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単分子膜に依る表面積測定(第一報) : 一般法

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Academic year: 2021

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(1)Title. 単分子膜に依る表面積測定(第一報) : 一般法. Author(s). 武田, 文司. Citation. 北海道學藝大學紀要. 第二部, 7(2): 32-35. Issue Date. 1956-12. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5503. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第7 巻 第 2 号. 昭和31年12月. 北海道学芸大学紀要 (第二部). 軍分子膜に依る表面積測定 第. 一. 一 武. 報. 般 田. 美. 法 女. 司. 北海道学芸大学函館分校物理学教室. i T△K回DA : Measurement of Surface Area by Monomol Bunj ecul ar Layers. 1 1 ethod . GeneraI N ,. 序 戦後, 表面問題を主とする界面現 象及び粉体の物理的研究が工業方面より要望されるに至りた。 表面現象として, 物体の表面積が主要な役割を 有する事は言うまでもない。. 固体の表面積測定法は種々あるが, 不規則型物体に関しては粉体を含めて, 測定は極めて困難で ある。 従来用いられている方法と して, 触媒方面の多孔質物体並びに粉体に関するガス吸着による ) が ある。 然 し E 所謂 B,E,T. 法1 . .T. 法をより広範囲の物体に適用させるには多く の困難があ , B る。. )によって容易に固体面 へ 筆者は, 清浄な水面に作られた脂肪酸単分子膜が, 鱗‘“”ゆ 方Z加 法2 移行する事に着目し, 単分子膜に依る表面積測定を試みた。 ここにその一般測定法を第一報として報告する。 測. 定. 法. i ) の清浄な水面に, 脂肪酸 (S i t 一般単分子膜作製と同様に準備された容器3 c t r ea c acid, Palmi 鰐. :もも 、 も ・ 、. 、. .. R →′ ・ /. P一ね. A. ず. . 、 、 、 、. -. ‘ ′. ノ. . . Fig .I ※ 昭 和二十九年度日本物理学会年会 (大阪大学) で発表せるものを補訂 したものである 。 ,. 州 32 一.

(3) . 武. 女. 田. 司. id 等) の Ben i ene溶液を滴 下 し, A面を拡張させる。 (F z ac ) 脂肪酸単分子は, pa ra缶n g .1. 塗布. を行った境界糸 P に よっ て B 面へは流出せず, 脂肪酸単分子の surface pressure に よ り P は Q l( l i l i ( ) eci acid, Castor o ‘ s秀 卿z で あ る か ら, piston o へ移動する。 A 面の単分子膜は, gαseoz , Tri ・ate cresyl phospl. 等) を B 面 に 滴 下 し, oil の surface pressure に よっ て 境 界 糸 を Q よ り. R. へ押出し A 面を圧縮し, 単分子膜を cD7 zd吻se小方 卿z とす る。 脂 肪 酸 単分 子 が 充 分 cl osepacking された状態に於いて, 測定物体を A 面より水中へ入れる。 物体が, 疎水性であれを 下降時より脂肪. 酸膜が移行附着し, 親水性であれば下降後水中より引上げる場合に初めて附着を起す。 l の surface pressure i 脂肪酸膜の固体面移行により, 膜面 の 単分 子 は 減 少 し, pi stono. に よ り,. A 面面積は減少, B 面面積は増加する。 この面積変化量が, 測定物体の表面積に比例する。. 膜面変化量. s:. s = ”S. 〃 : 比 例常 数. S: 測定物体の実表面積 ” は, 一定条件のもとで物体によって一定の常数であり, 附着率と名付ける。 ” は, 測定物体と 同一組成の既知表面積のものによって本法よ り得られ,. 膜面変 量 ”-- 襲嚢 滋 で与えられる。. i i l面面積を P1animeter で測定し, 膜の移行 t 膜面変化量は, 写真撮影法で陽画を作り, p s ono 前と後の面積差より求める。 該方法によって s が得られ, ” が一定条件下で一定値を有するものについて, 前式より表面積S を求める事が出来る。. 実. 験. 結. 果. 筆者の測定による次の6種を測定例としてあげる。 測 定 条件. 水. 質. 水. 温. ・PH 7 15OC. 脂 肪 酸. Pa lmi i t c acid. I ston oi pi. Castor o i l(sur face pressure 15メタ7 ) 28 c“rl. ;1測定誤差% 測 定 物体 平板 硝子 平板 硝子 硝 子 球 硝 子 球 銅 板 ニッケル板. 備. 35. 考. 清浄平板硝子. 42. Po l t ene 被膜処理 ys yr 清浄硝子球 直径20 z ’ “ ’ z Po l t 0“ ene被膜処理, 直径1~1 2 ’ z z水面上l c ’ zより自由落下 ’ ys yr Po l t ene 被膜処理 ys yr Po l t ene 被膜処理を行はず ys yr. 45 72 42 37. 平 板 の 種 類 子. 硝. 銅 鋼 ニ. ツ. ケ. ノレ. Pol t ys yrene 被 膜. ” ト 0 1 000 一 005 . . ト 0 1 000 ÷ 010 ・ . ト 0 1 000 ÷ 010 . .. ト 0 1 000 ÷ 008 . . ÷ 0 0 950 一 012 . .. 本測定法に於いて, ” を一定に保持するよう注意する事が重要 であり, 同一物体 でも 〆 の値は - 33 -.

(4) . 単分子腹に依る表面積測定 b) ) a , 物体の上下移動速度 . 面の清浄度 d) ) c . 脂肪酸膜の安定度 . 使用水の水温及び水素イ オン濃度, 金属イオ ンの有無 に よ り変 動 す る。. i ) . 面の清浄に関しては, 硝子は重クロム酸混液を用いて充 分に洗線出来るが, 酸化しやすい金 属亦は附着率の極めて不良な物体及び吸水性の物体, 多成分系物体の場合, 測定例に示す如く Polys tyrene ‐Benzene 溶 液 (5~10瑠Z) に 依 っ て被 膜 処理 を 施す と よ い。 Polystyrene 被 膜 処. 理したものは完全疎方で性物体として販扱う事が出来, る事が出来る。. Polystyrene. 被膜の附着率 β を使用す. i i ) . 物体の上下移動速度は, 物体の形態を考慮せねばならぬ が, 筆者の実験結果では一般に1 7”’ “/ sec . が 適 当 で あ る。 速 度 が大 き く な る と ” は減 少 し, “ が変動を起しやすくなる。 例え tyrene 被 膜 を 施 し水面 上 lc ば 測 定 例 に 示 す 如 く, 硝 子 球 に Polys タ フ z の高さより自由落下させ. l e packing さ れ た cD7 248%sgd‐ o s 測定した場合, 誤差が大きくなる。 脂肪酸単分子膜が充分 c l の surface pressure と共に考慮され aばな らず, 1 互 助zである場合, 速度は亦 piston oi i l でよいが, 粥““sgc , 位では Castor o. i 落下法を適用する際には 0l e c acid を用いねばならな. し、o. i i lose packing された状態である事が必要であり i ) . 膜 が 安 定 で あ る た め に は, 単 分 子 が 充 分 c l i k i i の surface pressure で決定される。 脂肪酸腹 び の 度 並 t o 合 は水 close pa に pson c ng 温 lmi id で は 30oC 以 下 で あ る。 亦 i t に は co’“8 c ac 7 z sgd秀 卿z を 作 り得 る 限 界温 度 が あ り, Pa. i t s on 限界温度以下に於いては, 水温とp i l の surface pressnre と に よ り close o packing の度合は,. 異なるものと思われ. lmi i id を用い t る。 即ち, 筆 者 が Pa cac i i 1 ton o と の 関 係 に て, 水 温 と 3 種 の ps. ついて行った結果を, 測定誤差を用いて lの tonoi 示 す と Fig s .2 の 如く な り, pi. surface pressure 力;9, 15,30dy”8の”-.. 80 3o 以上で の場合, それぞれ ザ, 1 は誤差が増加し, 此等温度以上では脂肪 l os e packing 酸単分子が安定且充分な c された状態を保持し得ない事を示してい. .々. 、 ず . 30. 〆. 水 、g ) ヌ皿. 20. ℃. 1 0 0. lo. t 。. る。. 尚, 膜の安定度は金属イ オンの有無及 び pH 濃度に影 響されるが, 面積測定に 対 して は 重 要 な 影 響 は 見 ら れ な い。 面 積 変 化 量 の 測 定 に カメ ラ や プラ ニ メ ー タ. 3 5 , 試. - が 使 用 さ れ, 此 等 測 定 器 の 誤 差 が 本 測 定 法. 7 走. ( %). る(ば, 9 あれ 5 ク --一---- ー ‐‐---- 3リ ク Fig .2. を乙依 る 測 定 値 の 誤 差 を決 定 す る と 言 っ て も 過 言 で は ない。 従 っ て, カメ ラ や弓日中機 の レ ン ズ に よ る 像 の歪 みを 充 分 調 査 して お か ね ばな らな い。. プラニメーターに関 しては, 機械自体の誤差以外に, 使用印画紙面の性質及び測定者の個人誤差 - 34 一.

(5) . 武. 田. 女. 司. があり, 技術面から精度をあげる事が可能である。 接写装置が充分固定きれている場合, カメラの二重露出法を用いると 境界糸の移動領域面測定 , のみで変化量を知り得, 特に, カメラの レンズは縁の部分に歪のある場合が多く ●か)る場合測定 , 面が中心で行われる故に良い結果が得られる。 l 測定法に述べた如く, Po t ene 被膜を施すと極めて広範囲の物体に本測定法が適用されるが, ys yr 被膜処理を行う際, 次の諸点に留意すべきである。 ) a , 被膜は水中で剥離する場合があり, 可能な限り薄膜である事が望ましい。 特に, 被膜を積層 と した場合には剥離の危険性が大である4 ) 。 b) ystyrene 被 膜 中 の Benzene が充分蒸発除去された後に 測定を行わねばならぬ。 此の点 . Pol. からも薄膜である事が望ましい。 ) c 00A 以下では測定物体の性質が単 , 被膜は可能な限り薄膜である事を要するが, 膜の厚さが 2 分子隣附着に影 響すると考えられるから, 厚さは 2 0 0A 以上を必要とする。. 物体表面に単分子膜を附着させる場合, 5~6層目から測定誤差が大きくなり 附着状況に変化を , 生ずると考えられるから, 測定は4層目位迄で止めるべきである。. 測定面積の最小限界は, プラ ニメーターの精度及び境界糸の種類と製法によって決定する。 上 限 ・ は, 測定時の水 面の上- 下差が境界糸に影響を与えない程度に許され, 水槽の表面積が大きい程便利 である。. 結. 登五. 本測定法は, 単分子膜が附着可能な形態のもの, 亦 ! ‘-定の被膜処理可能な物体であれば, 物体 の組成及びその物理化学的性質の如何をとわず適用される 水面下へ沈降せざる程度の粉体及び被 。 * 膜処理困難な 粉体については, 別の方法を用いねばならない。 多孔質物体並びに微粉体に対 しては, 本法及び電子顕微鏡法よ りも B.E.T. 法 が 有用 で あ る。 本法の精度に関して, 面積変化量測定に使用する器具の誤差が極めて大きく影響し, 測定器を充. 分 吟味 し 亦版扱いに習熟する事が必要であるが, 変化量測定により精度の高い方法を用いるなら ば, より精度を高める事が可能であろう。 本研究に当り, 懇切な御教示を賜った北大井上直一教授に感謝致します。 女. 献. 1) P. H. Eme t t l l ar;J . Brunauer . Am. Chem. Soc ,S , E. Te .62 .1723 (1940) B.日.T.法 に つい て は 共 の 他. 多数 解説……管孝男 ; 化学と工業 第3巻第12号 387頁 ( 19 50 ) ・; Trans 2) Langmui 1 . Faraday Soc .15 (1920) B1 t;J odget . Am, Chem. Soc .56 (1935) Langmui A r,Schaef er;J I ・ ・ . , Chem.Soc .59 (1937). 3) 河出書房 ; 化学実験学 (第一部) 第四巻 70頁. 4 ) 筆者 ;北海道学芸大学紀要 (第二部) 第七巻第一号 58頁. * 粉体表面積に関しては 第二報に報告する , 。. - 35 岬.

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