最少自藁法による実験式係数の求め方
最小自乗法による実驗式係数の求め方
1.緒 言
普通の最小自粟法では例えばエ.y二種の量を測定i してx.yに就いての実験式を作る場合に、 yの測定 値には誤差がおるが、Xの測定値には誤差がないもの と仮定して、最小自乖法を適用している。 併し、測定実験にiま程度の叢違こそあれ、いつれも 誤差があるからsこの関係を加味して実験式の係数を 求めることが理論上妥当である。 X・γ両方に誤鰭がある場合には計算上途中で未知数 ‘の数の多い連立方程式を解くこととなりs普通の方法 では計算が頂雑で、実瞼式の係数を定めることが困難 であるので漸近法:こより求めることにした。一般に測 定、測量などでは、費用や手数を要するのでこれを取 扱う計算も、測定のデーターを用いて最も妥当なる結 果を求めると共に、計算法は実用上ぽなるべく簡軍な 方法が望ましいのでおる。2.x. yの測定誤差の有無とその実験
式に及ぼす影響
測定でX.y二彊の実鰍値の関係を研究する場会に X.yの両方に誤差があるか又はx. yのいつれか一方 に誤蓄があるかでその実験式が変化するものである。 この事実を理解するために簡輩な例題を掲げて説明 しよう。 実験によりX.yを測つてこれを図上にP1(κ=L y==1), P2 (x=3. y =1), P3 (x =3. y==2) 1こ実験 値を画く。 品yの実験式の形は理論上叉は実噸、経験上より 直線的関係があり、Y=aX十bの実験式で表わされる ものとして、その係数を定めようと思う。 但し、測定値で誤差を伴う値をエ.yで示し、最小 自乗法により得られた最確値をX.Yで示す、実験式 にx.yの値を入れれば誤差が現われるが、 X. yを入 れれば実験式を満足させるものでおる。先ずXを横軸にyを縦軸にとり、通常の方法で最
小自藁法を適用させれば、第一図の様にY=O.25 x 十若
林
正
O.75 b:得られる、この場合にはxには誤差がなく、y に測定誤 y 差がある ものとし て求めら れたもの である。さてx
は横軸に取りyは
縦軸にと るのが普 通である がこれを ヨ2
1 θ 12
第 1 .図3
4
xは縦軸、yを横軸にとつても差支えなく任意であ るから同 じデータ ーで第2 図の様に κ軸、y 軸の位置 を交換し, て最小自 乗法によ り実験式 の直線を 作るとそ の直線の3
2 10
1 z ヨ 第 2 図 ,94
方程式は第2図の様にX・=y+1となる。 更に第2図のx.・y軸を交換すれば第3図の様にその直線の方程式はY=Y−1.となり第1図と第3図
とは同じ実験のデー・ター・を用いたのに全く違つた実験 式が得られた。 これは第1図ではxの測定値には誤差がなく、yの 測定値のみ誤差があるものとして計算し、eg 2.3図 ではyの測定値には誤差がなく、Xの測定値に誤差がT,Wakabayashi .A methOd for the determination
experim柏tal formula. of the Coefficien t Qf an 7−一一昭和28年7月
山梨大学工学部研究報告
第 4 号 あるものとして取扱つたために異る結果が得られたの である△y
2 3 ⇒ s 第 3 図 一般の実験では一方に、例えばxの測定値には殆ん ど誤差のない場合もあるが、X.yの両方に或程度の誤 差があるのが普通で、その時は上図で云うと第1図と 第3図との中間の状態となる筈で、実際には中間のい かなる状態となるかはX.yの測定精度の関係や、実 験式の形などにより変化するであろう。3.一般の場合の計算法
未知量がx.y. z…………,の場合は原理は同じで煩 難となるから、未知数がκ.yの二つの場合に就いて 説明することとする。 実験式の形式は F(X.Y. a. b. c)=o……・………・……・(1) としこれを γ=∫(X.a.b.の………・・………・(2) の形に書換える。 実験値は P1(x 1,Yl),P2(x2. yの……」Pn (Xn, yの.。 最確値は Ql (X1,Yl), Q2(X2, Y2) ……Qn(x,,,Y、)℃ 残i差i lt it x1−Xl, x2−x2,・.・◆,・… Xn−Xn. Yl−Y:, Y2−Y1ジ……・・y,、−Y?,. 精度 Xに対し hl,砺…………, hn 夕に対し ht t, h2’,___,疏’ とすれば(X,,Yl)に対して測定が(κ1∼X l+dXi, (Yl∼yl十dyl)となる確率は ㍑毎卜贋(・・一…Xl)・}砺・x嘉臼φ{一力;2(カー玲栖
同様にして(X2, Y2)に対しで測定が(x2∼x2十dx2, ツ2∼Yt十dy2)となり、(Xl,Yl)∼(Xn Yn)迄至部が 同時に起る確率は 一一一一一一一一一一W
(hl h2……h。)(hf’h”.’……hn’) 7veS 鋤!一圭ん膓(v、−Xi)・二Σヵ;’(y、一均・l i”1 , aXl dx2… dXn, 4yl dyL,… dy?b・・・・… ’・(3) となる。この確率を最大ならしめるためにはその指数 をとり(2)式を代入して、 et t2 s=Σ〔力…(Xi−Xi)2+hi(yi一脇)2〕=・mi・n e==1 1. ’・・・・・・・… ’■一・・… (4) a,b, cを種々変化して(4)式を最小にするための 条件は †』6一諒2{f・(Xf, a, b, c) −yi,}×旦讐吾叫一・
/欝一ゑ噴∫(鞠輌一司
…(5)×瓠㍗旦」・、[
†;1一鰍{f(x・, a, b, c) −yi,}[ ∂f(万i,a, b,c)〕 =O J’ ×一一『も=一一一) Xl, X2,……, Xnを種々変化して(7)式を最小に するための条件ぼ 力i(尤一Xi)剛ア(x・頑・)一・yi}嘉一・ 1・・・・・・・・・・・・・・… (6) (5’,(6)式にて未知数はa,ろ,c, xYt,X2)”s…X7i. でn+3個、方程式の数は(5)が3個、(6)が”櫃1 計n+3個でおるから解がある筈であるが’rs+3個 の未知数を有する高吹方程式であるから普通の方法で は解くことは殆んど不可能である。これを実用上簡箪 に解くのには反復代入法を用いて近似的に解くとよ いo その方法は次の檬な要領による。 (5)式でX!,X2−…脇は最初は未だ分らないが . Xl二≒Xl, X2==x2・・・… X,‘=x?n ・・・・・・・・・・・・・・… ㌧(7) と近似的におき(5)式の3式よりai b, cを求めるo 次にこのa,b, cを(6)式に代入してXl,X,…… …… w・を求める。次にこのXl, XLJ,…一,瓦を(5) に入れればa,b, Cの第二近似値が求められる。この 様に交互に(5),(6)式1と代入して必要槽だけ精籍 な近似値を求めることができる。これでa,・ b,Cが決 定すれば実鰍式(2)が決まり、それに相当するX, Yの値も求められる。最小自藁法による実賦式係数の求め方
4.同じxの測定値に封してyを何回
も繰返して測定したとき 例えばng−一一回の測走でXtの測定値に対してyの測 定値はy11, Y12. y13,……, Ylmとm回繰返えす。第2 回の測定では竣の測定値に対してyの測定は」回測 定すると云う様にエの同で測定値に対してyの測定 が数回繰返えす場合の計算法を次に述べる。 り 0 s Sn.P kS,.’ 芦翫・2 Pt}‘・e rl 工3 .第 4 刈,,,2 刈w・t +b(mh12 Xl+lhlZ’X2 ÷……+Ph;lx,、) =川X1(Y11+加+……+ル,)+hL7 X2(Y21 +y22+……+y・∂+……+玲Xi・(γ.、、+Y。2 十……十ツ・rp) ……・…・一:…………・…・…(10) (9)をbで偏微分して a(fn hl x1+嘱2 x2+……+助2孟) +b(mhl2+1勾+……+ヵ乃わ =h12(Y11十Y12十……十Ptlm)+hl2(y21+Y22 +……十Y21)十……十h;1(Y?i1 十 Y,、2+…… ……十Y?11・) …・…………・…・・…一…・…・(11)(9)をXlで偏倣分して
x、=竺解竺+h12 a〔(Yl1十Y12十…十夕1m)−mb m(酷+h1’コ)a2 ・…・…・………(12) 同様にして 」房κ2+hl2 a〔(Y21+Y22+……+Y21)−lb〕 x2= 1(形+hl4)a2 工9°’一一・・一工見 測 定 ’値 t コピ1,二}ノ11,Pt12,二y13ジ゜°’・°,コノlm x2,y21,y2宮,夕23ピー・,夕2J X3, Y31,Y32, Y33ゾ・…・,夕35 Pじ71,Yn1,コ27i2tY,t3,’°・’◆・,コlnP 図最確値
Xl, Yl x2, Y2 x3, x3 Xtlt Yn で実験式の形式簡軍な例として oc精度
h1, hl’. h2, h2’. h3, h3’. hnt hn’◆ Y==itX十b …・・…一…・…・……・・…・・…・……(8) を考えよう。 s=吻肩(Xl−Xl)z‘+lhl(x2 −x2)2 …………十Ph3(Xn 一一 2vu)2〕 +h12〔(aXl十b−−y11)・+(aX、+トタ、2)・+ ・………・・十(aX1十b一夕1勉)2〕 +敵(aX・+ろ一y,、)・+(αx,+ろ一ツ,,)・+ ・………・・十(a x2十b−一・y2,∼)2〕 十……一…・…・・… …………_......___.....◆ +苛〔(a・x,i+b−yの・+(a・x。+b一吻)・+ ・・・・・・… 十(ax・b十b 一一 y?rp)2〕==min・・・… (9) (9)をaで偏微分して a(励㍑鍵+曜x芸噺……+Ph二ix?,) x2== .P(ゐ2十12’2?8 ?t)a2 これら連立方程式をとくためには(9)式、(10) 式でX1≒κ1, X2r・κ2t……X?‘≒Xo}とおきa. b・の近 似値を求めこれを(11)に入れてX1, X2,……パ㍍ の近似値を求める。更に之れを(1),(2)に入れて ai bの第二近似値を求め以下必要な近似値を得る迄 繰返えす。 もしも精度がκ,ッの値の如何に拘らず一定値h, ht であるときには(10)式は a(〃3xi+IXI+……+.P Xlt)+6(m X1+lx2 十……十P x?t) =X1(y11+ッ12+……+ッ1の+X2(y21+ツ2+… …十Y21)十……十Xl?,(Ynl十夕?、2十……十夕orp.) …・…・…・……(13) (11)式は a(MX1十IX2十……十PX?i)十ろ(m十1十…… +カ) =(y11+y12+一…+ツ1の+(夕21+夕22+…… 十Y21)十・・・… 十(Yn1十Y7i2十・・・… 十:Y?、1)) … (14)H=h’2/h2とおけば(5)式は
x、=蹴+・政∼2・・+ツ垣:・・二±芝・⊇一醐 m(1十Ha2) ・・・・・・・・・・・・・・・… (15) x,_煽+姻〔(y21+y22+・・…・+y2e)−」b〕 1(1+Ha2)脇一力獅+aH〔(y;帯戸”+働)一朔
力尼κπ+∂戸〔(Yn・1十Y,、・2十・・・… 十Y7rp)−1吻一9一
▼ 昭和28年7月