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『古今和歌六帖標注』翻刻(一一)

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Academic year: 2021

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(1)Title. 『古今和歌六帖標注』翻刻(一一). Author(s). 伊藤, 一男. Citation. 北海道教育大学紀要. 人文科学・社会科学編, 54(1): A29-A15. Issue Date. 2003-09. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/770. Rights. 本文ファイルはNIIから提供されたものである。. Hokkaido University of Education.

(2) 北海道教育大 学 紀 要. ︵人文科学∴社会科学編︶. ﹃古今和歌六帖標注﹄. 第一号. 平成十五年九月. ︵一一︶. 第五十西巻. 翻刻. 藤一男. 北海道教育大学旭川校国文学研究室. 伊. 門蘭㌫. ﹃拾遺﹄物名︵四〇一︶きしのをとり. すけ見. かばぎしのをどりおるべき所あらばうきにしにせぬ身はなげつべし. 千早振神もしるらん淀河のよどめる淵の深きこゝろは まそかヾみ見つ万. 萎五. 山高み水といはめや玉きはる岩垣ぶちのかくれたる妾. ︵三〇九︶重出︶. 妄天. ︵万十一︵二五〇九︶・第五. ︵九六こ 巳出︶. せ. 伊勢. 水増る時はふちなる山川の瀧ならねばや音の絶せぬ. ︵同︵二七壷・対雑六河︵山二二凹○︶・第五︵三二三重出︶. 妻誓ノちさきの岩淵ぐれてのみや我恋を 主文. 壱完. ︵第二. ﹁﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻︵二︶﹂︵﹃語学文学﹄第三六号一九. 壱四〇. ○本稿は、﹁﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻︵一︶﹂︵﹃旭川国文﹄第一三号一九九 七年一一月︶. ﹁﹃古今和歌六帖標注﹄翻刻︵三︶﹂︵﹃北海道教育大学紀要︵人文. 川の瀬のみなぎる沫のながれても人のうきせは消てうらみん. もみぢばのながるゝ川の白波のたえぬせと社なりぬべらなれ. 九人年三月︶. 可 助 告 云云﹂. アヲヒトクサノ ウキセニオナテ クルシマムトキニタスケヨトノリ. 宣長云、﹁瀬は、うたに﹁うれしきせ﹂﹁こひしきせ﹂﹁あふせ﹂などよ. ﹃古事記﹄神代記﹁音人草之落苦瀬而患惚 時. 第五一巻第一号︵二〇〇〇年八月︶・第. む、是也。此﹁瀬﹂ てふ詞は、凡て竪にも横にも用ふ。たてとは時也。. 門頭山. ︵一九九九年八月︶. 第五二巻第二号︵二〇〇一年九月︶・第. 科学・社会科学編︶﹄第四九巻第一号一九九人年八月︶、以下、同紀要、第 五〇巻第二号 ︵二〇〇一年二月︶. 新. 大和. やかもち. せ 万薪・失 きよせきを新. サ、ラナ. ﹃万葉﹄四︵五二六︶. コフラクエ. 大伴郎女. 清原ふかやぶ. 此川のわたるせもなしもみぢばの流れて深き色をみすれば. にみえつ、新. ︵剰四︵竺八︶大伴郎女・鮒勅 ≡義︶家持・対雑三橋︵九完二︶︶. こ四二. 千鳥鳴佐保乃河瀬之小浪止時毛軽吾恋 ホ. 門頭︼. L肘二. なじ。横とは処也。川の瀬など是也云々﹂。. 五一巻第二号. つ. を受けるものであ. 長くへゆく時の間に、人に逢時をさして﹁あふせ﹂といふ、この余もお ︵一〇︶. 第五三巻第一号︵二〇〇二年九月︶・第 ∼. ︵二〇〇二年二月︶. ︵四︶. 五二巻第二号. 所載の. ︵二〇〇三年二月︶. あだ・膏. うちはしわたすながくとおもへば 万・夫. 五三巻第二号 る。. ふち き 古︰家・漸. そこ ひ な. いかにしてにはかに淵に落人にしうきにしにせぬ我身かくしに. 山思ひわびふちにもせにも落人なば人の心のあさしとやいはん. ︵封恋四︵七二二︶素性・家︵Ⅰ三・旦竺︶・鮒観︵嘉一︶︶. 王室二 七蒜. 15.

(3) 伊 藤 一一 男. かた. 万. は万. 大伴やすみ. ひとつせは渡さへさはり行水の後もあひなん今ならずとも. せにはちたびさはらひ万. ︵新千冬︵六二四︶︶. 石四三 なるなへにあまぐもかけるかりに万. 秋風に山吹のせのひゞくなへ空なる雲のさわぎあへるかも. の万. ︵ガ四 ︵ 六 九 九 ︶ 大 伴 像 見 ・ 第 五 ︵ 二 九 三 七 ︶ 重 出 ︶. 石四四 山城 蒋ヲカヌ. 名とり川いく瀬か渡る七瀬ともやせともしらずよるし渡れば. 陸奥. はつせ川いくせかわたるわぎも子がおきてしくればやせこそわたれ. 大和. ︵同九 ︵一七〇〇︶︶. 云四五 三男. あすか川せゞのうきあわに流れてもやすきいをぬる我とやはしる. 大和. ︵対維 六 河 ︵ 喜 五 一 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 一七四七 ものすそぬらす万. 人を統. 思はしみ逢ぬ君ゆゑいたづらに此川のせに玉もぬらしつ. はし き や し 万. 一七四人. おろすエ. ながれよるべく捨. いせのうみの波間にくたす釣のをの打はへ独こひわたるかな. 海. ︵ガ十一︵二七〇五︶︶. 一七莞. 是則 きみがため後. おしなべて世はみな海となりなゝんおなじ渚に波やよすると. なく な み だ 拾. ︵楓尉 恋 一 三 四 七 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 石五〇. はら家. わたのそこかづきてしらん人しれず思ふこゝろの深さくらべに. ︵掛恋 五 ︵ 九 二 五 ︶ 善 祐 法 師 母 ︶. 一七至. ﹃続後撰﹄恋一︵﹃貫之集﹄. ︵Ⅰ五七三︶︶. ︵後−恋三︵七四五︶・楓後l恋一︵三七七︶・家︵二六︶︶. ︻頭︼. 読人不知. かづき出ぬなみだが犠のあはび故海てふうみはかづきつくしつ. え是末勘. いせのうみのあまとならばや君こふる心のふかさかづきくらべん 云五二. ︵五九五︶友則・家︵讐︶︶. 君こふる涙のそこに海はあれど人をみるめはおひずぞ有ける. しき た へ の ま く ら の し た に 古 ・ 家. ︵﹃是則集﹄︵三三︶・対雑八積︵三〇空︶よみ人しらず︶. 一七至. ︵副恋 二. 石高. いせ ぬめり後・家. らイ. にみるかな土. 海とのみまとゐの中はなりなゝむそながらあはぬ影のみゆれば. 貫之. にイ 思ひやる心はうみにわたれどもふみしなけれはしらずや有らん. さをさせどそこひもしらぬわたつ海の探き心を君はしらなむ. しられ土. ︵観雑一︵歪八︶・家︵Ⅰ二五室七・Ⅲ二四︶︶. 石五五. 石五大. ︵劃︵六︶︶. ありけん土. ︵二︶︶. 以上二首. ︵九二七︶. あつたゞ朝臣. いせの海の千ひろの底もかぎりあれば深き心をなにゝたとへん. わたつみの続. ︵同. 石五七. ﹃後撰﹄恋五. ︵続後恋一︵六九五︶︶. ︻頭︼. ︵三夫. ながれ行身をし思へば大かたの海をみるにもうらみ絶せず. わたの底沖を深めてわが思ふ君にはあはむ年はへぬとも︶. 伊勢の海の千ひろの浜にひろふともいまはなにてふかひかあるべき. 云五九. ︻頭︼今按ずるに、﹁ながれてつたふ﹂にては意きこえず。﹁集ふ﹂なるべ. 千々の河ながれてつたふわたつみの水底ふかくおもふころかな. ︻頭︼契沖云﹁流罪の人のうたなるべし﹂。 一七六〇 つど し。. ﹃説文﹄云、﹁海天地也。以納二百川一着也﹂。 なは万・夫 けふり万・夫 ねて万・夫. あまのはら夫. 大海に島もあらなくに海原のたゆたふ波にたてるしら雲. わたつみに続. らず・塩条︵三人二重出︶. ︵矧三︵三五四︶日置少老・対雑一煙︵七九人ニ・又七浦︵喜二八︶よみ人し. 妻ハ一すまの浦に塩やくほのほ夕されば行過がてに山にたなびく. 妻三. 二七九︶ よみ人しらず︶. いづ家. 浦ごとに咲ちる彼の花みれば海には春もくれぬなりけり. つらゆき. ︵ガ七︵交九︶・線副雑中︵一六五四︶人丸・古本集︵Ⅱ一九〇︶・対維五言. 妄ハ三. 16.

(4) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一一一一一). ︵雲呑 下. ︵二ニ・家. ︵Ⅰ云空︶. 業平朝臣. 吏ハl些.わたつみのおきの塩瀬にながれても人のよるせも有てふものを. ﹃古今﹄恋四︵七〇七︶. ︵塩条 ︵壱九空 重出︶. 門頭︼. 大ぬさと名にこそたてれながれてもつひによるせはありてふものを わたつみのおきのしほせにながれても千とせの秋はあさばらへせん. ま▲力. 此うたを﹃貫之集﹄とて真淵はひかれたれど、流布本にも古写本にもみ けふも乃・夫. よみ人しらず︶. も家ナシ家. 伊勢. ︹伝未詳︺. 心して玉もはかれど袖ごとに光りみえぬはあまにぞ有ける ︵Ⅰ七?Ⅱ七二重ハ九︶︶. お万 ながのいきまろ. 大宮のうちまで聞ゆあびきすとあことゝのふるあまのよび声. ︵家. 壱ヒ二. 主義. ﹃童蒙抄﹄六云﹁﹁あこ﹂とはあみひく人をいふ云々﹂。. ︵矧三︵二丈︶長忌寸意吉麿・剋雉十五綱︵嘉二〇︶よみ人しらず︶ 門頭︼. しほがまの浦漕ぎつらむ舟の音はきしがごとくにきくはかなしな︶. なにはかた生る玉藻をかりそめの海士とぞ我は成ぬべらなる. ︵主意 主夫. ナシ万. ツ、アラス ハ ア マ ナラマシヲ. ︵三二〇五︶. なかノ\に君にこひずはひらの浦のあまとならましを玉も苅つゝ. ︵副雑上︵九云貫之・家︵Ⅰ七宝︶︶ 互⊥. 壱七七. ︵万十一︵云讐︶︶. テ. ﹃万葉﹄十二. オクレヰ. 門頭︼. 後屈而恋乍不有者田寵之浦乃海部有申尾珠藻苅々 たくなは. 門頭︼契沖云、﹁﹁たくなは﹂に二種あり。ひとつには、﹃神代紀﹄下云﹁即. 以▲千尋拷縄−結為二百八十紐﹂とみえたるものにて、古語に﹁樗角﹂. ﹁拷幡﹂などいへり。又ひとつには ﹁あまのたくなは﹂、是は豊朝臣の. ポて力. くほーリこそ万. ﹁あまのなはたき﹂とよめる、是也。海士が海に入時、腰につくるなは. 也。よくわきまふべし﹂。 をほしけくは万. たくなはの長き命のをしけれは絶ても人を見まほしみなり ︵七〇豊 巫部麻蘇娘子︶. ︵劃︵四囲八︶︶. いせの海の千尋たくなはくりかへし見てこそやまめ人のこゝろを. いせの海のあまのたく縄くりしあへは人にゆづらんと我思はなくに. ︵同国. 壱七八. 七会. 王七九. 壱七一あまをとめいさり焼火のおほゝしくみてし人して恋わたるらむ. ら力. ∵対雑五︵. なごの海のあさけのなごり今もかもいそのうらわにみだれてあらむ. えず。 越中. 妄︵五. あま. ︵ガ七 ︵ 三 菱 ︶ さり万. つぬのまつ原 お も ほ ゆ る か も 万. 朝なく海士の樟さす浦ふかみおよばぬ恋も我はするかな. ︵矧十七︵天九九︶︶. 壱七二. ︵新勅 恋 一 ︵ 大 蒜 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 粛 雑 十 七 ︵ 二 ハ 六 五 ニ ︶. よみ人しらず. 器盟﹃古今﹄恋五︵八一七︶ ︵Ⅰ四〇六・Ⅱ四五〇・Ⅲ四五〇︶. 関頭︼. あらをだをあらすきかへしノ\ても人のこゝろを見てこそやまめ. ﹃伊勢集﹄. 音にき く あ ま の 橋 立 は し だ て 、 下 同. 17.

(5) 伊 藤 一 男. しほ. ︻頭︼契沖云、﹁うしほとやくしほとをひとつに出せり﹂。. 一夫一なはの浦に塩焼ほのほ夕されば行過がてに山にたなびく. へかきみがわすれかねつる万・新. 山口の女わう︹伝未詳︺. カモ. 芦間より満くる塩のいやましに思ひはませどあはぬ君かな. べ万. ︵海条 ︵ 妄 ︵ ニ 己 出 ︶. 盲人二 ︵万l 四 ︵ 大 豆 ・ 謝 副 恋 五 ︵ ≡ 夫 ︶ ︶. 湊転ホ 満 来 塩 能 弥 益 二 恋 者 雄 剰 不 所 忘 鴨. かもあらん万・夫. いせの海士の塩やくけふり風をいたみおもはぬかたにたなびきにけり. ︻頭︼ ﹃ 万 葉 ﹄ 十 二 ︵ 三 一 五 九 ︶ ミナトワ ニ ミチクルシホノ イヤマサ シレドワスラエヌ. 一七人三 巳出︶ とよみょせてし万. うしまどの彼の塩さゐ島つゞき恋しき君に逢ずもあらなん. 備前. ︵第一 ︵ 七 人 九 ︶. 盲人四 ひヾ夫よられし夫. すまの浦に玉もかりほす海士衣袖みつしほのひる時やなき. ︵剤十 一 ︵ 二 七 三 ニ ・ 対 雑 五 嶋 ︵ 妄 〇 六 ︶ ︶. 盲人五. よそなから見ん新. 難波がたしほひ塩みち常なれば思ひおもはず見えぬるものを. ︵刻雑 十 五 衣 ︵ 妄 五 七 一 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 王八六. ﹃伊勢物語﹄. ︵一三七︶. ︵新副 恋 五 ︵ ナ シ ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ︻頭︼. いはまより生るみるめしつれなくてしほひしほみちかひもありなん いはず万・風. 一七会 けぶりにも馴やしぬらん年ふれば塩やくあまにとひもしてしか ますらをの万・風. ︵≡二九︶. よみ人しらず・﹃人丸集﹄. ︵Ⅰ一人八●旦一. 一夫人 荒汐のうつし心もわれはなしよるひる人をこひしわたれば ︵万十 一 ︵ 二 三 七 六 ︶ ・ 風 恋 五. 人六・Ⅲ三七五︶・刻雑十七優男︵一六七二六︶・第四︵一先人︶重出︶. 盲人九 石九〇. も万. なにはがた朝なくにみつしほのみちにこそみてかわくよもなし. あゆちがたしほひにけらしちたの浦に朝こぐ舟の沖による見ゆ. ︵ガ七︵三ハ三︶・剋雑七潟︵二条讐︶よみ人しらず︶. ︻頭︼契沖云、﹁あゆちがたは尾張の郡名にて、年魚潟、知多浦そこく. きえ古. の名所也。﹃八雲御抄﹄ に﹁紀伊﹂とのせさせ給へるは、よくも考へさ せ給はさりける也﹂。. 右九一わたつみの沖つ塩あひにうかぶ沫の絶ぬものからよるかたもなし. ︵一四︶. おしてるや難波の浦にやく塩のからくもわれは老にけるかな. ︵副雑上︵九豆よみ人しらず︶ みつ古. 右九二. ﹃和歌九品﹄. ︵同︵八九四︶︶. ︻頭︼. わくらはにとふ人あらば須磨の浦にもしほたれつゝわぶとこたへよ. 行平. あらしほのみつの塩あひに焼塩の下同. 一七九三. ︵同下︵突二︶・新捌︵三一五︶・古本﹃業平集﹄︵Ⅱ今工五五︶・古本﹃信明 ︵Ⅱ四三︶︶. すまの浦にしほやくほのほ夕されば行きすぎがてに山にたなびく︶. わたつみの沖の塩せに流れても人のよるせはありてふものを. 集﹄. ︵右九四. 壱九五. 己出︶. やまぐちの女わう. よみ人しらず. 塩竃のまへにうきたる浮島のうきて思ひのある世なりけり. しほがま. ︵海条︵一七六四︶. 右九大. ﹃古今﹄恋一︵五一三︶. ︵謝副恋五︵二二七九︶山口女王︶. ︻頭︼. 契沖云、﹁此女王のうた、﹃古今﹄﹃後撰﹄ともになくて、此本にのせた. あさなくたつ川ぎりの空にのみ下同. せり。 た と ひ. るはおほつかなきに、下旬のさま、此女王の比の体、にあらず。﹃万葉﹄. ︻頭︼契沖云、﹁此うた、﹃万葉﹄には﹁健男﹂とありて﹁マスラヲ﹂と訓. りとも、心もことに、かんなもたがへり。こゝに此うたを入たるは、大. をよくみる人しるべし。いはんや、次の歌はひたぶるに古体ならぬを、. ﹁健男﹂を﹁アラシヲ﹂とよみてあらきをのこといふ義な. きなる 誤 也 ﹂ 。. 18.

(6) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一一). ﹃続後 拾 ﹄. には、またつゞきの名にまがひてのせられたり。塩がまの起. りは、坂上田村麿鎮守府将軍にて下られしよりの事といふ説あれば、い よ′\お ぼ つ か な し ﹂ 。. ﹃朝野群戟﹄巻六式外神社進命御卜詔文云、﹁陸奥国浮島、塩竃、鳥海. わが思ふ心もしるくみちのくのちかの塩がま近づきにけり. 三箇社、 承 保 二 年 十 二 月 御 卜 坐 云 云 ﹂ 。. 壱九七. いせ rそふ袖. 袖. あま舟の通ひこしより塩がまのほのほいたます思ひつきにき. き袖. ︵楓観 恋 三 ︵ 八 三 ︶ 同 ︶. 壱九人 からきは人にあはぬなりけり続. きみもこひわたる栽. 陸奥の千賀の塩竃ちかながらはるけくのみもおもほゆるかな. ︵矧九︵≡ヒ︶︶. 云九九 ︵七三︶. よみ人しらず・袖 陸奥. うらこぐふねの宮・伊. わがせこを都ヘヤりて塩がまの籠の島のまつはくるしも. ︵続後 恋 二. 天00 ︵尉大歌 所 三 人 九 ︶ ︶. くは古∵袖. む万. そ古. 塩竃の浦こき、づらん舟の音はきゝしがごとぐ掛はかなしも. ︵Ⅰ完?竺九豊︶. 天〇一みちのくはいつこもあれどしほがまのまがきの嶋のつなで悲しも. さ二. ︵同︵岩 八 八 ︶ ・ 古 本 ﹃ 伊 勢 集 ﹄. ふねおとは仲 ﹂ 升 ヤ 伊. がいな力. ︵Ⅰ二手Ⅱ二亘竺三・矧︵≡ハ︶︶ ふね のみ万. 大船の思ひたえにしきみゆけば我は恋しなたゞにあふまでに. ︵﹃伊勢 集 ﹄. 夫≡. 人丸. へ. せ. 万. こモオキニモヨリカテマシヲ. ︵轟こ︶. な天. うまやぢに引船わたしたゞのりに妹がこゝろにのりてくるかも. はゆま万. ︵万七. 六〇六. もはれる乃・夫. 備後. ま方. ︵同十一︵二七覚︶・古本﹃人丸集﹄︵豊実︶・夫l雉三路︵九≡一︶人丸︶. 海士小舟ほかの花かとみるまでにともの浦わに波たてるみゆ. にすむ家. なりひら. なにはづをけふこそみつの浦ごとにこれや此よをうみわたる船. に. ︵ガ七︵云二︶・夫l雉七浦︵二讐○︶よみ人しらず︶. 丈〇七. 未完. Lまのみちにはてにけんかも. 夫十. ﹁高市歌一首﹂とあり。恐是高市黒人而非高市皇. たか. ︵楓雑三︵三関四︶・例︵≡二︶・家︵Ⅰ七九真二豊攣Ⅳ讐︶︶. 子﹂。 ともひて. とめ持. ほて万むかも方. 照月を雲なかくしそ島陰に我舟よせんとまりしらずも. ︵ガ九︵妄八︶・剋雉七湊︵一天八三︶。又十︵三l週闇讐︶. をば夫. あしりしてこぎ行舟は高島のあとの湊によりにけるかな. 万. 国頭︼真淵云、﹁﹃万葉﹄. 大完. 丈岩. ハテン. トマリシラズモ. ︵同︵室九︶春日蔵・繍刊希旅︵七七七︶よみ人しらず・﹃家持集﹄︵Ⅰ二委. ﹃万葉﹄七 ︵一二七四︶ タナビキサ ヨ. ・Ⅱ鵬六九︶︶. 門頭崗. 大葉山霞 蒙狭夜深而吾船将泊停不知文. 人まろ たむけガ. わたつみのいづれの神をいはゝばかゆくさもくさも舟の早けん ︵ガ九︵壱八四︶︶. 近江. 7不. ∵・∵. ︵同十一︵二ヒ笠・剋雉五嶋三妻七︶・又八津︵三雲主よみ入しらず︶. はぢしま 夫. 辺れ 毛の 奥神 毛依 ﹂勝 と益 は士 よめるなり﹂。 ・し二∴ 山 ノ. ふりにしをあさからぬやほ 夫. 契沖云、﹁住吉明神、知夫利の神等、皆海路を守る神也。されば﹁いづ. ハフリカ. 叩頭︼同十九 ︵四二四三︶ 多泊真人 ゴトトユクトク 住吉ホ伊都久祝之神言等行得毛来等毛船波早家無. 〓三. 吾情湯谷絶谷浮草. いでわれを人なとがめそ大ぶねのゆたのたゆたに物思ふころを. ︵矧四︵書○︶︶. 元〇四. ウキメナハ. ︵一三五五︶. ︵討恋一 ︵ 吾 八 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ﹃万葉﹄七. タユ. しま ガ. みなぎ恋おきつ小舟に風をいたみ舟よりかねつ心は思へど. らふ 万. ワガコ、 ロ ユ. 門頭︼. 未完. 19. も.

(7) 伊 藤 一 男. つのまろ. ︹伝未詳︺ はまにかへりぬ万. 風をいたみおきつ白波高からし海士の釣舟こぎかへるみゆ. うは清み沖へさし出るあま船の梶取まなくおもほゆるかも. ︵同三︵二九四︶・到雑二︵二〇九人︶よみ人しらず・釣条︵云二四︶重出︶ きこひもする万 こぎ万 に万. 丈一三. 丈這 ︵矧十一︵二重︵︶︶. ︵同七 ︵≡九〇︶︶. まもり万. なんこぐ万. たかちのくろ人︹伝未詳︺ へ夫. しはつ山打越くればかさぬひの島こぎかくる棚なし小舟. み万. ︵観恋 三 ︵ 七 七 九 ︶ ・ 家 ︵ Ⅰ 二 丘 四 七 ︶ ・ 新 例 ︵ 六 七 四 ︶ ︶. 心からうきたる舟にのりそめてひと日も波ぬれぬ日ぞなき. 小町︹伝未詳︺ にイ. 近江の海波おそろしみ風早みとしはやへんかさすとはなしに. かしこしと万. るを﹁ に は き よ し ﹂ と い ふ と ぞ ﹂ 。. ︻頭︼契沖云、﹁﹁には清み﹂とあるにしたがふべし。天気よくて海上静な. 丈妄. 重大. 大石. ︵却二 ︵ 二 七 二 ︶ ・ 副 大 歌 所 ∴ 岩 七 三 ︶ ・ 対 雑 二 山 ︵ 八 九 〇 二 ︶ ︶. ︻頭︼しはつ山、﹃類字名所集﹄﹃楢山拾葉﹄等には﹁豊後﹂とあり。契沖. ほのぐとあかしの浦の朝ぎりにしまかくれ行舟をしぞ思ふ. れよろし 。. 杢八. 人まろ. は三河といへり。﹃古事記伝﹄巻三十五に﹁摂津也﹂といはれたり。そ. 播磨. のうちにひとつもなし。後. ︵副帝旅︵四〇九︶よみ人しらず・新樹︵三四一︶・斜封︵四七︶・酬︵大望︶ ・州 ︵ 六 ︶ ・ ﹃ 人 丸 集 ﹄ ︵ Ⅰ 二 手 Ⅱ 三 二 言 六 三 ︶. ︻頭︼真 淵 云 、 ﹁ ﹁ ほ の く ﹂ と い ふ 詞 、 ﹃ 万 葉 ﹄ の人の う た な る こ と し る し ﹂ 。. 旧本﹃今昔物語﹄巻廿四小野豊被レ流二隠岐国山時読二和歌一語. 明石卜云所二行テ其夜宿テ、九月許ノ事ナリケレハ、明ボノニ不被蘇テ 詠メ居タルこ、船ノ嶋カクレヌルヲ見テ、哀卜思ヒテ如此ナム. ホノぐト下同. 杢九 水の江の浦嶋の子が釣舟もおなじ浦にぞ三とせこくてふ. 沙弥満誓︹伝未詳︺. トゾヨミテ泣ケル。コレハ隻ガ返テ語ルヲ聞テ言伝ヘタルト也。. いにしへの童は童. ︵対雑七浦︵≡四人︶よみ人しらず・劃︵四九三︶︶. J. ︻頭︼ ﹁うら嶋が子﹂ の事は第五帖にいへり。 に万 大船にあしほかりつゝしみゝにも妹がこゝろにのりにけるかも 一八二〇. ︵ガ十一︵二七四人︶︶. 一人二一世の中を何にたとへん朝い炉こきのあと現㍍射 かヘイ. ︵同三︵三五二満誓・掛哀傷︵三二七︶・剣到︵党︶︶. 白波の打こしこふる時にあはゞ底にしづめる舟もうきなん. 様にたちおきべをみれば藻刈舟あまこぎ出らしかもかける見ゆ. l八≡ 六≡. ︵矧七︵一二二七︶︶. さして行かたは湊の波高みうらみてかへるあまのつり船. ︻頭︼契沖云、﹁﹁藻刈舟﹂は﹁めかりぶね﹂とよむべし﹂。. 互画. ︵鮒尉恋五︵垂五︶よみ人しらず︶. 深養父. にさりける新. は寛・新・興みる古・寛・輿. ﹃格致鏡原﹄引二世本二云、﹁古者観二落葉鵬以造レ舟﹂。. つらゆき でうち土 追風の吹ぬるときはこぐ舟のほに出てこそうれしかりけれ. そへてよめり﹂。. ︻頭︼季吟云、﹁ものをよろこぶ時は手鼓などうつ事を、船の帆手うつに. ︵劃︵≡︶︶. 一人二六. の木のはしもちれるやうにぞ有ける﹂。. ﹃土佐日記﹄云、﹁みな人々のふねいづ。これをみれば、春のうみに秋. ︻頭︼. ︵副秋下︵三〇一︶興風・剋︵九七︶・観山州︵三四七︶・﹃興風集﹄︵Ⅰ六・Ⅱ三︶. ヽ. 20.

(8) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一一). 天嘉. 天天. かちおん. ︹藤原発生男︺. にいかん夫. しらなみの跡なきかたに行舟も風そたよりのしるべなりける ︵副恋一︵四七二〇. こぐ夫. 塩せ舟かたかけを舟ながるともいたくなわびそかぢ取ゆかん. ﹃窮恒集﹄. ︵Ⅳ四四・Ⅴ一七六︶. ︵剋雑 十 五 ︵ 芸 人 六 こ よ み 人 し ら ず ︶ 関頭︼. ひとみには海士の釣舟沖に出てつれもなぎさにこぎもよせなん. 無ヲカヌ. かたかけのふねにやのれる白波のたつはわびしくおもほゆるかな 未完 みさごゐるすにをる船の夕塩をまつらんよりは我こそ増め. かつきひめ夫. 夕去はかぢの音即断御車を舟沖つ㍍がりに鵜裂い㍍折夫. ︵ガ十一︵二八三一︶︶. 六書. 至. ﹃万葉﹄七. ︵一一五二︶ カリ二. ︵剋雑五海︵萱空︶人丸・古本集︵旦雪女九九︶・付雑三︵三二空︶︶ ︻頭︼ ホノカl山ス ナルアマヲ ト メ オキッメ. くる←自. 源よしたね妻. いせのうみの海士の釣なは打はへて恋しとのみや思ひわたらん. つり. 梶之音 曽 撃 贅 為 鳴 海 未 通 女 奥 藻 苅 ホ 舟 出 為 等 思 母. 室≡. ﹃拾遺﹄別︵三一七︶. ︵封恋 一 ︵ 五 一 〇 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ ︻頭︼. 伊勢の海につりするあまのきぬよりも我ぞ涙に袖はひちぬる. もろともにゆかぬ三河のやつはしはこひしとのみやおもひわたらん さ≡. 風をいたみおきつ白波高からしあまの釣舟まかり帰りぬ 己出︶. 未完 ︵舟条 ± 八 三 ︶. 退出而. マカリデテ. 遊船ホ披云云. ︵二五七︶鴨君足人が長歌に、. 大宮人乃. 門頭︼﹃ 万 葉 ﹄ 三 シキ. 百様城 之. いそ馴るあまの釣縄うちはへてくるしくも有か殊に逢ずて 思ひて方. 天嘉. ふねのつな万. しかのあまの釣するを舟うけたえず心におもひ出てきにけり. 筑前. 基宍. ︵ガ七 〓 望 ︶ ・ 戴 雑 十 七 海 ︵ 二 ハ 六 五 二 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 門頭︼. うら古. ﹃和名抄﹄漁釣具云、﹁﹃蒋紡切駒﹄云、法子︹﹃漢語抄﹄字介︺、釣別. いかり. 古本﹃人丸集﹄ ︵Ⅱ吉丁Ⅲ讐二︶︶ に万 かくれて万. ぞ万. 大ぶねのたゆたふ海に碇おろしいかにしてかも我恋やまん. 名也﹂。. 人同. ︵二四讐︶︶. の夫・家本. りにとヾ夫・家. おひ風にかぜはなほりて吹ぬともあまりいかにともまりやせん. いせ. 近江の海おきこぐ舟のいかりおろし忍びし君がことまつ我を. ︵同十一︵⋮. 山仝七. 云元. 末完. ︵対雑十五船︵妻七一︶・又十七海人︵二ハ六五二︶よみ人しらず・家︵Ⅰ妻. はま夫. ︵妄九壷︶. いとへども猶すみの江のうらにほすあみのめしげき恋もする哉. あみ. 女喜卓九八︶︶. 天l週○. よみ人しらず・刻維十五. ﹃散木集﹄恋上 ︵Ⅰ一〇七人︶. ︵新勅恋一︵墓二︶ ︻頭︼. そあ夫. あま舟のへにくりつめる網のめはつらき心のかずにざりける. ︵ガ十一︵二〇四六︶・同︵云竺豊︶. 住吉の津守のあびき釣のをのうかびかゆかん恋つゝあらずは. あびきのうけの万. おもはんとたのめしことはあみのめにたまらぬ風のこゝちなりけり 天竺. 天竺. ﹁鯉﹂は恋より出し名也。﹃書紀﹄景行紀に、天皇、泳宮の他に鯉を. ︵対雉十五船︵妄八九二︶よみ人しらず︶. 門頭︼. はなち給ふ。弟媛そをみんとて蜜かに来させ給ふを則留て通じ給ひし事. 鯉恋ヲカヌ. 逢ことのかたよせにするあみのめにいはけなきまでこひかゝりぬる. ひく童. あり。そのふる事によりて﹁鯉﹂と名づけしとぞ。 天竺. なのりそ. ﹃和名抄﹄海薬類云、﹁﹃本朝式﹄云、莫鳴菜︹奈々里曽、﹃漢語抄﹄. ︵剋︵貰吾︶. 門頭︼. 21.

(9) 伊 藤 一 男. 云、神馬藻、二字云二奈乃里曽∴今按本又未レ詳。但神馬莫レ騎之義 也︺。 ﹃書紀 ﹄ 允 恭 紀 、 ﹁ 衣 通 郎 姫 歌 ︵ 六 人 ︶ 之 日 、. 等虚辞陪迩棋弥母阿閉榔毛異舎健等利手弥能披摩毛能余留等棋等棋弘. 夫. いもにあはぬか. 赤. 時天皇謂二衣通郎姫一日、﹁是歌不レ可レ聡t一他人一皇后聞必大恨﹂。故時人号二. なはとる. ざらめやも夫. 梓弓ひきつのへなるなのりその花さくまでに逢ぬ君かも. 浜藻完 聞 二 奈 能 利 曽 毛 也 云 云 ﹂ 。 筑 前 へにある夫. 天四l四. 雑八 津 ︵ ≡ 〇 二 九 ︶. 人丸︶. も拾. 紫のなだかの浦のなのりその儀になびかん時まつわれは. よしなはのらじ万十二. みさごゐる荒様に生るなのりそのわがなつげそよおやはしるとも. あかひと なのりはのらせ万. ︵ガ十︵妄豆・﹃赤人集﹄︵Ⅰ≡㌻Ⅱ九二︶・﹃猿丸集﹄︵土六・Ⅲ垂・刻. 一人望. 天四大. ︵ガ三︵三六二︶・又十二 ︵三〇九七︶︶. 紀伊を万・夫. みぎは拾. もかりぶね今ぞなぎさにきよすなる芦べのたつの声さわぐ也. 藻. ︵同七︵一三九六︶・刻雑七浦︵一芸一人︶︶. 天四七. よみ人しらず︶. ︵三七五七︶. 中臣宅守. ︵一二〇九︶よみ人しらず・剋雑七浦︵一芸一. 紫のな高の浦のなびきもの心は殊によりにしものを. ︵掛雑 上 ︵ 四 大 五 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 一人四人. 九︶. ﹃万葉﹄十五. ︵万十 一 ︵ 二 七 人 〇 ︶ ・ 新 刊 恋 二. ︻頭︼. 安我未許曽世伎夜麻許要氏許巳ホ安良米許己呂波伊毛ホ与里ホ之母能乎 にイ. 人しれぬ恋のくるしさもかり舟みなと入江にたつぞ鳴なる ばく新. 一人党. 路. 万三・新・夫. いくよしもあらじ我身をなぞもかく海士のかるもの思ひみだるゝ. 淡. ふねちかづきぬ われは万十五. 大五〇. 万三. ︵副雑 下 ︵ 九 三 四 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 鮒 樹 ︵ 二 ≡ ︶ ︶ みぬめ. をとめ万十五. ︵蚕l二︵二吾︶人丸・又十五︵三六〇六︶・新前村落旅︵七五九︶・剋雑十︵≡一四. 天空. ○︶︶. ﹃万葉﹄十七 ︵三九九四︶. 大伴地主. しら彼のよせつる玉もよのまにも君を見すてはいもねかねつも. ︻頭︼. どか、るみるめはかづかぎりしを後・家. いせの海に年へてすみしあまなればいづれのもかはかづき残せる. 伊勢. 之良奈美能与世久流多麻毛余能安比太母都芸底民仁許武吉欲伎波麻備乎. 一人空. ﹃赤染衛門集﹄ ︵Ⅰ三六二・Ⅱ三七七︶. ︵繊維四︵≡七九︶・家︵Ⅰ二幸Ⅱ二重Ⅲ二二ニ・刻雉十七海人︵一六六五九︶︶. ︻頭︼. べなき万. わたのそこ沖をふかめて生るものいとゝいましそ恋はすらし鳥. も万こ万. わたつみの年ふるあまの身なれどもかゝるうれしきめはみざりけり 一人五四. ︵矧十一︵二七人ニ︶. 万. この. 方. しほ. 万. 夫. よする玉もに新 大五五 いはみがたうらみぞふかき神津波打よするもにうづもるゝみは. ゆげのわうじ. ころかな拾. 夕去ば塩みちきなん住のえのあさかの浦に玉もかりてな. さら万. 風早みおきの玉ものくりかへしなみのよるしも何さわきけむ. ︵新矧恋一︵六三二︶よみ人しらず︶. 一人五六. 丈五七. 人まろ. ︵≡︶・対雑七浦︵≡ハ妄︶︶. に. てな. 水底におふるたまもの打なびき心をよせてこふるこのごろ. ︵ガ二. 一人天. 万. おきつ波ふかまくしらずあら海の朝けの舟にたまもかりかね. と. ︵同十一︵二四人二︶・拾恋一︵盃○︶・家︵Ⅰ一人二・Ⅱ四一七・Ⅲ三二六︶︶. 天五九. 小野老朝臣. の. 万. はあらずて. 万. ︵同七︵一重︶・刻雑一風︵七七四二︶・又五海︵萱二七二︶よみ人しらず︶ ︻頭︼ ﹃万葉﹄六︵九五人︶ トキッフクベク カタ. 万. あるらん万. 荒礁こす波はおそろししかすかに海の玉もはにくゝやはあらぬ. かしこし. 時風応吹成奴香椎滴潮干浦ホ玉藻苅而名 茎ハ○. る万. 玉藻かるとしまを過て夏草の野島が崎に慮するわれ ︵同︵一三九七︶︶. 茎ハ一けふもかもおきつ玉もは白波のやへをりがうへに乱てをあらん. 一人至. 万. 22.

(10) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一−一). ︵同︵二矢︶︶. 門頭︼契沖云、﹁﹁八重﹂は、大海を﹁八重の塩路﹂といふ意也。彼のいく. へともなくかさなるをいふ。﹁彼のをる﹂といふは、打よせてかへりく する体也 ﹂ 。. なこ万. は興. そ興. 茎ハニ雨はふるかりほはつくるいつの間にあまのしほひに玉もひろはむ ︵同︵三高︶︶. 見るめ に興はへ興. 白波ををりかけあまのこぐ舟は命にかふるみるめかりにか. おほろげのあまやはかづくいせの海の波高き浦に生るみるめは. て、仮字にて ﹁そこにあれたる云々﹂と書改めたるなるべし。. 董ハ八. カヅクテファハヒノカヒ. カタモヒ. いせの海の朝な夕なにかづくてふみるめに人をあくよしもがな. あま吉. ︵観恋五︵八九二︶伊勢・家︵Ⅰ讐㌻晶票垂八七︶︶. 元六九. ﹃万葉﹄十一︵二七九人︶ ナ ア マ ナ. ︵副恋四︵六人三︶よみ人しらず︶. 門頭︼. 和布ヲカヌ. 白波は立さわぐともこりずまの浦のみるめはからんとぞ思ふ. 伊勢乃白水郎之朝魚夕菜ホ 潜云鰻月之独念荷指夫 天七〇. ︵新l副恋五︵一四三四︶よみ人しらず︶. 六七一白波のをりノ\ありてくる人はあまのかるてふめづらしき哉. おきつ波打よするもに痘してゆくへさだめぬわれからぞこは つるかな拾. 六七三. 君は猶うらみられけりあまのかるもにすむ虫の名をわすれつ. シ. テ. 内侍のすけきよい子︹﹃古今﹄を正しとすべし︺. 海士のかるもにすむ虫のわれからとねをこそなかめ世をばうらみじ. ︵宵恋五︵八〇七︶典侍藤原直子朝臣・鮒執︵蚕︶・例︵三〇︶︶. 六七五. ︵矧恋五︵九八六︶開院大君︶. を放. 天七四. 也。こゝには要をつみて書つく。. て、われからとはか、る貝ぞなどいふ論なかるべし云々﹂。猶本文に詳. のがものからねなく﹂といへるがごとし。かくみる時は、憶なる護文有. かの調進の魚をいふ。﹁われからとねをこそなかめ﹂とは、彼諺に﹁お. の歌は此説によりてよめるなるべし。﹁あまのかるもにすむ虫﹂とは、. ﹃仁徳紀﹄に、﹁故諺日、有海人耶因己物以泣其是縁也云々﹂。﹃古今﹄. アマナレヤオノカモノカラネナク. 等の説、たしかならず。今こゝろみに﹃僻案﹄ の釈をいはん。. ︻頭≡久保之取蛇尾﹄上云、﹁﹃顕注﹄﹃八雲御抄﹄﹃色葉和整﹃余材抄﹄. われから. ︵副恋五︵七重︶よみ人しらず︶. うきめのみうきてみだるゝ浦なればかりにのみこそあまはよるらめ. だにイ. しらず︶. 天七二. ︵Ⅰ三〇・Ⅲ五三︶. 友則. 夜ヲカヌ. おひ古なが占. 大かたはわが名も湊こぎ出なん人をみるめも奥にこそかれ. よをうみべたにみるめすくなし古. ︵楓観掛雑中︵≡五︶・﹃興風集﹄︵Ⅰ二九泉こ・剋雑十︵三六完︶よみ人. 天六三. 大志. ﹃素性集﹄. ︵副恋 三 ︵ 六 大 九 ︶ よ み 人 し ら ず ︶ 関頭︼. ︵五九五︶. たよりなくなき名は沖にこぎ出なんよるべたもとにみるかひもなし ﹃古今 ﹄ 恋 二. ものゝべのよしな. たきつせのうづまきごとにとゞむれど猶もとめつるよのうきめ哉. 素性. しきたへの枕のしたに海はあれど人をみるめはおひずぞありける. 裏ハ五 門頭︼同 維 下 ︵ 九 五 五 ︶. ふかやぶ 昼ヲカヌをイ・古 壱岐. みつ塩のながれひるまもあひがたみみるめの浦によるをこそまて. よのうきめみえぬ山路へいらんにはおもふ人こそほだしなりけれ. 董ハ六. とせかきてそ夫. の字は、. わたつみの底にあれたるみるめをばみふねこぎてぞあまはかるてふ. かみのいほへる尖. ︵剖恋三︵六六五︶︶. 茎ハ七. ︵戴雑 十 ≡ 至 ○ ︶ よ み 人 し ら ず ︶ 門頭︼此うた、﹁そこに生たるみるめをば﹂とありけんを、﹁生﹂ アレマス ミ ア レ. 生坐、御生などの時、﹁あれ﹂ともよめば、しかよむが古言ぞと心得. 23.

(11) 伊 藤 一 男. 一人七六. ゝつら. わかの浦に若めかりほす我をみて沖こぐ舟の過がてにする も拾・大. もひいるらん夫. 君なくてあしかりけりと思ふにはいとゞ難波の浦ぞ住うき. 芦ヲカヌ. ︵刻雑 七 ︵ 〓 四 望 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 元七七 紀伊. ︵掛雑 下 ︵ 五 四 〇 ︶ ・ 対 ︵ 二 男 ︶ ︶. みくまのゝ浦の松原みがくれてねはひとつにやおひそはるらん. つの く に の 拾 摂 律 い け 拾 つらき給 天七九 風ふけばいくたの浦のいくたびかあるゝ心を我にみすらん. ︵刻雑 十 一 松 ︵ 三 七 五 七 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 天七人. ぞ拾 人古本 ︵樹恋四︵八八四︶よみ人しらず・古本﹃伊勢集﹄︵Ⅰ三八八立二九二︶︶ 貫之. を古・家の古. 生の浦におふる玉ものかり初にあまとぞわれは成ぬべらなる. なに は が た 古 ・ 家. 一八八〇 ︵副雑上︵九一大︶・家︵Ⅰ七七五︶︶. よみ人しらず. 一人八一あはでのみ思へばくるしありそ海のうらみやせましかひはなくとも ︵九人二︶. 塩がまのうらとはなしに君こふる煙たえずも成にけるかな. 尾張. 和泉. みくまのゝうらよりをちにこぐ舟の我をばよそにへだてつる哉. いせ. いかでわれ心をだにもやりてしかとほくなるみのうらみがてらに. ︵楓観掛恋二︵七三七︶よみ人しらず︶. 天人六. 完全. 一人八八. らんとおもはゞ後・家. ちくる家. もしほやくあまのたく火のもえざらば吹飯の浦をけふみましやは. ︵新古恋一︵;四人︶・家︵Ⅰ天○●豊八甲Ⅲ四三〇︶︶. 天人九. 我恋をしる人あらば田子の浦にたつらん浪の数をかぞへよ. を新. 夕月夜おぼつかなきを玉くしげふたみの浦は明てこそみめ. てばこ新. 中納言兼輔. ︵観恋二︵六三〇︶輿風・家︵Ⅰ七三室三︶︶. 一人九〇. 大空. ︵副帝旅︵四云・前掛︵一人四︶・家︵Ⅰ九?Ⅱ一大九︶・州︵六大︶︶. ︻頭︼契沖云、﹁ふたみの浦、伊勢に同名あり。こゝは播磨也。﹃古今﹄の. 肥後. ゆ万. はし書に、﹁但馬の湯へまかりける時に、ふたみのうらといふ所にとま. ﹃拾遺﹄恋五. し万. あらきたの野坂の浦に舟出してみしまにゆかん波たつなゆめ. ひとまろ ︹イ︺. わぎもこが拾あか万十五・拾. おふのうらに舟のりすらんをとめ子が玉ものすそにしほみつらんか. あみ万一. あこ万十五・夫. ﹃人丸集﹄. 貝. ︵一六九二︶︶. ︵Ⅰ三六︶. 紀伊. 我恋る殊にあはさず玉の浦に衣かたしき独かもねむ ︵同九. 天九四. 七︶ともあるは、ひとつうたのすこしかはりたる也。. とも、また﹁すまのうらに云々赤ものすそにしほやみつらん﹂︵Ⅰ五. みをうみに舟のりすらんつまどもにたもとのすそに塩みちぬらんかも. ︻頭︼. ︵ガ一︵笠・又十五︵三六豆・矧雑上︵軍一︶・家︵Ⅲ七三五︶・刻雑七︵二六〇六︶︶. 天九三. ︵却二︵二四六︶長田王・剋雑七︵≡五三︶よみ人しらず︶. 丈九二. ︻頭︼. 小弁 は万. りて云々﹂とみゆ。是伊勢ならぬ謹也﹂。. なとを万. で伊・夫. うれ伊. たかしまのあとのみづうみ漕過て塩つすか浦今かこぐらん. 近江. あふみなる打出のはまのうちいでゝうらみやせまし人のこゝろを. 丈八二 しりのうみを夫 な伊. 来てみればなごのうらまによる目ハのひろひもあへず君ぞ恋しき. ︵ガ九 ︵ 童 画 ︶ ・ 剋 雑 七 ︵ 二 大 九 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 天人三 摂津. なみたてるみゆ万・イ. あまのすむ浦こぐ舟の梶をなみ世をうみ渡る我ぞかなしき. こまち. ︵﹃伊勢集﹄︵Ⅰ三七九・旦二八三●エ四二九︶・付恋三︵二三〇一︶・剋雑七︵二五〇二︶︶. 一八八四. ふ夫さか夫. いなびのは行過ぬらしあまづたひひかさの浦にあまづたひみゆ. 播磨 み 万. ︵後l雑一≡九〇︶・家︵Ⅰ三三・Ⅲ五三︶︶. 天人五. ︵方七 ︵ ≡ 八 ︶ ・ 夫 l 雑 七 ︵ ≡ 豆 よ み 人 し ら ず ︶ ︻頭︼契沖云、﹁こゝのごとく﹁あまづたひ﹂とよむべし。﹁ひかさ﹂は日 華の義な り ﹂ 。. 24.

(12) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一一). 天九五. いせの海にあまのとるてふ忘月わすれにけらし君もきまさず. 坂上のらう女 いとま万・捨. て方・拾. よする波打もよせなんわがこふる人忘がひおりてひろはん. つらゆき. ︵楓観 掛 恋 五 ︵ 九 人 囚 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 刻 雑 九 ︵ 喜 七 七 ︶ ︶. 一人突. に万るも拾. わがせこをこふればくるし海ならばひろひにゆかん恋わすれ月. ︵土l︵四ニ︶. 天九七 ︵矧六 ︵ 九 盃 ︶ ・ 掛 雑 恋 ︵ 三 望 ︶ ︶ ︵Ⅳ三四・Ⅴ三二︶. 完〇四 ﹃清正集﹄. ︵六七︶. 我のみやあだ名はたつと様に出て渚をみれば波も立けり. 門頭︼. つれもなき人にまけじとせしほどにわれもあだ名はたちぞしにける. 草陰のあらゐが崎のかさ嶋を見つゝや君がひとりこゆ. あふことのなぎさに身をしなしつれば袖も涙にぬれぬ日ぞなき. 完〇六. ︵一七三〇︶ 手合卿歌 ミツ、ヤガ コユ. ︵三完二︶・﹃家持集﹄︵Ⅰ二至・Ⅱ二︵六︶・剋雑五言讐三︶よみ人. 武蔵の方・持・夫か万やまぢ万・持. 完〇五 しま. ︵ガ十二 しらず︶. ﹃万葉﹄九. 雑七. つがるのはまの と. ぞおもふ ヒ. 肥後 き後 一九〇七 まれなれどあだ名は立ぬたはれ鴫よる白波をぬれぎぬにして. わかるとおもへば. わかるれど別れとおもはずいではなるつるがの島の経じと思へば. 門頭︼. ﹁いではなる﹂とあれば、﹃夫木﹄に﹁つがるのはま﹂とある、正. 一本わかれの島 ︵剋雑五言四九三︶・又七浜︵二七盃︶よみ人しらず︶. 完〇八. ︵観雄一︵一喜︶︶. め後・イ. シナイハタ. 門頭︼. ﹃みつね集﹄. 門頭︼. つらゆき. れば新. し。つるがは越前なれば、国たがへり。. 難波がたしほみちくらし海士衣たみのゝ島にたづ鳴わたる. ﹃袖中抄﹄巻十人云、﹁﹁むろのやしま﹂とは、下野国の野中に鴫. ︵楓封恋一三四三よみ人しらず・剋雉︵萱党七︶︶. しもつけや室の八島に立けふり思ひありとも今こそはしれ. ︵副雑上︵九主よみ人しらず・新劇︵二重・矧︶. 完〇九. 完二. ︵観恋三︵七型ニ︶. あな恋し行てや見まし紀の国に今もありてふうらのはつ島. 戒仙法師︹伝未詳︺ 津後・イ. の出るけのたつが、けぶりに似たる也云々﹂。. あり。俗はむろの八嶋とぞいふ。﹁むろ﹂は所の名欺。その野中に清水. 門頭︼. 垂○. おほえのあさつな︹従四位下玉淵男︺. 山品乃石田乃小野之母蘇原見乍哉公之山道越良牟. よる万・新. いとまあらばひろひてゆかん住吉の岸にありてふ恋忘れ貝. 人丸. 伊勢の海の渚によするうつせ貝むなしたのみによせつくしつゝ. わたつみの被うちやまば浜にいでゝひろひもおかんこひわすれがひ ス九人. 大九九. ︵一一二︶. ︵ガ七︵三豊︶・新鮒動雑四︵≡七九︶よみ人しらず・古本集︵旦九九︶・剋 雑九 ︵一三〇蓋︶︶. 門頭︼﹃ 古 今 ﹄ す み け し. 有様海のうらめしくこそおもほゆれかたかひをのみ人のひろへば. みつね. みちしらばつみにもゆかんすみよしのきしに生てふこひわす革. 完00 叩頭︼ ﹃出観集﹄ ︵七一〇︶. め万・夫. 見るめをばともにたづねてかたかひのあはでうらノ\いくよねぬらん うら夫. 完〇一任吉のはまによるてふうつせがひみなきこともて我恋むやも ︵ガ十 一 ︵ 二 七 九 七 ︶ ・ 粛 雉 七 浦 ︵ 二 八 葺 ︶ じ万・新る新. きの国のあくらの浜のわすれ日ハわれは忘れず年はふれども. 白波の立かへりくる心かな今はなぎさによせんともせず. なぎさ. へぬ万 ︵同︵二七九五︶・謝抽悪因︵≡ハ四︶よみ人しらず・戴雑七浦︵二八闘七︶︶. 完〇二. 完≡. 25.

(13) 伊 藤 一 男. 完≡. 陸奥にありといふなるまつ鴫のまつに久しくとはぬ君かな. 白たへの波うちかへしあま衣から嶋にきてぬれやわたらん. ユノらイ. ︵楓古 l 恋 四 ︵ 一 二 九 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 元一三. り○. なきわたる初. わたつみのかざしにさせる白妙の波もてゆへる淡路島みむ. やま古. ︻頭︼衣のえんあれば、イに﹁うら嶋﹂とある、よろし。うら嶋は丹後な. 室四 紀伊. もかり舟おきこぎくらし妹が島かたみの浦にたづかけるみゆ. ︵副雑 上 ︵ 九 三 よ み 人 し ら ず ︶. 一九妄. われは夫. ︵ガ七︵一一九九︶・矧矧雑四︵≡毛︶よみ人しらず・対雑五︵一〇凹二八︶. こ、ろ夫. よそに見しとこよの島のふた所ありとし聞ばさらに頼まず. ら夫. 又七浦︵一遍四六︶・袖︵二六五︶︶. 一九一大. こゝにいへる﹁とこよの嶋﹂は蓬莱をさしていへるか。﹃書紀﹄雄. ︵夫l 雑 五 ︵ ; 四 三 四 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. ︻頭︼. 略紀に﹁蓬莱﹂を﹁トコヨ﹂とよめり。﹁とこよ﹂といふ名義は、﹃古事 記伝﹄ 巻 八 に く は し く み ゝ ㌃ た り 。 貫之. きかな夫. 摂津 雨によりたみのゝ嶋をけふ行ば名にはかくれぬ物にぞ有ける. 播磨. ︵対雑 七 ︵ 三 四 三 ︶ よ み 人 し ら ず ・ 河 明 石 ︵ 芸 三 ︶ ︶ 紀伊. もとせに夫. 但馬なる雪の白浜もろせにと思ひしものを人のとやみん. ︵同︵二八二八︶︶. よそなりし思ひふき上の浜にほすみるめはかたき物にざりける. ぞあ夫. 思ひくれなげきあかしの浜によるみるめすくなくなりぬべらなり. はま. ︵第一︵四六五︶ 己出︶. 一九右. 垂人. 垂九. 完云. よせに柾 ︵同︵ 二 八 五 四 ︶ ・ ︵ 第 二 ︵ 一 二 七 讐 己 出 ︶ ︶ のみやは夫 駿河. 妄一一うと浜のうとくてのみやよをばへん彼のよるく逢みてしがな ︵新l 封 恋 一 ≡ 五 こ よ み 人 し ら ず ︶. 妄≡. ﹃伊勢物語﹄ ︵九九︶. ひたぶるに思ひなはてそ人しれず思ふ心はありそ海の浜. ︻頭︼. 人まろ. いかでかは鳥のなくらん人しれずおもふ心はまだよふかきに. ︵≡一︶ 巳出︶. 我せこがあかもぬらして植し田をかりてをさめんくらなしの浜. 妄一五. 住吉のおきつ白波風ふけばきよすの浜をみれは清しも. ︵掛恋五︵九八八︶よみ人しらず︶. 一九二四 こひわびぬ悲しきこともなぐさめんいづれなかすの浜べなるらん. ︵第二. 一九二三. 摂津. る万. ︵ガ七︵二芙︶・古本﹃人丸集﹄︵旦一〇一︶︶. し。. 妄天. 赤人 ら万 ますらをはみかりにたゝしをとめ子は赤もすそひく清き浜べを. ︻頭︼きよすの浜、名所にあらず。﹃万葉﹄ に﹁きよする浜﹂とある、正. び万. きの国の吹上の浜もある物をしづみはてぬと何なげくらん. ︵万−六︵一室︶︶. 一九二七. 浜千鳥 え統 なにはづに我まつ舟は漕くらしみつの浜べに千鳥鳴なり. 慰ヲカヌ. ︵六三五︶. よみ人しらず. 声をだにきけばなぐさの浜千鳥ふるす忘れず常に聞こよ. 紀伊. ︵楓観冬︵四九七︶よみ人しらず︶. 一九二八. 妄元. ﹃後撰﹄恋二. ︵対冬二︵天党︶よみ人しらず︶ ︻頭︼. あさたゞ ︹三条右大臣走方男︺ え後・続・家し家 かへる家 白波の立よる浦の浜千鳥あとやたづぬるしるべなるらん うち出るはま後. ・跡みれば心なぐさのはま千どりいまは声こそきかまほしけれ. 一九三〇. ﹃古今﹄序云、﹁まさきのかづら長くつたはり、鳥の跡久しくとゞま. ︵衡恋四︵八二八︶・楓楓恋五︵一三八一︶・家︵Ⅰ二ハ・Ⅱ二人︶︶. ︻頭︼. 26.

(14) 『古今和歌六帖標注』翻刻(−一一). よもすがらね覚てきけばかみつせに心もしのに鳴ちどりかな. ︵対冬 二 ︵ 六 九 重 ・ 又 雑 七 ︵ 三 雲 主 よ み 人 し ら ず ︶. 我恋は翫だのうらのはま千鳥をはにもれ君がみゆ射揖. らば云々 ﹂ 。. 完享 萎≡ ︵エ本︶. 八十嶋のうらに跡ふむ浜千鳥君はありとぞ思ひけらしな. 人まろ. 門頭︼﹁よもすがら﹂のうたは諸本になし。今工本にておぎなへり。 出羽 ばかり童. 萎三. はまゆふ. ﹃筆のすさび﹄上云、﹁橘泰云、はまゆふ、是は一名浜おもとともい. ︵劃︵七莞︶︶. 叩頭︼. ふ。﹃広東新語﹄に載る所の文殊蘭也。芭蕉に似て、極て小なり。くき いくへとなく重り、花は夏の末より秋にいたりて開く。極て潔白也。紀 州熊野の浦に多く生ず。花盛の時は、白木綿をみるがごとし。よりては. 茎臨. まゆふと 名 づ く 云 々 ﹂ 。 あれ兼あはぬ き み か な 兼. かさね兼 みくまのゝ浦の浜ゆふもゝへなる心は思へどたゞにあはぬかも す万. ︵万四. ハル. 門頭︼ クマキ. ︵天六︶ 門部連右足︶. ﹃万葉﹄十︵一九一二︶ クナチモヰテモ. /\. 近江. カマこ. なか万. 霊寸春吾山之於林立霞雄立錐座君之随意. 思ひつゝくれどきかねつみをが崎まかなのうらを又かへりみつ ︵妄三 碁師︶. いそ. こゆるぎの積立ならしいそなつむめざしぬらすな沖にをれなみ. よろ童. ︵対雑八︵三二冠︶よみ人しらず︶. なみのたつ清見が暗にゐる千鳥誰見よとてか跡のさやけき. 駿河. ︵同七︵≡豆・矧矧維四︵≡二ハ︶よみ人しらず︶. 妹がため玉をひろふときの国のゆらのみさきに此日くらしつ. ︵同九. 完四〇. 完讐. 完讐. 完讐. ︵副大歌所三岳︶・劃︵二人○︶︶. ﹃袖中抄﹄巻二云、﹁﹁めざし﹂とは女のわらはなり﹂。. としゆき. や古二荻相模ろ占. ︵八九豊・家︵三︶︶. 玉だれのこがめはいづらこゆるぎの犠の被わけ沖に出にけり. 門頭︼. 完琶. ︵同雑上. 門頭︼. ︵ガ四︵覚六︶・拾恋一︵大矢︶・家︵車掌六壷云ニ・﹃兼輔集﹄︵Ⅰ天 ■旦 六 二 畠 七 ● Ⅳ 六 九 ︶ ・ 剋 雉 十 三 妄 盃 ︶ ︶. 多方多礼乃乎加女乎奈加仁須恵天阿流之者毛也佐加奈末幾二佐加奈止利. わが思へるきみ万. 完署. 完讐. 姦五. ︵封︵二三︶. のかずしらダ. つらゆき. 忠琴. 力. 新. も家も後. ナシ万. 大海にたつらんなみは今もあらん君こふらくはやむ時もなし. まもあらんに新に万∴桝. あひだあらん. や家 ︵観恋三︵七二豊みつね・﹃窮恒集﹄︵旦杢●Ⅳ叫二七史実︶︶. 君をおもふ心は人にこゆるぎの犠の玉藻や今はからまし. を後. 風のよる浪の様には鷺の呑もえしらぬ花のみぞ咲. も十ん. 仁己由流木乃伊曽乃和加女加利阿介二云云. ﹃催馬楽﹄風俗歌云. みくまのゝうらのはまゆふいくかさね我より人をおもひますらん. 恩ひます人しなければみくまのゝ浦の浜ゆふかさねだになし. 完歪. 垂天. いとゞしくうきみくまのゝはまゆふにかさねて物なおもはせそ君. ︵劃︵ 六 笠 ・ 凰 ︵ 二 三 ︶ ︶. 完云. み熊野のうらの浜木綿いくへともわれをば人の思ひへだつる. 身ヲカヌ. 重大. ︵Ⅰ三人〇・旦二八四・Ⅲ四三〇︶. ︵第五 ︵二六三豊重出︶. 叩頭︼﹃ 伊 勢 集 ﹄. す万. みさきまひ荒磯によるいほへなみたちてもゐても君をしぞ思ふ. さき の芳. みくまのゝうらよりをちにこぐふねのわれをばよそにへだてつるかな. 萎禿. 27.

(15) 伊 藤 一 男. よしもとすとも万. 住吉の岸に家もがおきにへによする白波見つ、忍ばん. 人まろ. うちよする浦波みれば我恋のつきぬ数こそまづしられけれ. 貫之. し新 ︵ガ十 一 ︵ 二 七 竺 ︶ ・ 謝 刊 恋 二 ︵ 三 〇 三 ︶ よ み 人 し ら ず ︶. 完四八 ︵家︵Ⅰ六霊︶︶. こ、ろを集お も 万 ・ 菓 一 九 四 九 がも万 ︵一芸○︶・古本集︵旦喜︶︶. 近江. あられふるとほつおほ浦による彼のたとひよるともにくからなくに. ︵万七. 一九吾 ︵同十一︵二七二九︶︶. ち土. ︵八二〇︶. 葛井大夫. 完五一たてばたつゐればまたゐる吹風と波とはおもふどちにや有らむ. ﹃万葉﹄五. ︵劃︵天︶︶. ︻頭︼. よりくる万. しきよしも万. まちつけてもろともにこそかへるもの波よりさきに人のたつらん. 烏梅能波奈伊麻佐可利奈理恵母布度知加射之ホ斯弓奈伊麻佐可利奈理 完五二 がね万. 住吉の岸の松ねを打さらしきよする波の音のさやけさ. ︵﹃貫之集﹄ ︵Ⅰ三七六︶︶. 完五三. もとかた ひと古. 完五大. 伊勢 きしにゐて後. 克夫. はなし万. 住吉の岸にむかへる淡路島あはれと君をいはぬ日ぞなき. ︵ガ十二︵三完七︶・掛恋五︵九二大︶人丸・対雑五嶋︵一〇五芙︶︶. みをつくし. ︻頭︼真淵云、﹁此うた、波なし、不審﹂。. ︻頭︼ 求去云云﹂。. ﹃袖中抄﹄十九云、﹁﹁みをつくし﹂とは、川口などに水のふかき所をば. 湊といふ。そのみをのしるしにたつる木をいふ也。世俗には ﹁みをじる. ︹陽成帝皇子︺. みをつくし心つくして思ふかもこのまももとな夢にしみゆる. へ万. し﹂といふを、和歌には ﹁みをつくし﹂とよむ也云々﹂。 一九五九. もとよしのみこ. ︵七⊥壬︶. おきかぜ. われ古・寛・冊∵家. わびぬればいまはたおなじ難波なるみをつくしても逢んとぞ思ふ. ︵同︵t≡六二︶︶. 壷ハ○. ︵観恋五︵九大〇︶・拾l恋二. うら新. け古. 垂ハ一君こふる涙の床にみちぬればみをつくしとぞ今はなりぬる. わたる万・続. のら万. 難波がたしほひにたちて見渡せばあはぢの鴫にたづかけるみゆ. かた. かは波もうしほもかゝるみをつくしよするかたなき恋もする哉. ︵副恋二︵五六七︶・凰︵妄九︶・前方︵四四大︶・家︵Ⅰ九●六四■Ⅱ一人︶・州︵一完︶︶. 一票二. 妄ハ三. ︵ガ七︵二六〇︶・楓尉雑中︵一大三大︶よみ人しらず︶. 丹比真人︹伝未詳︺ のをとめら万. なにはがたしほひに出て玉もかるあまをとめ子はながなつげさね. つらゆき. そけ土. いつしかといぶせかりつる難波潟あしかり分てみふねきにけり ︵劃︵四九︶︶. 一九六五. ︵同九︵一七二七︶・刻雑七︵一t突○︶・又十藻︵三四五五︶よみ人しらず︶. 革も木も色かはれどもわたつみの彼の花こそ秋なか りハ け四 れ 妄. ふんやのあさやす. 立かへりあはれとぞ思ふよそにても君に心をおきつしら波. いかにしてやむべきものぞ君を思ふ心ありそによするしら波. ︵ガ七︵血妄九︶︶. 完五四. 完五五 ︵尉恋一︵四七四︶︶. 木みな万お ほ う み 万 に 万 ・ 古 る 万 ・ 古. め後. すみの江の身にちかゝらば打よする彼のかずをもよむべき物を. ︵封秋 下 ︵ 二 五 〇 ︶ 文 屋 康 秀 ・ 新 剤 ︵ 三 六 豊 ︶. 完五七. ︵観恋四︵八一九︶・家︵Ⅰ二大二Ⅱ二六〇・エ二六二︶︶. 28.

(16) 『古今和歌六帖標注』翻刻(一一). 上. 門頭︼﹃万葉﹄四︵七六九︶. む. 万. ウナカミガタ. オキ. 壷ハ大. フルタ ヾ イ ブ セ カ リ ケ リ 総 ︵万十四 ︵三三四八︶︶. ソ. 門頭︼同 七 ︵ 一 一 七 六 ︶. 家持 久堅之雨之落日乎直独山辺二居者欝有来. オトモ. 夏そひくうなかみがたのおきつすに舟はとゞめよさ夜ふけに鳥. ス ダケド. 家持. 貫之 いる月のながるゝ見れば天の河出るみなとは海にざりける. 湊風いたくふくらしなごのえにつまよびかはしたづさわぐみゆ. 夏麻引 海 上 鳩 乃 奥 津 洲 ホ 鳥 着 筆 竹 跡 若 者 音 文 不 為 みなと 完六七 さむ 万 ・ イ 越 中 は に な く 万 ・ 続 ・ イ. 壷ハ八. ︵同十 七 ︵ 四 〇 云 ・ 続 古 雑 中 ︵ 萎 重 ︶. そらイそあ 後 ・ 夫 ︵後希 旅 ≡ 六 三 ︶ ・ 刃 ︵ 六 〇 ︶ ・ 刻 雑 七 ︵ 云 七 六 ︶ ︶. 門頭︼此うた、﹃博物志﹄に、或人海にうかび、天河にいたり、牽牛にあ ひ、後に萄郡の君平にとひしに、某年某日、客星ありて犯二牽牛鵬とこた. そせい ︹戎本伊勢︺ やたつらん古・新∴象 もみぢばのながれてとまる湊には紅ふかき波ぞ立ける. へたり し ふ る こ と な ど を 思 ひ て よ め る な る べ し 。. 壷ハ九. かはらの左大臣イ いしかはのおほざみ︹﹃万葉﹄を正しとすべし︺. ︵副秋 下 ︵ 二 九 三 ・ 鮒 楓 ︵ 二 四 ︶ ・ 家 ︵ Ⅰ 芋 竺 五 ︶ ︶. とまり. 門頭︼﹁石川のおほざみ﹂、こは﹁まうちぎみ﹂と有けんをうつしひがめた るなるべし。此人、名かけたり。﹃代匠記﹄には、﹁宮麻呂﹂と定め、 ﹃考﹄には﹁足人﹂と定められたり。足人は父祖未詳、宮麻呂は近江朝. 元七〇. おきつ波へなみたつともわがせこがみふねのとまりに波たゝめやは. 大臣、大 紫 連 子 之 男 也 。 も万. 大葉山霞たなびき風ふきてわがふねとめんとまりしらずも. ︵孝二 ︵ 二 軍 石 川 太 夫 ︶. 完七血. ︵第二 ︵八八二︶ 己出︶. ︵旭川校助教授︶. 29.

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