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目次 1 リスク管理... 3 (1) 1 リスクマネジメント 保険制度全般 生命保険 損害保険 第三分野の保険 リスク管理と保険

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2 級 FP 技能検定

過去問題&解説集

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目 次

1 リスク管理 ... 3 (1) 【1】リスクマネジメント ... 3 1.2 【2】保険制度全般 ... 4 1.3 【3】生命保険 ... 6 1.4 【2】損害保険 ... 22 1.5 【1】第三分野の保険 ... 27 1.6 【6】リスク管理と保険 ... 29

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1 リスク管理

(1) 【1】リスクマネジメント 1.1.1 【問・※】 リスクマネジメントの手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.リスクマネジメントの手法は、リスクコントロールとリスクファイナンシングに分かれる。 2.リスクが発生しないようにあらかじめ措置を施しておくことは、リスクの予防に分類されリスクコントロール の一部である。 3.保険に加入しておくことはリスクを外部に移転することでありリスクマネジメントの一部であるが、貯蓄 をしておくことはリスクマネジメントには該当しない。 4.アパートの賃借人に火災保険に加入することを契約で求めることもリスクマネジメントの一部である。 (予想問題) 解答 3 【解説】 リスクマネジメントの手法は、リスクコントロールとリスクファイナンシングに分類されます。リスクコントロールは、 さらに、(1)リスク回避(2)リスク予防(3)リスク軽減に細分化されます。リスクを避けて、あらかじめ準備し て、そして、発生したときには被害を最小化させるという 3 つです。 一方、リスクファイアンシングは、保有と移転に分類されます。保有は、貯蓄や積立てなどによりリスクに対 応できるように準備しておくことです。自家保険(キャプティブ)や一部保険も保有になります。一方、保 険や共済に加入しておくことはリスクの移転に該当します。保険に加入しなくても、契約によってリスクが発 生したときの金銭的な準備ができているのであれば移転に該当します。

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1.2 【2】保険制度全般 1.2.1 【問・※】 保険法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.保険法は、保険契約に関するルールを定めた法律である。 2.保険法では、保険金等の支払時期に関する規定が新設されている。 3.保険法は、傷害疾病保険および共済契約にも適用される。 4.保険法が平成22年4月1日に施行されたことにより、保険業法は廃止された。 (2 級学科/2010 年度 1 月) 解答 4 【解説】 保険業法と保険法は、その目的が異なります。保険業法は、保険会社のビジネスそのものを定めた法律 です。保険会社と監督官庁である金融庁の関係を決めているといってもよいでしょう。一方、保険法は保 険会社と保険契約者の保険契約のルール関して定めた法律です。保険法は、従来、商法の一部であっ た保険契約に関する規定を個別の法律として独立させたものです。 保険法の特徴は、従来は保険契約に含まれていなかった共済契約を法律に含めたこと、そして、生命保 険、損害保険とは別に、傷害疾病保険を独立の保険として取り扱っていることなどが挙げられます。 保険法では、保険金などの支払時期が到来したら遅滞なく保険給付を行うことを求めています。保険会 社が不当にその給付時期を延長することはできません。ただし、保険会社が合理的に調査を行う期間は、 特例として一定期間を設けて調査に充てることができるようになっています。 保険法と保険業法の違い

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1.2.2 【問】 保険契約者保護制度に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.破綻した保険会社の保険契約に対し、更生計画(または保険契約移転計画)により早期解約 控除制度が導入される可能性がある。 2.保険会社が破綻し救済保険会社が保険契約等を引き継ぐ場合、生命保険契約者保護機構お よび損害保険契約者保護機構は、その救済保険会社に対して資金援助等を行う。 3.少額短期保険業者が引き受ける保険契約は、被保険者の死亡を保険金の支払い事由とするも のであっても、生命保険契約者保護機構による補償の対象外である。 4.契約者が法人である自動車保険契約は、損害保険契約者保護機構による補償の対象外であ る。 (2 級学科/2011 年度 1 月) 解答 4 【解説】 損害保険契約者保護機構が補償する保険契約は、保険契約者の種類により補償内容が異なる場合 があります。自動車保険、家計地震保険、自賠責保険などは保険契約者の種類にかかわらず補償され ますが、火災保険や損害保険に分類されるその他の保険で法人などが保険契約者になる場合には保 護の対象外となります。 損害保険契約者保護機構の補償 疾病・傷害に関する保険(傷害保険、医療・介護(費用)保険など)については、保険契約者を問 わず補償の対象となります。 保険契約者保護機構は、損害保険と生命保険にそれぞれ設置されています。保護の仕組みは同じで、 救済保険会社が現れたときは、保護機構が救※保険会社に資金援助します。救済保険会社が現れ ないときは、承継保険会社(保護機構の子会社として設立)または保護機構自身が保険契約を引き 継ぐことになります。

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1.3 【3】生命保険 1.3.1 【問】 生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも保険 料は毎月平準払いであるものとする。 1.終身保険の保険料について、被保険者が男性の場合と女性の場合を比較すると、他の条件が同 一であれば、女性の方が払込み1回当たりの保険料の金額が高い。 2.終身保険の保険料について、保険料払込期間が有期払いの場合と終身払いの場合を比較すると、 他の条件が同一であれば、有期払いの方が払込み1回当たりの保険料の金額が高い。 3.逓増定期保険の保険料について、他の条件が同一であれば、契約日から保険金額の逓増率が変 更される保険年度までの期間が短いほど、払込み1回当たりの保険料の金額が高い。 4.養老保険と定期保険の保険料について、他の条件が同一であれば、養老保険の方が払込み1回 当たりの保険料の金額が高い。 (2 級学科/2014 年度 1 月) 解答 1 【解説】 保険料の水準を考えるときに必要になるのは、収支相等の原則の考え方です。保険会社から見て、すべ ての被保険者から受け取る受取保険料の現在価値と、将来支払うことになる保険金の現在価値が相 等しいというのが、収支相等の原則です。 終身保険の保険料を男女で比較した場合、女性の方が長生きです。つまり、一人の女性は男性より保

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終身保険の終身払と有期払の違いも同じです。この場合、支払う保険金の現価は変わりませんので、ど ちらの方がたくさん保険料を支払うことになるかを考えればよいのです。終身払のほうがたくさん支払います ので、1 回当たりの保険料(営業保険料)は安くて良い済むということになります。 定期保険と養老保険では、満期保険金がついている分だけ、養老保険のほうが将来の保険金の支払 いが大きくなります。それゆえ、ほかの条件がが同じであれば、養老保険のほうが保険料は高くなります。 1.3.2 【問】 こども保険(学資保険を含む)の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1.契約者は、被保険者となる子を扶養している父母のいずれかに限られる。 2.保険期間内に契約者が死亡した場合、子が死亡給付金を受け取ることができる。 3.保険期間内に契約者が死亡・高度障害となった場合、その後の保険料払込みは免除される。 4.契約者(=保険料負担者)が受け取る祝金は、非課税所得である。 (2 級学科/2011 年度 1 月) 解答 3 【解説】 学資保険における保険契約者は子どもの両親に限定されているわけではありません。祖父母であっても

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保険契約者になることができます。そして、学資保険の特徴は、その給付です。被保険者である子どもが 亡くなったときは死亡給付金が支払われます。 一方、保険契約者が亡くなった場合、普通の保険では給付はありませんが、学資保険では、以後の保 険料が免除される、または、育英年金を受け取るか、いずれかになります。 一定の時期が到来すると、祝金などの名目で給付金が支払われます。これは非課税財産ではありません。 保険料負担者である保険契約者が給付金を受け取った場合には、一時所得として課税されます。 1.3.3 【問・※】 死亡保障を目的とする生命保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれ か。 1.養老保険の死亡保険金が支払われた場合、契約は終了するため、満期保険金は支払われない。 2.終身保険は、死亡保障が一生涯続く保険であり、保険期間の経過とともに解約返戻金が増加す る等の特徴がある。 3.逓増定期保険は、保険期間の経過とともに死亡保険金額が逓増するが、支払保険料は一定で ある。 4.収入保障保険(生活保障保険)の死亡保険金を一時金で受け取る場合の受取額は、年金形 式で受け取る場合の受取総額よりも多い。 (2 級学科/2011 年度 5 月) 解答 4

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養老保険は満期保険金と死亡・高度障害保険 金がある保険ですが、死亡(高度障害)保険 金が支払われた場合には、契約が終了し、満期 保険金が支払われることはありません。 終身保険は、一生涯保障が続くタイプの保険であ り、必ず保険金が支払われます。解約返戻金は 年の経過とともに増加します。 逓増定期保険は定期保険の一種ですが、保険 金額が逓増し、一方、保険料は一定の水準にな っているという特徴があります。 収入保障保険は、死亡・高度障害に該当したと きに一定期間年金を受け取ることができる保険で す。将来の年金を一括して受け取ることができま すが、将来の支払い分については、年に応じて割 り引かれて金額が計算されます。したがって、一括 して受け取る場合は、年金の受取総額より少な い金額を受け取ることになります。 1.3.4 【問】 定額個人年金保険および変額個人年金保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.定額個人年金保険では、年金受取開始日前に被保険者が死亡した場合に支払われる死亡給 付金の金額は、既払込保険料相当額が最低保証されている。 2.年金総額または年金原資額が最低保証されている変額個人年金保険では、運用実績にかかわら ず、年金総額または年金原資額が払込保険料総額(または基本保険金額)を下回ることはない。 3.定額個人年金保険では、年金受取開始時までは、基本年金額が確定しない。 4.変額個人年金保険では、年金受取開始後は、積立金が一般勘定に移管されるのが一般的であ るが、特別勘定での運用を継続するものもある。 (2 級学科/2011 年度 9 月)

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解答 3 【解説】 定額個人年金保険では、平準払、一時払いずれの場合においても死亡保障額が既払込保険料相当 額を上回る設計になっています。 (定額)個人年金保険のしくみ 定額個人年金保険において、基本年金額は契約時に確定します。有配当保険では、その後の配当の 状況に応じて増額年金や増加年金が決まります。この金額は契約時に確定していません。 変額個人年金保険における最低保証の方法には、年金原資を最低保証する方法と、受取年金額の 総額を保証する方法があります。いずれの場合でも、既払込保険料相当額(一時払保険料)を上回 る金額を受け取ることができます。ただし、中途解約した場合、既払込保険料相当額が最低保証されて いるわけではありません。

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変額個人年金保険の年金支払開始後の運用は、積立金を一般勘定に移管するものと、年金支払開 始後も運用を継続するタイプがあります。 1.3.5 <設例> 次の設例に基づいて,下記の各問に答えなさい。 会社員のAさん(54 歳)は,パートタイマーとして働く妻Bさん(50 歳)との2人暮らしである。現在 加入している生命保険の特約が近々更新を迎えるが,昨年,Aさん夫婦の子どもが社会人として独 立したことから,生命保険の見直しを考えている。また,最近体調を崩すことが多くなったAさんは,公 的医療保険の保障内容等についても理解を深めたいと思っている。そこで,Aさんは,懇意にしているフ ァイナンシャル・プランナーのMさんに相談することにした。Aさんが現在加入している生命保険に関する資 料は,以下のとおりである。 <Aさんが現在加入している生命保険に関する資料> 保険の種類 : 定期保険特約付終身保険(65 歳払込満了) 契約年月 : 平成7年2月 契約者(=保険料負担者)・被保険者 : Aさん 死亡保険金受取人 : 妻Bさん 月払保険料(口座振替) : 2万 8,970 円 主契約および特約の内容 保障金額 払込・保険期間 終身保険 500 万円 65 歳・終身 定期保険特約 2,300 万円 10 年 特定疾病保障定期保険特約 200 万円 10 年 傷害特約 500 万円 10 年 災害割増特約 500 万円 10 年

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疾病入院特約(本人・妻型) 5日目から日額 5,000 円 10 年 災害入院特約(本人・妻型) 5日目から日額 5,000 円 10 年 リビング・ニーズ特約 - - 指定代理請求特約 - - ※妻Bさんの入院日額は,被保険者であるAさんの6割である。 ※平成 17 年2月に特約を更新している。 ※上記以外の条件は考慮せず,各問に従うこと。 (2 級実技(生保)/2014 年度 1 月) 1.3.6 【問 1】 Mさんは,Aさんに対して,現在加入している生命保険の特約の内容について説明した。Mさんの, Aさんに対する説明に関する次の記述①~③について,適切なものには○印を,不適切なものには× 印を解答用紙に記入しなさい。 ①「特定疾病保障定期保険特約は,がん,急性心筋梗塞,脳卒中により所定の状態になった場合 に特定疾病保険金を受け取ることができる特約ですが,特定疾病保険金を受け取ることなく保険期間 中に死亡した場合は,同額の死亡保険金を受け取ることができます」 ② 「傷害特約は,不慮の事故による傷害が原因で事故の日から所定の日数内に死亡したときに災害 (死亡)保険金を受け取ることができる特約ですが,不慮の事故による傷害が原因で所定の障害状 態に該当しても,給付金を受け取ることはできません」 ③ 「指定代理請求特約は,被保険者本人が事故や病気等で寝たきり状態となり意思表示ができな いなどの特別な事情がある場合に,被保険者本人が受取人となる保険金等をあらかじめ指定された代 理人が請求できる特約です」 解答 ① 〇 ② × ③ 〇 【解説】 特定疾病保障定期保険特約は、がん、急性心筋梗塞、脳卒中により所定の状態になったときに保障 がある保険です。終身タイプのものもあります。これらの疾病により支払われる保険金は、特定疾病保険 金といいますが、特定疾病保険金を受け取ると保険契約(特約)は消滅します。したがって、死亡保 険金が重複して支払われることはありません。 死亡が先に発生すると、死亡保険金のみが支払われ、特定疾病保険金が支払われることはありません。

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傷害特約は、不慮の事故で 180 日以内に死亡したときに災害死亡保険金が、不慮の事故で 180 日 以内に一定の障害状態(障害等級 1 級~6 級)に該当したときに障害給付金が支払われる特約で す。 指定代理請求制度は、保険金受取人や被保険者が、給付金などを請求できない場合に、契約者があ らかじめ指定した代理人が被保険者に代わって、保険金等を請求できる制度です。たとえば、病気やケ ガで意思表示ができないとき、治療の都合で傷病名が本人に告げられていないときなどに、指定代理請 求人が本人に代わって保険会社に請求する制度です。 1.3.7 【問 2】 Mさんは,Aさんに対して,公的医療保険の概要について説明した。Mさんの,Aさんに対する説明に 関する以下の文章の空欄①~④に入る最も適切な語句を,下記の〈語句群〉のイ~ルのなかから選び, その記号を解答用紙に記入しなさい。 ⅰ)「仮に,Aさんが( ① )に医療機関で受けた療養(食事療養および生活療養を除く)に係る 一部負担金等の額が自己負担限度額(高額療養費算定基準額)を超えた場合,その超えた額は 高額療養費として支給されます。なお,( ② )未満の者が,事前に保険者から健康保険限度額 適用認定証の交付を受け,医療機関の窓口に当該認定証と被保険者証を提示すると,窓口での支

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払額は自己負担限度額までとなります」 ⅱ)「仮に,Aさんが病気による療養のため,会社から給料の支払を受けずに3カ月間連続して休職 することとなった場合,休業( ③ )目から傷病手当金を受け取ることができます。傷病手当金の額は, 1日につき標準報酬日額の( ④ )に相当する額です」 【語句群】 イ.同一月 ロ.同一年 ハ.70 歳 ニ.75 歳 ホ.80 歳 へ.4日 ト.10 日 チ.30 日 リ.3分の1 ヌ.2分の1 ル.3分の2 解答 ① イ ② ハ ③ ヘ ④ ル 【解説】 高額療養費は1 か月(1 日から月末まで)の間に医療費の自己負担額が一定額以上になったときに、 自己負担限度額を超えた分が払い戻される制度です。高額療養費の自己負担限度額は、平成 27 年 1 月から変更されました。 所得区分 ひと月あたりの自己負担限度額 4 回目以降の 自己負担限度額 標準報酬月額 83 万円 252,600 円+ (医療費-842,000 円)×1% 140,100 円 標準報酬月額 53 万円以上 83 万円未満 167,400 円+ (医療費-558,000 円)×1% 93,000 円 標準報酬月額 28 万円以上 53 万円未満 80,100 円+ (医療費-267,000 円)×1% 44,400 円 標準報酬月額 28 万円未満 57,600 円 44,400 円 住民税非課税 35,400 円 24,600 円 ※赤字の部分は平成 27 年 1 月より変更された部分 支払額が高額になることがわかっているときで、70 歳未満であれば、事前に「限度額適用認定証」を取 得しておけば、自己負担限度額を超えた分を立て替える必要がなくなります。 傷病手当金は、業務外の病気やケガで就業できない場合で、給与が支払われないとき、4 日目から受 け取ることができます。業務内の場合は、労災保険の対象となりますので健康保険の給付はありません。 受け取ることができる金額は、1 日あたり、標準報酬日額の 3 分の 2 に相当する金額です。なお、給与

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1.3.8 【問 3】 Mさんは,Aさんに対して,生命保険の見直し等についてアドバイスをした。Mさんの,Aさんに対する アドバイスに関する次の記述①~③について,適切なものには○印を,不適切なものには×印を解答 用紙に記入しなさい。 ① 「現在加入している生命保険契約を払済保険に変更する場合,Aさんは改めて健康状態等につ いての告知または医師の診査を受ける必要があるため,健康状態によっては,払済保険に変更できな い場合があります」 ② 「仮に,Bさんが入院した場合,Aさんは入院給付金を受け取ることができますが,受け取った入 院給付金は,Aさんの一時所得として所得税の課税対象となります」 ③ 「Aさんが,今後新たに別の生命保険に加入する場合,当該生命保険に係る保険事故の発生の 可能性に関する重要な事項のうち,保険会社等が告知を求めたもの(告知事項)について,Aさん は事実を告知する必要があります」 解答 ① × ② × ③ 〇 【解説】 払済保険は、変更時点の解約返戻金で、 将来の保障を購入しているものと考えるとよ いでしょう。将来の保険料は不要になります が、保険金額は引き下げられます。 このとき、保険会社は引き受けるリスクが下 がりますから、新たに健康状態をチェックする 必要はありません。 入院給付金や障害給付金などは、原則として、所得税の非課税財産になります。本人が受け取っても、 配偶者や親などの直系血族や生計を一にする親族などが受け取っても同じように非課税になります。

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保険会社が、保険契約を新たに引き受けるということは、被保険者(保険の対象となる人)の死亡や 病気・ケガなどのリスクを引き受けることになりますから、保険会社は、保険事故(死亡や病気・ケガなど) の発生する可能性を測るために、保険契約者や被保険者に告知を求めます。 1.3.9 <設例> 次の設例に基づいて,下記の各問に答えなさい。 Aさん(50 歳)は,X株式会社(以下,「X社」という)の創業社長である。X社では,Aさんが 死亡した場合の事業保障資金や役員退職金の準備を目的として,Aさんを被保険者とする生命保険 への加入を検討している。そこで,生命保険会社の営業職員であるファイナンシャル・プランナーのMさん に相談したところ,下記の生命保険の提案を受けた。 <Aさんが提案を受けた生命保険の契約内容> 保険の種類 無配当逓増定期保険(特約付加なし) 契約予定年月 平成 27 年2月 契約者(=保険料負担者) X社 被保険者 Aさん 死亡保険金受取人 X社 保険期間・保険料払込期間 72 歳満了 基本保険金額 1億円 逓増率変更年度 第9保険年度 年払保険料 846 万円 <Aさんが提案を受けた生命保険のイメージ図>

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※上記以外の条件は考慮せず,各問に従うこと。 (2 級実技(生保)/2014 年度 1 月) 1.3.10 【問 1】 仮に,Aさんが役員在任期間(勤続年数)21 年 11 カ月でX社を退任し,X社が役員退職金とし て 5,500 万円を支給した場合,Aさんが受け取る役員退職金に係る退職所得の金額を,解答用紙 の手順に従い,計算過程を示して求めなさい。〈答〉は万円単位とすること。 なお,Aさんは,これ以外に退職手当等の収入はなく,障害者になったことが退職の直接の原因では ないものとする。 解答 2,280 万円 【解説】 退職所得の計算で注意すべき事項は、以下の 2 点です。 □退職所得控除額を求める 21 年 11 か月⇒22 年とみなす 800 万円+(22 年-20 年)×70 万円=940 万円 □退職所得の金額を求める (5,500 万円-940 万円)×1/2=2,280 万円 1.3.11 【問 2】 Aさんが提案を受けている生命保険に関する次の記述①~③について,適切なものには○印を,不適 切なものには×印を解答用紙に記入しなさい。 ① 当該生命保険契約を中途解約した場合にX社が受け取る解約返戻金は,Aさんに支給する役 員退職金の原資として活用することができるほか,X社の借入金の返済や設備投資の資金に充当する ことも可能である。 ② 当該生命保険契約の死亡保険金受取人をX社ではなくAさんの遺族とした場合,X社が支払う

勤続年数の計算

•年単位以下の期間は年単位に切り上げる

最後に金額を2分の1にする

•長期譲渡所得、一時所得と異なり、2分の1の後の 金額が退職所得の金額

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保険料は,その全額を福利厚生費としてX社の損金の額に算入することができる。 ③ 当該生命保険契約を契約期間の途中で払済保険に変更する場合,X社では,変更時点におけ る解約返戻金相当額とそれまでに支払った保険料の総額との差額をX社の当該事業年度の益金の額 または損金の額に算入することになる。 解答 ① 〇 ② × ③ × 【解説】 保険契約を解約したときに受け取る解約返 戻金(保険会社によって名称が異なる場合 があります)は、保険契約者が受け取ること になります。 法人契約の場合には、法人が受け取ること になり、退職金で支払っても、設備投資など に使っても、内部留保しても問題はありません。 A さんは経営者であり、A さんのみを被保険者とする保険に加入した場合で、保険金の受取人を A さん の遺族にしたときは、その保険料は A さんに対する給与として処理することになります。 払済保険に変更した場合の経理処理は、その変更時における解約返戻金相当額とその保険契約によ り資産に計上している保険料の額(支払った保険料ではない)の差額を益金の額または損金の額に算 入することになります。

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1.3.12 【問 3】 X社では,将来Aさんに支給する役員退職金の原資として,提案を受けた生命保険の活用を検討し ている。提案を受けた生命保険を契約し,その後解約した場合のX社の経理処理(仕訳)について, 下記の<条件>を基に,空欄①~④に入る最も適切な語句または数値を,下記の〈語句群〉のイ~ リのなかから選び,その記号を解答用紙に記入しなさい。 <条件> ・X社が解約時までに支払った保険料の総額を 8,460 万円とする。 ・解約時の解約返戻金の金額を 7,500 万円とする。 ・上記以外の条件は考慮しないものとする。 <逓増定期保険の解約返戻金受取時のX社の経理処理(仕訳)> 借 方 貸 方 現金・預金 ( ① )万円 ( ② ) ( ③ )万円 雑収入( ④ )万円 【語句群】 イ.3,000 ロ.3,270 ハ.4,230 ニ.4,500 ホ.7,500 へ.8,460 ト.前払保険料 チ.解約返戻金 リ.定期保険料 解答 ① ホ ② ト ③ ハ ④ ロ 【解説】 逓増定期保険を解約すると、解約返戻金がある場合には、解約返戻金を受け取ります。受け取るのは 保険契約者(法人)になります。現金で受け取りますので、解約返戻金額の現金(資産)が増加し ます。解約返戻金の額は 7,500 万円です。 一方、逓増定期保険の場合、契約形態に応じて保険料の一部が資産(前払保険料)に計上されて います。保険満了時の年齢、保険加入時の年齢+保険期間×2の 2 つを条件にして資産計上額が 決められています。

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A さん(契約時 50 歳)で保険期間満了年齢が 72 歳ということなので、50+(72-50)×2=94。とい うことで、支払保険料の 2 分の 1 を資産計上するケースに該当することがわかります。したがって、解約時 に資産計上されていた金額は、8,460 万円÷2=4,230 万円とわかります。 具体的な、契約年齢と保険満了年齢の組み合わせによる資産計上額の割合は次のようになります。 保険満了年齢 50 歳 55 歳 60 歳 65 歳 70 歳 75 歳 80 歳 85 歳 90 歳 契 約 年 齢 30 歳 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 2/3 2/3 3/4 3/4 40 歳 1/2 1/2 1/2 1/2 1/2 2/3 2/3 3/4 3/4 50 歳 - 1/2 1/2 1/2 1/2 2/3 2/3 2/3 3/4 60 歳 - - - 1/2 1/2 1/2 2/3 2/3 2/3 70 歳 - - - 1/2 1/2 2/3 2/3 80 歳 - - - 1/2 2/3 解約返戻金と前払保険料として資産計上していた金額の差額は、益金または損金の額に算入します。 この場合は、 7,500 万円(解約返戻金額)-4,230 万円=3,270 万円 が雑収入として計上されます。 1.3.13 【問】 住宅ローンを利用する際に加入する団体信用生命保険に関する次の記述のうち、最も適切なものはど れか。なお、特約は考慮しないものとする。 1.団体信用生命保険は、契約者を債権者である金融機関等とし、被保険者および保険金受取人 を債務者である住宅ローン利用者とする生命保険である。 2.団体信用生命保険の保険料は、被保険者の契約時の年齢および性別と債務残高に応じて算出 される。 3.住宅ローン利用者が負担する団体信用生命保険の保険料は、住宅ローン利用者の生命保険料 控除の対象となる。 4.被保険者の死亡に基因して団体信用生命保険から支払われる保険金は、被保険者の相続に係 る相続税額の計算上、相続税の課税価格に算入されない。 (2 級学科/2014 年度 1 月) 解答 4 【解説】

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れるしくみです。 団体信用生命保険の保険料は、所得税法上の生命保険料控除の対象ではありません。また、保険金 の受取人は金融機関等であり、相続税法上のみなし相続財産にも該当しません。(住宅ローン残高は 返済されるため、負の相続財産にもなりません) 一方、団体信用生命保険は、団体保険であり、通常の個人保険のように被保険者の年齢や性別に応 じて保険料率が異なるしくみではありません。 1.3.14 【問】 平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約の保険料に係る生命保険料控除に関する次の 記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、記載されたもの以外の要件はすべて満たしているものとす る。 1.「一般の生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれの控除 額の上限は、所得税では5万円である。 2.傷害特約の保険料は、「介護医療保険料控除」の対象となる。 3.変額個人年金保険の保険料は、「個人年金保険料控除」の対象とはならず、「一般の生命保険 料控除」の対象となる。 4.自動振替貸付により保険料に充当された金額は、貸し付けられた年の生命保険料控除の対象と はならず、貸付金を返済した年の生命保険料控除の対象となる。 (2 級学科/2014 年度 1 月)

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解答 3 【解説】 2012 年以降、生命保険料控除の取り扱いが変わりました(新制度)。2011 年以前、生命保険料 控除には、一般生命保険料控除と、個人年金保険料控除がありましたが、新制度では、介護医療保 険料控除が加わりました。これらの保険料控除は、所得税の上限額は 4 万円、住民税の上限額は 2.8 万円になっています。 また、保険料控除を受けることができなくなったものもあります。災害割増特約や傷害特約といった特約は、 身体の傷害のみに基因して保険金が支払われるものであり、一般生命保険にも介護医療保険にも該 当しないことから保険料控除を受けることができなくなりました。 保険料自動振替貸付によって保険料を支払った場合でも、保険料控除を受けることは可能です。 変額年金保険の保険料は、個人年金保険保険料控除の対象にはならず、一般生命保険料控除の 対象になります。 1.4 【2】損害保険

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では付帯することはできない。 2.地震保険は、火災保険で補償されない噴火を原因とする火災および損壊による損害に対しても、 保険金が支払われる。 3.地震保険は、居住の用に供していない事業用の建物を保険の目的とすることができる。 4.地震保険は、各損害保険会社が独自に保険料率を設定しているため、同じ補償内容であっても、 保険会社間で保険料に差異が生じる。 (2 級学科/2010 年度 5 月) 解答 2 【解説】 地震保険は火災保険(火災保険より補償範囲の広い住宅総合保険を含む)に付帯して契約する保 険ですが、単独で締結することはできません。また、火災保険の保険期間の途中であっても、付加するこ とが可能です。 地震保険の保険金額は建物と家財を別々に設定し、火災保険の金額の 30~50%で設定します。 地震保険は、「地震保険に関する法律」に基づき、政府と損害保険会社が共同で運営する公共性の 高い保険です。地域や建物の構造などにより保険料率に差異はありますが、保険会社間の差異はあり ません。また、地震保険では店舗や事務所のみに使われている建物を対象とすることはできません。 地震保険の概要

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1.4.2 【問】 個人事業主の損害保険の税務処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約 者と保険料負担者は、同一の個人事業主である。 1.事業主が居住の用に供している店舗併用住宅に係る火災保険料のうち、住居部分に係る火災保 険料は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されない。 2.事業運営上必要として支払った火災保険(保険期間1年)の年払い保険料は、事業所得の 金額の計算上、その全額を支払った年の必要経費に算入できる。 3.火災により営業が休止または阻害されたために店舗休業保険から支払われる保険金は、所得税に おいて事業所得の収入金額となる。 4.交通事故に遭い、休業したために所得補償保険から事業主である被保険者が受け取る保険金は、 所得税において事業所得の収入金額となる。 (2 級学科/2010 年度 1 月)

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所得税の事業所得において、必要経費となる損害保険料は、店舗や商品の火災保険料、自動車の 任意保険料などです。住宅部分の保険料は必要経費になりません。 火災保険(保険期間1年)の年払保険料は、短期前払費用に該当するものとして、全額がその年の 経費として処理できます。 (法人が、前払費用の額で、その支払った日から 1 年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った 場合で、継続して損金の額に算入しているときは、収益と費用を対応させることなく、損金の額に算入す ることが認められます。) 業務の全部または一部を休止したことの補償として取得する保険金は、事業の収入金額に計上すること となりますが、身体に傷害を受けて休業し、その所得の補償として受け取る保険金は、非課税財産となり ます。したがって、事業所得で収入に計上することはありません。 1.4.3 【問】 火災保険に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.火災保険は、補償の対象となる建物が落雷により損害を被った場合、保険金支払いの対象とな る。 2.火災保険には、保険期間満了時に満期返戻金が支払われる積立型保険もある。 3.店舗総合保険は、店舗・事務所等に使用されている建物やこれらの建物に収容されている什器・ 備品等を補償の対象としている。 4.再調達価額とは、補償の対象となる物件と同程度のものを再取得するために必要な金額から、経 過年数による消耗分を差し引いた金額である。 (2 級学科/2014 年度 1 月) 解答 4 【解説】

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火災保険の補償内容は、保険会社により異なりま すが、いくつかの補償は共通しています。 損害保険金(火災・落雷・破裂または爆発・風 災・雹(ひょう)災)や費用保険金(損害防止 費用)などは制限なく補償されます。 損害保険金(雪災・水災)や費用保険金(災 害時の臨時費用)などは一定の制限付で補償さ れる場合があります。 満期返れい金は、保険期間が3年または5年の火 災保険や傷害保険などに満期時に受け取る返れい 金が付いた積立型保険に含まれるものです。ただし、 1 回の事故で保険金額の 100%を支払ったときは、 契約は終了し、満期返れい金を受け取ることはでき ません。 火災保険の契約金額は、「再調達価額」をもとに設定する方法と「時価」をもとに設定する方法がありま す。再調達価額とは同等の建物や家財を新たに建築したり購入したりするのに必要な金額であり、時価 とは再調達価額から使用による消耗分を差し引いた金額をいいます。 1.4.4 【問】 傷害保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮 しないものとする。 1.普通傷害保険では、急激かつ偶然な外来の事故によって被った傷害が保険金支払いの対象とな る。 2.家族傷害保険の被保険者には、被保険者本人(記名被保険者)およびその配偶者のほか、本 人または配偶者と生計を共にする同居の親族および本人または配偶者と生計を共にする別居の未婚の 子も含まれる。 3.国内旅行傷害保険では、地震、噴火またはこれらによる津波を原因とする傷害も保険金支払いの 対象となる。 4.海外旅行傷害保険では、海外旅行の行程中であれば自宅から空港に向かうまでの間の国内で起 きた事故による傷害も保険金支払いの対象となる。 (2 級学科/2014 年度 1 月) 解答 3

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の要素を満たすものです。したがって、「靴ずれ」などのような症状(急激ではない)、「急性心筋梗塞」 (疾病は支払われない)などは対象外です。 家族まで補償する家族タイプの場合、未婚であれば同居の有無にかかわらず補償の対象になります。同 居の親族も対象になりますが、婚姻歴がある場合には補償の対象にはなりません。 一般の傷害保険においても国内旅行傷害保険においても、地震もしくは噴火またはこれらによる津波は 免責事項(保険金が受け取れないケース)に該当します。海外旅行傷害保険では、自宅を出てから 自宅に戻るまでの期間が保険の補償範囲です。 1.5 【1】第三分野の保険 1.5.1 【問・※】 医療保険(ガン保険を除く)の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。な お、特約等は付加されていないものとする。 1.医療保険においては、加入後 3 ヵ月(あるいは 90 日)以内にガンと診断され、入院した場合は、保 障の対象外となる。 2.更新型の医療保険は、告知により健康上問題がないと確認された場合に限り契約を更新すること ができる。 3.終身医療保険の疾病入院給付金は、1 入院当たりの支払日数に上限はあるが、通算の支払日 数には上限がない。 4.退院後に入院給付金を受け取ったが、同じ病気により、退院日翌日から 200 日目に入院した場 合、1 入院当たりの入院給付金支払日数は、前回の入院日数とは合算されない。

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(2 級学科/2011 年度 1 月) 解答 4 【解説】 医療保険には 1 入院当たりの入院日数限度と通算での入院日数限度が設定されています。それぞれの 限度日数は保険会社の商品ごとに決まっています。 たとえば、1 入院当たりの入院日数限度が 60 日の場合には、60 日を超えて入院しても、給付金は 60 日分までしか支払われない仕組みです。 同一の疾病等を原因にして 2 回の入院をした場合、1 回目の入院から 2 回目の入院までの間の期間が 180 日を境にして、180 日以内のときは同一の入院、180 日超のときは別々の入院とみなすことになっ ています。 180 日以内 180 日超 1.5.2 【問】 第三分野の保険の一般的な商品性に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。 1.医療保険の手術給付金は、病気や不慮の事故による傷害等を原因とする所定の手術が対象とな り、治療を目的としない美容整形手術や正常分娩に伴う手術は対象とならない。 2.特定(三大)疾病保障定期保険は、被保険者がガンに罹患して特定疾病保険金が支払われ、 その治療から1年経過後にガンが再発した場合には、特定疾病保険金が再度支払われる。 3.介護保険は、公的介護保険の要介護認定に連動した保険商品であり、被保険者が公的介護保 険の介護サービスを利用した場合の自己負担額を限度に介護年金が支払われる。 4.ガン保険の入院給付金には、一般に、1回の入院で受け取ることができる支払限度日数や保険 期間を通じて受け取ることができる支払限度日数が定められている。 (2 級学科/2014 年度 1 月) 解答 1

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いが変わる場合がありますので試験問題には出題されないでしょう。 特定疾病保障保険は、特定疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)で所定の状態になったときは保険 金が支払われますが、この場合、保険契約は終了し死亡保険金や高度障害保険金、あるいは、特定 疾病保険金が重複して支払われることはありません。 民間の介護保険は、公的介護保険に連動して保険金が支払われるタイプと、独自の給付基準により保 険金が支払われるタイプがあります。 がん保険と医療保険の違いは、給付内容も違いますが、支払限度の有無についても異なります。医療 保険は、1 入院あたりの給付日数限度、通算での給付日数限度が存在しますが、がん保険にはそういっ た制限が存在しません。 1.6 【6】リスク管理と保険 1.6.1 【問】 損害保険を活用した家庭のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.Aさんは、居住用建物および収容家財の地震もしくは噴火、またはこれらによる津波を原因とする 火災や損壊等によるリスクに備えて、火災保険に付帯して地震保険に加入した。 2.個人事業を営むBさんは、病気やケガで就業不能となり収入を得られなくなるリスクに備えて、所得 補償保険に加入した。 3.Cさんは、国内旅行中に友人から借りたビデオカメラを誤って壊してしまうリスクに備えて、個人賠償 責任補償特約を付帯した国内旅行(傷害)保険に加入した。 4.Dさんは、Dさんと同居し生計を共にしている母が、日常生活における偶然な事故によるケガで入

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院するリスクに備えて、家族傷害保険に加入した。 (2 級学科/2011 年度 9 月) 解答 3 【解説】 地震もしくは噴火などによる損害を補償するためには地震保険に加入する必要がありますが、地震保険 は単体では加入できません。火災保険に付帯して契約することになっています。なお、火災保険の期間 中に地震保険を付帯させることも可能です。 所得補償保険は問題文のとおり国内外を問わず、病気やケガで就業不能状態になったときに所得を補 償する保険です。 個人賠償責任保険は、個人が日常生活において生じた偶然の事故により、他人の身体・生命を害した り、あるいは、他人のものに損害を与えたときに法律上の賠償責任を負担する保険です。ただし、他人か らの借り物に対する賠償事故、家族に対する賠償事故などは免責になっています。 傷害保険は、事故によるケガを補償する保険です。家族型の場合、本人、配偶者、生計を共にする同 居親族、および、未婚の子を補償対象とします。 1.6.2 【問・※】 損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

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備えて、機械保険に加入した。 3.小売業を営む企業が、火災・爆発等の災害による営業の休止または阻害による利益の減少等に 備えて、企業費用・利益総合保険(店舗休業保険)に加入した。 4.建設業を営む企業が、不測の事故によって、建物の建設工事中に工事の目的物に生じる損害に 備えて、建設工事保険に加入した。 (2 級学科/2010 年度 1 月) 解答 2 【解説】 火災保険は、地震による損害を補償する保険ではありません。そのため、地震や津波などによる火災や 損壊などを補償するためには、地震危険担保特約をつける必要があります。 機械保険は、各種機械や設備の誤操作を含む不測の事故を補償する保険ですが、火災については免 責事項になっています。 企業が、火災や風水害などによって営業活動ができずに休業を余儀なくされたとき、営業を継続するため に費用が発生したときのコストを補償するのが企業費用・利益総合保険になります。 建設工事保険は、工事現場への資材の搬入から、工事が完了して引渡しが行われるまでの期間を補 償する保険です。火災などの外来危険だけでなく、作業員の操作ミス、材料の欠陥なども補償します。 企業のリスクに備える保険

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1.6.3 【問】 損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.製造業を営む企業が、労働者災害補償保険(労災保険)の上乗せ補償を目的に、労働災害 総合保険を契約した。 2.飲食業を営む企業が、火災・爆発等の災害による営業の休止または損害による利益の減少等に 備えて、店舗休業保険を契約した。 3.製造業を営む企業が、生産設備の不具合により製品が生産できなかった場合に、取引先から損害 賠償を請求されることにより被る損害に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。 4.建設業を営む企業が、請負業務の遂行中に発生した事故により、他人にケガを負わせた場合に、 法律上の損害賠償責任を負うことにより被る損害に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。 (2 級学科/2011 年度 5 月) 解答 3 【解説】 労働災害総合保険は、労災保険の給付が行われるときに、上乗せ保障として企業が補償金や企業が 法律上の損害賠償責任を負担した場合に、その負担額を補償する保険です。 店舗休業保険では、火災、落雷、破裂・爆発などによって損害が生じた結果発生する休業による利益 の損失を補償します。なお、食中毒については一部補償を受けられないものもあります。 生産物賠償責任とは、製品の欠陥によって消費者や第三者が生命、身体、財産に損害を被った場合 に、その製品を製造・販売に関与した業者が負うべき責任をいいます。この責任を補償する保険が生産 物賠償責任保険(PL保険)です。したがって、生産設備の不具合により製品が生産できなかったこ とによる損害賠償は生産物賠償責任保険(PL保険)の補償対象ではありません。 請負業者賠償責任保険は、請負業務を行うために所有、使用または管理している施設が原因となり、 他人にケガをさせたり(対人事故)、他人の物を壊したり(対物事故)した場合に負う損害賠償責任を補 償する保険です。

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1.6.4 【問】 生命保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.長期平準定期保険は、経営者が死亡した場合に会社の資金繰りに支障が生じるリスクに備えた 事業保障資金の財源として、活用することができる。 2.逓増定期保険は、経営者の生存退職慰労金の財源として活用できるが、保険期間満了時には、 通常、満期保険金の支払いはない。 3.総合福祉団体定期保険は、従業員等の弔慰金・死亡退職金等の準備として活用できるが、契 約を締結するに当たり、被保険者となることへの従業員の同意は必要ない。 4.法人を契約者・保険金受取人、役員を被保険者とする生命保険契約について、役員勇退時に 契約者を役員、保険金受取人を役員の遺族にそれぞれ変更し、生命保険契約に関する権利をその役 員への生存(勇退)退職金の全部または一部とすることができる。 (2 級学科/2010 年度 5 月) 解答 3 【解説】

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 総合福祉団体定期保険 総合福祉団体定期保険では、企業が保険契約 者、従業員が被保険者となる保険契約ですが、 被保険者の同意が必要です。また、保険金の受 取人は原則として従業員の遺族になっています。し たがって、従業員に万一のことがあったときは、遺族 に弔慰金や死亡退職金として保険金が支払われ ることになります。  長期平準定期保険 長期平準定期保険とは、法人税制上の名称で す。 1. 保険満了時の被保険者が 70 歳超 2. 契約年齢に保険期間の 2 倍を加えると 105 を超える という 2 つの要件を満たす逓増定期保険に 該当しない定期保険をいいます。契約期間が長期にわたるため、通常の定期保険より解約返戻金額が 多くなるため役員の退職金準備として活用できます。役員死亡時には死亡保険金を事業資金等に充 てることができます。 1.6.5 【問】 個人事業主の損害保険の税務処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、契約 者と保険料負担者は、同一の個人事業主である。 1.事業主が居住の用に供している店舗併用住宅に係る火災保険料のうち、住居部分に係る火災保 険料は、事業所得の金額の計算上、必要経費に算入されない。 2.事業運営上必要として支払った火災保険(保険期間1年)の年払い保険料は、事業所得の 金額の計算上、その全額を支払った年の必要経費に算入できる。 3.火災により営業が休止または阻害されたために店舗休業保険から支払われる保険金は、所得税に おいて事業所得の収入金額となる。 4.交通事故に遭い、休業したために所得補償保険から事業主である被保険者が受け取る保険金は、 所得税において事業所得の収入金額となる。 (2 級学科/2010 年度 1 月)

(35)

【解説】 所得税の事業所得において、必要経費となる損害保険料は、店舗や商品の火災保険料、自動車の 任意保険料などです。住宅部分の保険料は必要経費になりません。 火災保険(保険期間1年)の年払い保険料は、短期前払費用に該当するものとして、全額がその年 の経費として処理できます。 (法人が、前払費用の額で、その支払った日から 1 年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った 場合で、継続して損金の額に算入しているときは、収益と費用を対応させることなく、損金の額に算入す ることが認められます。) 業務の全部または一部を休止したことの補償として取得する保険金は、事業の収入金額に計上すること となりますが、身体に傷害を受けて休業し、その所得の補償として受け取る保険金は、非課税財産となり ます。したがって、事業所得で収入に計上することはありません。 1.6.6 【問】 法人が契約者(=保険料負担者)である生命保険を活用した事業リスクの回避・軽減に関する次の 記述のうち、最も不適切なものはどれか。 1.5 年後に勇退時期を迎える 60 歳の社長に支給する生存退職金の準備のために、被保険者を社 長、死亡保険金受取人を法人とする保険料が全額損金となる逓増定期保険に加入する。 2.従業員の退職金の準備のために、被保険者を全従業員、満期保険金受取人を法人、死亡保険 金受取人を被保険者の遺族とする養老保険に加入する。 3.従業員が死亡した場合の死亡退職金の準備のために、被保険者を全従業員、死亡保険金受取 人を被保険者の遺族とする総合福祉団体定期保険に加入する。 4.40 歳の社長が死亡した場合の事業保障資金の確保と、将来において社長が勇退した場合の生 存退職金の準備のために、被保険者を社長、死亡保険金受取人を法人とする長期平準定期保険に 加入する。 (2 級学科/2010 年度 9 月) 解答 1 【解説】 法人が支払う定期保険の保険料は、原則として、全額損金になりますが、例外が 2 つあります。一つが 逓増定期保険であり、もう一つが、長期平準定期保険1です。 1長期平準定期保険については、1.6.4 参照。

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 逓増定期保険 逓増定期保険は、保険期間の経過により保険金額が 5 倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間 満了の時における被保険者の年齢が 45 歳を超える定 期保険をいいます。  長期平準定期保険の保険料の経理処理 長期平準定期保険に該当した場合の経理処理を例示 すると左図のようになります。長期平準定期保険では、保 険期間の前半 6 割の期間では、保険料のうち損金処理 できるのは半分だけです。残りの半分は資産計上すること になります。 保険期間が後半の 4 割の期間になると、保険料の全額 に加えて、資産計上した金額を経費(損金)として処 理することになります。 総合福祉団体定期保険については、1.6.4 参照。  ハーフタックスプラン 死亡保険金の受取人を従業員の遺族、満期保険金の受 取人を会社とする養老保険契約は、ハーフタックスプランとい われ、保険料の半額を損金処理することができ、あわせて、 死亡保障も準備できるものです。 なお、一部の役員や従業員だけを対象とした場合には、損 金算入することができず、その役員や従業員に対する給与と みなされます。

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 著者紹介 杉山 明 バームスコーポレーション有限会社代表 防衛大学校卒業 青山学院大学国際マネジメント研究科(ファイナンス)修了 青山学院大学非常勤講師 CFP®認定者 1 級ファイナンシャル・プランニング技能士 国際公認投資アナリスト® 日本証券アナリスト協会検定会員 外資系生命保険会社で商品開発、投資信託運用会社で商品開発、ファンドの評価分析 などを担当 独立して現職 「老後破産しないためのお金の本」(河出書房新社)、「投資信託エキスパートハンドブッ ク」(近代セールス社)、「かしこいお金の育て方~ちぇるちゃんとバーム君の資産運用」「マ ーケティング・ノート」(績文堂出版)「1000 億円を動かすファンドマネージャー塾」(こう書 房)「絵で見てわかる 3 級 FP 技能士要点整理テキスト 2011-2012 年版」 「絵で見てわかる 3 級 FP 技能士過去問題&解説集 2014-2015 年版」(近代セールス 社)

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