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Nic Cheeseman, Democracy in Africa -- successes, failures, and the struggle for political reform (紹介)

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Academic year: 2021

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Nic Cheeseman, Democracy in Africa

--successes, failures, and the struggle for

political reform (紹介)

著者

粒良 麻知子

権利

Copyrights 日本貿易振興機構(ジェトロ)アジア

経済研究所 / Institute of Developing

Economies, Japan External Trade Organization

(IDE-JETRO) http://www.ide.go.jp

雑誌名

アジア経済

57

4

ページ

103-103

発行年

2016-12

出版者

日本貿易振興機構アジア経済研究所

URL

http://hdl.handle.net/2344/00048909

(2)

103

『アジア経済』LⅦ-4(2016.12)

紹   介

Democracy in Africa:

Successes, Failures, and the

Struggle for Political Reform.

本書は,サハラ以南アフリカ諸国の独立後から現 在までの民主主義の変遷を一冊にまとめたものであ る。著者のニック・チーズマンは最近までオックス フォード大学アフリカ研究センター長や国際的なア フリカ研究の学術誌 African Affairs の共同編集長 を務めており,欧米のアフリカ政治研究の中心的な 研究者である。 著者は本書で,民主主義がうまく機能していない アフリカの国を数多く紹介しつつも,「アフリカで 民主主義をあきらめるのはまだ早すぎる」という一 文で本書を締めくくっているとおり,アフリカの民 主主義に対して肯定的なスタンスをとっている。そ して,アフリカでは,欧米の民主主義を真似るので はなく,各国の文脈に沿った民主的な政治制度を採 り入れていく方が,民主主義が持続すると主張する。 本書は序章の後,第 1~6 章でアフリカの民主主 義の変遷を説明し,終章で今後の展望を論じている。 全章を通じて事例中心に議論が展開されているのは, 著者がアフリカ各国の文脈を重視している証である。 一方,本書の末尾にアフリカ諸国の民主主義に関す るさまざまな指標の一覧も所収されており,アフリ カの民主主義の全体像と各国の特徴を捉えるのに便 利である。本書は 1980 年代末から 90 年代にかけて アフリカ諸国が経験した民主化とその後の変化に注 目してきた研究者にとって,アフリカにおける民主 主義の最近の状況と議論を整理し,今後の民主主義 のあり方を考える上での一助となるだろう。 序章ではまずアフリカの指導者に焦点をあて,彼 らがどのような条件で民主化のための改革を選択す 粒 つぶ 良ら 麻ま知ち子こ

Nic Cheeseman,

New York: Cambridge University Press, 2015, xx + 247pp. るのかが論じられる。第 1 章は「民主化の断片」と 題し,1960 年代の独立後に非民主的な政治制度を 採ったアフリカの指導者が,政権を正当化するため, 市民の政治参加を限定的に認めてきたことから,権 威主義的なアフリカの指導者にとっても民主主義が 有益な参照点であったことを指摘する。第 2 章は 「抵抗の文化」と題し,1970~80 年代のアフリカに おけるクライエンタリズムの広がりや市民社会の変 遷を明らかにし,「第 2 の自由化」と題する第 3 章 では,1980 年代末から 90 年代のアフリカ諸国の民 主化を 4 類型に分けて論じている。第 4 章は「選挙 を輸出する」と題し,国際社会のアフリカの民主主 義への影響を述べ,「民主主義を転覆させる」と題 する第 5 章は,複数政党制選挙を導入した後,暴力 や紛争が発生した国々が紹介される。ただし,著者 は民主化後のすべての暴力や紛争が複数政党制選挙 によるわけではなく,それ以前にも原因があった点 に注意を促す。第 6 章は「民主主義の分け前」と題 し,民主主義が権威主義よりもより良い公共サービ スを提供し,国民のニーズに応えているかを探って いる。 アフリカ政治研究者にとって最も示唆に富んでい ると思われるのは終章である。終章は第 6 章までの 議論をふまえ,アフリカにおいてさまざまな民族や 宗教間の信頼関係を築くような民主主義をいかに設 計するかを論じている。著者はアレンド・レイプハ ルトの多極共存型民主主義を引用し,近年のケニア やジンバブウェの連立政権を分析しながら,アフリ カで民主主義を定着させるためには,競争と包摂の 均衡を保つことが重要であると主張する。そして, 国ごとに異なるこの均衡点を見つけるためには各国 の深い知識が必要であるという。各国の文脈を重視 せよという結論は新しくないが,競争と包摂という 相反する政治的方向性の均衡をいかにして保つかと いう指摘はもっともであり,アフリカの民主主義の 課題は最終的にこの問いに行きつくようにさえ思わ れる。今後のアフリカ政治研究がこの均衡点の解明 に貢献していくことを期待する。 (アジア経済研究所地域研究センター)

参照

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