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ドジョウの体色の遺伝について I

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Academic year: 2021

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(1)Title. ドジョウの体色の遺伝について I. Author(s). 小林, 弘. Citation. 北海道學藝大學紀要. 第二部, 6(1): 17-20. Issue Date. 1955-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/5461. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) . 第6 笹 第1号. 北 海 道 学聾大 学紀 要 (第二部). 昭和30年9月. ドジョ ウの体 色の遺伝 に 就て 1 小. 林. 弘. 北海道学塾大学旭川分校生物学教室 29年12月23日受理) (. Hi romu KOB i s 1: l \Y′ \ tance of Body Col i nher メ ouri n Loach sgurnus , ~1 i i l l angu caudatus ,1. 緒. 言. 北海道各地の河川、水田、 濯概痴 等より採集された ドジョウの中には時として緋色に体色の変化した個体を認 める事がある。 小林 ( 5 4 19 ) は、 この事実について、 札幌近郷、 生涙、 厚別、 月形、 岩見沢、 千歳、 深川、 旭川 近郷、 名寄、 北見等の北海道各地より採集きれた多数の ドジョウを観察し これらの各地方の ドジョウ中に相当 、. 数の緋色体色を持つ ドジョ ウが含まれている事を認め、 更に 緋色以外に 緋色の基礎体色上に各種の 黒色斑紋 、 、 を有した個体、並びに、 殆んど黄色々素を有さな い白色個体の存する事を報告した 更に 小林 ( ー954 ) は、 こ 。 、 の緋 ドジョウを道懲的に究明する目的で、 緋 ドジョウ間、 及び、 緋色と普通の黒色ドジョウの間で交配実験を行 い、 それらの間の一代雑種を得た。 その結果によれば、緋 ドジョウ間の組合せに於ては 総ての雑魚は緋色とな 、. り、緋色と普通の黒色ドジョウとの組合せに於ては、 いずれを雌に取っても、 一代雑種の稚魚の体色は 総て普 、 通の黒色 ドジョウと同様な体 色を現わした。 そこで、緋色は普通の黒色に対し劣性であり 緋色の体 色 を 現 わ 、 すドジョウは、緋色の形質をホモに持っているものであろうと報告した0 体色の変異した ドジョ ウに関する報告. は現在まで以上の如くで、緋色以外の変異体色を有する ドジョ ウに就ては、充分な材料を得られなかった}めに、 何等の交配実験も行われていない。 筆者は、1 9 54年5月より8月迄の間に採集された ドジョウの中より、 緋色基 礎- 体色上の1ヶ所に黒色斑点を有する ドジョウを数尾と、 白色或は白色に近い体色を持った ドジョ ウを数尾集め る事が出来た。 更に、19 54年7月、 岩見沢地方に於て採集された ドジョウの中より、 普通の黒色 ドジョウと異り. 腹面まで黒色で被われた全黒色 ドジョ ウの雄1個体を得る事が出来た。 そこで、緋色基礎体色上に黒点の1 ヶ所 存する個体、 白色、 或は白色に近い個体、 全黒色個体等を用いて普通の黒色、 或は緋 ドジョウとの間に於て交配 実験を行った。 本実験に際しては、筒、 実験に使用出来た変異体色 ドジョ ウの数が不足であった上に 実験期間 、 である7月より8月の気温が極めて不順で、 しかも、 低温であった め、 満足出来る様な結果を得る事は困難で. あった。 しかし、 これらの変異体色を持 つ ドジョウは極めて僅であり、 これらの間に於て、 完全な結論を得るま でには、相当長い期間を要するものと考えたので、 中間的報告ではあるが、 次に一顧実験の結果を報告する。 縞を進めるに先だち、 実験材料を提供下さった 才L幌の泉正春氏、 並びに 本実験に終始御協力を願った 本 、 、 4氏に対し、 こ に謹んで感謝の意を表する。 校学生の森山雪汐 4 実 験 材料 及 び 方 法. 9 54年7月 2 日より開始したもので、 各 ドジョ ウ間の交卵は 7月 4 日より8月16日迄の間に行っ 本実験は1 、 た。 この実験に用意された変異体色を呈する ドジョウは、緋・色基礎体色上に1ヶ所黒色斑点を有するもの、 雄3 、 雌5個体、全黒色のもの、 雄1個体、 白色のもの、 雄2、 雌4個体であり、 これらの内、 完全に白色と思われる ものは、 単に雌1個体のみで、 他の雄2、 雌3個体は、 極く僅ではあるが、 頭部或は背部に黄色々素を認めた。 以上の変異体色個体の殆んどは、 岩見沢、月形、 札幌近郷等の各地方に於て探集されたものである。 また、 これ. - 17 -.

(3) . 小. 弘. 林. らの ドジョウ以外に、 これらの交配相手として、 普通の黒色ドジョ ウ及び、 緋 ドジョウを数lo個体用意した。 し. かし、 これらの ドジョウの中、 実際に実験に使用出来たものは、 雄に於て、 8cm以上の体長を有し、 充分発育し た個体であり、 雌に於ては、 13 cm以上の体長を有し、 腹部の充分膨出したもの みであった めに、 完全に白. 色を呈した雌個体を始め、 用意された ドジョウの乃以上が実験に使用出来なかった。 ドジョウの交配に関しては、 川村(19 44 ) の人工交配法に従った。 たゞ、 川村はドジョウの放卵挺進に、 蛙の 脳下垂体前葉を使用しているのに対し、筆者は同様な目的で、 ドジョウの脳下垂体 を使用 した。 交配実験中の水 温は、 1 Cより24oC迄の間であり、 放卵後、 卵及び稚魚の飼育には常に学内専用の水道水を使用した。 この水. 6cm、 深さ5cmの内面白色のホウロー引き 0前後であった。 また、 稚魚の飼育には、 横30cm、 縦3 道水のPHは6 . バットを使用 し、 稚魚の発育に従って、 更に、 大形の容器に移 して飼育した。. 稚魚の体色の判別に関しては、 懸徴鏡を用いれば、 第1図に示した如く、 勝化直後の稚魚に就いても、 黒色々 素胞の有無を検査する事は出来るも. 第1図. 帰化後1日を経過した稚魚、 左、 緋色稚魚、 右、 普通黒色稚魚. のであるが、 この勝化直後の稚魚の. 体色と両親の体色とを直ちに比較す る事は不可能であり、 また、 実際に 多数の稀魚 を一々鏡検する事も困難 であった。 普通 ドジョウの糠魚は、 際化後、 3週間を経過すれば、 肉眼 でも、 その体色を明瞭に判別出来る 様になり、 日数の経過すると共に次. 第に成体の体色に近くなのである。 そこもるで本実験に於ける稚魚の体色判別は、 特殊な場合を除いて、 聯化後、 3週間 以上経過した個体につい て、 肉眼によって行った。. 実験結果及び考察. 衷 恥. No .. ー 2. 組. 合. 緋 宇x頭部黒斑緋 6. 尾部黒斑緋Qx尾部黒斑緋6 3 背部黒斑緋?x紗お 4 ラ 浮 ド?×尾部黒斑緋6 白(頭部緋斑)宇×普黒6. 1%. 7月 8 日 7月 8 日. 12尾. 8月15日. 25%. 8月 2 日. 20%. 8月 2 日. 20%. 白(頭部湖…斑)?×白(頭部緋斑)6 8月 2 日. 20%. 白(背部緋斑)字x普黒6. 8 月1 6日. 15%. 白(背部緋…斑)Qx制謎. 8月1 6日. 15%. 晋黒辛×全黒6 晋然 も辛 × 全 黒 6. 8月10日. 80%. / b. …斑)仝×湖巻 白(頭部将 1. 7 十. 0 ー. 勝化牽或は数. 交配日 7月 4 日. 体色観察f副本数 45 0 8 300 80 86 72 =8 131 1200. 穫魚体色 緋 不明 緋 緋 普黒 緋 淡緋 普黒 緋 黒 肖 . ズ、 No.lol、 頭部に比較的大形の黒色 実験の結果は、 大体表に示した如くであるが、各組 合に就て説明すれ{ r Eドジョウと、 籾…ドジョウ雌との間に於いて、7月 4 靴こ交卵を行ったものである。 こ I 斑点を1ヵ所持つ緋色のま. の組合は、故卵された卵が過熱となっていた め、 受精後発生途中で卵崩潰を起すものが続出し、 膳化 したもの E魚も、 其後7k葱 6に過 ぎず、 更に、膳化したモ I 乳の変化が甚しかった めに、多数死亡し、 は、 放卵された卵の約19 …色で、 体の 体色を観察出来るまでに成長したものは、45個体に過ぎなかった。 しかし、これらの嫌魚は総べて籾. 何処にも黒色斑点を認める事は出来なかった。 No .2は、 尾部の背側に黒色斑点を1ヵ所持った緋色の雌と、 こ の雌と殆んど同様な部分に、梢薄い黒色の斑点を1ヵ所持った緋色の雄 ドジョウとの間に、 7月 8 日に交配を行 わしめたものであるが、 放卵された卵の殆んどが未成熟卵であっ. た め、未受精卵が多く、 僅かに受精 した卵も. 3は、7月loョに、 背鰭の左下側に小 水温の激変にあい全卵死滅し、1個体の稚魚を得る事も出来なかった。 NO.. - 18 「.

(4) . ドジョウの体色の道隊に就て、1 2. 第. 図. ‘ . ト ゼご { ぐ ▼ 岬. き継)ゞ . ~* --す 壕r , . 各種 ドジョウの体 色を示すo. . . A、 普通の黒色 ドジョウ、 B、 緋 ドジョウ C 緋色基礎体色上に黒色斑点を持つ 、 、. ドジョ ウ、 D、 白 色 ドジョ ウ、 E、.全芸異色 の ドジョ ウ。. 黒色斑点を1コ所有する緋色の雌と、 緋 ドジョウ雄との間に交配を行ったものであるが、 この場合も卵質が下良 であったうえに、卵の発生中に方ぐ温の激変に遭遇した め、 ほとんどすべての卵が死亡し、 膳化したものは、 わ ずかに 12 個体に過ぎず、 さらに、 これらのうちで、 体色を肉眼で判別出来るまで成長 したものは8個体のみ であった。 しかし、 これらもすべて緋r色で、 黒色斑点を持っ個体は1尾もみ とめられなかった。 No .4は、 尾部. 背側に比較的大形の黒色コ斑点を1ヵ所持つ緋色の雄 ドジョ ウと、 緋 ドジョウぼ Eとの間に於いて、 8月15日に交配 け. を行わしめたものである。 この組合せに, 使用された卵も決 して良好なものではなかったけれども、放卵された卵 の約25%が膳化し、 300尾前後の稚魚の体色を観察する事が出来た。 これらの稚魚は、 やはり総て緋色を呈し 、. 黒色斑点を持つ個体は、1尾も認められなかった。 No .5、 No .6、 No .7は、 極く僅か頭部 に黄色々素を存する のみで、 殆んど白色に近い体色を呈した雌1 ジョウー個体より得た卵を、体色の異った3種類の雄 ドジョ ウ精子 と組合せたものである。 No .5は、 普通の黒色の雄 ドジョウを用い、 No .6は、 緋色の雄 ドジョウを用い、 No .7. は、 この組合せに用いた雌 ドジョウと殆んど同様な、白色に近い雄 ドジョ ウを用いた。 以上の交配は総べて8月 、 交配後、 各組合せの 卵は、 殆んど同様な発生経過を取り、 何れも、20%前後の酵化率を示 した。 更に、 これらの際化した稚魚の中、 体色を観察 し得るまで発育した個体は No .6に 、 .鱈こ就て80尾、 No 就て86尾、 No .7に就 て72尾であり、 普通の黒色ドジョウとの組合せにより出来た稚魚の体色は、 総 べて普通の 黒色となり、 緋ドジョ ウとの組合せにより出来た稚魚は、総べて緋色の 体色となった また 白色に近い雄 ドジ 。 、 ョウとの組合せによって出来た稚魚は、 両親よりも黄色々素を多く持ち 淡緋色を呈 した No8 No9は 背 、 。 .、 , 、 部に極く僅か黄色々素を有 するのみで、 やはり、殆んど白色に近い雌 ドジョウi個体より得た卵を 体色の異つ 、 た2尾の雄 ドジョウ精子と組合せたもので、 No .8には、 普通の黒色ドジョウ雄、 No .9には、 緋 ドジョウ雄を 使用した。 この組合せは、8月16日に行ったもので、 何れも、ー5%前後の謄化率を示 し No 8 に就ては 118個 、 . 、 体、 No 1個体の稚魚の体 色を観察する事が出来た。 この結果は、 何れも No .9に就ては、 13 .6の場合と 、 .5、 No 同様、 普通の黒・鰍雄との組合せにより生じた稚魚は、普通の黒色に、 緋色雄との組合せにより生じた稚魚は 緋 , 色に現われた。 No loは、 普通の黒色ドジョウの縦と、 全黒色ドジョウ雄との間に於て 8月10日に交配を行わ . 、 しめたものである。 この組合せに使用された卵の状態は極めて良好で 波卵された卵の80%以上が謄化し 1200 、 、. 2 日に行ったもので. 一 19 -.

(5) . 林. 小. 弘. 個体の稚魚の体色を観察する事が出来た。 この観察によれを 、稚魚は総べて普通の黒色 ドジョウと同様な体色を 現わすもので、 全黒色を呈する如き個体は、 これらの稚魚の中には1尾も認められなかった。. 今回の実験により得た結果は、以上の如くであり、 この結果より、 直ちに変異体色を現わす ドジョウの遣鯨的 関係を論ずる事は不可能である。 しかし、これらの体色が、 緋 ドジ ョウの場合と同様、 遣博されるものであるな らば、 緋色基礎体色上の1ヵ所に黒色斑点を有する ドジョウの体色は、黒色斑点を有さない、 緋色体色に対し劣 性であり、 全黒色 ドジョウの体色も、普通の黒色ドジョウの体色に対し劣性に遺憾されるものではないかと考え た。 また、 白色に近いドジョウの体色も、普通の黒色及び緋色 ドジョウの体色に対し劣性の如く遣億された。 し 54 19 ) の報告した如く、 緋 ドジョウ中には かし、 白色に近い個体と緋 ドジョウとの関係に就ては、 先に、 小林 ( 緋色の鮮明なものより、 淡緋の 白色に近い個体に至るまでに各種の段階があり、 更に、 今回の白色に近い ドジョ ウ間の組合せにより出来た雑魚の体色が両親の体色より鮮明に緋色を 呈した事実より、必ず しも、 遺鯨的には両. 体色が異なった形質によるものではなく、 後轄的に白化したものではないかと考えた。 最後に、 本実験の結果を 総合して考察すれば、 自然界に棲息する ドジョウ中最も普通に認められる、普通の黒色体色は、 総べての変異体 色に対して、 遺憾的に優性なもの〉如くであった。 結. a冊. …ドジョウとの組合せに於ては、 何れを雌に取った 1 緋色基礎体色上に1ヵ所黒色滋点を有する ドジョ ウと緋 場合にも、この組合せによって生 じた稚 魚の体色は緋色であり、 黒色斑点を有する個体を認めなかった。 2 白色に近い ドジョウの雌を使用した場合、 普通の黒色ドジョウとの組合せに於ては、 稚魚の体色は総 べて 普通の黒色となり、緋 ドジョウ雄との組合せに於ては、 稚魚の体色は総て緋色となり、 白色に近い雄 との組合せ. に於ては、 稚魚の体色は、 両親の体色より緋色に近い体色を現わした。. 3 普通の黒色ドジョウの雌と全 黒色 ドジョウの雄との組合せによ り生じた稚魚の体色は、 総べて普通の黒色. で、 全黒色 の個体を認める事はなかった。 献. 女. 7 44 ‘ 川村智次郎.19 . .1-1 . 鞘の採卵と榊田放義, 広島,pp 70 6 V l 1 採集と飼育 ドジョウの体色変異 o 小林弘.1954 . ,167一1 . , ,pp , . I 4 小林弘.1954 . .2 .312一313 ,pp . 湖 ドジョウの体色遺伝, 科学,VO. - 20‐M.

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参照

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