[依頼総説]カンナビノイド作動薬, バニロイド作動薬によるダリエー病治療薬の開発: 沖縄地域学リポジトリ
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(6) 高橋 健造 琉球大学医学部大学院医学研究科 皮膚病態制御学講座. .
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(174) . カンナビノイド作動薬、バニロイド作動薬によるダリエー病治療薬の開発. ダリエー病 ( ) は, 単一遺伝子の変 異による優性遺伝性の皮膚疾患ながら, 生下時には全く 皮膚症状を示さず, 思春期以降に発症し夏期に増悪し, 胸や顔面などの脂漏部位に特有の皮膚の部分に強く発症 する. (
(175) 1) 欧米の報告では 万人に2−3人の有 病率であり, 本邦でも−人程度のダリエー病 患者が存在すると考えられる. 染色体の連鎖解析により この疾患の原因遺伝子・ ( ) が同 定され, この遺伝子が規定する小胞体膜のカ ルシウムポンプである!"# ( $ 2% ) 蛋白の蛋白量が, 健常人に 比べ半分近くに低下していることが発症の原因であるこ とが理解された1%4).. ' ' (の機序で生じるヒトの疾患には, 遺伝子 治療などとは異なった, より直接的で単純な治療法・薬 剤の探求が可能ではないかと考えた. 即ち, 原因遺伝子 () の表皮角化細胞での発現をより亢進し, 患 者皮膚の!"#蛋白量を変異体, 正常蛋白ともに2 倍近くに増加し, その結果, 正常に機能するカルシウム チャンネルの蛋白量を健常人のレベルに近づけることに より, 皮膚病態を改善しうるのではないかと考えた7,8).. . . 1) 脂溶性薬剤ライブラリーより数百の薬剤を, 各種の 培養表皮角化細胞に添加した後に, 経時的にRNA・タ ンパク質を抽出し, ダリエー病の原因遺伝子である 遺伝子・!"#)蛋白をノーザンブロット法や ウエスタンブロット法を用いて定量した. 核膜ラミンの 蛋白量と#*量を定量化のコントロールとして用いた. 2) 代表的なヒト表皮角化細胞の細胞株である+・ +!細胞や正常ヒト角化細胞 (*+", クラボウ) あ るいは, ダリエー病患者自身より樹立した角化細胞も用 いた. 培養液中に, −-ナノモル程の濃度の脂溶性 活性試薬を添加し, 3・6時間後に#*を, ・時 間後に全細胞蛋白を抽出した..
(176). 他の先天性皮膚疾患と同様に, このダリエー病に対す る有効な治療方法は限られており, レチノイン酸の内服 や活性型ビタミン&軟膏の外用などが用いられるが, それらの効果は限定的である. しばしば合併するブドウ 球菌, 単純ヘルペスウイルス感染症に対する対症療法が, 治療の主体である. ダリエー病の発症機序は % ' ' (と呼ば れ, 2本の対立遺伝子のうち1つの正常な遺伝子からの 上記のカルシウムポンプの蛋白発現は正常に保たれてい るが, この健常人の半分のみの蛋白質の発現量では角化 細胞の分化の制御ができずに異常角化や脆弱な細胞間接 着を引き起こし, 特有の皮膚症を発病すると考えられる. この際, ダリエー病においては変異遺伝子より転写され る変異体蛋白 (変異型!"#) の存在自身は, 発症 の直接の原因とはならない点で, 優性ネガティブ変異に より発症する単純型先天性表皮水疱症のような遺伝性の 皮膚疾患とはその発症機序が大きく異なる5%6). この発症メカニズムの理解を基盤として, この %. 3) 施設での倫理委員会での承認を得た後, ダリエー病 患者, あるいは他の皮膚腫瘍患者の外科切除標本の余剰 部位の皮膚を培養や移植実験に用いた. ヒト皮膚の器官培養は, 可能な限り物理的に脂肪組織を 取り除いた後に, 表皮角化細胞に特化した培地である, ./培地 (クラボウ社) の中に真皮側を培地中に浸し, 角層側は大気中に露出した形態を維持できるように行っ た. ヒト皮膚の移植手法としては, 切除皮膚よりダーマトー ムにて真皮深層, 脂肪織を切り落とした後に, ヌードマ ウスの背中に作製した皮膚欠損部を埋めるように縫合し, タイオーバーにより1週間圧迫固定を維持した. 抜糸し 移植皮膚の生着を肉眼的に確認した後に, 薬剤の負荷テ ストを開始した. 薬剤は新たに固定したタイオーバー綿 花にしみこませて, 移植皮膚に持続塗布される形で作用 させた.. . 数百種類の脂溶性薬剤のスクリーニングにより, 陽イオ ンチャンネル型膜チャンネルであるの温熱感受性受容体 ( 0 #1) に対するバニロイド作動薬に薬剤 (
(177) 2) と, カン ナビノイド受容体に対する作動薬 (
(178) 3) も2群が, 遺伝子の発現を強く誘導することを発見した..
(179) 高橋. 具体的には, 合成カンナビノイド ( , .
(180) メタアナンダマイド) を含む数種の脂溶性薬剤や, 内因性のバニロイド作動薬である脂溶性ドパミンの一群 により, 負荷後6時間から時間にかけて遺 伝子の表皮角化細胞での転写が数倍に亢進した. この反 応は濃度依存性を示した. これら作動薬をヘアレスマス の皮膚に外用した際や, ヒト皮膚を短期間器官培養した 際に添加することで, 表皮層での2蛋白の発現 の亢進が認められた ( 4,5). 器官培養における バニロイドアンタゴニストの刺激は, 表皮細胞間での棘 融解を生じ, 一見, ダリエー病やヘイリー・ヘイリー病 を思わせる病理変化を呈した ( 6). バニロイドが 温熱感受性受容体の作動薬であることより表皮角化細胞 の培養温度を度より度の間で変化させると, ・蛋白が, 度に近いより低温で発現が強 いことが示された ( 7). またヒトの体表温度をサー モメーターで検討すると脂漏部位である虚部や顔面が周 辺の皮膚よりも若干の温度が高いことが認められた ( 8).. 健造. . $ !"# %&'( )*(+,- ./. $ !"# 01234 5+,- ./.
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(183) . カンナビノイド作動薬、バニロイド作動薬によるダリエー病治療薬の開発.
(184) . . . . 今回のスクリーニングにより, カンナビノイドとバニ ロイドに属する作動薬が遺伝子の発現を亢進 し, マウス皮膚や器官培養でのヒト皮膚においても 蛋白の亢進が観察されたことは, 今後のダリエー 病の治療に対する展望となりうる. カンナビノイドは, 一般にマリファナ系作動薬の総称 であり, その生体への作用は 蛋白共役系の受容体であ る
(185) 受容体を介する. 最近ではカンナビノイド 受容体に対する作動薬・拮抗薬を, 疼痛緩和剤や食欲抑 制剤あるいは食欲亢進剤としての薬剤に活用すべく, 一 部でフェーズ1,2の臨床治験が行われている. 一方, バニロイドは, 温熱感受性受容体 () の作動薬として働く薬剤である. ヒトの温熱感受性受容 体には
(186) が存在し, 中でも皮膚には1,3−6 の存在をノザンブロットで確認した.
(187) の各受 容体は, 各々に固有の狭い感受域の細胞外温度や膜運動 などを感受し, カルシウムイオンを細胞内に流入する. 作動薬にも数種の合成作動薬が開発されている. が, これらは全て合成試薬の段階で, ヒトへ投与可能な 薬剤としてはまだ開発は進んでいない. 今回の解析では, カンナビノイドとバニロイドという, 細胞膜におけるシグナル伝達の全く異なる刺激により結 果的に, ダリエー病の原因遺伝子・蛋白であり の発現を亢進することを発見した. また, この温熱感受性受容体群の作動薬が, 遺伝子の発現を著明に亢進するという実験結果は, ダ リエー病の疾患の病態形成をより細かに理解する上でも 非常に興味深い事実であると考えた. ダリエー病は, 単 一遺伝子の変異による優性遺伝性の疾患ながら思春期以 降に発症し, 夏の暑さで著明に悪化し冬季に軽快すると いう特殊な皮疹の分布を呈する. 今回の解析ではバニロイド作動薬の中でも, という−度, −度近傍の温度を感受し の発現を亢進した. 即ちこの感受域 を超えた温度では, 遺伝子への効果は消失す る. またサーモグラフィーの温度分布で確認されたよう に, ダリエー病の好発部位である脂漏部位は, 周辺皮膚 よりも僅かであるが体表温度が高い. これらの事実より, 夏期に気温が上がり, 元来周辺よ りも体表温度の高い脂漏部位の角化細胞が, 周辺の皮膚 より若干表皮温度が上昇することで, 温熱感受性受容体, 特にの感受域を超えてしまうことで, 遺伝子への温熱刺激を介した遺伝子発現効果が失われて しまい, 蛋白の発現がダリエー病の発症閾値 より低下してしまい発症に至ると理解した9).. 今後はこれら作動薬がダリエー病の病態に及ぼしうる 効果と治療薬としての可能性に関してさらなる詳細な検 討を継続する必要がある. さらに, このスクリーニング の手法は, 変異蛋白も2倍の発現量となることから, 優 性ネガティブ変異で生じる疾患の治療法とはなりえず, また正常な蛋白質の存在を前提とするため劣性遺伝形式 の疾患の治療法とも成りえないが, ダリエー病など ! "により生じると考えられる疾患の薬剤 スクリーニングには有効であると考えられる. ! "で生じる疾患は, 特殊な遺伝病にとどまら ず, 最近では高脂血症など生活習慣病でもその関与が示 唆されていることから今後の展開が期待できる. カンナビノイド作動薬とバニロイド作動薬が, ダリエー 病の原因蛋白である 蛋白の発現を亢進し, ダ リエー病ひいては角化異常症の治療薬になり得るとする 今回の発見は, 国内並びに海外4カ国において, 現在, 特許を申請中であり, その情報は公開されている. 時に ダリエー病患者の主治医である国内の皮膚科医や海外の ダリエー病患者自身より, メールやスカイプなどで直接, この研究の進捗状況を問う連絡を頂くことがある..
(188) 高橋. ダリエー病のように, 患者数の少ない稀少難治症に対 する創薬は, 収益を目的とする製薬メーカーの開発参入 を期待するのは難しいところがある. 産学連携のもと, このような疾患に対する創薬研究を継続することも, 研 究機関としての大学の使命であると考える.. 健造. 5). 6). . . 1)
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2)医用画像診断及び臨床事例担当 松井 修 大学院医学系研究科教授 利波 紀久 大学院医学系研究科教授 分校 久志 医学部附属病院助教授 小島 一彦 医学部教授.
Hiroyuki Furukawa*2, Hitoshi Tsukamoto3, Masahiro Kuga3, Fumito Tuchiya4, Masaomi Kimura5, Noriko Ohkura5 and Ken-ichi Miyamoto2 Centerfor Clinical Trial
URL http://hdl.handle.net/2297/15431.. 医博甲第1324号 平成10年6月30日
自体も新鮮だったし、そこから別の意見も生まれてきて、様々な方向に考えが
人間社会学域 College of Human and Social Sciences 理工学域. 医薬保健学域 College of Medical,Pharmaceutical and
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