めに時間がかかり溶融部も薄い場合にくらべ大きくな らないと穿孔しないためである。前報では穿孔時間が 1sec以下であったが,空気中,ガス中では,除々に20
…1ω
0 o___r____o−一一一一一一〇 M.P°一。_。
w・P引ぷ5 etecttod20・?t CUtvs?・el;・VN Velkミll K7 ___@“∧P :賞・20柄膚4鵠 一 ・ x= 1’ SMA”−H.D
0.1 Fig.4−1 0,2 0、9D吋factev
Relations between thickness of work piece and Holes and melting diameter. 放電が起き,除々に加熱が進まなければ,試料を破壊 せずに,穿孔させることが出来ないためではないと思 われる。5.穿孔状態の観察について
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ミ ξ ≒ ぢ ミ 己 .t・o 素 ?3
三 コ:05 0 f w.・P:SIN, d4‘tr★lo.9φタ’デスや |白lt ・ ltl(▽ o一云 憩惚 HO
。炉1曾側痴 今までの実験における結果から超高周波電力による 穿孔機構にっいて推論したが,これを尚一そう裏付け るために高周波放電による穿孔途中の状態を確かめるため8mm撮影機を用いてその顕微鏡写真を撮影し
た。それが次に掲げる写真である。 実験状件は,電圧11kV,出力パルス周波数120c/s パノレス幅1.8ms,電極タングステン線0.3mmφ,空 気中・5・Cで・フ・・レム1コマは☆・e・である・ この写真によって,ガラスの溶融が試料中央よりは o.1 Fig.4−2 o.2 0.3 Daty fact。v Relations between thickness of work piece and Holes and mel− ting diameter. じまり,しだいに外部にまで及びついに穿孔する状態 を確めることが出来,穿孔機構に対する考え方が正し かったことを確めることが出来た。6.結 語
液化炭酸ガス中での穿孔は,油中とちがい,穿孔面灘囎}…t
(写真
1) 韓 麹J O.125秒後 K O.146秒後 L O.167秒後
MO.187秒後
N O.210秒後 0 0.230秒後P O.250秒後 Q O.271秒後 R O.292秒後
約1秒後
(写真 2)
試 料
電 極
パノレス周波数パノレス幅
電 圧
冷却温度
ガラス(t=2mm) 0.3φタングステン線 120c/s 1.8ms ll kV −28°C 平 面 図 断 面 図 液化灰酸ガス冷却によるガラスの穿孔状態87
と油の炭化物及び溶融したガラスの小さい球体の附着 がなく,写真2のように断面も真円に近いきれいな穿 孔が出来る。しかし,電圧を適当と思われる値にしな ければ穿孔させることが出来ないのでやはりあまり厚 いガラスでは不適等だと思う。今回の実験から,3 mm厚までのガラスでは不活性ガス中で穿孔出来るこ とがわかった。 終りにこの実験を終始御指導下さいました本学,谷 口紀男教授に心より感謝します。 また,液化炭酸ガスについて本学卒業生中沢博文氏 (液化炭酸株式会社)に御配慮頂きました。乙こに御礼 します。 文 献