JAIST Repository
https://dspace.jaist.ac.jp/
Title
計算機を介した共同作業の評価と共同ソフトウエア開
発におけるグループウエア利用の検討
Author(s)
村越, 広亨; 海谷, 治彦; 落水, 浩一郎
Citation
Research report (School of Information Science,
Japan Advanced Institute of Science and
Technology), IS-RR-97-0022S: 1-39
Issue Date
1997-05-20
Type
Technical Report
Text version
publisher
URL
http://hdl.handle.net/10119/8431
Rights
Description
リサーチレポート(北陸先端科学技術大学院大学情報
闘
計算 機 を介 した共 同 作 業 の評 価 と
共 同 ソ フ トウ ェア 開発 にお け るグ ループ ウ ェア利 用 の検 討
村 越 広 享 海 谷 治 彦 落 水 浩 一 郎 1997年5月20日 IS-RR-97-00225 北 陸 先 端 科 学 技 術 大 学 院 大 学 情 報 科 学 研 究 科 〒923-12石 川 県 能 美 郡 辰 口 町 旭 台1-1 {murakosi,kaiya,ochimizu}@jaist.ac.jp OHiroyukiMurakoshi,1997 1SSNO918-7553も く じ 1は じ め に 2共 同 作 業 を 分 類 す る た め の 特 徴 2.1タ ス ク の 種 類... 2.2グ ル ー プ の メ ン バ ー... 2.3作 業 環 境... 3計 算 機 を 介 し た 共 同 作 業 の 評 価 3.1作 業 方 法... 3.2コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン... 3.2.1コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 評 価 手 段... 3.2.2メ デ ィ ア の 選 択 基 準_... 3.2.3作 業 者 間 の 認 識...._... 3.2.4コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン プ ロ セ ス... 3.3作 業 や 会 話 の 調 整..,,...。.... 3.4作 業 効 率 と 成 果 物 の 品 質... 4共 同 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 4.1タ ス ク の 種 類..._... 4.1.1RequirementsElicitation(要 求 獲 得)... 4.1.2SpecificationDevelopment(仕 様 の 決 定)... 4.1.3仕 様 の レ ビ ュ ー... 4.1.4Coding(プ ロ グ ラ ミ ン グ)... 4.1.5CodeInspection 4.1.6DebugandTest.. 4.1.7Maintanance 4.1.8各 フ ェ ー ズ の タ ス ク タ イ プ... 4.2グ ル ー プ の メ ン バ ー... 4.3作 業 環 境... 5共 同 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 支 援 5.1共 同 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 の ケ ー ス ス タ デ ィ... 5。2支 援 方 法,支 援 ツ ー ル... 5.3共 同 ソ フ ト ウ ェ ア 開 発 ツ ー ル の 評 価... 6ま と め 6.1実 験 方 法/評 価 手 段 の 考 察...。 6.2自 在 シ ス テ ム に お け る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 支 援 の 評 価 2 3 3 4 5 s 6 7 7 9 11 15 17 18 20 20 21 21 21 22 22 23 23 23 23 24 25 25 25 29 31 31 33 一
1は
じめに
計 算機 を用 いて,作 業効 率 の改善 や,生 産物 の 品質 の 向上 の支 援 を効 果 的 に行 うた め には,計 算機 シ ステ ムそ の ものの研 究 と,支 援 対象 であ る作 業 の理解 の2つ が不可 欠 で ある.今 日,特 に人 間が 共 同で行 う作 業 に関 す る支援 が 注 目を集 め てい る.そ の よ うな 研 究分 野はCSCW(ComputerSupportedCooperativeWork)と 呼ばれ てお り,そ の名 の通 り,計 算 機や 通信 技術 な どの 計算 機 支援(CS)の 研 究 と,言 語や認 知 な どの観 点 か ら共 同作業 の 理解(CW)を す る研 究 を柱 としてい る.ま た,グ ル ープや 組織 の作 業 の た め の アプ リケー シ ョン ・ソフ トウ ェアは,グ ル ー プ ウェア と呼 ばれて お り,既 に数 多 く の シス テム が開発 され て い る[1].CSCWで は,支 援 対象 で あ る作業 をモ デル や 法則 と して記 述 す る場 合 が多 い.支 援 を念頭 にお い たモ デル化 を行 う場合,作 業 に影 響 を 与 え るよ うな特 性 と,そ の特 性 間 の関係 に 注 目すべ きで あ る.そ の よ うなモ デル が記 述 で き て は じめて,作 業 に適 切 な計算機 支援 を構築 した り選択 した りす るこ とがで き る と思 わ れ る.モ デル 構 築の た め には,実 作業 の観 察 や実 験 的作 業 の分析 な どの心 理学 的 な手 法 が用 い られ る場 合が 多い[2]. しか し,現 状 では,適 切 な支援 が行 われて い な い場合 もあ る.例 えば,ソ フ トウ ェア 開発 では,多 くが共 同作 業 で行 なわれ てい るが,そ こで は グル ープ ウ ェアが効 果的 に利 用 され てい ない こ とが 報告 され てい る 【3].これ は,グ ル ープ ウェアを通 して適 用 され た 計 算機技 術や 作 業モ デル が,支 援対 象 で あ る作業 に適合 してい なか った こ とが原 因の一 っ と考 え られ る. 本 報告 では,特 に対 象 を ソ フ トウ ェ ア開発 に絞 り,そ こで のグルー プ ウェア を評価 す る研 究 につ い て のサ ーベ イ を通 して,適 切 なグ ル ー プ ウェ アの構 築/選 択 の方 法 につ い て 考察 す る.2節 で は,共 同作 業 を分 類 す るた めの 特性 を紹 介 す る.計 算機 に よ る支 援 は,こ れ らの 特性 を考 慮 して決 定 され るべ きで あ る.グ ル ー プ ウ ェアの評価 は,結 局 の とこ ろ,グ ル ープ ウェ アを適用 す る作 業 に対 して,そ のグル ー プ ウ ェアが適切 か 否 かに よって決 定 され る.よ って,具 体 的 な評価 はグ ル ープ ウ ェア その ものの 特性 だ けで はな く,グ ル ープ ウ ェアを適 用 した作業 過程 や,作 成 され た生 産物 な どを通 して も行 われ る. そ こで,3節 で は,現 在 ま で に行 な わ れ てい る共 同作 業 の評 価 につ いて の研 究 をま とめ る.4節 で は,ソ フ トウ ェアの 開発 フ ェー ズ 毎 の共 同作 業 の 特徴 につ い て整 理 す る.そ して,5節 で は,実 際 にグル ープ ウェ ア を利 用 した共 同 ソフ トウェア開発 の研 究 事例 や, そ の評価 方 法 につ いて ま とめ る.最 後 に,上 述 した考察 を も とに,我 々が行 な って い る 共 同作 業 の評価 研 究 につ い て議 論 す る. 一一
2共
同作業 を分類 するための特徴
計算機 に よる共 同作業 の 支援 は,作 業 の特 徴 に合 わせ て行 われ るべ きであ る.本 節 で は,文 献[2】で着 目され て い る作 業 の3つ の特徴 で あ る,タ ス クの種 類,グ ル ー プ の メ ンバ ー とその構 成,作 業 環 境 の種類 につい て概 説す る.こ れ らの 特徴 は,グ ル ー プ の イ ン タラクシ ョンや パ フ ォー マ ンス に大 きな影 響 を与 え る要 素 で ある[4】.よって,そ れ ら の 向上や 改善 を 目標 と した 計算機 支 援 を評価 す る場合 に も,重 要 な要素 とな る と考 え ら れ る. 2.1タ ス ク の 種 類 タ ス クの 違 い に応 じて,そ の 遂 行 方 法 な ど が 異 な る か ど うか を 系 統 的 に 調 査 した 研 究 は,ほ とん どみ られ な か った.も し,こ の よ うな 関係、を示 す よ うな タス クの 分 類 が で き る の な らば,そ の 分 類 は,タ ス ク の 遂 行 を支 援 す る シ ス テ ム の 選 択 に貢 献 す る は ず で あ る. McGrath[5]は,集 団 に よ る タ ス クの 遂 行 に 関 す る以 下 の よ うな 問 題 の 考 察 を 行 っ て い る. 1.集 団 作 業 が 個 人 の 作 業 よ り も効 果 的 で あ る か. 2.ど ん な 種 類 の タ ス ク が,集 団 で 遂 行 す る の に 向 い て い る の か. 3.タ ス ク の 遂 行 過 程 の ど の よ う な 側 面 が,集 団 作 業 の 効 果 に 影 響 して い る か. そ の 考 察 を も と に彼 は 以 下 に し め す よ う な タ ス ク に 関 す る分 類 を行 っ た.そ の 分 類 は 以 下 の よ う な条 件 を 満 た して い る. 1.相 互 に 排 他 的 で あ る(タ ス ク に 適 合 す る カ テ ゴ リー は た だ ひ とつ). 2.集 合 の 余 分 が な い(す べ て の タ ス ク が カ テ ゴ リー に 分 類 で き る). 3.お 互 い が 論 理 的 に 関 係 して い る. 4.タ ス ク間 の 相 違 や 関 係 を指 摘 して い る と い っ た 点 で 役 に た つ. タ ス ク分 類 の ス キ ー マ は 以 下 の よ うに な っ て い る.タ ス ク は2つ の サ ブ タ イ プ を も っ た,4つ の 次 元 に 分 類 す る こ とが で き る(TaskCricumplex:図1参 照). 1次 元:考 え や 計 画 を 生 成. ●Planningtasks(タ イプ1):計 画 を 生 成 す る. ●Creativetasks(タ イ プ2):考 え を 生 成 す る.た と え ば,ブ レー ン ス トー ミン グ な ど. 2次 元3正 しい解 や 好 ま しい 解 を選 択. ●Intellectivetasks(タ イ プ3):集 団 の 意 見 の 一 致 に よ っ て,正 しい 答 え を 見 つ け る.こ の タ ス クに お い て,直 観 的 に,決 ま った(強 制 的 な)解 を も っ て い る 場 合 に は,「真 実 が 勝 る 」 とい っ た 原 理 で 作 業 が 進 む.ま た,明 白 な解 が ない 問題 に 対 して は,解 の 正 当性 を論 証 す る こ と は 難 しい.こ こで の 作 業 は,「そ の解 を支 持 す る 真 実 が 勝 る 」 とい った 原 理 で 進 め られ る.ほ と ん ど 明 白な 解 が な い よ うな 問 題 に 対 して は,「多 くの 支 持 を 得 た 真 実 が 勝 る 」 とい っ た 原 理 で 作 業 が 進 め られ る. ●Decision-makingtasks(タ イ プ4):集 団 の 意 見 の 一 致 に よ っ て,よ り好 ま し く,同 意 で き る答 え を 見 つ け る.つ ま り,正 しい 答 え を 持 た な い 問 題 に 関 し て 集 団 の コ ン セ ン サ ス を形 成 す る こ と.こ の タ イ プ の 作 業 の 欠 点 は,騨 一 集 団 は,集 団 が 持 っ て い る 技 術 や 知 識 を十 分 に そ して効 果 的 に利 用 して い な い か も しれ な い. 一 何 人 か の メ ン バ ー は,他 人 よ り多 くの 影 響 を も った り,知 識 を も っ た り す る か も しれ な い. 一 良 い 決 定 を す る とい う よ り も ,す ぐに同意 をす るた めのプ レ ッシ ャー が あ る か も しれ な い. 一 メ ン バ ー 間 の 知 識 の 多 様 性 が 見 解 と価 値 観 の 多 様 性 を発 生 さ せ る.そ れ は,単 一 の 決 定 を 行 な う こ と を 困 難 に させ て い る か も しれ な い. 3次 元3意 見 や 興 味 の衝 突 の 交 渉. ●Cognitiveconflicttasks(タ イ プ5):集 団 内 の 見 解 の 衝 突 を解 決 す る こ と. ●Mixed-motivetasks(タ イ プ6):興 味 の 衝 突 を解 決 す る. 4次 元:相 手 や 外 部 の パ フ ォー マ ン ス の 基 準 と の 競 争. ・Contests/battles/competitivetasks(タ イプ7):他 者 と競 争 し,他 者 との 衝 突 を 解 決 す る こ と. ●Perfomance/psych(>motortasks(タ イプ8):優 れ た 外 部 の 基 準 と競 争 す る こ と. 協調的 問題 を解 決 正 しい答 え を 見つ ける 考えを生成 タイ プ2 Creativetasks タイ プ3 1ntellectivetasks (知的 タス ク) 1次 衝突的 タイ プ4 Dicision-makingtasks 3次 物事 を決定 る タイ プ5 好 ま しい答 え 見 つけ るCognitive conflicttasks 意見の衝突 を 解決する 計画 を生成 タ イ プ1 Planningtasks タ イプ8 Performances/ ・蛾psycho-mototasks _...「優れ た外郁 の基 鏡争 す る と タイ プ7 Contests/battles/ competitivetasks:交渉 タイ プ6他 者 と鍍 す る Mixed-motive tasks 興味の衝突を 解決する 概念的 行動的
一
図1:集 団 作 業 の タス クの分類 2.2グ ル ー プ の メ ン バ ー 文 献[2]に よ る と,グ ル ー プ の メ ン バ ー を 以 下 の よ うな 特 徴 か ら分 類 す る こ と で,適 切 な 支 援 方 法 を選 択 す る こ とが 可 能 だ と して い る. ● グ ル ー プ を構 成 す る 個 人 の 特 徴:様 々 な専 門 知 識 や 才能,心 構 え,パ ー ソ ナ リテ ィ, リー ダ ー な どの 役 割.● メンバ ー間 の イン タラ クシ ョンの特 徴:ど れ くらい の間,お 互 いが知 り合 いな のか. た とえば,リ ー ダー な どの 役割 を適 切 な 参加者 に割 り当て る こ とは,集 団作 業 の効果 的 な遂行 に貢献 す る と考 え られ る.ま た,こ れ らの特徴 は,グ ル ー プ の構 成 人 数 に よ って 変化 す る.た とえば,小 規模 なグル ー プ で は,作 業 の各段 階毎 に リー ダー が 変化 す る場 合 が ある.計 算機 の支援 を考 え る際 に は,そ のよ うな研 究 を進 め,CSCWに 必要 な機 ㌍ の提案 を再考 す べ きで あ る. 2.3作 業 環 境 グ ル ー プ が 作 業 を 遂 行 す る状 況 を 作 業 環 境 と 呼 ぶ こ と に す る.例 え ば,同 室 で 作 業 を す る状 況 も あ れ ば,電 話 等 を用 い て 異 な る 場 所 で 作 業 す る 状 況 な ど もあ る.共 同 作 業 を 行 な う環 境 は,作 業 方 法 や コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン方 法 な ど に影 響 を与 え る と予 想 で き る. 例 え ば,地 理 的 に 制 限 され た 作 業 者 は,電 子 会 議 シ ス テ ム 等 を 利 用 せ ず に 共 同 作 業 を行 な う場 合,相 手 の様 子 を 知 る こ とが で き な い と い っ た 制 限 が 加 え られ て しま う た め に, 電 話 等 を 用 い て 相 手 の 作 業 を 中 断 さ せ て しま う可 能 性 が あ る. Johansen[6]1に よ る と,時 間 と場 所 の 次 元 に よ って グ ル ー プ ウ ェ ア を4つ に 分 類 した. 以 下 にそ れ を 示 す. ● 同 じ時 間,同 じ場 所:対 面 会 議 ● 同 じ時 間,違 う場 所:遠 隔 電 子 会 議 ● 違 う時 間,違 う場 所 共 同 執 筆 ● 違 う時 間,同 じ場 所:同 一 プ ロ ジ ェ ク トの シ フ ト作 業(病 院 ・工 場) 石 井[7]も 同 様 に,時 間 と空 間 の2つ の 次 元 を 用 い て,グ ル ー プ ウ ェ ア の 以 下 の よ う に 分 類 した. ・ 対 面 ・リ ア ル タ イ ム 型(対 面 同 期 型):電 子 会 議 シ ス テ ム ● 分 散 ・リ ア ル タ イ ム 型(分 散 同期 型):TV会 議 シ ス テ ム ● 分 散 ・蓄 積 ・非 同 期 型(分 散 非 同 期 型):電 子 メ ー ル Johansenと 石 井 の 分 類 の 相 違 は,場 所 の 特 性 の パ ラ メー タ の 違 い と考 え られ る.つ ま りJohansenは,同 じ場 所 で 働 く/異 な った 場 所 で 働 く とい っ た パ ラ メ ー タ を考 え て い る の に対 して,石 井 は,対 面/遠 隔 と い っ た パ ラ メ ー タ を 考 え て い る.石 井 の 分 類 で は, 対 面 非 同 期 型 グ ル ー プ ウ ェ ア は 存 在 しな い. 1Johansenは ,上 述 した 分類 以 外 に もグ ル ー プ ウ ェアを,会 議 の 規模(参 加 人 数)の 大 小 か ら分 類 した り, ・ 対 面会議 を支 援す る. ● 電 子会議 を支 援す る. ● 会議 の 間の 作 業 を支援 す る. とい った よ うに も分 類 して い る.
一
3計
算機 を介 した共同作業の評価
共同作 業が効 果 的 に支 援 され てい るの を 明 白にす るた め には,シ ステ ムの評 価 を行 な う必要 が あ る.特 に定 量的 に評 価 す るこ とがで きれ ば,他 の シス テ ム との比較 が 可能 と な り,よ り効果 的 な シ ス テム を選択 す る こ とが可能 とな る.あ るい は,よ り効 果 的な シ ス テムに改 良す る こ とが 可能 とな る.よ って,ツ ー ル を適 切 に評価 す る手段 を分析 す る 必 要 があ る と考 え られ る.こ の節 では,共 同作業 の評価 に 関す る研 究 をサーベ イ し,評 価 手段 に つい て検 討 す る.共 同作業 の評価 研 究 を以 下 の観 点か らま とめ る. ● 作 業方 法 ● コ ミュニ ケー シ ョン ● 作 業や 会話 の 調整(コ ー デ ィネ ー ト) ● 作 業効 率や 成 果物 3.1作 業方 法 共 同作 業 を行 な うた めに は,情 報の獲 得 や意 見の創 造,意 見 の評 価等 の作 業 を行 な う 必 要 が あ る.こ れ らの作 業方 法 は,計 算 機 支援 の導 入 に よって変 化 す る と考 え られ る. よ って,計 算機 導 入 が作業 方 法 に与 え る影 響 に 関す る研 究 をま とま る. 共 同執筆 作業 の評価 研究 が数 多 く行 なわ れ てい る.例 え ば文 献[8]で は,分 散 共 同執 筆 の3つ の ケース ス タデ ィを紹 介 してい る.共 同執筆 の過 程 は,変 化 す る状況 に絶 えず 適 応 しなが ら展 開 してい く.そ の 中で各 々 の執筆者 は限 られ た情 報 を提 供 ・利用 す る.そ の新 しい状況 に対 して適 切 な決 定 を行 な うた めに,そ れ らの情報 を便宜 的に利 用 す る戦 略 をinformedopportunismと 呼ぶ.こ のinformedopportunismを 観 測か ら獲得 す る こ とが,分 散 した人 々に よ る共 同執筆 の支 援 方法 を設 計 す る際 に,何 が 関係 して,何 が 必 要 な情報 か,行 なわれ て い る事 が何 で あ るか とい った概 念 を考察 す る手 がか りとな る と してい る.ま た 文 献[9]で は,共 同執筆 作 業 に役 立つ イ ン タラ クシ ョンパ ラ メー タを定 義 し,そ のパ ラ メー タを選 択 で き るよ うな 共 同執筆 支 援 ツー ル,PREPEditorを 開発 してい る.そ して そ のパ ラ メー タにつ いて の有用性 につ い て議論 して い る.イ ン タラ ク シ ョンパ ラ メー タ と して, ●共 同執筆 作業 グルー プ の タイプ ●執 筆 のス タ イル .共 同 執筆 中 の役 割 ●共 同 執筆 に不 可 欠 な ものの変化 を定義 して い る.さ らに分 散執 筆 に適用 す るために, ・ 結 果 の共有 ● タス クの管 理 とい った パ ラ メー タを定義 してい る. ま た共 同 ソ フ トウ ェア設 計 作業 の評価 研 究 も行 な わ れ てい る.例 えば文献 【10]では, グル ープ が どの よ うに活 動 し,何 が うま くい って いて,何 が うま くい って いな い のか を 調 べ るた めに共 同作 業 の実 験 を行 な った.そ の結果 は 作業 改善 の効 果 を測定 す るための 基礎 とな るだ けで な く,グ ル ー プの メ ンバ ー が どの よ うな道具 を必 要 と してい るか を示一 す として い る.10の 共 同 ソ フ トウ ェア開発 の初期 の作業 の分析 で は,作 業 中の活動 の領 域 を分類 し,そ の分類 に要 した作 業 時 間や選 択肢 に関係 す る議 論 に着 目して い る.分 析 結果 で あるが,作 業 の全 体の40%が 設 計 の選択 肢 とそれ に 関す る評価 の議論 に費や され て いた.ま た30%が 自分 た ちの作 業 経過 とま とめの評 価 に,20%が 作 業の調 整 に費 や さ れ ていた.そ して,ほ とん どの議題 に対 して1つ 以上 の選 択が 示 され議 論 され てい るに も関わ らず,幅 広 く議論 されて い る もの は ほ とん どな く,3分 の1は 明確 に評 価 され て い ない とい った結 果 が得 られ た.た だ この研 究 では,成 果 物 に対 す る評価 は行 なわれ て いな い.こ れ は,プ ロ ジ ェク トが異 な る作 業 同士 の生産 物 を比 較す るのは,非 常 に 困難 であ るか らだ と考 え られ る. またShrEditと い った共有 エデ ィ タを用 い る こ とに よ り,作 業者 がシ ステ ム設 計作業 に集 中す る こ とがで き,設 計 を探 求す る範 囲 が狭 くな った ので,効 率 的 に作 業 を進 め る ことが 出来 た とい った文 献 があ る[11].こ れ は確 か に興味 深 い結果 で あ るが,そ の効果 が得 られ た理 由につ い ては,明 確 に され て い ない. 同期 型 グル ープ ウ ェアの設 計 に着 目 し,そ れ に必要 な機 能 を分析 す るた めの枠 組 を提 案 した文献[12]が あ る.様 々な状況 下 で,人 間 の活動 とシ ステムの支援 が うま く適合 す る よ うに,グ ル ープ ウェアの機能 を組 み 合 わせ る とい った考 え方が とて も興 味深 い.具 体的 には,同 期 作業 を4つ の活動領域 に分割 し,3つ の連結 概念 である,linking,awareness, undoを 用 い て,同 期 作業 グル ー プ ウ ェアの機 能 枠組 に適 応 させ,そ れ を用 い た評 価 方 法 を提 案 してい る. 3.2コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン グ ル ー プ ウ ェ ア の 導 入 は,共 同 作 業 の 中 で も特 に コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン に 大 き な 影 響 を 与 え る.そ こで 本 節 で は,コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン に 関 す る評 価 研 究 を 以 下 の 観 点 か らま と め る. ● メデ ィア の 選 択 基 準 ● 作 業 者 間 の 認 識 ● コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンプ ロセ ス 3.2.1コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの 評 価 手 段 対 面 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン と,計 算 機 を 介 し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン と の 比 較 を行 な っ て い る社 会 心 理 学 や 人 間 的 要 因 に 関 す る研 究 の 長 い 歴 史 が あ る.そ れ らの研 究 で は,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の方 法 に お け る優 位 な 差 異 を み つ け る こ とが で き な か った 【13】[14].具 体 的 に 文 献 【13]では,以 下 に示 す3つ の 問題 か ら,研 究 を 進 め て い る. 1.問 題 解 決 にお い て 人 々が 情 報 交 換 す る と き に,お 互 い が ど の よ うに して コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を行 な うの か. 2.コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン は,人 々 が 会 話 す る道 具 に よ って どの よ うに 影 響 さ れ る の か. 3.メ デ ィ ア以 外 の 他 の どん な 変 数 が,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 影 響 を 与 え る の か. ま た そ の 文 献 で は,コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ンパ ター ン に つ い て,以 下 の4つ の 問 題 を 示 して い る. 1.コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンパ ター ン は,様 々 な 国 の 人 々 の 間 で どの よ うに 変 化 す る の か.
2.コ ミュ ニ ケ ー シ ョンパ ター ン は,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン の 目的 に 応 じて,ど の よ う に 変 化 す る の か. 3.コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を行 な う人 の数 が 増 加 す る な らば,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン パ ター ン に 何 が 発 生 す る の か. 4.自 然 な ヒ ュー マ ン コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を支 配 す る規 則 は何 で あ ろ うか(文 法,シ;/ タ ク テ ィッ ク,セ マ ン テ ィッ ク).コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 文 法 が きれ い で な くて も, コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン が 成 立 し成 果 物 が 生 ま れ る の は,何 故 だ ろ うか. Williamsは 文 献 【14】に お い て,様 々 な メデ ィ ア の 効 果 に 関 す る研 究 を行 な っ て い る. 実 験 で は,正 しい 解 を発 見 す る とい っ た タ ス ク2を 採 用 した.結 果 と して,
●Text型 の メ デ ィア は,Voice型 の メ デ ィア とは 異 な る.Voice型 の メデ ィア の 方 が,
よ り多 くの メ ッセ ー ジ の 利 用 して い る が,よ り早 く解 を見 つ け る こ とが で き る. ●Text型 の メデ ィア の 間 に は,ほ とん ど相 違 が な い.ま た,電 話 の よ うに 音 声 の み と 対 面 の 場 合 を 比 べ た 場 合,環 境 に か な りの 相 違 が あ る が,Voice型 の メ デ ィア の 間 に も相 違 が ほ とん ど な い. ● 実 験 で 用 い た タ ス クで は,非 言 語 的 な 合 図(身 振 り等)が ほ とん ど重 要 で は な い. と い っ た こ と を 導 い て い る. 2.1節 に お け る タ イプ3のIntellectivetasksの 多 くが,メ デ ィ ア に 依 存 して い な い こ と を示 し た 文 献[15]が あ る.具 体 的 にGaleは,3つ の 作 業 環 境 を以 下 の よ う に 設 定 した. 1.デ ー タ の 共 有 2.デ ー タ の 共 有+声 3.デ ー タの 共 有+声+映 像 後 述 の環 境 ほ ど,高 い バ ン ド幅 の 通 信 経 路 が 必 要 で あ る.こ の3つ の 作 業 環 境 の 間 に は, 生 産 物 の 品 質,タ ス ク を遂 行 す る ま で に か か っ た 時 間 に 差 異 が み られ な か っ た と し て い る.し か し,高 い バ ン ド幅 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン は,社 会 的,イ ン フ ォー マ ル な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に 効 果 が あ った こ と を 示 して い る. 計 算 機 を 介 した コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を評 価 手 段 の 一 つ と して,会 話 分 析 が 用 い られ る こ とが 多 い.文 献[16][17]に よ る と,会 話 分 析 とは,社 会 相 互 作 用 に 関 す る 分 析 の 一 般 的 な ア プ ロ ー チ で あ る.こ の ア プ ロー チ は,発 話 を 実 際 に 話 され た コ ン テ キ ス トか ら 単 独 で 抜 き だ し,分 析 者 が 主 観 的 に発 話 行 為[18】 を確 定 し分 析 して い くの で は な く,会 話 の コ ン テ キ ス ト(会 話 の シ ー ケ ン ス構 造 上 の位 置 付 け)に よ って 会 話 中 の 文 章 や 発 話 の 内 容 を理 解 し,会 話 の 構 造 を 分 析 す る方 法 で あ る.実 際 の 会 話 構 造 か ら考 え る と,会 話 は, (あ い さ つ,あ い さ つ の 答 え),(提 案,了 承),(質 問,解 答)と い った よ うな 隣 接 し た 発 話 行 為 か ら構 成 され て い る こ と が わ か る.こ の よ う な 隣 接 した 発 話 行 為 のペ ア は,隣 接 ペ ア と 呼 ば れ て い る.隣 接 ペ ア は,第 一 ペ ア と第 二 ペ ア か ら構 成 され て い る.こ の 第 二 ペ ア は,構 造 的 に優 先 的 され る も の を 非 優 先 的 な もの に 分 類 で き る.も し非 優 先 的 な 第 二 ペ ア が 発 生 す る 場 合,2つ の 発 話 だ け で は 完 結 せ ず,複 雑 な会 話 が 展 開 す る こ と に な る. 言 語 的 コ ミュ ニ ケ ー シ ョン に お け る 基 本 単 位 は,記 号 や 語,文 とい っ た もの で は な く, 発 話 行 為 に お け る記 号,語,文 の 発 生 で あ る.発 話 行 為 と は,「陳 述 」,「命 令 」,「質 問 」, 「約 束 」 な どの 行 為 を 遂 行 す る こ とで あ る.記 号,語,文 の トー ク ン を 一 定 の 状 況 下 で 2こ こでの作業は2 .1節の分類を参考にすると,タ イプ3のIntellectivetasksとなる. 一
産 出す る こ とな い し発 話す る こ とは,な ん らか の言語 行為 そ の もの で あ る.つ ま り発 話 行為 は,言 語的 コ ミュニ ケー シ ョンの基本 的な単位 あ るい は最小 の 単位 と してい る[18]. 言語 を利 用 す る こ とは,発 話 行 為 を遂行 す る ことで あ る. 3.2.2メ デ ィア の 選 択 基 準 人 々 は通 常,対 面 や 電 話 とい った よ うに,一 つ 以 上 の コ ミュニ ケ ー シ ョン メ デ ィア を利 用 して お り,適 材 適 所 で メデ ィ ア を 選 択 して い る.文 献 国 で は,集 団 の 個 々 の 振 る ま い を 一 つ の集 団 の 振 る ま い とみ な し,タ ス ク の 種 類 や 作 業 状 況 に 応 じた メ デ ィア の 選 択 を 行 な うべ き だ と して い る.し か し,そ の よ う な メデ ィア の 選 択 基 準 は タ ス ク の 種 類 や 作 業 状 況 以 外 に,新 し い メデ ィ ア の 導 入 に よ って 変 化 す る こ と が 予 想 され る.こ こ で,以 下 に 示 す メデ ィア の 特 徴 を示 す 理 論 に 基 づ い て,メ デ ィ ア の選 択 基 準 につ い て 考 察 す る. ●mediarichness(メ デ ィ ア リ ッ チ ネ ス)【19] ●criticalrrtass(ク リテ ィ カ ル マ ス)[20] これ らの 理 論 で は,メ デ ィア の 選 択 や メデ ィ ア の使 用 は,メ デ ィア の 特 徴 に よ っ て 決 定 され る と して い る. 文 献[19]で は,組 織 内 の様 々 な 不 確 実 さ や 曖 昧 さ を減 少 させ る た め の 情 報 の や りと り に焦 点 を あ て,組 織 構 造 に 依 存 す る効 果 的 な 情 報 の や り と りを 提 案 して い る.不 確 実 さ と 曖 昧 さに 関 して,以 下 の よ うに 定 義 され て い る. 不 確 実 さ:情 報 の 欠 如 を意 味 して い る.つ ま り情 報 が 増 加 す る な ら ば,不 確 実 さ は 減 少 す る. 曖 昧 さ3組 織 内 に お け る多 様 で 衝 突 的 な解 釈 の 存 在,つ ま り多 義 性(ambiguity)を 意 味 して い る.高 い 曖 昧 さ は,混 乱 と理 解 の 欠 如 を 意 味 して お り,ど ん な 質 問 を して 良 い の か わ か らな い し,質 問 を して も,相 手 か ら の 次 に や っ て くる 返 答 の ポ イ ン トが よ くわ か ら な い こ と が 起 こ る. 曖 昧 さ を減 少 させ る た め に は,組 織 内 に 大 量 の デ ー タ を 単 純 に提 供 す る よ りも,議 論 や 説 明 を 効 果 的 に 行 な う必 要 が あ る.そ の た め に は,richinformationを 容 易 に 利 用 で き る こ とが 重 要 と な って くる.こ のrichinformationは,"あ る 時 間 間 隔 内 で 理 解 を変 更 す る た め の 情 報 の 可 能 性"と 定 義 さ れ て い る.豊 か なrichinformationと は,あ る 時 間 内 で 理 解 を変 更 す る た め に,情 報 同 士 の 関係 を理 解 し,曖 昧 な記 述 を 明 らか に す る こ とが で き る 情 報 の こ とを い う.反 対 にs乏 しいrichinformationが は 、 理 解 す る た め に 長 い 時 間 が か か り,様 々 な 見 通 し を 克 服 で き な い よ うな 情 報 の こ と を い う.つ ま りrichness は,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン に よ る学 習 可 能 性 を示 して い る と い え る と して い る.コ ミュ ニ ケ ー シ ョン メデ ィア は,richinformationの 実 行 可 能 性 に よ っ て 異 な る.こ の 豊 か さ を, 返 答 の 即 座 性,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 手 段 の 数,利 用 で き る チ ャネ ル 数,人 格,言 語 の 多 様 性 な ど か ら決 定 す る こ とに よ って,豊 か な メデ ィ ア の 順 番 を 以 下 に 提 案 して い る. 1.対 面 2.電 話 3.手 紙 や メモ な どい っ た 個 人 的 文 書 4.非 個 人 的 な文 書 5.統 計 の 文 書 一
対 面 の場合 が も っと も豊 か な メデ ィアで あ る とい え るの は,即 座 の返 答 に よって,自 分 が相 手 に伝 えた メ ッセー ジの解 釈 を確 か め るこ とが 可能 だか らで ある.さ らに,身 ぶ りや 声 の調子 とい った よ うな多様 なコ ミュニ ケー シ ョン手段 を もち,会 話 内容 を母 国語 で行 な うこ とがで きるか らで あ る.豊 か な メデ ィアは,複 雑 で 主観 的 な会話 を行 な う可 能性 を提 供す るこ とに よ り,あ い まい さを容 易 に減少 させ る こ とが 可能 に す る.こ の タ うに 定 義 され る メデ ィア の 豊 か さをmediarichnessと い う. midiarichnessと 同 様 に,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン メ デ ィア の 豊 か さ を 定 義 し.コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を評 価 し た 研 究 が あ る[21].具 体 的 に は,メ デ ィア の 豊 か さ を 以 下 の2つ の 特 性 か ら定 義 して い る. interactivity:返 答 の 即 座 性 と適 確 性 expressiveness:道 具 や 言 語 の 多 様 性,人 間 感 情 の 移 入 性 共 同 執 筆 支 援 ツー ル の 効 果 的 な コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を探 求 す る た め に,expressiveness が 豊 か なVoice型 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン と,乏 しいText型 の コ ミ ュニ ケ ー シ ョン の 比 較 を 定 量 的 に行 な っ て い る.実 験 は,文 書 修 正 の 注 釈 づ け とい っ た 共 同 作 業 で,そ の 作 業 は3種 類 の タス ク に分 類 で き た.複 雑 で 曖 昧 さが 多 い タ ス ク の場 合,Voice型 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の 方 が 効 果 的 で あ り,タ ス クの 種 類 毎 に 効 果 的 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン メデ ィ ア が 異 な る と い っ た 結 果 を 示 し て い る.し か し な が ら,interactivityの 豊 か さの 相 違 に よ る コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ンへ の 影 響 につ い て は 議 論 され て い な い. criticalmassと は,ツ ー ル を利 用 す る の に 必 要 な 人 数 の こ と を 示 し,ツ ー ル を 評 価 す る た め の 尺 度 で あ る.し か し,ツ ー ル を利 用 す る ユ ー ザ ー 側 の 要 求 の 相 違 か ら,ツ ー ル の 利 用 人 数 に 差 異 が 生 ま れ て し ま う.例 え ば,以 下 に示 す よ うな ツ ー ル 利 用 が 考 え ら れ る. ● 高 い 利 便 性 の し き い 値 を 持 って い る の で,あ る ツー ル 開 発 の 初 期 バ ー ジ ョ ン を 利 用 せ ず,成 熟 段 階 で の バ ー ジ ョン を利 用 す る. ・ ま た,自 分 に 関係 す る 人 が 多 く利 用 し て い る方 が 好 ま し い の で,関 係 の な い 人 が 多 く利 用 して い る ツ ー ル を使 わ な い. グ ル ー プ ウ ェ ア が 効 果 的 に 運 用 され る た め に は,利 用 人 数 が あ る 値 ま で 揃 わ な け れ ば な らな い と い ったcriticalmassの 壁 が あ る 【20].コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン技 術 の 開 発 の 場 合, 多 くの 人 との コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン を 可 能 に す る必 要 が あ り,criticalmassは 重 要 で あ る. よ っ て,グ ル ー プ ウ ェ ア を 効 果 的 に 利 用 す る た め に は,criticalmassの 壁 が 存 在 し,そ の壁 を 破 るた め に 様 々 な 考 察 が 必 要 で あ る と考 え られ る.一 つ の 方 法 と し て,グ ル ー プ ウ ェ ア を利 用 す る 個 人 の 制 約 を 少 しで も 取 り除 く とい った こ と考 え て い る. 文 献[22】 で は, ・ 過 去 の 共 同 作 業 に 関 す る 論 文(55本)の 分 析 結 果 ・ 共 同 執 筆 作 業 に お い て,対 面 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン と電 子 メー ル の 比 較 を行 な っ た 実 験 結 果 ● 文 書 の 注 釈 作 業 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン メデ ィ ア と して,VoiceとTextを 比 較 し た 実 験 結 果 か ら,以 下 の 仮 説 に つ い て 検 証 して い る. ● 文 書 作 成 と い った タ ス ク の 曖 昧 さが 増 加 す る と,表 現 が 豊 か で 双 方 向 性 に 富 ん だ richcommunicationを 支 援 す る よ う な 道 具 が 利 用 され る. 脚
● 富ん だrichcommunicationを 支 援 す る よ うな道 具が利 用 され るな らば,曖 昧 な タ ス クは,よ り簡 単 に良 い成果物 を得 るこ とが可能 とな る. ま た タス クの 特徴 の測 定が,タ ス ク と計 算機 技術 との関係 を理 解 す るのに必 要 であ るこ とが示 され て い る.っ ま りタス クの種 類 が,利 用 すべ き計 算機 技術 に大 きな影 響 を及 ぼ してい る こ とを示 して い る.さ らに,ど の計 算機 技術 を利 用 す るか を決 定 す るた め に, mediarichnessの 構 成 要 素 で あ る,双 方 向性 と表 現 性 の 区 別 に つ い て も考 慮 に いれ る こ とが 重 要 で あ る と し て い る. 世 の 中 に は 様 々 な メデ ィ ア が 開 発 され て い る が,人 間 は 効 果 的 な メデ ィ ア を選 択 し, そ の 他 の メデ ィ ア は使 用 され な い.Krautら は,人 間 が 新 しい 科 学 技 術 を 採 り入 れ 利 用 し続 け る理 由 に は 少 な く と も,利 用 性(コ ス トの 良 否)と 社 会 へ の 影 響(sociaユin且uence) とい った 観 点か ら説 明 で き る と して い る[23].こ れ ら の 考 え方 は,Jovanisら の 文 献[24] が 基 礎 とな っ て い る.Jovanisら は,組 織 や ユ ー ザ ー,コ ミ ュニ ケ ー シ ョン タ ス ク,様 々 な コ ス トパ ター ンの 特 徴 を 認 識 す る た め の モ デ ル を 提 案 しsメ デ ィア を 選 択 す る基 準 を 導 入 して い る. 過 去 に 計 算 機 を 介 した コ ミ ュニ ケ ー シ ョン の 研 究 が 行 な わ れ て い る に も 関 わ らず,メ デ ィア が 与 え る人 間 の 振 る ま い や 慣習 へ の 影 響 に つ い て の 理 解 は ほ とん ど な され て い な い.Jovanisら は 以 下 の よ う に,そ れ らの 研 究 の 欠 点 を 指 摘 し て い る. ● 様 々 な 分 野 か らの 結 果 を試 した り,統 合 した りす る ア プ ロ ー チ の 欠 如 ● 新 しい メ デ ィア の 効 果 を分 析 す る の に適 応 した フ レー ム ワー クの 欠 如 ● 新 しい メ デ ィア を 選 択 す る た め の 効 果 を 説 明,テ ス トす る た め の 定 量 分 析 ツー ル の 欠 如 さ らに,そ の よ うな 欠 点 の 解 決 方 法 と して,以 下 の 提 案 して い る. ● 新 し い コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン支 援 技 術 の 効 果 に 関 す る 様 々 な 研 究 か ら得 られ る 発 見 の 融 合. ● 新 しい 科 学 技 術 の 影 響 の探 求 を ガ イ ド す る た め の 概 念 的 な フ レー ム ワー クの 開 発. ● 定 量 的 な デ ー タ集 合 や 分 析 技 術 を利 用 して,フ レー ム ワ ー ク の 特 別 な構 成 要 素 や, 個 々 の メデ ィ ア の 選 択 の 修 正. ま た,個 人 が 様 々 な コ ミュ ニ ケ ー シ ョン メデ ィ ア に 認 識 す る も の を定 量 的 に 評 価 した. 個 人 と い う の は,適 切 な 特 性 を メデ ィア の 選 択 の 基 準 と して 採 用 して お り,そ れ は,適 切 な メデ ィ ア の 選 択 の 基 準 を 決 定 す る 指 標 に な る と述 べ て い る.ま た,組 織 の 中 の メデ ィ ア選 択 モ デ ル を 構 築 す る に は,組 織 の 背 景 に 基 づ い た 個 人 の 選 択 に 適 合 す る モ デ ル の構 造 が 基 本 で あ る と して い る.こ れ らの 考 え 方 は,メ デ ィ ア の 選 択 基 準 を決 定 す る た め の フ レー ム ワー ク に役 立 っ と考 え られ る.し か し,選 択 の 基 準 と な る評 価 パ ラ メー タ に つ い て の 良 否 の 検 証 が な され で お らず,さ らな る考 察 が 必 要 だ と考 え られ る. 3.2.3作 業 者 間 の認 識 作 業 者 同 士 が コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 な う場 合,様 々 な 状 況 か ら,お 互 い の 認 識 が 一 致 しな い こ とが あ る.そ の よ うな 認 識 の 不 一 致 は,効 果 的 な コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン を 妨 げ る こ と が 予 想 され る.以 下 に,作 業 者 間 の 認 識 の 一 致 の 度 合 の 代 替 特 性,お よび そ れ を 用 い た 評 価 研 究 に つ い て 説 明 す る.
commonground複 数 の 人 間 が 共 同 で 問 題 を解 決 す る と き,各 々 のperspectiveや 専 門 知 識 を 利 用 す る.perspectiveと は, ● 目的 ● 背 景 知 識 ● 仮 説 な どの こ と を い い,各 々 の 作 業 者 で 異 な って い る.さ らに,専 門 知 識(プ ロ グ ラ ミグ 言 語 の 熟 知 度 な ど)も 各 々 の 作 業 者 間 で 差 が あ る と 考 え る こ と が で き る.そ の よ う な perspectiveや 専 門 知 識 の 多 様 性 は,問 題 解 決 に は 利 点 と な る が,労 力 の 調 整 に は 困 難 と な る.作 業 者 が,他 の 参 加 者 のperspectiveが 自分 のperspectiveと どの よ う に 異 な っ て い る の か に 関 す る知 識 を 獲 得 で き る な らば,様 々 なperspectiveが 利 用 可 能 で あ る と 指 摘 さ れ て い る 【25]【26】[27].Clarkに よ る談 話 のcontributiontheoryは,人 々 が そ の よ うな 知 識 を 達 成 し,維 持 す る た め の メカ ニ ズ ム の 基 礎 を提 供 して い る[28】.こ の 理 論 の 中 で 使 用 され て い るcommongroundと は,会 話 に お け る参 加 者 の 相 互 知 識(mutual knouledge),信 念,仮 定 の こ と を 意 味 して い る.会 話 中 に お け るcommongroundは, 各 々 の 参 加 者 が 現 在 の 目的 の た め に,他 の 参 加 者 が 自分 の 発 話 を 十 分 に 理 解 で き る よ う に試 み,規 則 的 な方 法 で 更 新 す る と され て い る.Clarkに よ る と,commongroundの 獲 得 に 必 要 な 作 業 は,利 用 で き る 環 境 の 制 約 の 相 違 に よ っ て 変 化 す る と し て い る. 文 献[29]で は,Clarkが た て た,「 一 緒 に い る とか,目 に 見 え る と い っ た よ う な 制 約 が な い 場 合,commongroundを 達 成 す る こ と が難 しい.」 とい っ た 予 想 を確 か め る た め に,実 験 を 行 な っ て い る.具 体 的 に は,銀 行 の レ イ ア ウ トを決 定 す る 問 題 を タス ク と し て,離 れ た 場 所 に い る 被 験 者 の ペ ア に,Textべ 一 ス の 同 期 型 コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン を行 な わ せ て い る.ま た 作 業 中 は,自 分 の プ ラ イベ ー ト空 間 に 決 定 事 項 とそ れ に 関 す る 議 論 を 記 述 す る こ と を 可 能 と して い る.結 果 と して,Textべ 一 ス の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン で は, commongroundの 達 成 が 困 難 で あ る こ と を 導 い て い る.commongroundの 達 成 の 欠 如 は,作 業 終 了 後 に,各 々 の 被 験 者 に 作 業 中 に 決 定 した 決 定 事 項 と そ れ に 関 す る 議 論 を 思 い だ し て も らい,そ の 結 果 の 相 違 に よ って 測 定 して い る.さ ら に,共 有 作 業 空 間 を持 つ シ ス テ ム を利 用 した 場 合,そ の 困 難 さを 減 少 させ る こ と が 可 能 に な る と い っ た 結 果 を 導 い て い る.具 体 的 に は,特 に 決 定 事 項 に 関 す る議 論 の 相 違 が 少 な くな る と して い る(反 対 に決 定 事 項 数 に 関 して は,あ ま り相 違 が な か った と し て い る).こ の 理 由 で あ る が,共 有 作 業 空 間 を 持 た な い 作 業 の 場 合,決 定 事 項 に つ い て,新 た に 自分 の 個 人 作 業 空 間 に 記 述 しな け れ ば な らな い と い っ た 余 分 な 作 業 を行 な う必 要 が あ り,ま た 決 定 事 項 の 方 が 決 定 す るた め の 議 論 の 方 よ り重 要 で あ る と考 え られ る か らだ と予 想 して い る.ま た,個 人 の 作 業 空 間 に記 述 され る相 手 と異 な っ た 議 論 が,決 定 事 項 よ りも 多 い と い う こ と は,人 間 は相 手 の 強 い 否 定 の 言 葉 を認 識 しな い か ぎ り,自 分 の 意 見 を認 め て し ま う た め で あ る と し,グ ル ー プ 活 動 の 調 整 の 必 要 性 を提 案 して い る. 他 にcommongroundに 関 す る 文 献 に は[30】 が あ る.著 者 のKraussら は,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を 効 果 的 に 行 な うた め に は,相 互 知 識3(mutualknowledge)に 関 す る 問題,っ ま り次 に何 を言 うか を 決 め る た め に,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン の 相 手 が 何 を知 って い て,何 を知 らな い か に 関 す る 情 報 を 得 な けれ ば な らな い とい っ た 仮 定4か ら研 究 を進 め て い る. 3著者 らは,こ の相互知識とcommongroundを 同一視 している. 4相互知識 問題 と呼ばれている. 一
ま ず 共 同 作 業 で 発 生 す る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン の う ちで,行 為 者 が 情 報 を伝 え るた め に 意 図 的 に行 な った も の に 焦 点 を あ て,commongroundに よ って,そ れ らが ど の よ う な 効 果 を 得 て い る か を ま とめ て い る.ま た,計 算 機 を 介 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン でcommon groundを 得 る た め に は,ど の よ うな 労 力 が必 要 で あ り,ど の 方 法 が 最 も 効 果 的 で あ る か を分 析 し考 察 して い る. コ ヒー レ ンスReichmanは,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の コ ヒ ー レ ン ス5の 達 成 につ い て 言 及 し て い る[31】.そ の 達 成 の た め に は,す べ て の 会 話 を 行 な っ て い る者 が コ ン テ キ ス ト を 共 有 す る必 要 が あ る.Reichmanは コ ヒ ー レ ン ス の 達 成 の た め に,会 話 情 報 の な か か ら 余 分 な 情 報 を 新 た に処 理 す る こ とに よ っ て,そ の 問 題 を解 決 す る こ と を 考 察 し て い る. ま た 会 話 の コ ヒー レ ン ス を 維 持 す る プ ロセ ス を明 らか に す る こ とを 目標 と して お り,そ の 目標 を達 成 す る た め に,"contextspace"と 呼 ば れ る構 成 物 を 分 析 対 象 と して い る.こ のcontextspaceを 形 成 す るの は,あ る 問 題 や 話 題 に 言 及 して い る 発 話 の グル ー プ で あ る.つ ま り,発 話 が 階 層 的 に 関連 して い るcontextspaceに 分 解 さ れ,構 成 され た も の の こ とで あ る.会 話 が 進 め れ られ る と,各 々の 発 話 を行 な っ て い る 者 は,会 話 のcontext spaceの 構 造 や,現 在 の 議 論 の トピ ッ ク,焦 点 が 当 て られ て い る 項 目 の リス ト とい っ た もの を 含 ん だ 会 話 モ デ ル を構 築 す る.会 話 の コ ヒー レ ン ス は,参 加 者 の 間 の 各 々 の 会 話 モ デ ル の 間 の 衝 突(conflict)の な い こ と に 依 存 して い る.そ の 衝 突 を ふ せ ぐ に は,聞 き 手 が 話 し手 の 会 話 モ デ ル を 認 識 す る こ と を 可 能 に す る規 則 が 必 要 で あ る.Reichmanは そ の 規 則 を,階 層 的 に そ れ ぞ れ が 関 連 し て い るcontextspaceか ら 明 らか に して い る. McCarthyら は 文 献[32]の 中 で,Textべ 一 ス の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン に お け る コ ヒー レ ン ス が,ど の よ うに し て 達 成 され,維 持 され る の か に つ い て の 分 析 を 行 な っ て い る. 具 体 的 に は,survivaltaskとjointsubmissiontaskと い った,共 同 に 作 業 者 が 物 事 を 決 定 す る 作 業 をTextべ 一 ス の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン を用 い て 行 な い,分 析 を して い る.結 果 と して,複 数 の 異 な っ た 話 題 が 並 行 に 進 め られ て い る こ と が わ か っ た.こ の原 因 と し て,Voiceべ 一 ス の 会 話 は,一 時 的 な もの で 話 題 の 回 顧 は か な りの 記 憶 力 が 必 要 とな る の で,単 一 の 話 題 を進 め る 傾 向 に あ る が,反 対 にTextべ 一 ス の 場 合 は,コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン が記 録 を しや す く,並 行 に 話 題 を すす め る た め の 環 境 を提 供 しや す い こ とが 予 想 され た.し か し,Textべ 一 ス の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン に 特 徴 的 な 「読 み 書 き に よ る遅 れ 」 が,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の 非 同 期 性 を 増 加 させ て い る こ と が 原 因 と も 予 想 され,作 業 者 が 並 行 に話 題 を 進 め る か に つ い て は 説 明 で き な い と して い る. さ らにTextべ 一 ス の コ ミュ ニ ケ ー シ ョンで は,face-to・faceの 会 議 の よ うな ター ン テ ー キ ン グ が 利 用 で き な い の で,会 話 の コ ヒー レ ン ス の 達 成 の 手 段 と して,以 下 の こ と を提 案 して い る. ●addressing(明 確 な 主 張):あ る 話 題 の 返 答 を行 な う と き に,明 示 的 に 返 答 す る話 題 を 明 示 す る こ と.た だ し,隣 接 ペ ア につ い て は 例 外 で あ る. ●sequentialorganization:並 行 の 話 題 に 対 して,そ れ ぞ れ に 導 入 され た 順 番 に 返 答 す る こ と.そ の 返 答 の 詳 細 は,次 の 話 題 の 返 答 の 間 に 行 な う. 5和訳は 「一貫性」になる.文 献中の意味は,Text型 による相手からのメッセージと,そ のメッセージの コンテキス トを結びつけること. 騨
●messagecompression:複 数 の 話 題 を並 行 に 進 め な い よ う に す る こ と.こ れ は,メ ッ セ ー ジ を 短 く した り,メ ッセ ー ジ を情 報 パ ケ ッ トに 分 解 す る こ と に よ って 達 成 で き る. ま た 結 論 と して,以 下 の こ と を 考 察 して い る. ● 効 果 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 行 な うた め に は,メ デ ィ ア に 必 要 な 会 話 の ス タ イ ル と構 造 を 適 用 す る こ とが 必 要 で あ る. ● 対 面 の 会 議 や ビデ オ 電 子 会 議 シ ス テ ム と比 べ て,Textべ 一 ス の 会 議 は,限 られ た コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン チ ャネ ル しか 持 た な い が,効 果 的 な コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン へ の 障 害 と は な ら な い. さ ら に今 後 の 課 題 と して,以 下 に 示 す も の が,複 数 の 話 題 が 並 行 に進 む こ とに 影 響 を 及 ぼ す か ど うか の 分 析 が 必 要 だ と して い る. ● グ ル ー プ の サ イ ズ ● タス クの 種 類 共 同 作 業 を評 価 す る方 法 の 一つ と して,タ ス クの 遂 行 を 測 定 す る こ とが 考 え られ る.例 え ば,ど の く らい 良 く,ど の く らい す ば や く作 業 の 遂 行 が 終 了 した か を 測 定 す る こ とで あ る.し か し実 際 に は,一 人 の 作 業 者 が 一 時 に一 つ だ け の タ ス クに 従 事 す る こ とは ま れ で あ るた め,一 つ の タ ス クの 遂 行 のみ を調 査 す る だ け で は 不 十 分 で あ る.そ こ でMcCarthy らは タス ク の 遂 行 が コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 利 用 の しや す さ の 変 化 の 総 計 に 依 存 す る と い う こ とか ら,コ ニ ュ ニ ケ ー シ ョン の 評 価 を す る こ と を 推 奨 して い る 【33].し か し実 際 は, 様 々 な形 態 の コ ミュニ ケ ー シ ョン を 比 較 した 実 験 的 研 究 が 盛 ん に行 な われ,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の 効 果 な ど を測 定 し て い る が,あ ま り うま くい っ て い な い.McCarthyら は,そ れ らが 役 立 つ も の に な る た め に は,以 下 の こ とが 必 要 だ と し て い る. 1.過 去 に 行 な わ れ て い る 対 面 と計 算 機 を介 した コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 比 較 実 験 で は. 得 られ た 結 果 が 実 験 タ ス ク に非 常 に 依 存 し て い るの で.適 切 な 実 験 タス ク を 利 用 す る こ と. 2.適 切 な独 立 変 数 を測 定 す る こ と. McCarthyら は そ の よ う な 点 に 注 意 して,Textべ 一 ス の 会 議 シ ス テ ム の3つ の 状 況 を 比 較 す る こ と を 行 な って い る.成 果 物 の 相 違 は 見 られ な か った が,多 くの コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン プ ロ セ ス の 独 立 変 数 に は 差 異 が み れ らた.そ れ ら の 変 数 と し て, ・sharedrecalls ● 同 一 話 題 の 参 照 の 距 離 を導 入 して い る.評 価 対 象 と し た の は,Textベ ー ス の 会 議 シ ス テ ム"Conferencer"で あ っ た.こ れ は, ・ 共 有 作 業 空 間 の使 用 ・ 会 話 の 構 造 の 違 い を分 析 す る こ とが 可 能 で あ っ た.そ こで,こ のConferencerを 用 い て, ・ 共 有 作 業 空 間 が あ る/な い ● 過 去 の コ ミュ ニ ケ ー シ ョン の 記 録 を参 照 で き る/で き な い 6実験後に,作 業者が共通に記憶 している話題(成 果物)の こと. 一
一 とい った 違 い の あ る実 験 環 境 を設 定 した.ま た,被 験 者 の ペ ア の 設 定 方 法 に っ い て 議 論 して い る.環 境 が3つ あ っ て,そ れ ぞ れ の 環 境 で 実 験 を行 な うペ ア を3つ と した 場 合, 以 下 に 示 す もの が 考 え られ る と して い る.McCarthyら は,設 定1を 利 用 して 実 験 を 行 な っ て い る. 設 定1:各 々 の 被 験 者 が 一 つ の 環 境 で 作 業 を 行 な う. ● 環 境1:ペ アA,B,C ● 環 境1:ペ アD,E,F ● 環 境1:ペ アG,且,1 設 定2:文 献[34]で 採 用 され て い て,各 々 の ペ ア が す べ て の 環 境 で 作 業 を行 な う.利 点 と して は,個 人 差 の 影 響 を 排 除 で き る が,欠 点 と し て,環 境 を経 験 した こ と に よ る影 響 が 考 え られ る. ● 環 境1:ペ アA,B,C ● 環 境2:ペ アA,B,C ● 環 境3:ペ アA,B,C 設 定3:各 々 の 被 験 者 が す べ て の 環 境 で 作 業 を 行 な うが,各 々 の 環 境 で の パ ー トナ ー が 異 な る.欠 点 と して,新 しい パ ー トナ ー と組 ん で 作 業 を行 な う影 響 が 考 え られ る. ● 環 境1:(A1,A2),(B1,B2),(C1,C2) ● 環 境2:(A1,B1),(C1,B2),(A2,C2) ● 環 境3:(A1,C1),(C2,B2),(C1,A2) コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 効 果 は,commongroundの 達 成 とい った 観 点 か ら評 価 して い る.こ のcommongroundを 計 る尺 度 と して,決 定 解 とそ れ に 関係 す る議 論 の 数 や お 互 い に 相 違 した 決 定 解 とそ れ に 関係 す る 議 論 の 数 を導 入 し,分 析 を行 な っ て い る.さ ら に 会 話 の 内容 の 分 析 と して, ●1,2人 称 代 名 詞(私,私 た ち,あ な た) ● 指 示 代名 詞(そ れ,あ れ,そ れ ら) を と りあ げ,分 析 を行 な っ て い る.そ の 結 果,共 有 作 業 空 間 を使 用 した 方 が1,2人 称 代 名 詞 の使 用 が 多 い こ とが わ か り,円 滑 で 社 会 的 な コ ミ ュニ ケ ー シ ョ ン が 行 な わ れ て い る こ と を 予 想 して い る.指 示 代 名 詞 の 場 合,過 去 の 会 話 の 履 歴 が あ る/な い で は 差 異 は み られ な か った.そ れ に つ い て は,各 々 の 環 境 で会 話 の 隣 接 ペ ア が 結 び 付 い て い る か らだ と して い る.ま た 会 話 の 構 造 の相 違 を 分 析 す る た め に,同 じ話 題 の 参 照 距 離 を 測 定 して い る.そ の 参 照 距 離 は,同 じ話 題 の 間 で 行 な わ れ た 発 話 の ター ン数 と して 測 定 して い る. 結 果 と して,過 去 の 会 話 の 履 歴 が あ った 環 境 で は,参 照 距 離 が 長 い こ とが 得 られ て い る. 3.2.4コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン プ ロ セ ス 文 献[35]で は,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン プ ロセ ス を評 価 す る た め の 方 法 を 提 案 し,計 算 機 を介 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン の 評 価 に つ い て 考 察 して い る.具 体 的 に は,コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン の 特 徴 を分 析 す る た め に,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン プ ロ セ ス 変 数 を 定 義 し,そ の 変 数 の 評 価 を 行 な っ て い る.以 下 に そ の 特 徴 を ま と め る.
● 人 称 代 名 詞(私,私 た ち,あ な た)の 使 用 回 数:1人 称 や2人 称 の 使 用 は,間 接 的 な 質 問 に お い て 使 用 され,直 接 的 な 質 問 よ り も礼 儀 正 し い と い っ た感 じ が あ る.こ れ らは,イ ン タ ラ ク シ ョ ン の 社 会 的 な コ ン テ キ ス トや 社 会 的 な 慣 習,関 係 に 関 連 して い る. ● 指 示 代渚 詞(そ れ,あ れ,そ れ ら,彼,彼 女)の 使 用 回 数:指 示 代 名 詞 は 上 述 され て い る名 詞 句 を指 す.そ れ の使 用 は,名 詞 句 の 繰 り返 し よ り も,メ ッセ ー ジ の 長 さ とい う観 点か ら考 え る と効 率 が よい.そ し て,そ れ を使 用 す る とい う こ と は,会 話 を行 な って い る 者 同 士 が,commongroundを 達 成 して い る こ とを 示 す た め の 証 拠 とな りえ る.文 献 【33]にそ の 例 が あ る. ● 明 確 な 話 題 の 開 始(explicittopicopening)の 使 用 回 数:明 確 な 話 題 の 開 始 は指 示 代 名 詞 と反 対 に,メ ッセ ー ジ の 要 点 が,そ れ を 参 照 す る こ と を確 立 す る句 に よ っ て,前 に 述 べ られ て い る こ と を い う.文 献[33]に そ の 例 が あ る. ●breakdown:参 加 者 が コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ツー ル の こ と に 言 及 す る と き に 発 生 す る も の と して,定 義 され る.こ こ で のbreakdownは,コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン ツー ル に つ い て の こ とで,単 に メデ ィ ア の 限 界 を 取 り扱 っ て い る だ け で あ る の に 対 して, 社 会 的 な イ ン タ ラ ク シ ョン に お け る会 話 の ル ー ル の 適 用 に 伴 うbreakdownに つ い て 言 及 して い な い. ●topicmention(話 題 の 言 及)の 距 離:同 じ話 題 の 言 及 の 距 離 は,そ れ らの 参 照 の 間 の タ ー ン7の 個 数 と して 定 義 す る.Voiceべ 一 ス と比 べ てTextべ 一 ス の 会 話 の 場 合,距 離 が 長 くな る こ と が 予 想 で き る.な ぜ な ら,Voiceべ 一 ス だ と,そ の 場 だ け の 会 話 と な っ て しま い,過 去 の 発 話 を 再 検 討 す る 方 法 が な い か らで あ る. ● 発 話 の 長 さ,発 話 の 重 複,発 話 の 中断:普 通 の 対 面 の 会 話 は,重 複 す る 会 話 と 中断 と い っ た 規 則 正 しい 出 来 事 で ター ンが 交 替 す る. ● 凝 視:ア ク シ ョ ン レ コ ー ダ ー8を 用 い る と,凝 視 を4つ に 分 類 す る こ と が 可 能 で あ る. 1.映 像 を 見 つ め る. 2.紙 の 記 録 を 見 つ め る. 3.計 算 機 の ス ク リー ン を 見 つ め る. 4.そ れ 以 外 の 場 所 を 見 つ め る. Sellenは 文 献[34】 で,メ デ ィ ア の 相 違 に よ る コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン の 効 果 の 違 い を 測 定 す る た め に,パ ラ メ ー タが ひ とつ だ け 異 な った 実 験 同 士 を 比 較 分 析 して い る.Sellenは, 会 話 構 造 を獲 得 す る た め に ター ン テ ー キ ン グ に着 目 し,以 下 の 定 義 を 行 な い,発 話 の 切 替 え を 自動 に 検 出 す る 方 法 を提 案 し て い る. タ ー ン:1タ ー ン は,発 言 権 を持 つ 人 に よ る 沈 黙 と発 話 の シ ー ケ ン ス か ら な る. 話 者 交 替3話 者 交 替 は,話 者 が 発 言 権 を失 うか,他 の 人 が 発 言 権 を 獲 得 した と き に 発 生 す る. 同 時 会 話3発 言 権 を持 た な い複 数 の 人 に よ っ て 同 時 に 発 生 す る 会 話 の こ と. 7発話者の切 り替 わ りのこと 8各参加者 の発話 の形跡 を組み立てるこ とを可能にす る. 脚
そ して その方法 を用い て,対 面式 と ビデ オを利 用 した場合 の相 違 を分 析 してい る.Sellen は 実験 前 に,対 面の方 が ビデ オ を介 した場合 よ りもター ンの 回数 が多 く,タ ー ンの平 均 持続 時間が短 く,タ ー ンの分 散度 が小 さい とい った仮 説 をた て た.実 験 を行 な った結 果, そ の仮 説 に反 して,タ ー ンの 回数や ター ンの平 均持 続時 間,タ ー ンの分散度 には差 異 が ない こ とがわ か った.ま た,発 言権 を効 果 的 に獲得 す るた め に,現 在 の話 者 の映像 を廼 の 参 加 者 に切 替 え て 表 示 さ せ る 方 法 を提 案 し て い る. 映 像 技 術 の 発 展 に よ っ て,作 業 者 が 物 理 的 に 同 じ空 間 で 作 業 す る 際 に共 有 す る も の を, 遠 隔 に い る 作 業 者 同 士 が 模 倣 す る こ とが 可 能 と な る.Sellenは,研 究 者 が 理 解 す る 必 要 が あ る の は,映 像 が どの 程 度 ま で,そ の 共 有 の 提 供 が 可 能 で あ るか とい った こ と だ と し て い る.ま た,映 像 を 用 い た イ ン タ ラ ク シ ョ ン が 会 話 の 振 舞 い を 変 え る とい う可 能 性 を 含 み な が ら,映 像 を 用 い た イ ン タ ラ ク シ ョ ン は,同 じ物 理 空 間 を 共 有 す る こ と と は 基 本 的 に 異 な って い る こ と も理 解 す る必 要 が あ る と し て い る 【36].ま た,科 学 技 術 に よ る 遠 隔 の 会 話 の 効 果 を 分 析 す る た め に,以 下 の2つ の 実 験 を行 な っ て い る. ・ 対 面vs遠 隔(計 算 機 を 介 した 映 像有 り) ・ 遠 隔(計 算 機 を介 した 映 像 有 り)vs遠 隔(計 算 機 を介 し た 音 声 の み) こ の 実 験 を 分 析 す る際 に,コ ミュ ニ ケ ー シ ョン メデ ィア が 時 間 的 な会 話 の 構 造 に ど の よ う に 影 響 を 与 え る か に 注 意 を 払 って い る.分 析 デ ー タ は,参 加 者 に よ る発 話 パ ター ン の オ ン オ フ を 自 動 的 に トラ ッ キ ン グ す る こ と に よ っ て 獲 得 され る.結 果 と し て,対 面 と遠 隔 の 相 違 は,対 面 は 相 手 の 作 業 の 邪 魔 を す る と い う傾 向 に あ る と い っ た 点 に あ り,映 像 と音 声 に は 差 異 が み られ な か っ た と して い る.し か し実 験 の 参 加 者 が,映 像 が 会 話 の 際 に は 重 要 で 利 益 が あ る と感 じた て い た こ と を示 して い る. 文 献[371で は,共 同執 筆 の 作 業 タス ク を3つ の 段 階,planningphase,executionphase, integrationphaseに 分 類 し,そ れ ぞ れ の 段 階 に お け る コ ミュ ニ ケ ー シ ョ ン形 態 の 効 果 を 分 析 した.以 下 に そ の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョン 形 態 を 示 ず 1.対 面 2.計 算 機 を介 した 環 境(E-mail+1対 多 の 電 子 会 議 シ ス テ ム) 3.計 算 機 を介 した 環 境+電 話 planningphaseで は,計 算 機 を 介 した コ ミュ ニ ケ ー シ ョン は,あ ま り うま くい な か い こ と が 明 らか に な っ た.さ ら に,計 算 機 を介 した 環 境 に 電 話 を導 入 して も,あ ま り効 果 が な く,電 話 で 必 要 と な る1対1の 通 信 とい っ た 制 限 に よ る 困 難 さが 付 加 され る に す ぎ な い と され た.上 述 した よ う に,実 験 か ら得 られ る結 果 が タ ス クに 非 常 に 依 存 して い る と い っ た 観 点 か ら考 察 す る と,タ ス ク の 種 類 に よ っ て 効 果 の 異 な る コ ミュ ニ ケ ー シ ョン 形 態 を 分 析 す る こ とは,よ り厳 密 な 結 果 を 引 き 出 す こ とが 可 能 に な る と考 え られ る.た だ し,そ の フ ェー ズ へ の 分 類 す る た め の ス キ ー マ とそ の フ ェ ー ズ の 特 徴 に つ い て 明確 に 認 識 して お く こ と は,重 要 な 問 題 で あ る と思 わ れ る. 3.3作 業 や 会 話 の調 整 も し対 面 の 会 議 で あれ ば,参 加 者 は 身 ぶ りや ア イ コ ン タ ク トな どを使 って,相 手 の 行 動 や 意 図 に気 づ くこ とが で き る.計 算 機 を介 した 会 議 の 場 合,そ の よ うなmutualawareness やcontextawarenessが 簡 単 に獲 得 で き る か は 疑 問 で あ る.作 業 の 調 整 方 法 は,作 業 環
一 境 で異 な る こ とが 予想 され,そ の 環境 が複 雑 に なれ ば な る ほ ど,そ の複 雑 さ を効率 良 く処 理す る メカ ニズ ム が 必要 とな る ことが予 想 され て い る 【38】.そうい った観 点 か ら, CSCWの 研 究者 の間 では,発 言 権 の制御 が重 要 な トヒ。ック とな って い る.対 面 の作業 で は,各 々の 作業 者 が,誰 が発言 してい るのか,誰 が発 言 した いの か,誰 が会話 の話題 に 興 味が な いの か とい った こ とを認識 す る ことがで きる.そ れ を遠 隔 の作 業で支 援 す るな めに,計 算機 の ウ ィン ドウに対 面 の作業 と同 じ状況 を構 築 す る とい った試 み が行 なわれ てい る.し か し対面 と計算 機 の ウ ィン ドウは物 理 的 に異 な るので,対 面 の作業 と同 じ効 果 が得 られ な い こ とが 多 い.そ こで各作業 者 の発話 権 を制御 し,会 話 を促進 す る方 法が 多 く提案 され て きてい る[39]. 文献 【40]では,個 々の作 業活 動 と集 団の作 業活動 の 間 の 関係 の 本質 は何 で あ るか,特 に,作 業 環境 におけ る時 間的,空 間 的なパ ター ンの特徴 が,ど の よ うに して,協 調 的な ふ るま いに 関連 して い るの か を分 析 を してい る.そ の分 析 は,作 業 を終 了 させ るための 中断 され な い時 間 を持 つ こ と と,共 に作業 して い る人 に話 しか け るた めの ア クセ スを持 つ ことをの 間 の衝 突 を解 決 す るこ とか ら始 め られ た. 3.4作 業 効率 と成果 物 の 品質 共 同作業 の 成果物 を評 価 す るた めの尺度 と して,以 下 の もの が提 案 され て い る 【38]. ● コス ト:時 間,費 用,精 神 負 担 ・ 個 々 の報 酬:個 人 が獲 得 す る報 酬(満 足,習 得 機 会,他 人 か らの 認知 度 とか)が, 自分 の作 業 の手 間 よ りも多 い と感 じるか感 じな い か.つ ま り,個 々の感 情 は,ア クセ ス容 易性 と行 動 の制 御性 の もとで,分 類 す る こ とが 可能 であ る. ・ グル ー プ可能性:グ ル ープ の結 合力や,他 の 参加者 と再び 作業 す る こ とを快 く思 っ て い る か.結 びつ き のゆ るい イン タラ クシ ョンで あ るの で あれ ば,生 産物 の 品質 は あ ま り良 くない とい え る. 実 際,作 業 効率 や成 果 物 の品質 を評価 す る こ とは非 常 に難 しい.困 難 さには様 々な原 因が考 え られ るが,特 に作 業者 間の ス キル差 に問題 が あ る と考 えて い る.な ぜ な ら,個 人 間の ス キル の違い は必 ず 存在 し,そ のス キル の違 い は,直 接 に作 業効 率や 成果 物 の品 質 に影 響 を与 え るもので あるか らで あ る.こ の ス キル 差 を小 さ くす るた めに,多 くの実 験 的研 究 で は,実 験 タス クに関す る ことを,授 業 等 で共通 に学習 した学 生 を被験 者 とす る傾 向 にあ る.ま た,実 験 タス クをプ ログ ラ ミング と した場 合 な どは,プ ログ ラマー歴 が 同 じ作 業者 を被 験者 に す る傾 向 に ある. Chapanisら に よ る と,す べ て の コ ミュニケ ー シ ョン が記 述 され な けれ ばな らない条 件(Text型 コ ミュニ ケ ー シ ョン)と,参 加者 がお 互 い に声 で会 話 を行 な うこ とが 可能 で あ る条 件 を比 較 した ときに,成 果物 に重 要 な相 違 が あ った と して い る.し か し,声 だ け の場合 と声+映 像 の場合 を比較 した ところ,差 異 がみ られ なか った と してい る[13].こ の こ とは,人 々は対 面 の方 が電 話 よ りも好 む とい った 考 え に反 す る と考 え られ るが,文 献[33]で は,そ れ に 関 して 以下 の よ うに理 由を あげ てい る. 実 際 の作 業 では,優 先 順 位 のつ い た様 々な タス クを持 って い て,2番 目の順位 の タス クの コス トや,予 想 され る労力 か ら,1番 目の順 位 の タス クを保 護 す る傾 向に あ るか ら で あ る.つ ま り,タ ス クパ フ ォー マ ンス に関す るプ ロセ ス を測 定 す るため には,1番 目
の タ ス ク を 保 護 す る コ ス トが 必 要 とな るの で あ る.Chanpanisら の 分 析 は,1番 目の 順 位 の タス クの み の 分 析 を 行 な って お り,差 異 が み られ な か っ た の は 驚 くこ と で は な い と 考 え られ る.こ の こ とは,計 算 機 を 介 した コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンの 研 究 で 報 告 され た 重 要 な 効 果 が,成 果 物 と い う よ りむ しろ,コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ンプ ロセ ス を 分 析 す る 尺 度 につ い であ った こ とを説 明す るのに十 分 で あ ろ う.つ ま り,タ ス クを被 験 者 に与 えて 実験 脅 行 な う場 合,作 業品質 や効 率 を計 る こ とは 困難 であ り,そ れ を計 る場 合,現 実 の 作業 と 同様 な優 先順位 等 を タス クに与 える必 要 が あ る と考 え られ る.
一