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書教育の根拠

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(1)Title. 書教育の根拠. Author(s). 赤石, 正吉. Citation. 北海道學藝大學紀要. 第一部, 10(2): 433-452. Issue Date. 1960-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/3713. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第 10 巻. 第 2号. 北海道学芸大学紀要 (第一部). 書. 教. 赤. 育. の. 石. 正. 根. 昭和3 5年2月. 拠. 吉. 北海道学芸大学旭川分校書道研究室. Shakichi AにArs日1: Foundat ion o f. l l Ca igraph Education. 次. 目. 序. 第一節 書くことの意義 第二節 書教育の教科目標 第三節 書教育の体系 児童生徒の発達過程 児童生徒の書写反応 同 書教科指導の目標 ( 岡 教 材 の 配 当 第四章 書 教 育 の 方 向. 第一章 書 第一節 書 体 の 発 生 第二節 書 の 内 容 第二章 教 育 に つ い て 第一節 教 育 第二節 せ 術 第三章 教科と しての書. 序 私は書作家としても書教育者としても, 書によって開拓される個のあることを実際に感じとって きた, 叉その時機が学校教育の時機を除いてはならな いことも感得把握している. 教育が人間の個 の発見にあり, 個の生命の用い方を学び合うものであるとするならば, そこにおいて書が果さなけ. ればならない大きな使命のあることを知る. 然して幾多のメスを加えられながらも民官とも未だに 確乎たる教科としての根拠を見出していないと云うことは憂慮すべき現況である.. そこで書教育者にもその他の人々にも理解してもらえる客観的, 科学的求明の必要を痛感し, 児 童生徒における書の反応の調査を重ねてみることにした, 同志の各方面からの研究と相 侯って一つ の方向を見出す礎石としようとしている. 本文第三章第三節の児童生徒の書写反応の調査には未完. 成ながら主力をおき他の多くの問題 は割愛した点が多い. 第一章. 書. 書を理解するためには分析によるのでなくむしろ総合的に全体感のものを掴むことに核心がある と云える. 分析することは最後に総合して全体把握を可能にするために有効であり今後は従来にも 増してこの分析研究が行われることが望ましい. 以下書の歴史的変遷の中から 「文字をかく技術が 美術の性格を担って発展してきたこと」 叉書の要素の分析的考察から 「書を観察するいくつかの角 度を提示して書を掴む手がかりとした」 二 つについて述べてみたい, 第一節 書体の発生. 一 433 -.

(3) . 赤. 石. 正. 吉. 甲骨女 (股) 中国における文字の発生は今から約四千数百年以前と推定される. 現在最古の資 ‐世紀) であって象形, 指事な ど文字誕生上の原理も千年を経過すれ 料は股代の甲骨文 (BC14~12. ば原始な象形技術を脱してかなり抽象化されている, 獣の骨に刀を以て刻した為に直線的構成が顕 著で簡素な刀意の中に言う べからざる味を含んでいる.. いわゆる宗廟の祭器等に鋳出された文字で股朝後半期のものとされる」 字形が 甲骨女に対して円形 であるのは鋳こむ前型の願型に記する筆が原始的であって太細の変化に乏しい 金文 (股, 周). III~771 ) 前期の金女は紡錘形の筆画, 肥筆, クサ も の であ る こ と に よ る の であ ろ う. 西 周 (BCI. ビ形横画を多く用いた. 後期は過渡的様式の成長がみられる. 温雅 で鋒虻を露さない筆画と縦横の たいて‘ ソ 行をそろえる整斉の配字に落つく と共に字形の訓一化をとるに 至った. この時代の石鼓女は大家と. 称する代表的書体の 一つとなっている,. 古代中国の人々はあらゆる自然物の背後に天の偉大な る力を感じす べての自然現象を天の意志に よるものと受けとっていたのであるから天の意志に違わぬことをねがうと共に吉事があれば天に謝 し禍が起きれ ば天に祈って天のいかりを和らげよう と一心に祭を行った, 甲骨女は天意を知る為の 占 トの記録であり, 金女は祭器としての銅器に刻された銘女でいずれも古代信仰の下になされた文 字 であ る.. 秦の天 下統一により秦女以外の文字を廃止し, 秦地の伝統的書体である大家を基本 とし更に整理総合を加えていわゆる小宴を制定した. 泰山刻石はその代表的なものである. 秦は春 小宴 (秦). 秋戦国を統一し強力な中央集権国家を樹立して個人の批判をゆるさぬ峻烈な政治を した, 小宴は縦 横の分間を整斉にし形は左右相称に近く曲線の 組合せの中にも上から下への直線を強調している, この縦長の姿は装飾性の勝ったもの で荘重感と森厳感を十二分に表現している. 古隷 (前漢) 秦の 家書が公用書体として行われていく 一方, これの略体として直線構成の文字 が考案され, これを徒隷の日用文字とした ことから隷書の名が起きた. 古隷とは隷書の最 も古い体 を云うのである. 秦代の 量銘は纂書といえ ども余程古隷に近し・ものである. 前漢の五鳳二年刻石 (BC56) と莱 子 侯 刻 石 (AD16) が 著 名 で ある.. たく. 隷書運筆の必然的結果として横画に波裸を生じた. この波牒の筆意は八の 字における左右に相対して相称の形 をとり, はね (裸) の筆意も左右に具わっている, 隷書の完成 八分 (前漢・後漢). 書体と云う ことが出来る, 王葬の天風元 年木商に既に表われ, 後漢の多くの碑石は八分体によって 刻 さ れ て い る.. 前 漢時代に章草が創られたと伝わる. 隷書時代既に草書的略書法が行われたが西 域出土の木商によって立証されるに至った. 措書体で, 午牛半車な どの縦画は最後に引きおろすが 章草 (後漢). 草書体では縦画のあとに一叉は二本の横画を引く. 八分の行われた後漢には略 した草書体の横画や 右払いな どに牒の筆意がついた. これを章草と名づける.. 前漢は秦のとった中央集権の制を分散封建制度に改めて前代の欠を補った. 五代武帝は国威を充 実させ対外関係も活溌にした. 儒教を国教 と定めるに及んで法家道家の学説に対抗して, 一王の下. 徳治主義をかかげて国民の指導に役立った. 八分体に見る美 しい波課と形体の謹厳さ, 重厚さは一 面礼教主義のとりことなり道徳と云う劃ー主義的な 規制に奉仕すると云う傾向を余儀なくさせられ. ている. 所謂書における儒教的色彩を強く した, 楢, 行, 草 (三国, 六朝) 漢代末期から三国にかけて文字書写の簡易化は更に拍車をかけられ ていった, 三国時代の写経にはまだ謹厳を表わす波牒が残っているが次第に簡易化されて波牒のな い横画をもって構成される新書体が醜の鐘孫の手によって作られるに至った. 刻石においても呉の 谷朝碑は隷 意が残っているが点画は楢書に改まってきている. --434 ‐一・.

(4) . 書. 教. 育. の 根. 拠. 行書は漢代, 劉徳 昇の創るところと伝わるが隷書のつづけ書か ら進んで 西晋では行書に近 いも , のになり東晋では独立した書体となった. 草書, 後漢の名家である張芝は章草をよく した. 三国西晋を経過する間に点画の波牒は省略きれ 東晋に入って書体の一系統を確立するに至った, 三国より老荘の学が流行しいわゆる清談の流行と 不安定な世相から救済を願って仏教が盛んに流布されるなどの思想の混乱が著しい時代である 従 . 来と異なるところは, 国家的権威に奉仕した個人から自己の 自覚へと変り 個人の尊重が打出され , てきたことであ る. 東晋の代は特に王義之を中心とした名 家が多く輩出し行草体に餅を競った 当 。 時の貴族は清談を事としてその書に求めるものは, 清韻であ り典雅である 積極的社会改造の情熱 .. にもえたものではなく社会から逃避 していると云った消極性はいなみ得ないが とも角も 書がはじ , めて国家の権威から独立したのであった, 北朝は胡族が支配的地位にあったことから伝統にとらわ れることなく仏教を信ずることになり, 仏教は頗る活溌に行われ た 龍門に開さくされ た無慮数万 . の仏寵中にはすぐれた刻石が多く, 選んで龍門二十品と称する 父(祖)の霊を慰めるために仏像を . 刻しその背面に刻された楢書体は南方の書に比して寒険のそしりを免れないが 方勤にして俊抜 , , ガ 書法の正= くを伝えるものであり字間に自由の気がただよっている. かな (平安朝) 日本では大陸と文字文化の交渉のもたれる迄は固有の文字が発達 していなかった. のであるから, 新来の文字, 書籍の渡来によって大きな便益を得たのであるが, 所謂大和ことばの 記述には多くの苦労をしたことは周知のことである. 万葉がなと云 って漢字の一字一字を音読みに. して使用しなけれを ならないと云うことは大きな不便であったが, 既に漢字の草書体の確立をみて いたのであるから, これを更に簡約整理して符号化することに成功したのであった 奈良朝の書写 . と思われる正倉院かな文書によると保一を ま, 止 ナと, のくずし方が看取される, これ は中国の草書 体のくずしとは異るもので, 日本かな化の特殊性の一端がうかがわれる. 平安の初期 は, 草体から 著しく離れない単独体のかなであったと想 像されれる. 貫之時代になるとほぼ簡易化に成功 した .. 同時にそれが連綿的にも書かれていると云うことは, 当時の人々の文字書写の合理化に対する関心 の程が しのばれる. このようにして十一世紀に入って日本かな文字の完成をみるに至った. 第二節. 書の内容. 書の紙面の上に形作られていく外部形式 は, その内にひそむ内部形式を規準としながら構成され. るのである. 内部形式 は制作に先だって一定の形態として外に与えられることはできない 制作の , 進行につれて内に省りみられながら求められ続け, 主体的に見出されていくのである. 夕 ・ 卜部形式は この様な内部形式を規準と して営なまれ るのである. 書の構造 内. 部. て. だ. て. 外. 部. 点画一 一字形にふさわしい点画 ′ 一応知白 一応知的 -字の形-集団 に融合する字形 に捉えら に捉え れたもの が, 情意 の世界へ 入つてい く・. 雫茎 蓄 島 葉 長 運 筆 {静養 章法{ i 豪語護総勢務と変化 用具の肉体化鎮 護誠 瀞 文字の把握 (想念). 一. 字形・筆路の把握と発動 (想念の発動) 一 435 -. 線質--書想とその体質化. 墨色--書想と用具の融合, その効果. 空間{ 竜宮竪妻整髪空間 一. 精神性・力動性の様式化 (紙面に定着).

(5) . 赤. 石. 正. 吉. 書は文字を素 材として成立している. 併し文字そのものが書 ではない. 文字を書くことにおいて 書く者の意図する (無意識のものを含める) こころが反映された有機体としての存在である. 従っ て単なる可視的な点画や,外形や,墨色の集りは書 ではない. 従来の書論 では基本点画の法, 結構の 法, 運筆的要素を含めた用筆法が書の要素として常に説明されたところ である。 現在高校書道の学 習内容の事項は, 表現, 鑑賞, 理解の三項のもとに, 表現の部では, 点画の形成, 一字の構成, 全 体の構成, 墨色の四項をあげているが, まだ何か羅列的な感をまぬがれない, 「運筆」 , , 「線質」 このようなねが らないと思うのである 与えなければな 「空間」 という要素について適切な位置を .. いか ら書の要素考察を再検討して書の体系に永遠に通った一つの客 観性をきずきあげなければなら な い と 考 え る.. 〔一〕 抽出 した書の要素として. 想 (美意識とか生命的自覚と呼ばれるもの) 墨色. 点画. 空間. 線質 運筆 字形 一に感じるところ は, 形を通して, しかも形外に制作者の最も純粋 1 作品を見た時に第 想 , に生かされている生命の感動なのである. 作品全体の感 じ, 作者の生命的感動というもの が書の内 ) を通して最もよく表わされているがすぐれた 容であるからであ る. その想 (a) が表現形式 (a′ ′ ′ 作品 (a ) である. 書表現に当って作者の自由なる芸術意志が重要な意味を持っている ことは云. うまでもない. 製作ということはあらか じめ意識することのできない想を自己の内部に探究しなが らそれに基づいて作品を形成することにある, この想を他人が指定することは出来ず, 他の作品の 中にも見出すことは出来ない. けれ ども作者 自身でも理性的にせよ感性的にせよ, 制作以前にこ. の想が どのような芸術的な形姿をもっているかと云う ことは, 筆を持って作品を形成して行く過程 に応じて次第に 見出されていくものである. そしてこれ でよしと思う最後の筆がおかれた時に, 初 めてその全貌が見尽されたことになる. だから制作はあらか じめ意識することのできない想に立脚 しながら進行する意識的活動, 内に求めるにつれて見出されていく想によって 刻 々と決定されて いく制作活動であると云う ことができる. 内に探究されながら外に形成されていく 活 動なのであ る.. 2 毛筆によって書かれる点, 線は中と長さをもっている, 幾何図形的に云えば面積を , 点画 もっている点と線ではあるが絵画な どにみられる面的性格 ではない. 立体感を表出するにもかかわ らず, その性格は線条 である. 叉点 と云えども長さと方向を与える ことが出来る. 線には更に,. 曲, 直の度合が明瞭にあらわれる. 作品にあらわれる点画の形は基本点画の繰返しによる形ではな く作品が意図する形をつくりあげてゆく上に要 求される点画であり, 更に云えば想が生み出すとこ. ろの書風を作りあげ るため点画の形でなければならない. 3 複 合 に よ ら な い 単 体形は概ね左右均等の形 --天, 山, 魚, 宗--に作るのが普通 , 字形 i である. しかし局と芽, 冠と沓, たれ (「「) , にゆう ( ‐兎), な どの複合されて出来る文字は形. 体を整えるのに熟練を要する。 局, 芳な どの複合される文字を組合せる要領は部分の相譲相避を考 えることによって解決される. --林, 妹, 鉄, 泉黒概形法と云われる外部の輪郭をた どった形は 字形把握上において有効であるが, 表 現上においてはつよく規制される べきでない. 字形を三角 形, 四角形, 五角形, 円, 叉は背勢, 直勢, 向勢な どに強制的に要求す ることは記号としての文字 の認め方としても書の素材の 文字としても行きす ぎである, 中心法と云って文字の 点画を積重ねる. 場合に中心を失わぬように配慮すれば安定した形を保つ ことが出来る.分位法と云って, たて, 横, 斜な どの 競列する点画を等間隔にすることも効果がある. 形体と想との関係は前に述 べた通り内容 と形式は一致す べきも のである. 内容と形式と著しく離れる場合が あれば技術上の問題 としても研 一436-.

(6) . 書. 教. 育. の 根. 拠. 究 を 要す る こと で あ る.. 4 運筆の運動によって線が書かれ文字が組立てられる. 活字では運筆をぬきにした字 , 運筆 形しかないが, 書かれた文字に明かに運筆の行跡をみとめることができる. 書く速度に元来規定が あるわけではない. 速度を速くすると圧が軽くなりやすく, 叉字形が崩れやすい傾向をもつな どが. 考えられる. 毛筆書の運筆は点画が正確に引けることと次の点画を書くために合理的な空間筆が書 ォ かれて一連の筆耳 (を構成することに基本的訓練を必要とする. 空間を書くということ--空間筆 は 紙面よりも遥かに高い空間運動面を載っていく. 即ち表現の際の毛筆は立体的運動をしていく。. この事実を大切にみつめて運筆の暢達を心掛けることは, 書く技術の重要要素である. 自然な運筆 は一貫した気脈から生まれる. 気胸 (はそれ自身では光を放たないが運筆の美しさとなり空間を現出. しては書に奥行を与え, 心情の起伏を余す ところなく点画の間に再現する. 美的な運筆過程は音楽 における施律と共通性を見出す.書線に表われた制作者の心のリ ズムとして鑑賞することができる.. 運筆には速度と圧度の二要素があって筆圧は疑いもなく精神の起伏を表わすものである. 速度の変. 化とその美的組合せ--速度の範囲を遅, 緩,速の三段階に分けた場合これら遅, 緩, 速の組合せは 4 2 3 27種 であ り 四 段 階 に 分 け れ ば4 5, の 多 数 と な る. この 内 美 的 3 6種五段階に分ければ5 , , , 5. 型式となるものは選む れた数であるとしても想像し得ない多数にのぼる--. 圧度 の変化とその組 合せは速度の場合に準じて無数の組合せが予想される。 これら無数に近い変化をもった速度と圧度. の調和の可能な組合せ数を推量するならば無際限と云えるであろう。 真に創作を貫こぅとすれば技 術 は 各無 際 限 な も の と して 刻 々 に 開 か れ て い く も の で あ る.. 5 書の線は対象にかかわりあう描写性ではなく人間にかかわりあう表現性の方が , 線・線質 勝っている. 表現性が書の線の根本的生命なの である. 線質を表す条件として用具的条件, 体質的. 条件, 感覚的条件. 鍛錬的条件があるが大別して用具的な条件と個人的条件に帰決される. 堅い紙 に兼室筆 でかく場合, 雅仙紙に羊毛でかく場合を比較すると後者は筆が重くか るので墨汁は多く 紙に汲収される. 抵抗をおしきって書くために筆の緊張度を増し, 後者は線質が一般に重厚にして 底深くなり筆の凝集性を刺戟することが大きい. 以上は用具的条件の一端を述べたのであるが, 制. 作の実際に当っては具体的な感覚 的条件と体質的条件によって支配される. これは書の内容に複雑 さと深遠さを与える中心的要素であり, 書を最も個性化させるものである. 体質は何人にも代える. ことの出来ない個人的なものであって宿命的なものである. 書線に書作者独特の線質を見出すのは 体質を通した個性の表現によるからである.鍛錬 的条件とは用具をよく肉体化することであり,その. 根本は内面を深く探究しつづける心の鍛錬にかかわるものである. 一度ならず機械 化の過程を通る. 技術が同時に感 覚の惰性化を打破りながら, この機械化の 危機を幾度も乗りこえた高 い鍛錬の書線 をあこがれて止まない. 線質は書作者の表現の幅によってその領域はかなり広汎にわたるものであ るが, なお書作者の体質的な個性の傾向は変らない独自のものがある. これを線性と呼んでいる. 線性の一つの見方として遠心性と求心性をあげた. 遠心性とは内部に凝集する力ではなく外方に拡. がろうとする力, 明るさ, 若さ, 発展力である, 求心性とは遠心性に対する力である. この力を反 面に含むことによって書の遠心性は光を発するものと考える. 内に充実する力, 弾力を含んだ力,. 完成したものの自覚と力, これを求心性の内容と考える, 個人がこの二者を特合せながら他の一面 が外面に傾向として表れる, 6 墨の各種の濃度と墨の色彩とを含めて考えると墨色には限りなき変化と美しさがあ , 墨色 る, 墨色の変化は際限ないが墨色の種精が鑑賞者の 眼に何百種と見えるわけではない。 すなわち書. における墨色の美はいわゆる濃度と色としての立場でなしに書作者の精神の輝きととして映ってく るものである. 同じ書作者によって書かれた各種の作品がそれぞれの感興の違いがあると同じに墨 -437-. ◎.

(7) . 赤. 石. 正. 吉. 色もそれぞれに異つた生かされ方 (墨色) を感じさせるものである. 前述の線質, 運筆と不可分な 関係にあって存在する墨色という一要素であることを知る,. 7 白の紙面に黒い字を並べた時そこに白と黒の対比関係がみられる. それだけの関係 , 空間 ではまだ白が空間の意味を発 揮しない. 書の空間はその場--白を書作者の内的生活の中にひたら. せて, その後から位置づけられてくるものである. 書く ことの時間的統一の中に書作者は生きられ るのでありその生きぬいた書写活動の中に書が生まれる. 即ち空間が存在する. 「書くことによっ て空間が認知される」 ことをさかのぼって, 「空 間 (書作者の個性化した空間) が先に用意された. 中で墨線が意味ずけをなしていく」 と云った方が正しいであろう. 書の空間を云う場合, 明, 暗, 遠近などのことばが使われるが, 絵画的意味の平面乃至立体空間ではなく, 書においては精神界の 空間であり, 第四次元の世界を見出すことができる, このような空間把握は書作者の境涯そのもの であり書の絶対的価値を 保持 しているものである.. 〔二〕 表現上からみた要素 1 古来より書が深い技術的要素を内蔵していたとすればそれ は用筆法 と云われるも , 用筆論 の である. 用筆法は即基本点画とか永字八法と云うものではない. 基本点画とか永字八法は広汎な. 用筆の一分節に過 ぎないのである.用筆の理の深遠な体得感は中国諸名人によって説かれてきたが, 要は内面の要求に応じて筆を自在に用いることにある, 書作者は体得した個人的な用筆によって筆 が最も合理的に運用されることを理想とする. すべての運用に合致するその核心が用筆の理と呼ば. れて然るべきものである. 用筆の根本理は一古典にのみ通ずるものではないから広く古典に参入し て洞察を深く しなければならない. 先ず個々の名蹟に当って観察を精密にし, 点画, 筆勢, 筆意,. 形体のすがたからあらゆる用筆の要領を汲みとる眼力が要請されるのである. 同時に己の毛筆を通. して実験的把握されていく. 古人の用筆法体得の苦心談が多いが, すべて伝授式ではなく彼等の独 創 に よ る も の で あ っ た.. 用筆のすがたを類別する. 筆が直立して筆鋒は逆らわずに使われる. ◎側筆 筆軸を傾けて使う-一筆軸が 線方向に対して角度をつくる, 開かれる筆鋒は線の比較的片側による. 部分の点画をかく場合は直 ◎蔵鋒 筆鋒を点画 筆なり{ 則筆のみにによって処理されるが直・側の混合される場合が多い, ◎直筆. の中にかくす法で方筆の厚味ある点画の表現に, 或いは行書における意連する点画に応用される. ◎腕法 運腕を大切にすることをもって運筆の基準とする. 運腕における肘の立体的運動が用筆,. ⑨指法 運腕の自在性と相まって, 用筆の妙を発揮させ 細字は勿論大字の技術的処理をなす ◎怖仰法 手首関節の翻転による るものが指法である. . 筆軸の運用 であり, 前者のそれぞれを総合して発揮される高度な技術である. 王義之はじめ平安朝 初期の筆蹟には僻仰の法がよく 使われている. 静止の姿でなく進行の姿において研究することがの. 運筆の妙を発揮する鍵をもっている.. ぞましい,. ◎中鋒. 「八面出鋒. これ .を中鋒と云う」 とは中鋒説を解説した言葉である. 要す. る に 筆 鋒 はよく 開 き, ま とま り な ど して 自 在 に働 か せ る よ う に す る こ と であ る.. 2 書芸術は書的技術の構成にかかるものである と云う意味からこの項を考える. , 構成論 A 形体的構 成. 一作品の構成の問題は云うまでもなく一字の構成の問題ではなく, 一紙面の中に各の文字を どの 様に配置 していくか, 所謂章法の問題である.. 整然とした儀礼的なものにあう形式である. 上下左右を整然と碁盤の目の ) 棋子格型式 a 型にまとめるもの. 中国の諸碑, 法隆寺釈迦仏光背銘が相当する, 字形は一定型の 反覆がふさわ し. . -438-.

(8) . 書. ◎. 歯列型式. 教 育. の 根. 拠. 棋子格型式に次いで整然とした型式である. 一定間隔に行間をあげて反覆並. 列する型式である. 左右のならびをそろえる- ---字治橋断碑 左右はそろえ ぬ--一薬師仏光背銘 大 小, 強 弱. 字 形 の 変 化 が の ぞ ま し い.. そ う 散布型式 変化に富み動的, リズム的な型式行をたてることを基本とせず自由に書きこ んでいく, 叉は散らして書く型式. 詰込型 紙面にぎっしり詰めてかく 散布型 従来のかな散布の如きもの 書かれる字形は変化の振幅が大なることが望ましい, 漢字かな調和の問題も運筆のリ ズムの統合が なされ曲直の有意的調和を工夫すれば自然な統一美を構成することができる. B 運筆的構成 時間的な要素を主眼にした構成. 運筆における速さ (圧度を含む) と書作者との感情が密接な関 連をもって連行されるものである. 流動的構成である, g) 平 板 型. 裏〆琵繋警 喜磯美 響題蓄儀 換感覚,雰囲気が主となるo. iZ. 起 伏型. ◎ a. (a, b, c各仮称). 起承転結の型 漢詩の起承転結を引用, 変化と統一の妙を発揮させる型式. 応用の中が 広 い.. b 前 頭強調の 型 作品の書出しに大きく力をかける型. 古い条幅短冊に多くみ られる. c 悼尾型 後半まで平坦な道を進み一つの高まりを機に最後の段で表現を強調する. 前者 の 逆 型 式.. Cは単独よりも反覆に応用の途がある. 以上の表現上の諸型式はこれに束縛や依存を意味するもの. ではなく, 表現を効果的にする一つの 手がかりとして提出したものであって, これら構成の諸形式 は制作者の内面的要求とその探究とによって, 更に開拓されていくべきものである, 第二章 第一節. 教. 教育について. 育. 教育とは大人でも子供でもそれぞれ自主独立の人格を与 えられている個人が, それぞれのかかわ. りあいによって他の個人の存在及び発達を助け叉助けられて, そこにおのずからなる大小さまざま の社会を造り出しつつ全人類社会を支持しまた発達させていくことを使命としている。 人間性に対 する無限の同情と洞察, 個人に対する無限の可能性を信じる者の集団が, 個人の生命の用い方, 魂 の用い方を学びあう場所であらねでならない. 教育が現代の社会の要望する人間を育てることを使 命 とす る こ と は, 現 代 を 正 しく 生 き ぬく こ と に よ っ て, 刻 々 と 未 来 を 創造 す る 人 間を 育 て る こ と を. 意味L, 現代社会に迎合することを意味しないの は言をまたないところである. 第二 節 芸 術. 芸術は美意識の表現である, 美の成立は人間の自由な生命感動の表現によってなされる. 芸術の 制作とは, それを見る時に最も純粋に自己の生きていることを意識出来るような色なり型なりを作 ることに外ならない. 個人の自発的な独創の世界であり而も刻々に新たであることが芸術の生命な のである, 芸術の制作はあらかじめ意識することの出来ない規準を自己の内部に探求 しながらそれ 9「 一43.

(9) . 赤. 石. 正. 吉. に基ずい て作品を形成することであり, その規準を, 生命感動 と呼ぶ. 人間は個々の個人として生 きながらもしかもひとしく人間として生きるものであるから, 最も個性的たる芸術作品は同時に普 遍的でもあり得る. 即ちどの作品も同じである ことにおいて普遍的なのではなく, どの作品もそれ ぞれ 異 つ た しか も ひ と しく 人 間 と し て 生 き て い る と 云う こ との 自 覚 に 訴 え られ て作 ら れ る と 云う 理. 由において普遍的なの である, 以上の如き規準を潜めているものである故に芸術教育はあくま でも 可能であり人間形成の上に重大な意義をおびるものでる. 書も叉視 覚的造型芸術である.. 純粋に親 覚的造型的に自己を表現しようとする限りに おいて子供の芸術も大人の芸術も形成的に は同 じだと云える. 大人の芸術がいわゆる日常性 (知的行為的な人間の日常生活に とってさけられ ない一切の拘束や分裂) を超えた芸術性と解されるのに対 して, 子供のそれは日常性以前の芸術と. 云えるであろう. その位相はおのずからの異いがあるとは云え, それぞれの芸術性が確保され実現 する形成は共通である. その意味において子供の芸術もひとしく芸術であると云える. 子供は年令 がす むにつれて, 芸術性そのものの構造や条件は常に不変であるが, 子供の芸術性は次第に崩壊 し解体してゆく. 専ら概念的に知識する ことを覚え, 道徳的に行為することを知りはじめる. 自分 と他人, 過去と未来, 理想と現実な どさま ざまの事柄の区別を意識しはじめ日常的なけわしさに悩 みはじめる, それに応じて彼等の芸術活動には次第に別な心構えが必要になって来る であろう, そ して芸術教育がその指導を保証する任務を 負うのである. 第三章. 教科と しての書. 第一 節 書くことの意義 〔一〕 書く ことの内容 文字--文字の けいこ 毛筆の書写 1 書 〔二〕 文字と書の異い. 女字はそれぞれの個有の意味内容を伝達すれば足る. 文字の記号は客観的な意味内容を支持する もので文字はあくま でも記号である, 作者と公衆はその記号によって結ばれる. 書の内容である文 字は主体的な作者の感動を支持するものでなければならない. したがって書は記号 ではなく表現で. ある. 作者と公衆が作者の感動の中におい て結ばれる のが書である. 〔三〕 文字と書の関連性 文字は単なる記号にす ぎないが書かれる時には一定の形をもって書かれる. この形は約束によっ て書かれるの であるが, 約束は形の 骨格たるにす ぎず形そのもの ではでない. 精密に形を決定する ものは約束そのものではなく, 約束に従って書 こうとする人の自由な造 型意志である. 支えられた 骨格に どのような肉ずけをして, 一個の字形にするかは書く人の自由にゆだねられている分野であ る. そこに視覚的芸術としての書の芽ばえる契機が伏在するの である. 〔四〕 硬筆の書写 1 )・ 文字を覚える. 文字を見せる, 文字を書かせる, 次に見て書かせる, 筆順の指導をする. ( 知る段階においては, 知的学習が主であるから書く運動技能は従 であるが, 反覆練習によって確実 におぼえ, 反射的に文字が書けるようにな る. 十才前後は機械的記憶に長 じているが特に視覚より も聴覚による記憶が発達しているから読んで覚えさせ読んで書かせる. 叉文字の成立や構成を話し て興味を深めることも有効である〆 習熟するにしたがって自分の 手で文字を書く ことの中に最初か -440-.

(10) . 書. 教. 育. の 根. 拠. ら潜んでいる美的意味に気ずいて, 意識的にそれに徹しようとし始める, この 時から文字を書きな がらも書を書くと云う芸術的態度が育ちはじめる.. (2) 文章を書く. 自分の文章を書くことは, 思想をまとめ思想を深めることは云うまでもな. い。 書く動作は自分の頭でしかも感情や思想を中心とした働きの中で書く作用であるから, 模倣的 文字学習ではない. 文字を書く力は最も総合的なかたちで発揮される. 〔五〕 毛筆の書写. 1 ) 実用書。 所謂実用書と云われるものは, 早晩すたれていくものであろう. 若し書に実用性 ( を要めるならばその人 間性に及ぼす実益についてこそ要望される べきである. 2 ) 書, 書と呼ばれるものは勿論自運を意味している. 便宜上, 自運と臨書にわけて触れてみ (. る。 臨書は悪く行われると, 所謂点画主義のとりこになって一切の自由な表現力を失う恐れが充分 ある, 然しこれが正しく行われると, 時代を超え空間を超えて, 古典の作者と自己との生命感動を. 合一させることが出来このことによって, 人間性に対する理解洞察が深められ, 安らぎと飛躍を培. う源泉となる, 自選の発展を約束するものである, 目運は所謂書と呼ばれ書教育の対象として最後の行きつくところとなる. 自選は常に独創によっ. て形成されるより外ないが, 個人を超え時代を超えた普遍によって支持されるものでなければなら ない. 自選は単なる偶然的, 懇意的活動ではない. 一つの規準に潜んでいてそれによっ て, それに. 基きながら幾多のきびしし・探究が続けられる必然的な活動である. 子供の書は自運から進められる のが自然である. この場合教師は非常に周到な誘導によって, 制作の内面である主体となるものを 把握させ引出してやることが大切である. 一生県命に, とか伸びのびと, な どと言ってみても子供. に制作の主体が捉えられていなければ, 何に対して伸びのびであるのか, 一生県命であるのか, と ま どってしまう外はない. 書の指導を正しく推進して行くためには是非とも制作の主体をたしかめ 子供達を正しくその状態に導入してかからねばならないのである. 第二 節 書教育の教科目標 教科の編成とその実施に当って必要なことは, 他の教科が代行することが出来ず, しかも人間完. 成の途上に必要な教科の設定とその独自性の遂行とにある. この事は書教育についても当然求めら れる べ き と ころ であ る.. すべての教科に共通な指導要素を特定の教科のみ負担させることは, 無駄なことである. 書教育. の場合においても文字を書くことに関する実用面の問題に必要以上に拘泥したり, 精神修養的な意 義を格別に強調したりする結果, かえって書本来の生命の上に立つ教科目標の確立を困難にしてい る面をみのがせない.正しい教育の場に於いては,人間の在り方や社会の在り方につ いてもその本来 の姿が求められている. 人間が科学や道徳の奴隷として生きるのでなく, 目からが科学し道徳する 人間を作ることが, 云いかえればすべての人間が自分の生命を生きることにおいては本来全く自由. であると云うことを学ばさなければならない. ひるがえって書において云えば, 鎖国時代の閉鎖社 会において, 寺小屋式手本教育として, ゆがめられ育って来た現代書道が一日も早く純粋な本来の 面目に還りその本質を見出しそこに書教育の原理を確立する努力がなされなければならない. 正しい書教育によって子供達は文字を書きながら約束に拘束されると云う知的意識を超え 「かく. 造形することによって, 表現的に自由な生命的自己を自覚し得るような形を求める」 と云う美的意 識の立場に立つ. 云いかえれば, 一人一人が美の創造者 になるのである, 自由な表現を遂行しなが. ら, おのずからなる筆を駆使する技術を体得し, 体得された技術は他のさまざまの表現に, 時には 実用的書写と云うことにさえも十分役立っものである. けれどもそれが目標でなく, す べての芸能 料と同じように解放された彼等自身に帰えすこと. しかも人間の文化生活に不可欠な文字を書くこ - 441 -.

(11) . 赤. 石. 正. 吉. とに於いて, それを果すと云うところに, 書教育独特の使命と教科目標がある, 一一以上書の教科目標の章は, 美学者井島勉氏の 「書の美学及び書教育」 の論旨によった. けだ し氏の書に対する見解に賛意 と共 感を得たからである. -- 第三節. 書教育の体系. 子供たちの生活は衝動的とも云える位変動きわまりない. 意志的に調整したり転換させたりする ことは困難である, そ して授業が多種多様であり, 各教科がそれ ぞれの固有の原理にもとずいて色. づけされているのが現実である, しかして書教育の目標がいつわらない子供自身にかえすことであ. るから, それにふさわしい準備が必要である. 教師の怠らない事前の用意 と適切な指 導 とによって 子供を正当な沈潜の場所に導き, 指導効果をあげていくために は心理的, 科学的な配慮による体系. が必要であると思われる. こういうところから児童生徒の発達過程, 各時機における指導に対する 反応を調 べ指導の目標, 教材の系統に対する一考察を試みた. 〔一〕 児童生徒の発達過程. 書教育の系統的な指導体系を求めるに当って, 先ず最初に児童生徒の心身の発達状況を明らかに したいと考えた. 発達期の区分は便宜上, 小学校前期, 小学校後期, 中学期, 高校期, 大学期とし た,. A. 小学校前期 (年令満 6、9才). 淋巴腺, 胸腺は七才頃から飛躍的に上昇し神経系-大脳, 視覚機能等は90%以上発達している, それに引かえ身体一般の発育は成人の半ばにまで達しない.. 小学校一・二年は幼児的段階であり, 三年 は幼児から児童への過渡的様相を示す. 知覚作用はま だ客観性を欠いて自己中心的であり, 個別的断片的である. 情緒, 注意力思考力の未発達によるも ものである, 運動技能も一通りおぼえるが未だ弱少をまぬかれない. 観察における抽象力はまだ望. みうすい. 未分化で感情的, 直観的体験をうけ入れる時期 である. 三年 は過渡期的不安定な心的状 況を示す. 記憶力が目立つ, 万事行動が積極的になり注目す べき期である. B 小学校後期 (年令満10~12才) 淋巴腺, 胸腺は最高度に発達, 大脳, 視覚機能もほぼ完成に近ずく. それらに比して身体の伸び は少なく児童期 としての充実を示す. この期は身体発達の過渡期と云うべく女子 は身長の伸長が目. 立ちはじめ男子の生長を凌駕する. 知覚作用は漸次客観化に向い, 運動遊戯に熱中する よ う に な る. 観察力は四, 五年から目立って発達する. 機械的記憶は十才頃最ものびる. 運動機能の充実化 と共に美的感覚の一成熟をみる。 直観像は10~14才を最高 度の発達期 とし以後は急激に衰退する. C 中学期 (年令満1 2~1 5才). 1 大脳, 視覚機能は殆 ど完成し身体一般の発育が十二才以後に著しい. 女子の身長は1 ,12才,体重. は12, 13才の 時 男 子 を 追 い こす に 至 る.男子 の 身長 は14 , 15才 に おい て,体重 は15, 16才に 著 しく 増. 大する, 中学の後期は身長発達の最高発達期に当り, 注目されるのは性的諸器能の芽ばえである. 知覚体制は相対反応から絶対反応へと移行をはじめ, この期に客観的知覚の成熟をみる. ・ 自己中 心, 個別的であった知覚作用は客観性をおび, 総合的になってく る. 叉客観的思考から, 更に高 次 な普遍的思考えの移行期である. 十三才より牽引力, 十四才より押力が著しく発達し十六才まで継 続する. 中学の初期は如何にも無邪気であるがその後一変して大人らしき心情に変ってく る. 記憶 は聴覚的なものから視覚的なものに変ってくる. D 高校期 (年令満1 5~18才). 淋巴腺は下降して概ね成人に近ずく. 神経系の完成, 並びに身体一般, 性的諸器能も略完成の域 に達す. 男性, 女性の身体的精神的特質は明瞭 にな る. 十六才以後運動能力は完成し16 ,17才が知 -442-.

(12) . 書. 教. 育. の 根 拠. 能発達の頂点をなす. 客観 的思考期から普遍的思考期と云われ る域に入り かつて想 像的であった , 思考は現実的となる. この期に記憶型の転換が起る 聴覚的記憶から視覚的記憶へ そして十七才 . , 以後は論理的記憶に発展する. 自我意識が発達し分化された思考 抽象的認識を持つに至り精級な , 技術や的確な 行動がとれるようになる, E. 大学期 (年令満1 8~2 2才). 身体諸器官の完成, したがって青年期といえども身体的活動は成人と変るところがない む しろ . 行動の積極性は極めて目ざま しい 社会的訓練や自己の内面的統制に未熟なため 心的に安定を欠 . , くことがある. いわゆる青年期の不器用性があげられ る 感覚面では18~2 0才にかけて表 現主義 的 . 傾向がみえ, 2 0~24才頃までは写 実的傾向があると云う. ともあれ美意識の完成期である 思考の . 発達も高校期の現実的思考から更に飛躍した想像的思考が期待できるのである . 〔二〕 児童生徒の書写反応 1 ) 硬 ( 筆 A 小学校前期 (1 ,2 , 3年) 「字形」. 児童独特の形が書かれる。 知的客観 的な批判に乏しく主観的部分観察の時期である . 書きはじめが大 きく, 局芳ある字は広く枠をひろげ る. 未完成な点が多い , 「速度」 おそい方である. 精密な手指感覚 に乏Lい, この期の終りやや速くな る . 「興味」 新出文字に対する学習の興味とか, 次第にととのった形がかけるようになる喜びや賞 賛や励ま しによって書写の興味が高まってくる. 「能力」 字形, 線の組合せの正確度, 速さなど技術的に まだ不安定である , . B 小学校後期 (4 5 6 年 ) , ,. 「字形」. 次第に客観化されて整斉な形, 文字の正確さを掴むようになる 知的技術的能力のあ . らわれとみることがで きる. 非常に小さい形に書く者も出る. 一般 に好む字形は方に近い四角形 , 横画は水平に近いもの. 形の把握の一完成期にある . 「速度」 前期 をうけてやや速くなる 六年は進歩いちぢるしい 児童の能力 性格 習慣によ . . , , って個人の差が多く なる. 正確度と速さの訓練を要す る期, 尚この期までの筆順習慣は青年期まで 固執され る. 「興味」. 文字を覚えたと云う自信と関連 してきれいに書けるようになった喜び 興味なども増 ,. して き, 書 く こ と に 非 常 な 関 心 を 示 してく る.. 「能力」. 字形は丹念, 正確にかけるようになる. 速さも増 してくる. 学習する漢字が多いため 誤字が多いことが目だっ. C 中学期 (満12~1 5才) 「字形」. 少し小形におちつく。 初期は速がきを要求されるなど環 境が変る理由から乱れがちで あるが漸次自己の型が作られていく. 「速度」. 児童期から見れば明かに速度が加わ り種々の事態に応じた速さで書く 叉速度が‐ 一方 . に傾く者も少くないようである. 「興 味」. 「能力」 D. 特 別 な興 味 はな い よ う であ る し, 興 味 を も つ者 は 限 ら れ て い る と み る .. 字形, 正確度, 速度の面から大体完成期に入る.. 高 校 期 (満15~18才). 「字形」 方形, 右上 り, 右下り, の四角形 丸形 な ど個々の形が特徴づけられて それぞれの , , 型の完成をみる. 特殊にペン習字をする者の外 は このまま成人まで継承される , . 「速度」 前期よりも更に速度は速くなり 常に遅筆の者が減ずる , . -443-.

(13) . 赤. 「興味」. 石. 正. 吉. 興味をもつ者は少いが, 書く ことに対する関心が大きいと云わねばな らぬ. ペン字練. 習な どの修練が興味の獲得となることが多い. 「能力」 書写能力は大い に伸長する. 技術 的に完成期 である. 一部に不器用の未克服からくる 劣等感をい だく向きがある,. 大 学 期 (満18~22才). E. 「字形」. 字形は概ね固定する. 略体, 草体崩 しな ど書体の一部は変化し能率 化されていく, 個人差もあるが速さが非常に増大してくる. 学生生活は書写の機会が多い のでそれなりの関心がもたれる. 器用, 不器用は中心的. -「速度」 「興味」 な関心事 でない様である. 2 ) (. 毛. .. 筆. 児童生徒作品の調査によるまとめ. 調査作品. 4枚 7 旭川市大成小学校, 比布村蘭留小学 校, 墨遊誌応募作, 筆者指導作 4 2 8 4 枚 中学校, 旭川市明 星中学校, 滝川市江陵中学校, 藤学園旭川中学校, 高等学校 旭川市西高等学校, 旭川市北高等学校, 藤学園旭川高校, 龍谷学園旭川高校, 303枚 1枚の半紙作品を 小学4年から高校3年まで各学年約百枚, 小学 三年以下はまとめて約百枚計106 諸項目を設けて, その学年の傾向性, その指導に対する反応の姿, 指導と直接影響をもたない児童 生徒の能力それらを出来るだけ客観的な数字によって示そうとした. 分類の判定は筆者の 主観によ 小学校. るものであるし調査作品はそれぞれ指導傾向を異にしたものを配合したがこの程度の調査では勿論 万全を期したものと言う ことが出来ない, 更に中の広い調査を繰返さなければならないところであ . る, (A) 学. 小 学 1, 2, 3 年. 調 概調 査 部 分形和 的的的. . 数 方. 年. ー2 2 1躍 8. 知 情 意 図の運. 長普短 太普細 速普選 美. 6 9 7. し、. し、 し、. し、. 線通 線 線通線 い 通 い. 臓. 1躍 7 即 52. 7ド2 0 14 41 阻 畷i遡7, 91 鞘 2 315. 勺目 勺 目 勺目. 的 統. ド99 1 団 贈7. 作 13. 傾傾傾 向 向 向. 遠. 求. 形. 動. . 性. 性. 性. 性. 7 13. 6. 7 10 5 14 12 22 13 37. 8 21 19. 4 1鯛 一 坦41 胸4 431 醐 臓014. 作品の状況 11 11 ) 指導の要点は筆“水 . 用筆, 形につい 1年, 筆者の指導による作品 ( ) と墨遊誌掲載作 ( て. 結果としては着実な作風が多いが子供らしさに乏しいう らみがある. 22 ) 後者 には優秀作が多い. 前 者 は筆 2 5 2年, 筆者の指導 による作品 ( ) と墨遊誌掲載作品 ( 圧, 筆跡に対する指導の 影響が子供には圧力となっていて豊かさが乏しい. 2 3 2 7 ) 内容形式ともほぼ完成が多い. 線質の豊かな 3年, 墨遊誌の書初優秀作 ( ) と半紙作品 ( 作が多い・ 〔形〕 項目中, 「部分的掴方」 というのは形の整いがわるいもの, 「概形的掴方」 は大よそま と ま っ て い る も の, 「調和的掴方」 は扇労及上下の関係な ど概形的にも構成的にもまとまっている -444-.

(14) . 書. 教. 育. の 根. 拠. ものを指す. 概形的まとまりが最も多く形の完成者も相当数をしめる 学年の進むにつれて形がよ , くなっているのは視覚と筋肉活動の表れとみる. 選ばれた特定の 児童であるから一般学級の場合は もっと整わない数が多いと考えられる. 一年 は形がよい反面子供らしさが乏しい事実を知る . 〔用筆〕 「無 意 識 的点 画」 と は点 画 を と と の え て い な い も の, 「点 画」 と はよく と と の え て い るも の, 「妙」 と は 点 画 がと と の っ て い る だ け でな く 生 々と して 妙 味 を 発 揮 して い るも の を指 す . 各学 年 と も 妙 な るも の が 多 い こ と は指 導 に対 す る 反 応 が 著 しい こ と を 示 す 3 年 の18 16 25は . , , , の ぞま しい 数 と 見 る こ と が で き る.. 〔長さ〕 幼少の頃にひく 線は一般に短かく断片的であるが, 長い線をひいているものが多い , 2年が最も長い線が引けている数字であるがこれは指導に対する表面的な現象と云うべきである 。 〔太さ〕 線の太さは技法と迫力を要するものである. 学年の進むにつれて豊かになっている 。 〔速さ〕 運筆が活ばつになると学年と共に速さも進んでく ると考える 但し表中では学年 的な . 差がみられない. しかし運筆の美的統一は学年的に発達している, 〔想〕 1, 2, 3 年は極めて 「想」 の ゆたかな時代とされており したがって比率の上で一年が ,. 高い数字を示していないことは環境や指導上考えなければならないものがある 線感情の部でも ,. 同 じよ う な こ と が 伺 え る,. 〔感情〕 略す,. 〔傾 向〕 イ, 「図 形 性」 と は形 の 把 握 が しっ か り し て い る も の , 「運 動 性」 と は筆 の動 きを よ. く掴んでいるもの. この二つの傾向は・本来明かにその傾向が強 いもの・指導の方向が一方に強く. はたらいた場合出るもの・学習が遅々としている場合 (図形性の傾向) などによって表れ方 は複雑. である, 全体的に図形性が高い数字をもっている. ロ,「遠心性」 と 「求心性」 とは線性として線内 部に同時的に含むもので他の一方を土台として他の一方が支えられて いると考えられる その何れ 。 にも感じられ ない線は線追求の不足をおもわせる. 遠心性は開放感, 伸長力, 明かるさ 若さを含 , み, どちらかと云えば青少年に多い要素 傾向であり, 求心性は逆に充実感, 凝集力, 暗さ老成とい った傾向を指 した, 低学年でも目立って求心性の強い作をかく児童が間々見あたる 2 年の求心性 . は指導者の影響も考えられる. (B). 小 学4 , 5, 6年 用. 学. 部概調. 年. 筆. . 意 分形和 識 勺 的画 白 勺白 勺白. 4ドド. 長. さ. 太. さ. 長普短 太普細化 し、. し、. 線通線. 線通 線孝. 向. 傾. 知情意不 髭. い 通 い 一. イ. 明 図運 不 遠求不 的 的 的 瞭. 形 動 明. 的的瞭. 心 心 明. 性性瞭. 膿蛸E獅 一 伽 臨7 ド 蜘2 2 1鰯欄 2 1臨跳 -. 26 59 23 37 45 26r 40 57 11 13 51 11 33. 憎. ド 紙ー伽山 6 8 細 籾2. 6 48 42 12 12 77 11 8 77 16 15 46 21 41. 泌 醗ー継 眺1焔35 ー掘 鰯9 [ 鰯 組8. 崩. 作品の状況 4 6 4 7 ) 自由表現を尊重した四字作品 ( 四年, 点画指導をした二字作品 ( ) の二学級は同一学校, 30 もう一校創作指導による四字作品 ( ) 総括して点画, 形, 運筆, 想の指導に対する児童の反応力 を知 る こ とが で きる,. - 445 -.

(15) . 赤. 石. 正. 吉. 4 2 34 7 7 五年, 「夕やけ空」 の四字 ( の六字 ( )創 ) 「ゆうやけぞら」′ ) 七夕祭その他自由作品 ( 34 作意図のつよい自由作 ( ) 前者は点画用筆に傾き後者は想, 運筆を強調している作品. 26 3 9 5 0) 用筆を中心とした豊 )( 六年, 行書用筆による四字作品二組 ( ) 一字及二字による創作 (. かな指導, 四年から種重ねた力を発揮した好ましい作品が多い. 〔形〕 四年は習字学習の初期であるためか形の把握も幼稚なものが多い. 五年になると部分に. とらわれていたものが著しく減少する, 六年になると調和を得た形体が著しく増してく る. 〔用筆〕 「無意識的」 な点画が四年に多いのは, 初期の学年として無 理からぬところがある.. 点画技術は学習の段階を高めて順次指導すれば, 無意識的点画は減少して用筆の妙に到達すること も容易である, 五六年の推移はそれを物語っている. 五年では若干断片的用筆にとらわれている.. 〔長さ〕 「長」 「短」 の統合よろしきを得ているものは長い方に入れてある. 六年の高い数字 から, 伸び伸びと書いていること, 形の調和もよろしきを得た 溌 刺たる作品であ ることが推定で き る.. 〔太さ〕 四年生の 「太さ」 に対す る順応が活溌であることは速度 (遅) と照合してもよくわか る. 五年が中位の太さが圧倒的に多いが筆の鍛錬に乏しいことが指 摘される. 五 年 の太さの変化 33 ( ) は呼吸の弱いものであ るのに対して六年の ( 39 ) は勇健な運筆の中に太細の自在な幅を作っ ている健康な児童の姿が躍如としている. 五年と六年との 差は, 指導内容の差によるものがみとめ ら れ る,. 〔速さ〕 前述したが五年では運筆的な総合 指 導が不足なため速い線が ( 42 6 ) 遅い線が ( )と 表われている, 六字書きの関係もある. この指導の 中にも生命の躍如たる数名の作を発見すること ができた. 六年の速さの数が目だたないが用筆の妙なるものが ( 44 ) ということから運筆の自然性 を 体得 して い る こ と を 証 明 して い る.. 〔感情〕. 「知情意」 の線感情の分類は具体的に判然としない作品が多い. 知的感覚のすぐれて. いるもの, 知的要素を主とした学習を 「知的」 要素とした, 四年では後者の面がつよく上学年で, 純粋に知的感覚 が表われる傾向を見る, 「情的」 傾向をもつものは多いが純粋な感情表出には至っ ていない. 「意的」 な面は所謂情意のつよい表現から伺えるもの. 六年は, さすがに意的傾向が多. く表れて きている, 四・五年はその過度期とみられる. 〔傾向〕 イ, 「図形性」 と 「連動性」 、四五年では何れとも明瞭にし得ない数がかなりある. 作 書に於ける力の弱いものはその中に含まれる傾向がある. ロ, 「遠心性」 と 「求心性」 ,明瞭を欠く ものが各学年に認められるが五年は特に求心的傾向が少い, 書く意欲が問題となってくるようであ る. 六年では二つの傾向が相当明かに表れている. 学習が積極的であ るときは学習効果が目立ち, 表現意欲が倍加されるのである. 形式的にも内容的にも書く力が出来ている . (C) 中学校1・2・3年 概 調 形 和 的 的. 無点 意 識的 妙 画. 停部 分の. 妙. 仲. 速 普 遅. 変る. い化 の 幅 線 通 線1 あ い. 乏 や ゆ. 知 情 不. た あ い り か. 意 明. し. 傾. 向. イ. ‐. 周 閣議蓬 藤. 的 的 瞭. 0 57 23 32 48 20 , 1馴 1筋鰯 2朋欄 瀞醐 跳 綿 崩 臨 醐 獅. 83 10 7. 姓 組7. 81脳 馴1蹴 蜘i鄭 鰍1瀞 醐-- 鴻 5 2J 9 2コ 瀦, 41 槻6 31 継3 4 318 61 嚇 2 3f 難 棚 1 鰍 肌 1 腸 畑 f3 31 醐 4 01 鰍。 31 鰍8 21 郷5 6- 一44. 9.

(16) . 書. 教. 育. の 根. 拠. 作品の状況 一年, 楢書の初期的指導 「上下左右」 ( 5 1 ) と楢書四字作品 ( 34 15 ) 二字作品 ( ) は用筆 と書想 の指導, 線質は豊かで点画も丹念に学んでいる 小学校の順調な学習効果を思われるものが少なく , 中学に於いて 低い出発点に立っている状況であ る. 二 年 二字 「浮雲」 の創作指導 (5 0 ) と四字書 , 4 8 きの自由表現作品 ( ) 書想, 字形の調和的指導, 同一校の作で傾向が同じである 三年 行書用 , . 筆による 「芸術創作」( 52 ) 臨書作品, 「伊都内親王 願女」 ( 17 ) と 「雁塔聖教序」 (17 ) は 用 筆, 運筆の指導をなす. 特に運筆気胸 (を強調する. 女生徒の作である. 〔形〕 形の把握については小学六年から引つづ き整理されて中学一・二 年で大よそ完成する 。 想のゆたかな二年の作 品ではあ るが形体もこな して いる . 〔用筆〕 いわゆる 「点画」 的用筆の指導は一年に最も効果をあげるようであ る 二 年は更に精 . 密の度を加えて形, 運筆の総合的技術の習得により生々とした用筆の妙を掴むに至る 三年の数 字 . は前学年までの系統的学 習が不足していること. 教材が高度に過 ぎて細部には難解な面が伺える . 〔速さと圧〕 二年 は速度と圧度の変化について高い数字を示している 作品は線が非常にのび . ており, 運筆の妙を発揮している. この様に発展する陰には一年における学習が地道な用筆研究を 行ったことを物語っている. 〔想〕 二・三年で 「想」 が, ゆたかになってい るのは一年の有意的学習が大いに力となってい る. この様に して書く技能は単なる技術でなく人 間の発達をうながす原動力を担っていることがは っ きり してく る.. 〔感情〕 -・三年では比較的 「知的」 学習の要素が多く扱われ二年は創意をこめた製作指導で. あることを示してる. 三年の段階に入れば, 次第に古典に内在する純粋感情が表われ はじめる こ . れは生徒の知能 的理解力の一完成を示すものであろう , 〔傾向〕 イ, 他の学年と同様 「図形性」 の傾向が高い 学年が進むにつれて若干 「運動性」 が . 増 して い る こ とを知 る.こ れ は 技 能 練 磨 の効 果 か,個 性 の 開 拓 によ るも の でも あ ろ う ロ 「遠 心 性」 . ,. と 「求心性」 の比は必ずしも 「図形性」 , 「運動性」 と符合するものではない. 数字の比はそれなり に断定はゆるされない. (D) 高校 1・2・3年. 傾. 部概調 分形和. 晶. 妙. 白 勺目 勺白 勺 的画. . 向. 停部 分 の. 滞伸. 6 1 総2. 27 48 27. ー獅,8. 2 5 1一 鯛4 1膿 郷1鯛 糊 ド ー 4 7 1 籾6 4 ー郷46 1激 伽 蜘, 2. 3ドー 欄3 3 1醗. 脇 一. 醐3 4ー2 51鵬 一 鰍67 』3,1鑓 跳. 作品の状況 一年, 臨書作品 「薦季直表 「六字( 5 4 ) は線質と配字の追求をなす. 「雁塔聖教序」 四字( 33 )形, 線質を扱い 「鄭女公碑」 四字 (1 5 ) は用筆指導が中心となっている 二年, 「臨書作品」 大聖武の . 4 4 四字書は く ) 造像用筆の応用的作制行書晋詞銘の四字書 ( 39 ) は指導者の臨書参考に 依 っ た も -447「.

(17) . 赤. 石. 正. 吉. 18 ) は写実 的表現を意図しながら運筆 による個性的把握も強 調 している, 三 の, 蘭亭叙の四字書 ( 51 ) は想 と運筆の指導 4 9 ) は形, 用筆の指導, 行書温泉銘四字書 ( 年, 臨書作品, 高貞碑六字書 ( に努 め た も の. 三 年 は 素 質白鋤こ少 しく 低 調 の よ う であ る.. -. て 〔形〕 形について は一見して見劣りするものは殆 どない. 各種古典の結構要領に従っ 吟味す を土台に 解した形体構成 く 中学で理 れば局芳関係, 空間の処理が等閑に附されているのが目につ . して更に高校は応用的解釈によって 的確な形のとらえ方に進みたい. 力 しているもの 〔用筆〕 古典教材の種 類によって未習熟のものが出てくる, 三年では点画に努 れる. 二年の数 が多く未 だその妙を発押した者が少い, この場合学習過程が順調でない点が指摘さ に執心する 2 1 ) は好ま しい姿 である. 用筆の 「無意識的」 なものが目立つが 「点画」 字( , 32 , 48 例であるこれは運筆指導 ものは減じ一飛躍して点画の妙が増していることは短期間に効果をあげた と関連 した用筆指導の結果である. 一般的なものであって二年の示 〔運筆〕 前項の用筆と関連して理解される. 一年の示す数字は 三年は点画は低抗を感じている生徒 す数字は運筆指導に対する生徒の能力を端的に発揮して いる. ている. には運筆指導にもかかわらず妙を得ている者は少いニ もっと伸びる余地を残 し 化が 〔速度〕 -年の雁塔聖教序, 二年の大聖武, 蘭亭叙, 三年の温泉銘な どは速度がはやく変 くない 運筆 . のぞまれるものである. 二年が順調な数字を示しているのに対して三年は速の数が高 が技術 べ い きではな 非難さる のであるらかあながち の項での べた理由と同じ. 内的に充実している に無理がある. て 〔圧の中〕 三年の 「筆圧の中」 がせまいのは用筆運筆の未解決な仕事をのこし いる, 鋒の下. し方が足りないのは女生徒の保守性が間接原因と云えよう. 〔想〕 通覧してみると二年が最も想がゆたかである。 叉, 形, 用筆も二年はよい傾向を示して いる. 健全な発達と云う ことが出来る. 一・三年は粕おちる, 〔感情〕 三年の線感情が 「知的」 傾向を強く示Lているのが生徒が知的 にすぐれている故 では なく, 学習内容は知的方向 にむけられた結果と見る。 小学校のばく然とした未分化性から純化され て い る こ と は明 瞭 であ る,. 〔傾向〕 イ, 一年に比べて二・三年の 「運 動性」 が増 している ことを認める. ロ, 小学校から 高校ま で 「遠心性」 と 「図形性」 が常に高い数字を示してきている. 数字の低いのが求心性と運動 性である. 運動性については指導の余地があるようである. 作 品調 査 に 対 す る要 約. .. 細部の問題は省略して一般的な問題として看取されたことを以下に述 べ る. 1 ) 小学校む土情意的指導, 中高校では加えて知的指導が効果をあげること. ( どの期に 2 ) 「形の扱い」 「運筆の扱い」 「感じ方の扱い」 ( ,の三要素は理解の程度こそ異るが も万遍なき指導が必要であること. 3 ) 他律的な指導をなすと形式的 には順応するが内容が萎縮すること, 叉次期の順調な発達を ( 妨 げ る こ と.. 4 ) 児童生徒は指導に対して非常に敏感に影響され, 反応を示す こと. ( 5 ) 児童生徒は非常にたくま しく成長するものであり, その 時を得れば伝授式なものは不要 で ( あり彼等自身の批判力と消化力で身につけていくものであること. 6 ) 児童心身の発達即ち学習能力から考えて小学三年から指導す ることがより効果をあげ得る ( と 考 え る こ と。. 〔三〕 書教科指導の目標 -448-.

(18) . 書. 教 育. の 根. 拠. 次に小学校より高校まで段階別による教科指導の目標と, 留意点を記す. 小学校--国語科で取扱われる女字教育を発展させて自ずから芽ばえてくる美意識を捉え的『 確に 書く意欲と興味に結びつけて書え発展する事を目ざす, 想との結びつきをさまたげる文字低抗をと りのぞくための修錬を重さえ る. g) 低学年. 1 , 形の見方, 表 , 興味と結びつけて筋肉活動を無理なく刺戟し調整をはかる, 2. 現の方法を理解に応じて広げてゆく, 3 , 幼児から児童期までの特性にかんがみて, 指, 手, 腕を 動かす喜びから心の働きをよび起して行く, 回 高学年 低学年の学習に加えて, 内的な想の誘 導, 想えの自覚から, それを満足させるために, 形体構成, 運筆を学ぼうとする積極性を養う. 中学校--一小学校の学習を推進発展させ,個人の個人性への自覚をうながし,すすんで書の理解. 者, 制作者たらうとする心と, それに必要な技術面の開拓をはかる. 1 , 外面的な能力, 体裁にこ だわる時期であるので心して個人の想えの沈潜を計り,表現の主体となるものの把握に努めさせる.. 2 , 鑑賞指導を重んじたい. 反抗期と云われながらも, 他方には多分に雷同的なものを持ち, とく に 知的学習能力に秀でているもの. 言動 に左右されやすい. したがって小学生のように無邪気に個々 の鑑賞に没入し徹すると云うことが少くなって来る. 無言の中に鑑賞にひたらせたい. 3, 美の 理. 解者たらんとす る積極性を望みたい.感受性に富む吸収力のある柔軟な心情が,知的覚習偏重にわざ わ い さ れ て, 自 ら と ざ して しま お う と してい る 者 が 非常 に多く, 細 心 の 注 意 と 愛 情 で 扉 を 開か せ る. 努力が必要である. 4 , 科学的技術面の研究も加え, 内容にふさわしい表現形式をとらえる満足感 をあたえたい, 特に技術に対する劣等感の芽ばえやすい時期である故, 評価の面にも心がくばられ. なければならない. 高校-- 青年期の心身の発達による, 知的, 科学的な能力に創造力と美意識, 鑑賞眼な どの力の 養成を, 書の芸術的本性を探求する ことによって増進させ, すぐれた人間形成に資したいとする意 欲を持たせ, 技術の面でも理解,吸収の段階から,縦横に駆使出来るものを身につけさせたい. 1,. 鑑賞を深める. 古典の全き鑑 賞眼が開かれる時期である, 正しい臨書, 数多くの名蹟, 肉筆にふれ させ鑑賞力の拡大と純化を図りたい. 2 , 教師の指導によ , 研究に計画性, 創造性をもたせる. 3. って広い視野に常に立ち帰らせる事も同時に必要である, この時期にな ると個人的な好みと云うも. のが用具の上でも技術その他-さいの上にも強くなって来て, ややもするとそれに 熱 中するあま り, 偏した学習におち入り, それを自分なりに個性的であると早計するようなことも多い. おしつ けを廃しながら, 常に視野を広げてやる努力が必要である. 〔四〕 教材の配当. 教材の配当の問題は, 硬筆毛筆を通じて一般的に示された規準を如何に現場の児童生徒に学を せ るかの問題について……各地域によって環境の差, 児童生徒の発達の差, 指導者の個人差等によっ ておのずとふさわしい方法と教材配当が決定される べ きものである. この様な観点から一般性をも. った細案を得ると云うことはむずかしい. 故にここでは細案をさけて一般 的に通じる配 当上の心組 みを 述 べ る こ と にす る.. 毛筆の部で小学校に古典を配当したのは, 小学校で古典をやらなければならぬと云う 意 味では ない. 理解力に応じて, 上手に取扱えば有効であると云う程の意味である. 1 ) 硬筆留意点の二・三を述べることとする. かな, 漢字の学習範囲並びに学習の目標は文部 (. 省で大体規定しているところである. 例えば文字の大きさについて小学校 各学年の標準が示されて きたところであるが, 示した大きさを数字的に固守するもの ではなく, むしろ大き目に書かせる --一指の筋肉活動をよく訓練する--ことが学習上効果あることである. 五・六年の児童が使用す. るノートの卦が意外に狭いために適切な文字訓練が出来ない事実をみる. 正Lく書くと云うことに - 449 -.

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