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Echolucent carotid plaque is associated with future renal dysfunction in patients with stable coronary artery disease 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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氏 名 望田 哲司 博士の専攻分野の名称 博 士 ( 医 学 ) 学 位 記 番 号 医工博乙 第 83 号 学 位 授 与 年 月 日 平成27年9月25日 学 位 授 与 の 要 件 学位規則第4条第2項該当 専 攻 名 博士課程医学領域

学 位 論 文 題 名 Echolucent carotid plaque is associated with future renal dysfunction in patients with stable coronary artery disease

(安定冠動脈疾患患者における低エコー輝度頸動脈プラークは、将 来の腎機能障害と関連する。) 論 文 審 査 委 員 委員長 教 授 北村 健一郎 委 員 准教授 座光寺 秀典 委 員 講 師 高野 邦夫

学位論文内容の要旨

(研究の目的) 末梢血管における動脈硬化は、腎動脈狭窄の有無に関わらず、腎機能障害と関連する事が知られて いる。末梢血管での構造的機能的な変化は、腎機能障害における腎動脈内の微小血管や糸球体硬化を 反映している可能性がある。Integrated backscatter (IBS) analysis 法を用いた頸動脈プラークエコ ー輝度の測定は、末梢動脈における動脈硬化の脆弱性を非侵襲的に測定する有用な方法で、心血管病 患者における冠動脈イベント予測に有用である事を我々は報告してきた。しかしながら、このような 末梢動脈における動脈硬化の質的な変化が、腎機能障害に関連があるか未だ不明である。本研究では、 IBS analysis による頸動脈プラークの質的変化と冠動脈疾患患者における腎障害の進行との関連に ついての検討を行った。 (方法) 本研究は、山梨大学病院循環器部門にて入院加療を行った冠動脈疾患患者 1160 人を対象に行った。 すべての患者で頸動脈エコーと血清クレアチニン値、24 時間尿アルブミン排泄、eGFR の測定を行い、 1)頸動脈内膜中膜肥厚が 1.1mm以上、2)尿中アルブミン排泄(UAE) < 30mg/日かつ eGFR > 60 ml/min/ m2 で定義される正常腎機能である満たす患者を対象とした。頸動脈プラークの評価は、IMT

と IBS analysis 法を用いた Calibrated IBS 値(cIBS)[プラーク IBS 値-外膜 IBS 値]。高度の頸動 脈狭窄がある患者、腎動脈狭窄のある患者、その他の除外基準により最終的に 355 人が登録された。 これらの登録患者を少なくとも 6 か月に 1 度経過観察を行い、腎障害の進行(eGFR< 45ml/min/ m2 )

をエンドポイントに最大 36 か月間の追跡を行った。

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動脈のエコー輝度と腎障害進行との関連は、腎障害進行に関わるパラメータによって補正した多変量 ロジスティック解析を用いて解析を行った。さらに、cIBS 値を加えることで腎障害進行の予測能改 善効果を検討するため、ROC 曲線による c 統計量、総再分類改善(NRI) 、統合判別改善度(IDI)によ る解析を行った。 (結果) 36 ヶ月の観察期間内に 355 人の登録患者のうち 28 人が追跡中止基準に該当し除外された。追跡 を終了した327 人のうち、39 人に腎障害進行(eGFR< 45 ml/min/ m2)が認められた。 腎障害進行群(n = 39)は非進行群(n = 288)と比較すると、低 c−IBS 値 (エコー輝度の低いプ ラーク)を認めた。また、高血圧、糖尿病の有病率、年齢、C 反応性蛋白(CRP), plaque-max-IMT が 腎障害進行群で有意に高かった。試験開始時の腎機能のパラメータ(血清クレアチニン値、UAE、 eGFR)は正常範囲内ではあるが、UAE, eGFR は腎障害進行群で有意に低く、血清クレアチニン値 は有意に高かった。 腎障害進行に関わるパラメータによって補正した多変量ロジスティック解析をでは、cIBS 値は独 立して腎障害進行に関わる事が示された。しかしながら、plaque-max IMT においては有意差が認め られなかった。また、観察期間内のeGFR 減少の年率換算値と cIBS には有意な正の相関関係が認め られた。 単変量ロジスティック解析により、腎障害進行に有意に関連した年齢、高血圧、糖尿病をベースラ インリスクモデルとした場合、ベースラインリスクモデルにcIBS 値 を加えることにより、c 統計量 において有意にAUC を増加させた。また、NRI, IDI においてもベースラインリスクモデルに cIBS を加えることは、腎障害進行の予測能を有意に向上させた。しかしながら、plaque- max IMT を加 えることはAUC, NRI, IDI のいずれの解析においても腎障害進行の予測能を向上させなかった。 (考察) 本研究において頸動脈プラークの脆弱性と将来の腎機能障害進行との関連が臨床的に明らかにな った。この結果から、プラークの脆弱性に関与する機序が腎障害進行の役割を果たしている可能性を 示唆している。対照的にプラークの大きさについては腎障害進行と有意な関連はなかった。 プラークの脆弱性が腎障害を進行させる基礎的臨床的機序については不明な点が多いが、脆弱性プ ラークを持つ患者では、プラークや非血管組織から生じる様々な炎症性サイトカインが上昇しており、 腎細小血管を含む全身の血管を傷害し炎症を惹起する機序が推察される。また、高血圧、糖尿病など の動脈硬化の古典的危険因子はそれ自体が腎機能障害の重要な原因であり、これらの正のフィードバ ックを助長する。頸動脈エコー輝度の測定は動脈硬化の危険因子を統合した指標になりうる指標であ り、腎障害進行における個々の危険因子の集積を反映した指標である事が考えられる。 (結論) 本研究では冠動脈疾患患者において、頸動脈エコー輝度は将来の腎障害進行と関連しており、臨床 的にプラークの脆弱性と腎障害進行に関係あることを示している。頸動脈エコー輝度の測定はCAD 患者における将来の腎障害進行のリスクの層別化に有効である可能性がある。

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論文審査結果の要旨

1.学位論文研究テーマの学術的意義 望田氏は、末梢動脈における動脈硬化の脆弱性を非侵襲的に評価可能なIntegrated backscatter (IBS) analysis 法を用いて、頚動脈プラークエコー輝度を測定し、プラークの質的変化と冠動脈疾患 患者における腎障害の進行との関連についての検討を行った。頚動脈内膜中膜肥厚が1.1 mm 以上か つ腎機能が正常である患者(腎機能正常は尿中アルブミン排泄量 (UAE) < 30 mg/日かつ eGFR > 60 mL/min/m2で定義)を対象とし、頚動脈プラークの評価は、IMT と IBS analysis 法を用いた

calibrated IBS 値 (cIBS) [プラーク IBS 値-外膜 IBS 値]で行った。これらの登録患者に対して少な くとも6 か月に 1 度経過観察を行い、腎障害の進行 (eGFR < 45mL/min/m2) をエンドポイントに最 大36 か月間の追跡を行った。追跡を終了した 327 人のうち、39 人に腎障害進行が認められ、腎障 害進行群 (n=39) は、非進行群 (n=288) と比較して、低 cIBS 値 (エコー輝度の低いプラーク) を認 めることが明らかとなった。腎障害進行群において、高血圧、糖尿病、年齢、CRP、plaque-max IMT が有意に高く、eGFR は有意に低いことが示された。腎障害進行に関わるパラメータによって補正し た多変量ロジスティック解析の結果、cIBS 値が独立して腎障害進行に関わることを示し、一方で plaque-max IMT 値が独立した因子にならないことを報告した。また、観察期間内の eGFR 減少の 年率換算値とcIBS 値には有意な正の相関が認められることも示した。単変量ロジスティック解析に より、腎障害進行に有意に関連した因子である年齢、高血圧、糖尿病をベースラインリスクモデルと した場合、そのモデルにcIBS 値を加えることで、c 統計量おける AUC が有意に増加することも明 らかにした。 本研究によって頚動脈プラークの脆弱性と将来の腎機能障害進行との関連が臨床的に証明された。 この結果は、プラークの脆弱性に関与する機序が腎障害進行に何らかの役割を果たしている可能性を 示唆する極めて興味深い知見である。今後、頚動脈エコー輝度の測定が、CAD 患者における将来の 腎障害進行のリスクの層別化に応用されることが期待される。 2.学位論文及び研究の争点,問題点,疑問点,新しい視点等 •これまで頚動脈プラークの脆弱性と将来の腎機能障害進行との関連を臨床的に証明した研究はな く、今後の臨床応用性・有益性も極めて高く、優れている。 •腎機能障害進行の評価方法については、もう少し検討の余地があると思われる。 •今後は、プラークの脆弱性と腎障害の進行に関与する因子の解析・同定を目指した臨床的研究の 展開が期待される。 3.実験及びデータの信頼性 •とくに問題点は見当たらない。

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4.学位論文の改善点

•eGFR < 45mL/min/m2の時点でエンドポイントとしてデータ収集を中止しているが、エンドポイ

ント後もデータを収集して、正確な腎機能低下速度を測定した方が良かったのではないか。今後の スタディーでは検討が望まれる。

•eGFR < 45mL/min/m2をエンドポイントとしたスタディーではなく、eGFR の低下速度と頚動脈

プラークの脆弱性を評価するようなスタディデザインが望ましいと思われる。

•もう少し、エントリー患者数を増やして、統計学的パワーを大きくすることが望まれる。

参照

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