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<教授就任講演>生活習慣病の包括的理解を目指した研究と地域に根差した生活習慣病対策の実践(第180回山梨大学医学会例会) 利用統計を見る

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Academic year: 2021

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iii 第 180 回山梨大学医学会例会 日時:平成 26 年 12 月 2 日(火)午後 3 時∼ 4 時 会場:基礎研究棟 6 階大会議室

教授就任講演

生活習慣病の包括的理解を目指した研究と

地域に根差した生活習慣病対策の実践

北村健一郎

山梨大学 内科学第 3 教室

司会 武田 正之教授

【要旨】塩分を豊富に含んだ海水から陸上へと大きく生活環境を変化させた生命は,塩分欠乏の危 機に対して腎尿細管を発達させて適応し,飢餓に対しても適応することで生存の危機を脱してき た。しかしながら,皮肉なことにその適応機構が現代社会における塩分摂取過多や飽食といった 食生活の変容によって,高血圧症や糖尿病などの生活習慣病を生み出す原因となっている。  私はこれまでの研究において,セリンプロテアーゼのプロスタシンという分子が腎尿細管にお けるナトリウム再吸収を担う上皮型ナトリウムチャネルをタンパク分解によって活性化すること を報告し,プロスタシンが食塩感受性高血圧症の発症に関与していることを明らかにした。さらに, プロスタシンが肝臓においてToll 様受容体 4 を切断することによってその発現量を調節し,肝臓 における糖代謝を制御していることを明らかにした。すなわち,プロスタシンは腎ナトリウム再 吸収や肝糖代謝を調節することで生命を維持することに関与してきたが,食生活の変容によって その機構が破綻して生活習慣病の発症に寄与するkey molecule であることが示唆された。今後も この研究を発展させ,生活習慣病の包括的な理解を目指したい。  高血圧や糖尿病のような生活習慣病に対する薬物治療の進歩は目を見張るものがあり,治療成 績や患者予後は著明に改善してきている。しかしながら,新規発症の患者は増加し続けており, また進行した状態で発見される例も少なくない。このような背景の中,私は熊本市において行政 とともに地域に根差した総合的な慢性腎臓病対策を推進し,生活習慣病の早期発見,早期治療の 啓発,円滑な病診連携システムの構築に従事してきた。その結果,5 年で約 10%以上の新規透析 導入患者を減少させ,2 億円近い医療費の削減効果が得られた。今後,山梨県においても地域に根 差した生活習慣病対策に努力していきたいと考えている。

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