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要旨 : 昨年初めて公開された NDB オープンデータを用いて医薬品マーケティングへの応用可能性を検討した 薬効領域 ( 小分類 ) の市場構造分析と都道府県単位のエリアマーケティングに活用可能であることを確認した キーワード : 医薬品マーケティング 医療ビッグデータ NDB オープンデータ 市場

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(1)

公開医療ビッグデータを活用した

医薬品マーケティングの可能性

武藤 猛

(MarkeTech Consulting 代表)

Possibility of Pharmaceutical Marketing

Using Open Medical Big Data

Takeshi Muto

(2)

要旨:

昨年初めて公開されたNDBオープンデータを用いて医薬品マーケ ティングへの応用可能性を検討した。薬効領域(小分類)の市場構 造分析と都道府県単位のエリアマーケティングに活用可能であるこ とを確認した。 キーワード: 医薬品マーケティング、医療ビッグデータ、NDBオープンデータ、 市場構造分析、エリアマーケティング、公開データのメリットと限界

(3)

公開医療ビッグデータを活用した医薬品マーケティングの可能性

1.はじめに 2.公開医療ビッグデータ活用の基本的な考え方 3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析 4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析 5.まとめ:公開医療ビッグデータ活用のメリットと限界

(4)

1.はじめに

[1]本発表の目的

■医療ビッグデータの話題が盛んであるが、民間企業が自由に医薬品マーケ ティングに活用可能なデータは限られている ■昨年公開されたNDBオープンデータにおいて、医薬品別処方件数が公開 されたことは朗報である ■本発表では、 NDBオープンデータを活用した医薬品マーケティングの可能性 について、具体的な分析例を通じて検討する

(5)

1.はじめに

[2]大規模医療データベース(

DB)

介護保険データ 保険者 特定健診データ 特定健診等実施機関 レセプトデータ 医療 機関 DPC調査データ がん登録データ 副作用報告データ 電子カルテ ゲノム・環境・医療情報 個人(コホートDB登録者) 死亡診断書 医師 厚生労働省 厚 生 労 働 省 厚生労働省 全国がん登録 データセンター PMDA 医薬品医療機器総合機構 地域医療情報 連携ネットワーク コホートデータベース (東北メディカル・メガバンク等) 厚生労働省 介護保険総合DB ナショナルレセプトDB 介護保険総合DB DPC調査DB 全国がん登録DB 副作用DB 医療情報DB 基盤整備事業システム 地域医療情報DB (ゲノム)コホートDB 人口動態統計DB 保 険 者

(6)

2.公開医療ビッグデータ活用の基本的な考え方

[1]第

1回NDBオープンデータの概要

[出典]厚生労働省NDBオープンデータ調査分析WG:第1回NDBオープンデータについて(2016年9月30日) ■NDBデータベースとは: -レセプト(H21.4~27.1診療分):格納件数 約92億5,000万件 -特定健診・特定保健指導(H20~25年度分):格納件数 約1億4,200万件 ■NDBオープンデータ作成の背景と目的: -レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)の有効活用 -集計表として公表 ■データの対象・公表形式(医薬品の場合): -対象期間はH26.4~H27.3の1年間 -内服・外用・注射それぞれにつき、外来院内・外来院外・入院別に集計 -薬価収載の基準単位別に、薬効別上位処方数30位を公開 -都道府県および性別・年齢別集計表 ■集計単位: -患者のプライバシーへの配慮して、最小集計単位を1000とする

(7)

2.公開医療ビッグデータ活用の基本的な考え方

[2]

NDBオープンデータの薬剤データ概要①

区分コード 元データ発生区分名 医薬品種類数 (都道府県別) 医薬品種類数 (性年齢別) 1 内服薬・外来・院内 2220 2220 2 内服薬・外来・院外 2176 2176 3 内服薬・入院 2210 2210 4 外用薬・外来・院内 821 821 5 外用薬・外来・院外 753 753 6 外用薬・入院 823 823 7 注射薬・外来・院内 1820 1820 8 注射薬・外来・院外 833 833 9 注射薬・入院 1815 1815 項目 件数 薬効領域数(大分類) 8 薬効領域数(中分類) 33 薬効領域数(小分類) 137 医薬品コード 5,973 薬価コード 5,381 医薬品名 5,964

(8)

2.公開医療ビッグデータ活用の基本的な考え方

[2]

NDBオープンデータの薬剤データ概要②

薬効 (大分類) 薬効名称(大分類) 1 神経系及び感覚器官用医薬品 2 個々の器官系用医薬品 3 代謝性医薬品 4 組織細胞機能用医薬品 5 生薬及び漢方処方に基づく医薬品 6 病原生物に対する医薬品 7 治療を主目的としない医薬品 8 麻薬 薬効 (中分類) 薬効名称(中分類) 11 中枢神経系用薬 12 末梢神経系用薬 13 感覚器官用薬 21 循環器官用薬 22 呼吸器官用薬 23 消化器官用薬 24 ホルモン剤(抗ホルモン剤を含む。) 25 泌尿生殖器官及び肛門用薬 26 外皮用薬 29 その他の個々の器官系用医薬品 31 ビタミン剤 32 滋養強壮薬 33 血液・体液用薬 34 人工透析用薬 39 その他の代謝性医薬品 41 細胞賦活用薬 42 腫瘍用薬 43 放射性医薬品 44 アレルギー用薬 薬効 (小分類) 薬効名称(小分類) 111 全身麻酔剤 112 催眠鎮静剤,抗不安剤 113 抗てんかん剤 114 解熱鎮痛消炎剤 115 興奮剤,覚せい剤 116 抗パーキンソン剤 117 精神神経用剤 118 総合感冒剤 119 その他の中枢神経系用薬 121 局所麻酔剤 122 骨格筋弛緩剤 123 自律神経剤 124 鎮けい剤 129 その他の末梢神経系用薬 131 眼科用剤 132 耳鼻科用剤 133 鎮暈剤 211 強心剤 212 不整脈用剤 ・・・・・ ・・・・・ マーケティング分析のためには、薬効(小分類)を、さらに適応症レベルまたは 作用機序レベルで細分類する必要があることも多い(手作業)

(9)

2.公開医療ビッグデータ活用の基本的な考え方

[3]

NDBオープンデータ活用の基本的な考え方

第1回NDB オープンデータ (2014年度) ・都道府県別薬剤集計表 ・性年齢別薬剤集計表 (薬価コード別) 薬価基準収載 品目リスト 先発品・長期収載品・ 後発品の区別 薬価基準収載医薬品コード (薬価コード)でマッチング 薬事工業生産動態 統計調査 (2013-14年度) 薬効領域コード(大・中・ 小分類)でマッチング 薬効領域別(大・中・小 分類)生産+輸入金額 医薬品マーケ ティングへの活用 (市場構造分析、 エリアマーケティング等) ●薬効領域別 ●医薬品別 ●都道府県別 ●性年齢別

(10)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[1]「市場の定義」と「競合」

製品間の競合はどのレベルで行われるのか 薬効領域(大分類) 薬効領域(中分類) 薬効領域(小分類) 薬効領域(適応症レベル) 薬効領域(作用機序レベル) 214:血圧降下剤 625:抗ウイルス剤 21:循環器官用薬 62:化学療法剤 2:個々の器官系用医薬品 6:病原生物に対する医薬品 B型肝炎、C型肝炎・・・ ARB、Ca拮抗剤・・・ 代替可能な処方のレベルで、製品間の競合が発生する薬効市場が定義される

(11)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[2]

NDBオープンデータ概要①:薬効領域(大分類)別金額比率

薬効 (大分類) 薬効名称(大分類) 金額(億円) 1 神経系及び感覚器官用医薬品 10,487 2 個々の器官系用医薬品 26,151 3 代謝性医薬品 15,374 4 組織細胞機能用医薬品 10,147 5 生薬及び漢方処方に基づく医薬品 847 6 病原生物に対する医薬品 7,983 7 治療を主目的としない医薬品 1,122 8 麻薬 418 72,529 90,384 80.2% ①NDBオープンデータ金額合計 ②2014年度薬事工業生産動態統計調査(生産+輸入) ①÷② 神経系及び感覚器 官用医薬品 14% 個々の器官系用医 薬品 36% 代謝性医薬品 21% 組織細胞機能用医 薬品 14% 生薬及び漢方処方 に基づく医薬品 1% 病原生物に対する医薬品 11% 治療を主目的とし ない医薬品 2% 麻薬 1% 薬効領域(大分類)別医薬品金額比率 医薬品総金額 7兆2530億円 NDBオープンデータにおいては、最小集計単位を設定しているので データ値は実際の金額よりもなることに注意が必要である

(12)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

(13)

0% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100% 42 9 21 8 11 9 24 9 63 4 11 7 21 7 42 2 32 5 31 1 11 6 11 3 72 1 13 2 39 4 33 1 79 9 23 5 72 9 12 2 24 8 81 1 11 1 61 1 12 1 23 3 26 3 22 2 61 9 22 6 32 3 32 1 12 3 61 2 32 9 61 6 71 3 64 1 26 1 64 2 24 6 24 4 71 4 41 9 11 5 63 3 累 計 金 額 比 率 薬効領域(小分類)[金額が大きい順] 薬効領域(小分類)の累計金額比率 137中の31領域 で金額の80% 薬効領域(小分類)の数:137

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[2]

NDBオープンデータ概要③:薬効領域(小分類)累積金額比率

金額順位 薬効領域(小分類) 薬効領域名称(小分類) 金額(億円) 1 429 その他の腫瘍用薬 5,331 2 214 血圧降下剤 4,739 3 399 他に分類されない代謝性医薬品 3,485 4 218 高脂血症用剤 3,037 5 339 その他の血液・体液用薬 2,990 6 396 糖尿病用剤 2,837 7 119 その他の中枢神経系用薬 2,612 8 449 その他のアレルギー用薬 2,529 9 232 消化性潰瘍用剤 2,393 10 249 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む。) 2,241 上位10位の薬効領域(小分類)

(14)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[3]薬効市場のライフサイクルと市場盛衰のメカニズム(仮説)①

→時間 創出 成長 成熟 衰退 縮小 新興 (エマージング) 激戦 一強 参入企業が多い場合 (類似効能品が多い) 参入障壁が高い場合 (突出した製品がある) 医 薬 品 の ラ イ フ サ イ ク ル 薬 効 市 場 内 の 競 争 パ タ ー ン [出典]武藤 猛:医療用医薬品の市場構造に関する考察、SASユーザ総会(2010) 成熟・衰退 (激戦型) 先発品主導 後発品参入 成熟・衰退 (一強型) 第1位製品シェア>40% 第1位製品シェア÷第2位製品シェア>2

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3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[3]薬効市場のライフサイクルと市場盛衰のメカニズム(仮説)②

薬効市場の複合的ライフサイクル(イメージ) 例:降圧剤市場(全体) 利尿剤 カルシウム拮抗剤 β遮断薬 ACE 阻害薬 ARB 降圧剤という巨大薬効市場も、作用機序レベルの細分化薬効市場では、 次々にイノベーションに対応した小ライフサイクルの盛衰が生じている

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3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[4]市場規模対成長率

神経系及び感覚器官用 医薬品 個々の器官系用医薬品 代謝性医薬品 組織細胞機能用医薬品 生薬及び漢方処方に 基づく医薬品 病原生物に対する 医薬品 治療を主目的としない 医薬品 麻薬 y = -0.05ln(x) + 0.4491 R² = 0.4245 -20% -10% 0% 10% 20% 30% 40% 100 1,000 10,000 100,000 成 長 率 市場規模(2014年)[億円] 薬効領域(大分類)の市場規模対成長率 N=8 p=0.058 中枢神経系用薬 末梢神経系用薬 感覚器官用薬 循環器官用薬 呼吸器官用薬 消化器官用薬 ホルモン剤 (抗ホルモン剤を含む。) 泌尿生殖器官及び肛門用薬 外皮用薬 歯科口腔用薬 その他の個々の器官系用医薬 品 ビタミン剤 滋養強壮薬 血液・体液用薬 人工透析用薬 その他の代謝性医薬品 細胞賦活用薬 腫瘍用薬 放射性医薬品 アレルギー用薬 生薬 漢方製剤 その他の生薬及び漢方処方に 基づく医薬品 抗生物質製剤 化学療法剤 生物学的製剤 寄生動物用薬 調剤用薬 診断用薬(体外診断用医薬品 を除く。) 公衆衛生用薬 体外診断用医薬品 その他の治療を主目的としな い医薬品 アルカロイド系麻薬(天然麻 薬) 非アルカロイド系麻薬 y = -0.068ln(x) + 0.5268 R² = 0.2503 -40% -20% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 120% 1 10 100 1,000 10,000 100,000 成 長 率 市場規模(2014年)[億円] 薬効領域(中分類)の市場規模対成長率 N=81 p=0.0026 y = -0.025ln(x) + 0.1503 R² = 0.043 -130% -80% -30% 20% 70% 120% 1 10 100 1,000 10,000 成 長 率 市場規模(2014年)[億円] 薬効領域(小分類)の市場規模対成長率 他に分類されない 代謝性医薬品 その他の腫瘍用薬 血圧降下剤 血液凝固阻止剤 他に分類されない治療を主目的としない医薬品 合成麻薬 N=140 p=0.013 大分類 中分類 小分類 薬効分類の大分類・中分類・小分類、いずれのレベルでも 市場規模が大きくなると成長率が下がる

(17)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[5]先発品比率対成長率

薬効市場の拡大期は先発品が60%以上で成長が見られる; 一方、後発品が10%程度以上を占めるようになると、 y = 0.2197x - 0.1242 R² = 0.1406 -80% -60% -40% -20% 0% 20% 40% 60% 80% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 薬 効 市 場( 小 分 類) 成 長 率 先発品比率 市場構造分析:先発品比率対成長率 p<0.001 N=109 y = -0.2733x + 0.0206 R² = 0.044 -80% -60% -40% -20% 0% 20% 40% 60% 80% 0% 20% 40% 60% 80% 100% 薬 効 市 場( 小 分 類) 成 長 率 後発品比率 市場構造分析:後発品比率対成長率 N=109 p=0.029

(18)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[6]上位製品のシェア分布と医薬品市場の特質

巨大な医薬品市場は細分化された薬効領域から成り立っている; その薬効領域のほとんどは上位3製品で寡占化されてる 0 2 4 6 8 10 12 14 0%~5% 5%~10% 10%~15% 15%~20% 20%~25% 25%~30% 30%~35% 35%~40% 40%~45% 45%~50% 50%~55% 55%~60% 60%~65% 65%~70% 70%~75% 75%~80% 80%~85% 85%~90% 90%~95% 95%~100% 薬効領域(小分類)件数 シ ェ ア 範 囲 薬効領域(小分類)1位~3位製品のシェア合計 109中の実に10496%)の薬効領域 (小分類)では、 1位~3位製品合計 シェアが40%を 超えているという 寡占市場である N=109

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3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[7]市場構造の分析①:因子&クラスター分析の流れ

NDBオープン データ 分析用変数作成 薬効領域(小分類)別 因子& クラスター分析 市場規模(億円)_2014 領域の薬剤数 成長率 金額比率1_先発品 金額比率2_長期収載品 金額比率3_後発品 製品シェア_1位製品 製品シェア_2位製品 製品シェア_3位製品 製品シェア_1位~2位製品 製品シェア_1位~3位製品 製品シェア比率_1位÷2位製品 製品シェア比率_1位÷3位製品 ■因子分析 ⇒市場構造の要因抽出 ■クラスター分析 ⇒薬効領域(小分類)の分類 ⇒特徴付け ⇒因子を用いたマップ

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3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[7]市場構造の分析②:因子分析の結果

因 子 パ タ ー ン ■医療用医薬品市場の因子構造 項目 因子1 因子2 固有値 4.768 2.735 寄与率 0.367 0.210 累積寄与率 0.367 0.577 因子名称 成熟因子 競合因子 市場規模(億円)_2014 -0.498 -0.319 領域の薬剤数 -0.595 -0.406 成長率 -0.329 0.209 金額比率1_先発品 -0.331 0.449 金額比率2_長期収載品 0.289 -0.423 金額比率3_後発品 0.107 -0.099 製品シェア_1位製品 0.954 -0.103 製品シェア_2位製品 0.341 0.795 製品シェア_3位製品 0.090 0.814 製品シェア_1位~2位製品 0.950 0.191 製品シェア_1位~3位製品 0.910 0.341 製品シェア比率_1位÷2位製品 0.712 -0.557 製品シェア比率_1位÷3位製品 0.762 -0.515

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3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[7]市場構造の分析③:クラスター分析の結果

ク ラ ス タ ー 分 析 に 用 い た 元 の 変 数 の 平 均 値 ■医療用医薬品市場のクラスター構造(元の変数使用) クラスター番号 クラスター1 クラスター2 クラスター3 クラスター名称 成熟クラスター 激戦クラスター 一強クラスター 薬効領域数 47 23 4 市場規模(億円)_2014 1297 501 183 領域の薬剤数 60 42 24 成長率 -0.031 -0.055 -0.166 金額比率1_先発品 0.393 0.457 0.344 金額比率2_長期収載品 0.433 0.436 0.523 金額比率3_後発品 0.174 0.106 0.133 製品シェア_1位製品 0.194 0.325 0.667 製品シェア_2位製品 0.122 0.206 0.086 製品シェア_3位製品 0.096 0.133 0.060 製品シェア_1位~2位製品 0.317 0.531 0.753 製品シェア_1位~3位製品 0.412 0.664 0.813 製品シェア比率_1位÷2位製品 1.658 1.650 8.165 製品シェア比率_1位÷3位製品 2.132 2.659 12.441 他に分類されない代謝性医薬品 消化性潰瘍用剤 ビタミンA及びD剤 その他の腫瘍用薬 鎮痛,鎮痒,収斂,消炎剤 機能検査用試薬 血圧降下剤 解熱鎮痛消炎剤 刺激療法剤 糖尿病用剤 合成抗菌剤 ビタミンK剤 精神神経用剤 抗てんかん剤 高脂血症用剤 脳下垂体ホルモン剤 眼科用剤 気管支拡張剤 その他の血液・体液用薬 耳鼻科用剤 その他のアレルギー用薬 解毒剤 その他の中枢神経系用薬 痛風治療剤 その他のホルモン剤(抗ホルモン剤を含む) 主としてカビに作用する抗生物質製剤 具体的な薬効領域(小分類)の例

(22)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[7]市場構造の分析④:クラスターの可視化

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4 -2 -1 0 1 2 3 4 5 薬効領域(小分類)のクラスター分析 クラスター1 クラスター2 クラスター3 N=74 (成熟クラスター) (激戦クラスター) (一強クラスター) 成熟因子 競 合 因 子 (成熟度小) (成熟度大) ( 競 合 大) ( 競 合 小) 血圧降下剤 糖尿病用剤 その他代謝医薬品 その他の腫瘍用薬 骨格筋弛緩剤 主として抗酸菌に作用する抗生物質製剤 混合ホルモン剤 ビタミンK剤 刺激療法剤 機能検査用試薬 ビタミンA及びD剤

(23)

3.公開医療ビッグデータの活用①:医薬品市場構造の分析

[8]医薬品マーケティングへの示唆

■市場規模と成長率との関係: ・薬効領域の大・中・小分類の各段階で、規模↑と成長率↓の関係が見出された ・単独製品・作用機序市場・薬効市場は、ベル曲線型ライフサイクルを辿る ■薬効領域(小分類)内の競合状況について: ・薬効市場の拡大期は先発品が60%以上で成長が見られる;一方、後発品が 10%程度以上を占めるようになると、市場は縮小期に入る ・多くは寡占状態であり、上位3製品の合計シェアが40%を超える ・拡大期の市場は「激戦型」または「一強型」のいずれかに分かれる ・「激戦型」市場は「一強型」市場に比べて圧倒的に多い(85%) ・「激戦」や「一強」の市場構造は、ライフサイクルを通じて固定されがちである ■プロダクトマーケティングへの示唆: ・薬効市場は基本的には寡占市場である ・新規作用機序による市場が勃興した場合、「激戦」「一強」構造を見極める ・新規に市場に参入する場合、3位以内に入れるかどうかを見極める

(24)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[1]医薬品競合戦略の前提条件

■巨大な医薬品市場は、数百の薬効市場に細分化される ■薬効市場は「激戦」または「一強」タイプに分類される寡占市場である ■薬効市場における製薬企業の立場は強者または弱者のいずれかである ■「弱者の戦略」=「細分化市場におけるトップシェア獲得」の具体例: -患者像(年齢・性別・合併症など)の細分化 -地域(都道府県など)の細分化 -医療施設(大学病院・民間病院・診療所など)の細分化 -地域医療ネットワークの細分化(入院-外来-在宅) -医師の細分化 -地域包括ケア市場としての再定義 ⇒疾患領域全体に対して、先発品・長期収載品・AG・GEパッケージ化する ■まとめると、医薬品市場における弱者の戦略とは: 「ターゲティングを精緻化し、トップシェア獲得可能な細分化市場に注力する」

(25)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[2]薬効市場の具体例:抗ウイルス剤①

市場規模 (億円) 金額比 率 金額÷ 数量 (円/処方) 薬剤 種類数 先発品 比率 製品シェ ア_1位 製品シェ ア_2位 製品シェ ア_3位 製品シェ ア_1位~ 3位 製品シェア _1位÷2位 市場構造 タイプ 2197 100.0% 1,052 79 38.0% 12.8% 10.6% 9.4% 32.7% 1.21 激戦 6251 B型肝炎 386 17.6% 968 4 75.0% 72.6% 10.5% 10.4% 93.5% 6.92 一強 6252 C型肝炎 492 22.4% 4,364 4 100.0% 42.1% 29.9% 22.1% 94.1% 1.41 激戦 6253 HIV 293 13.3% 2,231 10 100.0% 45.3% 22.0% 15.2% 82.5% 2.06 一強 6254 RSウイルス 396 18.0% 126,335 4 100.0% 58.5% 18.5% 17.2% 94.2% 3.17 一強 6255 インフルエンザ 350 15.9% 470 6 100.0% 47.4% 19.8% 13.3% 80.5% 2.39 一強 6256 サイトメガロウイルス 26 1.2% 7,360 3 66.7% 70.5% 19.1% 10.4% 100.0% 3.68 一強 6257 ヘルペス 254 11.6% 366 48 2.1% 34.9% 26.8% 7.7% 69.4% 1.30 激戦 薬効分類 (小分類) (詳細薬効) 薬効分類名称 625 抗ウイルス剤 詳 細 薬 効 分 類 適 応 症 抗ウイルス剤は、薬効分類(小分類)レベルでは「激戦」型であるが、 適応症レベルで詳細に見ると、「一強」型も混じっていることがわかる (薬効分類を詳細に観察するほど、競合状況が具体的になる)

(26)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[2]薬効市場の具体例:抗ウイルス剤②

詳細薬効コード 詳細薬効名称 薬剤名 金額(億円) 6251 B型肝炎 バラクルード錠0.5mg 281 6251 B型肝炎 レベトールカプセル200mg 41 6251 B型肝炎 ヘプセラ錠10 10mg 40 6252 C型肝炎 ダクルインザ錠60mg 207 6252 C型肝炎 スンベプラカプセル100mg 147 6252 C型肝炎 ソブリアードカプセル100mg 108 6253 HIV ツルバダ配合錠 133 6253 HIV エプジコム配合錠 64 6253 HIV アイセントレス錠400mg 45 6254 RSウイルス シナジス筋注液100mg 1mL 232 6254 RSウイルス シナジス筋注液50mg 0.5mL 73 6254 RSウイルス シナジス筋注用100mg (溶解液付) 68 6255 インフルエンザ イナビル吸入粉末剤20mg 166 6255 インフルエンザ タミフルカプセル75 75mg 69 6255 インフルエンザ リレンザ 5mg 47 6256 サイトメガロウイルス デノシン点滴静注用500mg 18 6256 サイトメガロウイルス バリキサ錠450mg 5 6256 サイトメガロウイルス 点滴静注用ホスカビル注24mg/mL 6g250mL 3 6257 ヘルペス バルトレックス錠500 500mg 89 6257 ヘルペス ファムビル錠250mg 68 6257 ヘルペス アラセナ-A軟膏3% 20 詳細薬効別上位3製品

(27)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[3]医薬品市場は人口(患者数)に比例する

y = 0.0005x + 6.3105 R² = 0.9806 200 1,200 2,200 3,200 4,200 5,200 6,200 7,200 8,200 9,200 500,000 5,500,000 10,500,000 薬 剤 費 合 計( 億 円) 人口(人) 都道府県別人口対 薬剤費合計(億円) N=47 y = 6E-05x - 17.069 R² = 0.9553 10 110 210 310 410 510 610 710 810 910 500,000 5,500,000 10,500,000 領 域 6 薬 剤 費( 億 円) 人口(人) 都道府県別人口対領域6[病原生物 に対する医薬品]薬剤費(億円) N=47 y = 3E-05x - 7.4867 R² = 0.9446 10 60 110 160 210 260 310 360 410 500,000 5,500,000 10,500,000 領 域 6 2 薬 剤 費( 百 万 円) 人口(人) 都道府県別人口対領域62 [化学療法剤]薬剤費(百万円) N=47 y = 0.0019x - 737.28 R² = 0.9276 10 5,010 10,010 15,010 20,010 25,010 30,010 500,000 5,500,000 10,500,000 領 域 6 2 5 薬 剤 費( 百 万 円) 人口(人) 都道府県別人口対領域625 [抗ウイルス剤]薬剤費(百万円) N=47 y = 0.0003x + 81.954 R² = 0.7921 10 510 1,010 1,510 2,010 2,510 3,010 3,510 4,010 4,510 500,000 5,500,000 10,500,000 領 域 6 2 5 1 薬 剤 費( 百 万 円) 人口(人) 都道府県別人口対領域6251B型肝炎剤]薬剤費(百万円) N=47 y = 0.0002x + 60 R² = 0.7898 10 510 1,010 1,510 2,010 2,510 3,010 3,510 500,000 5,500,000 10,500,000 領 域 6 2 5 11 位( 百 万 円) 人口(人) 都道府県別人口対領域6251_1位 製品[B型肝炎剤]薬剤費(百万円) N=47 ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ 医薬品市場を①⇒⑥のように、6段階で微視化していくと、

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4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[4]製品シェアの比較:「一強型」対「激戦型」

製品シェ ア_1位, 72.6% 製品シェ ア_2位, 10.5% 製品シェ ア_3位, 10.4% 製品シェ ア_4位以 下, 6.5% 製品シェア(B型肝炎治療薬) [一強型] 製品シェ ア_1位, 34.9% 製品シェ ア_2位, 26.8% 製品シェ ア_3位, 7.7% 製品シェ ア_4位以 下, 30.6% 製品シェア(ヘルペス治療薬) [激戦型]

(29)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[5]都道府県内シェアの比較:「一強型」対「激戦型」

0 5 10 15 20 25 30 0% ~ 5% 5% ~ 10 % 10 % ~ 15 % 15 % ~ 20 % 20 % ~ 25 % 25 % ~ 30 % 30 % ~ 35 % 35 % ~ 40 % 40 % ~ 45 % 45 % ~ 50 % 50 % ~ 55 % 55 % ~ 60 % 60 % ~ 65 % 65 % ~ 70 % 70 % ~ 75 % 75 % ~ 80 % 80 % ~ 85 % 85 % ~ 90 % 90 % ~ 95 % 95 % ~ 10 0% 都 道 府 県 数 都道府県内シェア 上位3製品の都道府県内シェア[B型肝炎治療薬] 製品シェア_1位製品 製品シェア_2位製品 製品シェア_3位製品 0 5 10 15 20 25 0% ~ 5% 5% ~ 10 % 10 % ~ 15 % 15 % ~ 20 % 20 % ~ 25 % 25 % ~ 30 % 30 % ~ 35 % 35 % ~ 40 % 40 % ~ 45 % 45 % ~ 50 % 50 % ~ 55 % 55 % ~ 60 % 60 % ~ 65 % 65 % ~ 70 % 70 % ~ 75 % 75 % ~ 80 % 80 % ~ 85 % 85 % ~ 90 % 90 % ~ 95 % 95 % ~ 10 0% 都 道 府 県 数 都道府県内シェア 上位3製品の都道府県内シェア[ヘルペス治療薬] 製品シェア_1位製品 製品シェア_2位製品 製品シェア_3位製品

(30)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[6]「一強型」対「激戦型」シェア比率の比較①:比率の分布

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45 50 0. 5 ~ 1 1 ~ 1. 5 1. 5 ~ 2 2 ~ 2. 5 2. 5 ~ 3 3 ~ 3. 5 3. 5 ~ 以 上 都 道 府 県 数 1位シェア÷2位シェアの比率 都道府県内1位シェア÷2位シェアの比率 B型肝炎治療薬[一強] ヘルペス治療薬[激戦] 2位が逆転可能な シェア比率 (< 2) 全国2位が 逆転 (3都道府県)

(31)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[6] 「一強型」対「激戦型」シェア比率の比較②:地図

(2.5~3) (3~3.5) (3.5以上) (0.5~1) (1~1.5) (1.5~2) (2~2.5) 「一強型」 「激戦型」

(32)

4.公開医療ビッグデータの活用②:特定薬効領域の競合分析

[7]医薬品マーケティングへの示唆

■医薬品マーケティングへの適用可能性: ・エリア間の患者移動を考慮すると、 「都道府県」という集計単位は、エリア マーケティングに十分適用可能である ・ただし、最小集計単位が1000であることから、処方数の少ない医薬品の分析 には適していない ・男女別・年齢別データは、競合医薬品間の患者プロファイルの比較に応用 可能である(今回は分析しなかった) ■エリア単位の競合状況について: ・「激戦」や「一強」の市場構造は、都道府県単位で地図で可視化できること が分かった ・都道府県単位の競合状況の可視化にエリアバリューマトリックス(AVM)が 有用である(今回の発表では割愛)

(33)

5.まとめ:公開医療ビッグデータ活用のメリットと限界

[1]まとめ

■メリット: -無償でかつ応用目的に制限がないこと -このため、自社の製品がなくても、将来の進出予定領域など、関心のある 薬効領域について分析ができる(プロダクトマーケティング) -医薬品データ分析の教育などに活用可能である ■限界: -公開時期が年単位であること -データ公開時期とデータ収集時期との時間差がかなり大きいこと -このため、支店や営業所の業績評価には適さない -本社の中長期戦略立案のためのマーケティング向きである ■今後の課題: -経時的データが蓄積されることで、応用範囲は更に広がる

参照

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