山梨医科大学は 2002 年 10 月,国が推し進め る国立大学統合の魁として,旧山梨大学と統合 し新生山梨大学となりました。2004 年 4 月に は独立法人化して国立大学法人山梨大学となり 今日に至っています。大学はまさに改革の大き なうねりの中で翻弄され続けていると言っても 過言ではありません。医学部附属病院はさらに 2004 年からの新医師臨床研修制度すなわち初 期研修の必修化という大きな波の追い打ちをか けられ苦闘しています。大学法人は,運営費交 付金に対して毎年 1 %の効率化係数がかけら れ,また 5 年間を目処に人件費を 5 %削減する ように要求されており,附属病院への影響も心 配されます。その上病院に対しては交付金の削 減,すなわち病院収入の 2 %アップ(経営改善 係数)が義務づけられ,とどめは去年の診療報 酬 3.16 %のマイナス改定です。とにかく国は 人も金も大幅に減らそうとしながら,「独立採 算で運営しなさい」,「医療安全に努めなさい」, 「増大(長)する患者のニーズにこたえなさい」, 「労働基準法は尊守しなさい」,「研修医をきち んと教育しなさい」,「地域の病院に医師を派遣 しなさい」,・・・,無理難題のオンパレード, 職員全員が疲労困憊,医師は臨床業務に精一杯 で医学部附属病院本来の役割である「教育」・ 「研究」への支障が生じつつあります。 このような状態の中,病院長を拝命し,経営 危機を回避すべく無我夢中で病院運営に取り組 んできました。職員の方々にはこのような状況 をよく理解していただき,献身的そして驚異的 な努力で稼働率を大幅に上げていただきまし た。お陰様で心配されていた経営改善係数 2 % は無事クリアーすることができました(2005 年度)。より現場に近い所の意見を採り入れる ために設置させていただきました「医長・師 (士)長会」,病院機能の円滑化を目指した「病 院執行部会」,すばやい判断と決断を可能にし た「病院運営委員会」という,ボトムアップと リーダーシップがうまく機能した結果と感謝し ております。2006 年 10 月 14 日発刊の週刊「東 洋経済」は「日本の本当に強い大学」という特 集を掲載しています。その中で山梨大学は「附 属病院収益力の高い大学」の第 6 位,「前年に 比べて附属病院収益を増やした大学」の第 11 位にランクされており,これが大きな力となっ て総合成績「日本の大学トップ 100」では堂々 の第 19 位にランキングされています。国立, 公立,私立あわせてわが国には 726 の大学があ るそうで,その中での 19 位は立派なものと思 われます。 稼働率アップの原動力である全職員の貢献に はきちんとした対応で報いていかなければなり ません。マンパワー対策をして,一昨年から導 入したシニアレジデント(有期雇用医療助手) の増員,非常勤看護師の常勤化,看護助手の採 用,各診療科雇用医療従事職員の病院雇用化等 は今後も推し進めますし,環境対策として,外 来の改造,病棟の耐震補強,院内全トイレのウ ォシュレット化,診療機器の新規導入・更新を 進行させています。病院敷地内へのコーヒーシ ョップ誘致と,学内保育園所の設置も決定し, 建設に着工いたしました。病院玄関前の「スタ ーバックス」,「どんぐり保育園」と命名された 保育施設,いずれも職場環境の改善と労働力確 67
医学部附属病院の改革にむけて
山梨大学医学部附属病院長 星 和彦
保そして病院のイメージアップに大きな力を発 揮してくれるものと期待しています。 附属病院は開設から 30 年が経とうとしてい ます。いろいろな綻びも出てきており,再開発, 新病院建設が望まれています。勿論,視野に入 れています。青写真はできつつあります。一日 も早いゴーサインが出せるよう努力するつもり です。ご支援とご協力よろしくお願いいたしま す。 68