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ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携 ―ニーダーザクセン州リンデン特別学校とローテンブルガー・ヴェルケの実践から―

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(1)Title. ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携 ―ニーダーザクセ ン州リンデン特別学校とローテンブルガー・ヴェルケの実践から―. Author(s). 安井, 友康; 千賀, 愛; 山本, 理人. Citation. 北海道教育大学紀要. 教育科学編, 66(2): 37-53. Issue Date. 2016-02. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/7883. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大学紀要(教育科学編)第66巻 第2号 Journal of Hokkaido University of Education(Education)Vol. 66, No.2. 平 成 28 年 2 月 February, 2016. ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携 ― ニーダーザクセン州リンデン特別学校とローテンブルガー・ヴェルケの実践から ―. 安井 友康・千賀 愛*・山本 理人** 北海道教育大学札幌校障害者福祉研究室 *. 北海道教育大学札幌校特別ニーズ教育学研究室. **. 北海道教育大学岩見沢校スポーツ教育学研究室. Practice of Cooperation of Leisure and Sports with Special School and Local Regional Area in Germany ― A case of Linden Special School and Rotenburger Werke in Rotenburg, Niedersachsen ―. YASUI Tomoyasu, SENGA Ai* and YAMAMOTO Rihito** Department of Welfare for Persons with Disabilities, Sapporo Campus, Hokkaido University of Education *. Department of Special Needs Education, Sapporo Campus, Hokkaido University of Education **. Department of Sport Pedagogy, Iwamizawa Campus, Hokkaido University of Education. 抄 録 ドイツでは,2009年5月に連邦政府が,国連の「障害者の権利に関する条約(2006)」を批 准し,各州でインクルーシブな社会作りに向けてさまざまな取り組みが進められている。本稿 では,特に2013年度以降のリンデン特別支援学校と福祉法人ローテンブルガー・ヴェルケにお ける余暇・スポーツに関する地域支援について,障害者の権利条約の柱でもある障害者自身に よる自己決定や自己選択を促すための情報提供の工夫などを軸に報告を行った。リンデン特別 支援学校では,州政府が2012年からインクルーシブ教育へ移行したのにともない,特別支援学 校としての新たな取り組みが模索されている様子がみられた。そのなかで特別支援学校の設備 や機能を活用したスポーツ授業なども始まっていた。さらに地域のスポーツや「見るスポーツ」 につながるスポーツ授業や障害者のスポーツクラブと地域のスポーツクラブの連携,自己決 定・自己選択に結びつく余暇プログラムと当事者への情報伝達方法の工夫など,障害者の権利 条約に示された内容の具現化に向けて多様な取り組みが行われている様子が示された。 キーワード:ドイツ,ニーダーザクセン州,特別支援学校,余暇,スポーツ. 37.

(3) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. Ⅰ.はじめに ドイツでは2009年5月に連邦政府が,国連の「障害者の権利に関する条約(以下障害者の権利条約)」を 批准し,各州でインクルーシブな社会作りに向けてさまざまな取り組みが進められている。これまで筆者ら は,ドイツの特別支援教育に関わる学校制度や実際の取り組み状況(千賀・安井2008;安井・千賀2008), スポーツ授業と地域スポーツの関わり(安井2008;安井・千賀・山本2009;安井・千賀・山本2012a)など について紹介してきた。なかでもドイツ北西部の農村地域に位置するニーダーザクセン州ローテンブルク (ヴーメ)市を繰り返し訪問し,特別支援学校と福祉機関の連携のもとに行われている地域支援についての 取り組みについて報告を行ってきている(安井・千賀・山本2011)。 これまでのドイツにおける余暇やスポーツの取り組み状況に関する報告を通し,これらの活動を担うクラ ブなどの組織が地域社会における障害児者の孤立を防ぐとともに,より豊かな人生を保障するものとして機 能していることを指摘してきた(安井・千賀・山本2012b)。日本においてもノーマライゼーションの具現 化に向けて,障害者の自立生活支援の取り組みが進められているが,一方で学校や福祉施設からの地域生活 への移行に伴い,情報や地域的つながりの希薄化が生じ,社会的な孤立を招く危険についても指摘されてい る(社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会2013)。各地で障害者の孤立死などの問題が報道されるなか,地 域形成における余暇やスポーツ組織についてのドイツの取り組みに関する情報が求められる註1)。 さらに障害者の権利条約では,生活における様々な場面において,障害者自身が選択し決定することを権 利として示している。一方,重度の知的障害児者については,知的機能の障害に伴う理解力の課題からの自 己決定・自己選択などにも困難を伴うことも多く,支援方法の工夫に関する情報も必要である。 ニーダーザクセン州は,2012年にインクルーシブ教育のシステムに移行することを決めるなど,障害者の 権利条約に示された内容を具現化する施策を始めている。そこで本稿では,特に2013年度以降のリンデン特 別支援学校と福祉法人ローテンブルガー・ヴェルケにおける余暇・スポーツに関する地域支援について,障 害者の権利条約の柱でもある障害者自身による自己決定や自己選択を促すための情報提供の実践例などを軸 に報告を行う。. Ⅱ.方 法 1.調査と記録 対象となるリンデン特別支援学校,福祉法人ローテンブルガー・ヴェルケ,スポーツクラブなどがあるニー ダーザクセン州,ローテンブルク市(Rotenburg;Wümme)の地域調査については,2005年3月から2014年 まで,ほぼ毎年1回,計10回,17日間に渡り行われた。なお本稿は,2013~2014年に実施した3回の調査を 中心に,障害者の権利条約にともなう取り組みの変化について報告を行う。調査にあたっては,研究の目的 とデータの公開について事前に承諾を得た後,教師,指導者への聞き取り,授業,活動場面のVTRによる 映像記録を行うとともにボイスレコーダーで記録し確認を行った。 2.対 象 ⑴ リンデン特別支援学校 リンデン特別支援学校は,ドイツ北西部のニーダーザクセン州にある人口約2万1千人の都市ローテンブ ルク市にある特別支援学校(Fröderschule)で,福祉法人「ローテンブルガー・ヴェルケ(Rotenburger Werke) 」により運営されている(Rotenburger Werke 2009)。なおリンデン学校の施設の建設や敷地の提. 38.

(4) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. 供などは私立の宗教法人によるものであるが,通常の運営経費の多くは,公的な予算により賄われている。 またリンデン学校では,初等段階(Premiere)の4学年,中等段階(Sekundar)の5学年,修了段階(後 期中等段階:Abschluss)の3学年というニーダーザクセン州の通常教育に対応した年齢段階での学部分け が行われている(安井・千賀・山本2011) 。ニーダーザクセン州の従来の教育制度や本校の実践内容の詳細 については,千賀・安井(2008),安井・千賀・山本(2012b)を参照されたい。 ⑵ スポーツクラブ:シュパス・ブス リンデン学校のスポーツ教師Peter Schlake氏を中心に,1996年その卒業生30名ほどを対象に地域のス ポーツクラブとして始められた。2005年頃から登録者が急増し,現在の登録者は,地域の児童生徒,成人な どを合わせ約300名,そのうち福祉法人ローテンブルガー・ヴェルケからの参加者は250名となっている。な おクラブの名称「シュパス・ブス」は,運動とスポーツの楽しさ支援クラブ(Verein zur Förderung von Spaß in Bewegung und Sport)の頭文字と,乗り物のバス(Bus)をかけたものとのことで,仲間が集っ ていろいろな場所に出かけていく楽しいイメージを表している。 ⑶ 福祉法人ローテンブルガー・ヴェルケ 「ローテンブルガー・ヴェルケ(Rotenburger Werke)」は,1880年にてんかんのある患者のための施設 として始まったもので,障害者の生活施設や病院などを運営するキリスト教系(ディアコニー)註2)の福祉法 人(Rotenburger Werke 2009)である。2015年現在,ローテンブルク市内を中心に110棟を超える居住施設 やグループホームなどを運営しており,利用者は知的障害児者,身体障害児者など定員1131人,職員数1580 人(非常勤を含む)で,居住施設の他,授産施設(工房・工場),特別支援学校,職業学校など大規模で多 様な事業を展開している。. Ⅲ.リンデン特別支援学校の動向と支援の実際 1.学校の動向 在籍する児童生徒数は,2014年9月現在156名で初等教育段階(1-4学年)が4学級,前期中等段階(6 -9学年)が7学級,後期中等段階(10-12学年)が10学級と,約半数の生徒が卒業段階に在籍している。 2008年には,児童生徒数186名(安井・千賀・山本2011)であったことから,児童生徒数は,この6年で2 割近く減少している。校長のEberhard Thamm氏によれば,これは「少子化とともに,ニーダーザクセン 州としてのインクルーシブ教育制度への移行にともなうもの」である。一方「リンデン特別支援学校は,比 較的重度の知的障害児を主な対象としており,学校の役割そのものは,今後もなくならないのではないか」 とのことであった。また空いた教室については,2014年度から学校内に成人の支援施設(日中活動)として 2教室が転用されている。 Schlake氏によれば, 「ニーダーザクセン州の方針で, 公立の学校が通常学校の支援をするようになった。ロー テンブルク市などについては,公立のペスタロッチ特別支援学校が地域の通常学校に教員を派遣し,日常的 な支援を行うようになったため,これまで先行して地域支援を行ってきた私立のリンデン特別支援学校は, 新しいコンセプトを模索している。 このような動向から授業やスポーツクラブも新しい取り組みが始まった。 」 またThamm校長は, 「27年間この仕事をしているが,その間ほとんど変化がなかった。しかしこの3年 の変化は劇的なもので,特別支援学校の役割や,コンセプトが大きく変わろうとしている。今は,新しいコ ンセプトを検討中である。いろいろ大変ではあるが,エキサイティングな経験でもある。障害のある子ども. 39.

(5) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. たちの学習環境が大きく変わろうとしており,基本的にそれは良いことだと思う。前向きに考えている。障 害のある子どもたちにとって,本当に通常の学校ですべて一緒に学ぶのが良いことなのか,なかなか難しい 問題である。回りの子どもたちとの学習スピードの違いやうるさい音にストレスを感じる子どもも多い。そ れらの準備をどのようにすべきなのか考える必要がある(2013年3月)。」と語るなど,障害者の権利条約批 准に伴う教育現場や地域社会の変化への対応を模索する様子がうかがわれた。 卒業後の進路としては,2013年に卒業した20人のうち,4人が一般就労,2人が福祉的就労,14人施設内 の作業所(Werkstatt:Berufs Bildung)となっており,その多くが周辺に点在する福祉法人の居住施設や グループホームで生活している。 2.スポーツ授業 重度の知的障害児と肢体不自由児を対象にしたリンデン学校の生徒を対象にした授業のほか,リンデン学 校内に地域の学校から生徒が来て行う交流授業,地域の学校にある分教室にスポーツ専門の教師が出向いて 行う授業など,多様なスポーツ授業の取り組みが行われている。 特に障害児者のスポーツを専門とするSchlake氏が中心となり,子どもの障害に合わせた様々なスポーツ 授業が展開されている。同氏によれば, 「身体を動かすことの楽しさを知ることで,授業では卒業後にもス ポーツを行いたいという気持ちを育てることが最も重要である」とのことである。 ⑴ 器械体操(Geraeteturnen)の授業 体操(トゥルネン)は,ドイツで伝統的に取り組まれてきた活動で,学校のスポーツ授業のほか多くの地 域スポーツクラブでも取り組まれている。本授業についてはSchlake氏と,昨秋新規に採用になった31歳の 男性教員(跳び箱) ,および女性の補助者(トランポリン)が担当していた。生徒は,卒業段階の生徒15名 (16-20歳の女性3名,男性12名,そのうち重度の肢体不自由で車いす利用の男子生徒1名を含む)である。 11:04車座になって集合し活動内容の説明が行われる。11:10トランポリン,跳び箱,マットを使った前転 の3グループに分かれて別れて活動開始が始まる。各セクション担当の教員がそれぞれの生徒の能力に合わ せて補助やアドバイスをする。11:26跳馬の高さを生徒の能力に合わせて調節するなどそれぞれの課題で, 生徒に合わせて内容や用具の微調整や指導が行われる。11:28トランポリンでは,ダウン症の女子生徒が立 位からの座位ジャンプに挑戦している(写真11)。マットでは高い位置から頭がマットの間に入るように工 夫され,少しの補助で前転ができるようにしている。11:50平行棒を倉庫から出して活動が一つ加わり, Schlake先生が動きのアドバイスをする。12:05活動を終了し用具の片付けを行う。12:10再び車座に集まっ て反省会を行い終了となる(表1)。 表1 器械体操(Geraeteturnen)の授業の内容 11:04 輪になって集合 11:10 トランポリン,跳び箱,マットを使った前転の3グループに分かれて別れて活動開始  各セクション担当の教員がそれぞれの生徒の能力に合わせて補助やアドバイスをする 11:26 跳馬の高さを生徒の能力に合わせて調節する 11:28 トランポリン:ダウン症の女生徒が立位→座位ジャンプに挑戦  マットでは高い位置から頭がマットの間に入るように工夫され,少しの補助で前転ができるようにしている 11:50 平行棒を倉庫から出して活動開始 12:05 活動終了片付け 12:10 集まって反省会 終了 . 40. (2013.3).

(6) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. 図1は生徒自身が各自で記録する「器械体操の活動記録票」を示したものである。吊り輪,平行棒,鉄棒, 床運動,トランポリン,跳馬,ミニトランポリンなどの活動について各運動種目の課題が示されており,取 り組んだ日と,できた活動をチェックすることで生徒自身が自己評価できるようになっている。「字が読め ない生徒も,チェックするだけでモチベーションが上がる」とのことで,単元の終わりにはチェック表の成 績をもとに「今季のチャンピオン」などの表彰が行われる。 課題の内容を見ると,吊り輪では「ぶら下がる」, 「台から台へ揺れて移動」,腕を伸ばしたまま揺れる「伸 腕での振り」など,いずれも初歩的で簡単にできる活動から,ある程度の技能を必要とするものまで細かく 評価のポイントが示されている。重度の障害があっても器械体操という種目に取り組むことができるよう工 夫されていることがわかる。ドイツでは,このような器械体操に取り組む地域のスポーツクラブが多いこと が示されており(安井2008) ,後述するシュパス・ブスにも器械体操のクラブがあるなど卒業後の活動にも 連続性が保たれている。またオリンピックなどのス ポーツ観戦にあたっても,自身で取り組んだ経験を 持つことによって「見るスポーツ」として楽しむこ とにつながる(近藤・安井2014)ものと思われ,生 涯にわたりスポーツに親しむことに寄与している。 写真1~13は,2013年から2014年にリンデン特別支 援学校で取り組まれた器械体操の授業について,そ れぞれの種目に取り組む場面を記録したものであ る。 ( )内のNo. は図1種目番号(左列)に対応 している。. 写真1 吊り輪でのぶら下がり(No.1). 写真2 吊り輪:伸腕での前後振り(No.3). 写真3 吊り輪:懸垂(No.5). 写真4 吊り輪:懸垂振り右ひねり(No.7). 写真5 平行棒台から台(No.9). 41.

(7) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. 42. 写真6 平行棒:腕支持(No.10). 写真7 腕支持振り(No.11). 写真8 前方振り(No.12). 写真9 跳馬―小(No.37). 写真10 跳馬―大(No.38). 写真11 トランポリン:座位/立位(No.32). 写真12 床(マット)側方転がり(No.24). 写真13 マット:補助具を使った前転(No.26).

(8) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. 器械体操の活動記録票 クラス. 名前 ×=出来る 0=出来ない /ほとんどまたは補助があれば 各動き3試技 No. 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47. 動き. 日時. 日時. 日時. 日時. 吊り輪:ぶら下がる 吊り輪:台から台への振り移動 吊り輪:伸腕での振り 吊り輪:降りる 吊り輪:懸垂 吊り輪:懸垂降り 吊り輪:懸垂振り左右ひねり 吊り輪:後方回転. 平行棒:台から台への振り移動 平行棒:腕支持(両腕で支える) 平行棒:腕支持振り(両腕で支えて揺れる) 平行棒:開脚前方振り 平行棒:開脚後方振り 平行棒:左右への振り挙げ座位 平行棒:フィニッシュ 鉄棒(低):腕支持 鉄棒(低):腕支持振り 鉄棒(低):腕支持振り腕支持後方振り挙げ 鉄棒(低):腰当て腕支持上がり 鉄棒(低):台からの回転 鉄棒(高):ぶら下がり 鉄棒(高):ぶら下がり振り 鉄棒(高):前方振り降り 床(マット):側方へ転がる(丸太転がり) 床(マット):補助具を使った前転 床(マット):前転 床(マット):飛び込み前転 トランポリン:立位跳び トランポリン:止まる トランポリン:左右への半回転 トランポリン:座位 トランポリン:座位/立位交互に3回 トランポリン:膝跳び トランポリン:開脚跳び トランポリン:屈曲跳び トランポリン:背面跳び 跳馬::小さな台 跳馬::大きな台での膝(閉脚)跳び 跳馬::抱え込み回転 ジャンプ(ロイター板):開脚跳び ミニトランポリン:立位からのジャンプ ミニトランポリン:立位跳び ミニトランポリン:屈曲跳び ミニトランポリン:開脚跳び ミニトランポリン:後ろ跳び ミニトランポリン:飛び込み回転 ミニトランポリン:宙返り. 図1 器械体操の活動記録票. 43.

(9) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. ⑵ トランポリン授業 近隣の基礎学校との共同スポーツ授業として,2012年度からヘムスリンゲン基礎学校の子どもがリンデン 特別支援学校に来校し,トランポリンを使った授業を始めた。参加者はヘムスリンゲン基礎学校の児童は, 1-3年生の7名で(1名欠席) ,リンデン特別支援学校の児童:4年生,6年生(車いす),8年生の3名 である。 指導者は,ヘムスリンゲン基礎学校の教師Mareike Duensing氏(32歳:ヘムスリンゲン基礎学校で2年 間教えている)と,リンデン特別支援学校の教師Annie Schultce氏である。Duensing氏によれば,「リンデ ン特別支援学校にあるような大きなトランポリンは,地域の通常学校にはなく,大変良い活動になっている」 とのことで,通常学校から親が送迎を担当して,8人の子どもが来ている。 表2 トランポリンの授業の様子 13:30 集合説明 13:35 4~5人一組で,トランポリンとミニトランポリンでのジャンプ活動の2グループに分かれて授業開始  トランポリンをヘムスリンゲン基礎学校の教師が,ジャンプ活動をリンデンの教師が担当 14:00 グループのローテーション実施 14:20 リンデン学校の生徒2名を,リンデン学校の教師が引率して先に帰る 14:30 その間,重度の児童をヘムスリンゲン基礎学校の教師がみている  急に泣き出したため声をかけるなどして暫く対応する  自傷,パニックが収まらないため,ヘムスリンゲン基礎学校の子どもがリンデンの教師を呼びに行く。 14:35 車いすに移乗させ,引き上げる  片付け:ヘムスリンゲン基礎学校の子どもと教師がトランポリンと台を片づける 14:40 ヘムスリンゲン基礎学校の保護者(担当者)が迎えに来る. . (2013.3). 13:30体育館にそれぞれの学校の子どもが集合しその日の活動内容や手順,注意点などの説明を受ける。 13:35両校の子どもが混ざって1グループ4~5人で2グループを作り,トランポリンとミニトランポリン でのジャンプ活動に分かれて授業が始まる。大型のトランポリンの指導をヘムスリンゲン基礎学校の教師が (写真14) ,ミニトランポリンをリンデンの教師が担当する(写真15)。14:00それぞれのグループが活動を 交代する。14:20リンデン学校の生徒2名を,リンデン学校の教師が引率して先に帰る。その間重度の児童 をヘムスリンゲン基礎学校の教師がみている。しかし急に泣き出したため声をかけるなどして暫く対応する が,自傷,パニックが収まらないため,ヘムスリンゲン基礎学校の子どもがリンデンの教師を呼びに行く。 14:35車いすの生徒を移乗させ,先に教室に移動する。またヘムスリンゲン基礎学校の子どもと教師がトラ ンポリンと台を片づける。14:40ヘムスリンゲン基礎学校の保護者(担当者)が迎えに来て終了した。 特別支援学校のあり方が模索される中,地域の通常学校の子どもが設備の整った特別支援学校を利用して. 写真14 トランポリン. 44. 写真15 ミニトランポリン.

(10) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. 活動を行うとともに,相互の学校の児童や教師の交流,協同的活動を通して相互理解を促す試みは,特別支 援学校と通常学校の多様な関係の可能性を示唆するものといえよう。. Ⅳ.地域スポーツクラブ:シュパス・ブスの取り組み 1.クラブの活動内容と動向 基本的な活動は,各コース週一回45分で,説明会,スポーツ大会参加,クラブ行事とクリスマス会,必要 に応じた同行支援となっている註3)。表3は,2014年度の活動内容をまとめたものである。なお2012年以降 表3 シュパス・ブスの活動内容(2014年度) 曜日. No. 1 2 3 4. 時間 14:45-15:45 14:45-15:46 16:15-17:15 16:30-17:30. 月. 30. 16:30-17:30. 25 5 19 20 6 7 29 28 31 18 11 12 21 13 27 35 9 37 22 34 10 14 38 23 33 24 15 8 32 16 17 36 26. 17:30-18:30 18:00-19:00 18:00-19:00 19:00-20:00 14:45-15:45 16:30-18:00 18:00-19:30 18:30-19:30 16:00-17:00 16:30-17:30 17:00-18:00 17:30-18:30 17:30-18:30 18:00-19:00 18:00-19:00 18:00-19:00 18:30-19:30 16:15-17:15 16:30-17:15 16:30-17:30 17:00-18:00 17:00-18:30 17:15-18:15 17:20-18:05 17:30-18:30 18:20-19:05 18:30-20:00 14:30-15:30 15:00-16:00 15:30-16:30 16:30-17:30 16:45-17:45 14:00-17:00. 火. 水. 木. 金. 土. 内 容 学齢児のスポーツ・心理-運動 学齢児のスポーツ・ウォーキング・ノルディックウォーキング ウォーキング・運動遊び スポーツ・遊び・お楽しみ 運動遊び,ボール運動(卓球,バドミントン・羽ボール,ポリーバット) 初心者向き(歩行および車いす利用者) 運動遊び,卓球 運動遊び 運動遊び,ウォーキング,体操 フィットネス,軽運動 学齢児のスポーツ・心理-運動 サッカー(初級者),体操,コーディネーショントレーニング・持久力トレーニング フットボール(上級) ,体操,コーディネーショントレーニング,持久力トレーニング ウォーキング,運動遊び,心理運動 未就学児のための親子体操,心理運動,発達支援 運動遊び,ウォーキング,体操 体操用具を使った遊びと運動 運動遊び,ボール遊び 運動遊び,ウォーキング,体操 女性のための運動,リラックス,ダンス 器械体操 車いす利用者のための遊び,楽しい活動,運動Ⅱ スポーツ,軽運動 運動遊び,ウォーキング,体操 車いす利用者のための運動遊び ウォーキング 車いす利用者のための遊び,楽しい活動,運動Ⅰ 水泳 運動遊び,ウォーキング,体操 車いす利用者のための運動遊び 音楽を使った体操,リラクゼーション 運動遊び,ウォーキング 水泳 高齢者の運動・体操,ストレス解消 座位での体操,転倒予防,身体意識/リラクゼーション ウォーキング ウォーキング ウォーキング サイクリング No.の■(網掛け)は,2012年以降新たに始まったコースを示す。. 45.

(11) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. 新たに始まったコースを表中のNo欄に網掛けで示した。網掛けで示した新設のコースを見ると,運動遊び や幼児の運動教室,音楽を使った活動のほか,車いす利用の重度の肢体不自由者の活動など,より多様なニー ズに応えるようにコースが増えていることがわかる。なお表4に,2014年度の会員区分による年会費を示した。 表4 スポーツクラブの年会費 区 分 1 2. 子ども・青年 子ども・青年 (ローテンブルガー・ヴェルケ所属). 金額 18ユーロ 8ユーロ. 3. 成人. 20ユーロ. 4. 成人(ローテンブルガー・ヴェルケ所属). 16ユーロ. 5. 高齢者・年金受給者. 8ユーロ. 6. 非保険(障害)対象者. 40ユーロ. 指導者については,クラブ全体で約20人の障害者スポーツ指導者資格取得者が登録されている。さらに 2014年8月には,ローテンブルク市を中心に約3000人の会員を有する一般の地域スポーツクラブ(TuS Rotenburg)と提携し,陸上競技や,水泳などの種目について,合同で活動を行ったり支援者の協力を行う ことになった。これまで, 「障害者のスポーツ支援組織」として運営されてきたスポーツクラブシュパス・ ブスが,インクルーシブなスポーツ環境の形成に向けての一歩を踏み出したのである。なおこのようなシュ パス・ブスと地域のスポーツクラブ(TuS Rotenburg)の提携については,地元の新聞に紹介されるなど註4) 地域の注目も集めている(写真16)。. 写真16 シュパス・ブスと地域のスポーツクラブ(TuS Rotenburg)の提携を報じる地元新聞註4). 2.活動の実際 ⑴ 学齢児のスポーツ・心理-運動(プログラムNo.1) 指導者はAngela Koerner-Steinhauer氏(50歳)で,2012年にハノーバーで障害者スポーツ指導者(知的 障害)の資格を取得し,月曜3コマ火曜1コマを担当している。活動には6人が登録しているが,当日は2 人が休みだったため,参加者は14歳の男児2人と8歳,14歳の女児の4人であった。活動内容については, 毎週開始前に簡単な打ち合わせを行い決定している。. 46.

(12) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. 14:50に活動開始。まずは2人一組になって,キャッチボールを行うように,フープを転がしてパスをし あう(写真17) 。さらにフープを回し動かす,フープを体の一部を使って回す(写真18),転がるフープを走っ て追いかける (写真19,20)などの活動を行う。15:20フープ終了。15:22ボールぶつけ開始。持っているボー ルを追いかけてタッチ,当たった子どもは,当たってない人に股の下をくぐってもらうと復活する。15:30 終了。最後は音楽に合わせて体を動かす。Fliegeliedの曲「今日は良い日だ,ジャンプ大きく,泳いで. . 」 という曲と歌詞に合わせて,身体各部を意識す動きを行い終了となった。フープ一つで,身体各部位を使っ た基本的な動きを引き出すとともに,フープの受け渡しなどで楽しい活動になるよう工夫されている。さら に走って追いかけるなど,ある程度の運動強度のある活動も自然に引き出すようなプログラムが展開されて いた。このような「楽しい」活動を通して身体の動きを引き出すという基本的なコンセプトは,他の活動に も共通してみられた(表5)。. 写真17 フープのパス. 写真18 フープを体で回転させる. 写真19 フープを追いかけて走る. 写真20 フープと走る. 表5 学齢児のスポーツ・心理-運動(プログラムNo.1)の活動内容 14:50 活動開始  キャッチフープ:フープを使ってパスしあう  フープ回し  フープを体の一部を使って回す  転がるフープを走って追いかける 15:20 フープ終了 15:22 ボールぶつけ開始  持っているボールを追いかけてタッチ,交代:  当たった子どもは,当たってない人に股の間をくぐってもらうと復活 15:30 終了 音楽に合わせて体を動かす  「今日は良い日だ,ジャンプ大きく,泳いで・・・」  曲名:Fliegeliedの曲に合わせて,身体各部を意識した動きを行い終了となる. . (2014.3). 47.

(13) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. ⑵ 運動遊び・ボール運動(プログラムNo.30) 指導者のMirko Baumbach氏によれば,「今回のプログラムは自分で考えたものであるが,ハノーバーで 資格を取ったときに経験した内容が生かされていて,それを応用したものである。」とのことで,指導者養 成のカリキュラム内容が,有効に活用されていることがうかがわれる。なおこの活動の参加者は,成人10名 (男性8,女性2)である。 16:30にランニング開始,16:38に集合して30cm四方の四角いジュータンが配られる。参加者はそれに乗っ て床雑巾のように滑って移動するという活動である(写真21)。参加者は,片足で滑りながら移動するのだ が(写真21,右),ジュータンに乗るという活動に,みな楽しく参加しているのが伝わる。16:58には,両足 でスケートのように移動する活動に移行する(写真21,左)。さらに17:04ジュータンに乗って移動しながら ボールを使った活動を行う。17:08 参加者同士でボールを手渡ししたりパスしたりする。17:12ボールをぶ つけあうゲームを行い17:16に終了した(表6)。. 写真21 ジュータン滑り. 表6 運動遊び・ボール運動(プログラムNo.30)の活動内容 16:30 ランニング開始 16:38 集合 30cm四方の四角いジュータンが配られる  参加者はそれに乗って床雑巾のように滑って移動する  片足で移動 16:58 両足で移動 17:04 ジュータンに乗って移動しながらボールを使った活動 17:08 参加者同士でボールを手渡し,またはパス 17:12 ボールぶつけゲーム 17:16 終了. . (2014.9). Ⅴ.福祉法人ローテンブルガー・ヴェルケの余暇 障害者の権利条約に示された「権利」を最大限保障する試みとして,重度障害者の自己選択・自己決定を 支援する様々な活動が始まっている。写真22は,施設内の各所に設置されたタッチパネル式の「音声付きア ニメーション」による情報支援機器である。タッチパネルに触れることで,様々な案内をいつでも視聴する ことができる。内容としては,法人の施設や活動の案内,食事のメニューなどのほか,障害者の人権につい てアニメーションで説明したり,さまざまな生活の選択肢を写真や映像で示すなど知的な障害があってもで きるだけ理解ができる様な工夫が行われている。. 48.

(14) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. 写真22 各所に設置されたタッチパネル式情報提供 装置. ローテンブルガー・ヴェルケでは,障害児者の生活と職業支援などとともに,余暇の支援が重要な要素と して位置づけられており(Reiter et al. 2011),余暇メニューなどについても,常時案内を見ることができる。 余 暇 の コ ー ス に つ い て は, 福 祉 法 人 の 余 暇・ 社 会 教 育 部 門 が 企 画 す る 文 化, 調 理, ス ポ ー ツ な ど 2014/2015年度88のコースが設定されている。参加にあたっては,年間登録料として25ユーロを払い「教室 パス」を取得したうえ,それぞれのコース開始の2週間前までに参加申し込みをする。なおほとんどのコー スは,登録料の他,10-60ユーロの参加費とコースによって材料代などが必要となる。それらの費用につい ては,全てプログラムに詳細に掲載されている。 なお,収入などが少なく経済的に困窮している場合には,参加料の減免措置などが受けられる。申込用紙 には,希望するコースナンバーや連絡先などの他,車いす利用の有無,てんかん発作の有無,教育パスの有 無,活動中の投薬の必要性の有無などを記載して申請し,受け付けられると受講証が交付される。 表7は,2011/2012年度の開設コース(左)と2014/2015年度の開設コース(右)を示したものである (Rotenburger Werke 2010, 2014)。コースの全体数は86コースから88コースと2コース増えていた。内容 を見ると,コンピューターや創作活動,学習活動などのいわゆる習い事的な活動が少なくなったのに対し, 食事作りとともにできた料理を楽しむ「グルメコース」,スラックラインやクライミングといった身体を動 かす「スポーツ」などのコースの内容が増加していた。また公共機関への訪問も単なる訪問だけではなく相 談を含めるとともに,パートナーとの関係や男女の交際にともなうトラブルから身を守る方法についての講 座,自身の権利を考える会議への出席,高齢化にともなう死別などの増加に対応した「悲しみを癒やす」活 動などが設定されていた。障害者の自立にともなう課題への対応や権利の保障といった視点からのコース設 定が進んでいる様子がうかがわれた。 余暇の内容については,年度ごとに余暇案内冊子が作られており,受講の方法とともに,各コースの内容, 場所,時間などがわかりやすく示されている。「イタリア料理作り」と「車いすダンス」のコース案内につ いて,2011/2012年度版(図2)と2014/2015年版(図3)に示した。これまでもイラストなどを利用して本 人にもその内容がわかりやすいような工夫が行われてきたが,2014/2015年版では,写真を掲載することに より本人が,より内容を把握しやすくすることで自己選択・自己決定ができるように工夫されている。また これらの内容については,先述したとおり食堂や学校など敷地内の公共の建物の各所に情報提示装置が設置 され,音声とともに案内を視聴することもできるようなシステムの整備が進められている。なお余暇につい てはこれらの定期的な活動に加え,月ごとに多様なイベントも企画されており,同じく各月のトピックスと してプログラムなどが発行されている。. 49.

(15) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. 表7 余暇活動(教室)コースの活動内容の変化 コースのカテゴリー コミュニケーション 計算・算数 コンピューターコース. 創作活動. 2011/2012年度 各コースのテーマ 読み書き(5) コミュニケーション記号(2) お金の計算(2) コンピューターで遊ぶ-ゲーム(1) コンピューター (2) インターネット(2) 木工(8) 絵画(1) 曼荼羅制作(2) Xマスの飾り(1) シルクスクリーン(1) 芸術活動:工房創作(1) 芸術活動:モザイク作り(1) フェルト(1) 楽器制作(2). 7. コミュニケーション. 2. 計算・算数. 2014/2015年度 各コースのテーマ 読み書き(4) コミュニケーション記号で楽しもう(1) お金の計算(1). 5. コンピューターコース. インターネット(2). 2. 創作活動. 自然素材を利用した彫刻(1) 写真カレンダー (1) 木工(2) 曼荼羅制作(1) シルクスクリーン(1) 絵画(2). 8. コース数. 18. グルメコース. クリスマスパン(1) 健康食作り(3) 健康グルメ料理作り(2) イタリア料理(1) 世界の料理(1) ケーキ作り(1) デザート作り(1). 10. 衛生法. 給仕のための衛生法(2). 2. ダンス. ポップス(1) カントリーダンス(1) 車椅子ダンス(1) 社交ダンス-シャルウィダンス?(1) ラインダンス(1). 5. シアターワークショップ(1) 俳優になります(1) 音楽のRAOUM(7) コーラス(1) 住まいの設計(2). 演劇 音楽 住まい. オートバイツアー (1) カヌー (1) 自転車コース(1) ホイハウスで自転車(1) 乗馬(2). スポーツ. 瞑想(1) 健康とリラクゼーション ヨガ(1) 背中の学校(1) パートナーとの関係 愛・性(1). 2 8 2. 6. 3 1. 新コースまたは他コースからのリニューアル →. デジタル写真 学習教室. ローテンブルクの街 自然保護. カレンダー (1) アルバム(1) 騎士物語(1) ルターの受胎告知(1) クレタの休暇計画(1) 予算と家計(2) 市長の懇談(2) 警察相談の時間(2) ローテンブルグ警察署訪問(2) 自然保護の実践法(1) 省エネのヒント(1) 合計. コースのカテゴリー. 千一夜物語の料理(2) 冬の料理(1) 春の料理(1) イギリス伝統料理(1) 野草料理(1) 真夏の夜の夢-夏の食材料理(1) グルメコース カフェケーキ(1) スペイン・タパス(1) イタリア料理(1) トルコ料理(1) おいしいハンバーガー (1) クリスマスパン(2) グリルのための最高のレシピ(1) 衛生法 給仕のための衛生法(2) ズンバダンス(1) ボディーグルーブ(2) 車椅子ダンス(1) ダンス ペアダンス教室(1) 座ってダンス(1) ラインダンス(1) 演劇グループ(1) 演劇 演劇ワークショップ(1) バンド(1) 音楽 音楽のRAOUM-パーカッション(9) 住まい 住まいのゼミナール(3) 自転車ツアー (1) ナイトウォーキング(1) バイキング船(1) 乗馬(2) スポーツ オートバイツアー (1) カヌー (1) スラックライン(1) クライミング(2) 瞑想(1) 健康とリラクゼーション 背中の学校-腰痛予防演習(2) 女性のための美容の週末(2) パートナーとの関係 愛・性・シンボル(1) リンゴ狩り(1) 動物公園(1) 自然と動物 納屋でのアドベント(1) 乳搾り(1) 研修旅行 カウンターサービス (給仕) のトレーニング(1) 女性と女児の相談(1) 女性と女児 女性のための自己防衛(1) 自己防衛(1) 自転車ライセンス-自転車教室(1) 警察署訪問(1) 安全 交通安全トレーニング(1) 交通安全教室:歩行器と車いす(1) 警察相談(1) 学術 サイエンスラボ:科学のハンドル(1) 会議 阻害・関与・自己形成-ミーティング参加 (1) 生と死 開かれた悲しみカフェ:死別の癒やし(2). コース数 5 1. 15. 2. 7. 2 10 3. 10. 5 1 4 1 2. 6. 1 1 2. 2 3 → コースの閉鎖または他コースに変更 8 2 86. 合計. 88. Rotenburger Werke(2010, 2014)をもとに筆者ら作成. 50.

(16) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. 図2 2011/2012年版コース案内. 図3 2014/2015年版コース案内. (上:イタリア料理;下:車いすダンス). (上:イタリア料理;下:車いすダンス). Ⅵ.まとめ 重度の知的障害児者については,知的障害による理解力の課題から,自己決定・自己選択などに困難を伴 うことも多く,支援方法の工夫が求められる。リンデン特別支援学校の取り組みについては,これまでカリ キュラムとともに余暇活動やスポーツ活動に関して個々の理解力などに応じて自己選択・自己決定ができる ような支援の工夫を行っている様子を報告してきた(安井・千賀・山本2011,2012)。 一方,州政府が2012年からインクルーシブな教育制度に移行したのにともない,私立の特別支援学校とし て,新たな取り組みが模索されている様子がみられた。このような課題意識のもと,特別支援学校の大型設 備や専門的指導技能などの学校機能を活用した通常学校との共同スポーツ授業なども始まっていた。さらに 地域のスポーツクラブ(シュパス・ブス)の実施種目と連携させた活動への取り組みや,生涯に渡りスポー ツを楽しむという視点からの「見るスポーツ」(近藤・安井2014)にもつながるスポーツ授業が展開される 様子も見られた。 余暇活動やスポーツについては任意の活動であることから,就労支援や生活支援に比べてその重要性への 認識が低くなりがちであり,環境の整備が遅れる要因ともなってきた。これに対し障害者の権利条約では, 余暇やスポーツ参加を含めた社会参加のあり方についても示されている。インクルーシブ社会の実現にむけ て障害者のスポーツクラブと地域のスポーツクラブの連携が進められるとともに,障害者の権利保障の観点 から自己決定・自己選択に結びつく当事者への情報伝達方法の工夫なども進められていた。 これまで分離型の教育制度や社会システムのもとに進められてきた地方都市における障害児者の生活環境 においても,条約内容の具現化に向けた様々な取り組みが始まっている様子が見られた。障害者の地域ネッ. 51.

(17) 安井 友康・千賀 愛・山本 理人. トワークからの孤立に伴う課題が指摘されるなか,教育機関との連携を含め余暇・スポーツ支援組織におけ るニーダーザクセン州ローテンブルク市の地域的取り組みは,今後の日本の地域社会形成に対しても参考と なるものと思われる。. 謝 辞 調査にあたりご協力頂いたリンデン特別支援学校のEberhard Thamm校長,Peter Schlake先生ほか指導 者の皆さんに感謝いたします。. 付 記 本調査をすすめるにあたっては,日本学術振興会科学研究費補助金「ドイツにおける障害児者の余暇とア ダプテッド・スポーツ:移行支援を中心に」(基盤研究B,課題番号6301027,研究代表;安井友康)の補助 を受けた。. 註 1)障害者や高齢者の孤立死報道が続いたことに対し,厚生労働省では2012年5月厚生労働省社会・援護局地域福祉課長名で 「地域において支援を必要とする者の把握及び適切な支援のための方策等について」とする通知を出している。さらに報道 関係者に向け「孤立死の防止対策について都道府県などに通知」した旨が報告された。 2)ドイツでは,パリテート福祉団体,労働者福祉団体,ユダヤ中央福祉会,ドイツ赤十字,ディアコニー福祉団体(プロテ スタント系),カリタス・フェアバント(カトリック系)の6つの公益福祉団体が主な福祉活動を組織している。 3)SpassBus2014年度プログラム冊子の説明とShlake氏からの聞き取りによる。 4)ローテンブルク市の地元誌Wümme Kurier,2014.8.29刊16-17ページに記事が掲載されている。. 文 献 近藤尚也・安井友康:重度肢体不自由者のスポーツ参加と「見るスポーツ」 , 北海道教育大学紀要(教育科学編)第65巻第1号, 403-412,2014. Reiter,R., Stahl B., Wendland-Park, J.(Hrsg.): Geschichte und Geschichten der Weg der Rotenburger Werke der Inneren Mission von 1945 ins21.Jahehundert, ABW, Wissenschaftsverlag, 2011. Rotenburger Werke : 100 Jahre Lindenschule, Rotenburger Werke, 2009. Rotenburger Werke : Bildungsangebote Kurse 2010/2011, Rotenburger Werke, 2010. Rotenburger Werke : Bildungsangebote Kurse 2014/2015, Rotenburger Werke, 2014. 千賀愛・安井友康:ドイツ・ニーダーザクセン州特別支援学校における発達障害児の支援-ヤーヌシュ・コルチャック特別支 援学校におけるセンター的役割と移行支援を中心に-,北海道特別支援教育研究,第2巻第1号,45-57,2008. 社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会:知的障害者を含む世帯における地域生活のハイリスク要因に関する調査,平成24年度 障害者総合福祉推進事業,報告書,2013. 安井友康:ドイツ・ベルリン市州における障害者の地域スポーツ活動,障害者スポーツ科学,Vol.6,No.1,40-50,2008. 安井友康・千賀愛:ドイツ・ベルリン市州の移民・貧困地域におけるインクルーシブ校の実践-ヴェッディング基礎学校の取 り組み-,北海道教育大学紀要(教育科学編),第59巻第1号,163-177.2008. 安井友康・千賀愛・山本理人:ドイツ・ベルリン市州のインクルーシブ・スポーツ授業-フレーミング基礎学校の取り組みか ら-,障害者スポーツ科学,Vol.7,No.1,93-106,2009. 安井友康・千賀愛・山本理人:リンデン特別支援学校の教育実践と分教室による共同教育:ニーダーザクセン州ローテンブル. 52.

(18) ドイツにおける学校と地域の余暇・スポーツの連携. ク地域の調査から,北海道教育大学紀要(教育科学編)第61巻第2号,61-76,2011. 安井友康・千賀愛・山本理人:ドイツにおける発達障害者の就労移行支援とスポーツ授業:ニーダーザクセン州・キビナン職 業学校の取り組み,北海道教育大学紀要(教育科学編)第63巻第1号,126-140,2012a. 安井友康・千賀愛・山本理人:障害児者の教育と余暇・スポーツ,ドイツの実践に学ぶインクルージョンと地域形成,明石書 店,2012b.. (安井 友康 札幌校教授) (千賀 愛 札幌校准教授) (山本 理人 岩見校教授) . 53.

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参照

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